JP2008053616A - 基板処理装置 - Google Patents

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正樹 篠原
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Abstract

【課題】基板表面をより均一に処理すること。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Sの表面に現像液の液層を形成してパドル現像を施す現像処理室2を有する。この現像処理室2には、現像液の液層が形成された基板Sを支持してその姿勢を切り換える姿勢切換機構26が設けられる。この姿勢切換機構26は、基板S上に形成された現像液を流下させるべく、コントローラの制御により、基板Sの対角線を軸としてその軸回りに基板Sを揺動させ、これにより基板Sを傾斜させるとともに基板Sの傾き方向を順次切換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、LCD(液晶表示装置)やPDP(プラズマディスプレイ)等のFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、プリント基板、半導体基板等の基板に各種処理液を供給して処理を施す基板処理装置に関するものである。
従来、LCD等の矩形の基板の表面(主面)に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置として、例えば特許文献1に開示されるような装置が提案されている。この文献1に開示される装置は、水平姿勢に保持した基板の表面に処理液(現像液)を供給することにより基板上に液層を形成し、この状態で一定時間処理を行う所謂パドル処理を行う。そして、基板をその一辺と平行な軸回りに回動させることにより基板を一方向に傾斜させて処理液を流下させ、その後、当該基板を次工程へと搬送して洗浄処理を施すように構成されている。
特開平11−87210号公報
上記のように基板を傾斜させて処理液を流下させる場合には、必然的に低位側の方が高位側に比べて処理液に接する時間が長くなる。また、処理液の種類によって程度は異なるが、流下する処理液は分子間力の影響により、高位側から低位側に流下するに伴い斜面中央(斜面の幅方向中央)に収束しながら流下する傾向があり、そのため基板の低位側では中央部分の方が両端部分に比べて処理液に接する時間が長くなる傾向にある。
すなわち、従来のように単に基板を特定の一方向に傾斜させて処理液を流下させるだけでは、上記のように基板面内での処理液の接触時間に差が生じ易いため、これが処理の均一性を高める上でのマイナス要素の一つになると考えられる。従って、この点を改善することが望まれる。なお、このような事情は、パドル処理に限らず、例えば基板を一方向に傾斜させた状態で処理液を継続的に基板表面に供給しながら処理を行う場合も同様であると考えられる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、基板表面をより均一に処理することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、基板の表面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、基板を支持する支持部材を有し、この支持部材を変位させることにより基板の姿勢を切り換える切換手段と、この切換手段を駆動制御する制御手段と、を備え、前記切換手段は、基板を傾斜させるとともにその傾き方向を異なる複数の方向に切換え可能に構成され、前記制御手段は、前記切換手段を制御し、基板上に供給された前記処理液を基板表面に沿って流下させるべく基板を傾斜させるとともに処理液の流動方向に変化を与えるべく基板の傾き方向を順次異なる方向に切換えるものである(請求項1)。
この装置によれば、基板に沿って処理液を流下させるに際に、基板の傾き方向が順次切換えられて処理液の流動方向に変化が与えられるため、基板表面の特定箇所に偏って処理液が流下することが緩和され、また、一度処理液が無くなった箇所に再度処理液が流下するなどして基板面内における処理液の接触時間が均一化され易くなる。
切換手段の具体的な構成としては種々考えられるが、例えば、支持部材上に支持された前記基板を揺動させることにより基板の傾き方向を切り換えるものであれば(請求項2)、簡素な構成で、基板の傾き方向を順次異なる方向に切換えることが可能となる。
この場合、基板が矩形基板であれば、基板の対角線を軸としてこの軸回りに、又は対角線と平行な軸回りに前記基板を揺動させるように切換手段を構成するのが好適である(請求項3)。
この構成によれば、処理液が斜面中央に収束しながら流動するような傾向がある場合でも、傾斜姿勢での基板の低位側の形状が先細りとなるため、基板の両端まで隈無く処理液を流下させることが可能となる。
なお、基板が矩形基板の場合には、前記切換手段は、基板の一対の対角線の双方を軸としてこれらの軸回りに、又は一対の対角線とそれぞれ平行な軸回りに前記基板をそれぞれ揺動させるものであってもよい(請求項4)。
この構成によれば、より多様な姿勢で基板を傾斜させることが可能となるため、基板表面に対してより隈無く処理液を接触させつつ流下させることが可能となる。
また、前記切換手段は、傾斜姿勢にある基板の高位側の位置が当該基板面内の所定の支点回りに移り変わるように前記基板をすりこぎ運動状に揺動させるものであってもよい(請求項5)。
このような構成によると、基板面内で処理液をより不規則に流動させることが可能になるため、基板面内における処理液の接触時間がより均一化され易くなる。
なお、上記各装置において、前記切換手段は、前記支持部材として上下方向に移動可能な複数の軸体を有し、これら軸体の先端で基板を支持するとともに各軸体の移動に応じて基板の姿勢を切り換えるものであるのが好適である(請求項6)。
この構成によると、基板を傾斜させてその傾き方向を異なる複数の方向に切換えながらも基板と支持部材との接触面積を低減することが可能となる。
本発明の基板処理装置では、基板に沿って処理液を流下させる際に、基板の傾き方向を順次異なる方向に切換えて処理液の流動方向に変化を与え、これによって処理液が特定箇所に偏って流下するのを緩和し、また、処理液が無くなった箇所に再度処理液を流下させるなどして処理液の接触時間が基板全体でより均一化され得るようにしたので、一方向にだけ基板を傾斜させて処理液を流下させる従来のこの種の基板処理装置に比して基板表面をより均一に処理することができるようになる。
本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用された基板処理装置の全体構成を示す側面図である。この基板処理装置1は、矩形のLCD用ガラス基板(以下、単に基板と称す)Sの表面に処理液である現像液を供給して現像処理を行った後、洗浄液を供給して洗浄処理するものである。
この基板処理装置1は、基板Sに現像処理を行う現像処理室2と、現像処理後の基板Sを洗浄する洗浄処理室3と、洗浄後の基板Sを乾燥させる乾燥室4とを備えている。
現像処理室2は、水平姿勢で搬送される基板Sの表面に現像液を供給して現像液の表面張力により基板S表面に現像液の液層を形成する液層形成室2Aと、現像液の液層が形成された基板Sを保持して液層の現像液による処理を進行させる処理進行室2Bと、処理終了後の基板Sの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変換することにより基板上の処理液を流下させて回収する液回収室2Cとに区画されている。
液層形成室2Aには、基板Sを受け入れて水平姿勢で搬送する搬送ローラ21と、この搬送ローラ21により水平姿勢で搬送される基板Sの表面に現像液を供給してその表面(上面)に現像液の液層を形成するスリット型の現像液供給ノズル22とが設けられている。現像液供給ノズル22には、現像液タンク11に貯留された現像液がポンプ12により供給されるようになっている。
処理進行室2Bには、液層形成室2Aから現像液の液層が上面に形成された状態で搬送ローラ21により水平姿勢で搬送されてくる基板Sを受け入れ、かかる状態で保持する搬送ローラ23が設けられている。
液回収室2Cには、処理進行室2Bから現像液の液層が形成された状態で搬送ローラ23により搬送されてくる基板Sを受け入れて保持する搬送ローラ25が設けられている。また、搬送ローラ25上の基板Sをその下側から支持して持ち上げるとともに、その姿勢を切換える姿勢切換機構26(本発明に係る切換手段に相当する)が設けられている。
この姿勢切換機構26は、図2に示すように、4つのエアシリンダ28A〜28Dを有している。これらのエアシリンダ28A〜28Dは、液回収室2Cに受け入れられて所定位置で静止状態に保持されている基板Sのコーナ部分であって、かつ前記搬送ローラ25の下方にそれぞれ配備されている。そして、エア供給源(図略)から供給されるエアの給排切換えに伴いロット引き込み駆動状態とロッド突出駆動状態とに切換えられ、ロッド引き込み駆動状態で、同図に示すように各エアシリンダ28A〜28Dのロッド29(本発明に係る支持部材に相当する)の先端が搬送ローラ25より下側に退避する一方、ロッド突出駆動状態で、ロッド29の先端が搬送ローラ25の間から上方に突出して基板Sをその下側から支持した状態で持ち上げるようになっている。また、ロッド突出駆動状態として、ロッド29の突出状態が所定段階、ここでは3段階(以下、ロッド突出量が小さい順に下段,中段,上段駆動状態と言う)に切換え可能とされており、後述するコントローラにより各エアシリンダ28A〜28Dのロッド29の突出駆動状態がそれぞれ個別に制御されることにより、基板Sを搬送ローラ25から持ち上げてその姿勢を水平姿勢と傾斜姿勢とに相互に切り換えるとともに、傾斜姿勢についてはさらに基板Sの傾き方向を切換え得るようになっている。
なお、現像処理室2において、液層形成室2A、処理進行室2Bおよび液回収室2Cの各室の下方には、図1に示すように、現像液を回収する受け皿T1,T2,T3が設けられており、これら受け皿T1〜T3によって回収された現像液が現像液タンク11へ回収されて再利用されるようになっている。
洗浄処理室3は、現像処理室2(液回収室2C)から搬送ローラ25により水平姿勢で搬送されてくる基板Sを受け入れて搬送する搬送ローラ31と、基板Sの上面および下面に洗浄液を供給するシャワー型の洗浄液供給ノズル32,33とが設けられている。これら洗浄液供給ノズル32,33は、超純水供給源14に接続されている。
乾燥室4は、洗浄処理室3から搬送されてくる基板Sを受け入れて水平姿勢で搬送する搬送ローラ41と、搬送ローラ41により搬送される基板Sの上面および下面に対してエアを吹き付けて洗浄液を吹き飛ばし乾燥させるエアナイフ42,43とを有している。これらエアナイフ42,43はエア供給源16に接続されている。
なお、図示を省略するが、この基板処理装置1には、その動作を統括的に制御するコントローラ(本発明の制御手段に相当する)が設けられており、各搬送ローラ21、23、25、31、41の駆動、姿勢切換機構26等の作動、および現像液等の供給停止を含めた基板処理装置1全体の動作がこのコントローラにより制御されるようになっている。
次に、このコントローラの制御に基づく基板処理装置1の動作についてその作用と共に説明する。
まず、基板Sは、基板供給装置により図外のローダ室に搬入され、このローダ室の搬送ローラから液層形成室2Aの搬送ローラ31に受け渡されて現像処理室2に搬入される。そして、液層形成室2A内を一定速度で通過し、その間に基板Sの表面に現像液供給ノズル22から現像液が供給され、現像液の表面張力によって基板S表面に現像液の液層が形成される。
液層形成室2Aにおいて現像液の液層が形成された状態の基板Sは、搬送ローラ21から搬送ローラ23へ渡されて処理進行室2Bへ搬送される。処理進行室2Bに基板Sが搬入されると、搬送ローラ23の停止により所定時間だけ一時的に基板Sが静止状態とされるか、搬送ローラ23による搬送速度が減速される。これにより、基板Sの上面に形成されている液層の現像液により処理が進行する、いわゆるパドル現像が行われる。
処理進行室2Bにおいて所定時間だけパドル現像が行われると、基板Sは上面に現像液の液層が形成されたままの状態で搬送ローラ23から搬送ローラ25へ渡されて液回収室2Cへ搬送される。この際、姿勢切換機構26の各エアシリンダ28A〜28Dはロッド引き込み駆動状態に制御されており、ロッド29が基板Sの搬入の障害となることはない。
液回収室2Cの所定の位置に基板Sが搬入されると、搬送ローラ25の停止により基板Sが静止状態とされ、その後、各エアシリンダ28A〜28Dがロッド突出駆動状態に切換えられることにより基板Sがそのコーナ部分をロッド29により下側から支持された状態で搬送ローラ25から持ち上げられるとともに、その姿勢が水平姿勢から傾斜姿勢に変換され、さらにその傾き方向が繰り返し切換えられる。つまり、基板Sが揺動させられる。この姿勢変換および基板Sの揺動により、基板S上面の液層の現像液が基板表面に沿って流下し、下方の受け皿T2に回収される。
詳しくは、図3に示すように、基板Sの2本の対角線L1,L2のうち一方側の対角線L1上に位置するエアシリンダ28A,28Dが共に中段駆動状態とされる。また、これと同時に他方側の対角線L2上に位置するエアシリンダ28B,28Cのうち一方のエアシリンダ28Bが下段駆動状態とされ、他方のエアシリンダ28Cが上段駆動状態とされる。これにより基板Sが持ち上げられながら、水平姿勢から同図および図4(a)に示すように対角線L1を境にしてその一方側から他方側に向かって基板Sが先下がりに傾斜した状態(以下、第1傾斜姿勢という)に姿勢変換される。そして、この第1傾斜姿勢への変換後、直ちに下段駆動状態のエアシリンダ28Bが上段駆動状態に、上段駆動状態のエアシリンダ28Cが下段駆動状態にそれぞれ切換えられることにより、図4(b)に示すように、対角線L1を境にして前記第1傾斜姿勢とは反対側に基板Sが先下がりに傾斜した状態(以下、第2傾斜姿勢という)に姿勢変換される。こうして基板Sが第1傾斜姿勢と第2傾斜姿勢とに切換えられることにより、対角線L1を軸としてその軸回りに基板Sが揺動させられる。
このように基板Sが揺動すると、基板S上の現像液は、図4(a)(b)に矢印で示すように、基板Sの傾き方向に応じて流動方向を変えながら基板Sの縁部から受け皿T3に流下することとなる。そのため、一度現像液が無くなった箇所を再度現像液が流動するなどし、これにより基板面内における現像液の接触時間が均一化される。
なお、高位側から低位側に現像液が流下する際には、斜面中央に現像液が収束しながら流下する傾向があるが、対角線L1を軸として基板Sを傾斜させると、同図に示すように対角線L1より下位側では基板Sが先細りになるため、現像液が多少収束しながら流下しても、実質的には幅方向全体に亘って隈無く現像液が流下することとなる。そのため、基板Sの低位側において基板表面の特定箇所に偏って現像液が流下することが緩和され、これによっても基板面内における現像液の接触時間が均一化されることとなる。
こうして基板Sが所定回数だけ揺動すると、上段駆動状態または下段駆動状態にあるエアシリンダ28B,28Cが共に中段駆動状態に切換えられることにより基板Sが傾斜姿勢から水平姿勢に変換される。そしてその後、各エアシリンダ28A〜28Dが同時にロッド引き込み駆動状態に切換えられることにより、基板Sが各ロッド29から搬送ローラ25上に受け渡されて水平姿勢に保持される。
搬送ローラ25上に戻された基板Sは、次に、当該ローラ25から洗浄処理室3の搬送ローラ31へ渡され、水平姿勢のまま定速で搬送される。そして、洗浄処理室3において、基板Sの上面及び下面に対して洗浄液供給ノズル32,33から洗浄液が供給されることにより基板Sの洗浄が行われる。
洗浄処理室3から搬送ローラ31により搬送されてくる基板Sは搬送ローラ41へ渡されて乾燥室4へと搬送される。乾燥室4においては基板Sの上面及び下面にエアナイフ42,43からエアが吹き付けられ、これにより洗浄液が吹き飛ばされて基板Sの乾燥が進められる。
こうして乾燥処理を終えた基板Sは、搬送ローラ41により乾燥室4から図外のアンロード室に搬送され、このアンロード室から次工程へと搬出されることとなる。
以上のように、この基板処理装置1では、現像処理(パドル現像)後、基板Sの姿勢を傾斜姿勢に切り換えることにより現像液を流下させて回収するが、その際、基板Sを揺動させながら、つまり基板Sの傾き方向を切換えながら現像液を流下させ、これにより基板面内における現像液の接触時間の均一化を図るようになっている。そのため、現像処理後、特定の一方向にのみ基板を傾けて現像液を流下させる従来のこの種の装置と比べると、基板全体に対してより均一に現像処理を施すことができるようになる。
特に、この装置では、上述の通り、基板Sをその対角線L1を軸として揺動させることにより傾斜姿勢での基板下位側の形状が先細りとなるようにし、これにより現像液が多少基板中央に収束しながら流動した場合でも、実質的には基板Sの幅方向全体に亘って隈無く現像液が流動するようにしている。そのため、現像液が特定箇所に偏って流下するのを緩和して効果的に現像液の接触時間の均一化を図ることができるとともに基板Sの乾燥を防止することができる。
なお、この実施形態では、エアシリンダ28A〜28Dのロッド突出駆動状態を3段階に切換えることにより基板Sを傾斜させるようにしているが、勿論、ロッド突出駆動状態を無段階に切換え可能に構成してもよい。また、この実施形態では4つのエアシリンダ28A〜28Dで基板Sを揺動させているが、基板Sを安定的に揺動させることができればエアシリンダの数は4つに限定されるものではない。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態の上記姿勢切換機構26に代えて図5(a)に示すような姿勢切換機構26Aが液回収室2Cに配備されている。
この姿勢切換機構26Aは、搬送ローラ25を支持する可動のローラ枠27を有している。このローラ枠27は矩形に形成されており、そのコーナ部分の下方にはそれぞれエアシリンダ50A〜50Dが配備されている。そして、これらエアシリンダ50A〜50Dのロッド51がそれぞれローラ枠27のコーナ部分に連結され、各エアシリンダ50A〜50Dの駆動状態が個別に切換えることにより、図5(b)に示すように、ローラ枠27の姿勢を切換え、搬送ローラ25上に基板Sを保持したままの状態で基板Sを揺動させる構成となっている。つまり、第1の実施形態の姿勢切換機構26がエアシリンダ28A〜28D(ロッド29)により直接基板Sを支持してその姿勢を切換えるのに対して、第2の実施形態の姿勢切換機構26Aは、ローラ枠27および搬送ローラ25を介して間接的に基板Sの姿勢を切り換える構成となっている。
このような第2の実施形態の構成によると、搬送ローラ25等を一体に揺動させるため機構的には大がかりなものとなるが、搬送ローラ25上に基板Sを安定的に保持した状態で当該基板Sを揺動させることが可能になるため、基板Sの破損等を防止する上で有利になるというメリットがある。ここでは、4つのエアシリンダ50A〜50Dで基板Sを揺動させているが、勿論、ローラ枠27(基板S)を安定的に揺動させることができればエアシリンダの数は4つに限定されるものではない。
なお、この第2の実施形態では、ローラ枠27、搬送ローラ25およびエアシリンダ50A〜50Dが本発明にかかる切換手段に相当し、このうち搬送ローラ25が本発明に係る支持部材に相当する。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態の上記姿勢切換機構26に代えて図6に示すような姿勢切換機構26Bが液回収室2Cに配備されている。
この姿勢切換機構26Bは、搬送ローラ25を支持する可動のローラ枠27を有している。このローラ枠27は、詳しく図示していないが、ガイド部材55により任意の方向への傾きが可能で、かつ垂直軸回りの回転が阻止される状態で保持されている。このローラ枠27の下面部であって、支持される基板Sの中心に対応する位置には円盤状のカムフォロア27aが固定されている。また、ローラ枠27の下方には、水平面に対して傾斜したカム面62aをもち、かつモータ60により回転駆動される傾斜カム62が配置されている。傾斜カム62およびモータ60は、例えばエアシリンダ等を駆動源とする昇降機構に連結されており、当該昇降機構の作動により同図に示す退避位置と、前記カムフォロア27aにカム面62aが当接する位置(作動位置;図7(a)参照)とに亘って昇降可能となっている。
この構成では、液回収室2Cに基板Sが搬入されるまでは、姿勢切換機構26Bの傾斜カム62が退避位置にセットされている。このときローラ枠27は、水平姿勢、つまり処理進行室2Bから基板Sを水平姿勢で受入可能な状態に保持されている。
そして、液回収室2Cの所定位置に基板Sが搬入されると、傾斜カム62が作動位置に上昇し、カムフォロア27aに対してその下側からカム面62aが押し付けられ、この状態で前記モータ60の作動により傾斜カム62が回転駆動される。この押し当てにより、図7(a)に示すように基板Sがローラ枠27と一体にカム面62aに沿って傾き、さらに傾斜カム62の回転に伴い基板Sの傾き方向が順次切換えられる(図7(b))。つまり、傾斜姿勢にある基板Sの高位側の位置が基板中心(基板面内の所定の支点)回りに移り変わるように基板Sがすりこぎ運動状に揺動し、これにより基板Sの傾き方向が切り換えられる。なお、この第3の実施形態では、ローラ枠27、搬送ローラ25、傾斜カム62およびモータ60等が本発明にかかる切換手段に相当し、このうち搬送ローラ25が本発明に係る支持部材に相当する。
このような第3の実施形態の構成によると、上記実施形態の姿勢切換機構26とは基板Sの動きが異なるものの、基板Sの傾き方向が順次異なる方向に切換えられることにより現像液の流動方向が変化する。そのため、特定の箇所に偏って現像液が流動することが緩和され、また一度現像液が無くなった箇所を再度現像液流動するなどして基板面内における現像液の接触時間が均一化されることとなる。従って、第1の実施形態と同様に、現像液の接触時間の均一化を図ることができ、その結果、基板全体に対して現像処理を均一に施すことが可能となる。
なお、同図では詳しく示していないが、姿勢切換機構26Aにはリセット機構が設けられており、傾斜カム62が退避位置にセットされている状態では、このリセット機構によりローラ枠27が水平姿勢に拘束されるようになっている。また、傾斜カム62又はカムフォロア27aの何れか一方側には、例えばローラや球体等が回転自在に設けられ、これによりカムフォロア27aと傾斜カム62との摺動抵抗の低減が図られている。
ところで、このような姿勢切換機構26Bによる基板Sの動きは、第1,第2実施形態と類似した構成を用いて実施することもできる。すなわち、複数のシリンダを基板Sの中心軸回りに配備しておき、各シリンダのロッドで直接基板Sを持ち上げるようにする。そして、各シリンダのロッドの突出量をコントローラにより個別に制御して基板Sを傾斜させるとともに各シリンダのロッドの突出量を周方向に順番に切り換え、これにより基板Sのうち高位側となる位置が当該基板Sの中心軸回りに順次移動するようにする。このような構成によっても図6に示した姿勢切換機構26と同様に基板Sの傾きを切り換えることができる。この場合、基板Sをシリンダにより直接持ち上げる代わりにローラ枠27を持ち上げるようにしてもよい。
なお、この実施形態の姿勢切換機構26Bでは、基板Sの水平方向の変位を伴うことなく基板Sの中心(つまり基板面内の特定位置)を支点として基板Sをすりこぎ運動状に揺動させる構成となっているが、例えば基板Sの水平方向の変位を伴いながら、具体的には基板面外の垂直軸回りに基板Sを旋回させながら基板Sをすりこぎ運動状に揺動させるように姿勢切換機構26Bを構成してもよい。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施形態では、第1の実施形態の上記姿勢切換機構26に代えて図8に示すような姿勢切換機構26Cが液回収室2Cに配備されている。
この姿勢切換機構26Cは、搬送ローラ25を支持する矩形のローラ枠27を、基板Sの搬送方向と平行な軸(X軸)回りと、搬送方向と直交する軸(Y軸)回りとに揺動させることにより、基板Sの姿勢を切換えるように構成されている。
詳しく説明すると、ローラ枠27の下方には、Y軸方向に延びる第1リンク73が設けられている。この第1リンク73は、その中心部分でX軸回りに揺動可能に支持されており第1モータ72により駆動されるようになっている。第1リンク73の両端には、それぞれ上下方向に延びる第2リンク74が連結されており、これら第2リンク74の上端には、それぞれX軸方向に延びるピン74aが設けられている。これらのピン74aは、各リンク74の両側(X軸方向両側)にそれぞれ配置された一対の支柱70に形成されるガイド孔71(上下方向に延びる円弧状のガイド孔71)に挿入されている。また、ローラ枠27には、それぞれ外向き(Y軸方向外向き)に延びる一対の支持軸76が設けられている。そして、これら支持軸76の末端部分がそれぞれ前記第2リンク74に回転自在に支持されるとともに、これら支持軸76のうち一方側が第2リンク74に固定された第2モータ78に連結されている。
つまり、第1モータ72の作動により第1リンク73がその支持軸回りに揺動すると、これに連動して一方側の第2リンク74が下方に、他方側の第2リンク74が上方にそれぞれガイド孔71に沿って移動し、これによりローラ枠27がX軸回りに揺動する。他方、第2モータ78の作動によりローラ枠27が支持軸76回りに正逆回転駆動されると、これにより伴いローラ枠27がY軸回りに揺動するようになっている。なお、この第4の実施形態では、ローラ枠27、搬送ローラ25、リンク73,74およびモータ72,7860等が本発明にかかる切換手段に相当し、このうち搬送ローラ25が本発明に係る支持部材に相当する。
この構成では、液回収室2Cに基板Sが搬入されるまでは、ローラ枠27が水平姿勢、つまり処理進行室2Bから基板Sを水平姿勢で受入可能な状態に保持されている。
そして、液回収室2Cの所定の位置に基板Sが搬入されると、各モータ72,78の作動によりローラ枠27がX軸およびY軸回りに揺動する。これにより基板Sの姿勢が水平姿勢から傾斜姿勢に変換されるとともに、その傾き方向が順次切り換えることとなる。
このような第4の実施形態の構成によっても、上記のように基板Sの傾き方向を異なる方向に切換えることができるため、特定の箇所に偏って現像液が流動することを緩和することができ、また、一度現像液が無くなった箇所に再度現像液を流動させるなどして基板面内における現像液の接触時間を均一化することができる。従って、第1の実施形態と同様に、現像液の接触時間の均一化を図ることができ、その結果、基板全体に対して現像処理を均一に施すことが可能となる。
ところで、上述した基板処理装置1は、本発明に係る基板処理装置の好ましい実施形態の代表例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、基板Sの姿勢を切換える本発明の切換手段の構成は、上述した姿勢切換機構26,26A〜26Cに限定されるものではない。要は、基板Sを傾斜させるとともにその傾き方向を異なる複数の方向に切換え可能なものであればよい。また、その際の基板Sの傾きの態様も、上記実施形態に限定されるもではない。例えば、矩形の基板Sの場合、第1の実施形態のように対角線L1,L2のうち一方の対角線L1を軸として基板Sを揺動させる以外に、対角線L1,L2の双方を軸としてこれらの軸回りにそれぞれ基板Sを揺動させるようにしてもよい。
また、実施形態では、現像処理(パドル現像)後の現像液を流下、回収する液回収室2Cに本発明を適用した例について説明したが、例えば洗浄処理室3についても本発明は有用である。すなわち、洗浄処理においても基板に対して洗浄液を隈無く均一に接触させることが重要となるが、上記のような姿勢切換機構26(26A〜26C)を洗浄処理室3に導入し、これにより基板Sを傾斜させてその傾き方向を異なる複数の方向に順次切換えながら洗浄処理を進めるようにすれば、基板面内における洗浄液の接触時間を均一化することができるため、現像処理の場合と同様に、基板全体をより均一に、かつ確実に洗浄することができるようになる。勿論、本発明は、現像処理や洗浄処理に限らず、エッチング処理等、処理液を用いるその他の処理装置についても適用可能である。
本発明が適用される基板処理装置(第1の実施形態)の全体構成を示す模式的側面図である。 基板処理装置に適用される基板の姿勢切換機構を示す斜視図である。 姿勢切換機構の作動状態と基板の姿勢を示す模式的斜視図である。 (a),(b)は、基板の姿勢と現像液の流動状態を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る基板処理装置に適用される姿勢切換機構を示す斜視図である((a)は基板が水平姿勢にある状態、(b)は基板が傾斜姿勢にある状態をそれぞれ示す)。 第3の実施形態に係る基板処理装置に適用される姿勢切換機構を示す側面略図である。 (a),(b)は、それぞれ傾斜カムの回転に伴う基板およびローラ枠等の姿勢を示す側面略図である。 第4の実施形態に係る基板処理装置に適用される姿勢切換機構を示す斜視図である。
符号の説明
1 基板処理装置
2 現像処理室
2A 液層形成室
2B 処理進行室
2C 液回収室
3 洗浄処理室
4 乾燥室
21,23,25,31,41 搬送ローラ
22 現像液供給ノズル
26 姿勢切換機構
28A〜28D エアシリンダ
29 ロッド
32,33 洗浄液供給ノズル
42 エアナイフ
S 基板

Claims (6)

  1. 基板の表面に処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置において、
    基板を支持する支持部材を有し、この支持部材を変位させることにより基板の姿勢を切り換える切換手段と、この切換手段を駆動制御する制御手段とを備え、
    前記切換手段は、基板を傾斜させるとともにその傾き方向を水平面上の異なる複数の方向に切換え可能に構成され、前記制御手段は、前記切換手段を制御し、基板上に供給された前記処理液を基板表面に沿って流下させるべく基板を傾斜させるとともに処理液の流動方向に変化を与えるべく基板の傾き方向を順次異なる方向に切換える
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記切換手段は、前記基板を揺動させることにより基板の傾き方向を切り換える
    ことを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記基板は矩形基板であって、前記切換手段は、前記基板の対角線を軸としてこの軸回りに、又は前記対角線と平行な軸回りに前記基板を揺動させる
    ことを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記基板は矩形基板であって、前記切換手段は、前記基板の一対の対角線の双方を軸としてこれらの軸回りに、又は前記一対の対角線とそれぞれ平行な軸回りに前記基板をそれぞれ揺動させる
    ことを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記切換手段は、傾斜姿勢にある基板の高位側の位置が当該基板面内の所定の支点回りに移り変わるように前記基板をすりこぎ運動状に揺動させる
    ことを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の基板処理装置において、
    前記切換手段は、前記支持部材として上下方向に移動可能な複数の軸体を有し、これら軸体の先端で基板を支持するとともに各軸体の移動に応じて基板の姿勢を切り換える
    ことを特徴とする基板処理装置。
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