JP2008055984A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を解決して軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】一端部に車輪取付フランジ6を一体に有するハブ輪4と、複列のボール3、3群を備えた車輪用軸受装置において、複列のボール3、3群のうちアウター側のボール3群のピッチ円直径PCDoがインナー側のボール3群のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定されると共に、車輪取付フランジ6におけるインナー側の側面のハブボルト6aが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブ18と、このリブ18間に打ち抜き加工によって円孔6bが形成され、この円孔6bと車輪取付フランジ6の外周面6d間の肉厚t0が少なくとも5mmに設定されているので、強度・剛性を確保でき、打ち抜き加工によるヒケを抑制しつつ最大限の直径の円孔6bが形成でき、ハブ輪4の軽量化を図ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を解決して軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。この複列アンギュラ玉軸受は、固定輪と回転輪との間に複数のボールを介在させ、このボールに所定の接触角を付与して固定輪および回転輪に接触させている。
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
こうした複列の転がり軸受で構成された車輪用軸受装置において、従来は左右両列の軸受が同一仕様のため、静止時には充分な剛性を有するが、車両の旋回時には必ずしも最適な剛性が得られていない。すなわち、静止時の車重は複列の転がり軸受の略中央に作用するように車輪との位置関係が決められているが、旋回時には、旋回方向の反対側(右旋回の場合は車両の左側)の車軸に、より大きなラジアル荷重やアキシアル荷重が負荷される。したがって、旋回時には、インナー側の軸受列よりもアウター側の軸受列の剛性を高めることが有効とされている。そこで、装置を大型化させることなく高剛性化を図った車輪用軸受装置として、図5に示すものが知られている。
この車輪用軸受装置50は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ51cを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51bが形成された外方部材51と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ53を一体に有し、外周に複列の外側転走面51a、51bに対向する一方の内側転走面52aと、この内側転走面52aから軸方向に延びる小径段部52bが形成されたハブ輪52、およびこのハブ輪52の小径段部52bに外嵌され、複列の外側転走面51a、51bに対向する他方の内側転走面54aが形成された内輪54からなる内方部材55と、これら両転走面間に収容された複列のボール56、57群と、これらのボール56、57を転動自在に保持する保持器58、59とを備えた複列アンギュラ玉軸受で構成されている。
内輪54は、ハブ輪52の小径段部52bを径方向外方に塑性変形させて形成した加締部52cによって軸方向に固定されている。そして、外方部材51と内方部材55との間に形成される環状空間の開口部にシール60、61が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ここで、アウター側のボール56群のピッチ円直径D1が、インナー側のボール57群のピッチ円直径D2よりも大径に設定されている。これに伴い、ハブ輪52の内側転走面52aが内輪54の内側転走面54aよりも拡径され、あわせて外方部材51のアウター側の外側転走面51aがインナー側の外側転走面51bよりも拡径されている。そして、アウター側のボール56群のボール数がインナー側のボール57群のボール数よりも多数収容されている。このように、各ピッチ円直径D1、D2をD1>D2に設定することにより、車両の静止時だけでなく旋回時においても剛性が向上し、車輪用軸受装置50の長寿命化を図ることができる。
特開2004−108449号公報
こうした従来の車輪用軸受装置50は、アウター側のボール56群のピッチ円直径D1がインナー側のボール57群のピッチ円直径D2よりも大径に設定され、これに伴い、ハブ輪52の内側転走面52aが内輪54の内側転走面54aよりも拡径されている。これによりアウター側の軸受列の剛性が向上し、車輪用軸受装置50の長寿命化を図ることができる。然しながら、外方部材51とハブ輪52のアウター側が拡径されて形成されているため、少なくともこの拡径分の重量アップは避けることができず、装置の軽量化には限界があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を解決して軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成され、このリブ間に円孔が打ち抜き加工によって形成されると共に、この円孔と前記車輪取付フランジの外周面間の肉厚が少なくとも5mmに設定されている。
このように、一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪を備え、複列の転がり軸受で構成された第1乃至第4世代構造の車輪用軸受装置において、車輪取付フランジにおけるインナー側の側面のハブボルトが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成され、このリブ間に円孔が打ち抜き加工によって形成されると共に、この円孔と車輪取付フランジの外周面間の肉厚が少なくとも5mmに設定されているので、強度・剛性を確保すると共に、打ち抜き加工により周囲に発生するヒケを抑制しつつ最大限の直径からなる円孔が形成でき、ハブ輪のさらなる軽量化を図ることができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記複列の転動体群のうちアウター側の転動体群のピッチ円直径がインナー側の転動体群のピッチ円直径よりも大径に設定されていれば、有効に軸受スペースを活用してインナー側に比べアウター側部分の軸受剛性を増大させることができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記複列の転動体群の転動体サイズが同じで、前記アウター側の転動体群の転動体数が前記インナー側の転動体群の転動体数よりも多く設定されていれば、高剛性化を図りながらさらに軸受寿命を確保することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内方部材が、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成されたハブ輪、および前記小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなり、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、前記内側転走面をはじめ、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記小径段部に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記ハブ輪のアウター側の端部にすり鉢状の凹所が形成され、この凹所の深さが少なくとも前記内側転走面の溝底付近とされ、この内側転走面の肉厚が所定の範囲に設定され、当該ハブ輪のアウター側が前記凹所に対応して略均一な肉厚で、かつ、前記硬化層の有効硬化層深さの少なくとも2倍に設定されていれば、装置の軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決し、強度を高めて長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記外方部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面が高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成され、この硬化層の有効硬化層深さが少なくとも2mmに設定されると共に、この部位の最小肉厚が少なくとも4mmに設定されていれば、オーバー加熱による焼割れの発生を防止すると共に、軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決し、強度を高めて長寿命化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成され、このリブ間に円孔が打ち抜き加工によって形成されると共に、この円孔と前記車輪取付フランジの外周面間の肉厚が少なくとも5mmに設定されているので、強度・剛性を確保すると共に、打ち抜き加工により周囲に発生するヒケを抑制しつつ最大限の直径からなる円孔が形成でき、ハブ輪の軽量化を図ることができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボール群とを備えた車輪用軸受装置において、前記複列のボール群のうちアウター側のボール群のピッチ円直径がインナー側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブと、このリブ間に打ち抜き加工によって円孔が形成され、この円孔と前記車輪取付フランジの外周面間の肉厚が少なくとも5mmに設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のハブ輪単体を示す断面図、図3は、図1の外方部材単体を示す断面図、図4は、図1のハブ輪単体を示す正面図である。
この車輪用軸受装置は第3世代と呼称される従動輪用であって、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)3、3群とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる軸状部7を介して小径段部4bが形成されている。車輪取付フランジ6にはハブボルト6aが周方向等配に植設されると共に、これらハブボルト6a間には、後述する円孔6bが形成されている。この円孔6bは軽量化に寄与できるだけでなく、装置の組立・分解工程において、レンチ等の締結治具をこの円孔6bから挿入することができ作業を簡便化することができる。
内輪5は、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに圧入されて背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成すると共に、小径段部4bの端部を塑性変形させて形成した加締部4cによって内輪5が軸方向に固定されている。なお、内輪5および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面4aをはじめ、車輪取付フランジ6のインナー側の基部6cから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層8が形成されている(図中クロスハッチングにて示す)。なお、加締部4cは鍛造加工後の表面硬さの生のままとされている。これにより、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、内輪5の嵌合部となる小径段部4bの耐フレッティング性が向上すると共に、微小なクラック等の発生がなく加締部4cの塑性加工をスムーズに行うことができる。
外方部材2は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ2cを一体に有し、内周にハブ輪4の内側転走面4aに対向するアウター側の外側転走面2aと、内輪5の内側転走面5aに対向するインナー側の外側転走面2bが一体に形成されている。これら両転走面間に複列の転動体3、3群が収容され、保持器9、10によって転動自在に保持されている。そして、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
外方部材2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面2a、2bが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層13が形成されている(図中クロスハッチングにて示す)。なお、ここでは、転動体3にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、転動体3に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受であっても良い。また、従動輪側の第3世代構造に限らず、第1および第2世代、あるいは第4世代構造であっても良い。
本実施形態では、アウター側の転動体3群のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体3群のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定されている。そして、転動体3のサイズは同じであるが、このピッチ円直径PCDo、PCDiの違いにより、アウター側の転動体3群の転動体数がインナー側の転動体3群の転動体数よりも多く設定されている。これにより、有効に軸受スペースを活用してインナー側に比べアウター側部分の軸受剛性を増大させることができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
ここで、図2に示すように、ハブ輪4の外郭形状は、内側転走面4aの溝底部からカウンタ部15と、このカウンタ部15から円弧状の段部7aを介して軸方向に延びる軸状部7、および内輪5が突き合わされる肩部7bを介して小径段部4bに続いている。また、ハブ輪4のアウター側端部に軸方向に延びるすり鉢状の凹所14が形成されている。この凹所14は鍛造加工によって形成され、その深さは、少なくともアウター側の内側転走面4aの溝底付近までとされ、この凹所14に対応してハブ輪4のアウター側の肉厚が略均一となるように形成されている。すなわち、車輪取付フランジ6にモーメント荷重が負荷された場合、アウター側の転動体3の接触角αを起点としてハブ輪4が変形すると考えられるため、本実施形態では、この接触角αよりもアウター側の端部の肉厚に着目した。
シールランド部となる車輪取付フランジ6の基部6cは所定の曲率半径からなる円弧面に形成されているが、この基部6cの最小肉厚t1と、その部位の直径d1との関係からハブ輪4の剛性をFEM解析により求めた結果、0.2≦t1/d1≦0.3の範囲に最小肉厚t1を設定することにより、使用条件に対応したハブ輪4の強度・剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。なお、この基部6cの最小肉厚t1が、その部位の直径d1の20%未満になると、変形が大きくなり所望の剛性が得られない。一方、最小肉厚t1が直径d1の30%を超えても余り剛性の増加が認められず、反って重量アップを招来して好ましくない。
さらに、本実施形態では、ハブ輪5の外周面が、高周波焼入れによって焼割れが発生するのを防止するために、基部6cの最小肉厚t1は、少なくとも硬化層8の有効硬化層深さの2倍になるように設定されている。また、この車輪取付フランジ6の基部6cと同様、内側転走面4aにおける転動体3の接触角α方向の最小肉厚t2と、その部位の直径(ボール接触径)d2との関係は、0.2≦t2/d2≦0.3の範囲で、かつ、少なくとも硬化層8における有効硬化層深さの2倍に設定されている。
なお、この種の車輪用軸受装置では、通常、車両旋回時に0.8G(加速度)相当の荷重にも耐えられるようにハブ輪4が設計されているが、この場合、内側転走面4aには転動体3との接触により、0.4mm程度の深さに最大せん断応力が発生する。したがって、所望の転動疲労寿命を満足させるには、少なくともこの最大せん断応力の5倍程度の硬化層8が必要になるため、有効硬化層深さは最小2mmとなる。また、この最小深さに加えて高周波焼入れによる硬化層8のバラツキを考慮し、ここでは、有効硬化層深さは3.5mmに設定されている。
こうした構成の車輪用軸受装置では、アウター側の転動体3群のピッチ円直径PCDoをインナー側の転動体3群のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定され、その分、アウター側の転動体3群の転動体数が多く設定されるため、アウター側部分の軸受剛性が増大すると共に、ハブ輪4のアウター側端部に凹所14が形成され、この凹所14に対応して肉厚t1、t2が所定の範囲に設定されて、ハブ輪4のアウター側の端部が略均一な肉厚となるように形成され、硬化層8の深さが所定の範囲に設定されているので、装置の軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決し、強度を高めて長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
一方、外方部材2において、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、アウター側の外側転走面2aがインナー側の外側転走面2bよりも拡径して形成され、アウター側の外側転走面2aから円筒状の肩部16とテーパ状の段部16aを介して小径側の肩部17に続き、インナー側の外側転走面2bに到っている。そして、この外側転走面2bの溝底径と大径側の肩部16の内径が略同一径になるように形成されている。
ここで、図3に示すように、外方部材2において、所望の転動疲労寿命を満足させるために、少なくとも複列の外側転走面2a、2bには最大せん断応力の5倍程度の硬化層13が形成されている。なお、有効硬化層深さは最小2mmに高周波焼入れによるバラツキを加味して有効硬化層深さは3.5mmに設定されている。
さらに、外方部材2においては、最小肉厚部(ここでは、外側転走面2a、2bの溝底部)が薄くなり過ぎるとオーバー加熱により焼割れが発生する恐れがあるため、ここでは、少なくとも未焼入れ部(非硬化層)を0.5mm程度残存させ、最小肉厚t3、t4は4mmに設定されている。これにより、軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決し、強度を高めて長寿命化を図ることができる。
ここで、本実施形態におけるハブ輪4は、図4に示すように、軽量化を図るために車輪取付フランジ6が薄肉に形成されると共に、鍛造工程において、強度・剛性を確保するためにハブボルト6aが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブ18が形成されている。そして、このリブ18間に前述した円孔6bが打ち抜き加工によって形成されている。この円孔6bは、打ち抜き用のポンチ(図示せず)により周囲の肉が引張られてヒケが生じないように、車輪取付フランジ6の外周面6dまでの肉厚t0が所定の厚さ以上に設定されている。
本出願人が実施した鍛造試験では、この円孔6bと車輪取付フランジ6の外周面6d間の肉厚t0は5mm以上必要であることが判った。円孔6bの直径が大きいければ大きい程、ハブ輪4の軽量化を図ることができるが、肉厚t0が5mm未満になると打ち抜き加工時に発生するヒケが大きくなる。このヒケが1mm以下であれば、次工程の旋削加工によって取り除くことができ、黒皮(鍛造肌)として残ることはない。
このように、本実施形態では、車輪取付フランジ6のインナー側の側面において、鍛造加工によってハブボルト6aが圧入される部位に花弁状のリブ18が形成され、このリブ18間に円孔6bが打ち抜き加工によって形成されると共に、この円孔6bと車輪取付フランジ6の外周面6d間の肉厚t0が少なくとも5mmに設定されているので、打ち抜き加工により周囲に発生するヒケを抑制しつつ最大限の直径からなる円孔6bが形成でき、ハブ輪4の軽量化を一層図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、駆動輪用、従動輪用に拘わらず、第1乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1のハブ輪単体を示す断面図である。 図1の外方部材単体を示す断面図である。 図1のハブ輪単体を示す正面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・外方部材
3・・・・・・・・・・・転動体
4・・・・・・・・・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・・・内側転走面
4b・・・・・・・・・・小径段部
5・・・・・・・・・・・内輪
6・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・円孔
6c・・・・・・・・・・基部
6d・・・・・・・・・・外周面
7・・・・・・・・・・・軸状部
7a、16a・・・・・・段部
7b、16、17・・・・肩部
8、13・・・・・・・・硬化層
9、10・・・・・・・・保持器
11、12・・・・・・・シール
14・・・・・・・・・・凹所
15・・・・・・・・・・カウンタ部
18・・・・・・・・・・リブ
50・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
51・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・アウター側の外側転走面
51b・・・・・・・・・インナー側の外側転走面
51c・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、54a・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・小径段部
52c・・・・・・・・・加締部
53・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54・・・・・・・・・・内輪
55・・・・・・・・・・内方部材
56、57・・・・・・・ボール
58、59・・・・・・・保持器
60、61・・・・・・・シール
d1・・・・・・・・・・基部の直径
d2・・・・・・・・・・ハブ輪のボール接触径
D1・・・・・・・・・・アウター側のボールのピッチ円直径
D2・・・・・・・・・・インナー側のボールのピッチ円直径
PCDo・・・・・・・・アウター側の転動体群のピッチ円直径
PCDi・・・・・・・・インナー側の転動体群のピッチ円直径
t0・・・・・・・・・・円孔と車輪取付フランジの外周面間の肉厚
t1・・・・・・・・・・基部の最小肉厚
t2・・・・・・・・・・ハブ輪におけるボールの接触角方向の肉厚
t3、t4・・・・・・・外方部材の最小肉厚
α・・・・・・・・・・・接触角

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、
    前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトが圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成され、このリブ間に円孔が打ち抜き加工によって形成されると共に、この円孔と前記車輪取付フランジの外周面間の肉厚が少なくとも5mmに設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記複列の転動体群のうちアウター側の転動体群のピッチ円直径がインナー側の転動体群のピッチ円直径よりも大径に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記複列の転動体群の転動体サイズが同じで、前記アウター側の転動体群の転動体数が前記インナー側の転動体群の転動体数よりも多く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記内方部材が、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成されたハブ輪、および前記小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなり、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、前記内側転走面をはじめ、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記小径段部に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記ハブ輪のアウター側の端部にすり鉢状の凹所が形成され、この凹所の深さが少なくとも前記内側転走面の溝底付近とされ、この内側転走面の肉厚が所定の範囲に設定され、当該ハブ輪のアウター側が前記凹所に対応して略均一な肉厚で、かつ、前記硬化層の有効硬化層深さの少なくとも2倍に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外方部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面が高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成され、この硬化層の有効硬化層深さが少なくとも2mmに設定されると共に、この部位の最小肉厚が少なくとも4mmに設定されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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