JP2008055509A - 多電極ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

多電極ガスシールドアーク溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接速度が150cm/分以上の高速溶接においても、確実にビード外観が良好で、ビード形状不良防止及び湯溜まりの安定化を得ることができ、これらに起因する耐気孔性の劣化を確実に防止できる多電極ガスシールドアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを先行電極3及び後行電極4として使用し、先行電極と後行電極との極間距離を15乃至50mmに設定し、フィラーワイヤ5を先行電極3と後行電極4との間の溶融金属8中に挿入し、フィラーワイヤ4に正極性の電流(ワイヤマイナス)を流しながら溶接する。このとき、先行電極の溶着速度L(g/分)及び後行電極の溶着速度T(g/分)の和L+Tが100乃至500g/分であり、フィラーワイヤの溶着速度F(g/分)が0.03(L+T)乃至0.3(L+T)である。
【選択図】図2

Description

本発明はフラックス入りワイヤを使用した多電極ガスシールドアーク溶接方法に関し、特に多電極1プール溶接施工(2電極で1つの溶接池を形成するガスシールドアーク溶接法)において、両電極間にフィラーワイヤを供給する多電極ガスシールドアーク溶接方法に関する。
従前、造船又は橋梁の水平すみ肉溶接の高能率化を図るために、多電極ガスシールドアーク溶接方法における1プール溶接施工法が採用されていた。しかし、実際の構造物の場合、各種の外乱要因((a)すみ肉溶接部の過大ギャップ、(b)ショッププライマの過大塗布膜厚、(c)工場内での電流電圧変動等)により、これらの施工のポイントである湯溜りの均一性且つ安定性が無くなり、その結果アーク不安定が生じて、スパッタ多発、ビード形状、外観及び揃いの悪化、アンダカットの多発等により、手直し溶接が増大した。特に、溶接速度150乃至200cm/分前後においてこの傾向が著しくなるので、溶接速度を大きくしても、手直し比率が増大して結果的には溶接工数が大幅に増加するという不具合が生じていた。
そこで、本願出願人は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを先行電極及び後行電極として使用し、先行電極と後行電極との極間距離を15乃至50mmに設定し、フィラーワイヤを前記先行電極と後行電極との間の湯溜り中に挿入し、前記フィラーワイヤに正極性の電流(ワイヤマイナス)を流しながら溶接する多電極ガスシールドアーク溶接方法を提案した(特許文献1)。
この従来技術は、従前、湯溜りの安定化に対し、電極の前進後退角度、極間距離、電極の狙い位置、母材アースの取る位置、ワイヤ突き出し長さ等を調整していたのに対し、湯溜りにフィラーワイヤを挿入し、且つ、そのフィラ−ワイヤに正極性の電流を流しながら溶接するという特徴を有する。これにより、溶接速度が200cm/分以上の高速溶接において、すみ肉溶接部の過大ギャップ、ショッププライマの過大塗布膜厚、工場内での電流電圧変動等の外乱要因が生じても、溶接作業性が極めて安定し、手直しの必要がない多電極ガスシールドアーク溶接方法が得られた。
特許第3759114号
しかしながら、本発明者等は、上記従来技術において、先行電極及び後行電極とフィラーワイヤの溶着速度には適正範囲があり、特にこのフィラーワイヤの溶着速度が適正範囲にない場合に、ビード外観、ビード形状不良防止及び湯溜まりの安定化という点で、必ずしも十分な特性が得られず、これらの要因に起因して耐気孔性の劣化が生じる場合があることを知見した。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接速度が150cm/分以上の高速溶接においても、確実にビード外観が良好で、ビード形状不良防止及び湯溜まりの安定化を得ることができ、これらに起因する耐気孔性の劣化を確実に防止できる多電極ガスシールドアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明に係る多電極ガスシールドアーク溶接方法は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを先行電極及び後行電極として使用し、先行電極と後行電極との極間距離を15乃至50mmに設定し、フィラーワイヤを前記先行電極と後行電極との間の湯溜り中に挿入し、前記先行電極及び後行電極に逆極性の電流を流し、前記フィラーワイヤに正極性の電流(ワイヤマイナス)を流しながら溶接する多電極ガスシールドアーク溶接方法において、前記先行電極の溶着速度L(g/分)及び後行電極の溶着速度T(g/分)の和L+Tが100乃至500g/分であり、前記フィラーワイヤの溶着速度F(g/分)が0.03(L+T)乃至0.3(L+T)であることを特徴とする。
この多電極ガスシールドアーク溶接方法において、前記フィラーワイヤの電流密度をj(A/mm)、チップ−母材間距離をE(mm)、ワイヤ径をβ(mm)としたとき、F/(jEβ)が3.0×10−5乃至30.0×10−5(g・mm/A・分)であることが好ましい。また、前記フィラーワイヤに流す電流密度jが88(A/mm)以下であることが好ましい。又は、前記フィラーワイヤに流す電流の電流密度が88(A/mm)以上であると共に、前記フィラーワイヤの電流値及び送給量を夫々個別に制御することにより、前記フィラーワイヤからアークが発生しないようにすることが好ましい。
また、前記フィラーワイヤの電流値及びワイヤ送給量を夫々単独で制御可能の電源を使用して、前記フィラーワイヤの電流値及びワイヤ送給量を制御することが好ましい。更に、前記フィラーワイヤと母材との間の電圧を検出し、この電圧が所定値を超えたときに、設定電流に拘わらず、10A以下に電流値を低減する機能を有するフィラーワイヤ用電源を使用することが好ましい。
本発明においては、湯溜りにフィラーワイヤを挿入し、且つ、そのフィラ−ワイヤに正極性の電流を流しながら溶接することにより、湯溜まりを安定化し、アークを安定化したものである。このとき、先行電極及び後行電極の溶着速度の和L+Tが100乃至500g/分になり、フィラーワイヤの溶着速度Fが(L+T)の0.03倍〜0.3倍になるように、先行電極及び後行電極の送給速度及び電流値と、フィラーワイヤの送給速度及び電流値を設定する。これにより、フィラーワイヤの溶着速度Fが最小値で3g/分、最大値で150g/分となり、ビード外観、ビード形状及び湯溜まりの安定化にとって、適切なフィラーワイヤの溶着量が得られる。
以上詳述したように、溶接速度が150m/分以上の高速溶接においても、優れたビード外観、ビード形状及び湯溜まりの安定性が確実に得られる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る多電極ガスシールドアーク溶接方法を示す斜視図、図2はその溶融金属部を示す拡大縦断面図である。図1及び図2に示す溶接態様は、水平すみ肉溶接に関するものであるが、本発明はこの様な態様に限定されていないことは勿論である。被溶接材としての下板1が水平に設置され、立板2がこの下板1上に垂直に配置されている。この立板2と下板1との間の隅部を先行電極3及び後行電極4により、すみ肉溶接する。この場合に、先行電極3と後行電極4との間の湯溜り10に、フィラーワイヤ5が挿入されている。本実施形態においては、先行電極3と後行電極4との間の極間距離が15乃至50mmである。また、フィラーワイヤ5は、フィラーワイヤ5が正極性になるように給電され(ワイヤマイナス)、この給電電流密度としては例えば88(A/mm)以下である。先行電極3,後行電極4及びフィラーワイヤ5の組は、夫々立板2の両側に配置されて、立板2の両側で同時に溶接される。
この水平すみ肉溶接において、先行電極3及び後行電極4により溶融金属8が形成され、この溶融金属8が凝固して、溶接金属7が形成される。溶融スラグ9は溶接金属7上に浮上する。また、先行電極3及び後行電極4から溶融金属8に向って伸びている放射状部分は、各々の電極からのアークを示す。
次に、上述の数値限定の理由について説明する。
「先行電極と後行電極との間の極間距離:15乃至50mm」
本発明においては、先行電極と後行電極の極間が15乃至50mmであることが必須である。ここで、極間距離とは、各電極におけるワイヤ先端間の距離である。DC電源を用いて溶接を行う場合、磁気吹き及び1つの溶融池形成の点から先行電極及び後行電極の極間距離が問題となる。この極間距離が15mmよりも小さいと、先行電極、後行電極が共にアークが安定せず、ビード外観・形状が悪くなり、またスパッタの発生量が多くなる。一方、極間距離が50mmよりも大きいと、2電極で1つの溶融池を形成することが不可能となり、耐ピット性が悪くなる。従って、先行電極と後行電極の極間距離を15乃至50mmの範囲とする。なお、より好ましい範囲は、25乃至35mmである。
「フィラーワイヤ及びその極性:溶融池が正極性、フィラーワイヤが正極性」
本発明においては、先行電極及び後行電極が直流ワイヤ逆極性(DCEP、Direct Current Electrode Positive)で、フィラーワイヤが正極性(ワイヤマイナス)である。また、本発明においては、フィラーワイヤ5を先行電極3と後行電極4との間に形成される溶融金属8(プール)の中の湯溜り10に挿入する。そのフィラーワイヤ5としては、ソリッドワイヤ又はフラックス入りワイヤを適用できる。ソリッドワイヤの場合には従来のメッキありソリッドワイヤでもよく、また最近、適用範囲が拡大しているメッキ無しソリッドワイヤでも良い。特に成分は規定がなくJISZ3312に規定されるYGW11乃至YGW24の中から適切なものを選択できる。フラックス入りワイヤの場合には成分の調整が容易であり、先行電極3に使用するワイヤの成分と後行電極4に使用するワイヤの成分を変えたりしても良い。なお、フラックス入りワイヤの中でも所謂メタル系と称される金属粉を主体とするフラックスを充填したワイヤが好ましい。フィラーワイヤは主に抵抗加熱により溶融するためスラグ形成剤のような融点の高い粉体は解け残りが懸念されるため、メタル系であれば殆ど金属粉末であるため容易に溶融していく。なお、フィラーワイヤがフラックス入りワイヤの場合には、フィラーワイヤ送給量とフィラーワイヤ溶着速度は一致しない場合がある。つまり、フィラーワイヤ成分のうち、スラグになる成分が入っているフラックス入りワイヤの場合であるが、いずれにしろ、溶着金属になる溶着速度を制御すればよい。
なお、フィラーワイヤは、先行極と後行極との間に挿入されて、先行極と後行極のアーク干渉を緩和する。先行極及び後行極は共に逆極性であるために、各電極の周りにできる磁界の方向は同じになる。フィラーワイヤを挿入しない場合、先行極と後行極の間では磁界を互いに弱め合う効果が発生する。その結果として、先行及び後行極のアークが引き合う減少(アーク干渉)が生じ、溶融プールが不安定になる。しかし、フィラーワイヤをワイヤマイナスで挿入した場合、先行極及び後行極と逆方向の磁界が生じるために、結果として先行と後行極の磁界が打ち消し合う効果を軽減できる。このような理由から、フィラーワイヤを先行電極と後行電極との間に形成される溶融金属(プール)の中の湯溜りに挿入する。
また、通常のガスシールドアーク溶接においては、先行電極及び後行電極はワイヤプラスの逆極性である。
いずれにしても、湯溜り10の安定化にはフィラーワイヤ5を湯溜り10に挿入して、その極性が正極性(ワイヤマイナス)の電流をフィラーワイヤに供給することが必須である。逆極性にすると各種の外乱要因((a)すみ肉溶接部の過大ギャップ、(b)ショッププライマの過大塗布膜厚、(c)工場内での電流電圧変動等)の影響を解消することはできない。極間距離が15mm未満の場合の問題点と同様に、先行電極、後行電極が共にアークが安定せず、ビード外観・形状が悪くなる、また、スパッタの発生量が多くなる等の問題が生じる。スパッタの多発はシールドノズルへのスパッタの付着によりシールド不良になり気孔発生の原因にもなる。一方、フィラーワイヤに正極性電流を流すと、各種外乱にも影響されない安定した湯溜りが形成される。このメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のように考察することができる。
湯溜りを安定して形成するために、プールの粘性及び溶接速度等の重要なファクターがあるが、2電極のアークの発生方向及びアーク力(プラズマ気流による圧力)が適当にバランスしていることも、湯溜りの安定形成に欠くことができないと考えられる。磁気吹きにより、このアークの方向性、力のバランスが崩れると、湯溜りが不安定となり、健全な溶接ができなくなる。
一般に磁気吹きといわれている現象はその原因は大きく分けて2種類と思われる。即ちアークを通過して被溶接物を流れる電流が被溶接物の形状不均一及び被溶接物の形状そのものが非対称複雑である場合、又は被溶接物の端部を溶接する場合に端部であるため被溶接物の一方向に電流が流れやすい場合、被溶接物のアース位置が不適当な場合等の理由により、被溶接物に流れる電流全体により生じる磁界が不均一になる場合である。構造物の形状やアース線の取り方により、アーク発生点近傍の磁界の偏りの影響によりアークが偏向することが1つ目の磁気吹き現象である。この場合は多電極施工法の複数のアーク全体が影響を受け、いずれか一方向に偏向する等の問題が生じる。この対策には従来アース位置を複数設けたりすることが提案されている。本発明者らはこれには被溶接物に流れる全電流を下げることが溶融池近傍の磁界の偏りを低減出来るのではと考えた。その具体的方策として、溶融池にフィラーワイヤを挿入し、逆向きに電流を流すことで、被溶接物に流れる全電流値を下げることが適切であると考察した。逆極性の2電極に間に、正極性のフィラーワイヤを挿入することで、プール近傍の構造物に流れる直流電流が2電極の電流の和から、フィラーワイヤの電流を差し引いた値となるため、磁界の偏りが小さくなりこのため、磁気吹きが起こり難くなったものと思われる。
図3を使用して上記の説明を補足する。iは先行電極に流れる溶接電流を表し、iは後行電極に流れる溶接電流を表し、iはフィラーワイヤに流れる電流を表す。フィラーワイヤを挿入しない場合には、被溶接物に流れる全電流はi+iである。しかし、フィラーワイヤを挿入して逆向きにiを流すことによリ、被溶接物に流れる全電流はi+i−iとなり、iの電流分が低下する。そのため、全電流により生じる磁界も低下し、被溶接物に流れる電流全体により、磁気吹きは軽減される。
もう一つの磁気吹きの原因としては2電極1プールを構成する先行電極と後行電極による2つのアーク同士による干渉である。従来、湯溜りは先行電極と後行電極により挟まれた溶融金属が先行電極と後行電極のアーク力により押されて安定しているものと考えられ、2つのアークは互いに引合う方向(湯溜りを押し合う方向)に調整するのが必要と考えられていたが、本発明では逆にフィラーワイヤには逆向き電流を流すことによって夫々のアークにはフィラーワイヤからは反発する方向に電磁力を加えると湯溜りが極めて安定することを発見した。この理由は必ずしも明確ではないが、以下のように推定できる。もともと2電極に同一方向の電流を流すと夫々の電極の磁界の影響で引き合う方向に力が働き、この状態で湯溜りをつくりながら上手くバランスしているが、例えば磁気吹き等をきっかけに湯溜りを越えて互いのアークが引き合う状況、又はギャップが大きくプールが下がり湯溜りが無くなれば、アークが直接引き合う状況になる。一旦、こうなると安定した湯溜りを再形成することが困難となることが推測できる。2電極の間に存在する適当な湯溜りがアークの干渉を和らげる役割を持っていると思われる。2電極の間に逆向きに電流を流すフィラーワイヤがあれば、この2電極の電流による偏った磁界をある程度キャンセルすることになるため、2電極が引き合う力が弱くなりアークの干渉が低減されることになる。従って、本発明においては、フィラーワイヤには溶接電流とは逆向きに電流を流すことが大きなポイントとなる。
更に、フィラーワイヤの挿入は2電極1プールである本施工法での湯溜りを安定化させる別の効果ももたらす。即ち、フィラーワイヤによる溶着金属の増加はアークよりも低温度の溶融金属を供給し、この溶融金属を湯溜り部分に供給することは湯溜り安定に極めて有効と考えられる。フィラーワイヤを挿入することで、溶着金属が増加して、湯溜りが大きくなり、また湯の温度が低下している(アークを発生していないから)と考えられる。湯溜りが大きくなることは、磁気吹きを低減する方向であり、湯の温度が下がることも溶融金属の流動性が低下して湯溜りの揺れを抑制するのに効果があると推定される。
「先行電極の溶着速度L(g/分)及び後行電極の溶着速度T(g/分)の和L+Tが100乃至500g/分」
L+Tが100(g/分)未満の場合には、溶着金属量が過小であるために、ビード形状が凸になり、また、アンダカットが多発する等、良好な溶接ビードを形成することができない。また、L+Tが500(g/分)を超える場合には、溶接金属量が過大であるために、湯溜まりが安定せず、結果としてビード形状が均一にならず、かつ、ビード外観(揃い)が乱れる。なお、良好なビード形状を得るために、より好ましくは、L+Tは140乃至460(g/分)である。
「フィラーワイヤの溶着速度F(g/分)が0.03(L+T)乃至0.3(L+T)」
フィラーワイヤ5はアークが出ていないので、フィラーワイヤ5の溶着金属量の多少は、溶接ビードの脚長の大小にあまり関与しない。溶接ビード脚長の大小に対しては、先行電極及び後行電極の溶着金属量が支配的である。従って、フィラーワイヤ5の溶着速度Fが0.3(L+T)を超えると、先行電極3及び後行電極4の溶着金属量に相当する溶接ビード脚長に対するフィラーワイヤの溶着金属量が過多となり、ビード形状が凸型になる。一方、Fが0.03(L+T)未満になると、フィラーワイヤによる湯溜まり10の安定性の向上効果が少なくなり、その結果、ビード外観及びビード形状を劣化させる。よって、フィラーワイヤの溶着速度F(g/分)は0.03(L+T)乃至0.3(L+T)とする。なお、良好なビード形状を得るために、より好ましくは、溶着速度Fは、0.035(L+T)乃至0.100(L+T)である。
「F/(jEβ):3.0×10−5乃至30.0×10−5(g・mm/A・分)」
通常のTIG(タングステンイナートガス溶接)で用いられるフィラーワイヤでは、その溶融エネルギーはTIGアークにより与えられ、溶融金属に接触した後の溶融金属から与えられるエネルギーは支配的ではないと考えられる。しかしながら、本発明におけるフィラーワイヤは先行電極と後行電極とのアークに直接さらされる位置にないため、フィラーワイヤの溶融エネルギーは、フィラーワイヤに通電された電流によるジュール熱と溶融池の湯溜まりに挿入された後の溶融池からの加熱によるエネルギーによることとなる。従って、溶接フィラーワイヤの溶着速度(送給量)とフィラーワイヤに与えるエネルギー量との間には適正な関係が存在する。即ち、所定のフィラーワイヤを湯溜まりに送給して円滑な溶融と湯溜まりの良好な制御を行うには、適正な条件範囲がある。前述のとおり、フィラーワイヤの溶融には、先行極と後行極のアーク熱を間接的に得て溶融する割合は溶接現象の観察結果からは殆ど寄与していないと思われ、支配的なのは、湯溜まりのエネルギーを吸収することによる溶融と、フィラーワイヤに通電した電流によるジュール発熱による溶融である。即ち、フィラーワイヤが円滑に湯溜まりに供給されている状態は、送給されたフィラーワイヤが完全に溶融しているわけではないので、ジュール発熱だけでは、溶融するために必要なエネルギーとして不足していることを示しているが、そのことは、湯溜まりの溶融金属が有するエネルギーからの吸収があることを示している。換言すれば、湯溜まりの溶融金属からフィラーワイヤへのエネルギーの吸収は、フィラーワイヤから湯溜まりの溶融金属への冷却効果に反映される。
そこで、本発明者等が種々の確認試験を行った結果、適正なフィラーワイヤ送給量(溶着速度)Fとフィラーワイヤのジュール発熱の間には上記関係式にて制御した適正な範囲にすることが有用であることがわかった。
即ち、本発明においては、ビード形状を形成する要因として、湯溜まりの特性(粘性・温度等)が支配的であると考える。そして、湯溜まりの特性は、フィラーワイヤのジュール発熱量が支配的となる。フィラーワイヤの抵抗をR(Ω)、通電電流をI(A)、電流密度をj(A/mm)、フィラーワイヤの直径をβ(mm)とすると、ジュール発熱量はIR={j×π(β/2)×Rに比例する。また、フィラーワイヤの突き出し長さ(チップ−母材間距離)をE(mm)としたとき、RはE/{π(β/2)}に比例する。このため、ジュール発熱量は、{j×π(β/2)×E/{π(β/2)}=(π/4)jEβに比例し、従って、jEβに比例する。
一方、適正なフィラーワイヤの溶着速度F(g/分)はジュール発熱量と比例関係にあるので、F及びjEβの比には適正な範囲があると考えられる。そこで、本発明においては、良好なビード形状を得るために、ワイヤ溶着速度Fをジュール発熱量を基準にして規定するために、F/(jEβ)の範囲を規定する。
即ち、F/(jEβ)が3.0×10−5(g・mm/A・分)未満であるとき、フィラーワイヤの溶着速度に対して、フィラーワイヤのジュール発熱量が大きすぎるために、フィラーワイヤ添加による湯溜まりの冷却効果が少なく、湯溜まりが不安定となり、結果として、ビード形状の不均一及びビード外観の劣化、特に、揃いの劣化が引き起こされる。また、F/(jEβ)が30.0×10−5(g・mm/A・分)を超えるとき、フィラーワイヤの溶着速度に対して、フィラーワイヤのジュール発熱量が小さすぎるために、フィラーワイヤ添加による湯溜まりの冷却効果が過大となり、結果として、ビード形状が凸型となる。また、アンダカットの発生も引き起こす。
「フィラーワイヤの電流密度j:88(A/mm)以下」
フィラーワイヤの電流密度が88(A/mm)を超えると、電流値が大きいために、先行極及び後行極のアーク干渉の緩和という観点では有効であるが、ジュール発熱量が過大となるため、湯溜まりの冷却効果が不足しがちであり、結果としてビード形状の不均一及びオーバーラップ等が発生しやすい傾向がある。このため、本発明の1態様においては、フィラーワイヤの電流密度は88(A/mm)以下とする。
「フィラーワイヤの電流密度j:88(A/mm)以上」
フィラーワイヤ電流密度が88(A/mm)未満であると、前述の如く、電流値が小さいために、湯溜りの冷却効果よる安定化という観点では有利であるが、溶融プールの冷却速度が増大し、結果として良好な耐気孔性が確保できない傾向がある。このため、本発明の別の態様においては、耐気孔性を重視する場合に、フィラーワイヤの電流密度を88(A/mm)以上とする。この条件下では、フィラーワイヤの抵抗発熱により溶融プールの冷却効果を低減し、溶融プール中のプライマーの燃焼ガスなどの放出可能な時間が増大し、結果として、耐気孔性が向上する。但し、電流密度が105(A/mm)以上では、フィラーワイヤが溶融プールから離れ、アークの発生が頻繁に生じることで、湯溜りの安定形成を持続することが困難となる。この場合、アーク発生を防止する機能を有するフィラーワイヤ用電源を用いることが有効である。
「前記フィラーワイヤの電流値及び送給量を夫々個別に制御することにより、前記フィラーワイヤからアークが発生しないようにする」
本発明においては、フィラーワイヤから溶融プールに供給するジュール発熱量を変化させることで、溶融プールの粘性及び温度を変化させることができることが望ましい。本発明方法においては、フィラーワイヤ用の電源として、市販の定電流特性電源での溶接自体は可能である。しかし、市販の定電圧特性電源ではワイヤ送給量及び電流密度を夫々単独で制御することができないために、フィラーワイヤから溶融プールに供給するジュール発熱量を制御することが困難となる。また、市販の定電圧特性電源ではアークが発生せず、かつ、安定した溶融プールを形成する条件範囲が小さくなり、本施工法の利点が損なわれる。そこで、本施工法を実施してフィラーワイヤからアークを発生させずに良好な溶接ビードを得るには、フィラーワイヤ用電源として、電流値(電流密度)及びワイヤ送給量を夫々単独で制御することが可能である電源を使用することが望ましい。
また、電流密度88A/mm以上(より好ましくは105A/mm以上)では、溶融プールの粘度の低下、又はフィラーワイヤ挿入による溶融プールの冷却効果の低減により耐気孔性が向上する。しかし、この条件ではフィラーワイヤのジュール発熱量が大きいために、フィラーワイヤからアークが発生しやすい条件であり、アークが発生した場合は溶融プールが不安定になることによって良好な溶接ビードの形成は困難となる。従って、電流密度88A/mm以上の条件下において、溶融プールの安定性を維持するためには、フィラーワイヤ用電源としてワイヤ送給量及び電流値を夫々単独で制御する機能のみよりは、フィラーワイヤと母材との間の電圧を検出し、一定の電圧を超えたときは(アークの発生の検出にあたる)、設定電流に拘わらず、10A以下に電流値を瞬時に低減してフィラーワイヤの溶融を抑え、アークの発生を防止する機能を有するフィラーワイヤ用電源を使用することがより好ましい。
この機能を実現する一例として、フィラーワイヤと母材との間の電圧が所定電圧を超え、アークの発生を検出したとき、設定電流に拘わらず、10A以下に電流値を瞬時に低減して、フィラーワイヤの溶融を抑えることで、再びフィラーワイヤが溶融プールに接触するように電流制御を行う機能が電源に要求される。
以上より、耐気孔性を重視する場合は、フィラーワイヤの電流密度を88(A/mm)以上とし、より好ましくはフィラーワイヤよりアークが発生しないように制御するために、フィラーワイヤと母材との間の電圧が所定電圧を超え、アークの発生を検出したとき、設定電流に拘わらず、極めて小さい電流に瞬時に低減して、フィラーワイヤの溶融を抑えることが必要である。
その他の溶接条件は、従来から施工されている2電極タンデム溶接と変わりがない。必要に応じて規制するのが望ましい条件は以下のようである。
「ワイヤ径」
先行電極のワイヤの直径(ワイヤ径という)は1.2乃至4.0mm、後行電極のワイヤ径は1.2乃至4.0mmとし、且つ、(先行電極のワイヤ径)≧(後行電極のワイヤ径)の関係にするのが望ましい。ワイヤ径は、アークの安定性、溶融池の安定性及びビード外観に大きく影響を及ぼし、特に多電極の場合では先行電極及び後行電極のワイヤ径のバランスも重要である。
即ち、先行電極のワイヤ径が1.2mmよりも小さいと、アークが安定せず、ビード形状が悪くなり、4.0mmよりも大きいと、先行電極からのスパッタ発生量が多くなる。また、後行電極のワイヤ径が1.2mmよりも小さいとアークの広がりがなくなり、ビード外観・形状が悪くなる。また先行電極よりも大きいと後行電極におけるアーク及び溶融池が不安定となり、後行電極からのスパッタ発生量が多くなる。従って、先行電極及び後行電極のワイヤ径並びに両者の関係を上記のとおりとする。
「先行電極及び後行電極の組成」
先行電極及び後行電極として、いずれもフラックス入りワイヤを適用する。ルチールを主体とするチタニヤ系フラックス入りワイヤ又は所謂メタル系と称する金属粉を主体とするフラックス入りワイヤのいずれでも適用可能である。
なお、先行電極及び後行電極に使用するフラックス入りワイヤについては特に通常の単電極用に設計されたものより多電極施工法に適した組成が好ましい。即ち、先行電極及び後行電極の両方のフラックス入りワイヤにより1つの溶融池が形成されるためで、特に、組成についての制限はないが、特に好ましいワイヤ組成はチタニヤ系フラックス入りワイヤの場合にはワイヤ全質量あたり酸化物(TiO、SiO、MgO、Al、FeO、Fe、ZrO等)は1.5乃至5.5質量%である。酸化物が1.5質量%未満ではビード表面を被うスラグがまだらになり、ビード外観・形状が悪化する。一方、酸化物が5.5質量%を超えると、スラグ量が過剰となり、スラグの流動性が大きくなるために、ビード止端部の揃いが悪化する。従って、酸化物は1.5乃至5.5質量%の範囲とする。なお、酸化物の原料にはルチール、イルミナイト、ジルコンサンド、アルミナ、マグネシア、珪砂等が挙げられる。
アルカリ金属酸化物(KO、NaO及びLiO換算)は種々のものが適用でき、合計でワイヤ全質量あたり0.01乃至0.15質量%含有すべきである。これらのアルカリ金属酸化物が0.01質量%未満では、アークの安定が得られない。一方、アルカリ金属酸化物が0.15質量%を超えると、アークの吹きつけが強くなりすぎ、溶融池が安定しない。また、アルカリ金属酸化物の原料は吸湿しやすいので、ワイヤ全体の耐吸湿性が劣化しやすい。従って、アルカリ金属酸化物はKO、NaO及びLiOの1種又は2種以上を0.01乃至0.15質量%の範囲とする。なお、KO、NaO、LiOの原料としては、長石、ソーダガラス、カリガラス等が挙げられる。
更に、Mg、Si、Mnが脱酸剤等の目的で添加される。Mgは原料としては、金属Mg、Al−Mg、Si−Mg、Ni−Mg等が挙げられる。Si原料としては、Fe−Si、Fe−Si−Mn等が挙げられる。Mn原料としては、金属Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等が挙げられる。
その他、含有される組成は、鉄粉、フッ化物、酸化ビスマス等である。メタル系フラックス入りワイヤの場合の特に好ましいワイヤ組成はワイヤ全質量あたり酸化物(TiO、SiO、MgO、Al、FeO、Fe、ZrO等)は1.5質量%以下である。その代わり、金属原料はワイヤ全質量あたり98質量%以上を含有させる。換言するとフラックス中には金属原料をフラックス全質量あたり94質量%以上含ませることが望ましい。金属原料は鉄粉又はFe−Mn及びFe−Si等の鉄合金がある。アーク安定剤としてアルカリ金属酸化物(KO、NaO及びLiO換算)はチタニヤ系と同様の種々のものが適用でき、合計でワイヤ全質量あたり0.01乃至0.15質量%含有すべきである。これらのアルカリ金属酸化物が0.01質量%未満では、アークの安定が得られない。一方、アルカリ金属酸化物が0.15質量%を超えると、アークの吹きつけが強くなりすぎ、溶融池が安定しない。また、アルカリ金属酸化物の原料が吸湿しやすいので、ワイヤ全体の耐吸湿性が劣化しやすい。従って、アルカリ金属酸化物はKO、NaO及びLiOの1種又は2種以上を0.01乃至0.15%の範囲とする。なお、KO、NaO、LiOの原料としては、長石、ソーダガラス、カリガラス等が挙げられる。その他、Mg、Si、Mnは同様に添加される。
「前進・後退角」
図1、図2に示すように、各々の電極は溶接の進行方向に垂直線から角度を持って位置させる。進行方向に傾けた角度を後退角と言い、進行方向と反対方向に傾けた角度を前進角と言う。先行電極のワイヤの角度を0乃至後退角15°とし、後行電極のワイヤの角度を0乃至前進角25°とするのが望ましい。前進角及び後退角は、スパッタの発生量、ビード形状に大きく影響を及ぼす。先行電極は前進角になると先行電極からスパッタ発生量が多くなり、後退角が15°よりも大きくなるとアンダカットが発生し易くなる。後行電極は後退角になるとアークが安定せず、スパッタ発生量が多くなる。前進角が25°よりも大きくなると、ビード外観・形状が悪くなる。従って、先行電極及び後行電極のワイヤ角度を上記のとおりとする。
「トーチ角度」
図1、図2に示すように、各々の電極は下板1と立板2の中間方向から挿入されるが、溶接進行方向の垂直線であって、下板1からの角度をトーチ角度と言う。先行電極及び後行電極共にトーチ角度を40乃至60°とするのが望ましい。トーチ角度は、ビード形状及びビード外観に大きく影響を及ぼす。40°よりも小さいと、下板にアンダカットが発生し易くなり、60°よりも大きいと、上板にアンダカットを発生し易くする。従って、先行電極及び後行電極共にトーチ角度を上記のとおりとする。
「溶接電流」
先行電極の電流を250A以上の直流ワイヤ逆極性(DCEP、Direct Current Electrode Positive)、後行電極の電流を200A以上の直流ワイヤ逆極性(DCEP)とし、且つ、(先行電極の電流)≧(後行電極の電流)の関係とするのが望ましい。これは一般に溶接構造物のすみ肉溶接部に必要とされる脚長4.0mmを確保するために必要な電流であり、上記電流を下回るとアークが安定しない。また、先行電極の電流が後行電極の電流よりも小さいと、先行電極と後行電極におけるアークの干渉により、先行電極のアークが乱れるためにビードの外観・形状が悪くなる。従って、先行電極と後行電極の電流並びに両者の関係を上記のとおりとする。
また、特に上記施工法をツイン溶接で行う場合、以下に示す条件において前記目的の達成が可能であることが判明した。
「シフト間隔」
立板を挾む両先行電極・後行電極のシフト間隔を0乃至30mm又は70mm以上とするのが望ましい。シフト間隔が30乃至70mmの間では、スパッタの発生が多くなり、溶接作業性が悪くなるので、この間を除いたシフト間隔とする。
なお、更に本発明を効果的に実施するには、狙い位置(即ち、ワイヤ先端からの立板までの距離)の調整が重要なポイントとなる。狙い位置は、溶込み確保、外観・形状が良好なビードの形成、溶融池の安定性及び耐気孔性に大きく影響を及ぼす。そのためには、先行電極の狙い位置はルートより下板側0乃至2mm、後行電極の狙い位置はルートより下板側0乃至3mmとし、且つ、先行電極の狙い位置が後行電極の狙い位置よりもルートに近いか又は同一とするのが望ましい。
先行電極の狙い位置は、溶込みを確保するために調整する必要があり、狙いが立板側であると、立板にアンダカットが発生しや易くなり、ビード形状が悪くなり、また狙いが下板側2mmよりも大きいと、ルート部の溶込みを確保できず、ビードが等脚とならないことから、すみ肉部の強度を確保できない。また、後行電極の狙い位置は、ビード外観・形状を良くするために調整する必要があり、狙いが下板側0mm(立板側)よりも小さいか又は3mmよりも大きいと、溶融池が安定せず、ビード外観・形状が悪くなり、またスパッタの発生量が多くなる。また後行電極の狙い位置が先行電極の狙い位置よりもルートに近くなると、耐気孔性が悪くなり、また溶融池が安定せず、ビード外観・形状が悪くなる。従って、先行電極及び後行電極の狙い位置並びに両者の関係を上記のとおりとする。
以下、本発明の実施例(試験例A及び試験例B)について、本発明の範囲から外れる比較例と対比して説明する。下記第1表は、溶接試験条件を示す。
Figure 2008055509
また、下記表2は、評価基準を示す。
Figure 2008055509
試験例A及び試験例Bにおいて、ビード形状は図4のH/Lで評価した。この場合に、評価5〜2までは、ビード形状が悪い場合であっても、ビード長手方向の均一性は維持されている。評価1は、ビード形状の長手方向の均一性も阻害されている場合である。
試験例A及び試験例Bにおいて、ビード外観は、不揃い箇所数と、アンダカット箇所数の合計(個/1000mm)で評価した。スパッタはスパッタ発生量で評価した。更に、耐気孔性は、耐気孔性試験における片側でのピット発生数(個/1000mm)で評価した。但し、立板の両側に形成される2本のビードのうち、ピットが多い方のビードにおけるピット発生数で評価した。また、試験例Aでの耐気孔性評価基準は表1に示すとおりである。試験例Bに関しては、ピットが発生した場合を×、発生しなかった場合を○とした。なお、総合評価は試験例Aではビード外観・形状を重視して評価し、試験例Bでは耐気孔性を重視して評価した。
「試験例A」
下記表3は試験例Aの溶接条件を示し、表4は試験例Aの溶接結果を示す。但し、表3の試験No.3と10は溶接速度100cm/分、No.5と7は溶接速度150cm/分、それ以外は、溶接速度200cm/分で実施した。
Figure 2008055509
Figure 2008055509
表3,4に示すように、比較例1及び2はL+Tが本発明の請求項1の範囲から外れ、比較例3、4はF/(L+T)が本発明の範囲から外れるため、ビード形状、ビード外観、スパッタ発生及び耐気孔性の全てで評価が低かった。これに対し、実施例1乃至8は本発明の請求項1の範囲に入るため、これらの特性はいずれも評価が「3」以上で優れたものであった。また、実施例7及び8は請求項2を満足しないことから、実施例1乃至6より劣る結果となった。
「試験例B」
下記表5は試験例Bの溶接条件を示し、表6は試験例Bの溶接結果を示す。但し、表5の比較例17は溶接速度が150cm/分、それ以外は、溶接速度が200cm/分で溶接を実施した。
Figure 2008055509
なお、上記表5において、フィラーワイヤ用電源機能欄において、「B」とは、フィラーワイヤと母材との間の電圧が所定電圧を超え、アークの発生を検出したとき、設定電流に拘わらず、極めて小さい電流に瞬時に低減して、フィラーワイヤの溶融を抑えることで、再びフィラーワイヤが溶融プールに接触するように電流制御を行う機能を有する電源を使用した場合、「A」とはこのような機能を有しない電源を使用した場合をいう。
Figure 2008055509
上記表5,6に示すように、比較例16は電流密度jが請求項4の範囲から外れるために、耐気孔性が劣る結果となった。比較例17は請求項4に記載の電流密度を満たすが、アークが発生しないように制御する機能が付された電源を使用していないために、ビード外観及び形状が乱れる結果となった。これに対し、実施例13乃至15は、本発明の請求項4を満たすため、ビード形状、ビード外観及びスパッタ等の特性はいずれも評価が「4」であり、かつ、耐気孔性も優れたものであった。
本発明の実施形態に係る多電極ガスシールドアーク溶接方法を示す斜視図である。 同じくその溶融金属部を示す拡大縦断面図である。 本発明の実施形態に係る多電極ガスシールドアーク溶接方法を示す平面回路図である。 ビード形状を表わすビード断面図である。
符号の説明
1;下板
2;立板
3;先行電極
4;後行電極
5;フィラーワイヤ
7;溶接金属
8;溶融金属
9;溶融スラグ
10;湯溜り

Claims (6)

  1. ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを先行電極及び後行電極として使用し、先行電極と後行電極との極間距離を15乃至50mmに設定し、フィラーワイヤを前記先行電極と後行電極との間の湯溜り中に挿入し、前記先行電極及び後行電極に逆極性の電流を流し、前記フィラーワイヤに正極性の電流(ワイヤマイナス)を流しながら溶接する多電極ガスシールドアーク溶接方法において、前記先行電極の溶着速度L(g/分)及び後行電極の溶着速度T(g/分)の和L+Tが100乃至500g/分であり、前記フィラーワイヤの溶着速度F(g/分)が0.03(L+T)乃至0.3(L+T)であることを特徴とする多電極ガスシールドアーク溶接方法。
  2. 前記フィラーワイヤの電流密度をj(A/mm)、チップ−母材間距離をE(mm)、ワイヤ径をβ(mm)としたとき、F/(jEβ)が3.0×10−5乃至30.0×10−5(g・mm/A・分)であることを特徴とする請求項1に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
  3. 前記フィラーワイヤに流す電流の電流密度jが88(A/mm)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
  4. 前記フィラーワイヤに流す電流の電流密度jが88(A/mm)以上であると共に、前記フィラーワイヤの電流値及び送給量を夫々個別に制御することにより、前記フィラーワイヤからアークが発生しないようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
  5. 前記フィラーワイヤの電流値及びワイヤ送給量を夫々単独で制御可能の電源を使用して、前記フィラーワイヤの電流値及びワイヤ送給量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
  6. 前記フィラーワイヤと母材との間の電圧を検出し、この電圧が所定値を超えたときに、設定電流に拘わらず、10A以下に電流値を低減する機能を有するフィラーワイヤ用電源を使用することを特徴とする請求項1、2、又は4に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
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