JP2614966B2 - 多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ - Google Patents
多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤInfo
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Description
アーク溶接フラックス入りワイヤに係り、より詳細に
は、炭素鋼及び低合金鋼の水平及び下向すみ肉溶接に適
し、特に溶接速度が100cm/min以上の高速溶接や脚
長が8.0mm以上の大脚長を得る溶接において、優れた
ビード形状、外観及び耐プライマー性(耐気孔性)を有す
る多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイ
ヤに関するものである。
橋梁等の水平すみ肉溶接においては、高能率で溶接作業
性が良好であることから、メタル系及びチタニヤ系のガ
スシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが多用さ
れ、その量はますます増大している。
を使用して、より一層の高能率化を図るという動きが強
く、例えば電極数を2電極等にし、水平すみ肉溶接にお
いて、100cm/min以上の高溶接速度で施工するとい
う溶接法が既に実用化されている。因みに、この溶接法
に適用されているフラックス入りワイヤは、一般に単電
極用に設計されたメタル系ワイヤやチタニヤ系ワイヤが
多く、これらワイヤを組合せて2電極溶接が行われてい
る。
電極溶接の場合、下記のような問題点も有している。 (1)スパッタ発生量が多いため、溶接トーチのノズル
にスパッタが付着し、シールド不良によるピット等の溶
接欠陥が発生し易い。 (2)プライマーの膜厚が過大になるとピットが多発し
易い。 (3)溶接電流、電圧の適正範囲が狭く、設定条件が多
少変動するだけで、ビード形状、外観が悪化し、アンダ
ーカットも発生し易い。
ク溶接フラックス入りワイヤを多電極溶接で施工した場
合の問題点を解決するためになされたものであって、特
に100cm/min以上の高溶接速度の多電極での下向及
び水平すみ肉溶接において、ピット、ガス溝等の発生が
なく、優れたビード外観、形状の溶接部を与えることが
できる多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入り
ワイヤを提供することを目的とするものである。
イヤを多電極溶接及び単電極溶接に用いた場合の作業性
等について比較すると、単電極溶接の場合は、アーク安
定性、ビード外観、形状等は適用ワイヤ本来の特性が得
られるが、多電極溶接の場合には、アーク安定性、ビー
ド外観、形状が本来の特性が得られなくなる場合が有
り、特にすみ肉溶接等では溶接速度が大きくなるほど著
しく劣化する傾向がある。これは、多電極でのアーク吹
き付け力の変化、スラグの量、粘性の変化、溶接金属の
粘性、なじみ性の変化等が大きく起因するものと考えら
れる。
的を達成するために多電極溶接について鋭意研究を重ね
た結果、ここに本発明をなしたものである。
スを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、ワイ
ヤ全重量当たり、 ・酸化物(但し、アルカリ金属酸化物を除く):1.5〜
4.5%、 ・アルカリ金属化合物:0.01〜0.07%、(但し、
アルカリ金属化合物/酸化物:0.005〜0.028) ・Mg:0.1〜0.7%、 ・Si:0.4〜1.2%、 ・Mn:1.5〜4.0%、(但し、Mn/Mg:3.0〜2
2.5) を含有していることを特徴とする多電極用ガスシールド
アーク溶接フラックス入りワイヤ
は以下のとおりである。なお、各成分の含有量はワイヤ
重量に対する重量%である。
ーク安定剤として広く用いられている。本発明ワイヤも
同様な目的で使用するが、殊に多電極溶接ではスラグの
量、質が溶接出来栄えに対して大きく影響する。すなわ
ち、酸化物が1.5%未満では、ビード表面を被うスラ
グがまだらになり、ビード外観、形状が悪化する。一
方、4.5%超ではスラグ量が過剰になり、スラグの流
動性が大きくなるため、ビード止端部の揃いは悪化す
る。したがって、酸化物(アルカリ金属酸化物を除く)は
1.5〜4.5%の範囲とする。
イルミナイト、ジルコンサンド、アルミナ、マグネシ
ア、硅砂等が挙げられる。
安定させる効果が極めて大きい。特に多電極溶接の場
合、電極と電極間でのアーク干渉が生じ易いため、アー
クの安定性が極めて重要である。すなわち、アルカリ金
属化合物が0.01%未満ではアークの安定性が得られ
ない。一方、0.07%超えではアークの吹き付けが強
くなりすぎ、溶融プールが安定しない。このため、ビー
ド形状が悪化する。したがって、アルカリ金属化合物は
0.01〜0.07%の範囲とする。
i、Na、K、Rb、Csなどの酸化物、弗化物、炭酸塩等
が挙げられ、上記含有量はこれら酸化物、弗化物、炭酸
塩の形での量である。例えば、K2O、Na2O、Li2O
等のアルカリ金属化合物の原料としては長石、ソーダガ
ラス、カリガラス等が挙げられ、それぞれK2O、Na2
O、Li2Oなどの化合物に換算した値で利用される。
きくし、かつスラグの剥離性を改善する等、幅広い効果
をもたらす。特にMgは溶着金属中の酸素量を下げ、溶
融金属の流動性を下げる作用を有する。溶融金属中の流
動性を調整することにより、多電極溶接での溶融プール
を安定化させる。しかし、Mgが0.1%未満では溶融金
属の流動性低減に効果がなく、ビードが不揃いになった
り、ビードが広がらず、凸型ビードなる。一方、0.7
%を超えると溶融金属の流動性が過剰となるため、アン
ダーカットが発生し易くなる。したがって、Mg量は0.
1〜0.7%の範囲とする。なお、Mgの原料はM−M
g、Al−Mg、Si−Mg、Ni−Mg等が挙げられる。
調整する作用がある。しかし、0.4%未満ではビード
が凸型になり易く、また脱酸不足による気孔が発生す
る。一方、1.2%超えると溶着金属の強度が過大とな
ると共に靭性が低下する。したがって、Si量は0.4〜
1.2%の範囲とする。なお、Si原料としては、Fe−
Si、Fe−Si−Mn等が挙げられる。
未満では溶着金属に関して脱酸不足による気孔が多発す
ると共に高温割れ性能も低下する。一方、4.0%超え
では溶着金属の強度が過大となる。したがって、Mn量
は1.5〜4.0%の範囲とする。なお、Mn原料として
は、金属MnやFe−Mn、Fe−Si−Mnの合金等が挙げ
られる。
(アルカリ金属化合物を除く)、アルカリ金属化合物、M
n及びMgについては、以下に説明するように、アルカリ
金属化合物と酸化物の重量比、並びにMnとMgの重量比
をそれぞれ特定の範囲に規制する必要がある。
なポイントである。特に直流電極同士の組合せの場合、
アークが極めて不安定になり易い。本発明者は多電極溶
接においてのアーク安定をより一層良くするために、各
種の試験研究を行った結果、アルカリ金属化合物/酸化
物の重量比を0.005〜0.028の範囲に調整するこ
とが多電極溶接においてアークを安定させ、かつスパッ
タを減少させることに極めて有効であることが判明し
た。しかし、アルカリ金属化合物/酸化物の重量比が
0.005未満、或いは0.028を超えるとアークが不
安定になり、スパッタが多くなるので好ましくない。
(耐気孔性)は、高能率施工するうえで極めて重要であ
る。本発明者は、耐プライマー性を更に向上させるため
に各種の試験研究を行った結果、Mn/Mgの重量比を
3.0〜22.5の範囲に調整することにより、150cm
/minの高速度の水平すみ肉溶接において、プライマー
の塗膜厚が通常の2倍の塗膜厚(40〜50μm)の場合
でも、ピット及びブローホール発生量が激減することが
判明した。しかし、Mn/Mgの重量比が3.0未満及び
22.5超えになると、プライマーの塗膜厚が増加する
につれてピット、ブローホールの発生量が著しく増大し
易くなるので好ましくない。
率、鋼製外皮の材質、ワイヤ断面形状、ワイヤ径等々の
条件は適宜選択される。また、多電極溶接における電極
数、溶接電圧、電流、シールドガスの種類、流量、溶接
姿勢等々の条件も特に制限されない。また被溶接材料の
材質等も特に制限されるものではない。
クス率10%で軟鋼製外皮内に充填してワイヤ径1.4m
mφ、1.6mmφのフラックス入りワイヤを製造し、以下
の条件で溶接実験を行った。溶接試験の結果を表1に示
す。
100mmw×100mmlの無機ジンクプライマー鋼板
(塗膜厚40〜50μ)を用いてT型すみ肉継手を形成し
た。 (2)溶接姿勢:2電極水平すみ肉溶接、 (3)シールドガス:100%CO2、25リットル/m
in、 (4)ワイヤ突出し長さ:25mm、 (5)溶接電流、電圧:先行極(1.6mmφ)…400A
×32V、後行極(1.4mmφ)…320A×32V、 (6)電源極性:DCワイヤ(+)、 (7)溶接速度:180cm/min。
15〜No.23)は極めて良好な溶接作業性及び耐気孔
性が得られている。
発明で規定する要件の何れかを欠くため、次のような問
題がある。
ているためビード外観、形状が悪い。No.2は酸化物が
上限値を外れ、Mgが上限値を外れているためビードが
凸型になりアンダーカットが発生した。No.3はアルカ
リ金属化合物(K2O+Na2O+Li2O)が下限値を外
れ、Mgが上限を外れ、Si、Mnも本発明範囲を外れて
いるためアークが不安定で、スパッタが多い。またビー
ドの形状外観が悪い。
を外れ、Mnが上限値を外れているため、スパッタが多
く、ビード形状が悪い。No.5はMgが下限値を外れて
いるのでビード外観が悪く、アンダーカットが多発し
た。No.6はMgが上限値を外れているためビードが非
常に凸型になってしまった。No.7はSiが下限値を外
れているため、ビードが凸型になりピットも多発した。
No.8はSiが上限値を外れ、アルカリ金属化合物(K2
O+Na2O+Li2O)が上限値を外れているためアーク
が不安定となり、スパッタも増加し、ビード形状は凸型
であった。No.9はMnが下限値を外れ、K2O+Na2O
+Li2Oが上限値を外れ、かつMgも上限値を外れてい
るため、スパッタが多く、ビードが非常に凸型になり、
アンダーカットも発生した。No.10はMnが上限値を
外れ、酸化物が下限値を外れているため、ビード外観、
形状が悪い。
成分は本発明範囲内であるが、アルカリ金属化合物(K2
O+Na2O+Li2O)/酸化物比が本発明範囲の上限、
下限を外れているためアーク不安定で極めてスパッタが
多い。No.13、No.14も個々のフラツクス成分は本
発明範囲内であるが、Mn/Mg比が本発明範囲の上限、
下限値を外れるため、耐気孔性があまり良好にならなか
った。
多電極で溶接速度が100cm/minを超える高速水平す
み肉溶接においてアークが安定し、スパッタの発生量が
極めて少なく、ビード外観、形状が良好で、かつ、プラ
イマー塗布鋼板で塗膜厚が過大になる場合でも良好な溶
接部を与えることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼製外皮にフラックスを充填してなるフ
ラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全重量当たり、 ・酸化物(但し、アルカリ金属酸化物を除く):1.5〜
4.5%、 ・アルカリ金属化合物:0.01〜0.07%、(但し、
アルカリ金属化合物/酸化物:0.005〜0.028) ・Mg:0.1〜0.7%、 ・Si:0.4〜1.2%、 ・Mn:1.5〜4.0%、(但し、Mn/Mg:3.0〜2
2.5) を含有していることを特徴とする多電極用ガスシールド
アーク溶接フラックス入りワイヤ。 - 【請求項2】 アルカリ金属化合物がK2O、Na2O及
びLi2Oのうちの1種又は2種以上であり、かつ、 ・K2O+Na2O+Li2O:0.01〜0.07%、 ・(K2O+Na2O+Li2O)/酸化物:0.005〜0.
028、 である請求項1に記載のフラックス入りワイヤ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2993093A JP2614966B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
TW083100525A TW301620B (ja) | 1993-01-26 | 1994-01-21 | |
KR1019940001380A KR0125262B1 (ko) | 1993-01-26 | 1994-01-26 | 다전극용 가스 시일드 아아크용접 플럭스 충전 와이어 및 용접법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2993093A JP2614966B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06218578A JPH06218578A (ja) | 1994-08-09 |
JP2614966B2 true JP2614966B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=12289712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2993093A Expired - Lifetime JP2614966B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 多電極用ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IN2015DN02988A (ja) * | 2013-01-16 | 2015-09-18 | Hobart Brothers Co |
-
1993
- 1993-01-26 JP JP2993093A patent/JP2614966B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06218578A (ja) | 1994-08-09 |
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