JP2008050371A - Fischer比低下抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】日常的に連用可能で、安全性の問題を含まない、Fischer比低下抑制剤を提供すること。
【解決手段】本発明のFischer比低下抑制剤は、トリペプチドであるIle−Pro−Pro及び/又はVal−Pro−Proを有効成分として含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、Fischer比低下抑制剤に関する。
現代社会は、科学技術が高度化・複雑化し、社会情勢も激動する環境下になっており、人々は様々なストレスにさらされている。特に、国際化された社会においては、複雑な人間関係が形成されており、精神的ストレスが起因となって引き起こされる様々な症状について報告がなされている。
精神的ストレスは、循環系、免疫系等に大きな影響を及ぼすとされている。しかし、ストレスの科学的概念及び定義は未だ明確でない点もあり、更に方法論的困難性も相俟って、ストレスの評価に関しては多くの問題が残されているが、近年、医学的見地からの検討がなされている。
例えば、ストレスを受けるとアンジオテンシンII等が増加し、ナトリウム再吸収による体内ナトリウムが過剰となり、血圧の上昇を引き起こすことが報告されている(非特許文献1)。さらに、このような知見を基に、高血圧治療薬として使用されているアンジオテンシン変換酵素阻害剤であるエナラプリル及びアラセプリルのストレスによる高血圧に対する効果が研究されている(非特許文献2)。しかし、ストレスの負荷は血圧の上昇を引き起こすのみではなく、様々な因子に影響を与え、高血圧の他に消化性潰瘍、虚血性心疾患、脳血管障害、高脂血症等の要因ともなると考えられている。従って、ストレスは高血圧の原因因子の一つであるとは考えられているが、逆に単に血圧の上昇を抑制させることによって抗ストレス効果が得られるとは考えられていない。
現在ストレスにより生じる精神的・身体的症状の軽減及び予防剤としては、精神安定剤、抗不安剤及び睡眠薬等の化学合成薬剤が使用されている。しかし、これらの薬剤は、習慣性や副作用の問題があり、ストレスにより生じる精神的、身体的症状予防の目的で日常的に使用するのは好ましくない。そこで、日常的に連用可能で、安全性の問題を含まない、ストレスにより生じる精神的・身体的症状の軽減及び予防効果を示す抗ストレス剤が求められ、開発が進められている。例えば、茶葉に含まれるL−テアニンを含む抗ストレス剤(特許文献1)、アンセリン、バレニン、n−メチルヒスチジン、τ−メチルヒスチジン等のイミダゾール化合物を含む抗ストレス組成物(特許文献2)、及びグルタチオンと抗酸化物質との組成物を含むストレス改善食品(特許文献3)等が提案されている。また、香りによるストレス解消効果についての報告(非特許文献3)もなされている。しかし、トリペプチドを用いることによる、ストレスにより生じる精神的・身体的症状軽減及び予防効果を有するという報告は、これまで認められていない。
特開平6−100442号公報 特開平9−20660号公報 特開平8−275752号公報 茂原治ら:代謝,28,2,323,1991 The American Journal of Cardiology;68,15, 1362(1991) ,Internal Medicine; 32, 9, 691 (1993) FRAGRANCE JOURNAL:1991−11,p44−49
本発明の目的は、日常的に連用可能で、安全性の問題を含まない、Fischer比低下抑制剤を提供することにある。
本発明によれば、Ile−Pro−Pro及び/又はVal−Pro−Proを有効成分として含むFischer比低下抑制剤が提供される。
本発明の剤は、安全性が高く、毎日連続摂取でき、Fischer比の低下を抑制することができる。
本発明は、Ile−Pro−Pro及び/又はVal−Pro−Proを有効成分として含む。
前記トリペプチドを得る方法としては、微生物による発酵法、酵素加水分解法又は化学的合成法等を用いることができる。
前記微生物による発酵法は、配列Ile−Pro−Pro及び/又はVal−Pro−Proを含むペプチド及び/又は蛋白質を含む培地中で乳酸菌を培養することにより行うことができる。
前記培地としては、前記トリペプチドに対応するアミノ酸配列を含むペプチド及び/又は蛋白質を含む食品素材を含むものを挙げることができる。前記食品素材としては、乳及び/又は乳カゼイン、とうもろこし、コーンタンパク、小麦、小麦タンパク、大豆、脱脂大豆、大豆蛋白等を挙げることができる。さらに、前記培地は必要に応じて酵母エキス、ビタミン類、ミネラル類等の他の成分を含むことができる。
前記乳酸菌としては、ラクトバチルス属の乳酸菌を用いることができる。例えば、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルキィ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbruekii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・カゼイ(Lactobacillus casei subsp. casei)等の乳酸菌を挙げることができる。具体的には、ラクトバチルス・ヘルベチカス ATCC55796、ラクトバチルス・デルブルキィ・サブスピーシーズ・ブルガリカス ATCC11842、ラクトバチルス・アシドフィラス ATCC4356、ラクトバチルス・ファーメンタム ATCC14931、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・カゼイ ATCC393等の菌株を挙げることができる。
前記培養は、前記培地を加熱殺菌し所定の培養温度まで冷却後に、予め前培養しておいた乳酸菌スターターを添加することにより行うことができる。乳酸菌スターターの接種量は、培地1g当り乳酸菌数105−107個とするのが好ましい。培養温度は20−50℃、好ましくは30−45℃、培養時間は3−48時間、好ましくは6−24時間の範囲で行うことができる。乳酸菌数が108個/g以上及び乳酸酸度が1以上となった時点で、培養を終了することができる。得られた培養液中には、培地原料及び組成によるが、通常、IPP及び/又はVPPが約100−3000μg/kg含まれる。
前記培養液は、そのまま、乳酸菌が生きている状態で本発明の剤として使用することができる。また、前記培養液を80℃達温等の条件にて加熱殺菌することにより、殺菌された状態で用いることもできる。さらに、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラムドライヤー乾燥等により粉末化した状態で使用することもできる。
また、前記培養液は、トリペプチド成分を濃縮し精製してから本発明の剤として使用することができる。前記濃縮及び精製の方法としては、遠心された前記培養液の上清を取る方法が挙げられる。また取られた上清を、さらに電気透析、イオン交換樹脂処理、中空糸膜透析、逆浸透圧処理、疎水性カラムクロマトグラフィー等、又はこれらの組み合わせた処理に供することにより、さらに濃縮し精製された前記トリペプチドを得ることができる。
前記トリペプチドを得るための前記酵素加水分解法は、前記トリペプチドに対応するアミノ酸配列を含むペプチド及び/又は蛋白質を含む食品素材を、プロテイナーゼで処理し、さらにカルボキシペプチダーゼで処理することにより行うことができる。前記プロテイナーゼとしては、微生物由来のプロテイナーゼ、植物由来のプロテイナーゼ、動物由来のプロテイナーゼ等の各種のものを使用することができる。これらのプロテイナーゼは、公知の方法で調製することができる。また、前記カルボキシペプチダーゼとしては、微生物由来のカルボキシペプチダーゼ、植物由来のカルボキシペプチダーゼ、動物由来のカルボキシペプチダーゼ等の各種のものを使用することができる。これらのカルボキシペプチダーゼは、公知の方法で調製することができる。
前記トリペプチドを得るための化学的合成法は、公知の有機化学合成法により行うことができる。例えば、トリペプチドを構成するアミノ酸のアミノ基をフルオレニルメトキシカルボニル基で保護した後に、順次アミノ酸配列に従ってフルオレニルメトキシカルボニル基で保護したアミノ酸を常法に従い反応させてトリペプチド結合樹脂を得、さらに常法に従い樹脂を切り離してトリペプチドを精製することにより、前記トリペプチドを得ることができる。
本発明の剤中の前記トリペプチドの含有割合は、後述する有効投与量のトリペプチドを投与しうる含有割合である限りにおいて特に限定されないが、0.001〜1重量%とすることができる。
本発明の剤は、前記トリペプチドの他に、糖類、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル、香料、色素等の他の添加剤を含むことができる。
本発明の剤は、ヒト又は動物に投与することができる。投与経路は、経口、静注等を挙げることができるが、経口投与が好ましい。
本発明の剤の有効投与量は、ヒトにおいて本発明の効果を得るためには、前記トリペプチドとして、例えば経口投与の場合は通常0.1〜40mg/体重kg・日の範囲とすることができるが、これを超える量を投与してもよい。
本発明の剤の有効成分である前記トリペプチドは、長年にわたり飲食され、食経験されているものであり、既に安全性は証明されていると考えてよい。
以下実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1
脱脂粉乳9gを水100gに溶解し、115℃、20分間殺菌した後、室温まで冷却してラクトバチルス・ヘルベティカスATCC−8205を1白金耳接種し、37℃で24時間培養を行って、1次スターター(乳酸菌数5×108個/ml、pH3.5)を調製した。次いで、90℃達温殺菌した脱脂乳(固形分9重量%)2kgに、1次スターターを80g接種した後に、37℃、24時間培養を行い、これを2次スターターとした。次に、脱脂粉乳4.5kgを水50kgに溶解し、90℃達温殺菌した後室温まで冷却して、前記2次スターターを2kg接種し、37℃で24時間培養を行い、発酵乳56kgを得た。得られた発酵乳中には、全量中の含有量としてIPPが5.4mg、VPPが9.5mgの割合で含有されていた。
製造例2
製造例1にて得られた発酵乳6kgを10N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7.3に調整した後、イオン交換樹脂(商品名Amberlite XAD-2、オルガノ社製)1リットルを加え、更に蒸留水を加えて全量を20kgとした。撹拌器にて90分間撹拌後、吸引濾過器により樹脂を濾別し、濾過器フィルター上の樹脂を蒸留水20kgにて洗浄した後に樹脂を回収した。この回収樹脂にメタノール0.8kgを加えて撹拌器にて30分間撹拌した。次にナイロンウール(200メッシュ)を用いて濾過し、さらに硬質濾紙で吸引濾過後、濾液をエバポレーターにて55℃、減圧濃縮し精製濃縮液200gを得た。この精製濃縮液にイオン交換樹脂(商品名Amberlite IRA-400(OH型)、オルガノ社製)250mlを加え、10分間撹拌した後に、硬質濾紙にて吸引濾過して得られた濾液を1N塩酸溶液にてpH7に調整後、真空凍結乾燥した。得られた精製乾燥物を5mlの蒸留水にて均一に溶解し、カラム(商品名Sephadex G-25、ファルマシア社製)に供し、蒸留水にて溶出し、トリペプチド溶出画分を回収し、真空凍結乾燥してトリペプチド精製画分粉末50mgを得た。この精製画分粉末50mg中には、IPPが0.6mg、VPPが1.0mg含有されていた。
製造例3
IPP、VPPを以下に示す有機化学合成法により合成した。合成は島津製作所製のペプチド自動合成装置(PSSM−8型)を用いた固相法によって行った。固相担体としてベンジルオキシベンジルアルコールタイプのポリスチレン樹脂であって、アミノ基をフルオレニルメトキシカルボニル基(以下Fmocと略す)で保護されたプロリンが結合した樹脂20μmolを使用した。前記アミノ酸配列に従って、アミノ基がFmoc基で保護されたFmoc−Ile、Fmoc−Pro及びFmoc−Valを100μmolづつ、常法に従い、ペプチド配列通り順次反応させてペプチド結合樹脂を得た。次にこのペプチド結合樹脂を1mlの反応液(1重量%エタンジチオール、5重量%アニソール、94重量%トリフルオロ酢酸)に懸濁し、室温で2時間反応させてペプチドを樹脂から切離し、同時に側鎖保護基を外した。次に反応混合液をガラスフィルターで濾過した後、無水エーテル10mlを加えて精製したペプチドを沈殿させて、3000回転、5分間遠心して分離した。その沈殿を無水エーテルにて数回洗浄した後、窒素ガスを吹き付けて乾燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチド全量を、0.1N塩酸水溶液2mlに溶解した後に、全量を、以下の条件に従いC18の逆層カラムを用いたHPLCで、以下の条件に従って精製した。
ポンプ:形式L6200インテリジェントポンプ(日立製作所)
検出機:形式L4000UV検出器(日立製作所)にて215nmの紫外部吸収を検出
カラム:マイクロボンダスフェアー5μC18(ウォーターズ社製)
溶出液:A液;0.1重量%TFA水溶液、B液;0.1重量%TFA入りアセトニトリル(B/A+B)×100(%):0→40%(60分)
流速:1ml/分
最大吸収を示した溶出画分を分取し、これを凍結乾燥することにより目的とする合成ペプチドIPP及びVPPをそれぞれ2.1g、0.9mg得た。精製ペプチドを全自動タンパク質一次構造分析装置(形式PPSQ−10、島津製作所製)により、ペプチドのN末端から分析し、さらにアミノ酸分析装置(形式800シリーズ、日本分光社製)にて分析した結果、設計通りであることが確認できた。
参考例1
雄ウィスター系ラット(体重300g程度)24匹を、1週間予備飼育した。予備飼育期間中及び実験期間中は、固形飼料(商品名CE−2、日本クレア製)を制限食として与え、水は自由摂取とした。
予備飼育終了後、ラットを(1)ストレス無負荷−生理食塩水投与群、(2)ストレス負荷−生理食塩水投与群、(3)ストレス負荷−VPP、IPP投与群の3群に分け(各群8匹)、(2)群及び(3)群の動物に、低温室(4℃)に1日につき4時間入れる寒冷ストレスを9日間負荷した。
10日目に、試料として、(1)及び(2)群のラットには生理食塩水1mlを、(3)群には製造例3の方法により合成したIPP及びVPPを各3mg/kg体重の濃度になるように溶解した生理食塩水1mlを、経口ゾンデにて胃内に強制投与した。投与後、(2)群及び(3)群のラットに4時間の寒冷ストレスを負荷し、ストレス負荷終了の2時間後に、無加温、非観血値的ラット血圧計(形式:PE−300型、シーエスアイ社製)を用いてtail-cuff法にて、各群のラットの血圧を測定した。
血圧の測定結果を表1に示す。表1に示すように、ストレスを負荷した(2)群では、ストレスを負荷していない(1)群に比べ、収縮期血圧、拡張期血圧共に高くなっていた。VPP及びIPPを投与した(3)群では、生理食塩水を投与した(2)群に比べ、収縮期血圧、拡張期血圧共に低くなっており、血圧の値がストレスを負荷していない(1)群に近くなっていた。
Figure 2008050371
寒冷ストレス負荷前後の血圧の変動を表2に示す。表2に示すように、ストレスを負荷した(2)群では、ストレスを負荷していない(1)群に比べ、収縮期血圧、拡張期血圧共に有意に上昇していた。VPP及びIPPを投与した(3)群では、生理食塩水を投与した(2)群に比べ、収縮期血圧、拡張期血圧共に上昇が抑制されており、収縮期血圧では有意差が認められた。以上の結果から、IPP及びVPPを投与することにより、ストレス負荷後における血圧上昇を抑制する効果が得られることが確認された。
Figure 2008050371
参考例2
雄ウィスター系ラット(体重300g程度)24匹を1週間予備飼育した。予備飼育期間中及び実験期間中においては、固形試料(CE−2、日本クレア製)を制限食にて与え、水は自由摂取とした。
予備飼育終了後、ラットを(1)生理食塩水投与群、(2)VPP投与群及び(3)IPP投与群の3群に分けた(各群8匹)。(1)群−(3)群のラットを、実施例4と同様に低温室(4℃)に1日につき4時間入れ、9日間寒冷ストレスを負荷した。
10日目に、試料として、(1)群は生理食塩水1mlを、並びに(2)群及び(3)群にはそれぞれ製造例3の方法により合成したVPP 3mg/kg体重又はIPP 3mg/kg体重となるよう溶解した生理食塩水1mlを、経口ゾンデにて胃内に強制投与した。投与後、(1)群−(3)群のラットについて、参考例1と同様に4時間の寒冷ストレスを負荷し、血圧を測定した。
血圧の測定結果を表3に示す。表3に示すように、トリペプチドを投与した(2)及び(3)群では、生理食塩水を投与した(1)群に比べ、収縮期血圧、拡張期血圧共に有意に低くなっており、トリペプチドを投与することによりストレス負荷後における血圧上昇を抑制する効果が得られることが認められた。
Figure 2008050371
参考例3
試料として、(1)群は生理食塩水2mlを、並びに(2)群及び(3)群にはそれぞれ実施例1で得た発酵乳5ml/kg体重又は実施例2で得たトリペプチド精製画分粉末150mg/kgを生理食塩水に溶解し2mlとしたものを用いた他は実施例5と同様に試験を行い、試料投与、ストレス負荷後に血圧を測定した。
血圧の測定結果を表4に示す。表4に示す通り、発酵乳を投与した(2)群及びトリペプチド精製画分粉末を投与した(3)群と、生理食塩水を投与した(1)群とを比べると、収縮期血圧、拡張期血圧ともに(1)群より(2)群及び(3)群の方が低くなっており、発酵乳及びトリペプチド精製画分を投与することにより、ストレス負荷後における血圧上昇を抑制する効果が得られることが認められた。
Figure 2008050371
実施例1
雄ウィスター系ラット(体重300g程度)24匹を1週間予備飼育した。予備飼育期間中は、固形飼料(商品名CE−2、日本クレア製)を制限食として与え、水は自由摂取とした。
予備飼育終了後、ラットを(1)ストレス無負荷−生理食塩水投与群、(2)ストレス負荷−生理食塩水投与群、(3)ストレス負荷−VPP、IPP投与群の3群に分け(各群8匹)、(2)群及び(3)群の動物に、金網拘束ケージに入れ呼吸ができるように頭部が水面から出るようにして頭部より下を25℃の水槽に浸すことにより、水浸拘束ストレスを1日について6時間、5日間連続して負荷した。ストレス負荷期間中は、固形飼料(商品名CE−2、日本クレア製)及び水を自由摂取させた。
各ラットには、ストレス負荷開始日より負荷終了日まで5日間連続して試料を投与した。試料としては、(1)及び(2)群には生理食塩水1mlを、(3)群には実施例3の方法により合成したIPP及びVPPを各3mg/kg体重の濃度になるように溶解した生理食塩水1mlを、経口ゾンデにて胃内に強制投与した。
ストレス負荷2日目から3日目にかけて代謝ケージにて尿を採取し、尿中のカテコールアミン、インドールアミンを、HPLCを用いて分析した。カラムは日本分光社製シリカ逆層カラム(商品名「カテコールパック」)を、検出装置はesa社製電気化学検出器(商品名「クーロケム」)を使用した。
ストレス負荷最終日のストレス負荷終了後、断頭によりマウスを屠殺し血液を採取し、胸腺及び脾臓を摘出した。血清については、アミノ酸分析装置(形式800シリーズ、日本分光社製)にてアミノ酸組成を測定し、Fischer比(分枝鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸のモル比)を算出した。胸腺及び肝臓は重量を測定し、脾臓については以下の方法により脾臓細胞を調製し、脾臓細胞のインターロイキン2産生能及びマイトジェン反応性を測定した。
(脾臓細胞の調製)
摘出した脾臓をホモジェナイザーで細かく破砕し、低張処理することによって赤血球を除去し、2%牛胎児血清(FCS)含有MEMで洗浄後、10%FCS含有RPM1640培地に細胞数が1×107となるように浮遊させ、遊離浮遊細胞液を作成した。
(インターロイキン2産生能の測定)
調製した前記脾臓細胞2.5×106個、コンカナバリンA(ConA)5μg/ml、及び10%FCSを含むRPM1640培地を調製し、24時間培養し、その上清中のインターロイキン2量を測定した。インターロイキン2量はインターロイキン2反応性細胞株の増殖を指標としたバイオアッセイにより測定した。
(マイトジェン反応性)
ConA又はポークウィートマイトジェン(PWM)をマイトジェンとし、これらのいずれか一方の5μg/ml、調製した前記脾臓細胞5×106個、及び10%FCSを含むRPM 1640培地を調製し、24時間培養し、24時間後の細胞数をMTT(3-(4,5-dimethylthiazoil-2 -yl)-2,5-diphenyltetrazoliumbromide)の取り込みを指標とした吸光度により測定し、マイトジェンを含まない時の細胞数に対する比率で表した。
表5にストレス負荷2日目から3日目の尿中ノルアドレナリン、ドーパミンの排泄量を示す。表5に示すように、ストレスを負荷した(2)群ではストレスを負荷していない(1)群に比べ、尿中ノルアドレナリン、ドーパミンの排泄量が有意に低下していた。トリペプチドを投与した(3)群では、生理食塩水を投与した(2)群に比べ、尿中ノルアドレナリン、ドーパミン排泄量共に低下が抑えられる傾向にあった。従って、IPP、VPPはストレス負荷した後の尿中ノルアドレナリン、ドーパミン排泄量の低下を抑制する効果を有することが認められた。
Figure 2008050371
表6に屠殺後の血清アミノ酸のFischer比を示す。表6に示すように、ストレスを負荷した(2)群ではストレスを負荷していない(1)群に比べ、Fischer比が有意に低くなっていたが、トリペプチドを投与した(3)群では、生理食塩水を投与した(2)群に比べ、Fischer比が有意に高くなっていた。
Figure 2008050371
表7に屠殺後の胸腺及び脾臓の重量を示した。ストレスを負荷した(2)群ではストレスを負荷していない(1)群に比べ、胸腺、脾臓共に重量が大きく低下していた。トリペプチドを投与した(3)群では、若干ではあるが胸腺重量及び脾臓重量が生理食塩水を投与した(2)群に比べ高い傾向を示した。
Figure 2008050371
表8に脾臓細胞のマイトジェン反応性を、表9に脾臓細胞のインターロイキン2産生能を示す。ストレスを負荷した(2)群ではストレスを負荷していない(1)群に比べ、マイトジェン反応性の低下とインターロイキン2産生能の低下傾向が認められたが、トリペプチドを投与した(3)群では、生理食塩水を投与した(2)群に比べ、マイトジェン反応性の上昇とインターロイキン産生能の上昇傾向が認められた。
Figure 2008050371
Figure 2008050371
これらの結果より、IPP、VPPの投与は、ストレスの負荷による血中アミノ酸のバランス(Fischer比)の変化、胸腺や脾臓の萎縮、脾臓細胞反応性の低下等の免疫機能指標の低下に対し抑制効果を有することが認められた。

Claims (1)

  1. Ile−Pro−Pro及び/又はVal−Pro−Proを有効成分として含むFischer比低下抑制剤。
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