JP2008053638A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】従来の方法を用いて作製したMOSFETよりも、十分大きな歪をMOSFETのチャネル部分に加えることによって、電子又はホール移動度を増加させトランジスタの特性を向上させたMOSFETを有する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板101上に形成されたp型のMOSFETを有する半導体装置において、チャネル層201とシリコン基板101との間に空洞200が形成されている。更に、ゲート電極105及びソース・ドレイン領域112等を含むシリコン基板の101の表面を覆うように、常態で圧縮応力を有するシリコン窒化膜107が形成されている。このような構成により、チャネル層201に圧縮歪が作用している。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン集積回路デバイスの構造に関し、特に、電界効果型トランジスタにおいて、電子又はホールの移動度を向上させる構造に関する。
従来、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置において、チャネル部分に歪を加えることによって電子又はホールの移動度を増加させ、トランジスタの特性を向上させる技術が注目を集めている。電子又はホールの移動度が増加すると、トランジスタをより高速で動作させ、駆動電流を増大させることができる。また、より低い電圧でこれまでと同じ量の電流を流すことができるため、半導体装置の低消費電力化を実現することができる。
MOSFETのチャネル部分に歪をかける方法としては、大きく分けて、あらかじめ歪のかかったシリコン層を有するシリコン基板を用いる方法と、MOSFETの製造プロセスの途中でプロセス歪と呼ばれる歪を加える方法が知られている。前者の例として、特許文献1に開示されているように、シリコン基板上に格子緩和したシリコン・ゲルマニウムを成長させ、その上にシリコン・ゲルマニウムに格子整合したシリコンを成長させた基板を使用する方法が知られている。一方、後者の例として、特許文献2では、シリコン窒化膜を用いてチャネル部分に歪をかける方法が開示されている。また、特許文献3では、p型のFETにおいて、ソース/ドレイン部分をシリコン・ゲルマニウムとすることによって歪をかける方法が開示されている。
上記2通りの歪をかける方法のうち、プロセス歪を加える方法が、近時注目を集めており、p型とn型のFETに、夫々シリコン・ゲルマニウムとシリコン窒化膜を用いて歪を加え、トランジスタ特性を向上させた例が報告されている(非特許文献1を参照)。
プロセス歪を用いてFETのチャネル部分に歪をかける方法について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、シリコン窒化膜による応力でチャネルに歪をかけてMOSFTを高速化する従来の方法を説明するための断面図、図12は、ソース・ドレイン領域をシリコン・ゲルマニウムで形成することにより、チャネル層に圧縮歪を作用させてMOSFETを高速化する従来の方法を説明するための断面図である。
図11に示す形態では、シリコン基板1101に、シャロートレンチアイソレーション(STI)による素子分離領域1102、ゲート絶縁膜1103、ソース・ドレイン領域1104、ゲート電極1105、及びゲートサイドウォール1106が形成されており、その上にシリコン窒化膜1107が形成されている。このとき、シリコン窒化膜1107の成膜方法及び膜厚を最適化することによって、FETのチャネル部分にシリコン窒化膜1107による応力で歪をかけることができる。歪が引っ張り歪の場合は、シリコン中の電子の移動度が増加するため、n型のFETを高速化することができる。
一方、図12に示す形態では、図11の場合と同様に、シリコン基板1101に、STIによる素子分離領域1102、ゲート絶縁膜1103、ソース・ドレイン領域、ゲート電極1105、及びゲートサイドウォール1106を形成した後に、ソース・ドレイン領域をエッチングで掘った後にシリコン・ゲルマニウムをエピタキシャル成長させて、シリコン・ゲルマニウムのソース/ドレイン領域1111が形成される。シリコン・ゲルマニウムの格子定数はシリコンの格子定数よりも大きいため、チャネル部分には圧縮歪が加わる。この従来の方法では、シリコン中のホールの移動度が増加するため、p型のMOSFETを高速化することができる。
近時、歪MOSFETを更に高速化する方法として、空洞を利用したMOSFET構造が提案されている。特許文献4には、更に大きなプロセス歪を発生させてMOSFETを高速化する方法として、チャネルとなる薄膜Si層を湾曲させて歪を発生させる方法が開示されている。この従来の方法では、ゲート電極直下の領域に空洞を形成して、ゲート電極からソース・ドレインへ向かう方向、即ち、ゲート長に沿った方向にSi層を湾曲させて歪を発生させる。
更に、空洞を利用した歪MOSFETの構造として、空洞上に緩和SiGe層を形成し、緩和SiGe層上にSiのエピタキシャル成長によって歪Si層を形成する方法が、特許文献5に開示されている。この従来技術によれば、空洞を利用することで、SiGe層を薄い膜厚で緩和させることが可能となる。緩和したSiGe層上のSi層は、引っ張り歪がかかり、電子の移動度が増加するため、n型のMOSFETを高速化することができる。
また、特許文献6においては、基板にイオンを注入することにより、基板内に微小空洞を形成し、更に基板に熱処理を施すことにより、これらの微小空洞を成長、合体させて基板表面に略平行な平板状の空洞を有するSON(Silicon-on-Nothing)構造の半導体装置及びその製造方法を開示している。特許文献6では、空洞を利用した歪MOSFETの構造を目的とするものではなく、リーク電流を抑制するなど、低コストで高品質なSOI半導体基板を製造することを目的としている。
特開2004−356164号公報 特開2002−198368号公報 特開2006−019727号公報 特開2005−101234号公報 特開2005−268322号公報 特開2003−332540号公報 T.Ghani et al、「A 90nm High Volume Manufacturing Logic Technology Featuring Novel 45nm Gate Length Strained Silicon CMOS Transistors」IEDM Technical Digest、 pp. 978−980(2003)
しかしながら、上述の従来技術には以下に示す問題点が存在する。
第1の問題点は、特許文献1に示された方法の場合、基板が高価となること、及び、トランジスタの製造プロセス中に歪が緩和すること、である。
第2の問題点は、特許文献2及び非特許文献1に示された方法の場合、デバイスの特性を更に向上させるために、シリコン窒化膜の応力を増加させていくと、チャネルに作用する感度が飽和すること、シリコン窒化膜が剥がれること、である。更に、ソース/ドレインをせり上げた構造又はサイドウォールが厚い構造では応力が緩和するという問題点がある。
第3の問題点は、特許文献3及び非特許文献1に示された方法の場合、デバイスの特性を更に向上させるために、ソース・ドレイン領域におけるシリコン・ゲルマニウム中のゲルマニウム濃度を増加させて、チャネルにかかる応力を増加させていくと、ソース・ドレイン領域の結晶性が劣化してリークが増加すること、である。
第4の問題点は、特許文献4に示された方法の場合、チャネルを湾曲させる工程が困難であること、である。更に、ゲート電極直下の領域に空洞を形成して、ゲート電極からソース・ドレインへ向かう方向、即ちゲート長に沿った方向にSi層を湾曲させて歪を発生させる方法では、p型のFETに対しては充分な効果がない、という問題点があった。
以上のように、従来の方法では、十分な大きさの歪をかけることは困難であり、歪によるトランジスタの特性向上には限界があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、従来の方法を用いて作製したMOSFETよりも、十分大きな歪をMOSFETのチャネル部分に加えることによって、電子又はホール移動度を増加させトランジスタの特性を向上させたMOSFETを有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞と、前記ゲート電極と前記ソース拡散層及びドレイン拡散層に接触し、常態で引張応力又は圧縮応力が存在するように形成された窒化膜とを有することを特徴とする。
本発明においては、電界効果型トランジスタにおいて、チャネルとその下方の層との間に空洞を形成し、且つ、半導体素子の上面にストレス窒化膜を形成することにより、チャネル層に歪が作用する。下方の層は、例えばシリコン基板である。その構造は、チャネル層としては、例えば、シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウムを用いることができ、且つ、圧縮応力を有するストレス窒化膜、又は引っ張り応力を有するストレス窒化膜のいずれかが半導体素子の上面に形成されている。窒化膜は、例えば、シリコン窒化膜であり、シリコン窒化膜の応力が、チャネル層に作用して歪がかかり、チャネル層は大きく変形し、大きな歪がかかる。その結果、圧縮応力又は引っ張り応力に夫々対応して、ホール又は電子の移動度が大幅に向上した電界効果型トランジスタを構成することができる。
本発明に係る半導体装置は、チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記チャネルを構成する半導体の格子定数と、前記ソース拡散層及びドレイン拡散層を構成する半導体の格子定数とが相互に異なることを特徴とする。
前記チャネルを構成する半導体は、シリコン、ゲルマニウム、又はシリコン・ゲルマニウムとすることができる。また、前記ソース拡散層及びドレイン拡散層は、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、又はシリコン・カーボンから形成することができる。
本発明においては、チャネル層の直下に空洞を形成し、且つ、ソース・ドレイン領域に、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、又はシリコン・カーボンを使用する。そして、チャネル層を、ソース・ドレイン領域を形成する半導体の格子定数とは異なる格子定数を有する半導体を使用して形成することにより、チャネル層に大きな歪をかけることが可能となり、電界効果型トランジスタのホール又は電子の移動度を増大させることができる。チャネル層は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、又はシリコン・ゲルマニウムから形成される。このように、歪の作用するチャネル層の直下を空洞化することで、チャネル層の変形が容易となり、チャネル全体に大きな歪を掛けることが可能となる。空洞化により、圧縮歪、引っ張り歪、のどちらの歪に対してもチャネル層の変形が容易となるため、p型、n型の、両方の電界効果型トランジスタにおいて、ホールと電子の移動度を増大することができ、高速化と低消費電力化を実現できる。
本発明に係る半導体装置は、チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記ゲート電極と前記ソース拡散層及びドレイン拡散層に接触し、常態で引張応力又は圧縮応力が存在するような窒化膜を形成し、この窒化膜に加熱処理を施した後に除去することにより、前記ゲート電極には前記窒化膜から転写された歪が存在することを特徴とする。
本発明においては、チャネル層の直下に空洞が形成されているため、従来の歪みを有するゲート電極がチャネル層に与える応力よりも、より大きな応力をチャネル層に作用することができる。
本発明に係る半導体装置は、チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記ゲート電極は、ニッケル・シリサイド層により形成されていることを特徴とする。
また、前記ニッケル・シリサイド層は、NMOSに対してはNiSiから形成し、PMOSに対してはNiSiから形成することができる。
NiSiの線膨張係数はシリコンの線膨張係数より大きく、NiSiの線膨張係数はシリコンの線膨張係数より小さい。このため、NMOSに対してNiSiを使用することにより、チャネル層に引っ張り応力が作用することから、電子の移動度が増大する。また、PMOSに対してNiSiを使用することにより、チャネル層に圧縮応力が作用することから、ホールの移動度が増大する。
また、前記空洞の内部表面は、酸化膜又は窒化膜で覆われていることが好ましい。シリコン基板を用いた場合、空洞の内部をシリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜で覆うことで、空洞を安定化させることが可能となる。即ち、製造プロセス中に、空洞内部に入り込んだ化学種との表面反応を抑制し、空洞内部における付着物を減らすことができ、空洞を保持することが可能となる。更に、活性化による高温処理時に、空洞内部表面におけるシリコンの拡散を抑制し、空洞の形状を保持することが可能となる。その結果、歪が作用するチャネルを効率的に変形させることが可能となり、歪を増大させることが可能となる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に形成された電界効果型トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、第1の層と、この第1の層の下方に形成された第3の層と、前記第1の層と第3の層との間に挟まれ前記第1及び第3の層を形成する材料に対して選択的にエッチングされる材料からなる第2の層とを有する基板上に、素子分離領域、ゲート絶縁膜、及びゲート電極を形成する工程と、ソース拡散領域及びドレイン拡散領域をエッチングにより除去して前記第2の層の一部を露出させる工程と、前記第2の層を選択エッチングにより除去し、前記第1の層と第3の層との間に空洞を形成する工程と、除去されたソース拡散領域及びドレイン拡散領域を再び形成する工程と、チャネル形成領域である前記第1の層に歪を与える工程と、を有することを特徴とする。
前記空洞を形成する工程の後に、前記空洞の内部表面を酸化膜又は窒化膜で覆う工程を追加し、前記空洞を安定化させることが望ましい。
前記第3の層はシリコン層であり、前記第2の層は前記第3の層上にエピタキシャル成長させて形成されたシリコン・ゲルマニウム層又はゲルマニウム層であり、前記第1の層は前記第2の層上にエピタキシャル成長させて形成されたシリコン層とすることができる。
前記第1の層が、シリコン層、シリコン・ゲルマニウム層、又はゲルマニウム層であり、前記第2の層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はゲルマニウム酸化膜とすることができる。
本発明においては、SOI(Silicon on Insulator)基板、GOI(Germanium on Insulator)基板、SGOI(SiGe on Insulator)基板を用いることができる。更に、SOI基板、GOI基板、SGOI基板の上部に、シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はゲルマニウムをエピタキシャル成長させたものを用いることができる。例えば、チャネル層にシリコンを用いる場合、SOI基板のBOX部分を選択エッチングするか、SGOI基板のBOX層を選択エッチングするか、又は、GOI基板上にシリコンをエピタキシャル成長させて、BOX部分とゲルマニウム部分を選択エッチングすることで、チャネル層の直下を空洞化することが可能となる。また、チャネル層にゲルマニウムを用いる場合、GOI基板のBOX部分を選択エッチングすることで、チャネル層の直下を空洞化することが可能となる。エピタキシャル成長では、ウェハ面内の膜厚の均一性を非常に精度良くコントロールすることができるため、本発明の製造方法においては、トランジスタのチャネル層の膜厚を精度良くコントロールすることができる。このため、膜厚のばらつきに起因する特性ばらつきを大きく低減することができる。
本発明によれば、電界効果型トランジスタのチャネルとその下方の層との間に空洞を形成することにより、チャネル層全体に歪が加わったときに、チャネル層全体の変形が容易となり、チャネル部分に加わる歪量を増加させることが可能となる。このため、圧縮歪、引っ張り歪の夫々の歪に対して、歪量を増加させることが可能となり、n型、p型の両方のトランジスタに対して、電子又はホールの移動度の増大を実現することができる。これにより、半導体装置の高速化、及び、低消費電力化が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について説明する。第1の実施形態では、本願請求の範囲の構造を実現する実施形態として、シリコン基板、圧縮性のシリコン窒化膜を用いた場合を例に、p型のMOSFETについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図、図2及び図3は、その製造方法の一例を工程順に示した断面図である。図1乃至図3における断面図は、電界効果型トランジスタのチャネル長方向に沿った断面を示すものである。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置においては、シリコン基板101に、シャロートレンチアイソレーション(STI)による素子分離領域102が形成されており、この素子分離領域102に囲まれた領域に素子である電界効果トランジスタが形成されている。そして、シリコン基板101上には、空洞200が形成されており、この空洞200上にはチャネルが形成されるチャネル層201が形成されている。チャネル層201は、例えば、シリコン層である。即ち、チャネル層201とその下方の層との間に空洞200が形成されており、本実施形態においては、前記下方の層がシリコン基板101になっている。そして、チャネル層201の側方には、チャネル層201を挟むように形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層からなるソース・ドレイン領域112が形成されており、ソース・ドレイン領域112は、例えば、シリコンから形成されている。そして、チャネル層201上には、ゲート絶縁膜103を介して、ゲート電極105が形成されている。また、ゲート電極105の側面には、絶縁性のゲートサイドウォール106が形成されている。このように、チャネル層/ゲ−ト絶縁膜/ゲ−ト電極から構成されるスタック構造と、このスタック構造の両側に形成されたソ−ス/ドレイン拡散層とを有する素子が形成されており、更に、ゲート電極105及びソース・ドレイン領域112に接触するように、素子の上面には、シリコン窒化膜107が形成されている。このシリコン窒化膜107は、常態で圧縮応力が存在するように形成されており、この圧縮応力はチャネル層201に歪を与える。なお、チャネル層201は、電界効果トランジスタが動作するときに、このチャネル層内にチャネルが形成され、このチャネルを通じて電流が流れるものであって、必ずしもこのチャネル層すべてがチャネルになるわけではない。
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図2(a)乃至(f)及び図3(g)乃至(h)を参照して説明する。先ず、シリコン基板101に素子分離領域102を形成して、シリコン基板101を素子分離し(図2(a))、素子領域に、シリコン・ゲルマニウム層191をエピタキシャル成長させ、その上に、チャネル領域が形成されるシリコン層601をエピタキシャル成長させる(図2(b))。これにより、シリコン基板101とシリコン層601との間に、シリコンに対して選択的にエッチングされる材料となるシリコン・ゲルマニウム層191が挟まれた構造となる。
次に、シリコン層601上にゲート絶縁膜103としてのゲート酸化膜を形成し、更にその上に、上部ポリシリコンゲ−ト電極105を堆積させる。その後、エッチングをおこない、エクステンション109、ゲートサイドウォール106を形成し、図2(c)に示した構造となる。続いて、素子をマスクとして、ソース・ドレイン領域をエッチングして表面からシリコン基板101に達する穴192を形成し、シリコン・ゲルマニウム層191の側面が露出するようにし、図2(d)の構造となる。シリコン層601からソース・ドレイン領域を除去した領域は、チャネル層201を形成する。
次に、シリコン・ゲルマニウム層191を選択エッチングして、チャネル層201の直下を空洞200にする(図2(e))。ここで、選択エッチングの方法としては、例えば、ウェットエッチングを用いることができる。シリコンに対して選択的にエッチングされる材料がシリコン・ゲルマニウムの場合、アンモニア、過酸化水素水、水を適当な割合で混合したエッチング液(APM溶液)を用いることができる。なお、ドライエッチング法を用いて、選択エッチングをおこなうことも可能である。
図2(f)は、図2(e)のA−A線に沿った方向の断面図を表し、電界効果型トランジスタのチャネル長方向に垂直な方向に沿った断面を示すものである。図2(f)に示すように、チャネル層201は、ゲート絶縁膜103と上部ポリシリコンゲート電極105とにより、チャネル幅方向に沿って上方から支えられている。
次に、除去されたソース・ドレイン領域を、シリコンをエピタキシャル成長させて埋め、ソース・ドレイン領域112を再び形成する(図3(g))。続いて、ソース・ドレイン領域112をイオン注入して、接合形成をおこなった後、素子上に常態で圧縮応力が存在するようにシリコン窒化膜107を堆積させる(図3(h))。以上の工程により、本実施形態の半導体装置を製造することができる。なお、素子上に形成した圧縮応力を有するシリコン窒化膜107は、例えば化学気相成長法等を使用した公知の方法により形成することができる。
次に、本実施形態の動作について説明する。本実施形態においては、半導体素子の上面に圧縮性のシリコン窒化膜107が形成されており、このシリコン窒化膜107の有する圧縮応力はチャネル形成領域であるチャネル層201に作用する。このとき、チャネル層201の下部が空洞200であるために、この圧縮応力に対して容易に変形することが可能となる。その結果、大きな圧縮歪がチャネル層201にかかる。
本実施形態によれば、p型のMOSFETにおけるチャネル層201の直下を空洞化することにより、シリコン窒化膜107の有する圧縮応力がチャネル層201に作用しチャネル層201に歪が加わったときに、チャネル層201全体の変形が容易となり、チャネル層201に加わる歪量を増加させることが可能となる。このため、ホール移動度を大幅に向上させることが可能となり、半導体装置の高速化、及び、低消費電力化が可能となる。
また、本実施形態の製造方法においては、チャネル層201にエピタキシャル成長により形成したシリコンを用いる製造方法について述べた。エピタキシャル成長は、ウェハ面内の膜厚の均一性を非常に精度良くコントロールすることができるため、チャネル層201の膜厚を精度良くコントロールできる。従って、チャネル層の膜厚のばらつきに起因する特性ばらつきを大きく低減することができる。
なお、本実施形態においては、シリコン基板上にシリコン・ゲルマニウムをエピタキシャル成長させた後に、更にシリコンをエピタキシャル成長させたが、シリコン基板上にゲルマニウムをエピタキシャル成長させた後に、更にシリコンをエピタキシャル成長させた基板を使用することができる。この場合は、シリコン層に対して、ゲルマニウム層が選択的にエッチングされて、空洞が形成される。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。先ず、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。図4は、第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。上述のように第1の実施形態においては、ソース・ドレイン領域112に、エピタキシャル成長させたシリコンを使用した(図3(g)を参照)。本変形例においては、シリコンの代わりに、例えばシリコン・ゲルマニウムを使用する。即ち、図4に示すように、ソース・ドレイン領域111はシリコン・ゲルマニウムから形成され、チャネル層201はシリコンから形成されている。シリコン・ゲルマニウムの格子定数は、シリコンの格子定数よりも大きい為に、ソース・ドレイン領域111間に形成されたチャネル層201には更に圧縮応力を作用させることが可能となる。その結果、チャネル層201は、この圧縮応力に対して更に変形し、非常に大きな圧縮歪がチャネル層201にかかり、ホール移動度が更に向上する。このように、本変形例においては、シリコン窒化膜107が作用する圧縮応力に加えて、ソース・ドレイン領域111とチャネル層201の夫々の格子定数の相違による圧縮応力が存在している。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様であり、図4においては、図1と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。図5は、第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。本変形例は、n型のMOSFETを有しており、図5に示すように、常態で圧縮応力を有するシリコン窒化膜を形成するかわりに、常態で引っ張り応力が存在するようにシリコン窒化膜108が半導体素子の上面に形成されている。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様であり、図5においては、図1と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。このような構成により、シリコン窒化膜108の引っ張り応力がチャネル層201に作用したときに、チャネル層201の直下に空洞200が形成されているために、この引っ張り応力に対してチャネル層201は容易に変形することが可能となる。その結果、大きな引張り歪がチャネル層201に掛かり、電子移動度が大幅に向上する。
次に、第1の実施形態の第3の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。第2の変形例においては、ソース・ドレイン領域はシリコンにより形成されているが、本変形例においては、ソース・ドレイン領域を、シリコン・カーボンをエピタキシャル成長させて埋める。即ち、図6に示すように、ソース・ドレイン領域113は、シリコン・カーボンにより形成され、チャネル層201はシリコンにより形成されている。なお、その他の構成は第2の変形例と同様であり、図6においては、図5と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。シリコン・カーボンの格子定数は、シリコンの格子定数よりも小さい為に、ソース・ドレイン領域113間に形成されたチャネル層201には更に引っ張り応力を作用させることが可能となる。即ち、本変形例においては、シリコン窒化膜108が作用する引っ張り応力に加えて、ソース・ドレイン領域113とチャネル層201の夫々の格子定数の相違による引っ張り応力が存在している。その結果、チャネル層201は、この引っ張り応力に対して更に変形し、非常に大きな引張り歪がチャネル層201にかかり、電子移動度が更に向上する。
次に、第1の実施形態の第4の変形例について説明する。図7は、本変形例に係る半導体装置の製造工程の一部を工程順に示した断面図である。本変形例においては、図2(e)に示す第1の実施形態の工程後に、酸化雰囲気処理をおこなうことで、空洞内部の表面にシリコン酸化膜401を堆積させたものである。即ち、図7(a)に示すように、図2(e)の工程後に、空洞200の内部の表面に対して酸化雰囲気処理を施すと、空洞200の内部の表面に加えてソース・ドレイン領域の表面にもシリコン酸化膜401が堆積する。このため、再度、ソース・ドレイン領域のエッチング処理をおこない、シリコン酸化膜401を除去する(図7(b))。そして、ソース・ドレイン領域をシリコンのエピタキシャル成長にて埋める(図7(c))。図7(c)は、本変形例の構造を示しており、空洞200の内部表面、より詳細には、その上下面にシリコン酸化膜401が形成されている。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様であり、図7においては、図1乃至図3と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本変形例の効果は、第1の変形例の効果に加えて、空洞200の表面をシリコン酸化膜401で覆うことで、空洞200を安定化させることが可能となる点である。即ち、エッチングにて掘ったソース・ドレイン領域を埋め直すためのエピタキシャル成長において、シリコン及び/又はゲルマニウム等が空洞200内部に堆積することを防ぐことができる。このように、空洞200内部における付着物を減らし、空洞200を保持することが可能となる。更に、ソース・ドレイン領域を活性化するための高温処理時に、空洞200の内部表面におけるシリコンの拡散を抑制し、空洞200の形状を保持することが可能となる。その結果、歪が作用するチャネルを効率的に変形させることが可能となり、歪を増大させることが可能となる。
なお、本変形例では、空洞200の内部表面を酸化膜で覆う例を示したが、酸化膜の代わりに、窒化膜で覆われていてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。第1の実施形態においては、本願請求の範囲の構造を実現するための構成の一例として、シリコン基板を用いた場合について説明したが、第2の実施形態では、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いた場合について説明する。図8(a)乃至(e)及び図9(f)乃至(g)に、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す。
図8(a)は、SOI基板を示し、シリコン基板301上に、BOX(Buried Oxide:埋め込み酸化膜)層302及びSOI層303が順次積層されている。先ず、SOI基板に素子分離領域102を形成し、素子分離する(図8(b))。このとき、素子分離されたトレンチ内には、シリコン窒化膜304を内側に堆積させた後、酸化膜を埋め込んだ構造とする。これは、空洞を形成する工程として、BOX層を選択エッチングする際に、トレンチの素子分離領域102が削られるのを防ぐためである。
次に、素子領域内に、ゲート絶縁膜103を形成して、上部ポリシリコンゲ−ト電極105を堆積させる。その後、エッチングをおこない、エクステンション109、ゲートサイドウォール106を形成し、図8(c)に示した構造となる。続いて、素子をマスクとして、ソース・ドレイン領域をエッチングして、表面からシリコン基板301に達する穴192を形成し、BOX層302の側面が露出するようにし、図8(d)の構造となる。
次に、BOX層302を選択エッチングして、SOI層であるチャネル層の直下を空洞200にする(図8(e))。即ち、SOI層303とシリコン基板301との間に空洞200を設ける。ここで、選択エッチングの方法としては、例えば、ウェットエッチングを用いることができる。シリコンに対して選択的にエッチングされる材料がシリコン酸化膜の場合、フッ酸と水とを適当な割合で混合したエッチング液(HF溶液)を用いることができる。なお、ドライエッチング法を用いて、選択エッチングをおこなうことも可能である。
以降の工程は、第1の実施形態の製造方法における工程と同様である。即ち、ソース・ドレイン領域を、シリコンをエピタキシャル成長させて埋め(図9(f))、ソース・ドレイン領域111をイオン注入して接合形成をおこなった後、常態で圧縮応力が存在するようにシリコン窒化膜107を素子の表面に堆積させる(図9(g))。なお、本実施形態のMOSFETは、p型のMOSFETとする。以上により、図9(g)に示すように、本実施形態の半導体装置が構成される。本実施形態の動作及び効果は、第1の実施形態の動作及び効果と同様である。即ち、シリコン窒化膜107の圧縮応力は、SOI層303からなるチャネル層に作用し、このとき、チャネル層の下側には空洞200が形成されているために、チャネル層は圧縮応力に対して容易に変形することが可能となる。その結果、大きな圧縮歪がチャネルに掛かり、ホール移動度を大幅に向上させることが可能となる。
本実施形態においても、第1の実施形態における変形例と同様に、ソース・ドレイン領域に使用したシリコンの代わりに、シリコン・ゲルマニウム、シリコン・カーボン等を使用することができる。また、圧縮応力を有するシリコン窒化膜の代わりに、n型のMOSFETに対して引っ張り応力を有するシリコン窒化膜を使用することができる。このような変形例においては、ホール移動度を更に向上させたり、電子移動度を更に向上させたりすることが可能である。
また、本実形態においては、SOI基板を用いた例を記載したが、最初の基板として、GOI(Germanium on Insulator)基板にシリコンをエピタキシャル成長させたものを用いることも可能である。BOX層のシリコン酸化膜、ゲルマニウム層を選択エッチングすることで、エピタキシャル成長させたシリコンをチャネル層として用いることができる。エピタキシャル成長では、ウェハ面内の膜厚の均一性を非常に精度良くコントロールすることができるため、本実施形態においても、チャネル層の膜厚を精度良くコントロールできる。従って、チャネル層の膜厚のばらつきに起因する特性ばらつきを大きく低減することができる。
また、最初の基板として、SGOI(SiGe on Insulator)基板にシリコンをエピタキシャル成長させたものを用いることも可能である。この場合、SGOI基板のBOX層をエッチングすることにより空洞を形成する。
更に、シリコン層、シリコン・ゲルマニウム層、又はゲルマニウム層のいずれかの組み合わせで挟まれた層を、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はゲルマニウム酸化膜とし、シリコン層、シリコン・ゲルマニウム層、又はゲルマニウム層に対して選択的にエッチングすることで、チャネル層の直下に空洞を形成することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。第1及び第2の実施形態においては、チャネル層がシリコンから形成されているが、本実施形態においては、チャネル層がシリコン・ゲルマニウム又はゲルマニウムから形成されている。
チャネル層にシリコン・ゲルマニウム層、又はゲルマニウム層を用いる場合、チャネル層の直下に空洞を作成するには、第1及び第2の実施形態で説明したように、SOI基板、又はGOI基板を用いた方法と同様の方法を使用することができる。
例えば、シリコン・ゲルマニウム層をチャネル層に用いる場合、SOI層又はGOI層上にシリコン・ゲルマニウムをエピタキシャル成長させ、その後、BOX層を選択エッチングによって取り除けばよい。このとき、SOI層上にシリコン・ゲルマニウムを形成した場合には、圧縮応力が発生し、GOI層上にシリコン・ゲルマニウムを形成した場合には、引っ張り応力が発生する。即ち、前者の場合、SOI層のシリコンの格子定数が、この上にエピタキシャル成長されるシリコン・ゲルマニウムの格子定数よりも小さいため、接触面を介してシリコン・ゲルマニウム層に水平方向の圧縮応力が発生する。また、後者の場合、GOI層のゲルマニウムの格子定数が、この上にエピタキシャル成長されるシリコン・ゲルマニウムの格子定数よりも大きいため、接触面を介してシリコン・ゲルマニウム層に水平方向の引っ張り応力が発生する。
一方、ゲルマニウム層をチャネル層に用いる場合、GOI基板を使用し、BOX層を選択エッチングすることで、空洞を作製することができる。
次に、目的とする歪をチャネルに作用させるときの方法について述べる。圧縮応力を有するシリコン窒化膜、引っ張り応力を有するシリコン窒化膜を用いる場合、即ち、ストレス窒化膜を半導体素子上に形成する場合、チャネル層の種類に関わらず、第1及び第2の実施形態で説明した方法と同様の方法により、チャネル層へ歪を作用させることができる。歪は、チャネル層の直下を空洞とすることで、より大きく作用し、ホール移動度又は電子移動度を向上することができる。
また、第1及び第2の実施形態で説明したように、チャネル層を構成する材料の格子定数と、ソース・ドレイン領域を構成する材料の格子定数との相違を利用して、歪をチャネルに作用させることもできる。即ち、チャネル層にシリコン・ゲルマニウム層を用いた場合、ソース・ドレイン領域もシリコン・ゲルマニウムで形成することができるが、このときには、ソース・ドレイン領域のゲルマニウム濃度がチャネル層のゲルマニウム濃度よりも高ければ圧縮応力となり、ソース・ドレイン領域のゲルマニウム濃度がチャネル層のゲルマニウム濃度よりも低ければ引っ張り応力となる。同様に、チャネル層にゲルマニウム層を用いた場合、ソース・ドレイン領域をシリコン又はシリコン・ゲルマニウムで形成することができるが、このときには、チャネル層に作用する応力は引っ張り応力となる。
また、上述のように、シリコン・ゲルマニウム層をチャネル層に用いる場合に、SOI層上にシリコン・ゲルマニウムを形成してチャネル層を構成した場合には、圧縮応力が発生し、GOI層上にシリコン・ゲルマニウムを形成してチャネル層を構成した場合には、引っ張り応力が発生する。この圧縮応力又は引っ張り応力は、ストレス窒化膜を用いてチャネルに歪を作用させる方法及びソース・ドレイン領域とチャネル層の夫々の格子定数の相違によりチャネルに歪を作用させる方法とは別に、更にチャネル層への歪を増大させる。
以上説明した歪を作用させる構造と、チャネル層の直下に形成した空洞とを混載することで、従来の歪よりも大きな歪がチャネル層に作用し、ホール移動度又は電子移動度の大幅な改善が可能となる。なお、本実施形態のその他の構成、動作、及び効果は、第1及び第2の実施形態の構成、動作、及び効果と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置について説明する。本実施形態においては、第1及び第2の実施形態における上部ポリシリコンゲート電極が、ストレスを有する電極となっている。
先ず、SMT(Stress Memorized Technology)用いた場合について説明する。図10(a)は、本実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図であり、SMTを用いてストレスを有するゲート電極を構成した例を示している。図10(a)に示すように、本実施形態においては、第1及び第2の実施形態と同様に、チャネル層であるSOI層303の直下に空洞200が形成されている。チャネル層の直下に空洞を作成するには、第1及び第2の実施形態で述べた方法と同様の方法を使用すればよい(図9(f)参照)。
また、チャネル層であるSOI層303上には、ゲート絶縁膜103を介して、ストレスを有するポリシリコンゲート電極501が形成されている。このストレスを有するポリシリコンゲート電極501の製造方法は以下の通りである。先ず、第1及び第2の実施形態と同様にして、ポリシリコンゲート電極を形成し、次に、ポリシリコンゲート電極上に、常態で例えば引っ張りの応力が存在するようにストレス窒化膜を堆積させる。そして、このストレス窒化膜に、例えば800℃の条件下で10秒間、熱処理を施す。この熱処理により、ポリシリコンゲート電極に窒化膜のストレスが転写され、窒化膜を取り除いた後においても、ポリシリコンゲート電極は引っ張りのストレスを保持することが可能となる(図10(a))。同様にして、ポリシリコンゲート電極上に、圧縮性のストレス窒化膜を堆積させて適宜熱処理を施すことにより、ポリシリコンゲート電極は圧縮性のストレスを保持することが可能となる。なお、その他の構成は第2の実施形態と同様であり、図10(a)においては、図9と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、チャネル層の直下を空洞200とすることで、チャネル層の変形が容易となり、ストレスを有するポリシリコンゲート電極501からチャネル層に作用する応力を増加させることが可能となる。即ち、従来のストレスを有するポリシリコンゲート電極がチャネルに与える応力よりも、より大きな応力をチャネルに作用させることができる。その結果、電子又はホールの移動度が増大して、高い駆動力を有する半導体装置を得ることができる。
次に、第4の実施形態の変形例について説明する。図10(b)及び(c)は、第4の実施形態の変形例を示す断面図である。図10(b)及び(c)に示すように、本変形例は、図10(a)に示す第4の実施形態と比較して、ゲート電極の構造に違いがある。即ち、本変形例においては、第1及び第2の実施形態におけるポリシリコンゲート電極の代わりに、ニッケル・シリサイド電極が形成されている。
図10(b)及び(c)に示すように、本変形例においては、チャネル層であるSOI層303の直下に空洞200が形成されている。チャネル層の直下に空洞200を作成するには、第1及び第2の実施形態で述べた方法と同様の方法により作成することができる(図9(f)参照)。また、図10(b)においては、SOI層303上にゲート絶縁膜103を介して、NiSiからなるニッケル・シリサイド層502が形成され、このニッケル・シリサイド層502によりゲート電極が構成される。同様に、図10(c)においては、SOI層303上にゲート絶縁膜103を介して、NiSiからなるニッケル・シリサイド層503が形成され、このニッケル・シリサイド層503によりゲート電極が構成される。これらのゲート電極の形成方法は次の通りである。即ち、ポリシリコンゲート電極上(図9(f)参照)にニッケルを堆積させて、適当な熱処理を加えることで、所望の結晶相を得ることができる。図10(b)においては、NMOSとして、ニッケル・シリサイド層502はNiSiから形成され、図10(c)においては、PMOSとして、ニッケル・シリサイド層503はNiSiから形成されている。なお、その他の構成は第2の実施形態と同様であり、図10(b)及び(c)においては、図9と同一の構成物には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
NiSi相は、線膨張係数がシリコンと比べて大きいために、引っ張り応力を有する。一方、NiSi相は、線膨張係数がシリコンと比べて小さいために、圧縮応力を有する。これらの歪は、チャネル層の直下を空洞化することで、チャネル層の変形が容易となり、NiSiからなるニッケル・シリサイド層502が形成されたゲート電極、又はNiSiからなるニッケル・シリサイド層503が形成されたゲート電極から、チャネル層に作用する応力を増加させることが可能となる。即ち、従来のニッケル・シリサイド電極がチャネル層に与える応力よりも、より大きな応力をチャネル層に作用させることができる。その結果、NMOS、PMOSの移動度が増大して、高い駆動力を有する半導体装置となる。
以上、本発明の実施の形態において、MOSFET型半導体装置を作製するためのプロセスについて説明したが、記載したプロセスは例示であり、本願請求の範囲の記載に基づく技術的範囲において、種々の変形が可能であり、上記以外の様々な工程を採用することができる。例えば、ゲート絶縁膜の製造工程において、酸窒化膜、又はHfSiON膜等のHigh−kゲート絶縁膜を用いることができ、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、特許文献4に開示された従来技術においても、チャネル形成領域下に、空洞が形成されている。しかしながら、この空洞は、チャネル形成領域を歪ませた結果生成するものであって、チャネル形成領域に歪を与えることができれば、空洞は特に存在しなくてもよい。また、このようなSON構造を形成する目的は、pn接合に起因する寄生容量を低減することにある。一方、本発明においては、応力印加の効果を顕著にするために空洞を設けており、特許文献4と比べて、空洞を形成することにより積極的な意味を有し、また、その効果も異なる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を工程順に示した断面図である。 図2に続く製造工程を示す断面図である。 第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 第1の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 第1の実施形態の第4の変形例に係る半導体装置の製造工程の一部を工程順に示した断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を工程順に示した断面図である。 図8に続く製造工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 シリコン窒化膜による応力でチャネルに歪をかけてMOSFTを高速化する従来の方法を説明するための断面図である。 ソース・ドレイン領域をシリコン・ゲルマニウムで形成することにより、チャネル層に圧縮歪を作用させてMOSFETを高速化する従来の方法を説明するための断面図である。
符号の説明
101;シリコン基板
102;素子分離領域
103;ゲート絶縁膜
105;ゲ−ト電極
106;ゲートサイドウォール
107、108;シリコン窒化膜
109;エクステンション
111、112、113;ソース・ドレイン領域
191;シリコン・ゲルマニウム層
200;空洞
201;チャネル層
301;シリコン基板
302;BOX層
303;SOI層
304;シリコン窒化膜
401;シリコン酸化膜
601;シリコン層
501;ストレスを有するポリシリコンゲート電極
502、503;ニッケル・シリサイド層


Claims (12)

  1. チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞と、前記ゲート電極と前記ソース拡散層及びドレイン拡散層に接触し、常態で引張応力又は圧縮応力が存在するように形成された窒化膜とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記チャネルを構成する半導体の格子定数と、前記ソース拡散層及びドレイン拡散層を構成する半導体の格子定数とが相互に異なることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記チャネルを構成する半導体は、シリコン、ゲルマニウム、又はシリコン・ゲルマニウムであることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ソース拡散層及びドレイン拡散層は、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム、又はシリコン・カーボンから形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記ゲート電極と前記ソース拡散層及びドレイン拡散層に接触し、常態で引張応力又は圧縮応力が存在するような窒化膜を形成し、この窒化膜に加熱処理を施した後に除去することにより、前記ゲート電極には前記窒化膜から転写された歪が存在することを特徴とする半導体装置。
  6. チャネルと、このチャネル上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記チャネルの側方にチャネルを挟んで形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層とを有するMOSFET型半導体装置において、前記チャネルとその下方の層との間に形成された空洞を有し、前記ゲート電極は、ニッケル・シリサイド層により形成されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 前記ニッケル・シリサイド層は、NMOSに対してはNiSiから形成され、PMOSに対してはNiSiから形成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記空洞の内部表面は、酸化膜又は窒化膜で覆われていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 基板上に形成された電界効果型トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、第1の層と、この第1の層の下方に形成された第3の層と、前記第1の層と第3の層との間に挟まれ前記第1及び第3の層を形成する材料に対して選択的にエッチングされる材料からなる第2の層とを有する基板上に、素子分離領域、ゲート絶縁膜、及びゲート電極を形成する工程と、ソース拡散領域及びドレイン拡散領域をエッチングにより除去して前記第2の層の一部を露出させる工程と、前記第2の層を選択エッチングにより除去し、前記第1の層と第3の層との間に空洞を形成する工程と、除去されたソース拡散領域及びドレイン拡散領域を再び形成する工程と、チャネル形成領域である前記第1の層に歪を与える工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記空洞を形成する工程の後に、前記空洞の内部表面を酸化膜又は窒化膜で覆う工程を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第3の層はシリコン層であり、前記第2の層は前記第3の層上にエピタキシャル成長させて形成されたシリコン・ゲルマニウム層又はゲルマニウム層であり、前記第1の層は前記第2の層上にエピタキシャル成長させて形成されたシリコン層であることを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1の層が、シリコン層、シリコン・ゲルマニウム層、又はゲルマニウム層であり、前記第2の層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はゲルマニウム酸化膜であることを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。

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