JP2008057635A - 転がり軸受用密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 固定部を構成する弾性体の構造を工夫することにより、圧入時の固着力の低下と不均一化を防止しつつ、外輪の真円度を維持して、異音や振動を発生しにくい転がり軸受用密封装置を提供する。
【解決手段】 弾性体5の外周縁部5aは、周方向に等間隔で形成された4ヶ所の切欠状凹部5bを有し、その残りの部分である非切欠部5cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている。弾性体5の非切欠部5cの最大外径D2が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも大に設定されている。4ヶ所の切欠状凹部5bの底を周方向に連ねた円の直径D1が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも小に設定されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 弾性体5の外周縁部5aは、周方向に等間隔で形成された4ヶ所の切欠状凹部5bを有し、その残りの部分である非切欠部5cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている。弾性体5の非切欠部5cの最大外径D2が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも大に設定されている。4ヶ所の切欠状凹部5bの底を周方向に連ねた円の直径D1が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも小に設定されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、転がり軸受用の密封装置に関する。
例えば深溝玉軸受の接触形シール(密封装置)では、環状の芯金の外側を覆う環状の弾性体(固定部)に締め代が形成され、外輪に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入固定される。この弾性体はプラスチック(合成樹脂)やエラストマー(合成ゴム)のような弾性材料で構成され、内輪に形成される円環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられる環状のリップ部とともに、軸受の密封部を構成している。ところで、このような弾性体は、異物の侵入や潤滑剤の漏れを防止するために、シールヘッド部(芯金の外側)の軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、締め代が比較的大きく取られているので、円環状シール溝への圧入により大きく変形する傾向がある(特許文献1参照)。つまり、シールヘッド部の弾性体は、外輪の円環状シール溝をラジアル方向外側に押圧する力を生じやすく、外輪の真円度を悪化させて、異音や振動を発生する場合がある。
このような軸受では、シールヘッド部の弾性体が縮径する割合を小さく(緩傾斜に)しても、外輪の厚さを薄くした薄肉用軸受や弾性体の材質が比較的硬い(弾性率が低い)材料では、弾性体の圧入時の固着力を下げることは難しい。一方、弾性体の材質が比較的軟らかい(弾性率が高い)材料では、圧入時の固着力が急激に低下する可能性がある。特に最近のハイブリッド車等では、小型化のために外輪の厚さを薄くした薄肉用軸受で支持する車軸を高速回転させるために、弾性体の圧入時の固着力を下げることができず、外輪の真円度をますます悪化させるおそれがある。
本発明の課題は、固定部を構成する弾性体の構造を工夫することにより、圧入時の固着力の低下と不均一化を防止しつつ、外輪の真円度を維持して、異音や振動を発生しにくい転がり軸受用密封装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る転がり軸受用密封装置は、
外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入される固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられるリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成することのできる転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成され、
前記固定部が前記外輪の円環状シール溝に圧入されたとき、前記弾性体が少なくとも部分的に弾性変形して、その非切欠部の締め代がラジアル方向に縮径する際に外周縮み代として前記切欠状凹部で吸収分散され、前記弾性体の外周縁部が全周にわたり前記円環状シール溝の内周面に密着固定することを特徴とする。
外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入される固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられるリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成することのできる転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成され、
前記固定部が前記外輪の円環状シール溝に圧入されたとき、前記弾性体が少なくとも部分的に弾性変形して、その非切欠部の締め代がラジアル方向に縮径する際に外周縮み代として前記切欠状凹部で吸収分散され、前記弾性体の外周縁部が全周にわたり前記円環状シール溝の内周面に密着固定することを特徴とする。
このように、環状の弾性体の外周縁部は、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有するとともに、外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成されている。したがって、固定部が外輪の円環状シール溝に圧入されて弾性体が弾性変形すると、非切欠部の締め代がラジアル方向に縮径する際に外周縮み代として複数の切欠状凹部で吸収分散される。つまり、ラジアル方向の締め代により円環状シール溝と弾性体との間に発生する外周縮み代を切欠状凹部に逃がす(吸収分散する)ことによって、弾性体の外周縁部を全周にわたって円環状シール溝の内周面に密着固定することができる。これによって、圧入時の固着力の低下と不均一化が防止されるので、外輪の真円度が維持しやすくなり、異音や振動も発生しにくくなる。
なお、弾性体に設ける切欠状凹部は、弾性体の外周縁部において、周方向に等間隔で3個以上が望ましい。これにより外輪の真円度が一層維持しやすくなる。また、弾性体の外周縁部は、プラスチック(合成樹脂)やエラストマー(合成ゴム)のような高分子材料製の弾性材料で構成されていればよい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る転がり軸受用密封装置を異なる観点から表わした場合、
外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入された固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられたリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成する転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、前記外輪の円環状シール溝に少なくとも部分的に弾性変形して圧入された状態から弾性復帰させながら取り外されたとき、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成されることを特徴とする。
外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入された固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられたリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成する転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、前記外輪の円環状シール溝に少なくとも部分的に弾性変形して圧入された状態から弾性復帰させながら取り外されたとき、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成されることを特徴とする。
すなわち、複数の切欠状凹部の存在により、弾性体の外周縁部は圧入状態において、全周にわたって均等に円環状シール溝の内周面に密着固定することができるので、弾性復帰させながら取り外したときには、複数の切欠状凹部を有する擬似円形状が圧入前とほぼ同様に再現(復元)される。勿論、降伏限度内の弾性変形と弾性復帰とを繰り返す限り、一旦弾性復帰させながら取り外した弾性体を、再び弾性変形させながら円環状シール溝の内周面に圧入させる(密着固定する)ことができる。
例えば、固定部の非装着時において、弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さを、各非切欠部の弧の長さよりも短く形成することができる。固定部の非装着時、すなわち圧入前の状態又は圧入状態から取り外された状態において、各切欠状凹部の開口の弧の長さA1が各非切欠部の弧の長さA2よりも短いので、非切欠部の締め代が比較的小さく設定されている場合に、外周縮み代を各切欠状凹部の開口で無理なく吸収分散することができる。具体的には、弾性体の外周縁先端部がアクリル系樹脂(例えばABS樹脂、AES樹脂)のような比較的硬い(弾性率が低い;剛性率が高い)プラスチック(合成樹脂)材料で構成されているときに好適に実施できる。
さらに、固定部の非装着時において、弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さの合計を、各非切欠部の弧の長さの合計よりも短く形成することができる。A1及びA2が各々等しく設定されている場合、弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さの合計n×A1は、各非切欠部の弧の長さの合計n×A2よりも短く形成されることになる(nは切欠状凹部又は非切欠部の数)。したがって、弾性体の外周縁先端部がより硬いプラスチック(合成樹脂)材料で構成されているときにも実施できる。
一方、固定部の非装着時において、弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さを、各非切欠部の弧の長さよりも長く形成することができる。固定部の非装着時、すなわち圧入前の状態又は圧入状態から取り外された状態において、各切欠状凹部の開口の弧の長さA1が各非切欠部の弧の長さA2よりも長いので、非切欠部の締め代が比較的大きく設定されている場合に、外周縮み代を各切欠状凹部の開口で無理なく吸収分散することができる。具体的には、弾性体の外周縁先端部がアクリル系ゴム(例えばNBR、ACM)のような比較的軟らかい(弾性率が高い;剛性率が低い)エラストマー(合成ゴム)材料で構成されているときに好適に実施できる。
さらに、固定部の非装着時において、弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さの合計を、各非切欠部の弧の長さの合計よりも長く形成することができる。A1及びA2が各々等しく設定されている場合、弾性体の外周縁部に形成される各切欠凹部の開口の弧の長さの合計n×A1は、各非切欠部の弧の長さの合計n×A2よりも長く形成されることになる(nは切欠状凹部又は非切欠部の数)。したがって、弾性体の外周縁先端部がより軟らかいエラストマー(合成ゴム)材料で構成されているときにも実施できる。この場合、弾性体の外周縁先端部をアクリル系ゴム等のエラストマーとし、切欠凹部周辺部をアクリル系樹脂等のプラスチックとして、射出による二色一体成形で形成してもよい。
いずれにしても、固定部の非装着時において、弾性体の非切欠部の最大外径D2を外輪の円環状シール溝の最大内径Dよりも大に設定し、かつ、複数の切欠状凹部の底を周方向に連ねた円の直径D1を外輪の円環状シール溝の最大内径Dよりも小に設定することが望ましい。これによって、固定部が外輪の円環状シール溝に圧入されて弾性体が弾性変形すると、非切欠部の締め代がラジアル方向に縮径(D2→D)する際に外周縮み代として複数の切欠状凹部で吸収分散される。つまり、ラジアル方向の締め代により円環状シール溝と弾性体との間に発生する外周縮み代を切欠状凹部に逃がす(吸収分散する)ことによって、弾性体の外周縁部を全周にわたって円環状シール溝の内周面に密着固定する(D1→D)ことができる。これによって、圧入時の固着力の低下と不均一化が防止されるので、外輪の真円度が維持しやすくなり、異音や振動も発生しにくくなる。
したがって、上記した転がり軸受用密封装置を用いて、
前記固定部が前記外輪の内径肩部に形成された円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入される一方、
前記リップ部が前記内輪の外径肩部に形成された環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられることによって密封部が構成されて、転がり軸受となる。
前記固定部が前記外輪の内径肩部に形成された円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入される一方、
前記リップ部が前記内輪の外径肩部に形成された環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられることによって密封部が構成されて、転がり軸受となる。
これによって、小型化のために外輪の厚さを薄くした薄肉用軸受で支持する車軸等を高速回転させる場合でも、弾性体の圧入時の固着力を低下させることなく、外輪の真円度を維持して、異音や振動を発生しにくい転がり軸受を実現することが可能となる。
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係るシールの一例を備えた深溝玉軸受の断面図、図2はそれからシールを分離した状態を示す断面図、図3はシールの側面図である。図1に示す深溝玉軸受10(転がり軸受)は、車軸等の軸(図示せず)と一体回転する内輪11と、ハウジング部(図示せず)に固定される外輪12と、内輪11・外輪12間で転動する玉13(転動体)とを有する。なお、符号14は玉13の保持器を示す。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係るシールの一例を備えた深溝玉軸受の断面図、図2はそれからシールを分離した状態を示す断面図、図3はシールの側面図である。図1に示す深溝玉軸受10(転がり軸受)は、車軸等の軸(図示せず)と一体回転する内輪11と、ハウジング部(図示せず)に固定される外輪12と、内輪11・外輪12間で転動する玉13(転動体)とを有する。なお、符号14は玉13の保持器を示す。
図2に示すシール1(転がり軸受用密封装置)は、深溝玉軸受10のアキシャル方向外側から、内・外輪11,12の一側に対して組み込まれて使用される。具体的には、シール1は、外輪12の内径肩部に形成される円環状シール溝12aにアキシャル方向外側から圧入される固定部3と、内輪11の外径肩部に形成される環状シール面11aにアキシャル方向外側から取り付けられるリップ部6とによって深溝玉軸受10の密封部2を構成する。
図2に示すように、固定部3の内部には炭素鋼板製で環状の芯金4が配置され、そのラジアル方向外側をアクリル系樹脂(例えばABS樹脂)製で環状の弾性体5が覆っている。弾性体5の外周縁部5aは、アキシャル方向内側ほど縮径するように形成されている。なお、リップ部6は、アキシャルリップ6aとラジアルリップ6bとを有している。
図3に示すように、弾性体5の外周縁部5aは、周方向に等間隔で形成された複数(例えば4ヶ所)の切欠状凹部5bを有し、その残りの部分である非切欠部5cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている。弾性体5の非切欠部5cの最大外径D2が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも大に設定されている。また、4ヶ所の切欠状凹部5bの底を周方向に連ねた円の直径D1が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも小に設定されている。
弾性体5の外周縁部5aに形成される各切欠状凹部5bの開口の弧の長さA1が各非切欠部5cの弧の長さA2よりも短く形成されている。したがって、弾性体5の外周縁部5aに形成される各切欠状凹部5bの開口の弧の長さA1の合計4×A1は、各非切欠部5cの弧の長さの合計4×A2よりも短く形成されることになる。
図4及び図5に示すように、固定部3が外輪12の円環状シール溝12aに圧入されて弾性体5が弾性変形すると(図5(b))、非切欠部5cの締め代(D2−D)/2がラジアル方向に縮径(D2→D)する際に外周縮み代として4ヶ所の切欠状凹部5bで吸収分散される。つまり、ラジアル方向の締め代により外輪12の円環状シール溝12aと弾性体5の外周縁部5aとの間に発生する外周縮み代を切欠状凹部5bに逃がす(吸収分散する)ことによって、弾性体5の外周縁部5aを全周にわたって円環状シール溝12aの内周面に密着固定する(D1→D)ことができる(図4(b))。これによって、圧入時の固着力の低下と不均一化が防止されるので、外輪12の真円度が維持しやすくなり、異音や振動も発生しにくくなる。
各切欠状凹部5bの開口の弧の長さA1が各非切欠部5cの弧の長さA2よりも短いので、アクリル系樹脂のように、非切欠部5cの締め代(D2−D)/2が比較的小さく設定されている場合に、外周縮み代を各切欠状凹部5bの開口で無理なく吸収分散することができる。
そして、弾性体5の外周縁部5a(固定部3)は、外輪12の円環状シール溝12aに弾性変形して圧入された状態(図4(b),図5(b))から弾性復帰させながら取り外すことができる(図4(a),図5(a))。このとき、弾性体5の外周縁部5aはアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され(図5(a))、周方向に等間隔で形成された4ヶ所の切欠状凹部5bを有し、その残りの部分である非切欠部5cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている(図4(a))。
このように、4ヶ所の切欠状凹部5bの存在により、弾性体5の外周縁部5aは圧入状態において、全周にわたって均等に円環状シール溝12aの内周面に密着固定することができるので、弾性復帰させながら取り外したときには、複数の切欠状凹部5bを有する擬似円形状が圧入前とほぼ同様に再現(復元)される。
(実施例2)
図6及び図7にシールの他の例を示す。図6に示すシール101(転がり軸受用密封装置)では、弾性体105の外周縁部105aは、周方向に等間隔で形成された複数(例えば24ヶ所)の切欠状凹部105bを有し、その残りの部分である非切欠部105cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている。弾性体105の非切欠部105cの最大外径D2が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも大に設定されている。また、24ヶ所の切欠状凹部105bの底を周方向に連ねた円の直径D1が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも小に設定されている。
図6及び図7にシールの他の例を示す。図6に示すシール101(転がり軸受用密封装置)では、弾性体105の外周縁部105aは、周方向に等間隔で形成された複数(例えば24ヶ所)の切欠状凹部105bを有し、その残りの部分である非切欠部105cは、外輪12の円環状シール溝12aに沿う擬似円形状に形成されている。弾性体105の非切欠部105cの最大外径D2が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも大に設定されている。また、24ヶ所の切欠状凹部105bの底を周方向に連ねた円の直径D1が外輪12の円環状シール溝12aの最大内径Dよりも小に設定されている。
弾性体105の外周縁部105aに形成される各切欠状凹部105bの開口の弧の長さA1が各非切欠部の弧の長さA2よりも長く形成されている。したがって、弾性体105の外周縁部105aに形成される各切欠状凹部105bの開口の弧の長さA1の合計24×A1は、各非切欠部5cの弧の長さの合計24×A2よりも長く形成されることになる。
各切欠状凹部105bの開口の弧の長さA1が各非切欠部105cの弧の長さA2よりも長いので、アクリル系ゴムのように、非切欠部105cの締め代(D2−D)/2が比較的大きく設定されている場合に、外周縮み代を各切欠状凹部105bの開口で無理なく吸収分散することができる。
1 シール(転がり軸受用密封装置)
2 密封部
3 固定部
4 環状芯金
5 弾性体
5a 外周縁部
5b 切欠状凹部
5c 非切欠部
6 リップ部
6a アキシャルリップ
6b ラジアルリップ
10 軸受(深溝玉軸受)
11 内輪
11a 環状シール面
12 外輪
12a 円環状シール溝
13 玉(転動体)
14 保持器
2 密封部
3 固定部
4 環状芯金
5 弾性体
5a 外周縁部
5b 切欠状凹部
5c 非切欠部
6 リップ部
6a アキシャルリップ
6b ラジアルリップ
10 軸受(深溝玉軸受)
11 内輪
11a 環状シール面
12 外輪
12a 円環状シール溝
13 玉(転動体)
14 保持器
Claims (5)
- 外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入される固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられるリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成することのできる転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成され、
前記固定部が前記外輪の円環状シール溝に圧入されたとき、前記弾性体が少なくとも部分的に弾性変形して、その非切欠部の締め代がラジアル方向に縮径する際に外周縮み代として前記切欠状凹部で吸収分散され、前記弾性体の外周縁部が全周にわたり前記円環状シール溝の内周面に密着固定することを特徴とする転がり軸受用密封装置。 - 外輪の内径肩部に形成される円環状シール溝にアキシャル方向外側から圧入された固定部と、内輪の外径肩部に形成される環状シール面にアキシャル方向外側から取り付けられたリップ部とによって転がり軸受の密封部を構成する転がり軸受用密封装置であって、
前記固定部は、その内部に配置される環状の芯金のラジアル方向外側を覆う環状の弾性体の外周縁部が、前記外輪の円環状シール溝に少なくとも部分的に弾性変形して圧入された状態から弾性復帰させながら取り外されたとき、軸断面においてアキシャル方向内側ほど縮径するように形成され、かつ、アキシャル方向から見て、周方向に所定間隔で形成された複数の切欠状凹部を有し、前記外輪の円環状シール溝に沿う擬似円形状に形成されることを特徴とする転がり軸受用密封装置。 - 前記固定部の非装着時において、前記弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さが、各非切欠部の弧の長さよりも短く形成されている請求項1又は2に記載の転がり軸受用密封装置。
- 前記固定部の非装着時において、前記弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さの合計が、各非切欠部の弧の長さの合計よりも短く形成されている請求項1又は2に記載の転がり軸受用密封装置。
- 前記固定部の非装着時において、前記弾性体の外周縁部に形成される各切欠状凹部の開口の弧の長さが、各非切欠部の弧の長さよりも長く形成されている請求項1又は2に記載の転がり軸受用密封装置。
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-
2006
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WO2018155659A1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
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