JP2008058258A - 振動ジャイロおよびその製造方法 - Google Patents

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Kiyoushi Shimizu
教史 清水
Atsushi Ono
淳 小野
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Abstract

【課題】検出信号の0点温度ドリフトを低減した振動ジャイロおよびその製造方法を提供
する。
【解決手段】ジャイロ振動片1を、支持基板50にオーバーハングさせて形成された複数
のボンディングリード55a〜55fにより支持する構造において、ボンディングリード
55a〜55dのそれぞれに、他の部分よりも幅を広くした周波数調整部60a〜60d
を形成した。この、周波数調整部60a〜60dを有するボンディングリード55a〜5
5dは、ジャイロ振動片1の駆動モードにおける振動と共振しない周波数よりも若干大き
めに形成した。そして、周波数調整部60a〜60dの一部を除去することにより、ボン
ディングリード55a〜55dの共振周波数を調整できる構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジャイロ振動片を有する振動ジャイロおよびその製造方法に関する。
近年、車両における車体制御やカーナビゲーションシステム、また、デジタルカメラや
デジタルビデオカメラなどの位置制御機能や振動制御補正機能などの充実への要求が高ま
り、振動ジャイロセンサ(以下振動ジャイロと呼ぶ)が注目されている。振動ジャイロは
、水晶などの圧電性単結晶物からなるジャイロ振動片により、振動ジャイロ搭載物の揺れ
や回転などの振動によってジャイロ振動片の一部に発生する電気信号を角速度として検出
し、回転角を算出することによって該搭載物の振動補正量を求め導くのに供する装置であ
る。
ところで、振動ジャイロを搭載した電子機器は、様々な環境下で使用される。特に、車
両制御システムにおいては、幅広い環境温度、即ち高温と低温に曝される。このような苛
酷な使用環境の特定温度領域、例えば高温領域において、振動ジャイロが静止している状
態の所謂0点ジャイロ信号が立ち上がる現象が発生することがあった。このような発振状
態の異常が発生する振動ジャイロは検出信号の0点温度ドリフトが大きくなり、最悪の場
合はセンサとして動作しなくなる虞がある。
従来、振動ジャイロの構造においては、ジャイロ振動片の振動特性を損ねない支持構造
がとられている。例えば、特許文献1には、内側に開口部(空隙)を形成した支持基板(
枠体)に一端が支持され、他端が開口部の内側に向かって形成されたボンディングリード
(ボンディングワイヤ)によりジャイロ振動片(圧電振動片)を支持する構造が提案され
ている。これは、ジャイロ振動片の接合部を、支持基板の開口部にオーバーハングして形
成されたボンディングリードの他端に接合することにより、ジャイロ振動片と支持基板と
が接触しないように浮かせて支持するものである。即ち、オーバーハングさせて形成され
たボンディングリードによってジャイロ振動片を柔軟に支持することにより、ジャイロ振
動片が有する振動特性に対しての支持構造の影響を最小限に抑え、振動量検出特性の劣化
を回避している。
上述した振動ジャイロの特定の温度領域における検出振動の0点温度ドリフトは、支持
構造に存在する共振周波数(固有周波数ともいう。以下同じ)が、ジャイロ振動片の駆動
モードの振動と共振する領域であったときに起こることが突き止められている。
特許文献1の振動ジャイロの構造によれば、ボンディングリードの形状を、その共振周
波数がジャイロ振動片の駆動モードの振動と共振しない範囲内の周波数となるように形成
することにより、振動ジャイロの0点温度ドリフトを回避することを可能としている。
特開2003−294450号公報
しかしながら、特許文献1に記載の振動ジャイロの構造では、フォトリソグラフィなど
により形成されるボンディングリードの製造上の形状ばらつきにより、ボンディングリー
ドの共振周波数が所定範囲外となってしまう可能性があった。また、ジャイロ振動片の駆
動モードの振動も、ジャイロ振動片の製造上の形状ばらつきにより若干シフトすることが
あるので、駆動モードの共振周波数と、接合されるボンディングリードの共振周波数との
結合により0点温度ドリフトを起こす可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、検出信号の
0点温度ドリフトを低減した振動ジャイロおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、支持部と、該支持部から直線上に両側へ延在
し且つそれぞれの表面に検出電極を有する一対の検出アームと、支持部から両側へ検出ア
ームに直交する方向に延在する一対の連結アームと、各連結アームの先端部からそれと直
交して両側へ延在し且つそれぞれの表面に駆動電極をそれぞれ有する各一対の駆動アーム
と、を同一平面に備え、各検出電極および各駆動電極にそれぞれ接続された複数の接続用
電極パッドを支持部の表面に形成したジャイロ振動片と、接続用電極パッドに一端部が接
合されるとともに他端部がジャイロ振動片の外側に向かって互いに離反する方向へ延在し
ている複数のボンディングリードと、複数のボンディングリードの他端部を支持する支持
基材とを備える支持基板と、を有する振動ジャイロであって、ボンディングリードが、質
量を変化させることによりボンディングリードの共振周波数を調整するための周波数調整
部を有することを要旨とする。
支持基板のボンディングリードによってジャイロ振動片が支持された振動ジャイロにお
いて、ボンディングリードによる支持構造の共振周波数が、ジャイロ振動片の駆動モード
の振動と共振する範囲内にあると、特定の温度領域において0点ジャイロ信号が急峻に立
ち上がる。このような発振状態の異常が発生する状態の振動ジャイロは、検出信号の0点
温度ドリフトが大きくなって正常な振動検出ができなくなる。このため、ボンディングリ
ードの設計においては、その共振周波数がジャイロ振動片の駆動モードの振動と共振しな
い周波数となるようにボンディングリードの形状が決定されるが、ボンディングリード形
成時の製造ばらつきにより所定の範囲から外れる虞がある。
上述した構成によれば、ジャイロ振動片を支持する支持基板のボンディングリードに、
質量を変化させることによりボンディングリードの共振周波数を調整することが可能な周
波数調整部を有している。これにより、支持基板にジャイロ振動片を搭載した状態で、ジ
ャイロ振動片の駆動振動モードにおいてボンディングリードが共振しない共振周波数とな
るように、ボンディングリードの共振周波数を調整することができる。従って、支持基板
の製造ばらつきによってボンディングリードの共振周波数が設計範囲外となった場合でも
、共振周波数を所定の範囲内に調整することができ、振動検出信号の0点温度ドリフトが
軽減され優れた振動検出が可能な振動ジャイロを提供することができる。
本発明は、周波数調整部は、ボンディングリードの一部を太くした部分であることを特
徴とする。
この構成によれば、ボンディングリードの一部を太くして形成された周波数調整部の一
部を除去することにより、ジャイロ振動片を支持するボンディングリードの支持強度の低
下を抑えてボンディングリードの共振周波数を調整することができる。
本発明では、ボンディングリードの太さの違いは、ボンディングリードのリード幅が異
なることによることが好ましい。
この構成によれば、ボンディングリードの一部の幅広部分が周波数調整部となっている
ので、ジャイロ振動片の支持強度を損なわないようにボンディングリードの幅を確保しな
がら、ボンディングリードの共振周波数を調整することができる。また、支持基板をフォ
トリソグラフィにより製造するときに、フォトマスクのマスクパターンを変更することに
より、比較的容易に、任意の幅にて周波数調整部を形成することができる。これにより、
工程を増やすことなく周波数調整部を有するボンディングリードを備えた支持基板を製造
でき、0点温度ドリフトが軽減された振動ジャイロの支持構造に寄与することができる。
本発明では、ボンディングリードの太さの違いは、ボンディングリードのリード厚が異
なることによる構成としてもよい。
この構成によれば、ボンディングリードの厚めに形成された周波数調整部の一部を除去
することにより、ジャイロ振動片の支持強度の低下を抑えながら、ボンディングリードの
共振周波数を調整することができる。
本発明では、ボンディングリードに屈曲部分が形成され、周波数調整部が屈曲部分に形
成されている構成としてもよい。
この構成によれば、ジャイロ振動片の支持に供するボンディングリードの長さが、屈曲
部分により長くなるので、ジャイロ振動片の振動特性への支持構造の影響が軽減されたジ
ャイロ振動片の柔軟な支持構造に供することができる。さらに、このボンディングリード
の屈曲部分に周波数調整部が形成される。例えば、屈曲部分を一つのコーナー部分とした
略矩形の周波数調整部を形成することにより、屈曲部分によるジャイロ振動片の支持強度
の低下を抑えながら、周波数調整部の質量を変化させてボンディングリードの共振周波数
を調整することができる。
本発明では、ボンディングリードに屈曲部分が形成され、周波数調整部が、屈曲部分と
は異なるストレート部分に形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、上述した屈曲部分によるボンディングリードの良好な支持構造が得
られる効果とともに、ストレート部分に幅広に形成された周波数調整部の幅広部分を除去
する際に、周波数調整部以外の部分の変化を防止することができる。例えば、レーザなど
を走査させて周波数調整部の一部を除去する場合に、ボンディングリードのストレート部
分と平行にレーザを走査させることにより、前記ストレート部分のリード幅が変化するの
を防止することができる。従って、ボンディングリードの、ジャイロ振動片の支持に供す
る部分の形状変化による支持強度の低下を防止しながら、ボンディングリードの共振周波
数を調整することができる。
本発明では、周波数調整部に被膜を有することが望ましい。
この構成によれば、周波数の被膜の質量を変化させることにより、ジャイロ振動片の支
持強度への変化を抑えてボンディングリードの共振周波数を調整することができる。
本発明では、被膜が、ボンディングリードより密度の高い材料からなることが望ましい
この構成によれば、ボンディングリードと同一材料からなる周波数調整部の質量を変化
させる場合に比して、少ない加工量にてボンディングリードの共振周波数調整をすること
ができ、加工時間が低減するなど、効率的に振動ジャイロを製造できるという効果を奏す
る。
本発明は、支持部と、該支持部から直線上に両側へ延在し且つそれぞれの表面に検出電
極を有する一対の検出アームと、支持部から両側へ検出アームに直交する方向に延在する
一対の連結アームと、各連結アームの先端部からそれと直交して両側へ延在し且つそれぞ
れの表面に駆動電極をそれぞれ有する各一対の駆動アームと、を同一平面に備え、各検出
電極および各駆動電極にそれぞれ接続された複数の接続用電極パッドを支持部の表面に形
成したジャイロ振動片と、接続用電極パッドに一端部が接合されるとともに他端部がジャ
イロ振動片の外側に向かって互いに離反する方向へ延在している複数のボンディングリー
ドと、複数のボンディングリードの他端部を支持する支持基材とを備える支持基板と、を
有し、ボンディングリードが、質量を変化させることによりボンディングリードの共振周
波数を調整するための周波数調整部を有する振動ジャイロの製造方法であって、支持基板
に振動ジャイロを接合した状態で、周波数調整部の質量を変化させてボンディングリード
の共振周波数を調整する工程を含むことを要旨とする。
この構成によれば、ジャイロ振動片を支持する支持基板のボンディングリードに周波数
調整部を有し、この周波数調整部の質量を変化させることによりボンディングリードの共
振周波数を調整する工程を有している。例えば、支持基板にジャイロ振動片を搭載させた
状態で、ボンディングリードによるジャイロ振動片の支持構造の振動周波数を測定し、こ
の測定結果に基づいて周波数調整部の質量を変化させてボンディングリードの共振周波数
を調整することができる。これにより、ジャイロ振動片の駆動振動モードにおいて、ボン
ディングリードが共振を起こさない共振周波数となるように、ボンディングリードの共振
周波数を調整することができるので、振動検出信号の0点温度ドリフトが軽減され、優れ
た振動検出機能を有する振動ジャイロの製造方法を提供することができる。
本発明は、質量の変化が、レーザを用いて周波数調整部の一部を除去することによるこ
とを特徴とする。
この構成によれば、レーザ装置さえ用意すれば、工程をほとんど増やすことなく、比較
的簡便な工程で周波数調整部の一部を除去してボンディングリードの共振周波数を調整す
ることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる振動ジャイロの第1の実施形態について図面に従って説明する。
図1(a)は、本実施形態の振動ジャイロ30を説明する平面図であり、同図(b)は
、図1(a)中のA−A断面図である。なお、図1(a)では、説明の便宜上、回路部4
0と、振動ジャイロ30の上部を覆っている蓋体の図示を省略している。また、図2は、
振動ジャイロ30内に形成される回路部40の平面図である。
(振動ジャイロ)
まず、振動ジャイロ30の全体構成を説明する。
振動ジャイロ30は、段差を有する凹部が形成されたパッケージ容器150の凹底部分
に接合されたIC100と、IC100の上方に固定された支持基板50に支持されたジ
ャイロ振動片1とを有している。パッケージ容器150の上面には蓋体160が接合され
てパッケージ容器150の上面開口が封鎖され、IC100とジャイロ振動片1とが、パ
ッケージ容器150の内部に気密に封止されている。
セラミック等で形成されたパッケージ容器150は、平板状の第一層110と、開口部
の大きさが異なる矩形環状の第二層120、第三層130、第四層140とがこの順に重
ねて形成されることにより、段差を有する凹部が形成されている。また、第一層110上
面の略中央にはAu(金)などの金属からなるダイパッド111が形成され、底面には複
数の外部接続電極112が形成されている。また、第二層120の上面には、ICと接続
される複数の回路接続電極121が形成され、さらに、第三層130の段差上には、後述
する支持基板50に接続するための複数の振動子接続電極137a〜137fが形成され
ている。なお、回路接続電極121、振動子接続電極137a〜137f、および外部接
続電極112は、図示しない内部配線やスルーホールにより、回路配線を形成するように
接続されている。
パッケージ容器150の凹部の凹底部分のダイパッド111上には、IC100が銀ペ
ーストなどの導電性接着剤(図示せず)などにより接着固定されている。IC100の上
面に有する複数のパッドと、対応する回路接続電極121とは、ボンディングワイヤ10
5により接続され、回路部40が形成されている。
パッケージ容器150の第三層130の振動子接続電極137a〜137fには、対応
する外部端子57a〜57f(図5を参照)が位置合わせされた支持基板50が、基材5
1の配線パターン形成面を下側にして、銀ペーストなどの導電性接着材190で接着固定
されている。支持基板50の基材51の中央部には略直方形の開口部(デバイスホール)
52が形成されている。また、支持基板50に備えられた複数のボンディングリード(イ
ンナーリード)55a〜55fは、基材51の開口部52を挟んで対面する二辺の裏側(
パターン形成面)に基端部が保持され、先端部が開口部52の中央に向かってオーバーハ
ングして形成されている。また、ボンディングリード55a〜55fのうち、ボンディン
グリード55a〜55dのオーバーハングされた部分の所定の位置に、他の部分よりも幅
が広く形成された周波数調整部60a〜60dがそれぞれ形成されている。ボンディング
リード55a〜55fのそれぞれは、基材51の周辺部に向けて延長されていて、基材5
1の周辺部に形成された外部端子57a〜57fに接続されている。
なお、本実施形態では、パッケージ容器150の第三層130の段差上に形成された振
動子接続電極137a〜137fに、支持基板50のパターン形成面を下向きにして接着
固定される構成としたが、これに限らない。例えば導電性接着剤190の塗布位置を工夫
して、振動子接続電極137a〜137fと、対応する外部端子57a〜57fとにそれ
ぞれ接触させるようにすれば、パターン形成面を上向きにして固着する構成としてもよい
ボンディングリード55a〜55fのそれぞれは、開口部52の中心方向に向かって一
旦斜め上方に折り曲げられてから、さらに先端側で再び水平に折り曲げられている。
水平に折り曲げられたボンディングリード55a〜55fの各先端部の上面は、ジャイ
ロ振動片1の支持部2に形成された対応する接続用電極パッド15と接合されて、それぞ
れが電気的に接続されている。従って、ジャイロ振動片1は、その下面(裏面)が各接続
用電極パッド15以外がボンディングリード55a〜55fと接触しない状態に支持され
ている。しかも、ボンディングリード55a〜55fが、基材51から離間する側へ折り
曲げられているので、ジャイロ振動片1は基材51と接触しない状態で支持される構造と
なっている。
(回路部)
ここで、図1で図示を省略した回路部40について、図面に従って説明する。
図2は、回路部40を説明する平面図である。
パッケージ容器150の凹部の凹底部分となる第一層110上面に形成されたダイパッ
ド111上には、振動ジャイロ30の駆動回路や検出回路などの集積回路が形成されたI
C100がAg(銀)ペーストなどの導電性接着剤(図示せず)などにより接着固定され
ている。IC100の上面には複数のパッド101が形成されていて、パッケージ容器1
50の第二層120の段差上にパッド101に対応させて形成された複数の回路接続電極
121とが、ボンディングワイヤ105によりワイヤボンディングされて接続されている

なお、図2におけるパッケージ容器150の第三層130の段差上に形成された振動子
接続端子137a〜137f上に、後述する支持基板50の外部端子57a〜57f(図
5を参照)が位置合わせされて接続される。また、パッケージ容器150の最上部となる
第四層140の上面に有するシームリングなどの接合材159により、蓋体160が接合
される。
(支持基板)
次に、支持基板50について、ボンディングリード55a〜55fの形状を中心に図面
に従って詳細に説明する。
図5は、支持基板50を説明する平面図である。なお、図1(a)において、支持基板
50を、パターン形成面を下向きしてパッケージ容器150に接合された状態を図示した
が、図5ではパターン形成面側を説明する平面図として説明する。また、図6は、ボンデ
ィングリードに形成された周波数調整部を説明する図であり、(a)は図5のa−a線断
面図、(b)は平面図である。なお、図6(b)では、後述する周波数調整方法にて形成
される溝状のレーザ痕200が付いた状態を図示している。
支持基板50は、本実施形態では、従来より知られるTAB(Tape Automated Bonding
)実装用の基板を用いている。
支持基板50は、上面に図示しない接着剤層を有し、ポリイミドなどの可曉性樹脂から
なるフープ状の基材に等間隔に形成する。まず、フープ上の基材にプレス加工によって開
口部52を形成して基材51を得てから、接着剤層を接着剤としてCu(銅)箔などの配
線用金属箔を貼り合わせる。そして、フォトリソグラフィーによりボンディングリード5
5a〜55f等の電極パターンを形成する。このとき、開口部52側のCu(銅)箔にエ
ッチングレジストを塗布した状態でエッチングすることにより、ボンディングリード55
a〜55fが形成され、その後エッチングレジストを剥離する。従って、ボンディングリ
ード55a〜55fは、基材51上に接着剤層によって保持されながら開口部52の中央
側に向かって延出された、いわゆるオーバーハング構造にて形成される。
なお、ボンディングリード55a〜55fの厚み、即ち基材51に貼り合わせるCu(
銅)箔の厚みは、支持するジャイロ振動片1の大きさや重さなどに応じて選定可能であり
、例えば10〜40μmのCu(銅)箔範囲のCu(銅)箔が適宜に使用される。また、
ボンディングリードを形成する電極用金属箔の種類は、エッチングによりパターン形成可
能な金属であればCu(銅)箔以外でもよく、例えばAu(金)やAl(アルミニウム)
などを用いてもよい。
複数のボンディングリード55a〜55fは、支持基板50の長辺側の対向する二辺の
方向から、開口部52の図示しない仮想の中心点に対して点対称となる3つの対をなして
いる。また、複数のボンディングリード55a〜55fは、開口部52を短辺方向に二等
分する仮想の中心線(図示せず)に対して線対称となっている。本実施形態では、ボンデ
ィングリード55aと55b、55cと55d、そして55eと55fがそれぞれ開口部
52の仮想の中心点に対して点対称な対をなして、開口部52上で対面する先端部間に所
定の間隙を設けて3対形成されている。
前記3対のボンディングリード55a〜55fのうち、真中に位置する一対のボンディ
ングリード55e,55fは、他の二対のボンディングリード55a,55b及び55c
,55dよりも太い幅にて真直ぐに形成されている。
一方、二対のボンディングリード55a,55b及び55c,55dのそれぞれは、基
材51上から開口部52の中央に向かう途中で、一旦隣接するボンディングリード55e
または55f側に略直角に屈曲して延びてから、再び開口部52の中央側に略直角に屈曲
して開口部52の中央側に向かって延びている。これらボンディングリード55a,55
b及び55c,55dそれぞれの二箇所の屈曲部分のうち、基材51側の屈曲部分には、
屈曲部分を一つのコーナー部とした略矩形の周波数調整部60a〜60dが形成されてい
る。このとき、周波数調整部60a〜60dを有するボンディングリード55a〜55d
は、ジャイロ振動片1の振動モードにおける振動と共振しない範囲の周波数よりも、若干
大きめの共振周波数となるように形成されている。
各ボンディングリード55a〜55fのそれぞれの先端部分は、前記ジャイロ振動片1
の複数の接続用電極パッド15のそれぞれと対応する位置に合わせて形成されている。
開口部52にオーバーハングしている部分のボンディングリード55a〜55fは、基
材51近傍で幅が広く形成され、そのまま基材51上に配線されて、基材51の周辺部の
外部端子57a〜57fに接続されている。これにより、ボンディングリード55a〜5
5fは基材51との接着面積が大きくとれて密着力が向上するとともに、オーバーハング
部の根元のエッチング細りなどによるリード強度低下が回避される。
Cu(銅)箔をパターニングすることにより支持基板50に形成されたボンディングリ
ード55a〜55f、外部端子57a〜57f、およびそれらを接続するCu(銅)配線
上には、バリア層としてのNi(ニッケル)めっきを介してAu(金)めっきが施されて
いる。また、図6(a)に周波数調整部55aを代表例として図示すように、周波数調整
部60a〜60fの前記Au(金)めっき上には、めっき、スパッタ、あるいは蒸着によ
り、Au(金)めっきに比して厚めのAu(金)がさらに積層されている。なお、周波数
調整部60a〜60fのAu(金)めっき上に積層させる金属はAu(金)に限らなくて
もよいが、Au(金)のようになるべく密度の高い金属を積層させることが望ましい。
なお、ボンディングリード55a〜55fの、ジャイロ振動片1との接合部となる各先
端部分に、Au(金)を厚付けする構成としてもよい。これにより、ジャイロ振動片1の
接続用電極パッド15に接合用金属を形成しなくても、ボンディングリード55a〜55
fと接合することができる。このボンディングリード55a〜55fの各先端部分に厚付
けするAu(金)は、上記した周波数調整部60a〜60d上に厚めに積層させるAu(
金)と同時に形成することにより、工程を増やすことなく形成することができる。
(ジャイロ振動片)
次に、ジャイロ振動片1の構成および動作原理について、図面を用いて詳細に説明する

図3は、ジャイロ振動片1の駆動振動モードの振動を模式的に説明する平面図であり、
図4は、ジャイロ振動片1の検出振動モードの振動を模式的に説明する平面図である。な
お、図3、及び図4については、振動形態をわかりやすく説明する便宜上、振動部分を動
作の基点などで二つに分け、それぞれの符号にA,BまたはC,Dを付している。また、
図4では、図3と同じ構成部分は同じ符号を付して説明を省略する。
まず、ジャイロ振動片1の構成について、図3を用いて説明する。
振動ジャイロ30に用いられるジャイロ振動片1は、従来知られた駆動モード、検出モ
ード、及びスプリアスモードの3つのモードで動作すべく、駆動モードに供する第一の駆
動アーム4A,4B及び第二の駆動アーム4C,4Dと、検出モードに供する検出アーム
3A,3Bと、連結アーム12A,12Bと、支持部2とを有している。
一対の連結アーム12A,12Bは、四角板状を有する支持部2の両側面(図3におい
ては上下の端面)中央箇所からそれぞれの軸線が一致するようにそれぞれ反対方向に真っ
直ぐ延出している。連結アーム12Aの一端は第一の駆動アーム4A,4Bの延在方向中
心位置に接続されており、一方、連結アーム12Bの一端は第二の駆動アーム4C,4D
の延在方向中心位置に接続されている。第一の駆動アーム4A,4Bと第二の駆動アーム
4C,4Dの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されて横断面形状が略H字状となって
おり、溝内に駆動電極9が形成されている。また、第一の駆動アーム4A,4Bと第二の
駆動アーム4C,4Dの各先端にはそれぞれ幅を広く形成された重量部5A〜5Dが設け
られている。
検出アーム3A,3Bは、支持部2の中心をその軸線が通るように、支持部2の両側面
(図3においては左右の端面)中央箇所から真っ直ぐ延出している。また、検出アーム3
A,3Bの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されて横断面形状が略H字状となってお
り、溝内に検出電極10が形成されている。支持部2は、連結アーム12A,12Bと検
出アーム3A,3Bとの接続点を含む所定の面積を有する板状部であり、ジャイロ振動片
1を支持基板50で支持する支持部(基部)となっている。また、支持部2の図中裏面側
には、支持基板50のボンディングリード55a〜55fと対応する複数の電極接続用電
極パッド15が設けられている。検出アーム3A,3Bの各先端にはそれぞれ幅を広く形
成された重量部6A,6B設けられており、各重量部5A〜5D主面の略中央に貫通孔8
が形成されている。
次に、ジャイロ振動片1の動作原理について説明する。
図3には駆動モードの振動を示す。振動ジャイロ1駆動時には、第一の駆動アーム4A
,4B及び第二の駆動アーム4C,4Dは、それぞれ支持部2への付け根11を中心とし
て矢印Aの方向への屈曲振動を所定の周波数で繰り返している。このとき、第一の駆動ア
ーム4A,4Bと第二の駆動アーム4C,4Dとが、ジャイロ振動片1の重心を通る連結
アーム12A,12Bの仮想の中心線(図示せず)を軸とした線対称の振動を行っている
ので、連結アーム12A,12B及び検出アーム3A,3Bは、ほとんど振動しない。
この状態で、ジャイロ振動片1を、ジャイロ振動片1に略垂直に延びる回転軸Zの周り
に回転させると、図4に示すように、連結アーム12A,12Bが支持部2への付け根2
aを中心として、矢印Bのように屈曲振動する。その反作用によって、検出アーム3A,
3Bのそれぞれが、支持部2の付け根3aを中心として、矢印Cのように屈曲振動する。
このような検出アーム3A,3Bによる検出振動において発生した電気信号に基づいて、
Z軸を中心とする回転角速度を算出する。
(振動ジャイロの製造方法)
次に、本実施形態の振動ジャイロ30の製造方法について説明する。
振動ジャイロ30の製造においては、まず、図2に示す回路部40を形成する。
パッケージ容器150の凹部の凹底部分上面に形成されたダイパッド111に、Ag(
銀)ペーストなどの導電性接着剤(図示せず)を塗布してから、IC100を接着固定す
る。そして、ワイヤボンディングにより、IC100の上面に形成された複数のパッド1
01と、対応するパッケージ容器150の回路接続電極121とをボンディングワイヤ1
05により接続して、回路部40を得る。
回路部40を形成するのに併せて、フォトリソグラフィおよびめっきなどの工程を経て
製造された支持基板50に、ジャイロ振動片1を接合する。
まず、ジャイロ振動片1の接続用電極パッド15と、それぞれに対応する支持基板50
の各ボンディングリード55a〜55fとを位置合わせする。この状態で、所定温度の熱
圧着ツールを所定の圧力で圧しつけることで一括して接合する、所謂ギャングボンディン
グ(Gang Bonding)を行なう。このときの熱と圧力の作用によって、それぞれ対応する各
接続用電極パッド15と各ボンディングリード55a〜55fのそれぞれの表層のAu(
金)同士が、所定の機械的強度をもって金属接合される。
また、ギャングボンディングするときのジャイロ振動片1の高さと、支持基板50の高
さとを調整することによって、ボンディングリード55a〜55fの厚み方向の屈曲形状
を制御して形成する(図1(b)を参照)。これにより、ジャイロ振動片1の下面が支持
基板50と接触しないように所定の隙間を形成することができる。
なお、本実施形態では、ボンディングリード55a〜55fの表層にAu(金)めっき
を施し、ジャイロ振動片1のAu(金)からなる接続用電極パッド15とを、ギャングボ
ンディング法によって金属接合させて接合する構成としたが、これに限定されない。例え
ば、Au(金)とSn(錫)の共晶現象をもって接合するなど、所定の接合強度を持って
電気的に接続できれば、各ボンディングリード55a〜55fに施すめっき金属及び接続
用電極パッド15の金属材料には、Sn(錫)、Ni(ニッケル)、半田合金など他の金
属を接合金属として用いてもよい。また、ギャングボンディング法による金属接合以外に
も、例えば導電性接着剤などを用いた他の接合方法を利用することも可能である。
次に、上述した方法によりジャイロ振動片1を接合した支持基板50を、回路部40を
形成した上方に接合する。まず、パッケージ容器150の第三層130の段差上に形成さ
れた振動子接続電極137a〜137fに、Ag(銀)ペーストなどの導電性接着剤19
0を所定量塗布する。そして、接続電極137a〜137fにそれぞれ対応する外部電極
57a〜57a(図5を参照)を位置合わせして支持基板50を仮止めし、導電性接着剤
190を固化させて接着固定する。
このように、パッケージ容器150内部にジャイロ振動片1が接合された支持基板50
を搭載した後に、ジャイロ振動片1の測定感度を良好にするために特性調整を実施するこ
とが望ましい。これは、ウェットエッチングなどによるジャイロ振動片1の製造バラツキ
により、駆動アーム4A〜4Dと検出アーム3A,3Bとの間の振動周波数の差(離調周
波数)を適正な値に調整するために行なわれる。
具体的には、検出アーム3A,3Bに形成されている重量部6A,6Bの双方またはど
ちらか一方から質量を除去する加工を行ない、検出アーム3A,3Bの固有共振周波数を
変化させることにより行なう。なお、重量部6A,6Bから質量を除去する加工は、一例
としてレーザを照射することによって重量部6A,6Bを溶融、蒸発させる方法を用いる
次に、ジャイロ振動片1を支持した状態の各ボンディングリード55a〜55fのうち
、周波数調整部60a〜60dを形成したボンディングリード55a〜55dの共振周波
数の調整を行なう。まず、ジャイロ振動片1に駆動電圧を印加して駆動モードの振動をさ
せた状態で、レーザドップラ微小振動計を用いてボンディングリード55a〜55dの振
動周波数を測定する。なお、レーザドップラ微小振動計は、数10μmの比較的小さな計
測面積(レーザ照射面積)で非接触にて周波数測定ができ、本実施形態の好適な周波数測
定手段とされるが、これに限らず、他の周波数測定手段を用いてもよい。
次に、レーザドップラ微小振動計によるボンディングリード55a〜55dの振動周波
数測定結果に基づいて、レーザにより周波数調整部60a〜60dの一部を除去すること
により各ボンディングリード55a〜55dの共振周波数を所定の範囲内に調整する。こ
こで、共振周波数の所定の範囲内とは、ジャイロ振動片1の駆動モードの振動と共振しな
い範囲の共振周波数を指す。本実施形態では、周波数調整部60a〜60dを有する各ボ
ンディングリード55a〜55dのそれぞれの固定周波数が、所定の範囲よりも若干大き
めに設計されているので、周波数調整部60a〜60dの一部を除去して共振周波数を低
下させることにより周波数調整を行なう。図6(b)は、レーザにより周波数調整部60
aの一部をレーザにより除去してレーザ痕200が形成されることにより周波数調整を行
なったボンディングリード55aの例を示した平面図である。
本実施形態では、ボンディングリード55a〜55dの振動周波数測定結果に基づいて
周波数調整部60a〜60dの一部を所定量除去し、その後、周波数測定を実施する工程
を、振動周波数が所定の範囲に入るまで繰り返す。なお、これに限らず、ボンディングリ
ードの振動周波数が所定の範囲になるように、周波数測定値を確認しながら周波数調整部
を除去していく方法とすることも可能である。
次に、図1(b)のようにIC100および支持基板50に支持されたジャイロ振動片
1が接合されたパッケージ容器150内部を洗浄する。
そして、パッケージ容器150の上面開口を塞ぐように、シームリングなどの接合材1
59を介して蓋体160を位置決めして仮固定し、シーム溶接することなどにより蓋体1
60を固定して、パッケージ内部を気密に封止し、一連の振動ジャイロ30の製造工程を
終了する。
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態では、ジャイロ振動片1を、支持基板50にオーバーハングさせて
形成された複数のボンディングリード55a〜55fにより支持する構造において、ボン
ディングリード55a〜55dのそれぞれに、他の部分よりも幅を広くした周波数調整部
60a〜60dを形成した。この、周波数調整部60a〜60dを有するボンディングリ
ード55a〜55dは、ジャイロ振動片1の駆動モードにおける振動と共振しない周波数
よりも若干大きめに形成した。これにより、周波数調整部60a〜60dの一部を除去す
ることにより、ボンディングリード55a〜55dの共振周波数を調整できる構成とした
上記構成によれば、支持基板50にジャイロ振動片1を搭載した状態で、ジャイロ振動
片1の駆動振動モードにおいてボンディングリード55a〜55dが共振しない共振周波
数となるように、ボンディングリード55a〜55dの共振周波数を調整することができ
る。従って、ジャイロ振動片1の駆動モードにおける振動と共振しないように、ボンディ
ングリード55a〜55dの共振周波数を調整することができるので、振動検出信号の0
点温度ドリフトが軽減された振動ジャイロ30を提供することができる。
(2)上記実施形態では、周波数調整部60a〜60dは、ボンディングリード55a
〜55dの屈曲部分に形成され、この屈曲部分を一つのコーナー部とした略矩形の幅広部
分である構成とした。
この構成によれば、ジャイロ振動片1の支持に供するボンディングリード55a〜55
dの長さが、屈曲部分により長くなるので、ジャイロ振動片1の振動特性への支持構造の
影響が軽減されたジャイロ振動片1の柔軟な支持構造に供することができる。さらに、こ
のボンディングリード55a〜55dの屈曲部分を一つのコーナー部分とした略矩形の周
波数調整部60a〜60dが形成されているので、屈曲部分によるジャイロ振動片1の支
持強度の低下を抑えながら、周波数調整部60a〜60dの質量を変化させてボンディン
グリード55a〜55dの共振周波数を調整することができる。
(3)上記実施形態では、周波数調整部60a〜60dに、ボンディングリード55a
〜55fの基材であるCu(銅)より密度が高いAu(金)の被膜が形成された構成とし
た。
この構成によれば、ボンディングリード55a〜55fの基材であるCu(銅)をその
まま周波数調整部60a〜60dとした場合に比して、少ない除去量にてボンディングリ
ード55a〜55dの共振周波数を顕著に変化させて調整することができる。これにより
、周波数調整作業時間が短縮し、効率的に振動ジャイロ30を製造することができる。
(4)上記実施形態では、ボンディングリード55a〜55fによりジャイロ振動片1
を支持した状態で、周波数調整部60a〜60dを有するボンディングリード55a〜5
5dの振動周波数を測定した。そして、振動周波数測定結果に基づいて周波数調整部60
a〜60dの除去量を算定し、周波数調整を行なう構成とした。
この構成によれば、製造された振動ジャイロ30の、ジャイロ振動片1およびボンディ
ングリード55a〜55fによる支持構造におけるボンディングリード55a〜55dの
振動周波数の実測値に基づいて、周波数調整を行なえる。これにより、ジャイロ振動片1
やボンディングリード55a〜55fの製造ばらつきの大きさに関係なく、ボンディング
リード55a〜55dの周波数を、ジャイロ振動片1の駆動モードにおける振動と共振し
ないように調整することができる。従って、振動検出信号の0点温度ドリフトが軽減され
、優れた振動検出機能を有する振動ジャイロ30の製造方法を提供することができる。
(5)上記実施形態では、ボンディングリード60a〜60dの共振周波数を調整する
工程で、周波数調整部60a〜60dの一部をレーザにより除去する構成とした。
この構成によれば、レーザ装置さえ用意すれば、工程をほとんど増やすことなく、比較
的簡便な工程でボンディングリード55a〜55dの共振周波数を調整することができる
(6)上記実施形態では、ジャイロ振動片1と、支持基板50の各ボンディングリード
55a〜55fとを、ギャングボンディング法により接合するTAB実装方式を用いた。
この構成によれば、支持基板50が等間隔で形成されたフープ状の支持基板リールによ
り、リールトゥリール(Reel to reel)で連続して支持基板へのジャイロ振動片1の接合
ができるため、生産性に優れた効率的な振動ジャイロの生産が可能となる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、支持基板50の周波数調整部60a〜60dを、ボンディン
グリード55a〜55dの屈曲部分に、該屈曲部分を一つのコーナー部とした略矩形の幅
広部分として形成した。これに対して、この第二の実施形態では、各ボンディングリード
55a〜55dの屈曲部分以外のストレート部分に形成する例を図面に沿って説明する。
図7は、第2の実施形態の支持基板80を説明する平面図であり、図8は、支持基板8
0の周波数調整部の一部をレーザにより除去した一例を説明する図7の部分拡大平面図で
ある。なお、第2の実施形態における支持基板80の構成のうち、第1の実施形態の支持
基板50と同一の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7において、支持基板80は、基材51上に一端が支持され、他端が基材51の略中
央に形成された開口部52の中央に向かってオーバーハングさせて形成されたボンディン
グリード65a〜65fを有している。ボンディングリード65a〜65fは、基材51
の長辺側の対向する二辺の方向から、開口部52の図示しない仮想の中心点に対して点対
称となる3つの対をなしている。また、ボンディングリード65a〜65fは、開口部5
2を短辺方向に二等分する仮想の中心線に対して線対称となっている。
3対のボンディングリード65a〜65fのうち、真中に位置する一対のボンディング
リード65e,65fは、開口部52の中央に向かってそれぞれ真直ぐに形成されている

一方、他の二対のボンディングリード65a,65b及び65c,65dのそれぞれは
、基材51上から開口部52の中央に向かう途中で、一旦隣接するボンディングリード6
5eまたは65f側に略直角に屈曲して延びてから、再び開口部52の中央側に略直角に
屈曲して開口部52の中央側に向かって延びている。これらボンディングリード65a,
65b及び65c,65dそれぞれの二箇所の屈曲部分のうち、先端側の屈曲部から先端
部に向けてのストレート部分には、該ストレート部分より幅が広く形成された周波数調整
部70a〜70dが設けられている。
上記のように形成された第2の実施形態の周波数調整部70a〜70dの一部をレーザ
により除去して、ボンディングリード65a〜65dそれぞれの共振周波数を調整した状
態を、図8に示す。図8では、周波数調整部70aを有するボンディングリード65aを
代表例として図示している。周波数調整部70aの一部をレーザにより除去することによ
り形成されたレーザ痕200は、ボンディングリード65aのストレート部分と平行な図
中のレーザ走査方向にレーザを走査させることにより形成されている。
この構成によれば、レーザにより周波数調整部70a〜70dの一部を除去してボンデ
ィングリード65a〜65dの共振周波数を調整するときに、ボンディングリード65a
〜65dのストレート部分と平行に走査させている。これにより、レーザの走査がオーバ
ーランした場合でも、ボンディングリード65a〜65dの周波数調整部70a〜70d
以外の部分にレーザが照射されてしまう危険性が軽減する。したがって、ジャイロ振動片
1の支持強度の低下を防止しながら、ボンディングリード65a〜65dの固定周波数の
調整を行なうことができる。
(a)は、第1の実施形態の振動ジャイロを説明する平面図、(b)は、(a)のA−A線断面図。 振動ジャイロ内に形成される回路部の平面図。 ジャイロ振動片およびその駆動振動モードの振動を模式的に説明する平面図。 ジャイロ振動片の検出振動モードの振動を模式的に説明する平面図。 第1の実施形態に係る支持基板を説明する平面図。 (a)は、支持基板の周波数調整部を説明する図5のa−a線断面図、(b)は、周波数調整された状態の周波数調整部の一例を説明する(a)の平面図。 第2の実施形態の支持基板を説明する平面図。 第2の実施形態の支持基板が周波数調整された状態の一例を説明する図7の部分拡大平面図。
符号の説明
1…ジャイロ振動片、2…支持部、3A,3B…検出アーム、4A,4B…第一の駆動
アーム、4C,4D…第二の駆動アーム、9…駆動電極、10…検出電極、12A,12
B…連結アーム、15…接続用電極パッド、30…振動ジャイロ、40…回路部、50,
80…支持基板、51…基材、52…開口部、55a〜55f、65a〜65f…ボンデ
ィングリード、60a〜60d、70a〜70d…周波数調整部、100…IC、101
…パッド、105…ボンディングワイヤ、110…第一層、111…ダイパッド、112
…外部接続電極、120…第二層、121…回路接続電極、130…第三層、137a〜
137f…振動子接続電極、140…第四層、150…パッケージ容器、159…接合材
、160…蓋体、190…導電性接着剤、200…レーザ痕。

Claims (10)

  1. 支持部と、前記支持部から直線上に両側へ延在し且つそれぞれの表面に検出電極を有す
    る一対の検出アームと、前記支持部から両側へ前記検出アームに直交する方向に延在する
    一対の連結アームと、前記各連結アームの先端部からそれと直交して両側へ延在し且つそ
    れぞれの表面に駆動電極をそれぞれ有する各一対の駆動アームと、を同一平面に備え、前
    記各検出電極および各駆動電極にそれぞれ接続された複数の接続用電極パッドを支持部の
    表面に形成したジャイロ振動片と、
    前記接続用電極パッドに一端部が接合されるとともに他端部が前記ジャイロ振動片の外
    側に向かって互いに離反する方向へ延在している複数のボンディングリードと、前記ボン
    ディングリードの他端部を支持する支持基材とを備える支持基板と、を有する振動ジャイ
    ロであって、
    前記ボンディングリードが、質量を変化させることにより前記ボンディングリードの共
    振周波数を調整するための周波数調整部を有することを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 請求項1に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記周波数調整部は、前記ボンディングリードの一部を太くした部分であることを特徴
    とする振動ジャイロ。
  3. 請求項2に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記ボンディングリードの太さの違いは、前記ボンディングリードのリード幅が異なる
    ことによることを特徴とする振動ジャイロ。
  4. 請求項2に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記ボンディングリードの太さの違いは、前記ボンディングリードのリード厚が異なる
    ことによることを特徴とする振動ジャイロ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記ボンディングリードに屈曲部分が形成され、
    前記周波数調整部が前記屈曲部分に形成されていることを特徴とする振動ジャイロ。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記ボンディングリードに屈曲部分が形成され、
    前記周波数調整部が、前記屈曲部分と異なるストレート部分に形成されていることを特
    徴とする振動ジャイロ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記周波数調整部に被膜を有することを特徴とする振動ジャイロ。
  8. 請求項7に記載の振動ジャイロにおいて、
    前記被膜が、前記ボンディングリードより密度の高い材料からなることを特徴とする振
    動ジャイロ。
  9. 支持部と、前記支持部から直線上に両側へ延在し且つそれぞれの表面に検出電極を有す
    る一対の検出アームと、前記支持部から両側へ前記検出アームに直交する方向に延在する
    一対の連結アームと、前記各連結アームの先端部からそれと直交して両側へ延在し且つそ
    れぞれの表面に駆動電極をそれぞれ有する各一対の駆動アームと、を同一平面に備え、前
    記各検出電極および各駆動電極にそれぞれ接続された複数の接続用電極パッドを支持部の
    表面に形成したジャイロ振動片と、
    前記接続用電極パッドに一端部が接合されるとともに他端部が前記ジャイロ振動片の外
    側に向かって互いに離反する方向へ延在している複数のボンディングリードと、前記複数
    のボンディングリードの他端部を支持する支持基材とを備える支持基板と、を有し、前記
    ボンディングリードが、質量を変化させることにより前記ボンディングリードの共振周波
    数を調整するための周波数調整部を有する振動ジャイロの製造方法であって、
    前記支持基板に前記振動ジャイロを接合した状態で、前記周波数調整部の質量を変化さ
    せることにより前記ボンディングリードの共振周波数を調整する工程を含むことを特徴と
    する振動ジャイロの製造方法。
  10. 請求項9に記載の振動ジャイロの製造方法において、
    前記質量の変化が、レーザを用いて前記周波数調整部の一部を除去することによること
    を特徴とする振動ジャイロの製造方法。
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