JP2008050344A - タンパク質のリフォールディング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
アンフォールディングされたタンパク質のリフォールディング方法においてまず凝集抑制剤(A)でタンパク質を処理した後に、続いて一般式(1)で示される基を有する化合物(B1)および/またはオキシカルボニル基を有する化合物(B2)からなるリフォールディング剤(B)で処理することを特徴とするリフォールディング方法である。
【選択図】 なし
Description
しかし、組換え体で発現させたタンパク質の多くは立体構造に秩序が無く、高次構造が制御されておらず、不活性な封入体(インクルージョンボディ)と呼ばれる小粒子顆粒を形成することが多い。このため、大腸菌による生産プロセスでは、インクルージョンボディを解きほぐし(アンフォールディング)、高次構造を整え、秩序だった立体構造を持つ可溶性タンパク質に変換する操作、すなわち、インクルージョンボディをアンフォールディングし、さらにリフォールディング(巻き戻し)することが必要である。
透析法は、透析に供することで予め添加されたタンパク質変性剤(アンフォールディング剤:例えば塩酸グアニジンおよび/または尿素など)を徐々に希釈して緩衝液等に置き換え、機能のある蛋白質立体構造へとリフォールディングする方法である。本方法の応用例として、タンパク質変性剤濃度を、さらにゆっくりと減少させることで、機能のあるタンパク質立体構造へのリフォールディングの収率を上げる段階的希釈法が知られている
(例えば、非特許文献1)。
しかし、透析法は、外液にタンパク質溶液の百倍以上の容積が通常必要になり、また数日の時間を必要とするので、産業上実用的ではない。
する最も簡便で低コストの方法であるが、リフォールディングの収率が悪く(例えば、非特許文献2)、大希釈をするので収量が少ないのが現状である。
J Biol Chem.2003 Mar 14;278(11):8979−8987. J ImMunol Methods.1998 Oct 1;219(1−2):119−129. J.Am.Chem.Soc. Vol.117(1995)2373−2374 J.Biol.Chem. Vol.271(1996)3478−3487 FEBS Lett. Vol.486(2000)131−135
希釈することによる収量の低下や、純度が低いといった課題があった。また、分子量が比較的大きなタンパク質に対しリフォールディング剤を加えた際に凝集沈殿が起きることが多く、収率の低下が著しかった。
すなわち、本発明は、アンフォールディングされたタンパク質のリフォールディング方法においてまず凝集抑制剤(A)でタンパク質を処理した後に、続いて一般式(1)で示される基を有する化合物(B1)および/またはオキシカルボニル基を有する化合物(B2)からなるリフォールディング剤(B)で処理することを特徴とするリフォールディング方法;前記方法でリフォールディングする工程を含むタンパク質の産生方法;および、前記産生方法で得られたタンパク質である。
この凝集抑制剤(A)としては、界面活性剤が挙げられ、さらに下記の非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤または両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、上記の他に特公昭57−39678号公報記載の界面活性剤が挙げられる。
さらに好ましくは、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物および多価アルコール型非イオン性界面活性剤である。
塩としてはアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など)、アルカリ
土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)、アンモニウム塩、アミン塩(1級アミン塩、2級アミン塩、3級アミン塩)、および4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩など)が挙げられる。
(B1−1)のうちの塩の具体例としては、リン酸1水素2ナトリウム塩、リン酸2水素1ナトリウム塩、リン酸1水素2カリウム塩、リン酸2水素1カリウム塩、リン酸アンモニウム塩、リン酸テトラメチルアンモニウム塩、リン酸テトラエチルアンモニウム塩、リン酸トリエチルアミン塩およびリン酸トリエタノールアミン塩などのリン酸塩;亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸アンモニウム塩、亜リン酸テトラメチルアンモニウム塩、亜リン酸テトラエチルアンモニウム塩、亜リン酸トリエチルアミン塩および亜リン酸トリエタノールアミン塩などの亜リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム塩、ピロリン酸カリウム塩、ピロリン酸テトラメチルアンモニウム塩、ピロリン酸テトラエチルアンモニウム塩、ピロリン酸トリエチルアミン塩およびピロリン酸トリエタノールアミン塩などのピロリン酸塩などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルリン酸エステル(B1−2−1)としては、例えば、メチルリン酸エステル、エチルリン酸エステル、プロピルリン酸エステル、2−プロピルリン酸エステル、ブチルリン酸エステル、2−ブチルリン酸エステル、t−ブチルリン酸エステル、ペンチルリン酸エステル、ヘキシルリン酸エステル、シクロヘキシルリン酸エステル、オクチルリン酸エステル、ノニルリン酸エステル、デシルリン酸エステルなどが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルピロリン酸エステル(B1−2−2)としては、例えば、メチルピロリン酸エステル、エチルピロリン酸エステル、プロピルピロリン酸エステル、2−プロピルピロリン酸エステル、ブチルピロリン酸エステル、2−ブチルピロリン酸エステル、t−ブチルピロリン酸エステル、ペンチルピロリン酸エステル、ヘキシルピロリン酸エステル、シクロヘキシルピロリン酸エステル、オクチルピロリン酸エステル、ノニルピロリン酸エステル、デシルピロリン酸エステルなどが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルトリポリリン酸エステル(B1−2−3)としては、例えば、メチルトリポリリン酸エステル、エチルトリポリリン酸エステル、プロピルトリポリリン酸エステル、2−プロピルトリポリリン酸エステル、ブチルトリポリリン酸エステル、2−ブチルトリポリリン酸エステル、t−ブチルトリポリリン酸エステル、ペンチルトリポリリン酸エステル、ヘキシルトリポリリン酸エステル、シクロヘキシルトリポリリン酸エステル、オクチルトリポリリン酸エステル、ノニルトリポリリン酸エステル、デシルトリポリリン酸エステルなどが挙げられる。
上記(B1−2−1)〜(B1−2−3)の塩としては、前述の(B1−1)で挙げた塩と同様のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩および4級アンモニウム塩が挙げられる。
化合物(B2)としては、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基(−COOH)もしくは1個のカルボキシレートアニオン基(−COO--)を有する化合物(B2−1)並びに、分子中に少なくとも1個のエステル基(−COOR)を有する化合物(B2−2)が挙げられる。なお、これらのオキシカルボニル基と水酸基を同時に有する乳酸などのオキシカルボン酸も挙げられる。
R2は炭素数2〜4のアルキレン基であって、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基などが挙げられる。
R3は炭素数1〜3のアルキレン基であって、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基が挙げられる。
pは通常1〜50の整数であって、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜4である。
塩としては前述の(B1)で挙げた塩と同様のアルカリ金属塩アルカリ、土類金属塩アンモニウム塩、アミン塩および4級アンモニウム塩が挙げられる。
カルボン酸アルキルエステル(B2−2−1)を構成するカルボン酸としては、前述の分子内に少なくとも1個のカルボキシル基もしくはカルボキシレートアニオン基を有する化合物(B2−1)と同様のカルボン酸が挙げられる。
また、エステル基中のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基もしくはデシル基などの、炭素数が1〜12の直鎖もしくは分岐の脂肪族アルキル基が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)およびブチレンオキサイドが挙げられる。
なお、タンパク質が、分子内にS−S結合を含むタンパク質である場合には、塩酸グアニジンおよび/または尿素以外に、さらに2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、シスチンまたはチオフェノールを加えてアンフォールディングされたタンパク質であってもよい。
ォールディング方法であり、タンパク質を前述のリフォールディング剤で処理する工程を含み、この工程においてリン含有リフォールディング剤(B1)の場合は、系中の化合物(B1)の濃度として、通常0.2〜6モル/Lで使用され、オキシカルボニル基含有リフォールディング剤(B2)の場合は、系中の化合物(B2)の濃度とし、通常て0.01〜6モル/Lで使用される方法である。
リン含有リフォールディング剤(B1)の場合は、系中の(B1)の濃度が、通常0.2モル/L以上、好ましくは0.3モル/L以上、さらに好ましくは0.5モル/L以上である。この濃度範囲にあることにより、アンフォールディングされたタンパク質の構造を正常な構造に戻す作用が効果的に発現できる。
(A)の濃度が低過ぎると、リフォールディング効果(アンフォールディングされたタンパク質をリフォールディングすることができる割合)が乏しい。
なお、従来からリフォールディングの工程において、一般的なリン酸系化合物(例えばリン酸/リン酸ナトリウムなど)が緩衝剤として使用されることがあるが、これらの緩衝剤は、通常0.02モル/L以下、高くても0.05モル/L以下の濃度で使用されており、リフォールディング作用は認められなかった。
また、系中のリン系化合物(B1)の濃度が高過ぎると、系の粘度が高くなる傾向があるため、後工程のタンパク質の産生工程におけるタンパク質の分離精製が困難となるため好ましくない。
(B2)の濃度が低過ぎると、リフォールディング効果(アンフォールディングされたタンパク質をリフォールディングすることができる割合)が乏しい。
本発明における(B2)は、系中での濃度が0.01モル/Lになると、オキシカルボニル基とタンパク質との特異的な水素結合が形成されやすくなるための平衡濃度に達するものと推定される。
また、系中の(B2)の濃度が高過ぎると、系の粘度が高くなる傾向があるため、後工程のタンパク質の産生工程におけるタンパク質の分離精製が困難となるため好ましくない。
なお、リン酸緩衝剤を使用する場合は、リン酸緩衝剤がリン酸塩であるため本発明における(B1)と一部重複する場合もある。しかし、前述のようにpH調整が目的で使用するリン酸緩衝剤の添加濃度の上限は高くても0.05モル/Lであり、本発明のリフォールディング剤としてのリン系化合物(B1)とpH調整が目的のリン酸緩衝剤とを併用する場合は、(B1)の系内濃度は0.2〜5.95モル/Lであることが好ましい。
また、(B2)の添加量に対して、pH調整剤(C)の添加量は、通常は20重量%以下であり、リフォールディング効果の観点から0.001〜20重量%が好ましく、0.01〜20重量%がさらに好ましい。
還元剤としては2−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、アスコルビン酸、還元型グルタチオンおよびシステインなどが挙げられる。
ポリオール類としてはグリセリン、ブドウ糖、ショ糖、エチレングリコール、ソルビトールおよびマンニトールなどが挙げられる。
金属イオンとしてはマグネシウムイオン、マンガンイオンおよびカルシウムイオンなどの2価金属イオンが挙げらる。
キレート試薬としてはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−4酢酸(EGTA)などが挙げられる。
また、(B2)の添加量に対し、タンパク質安定化剤(D)の添加量は、通常は10重量%以下であり、リフォールディング効果の観点から0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がさらに好ましい。
また、(B1)および(B2)の、タンパク質の重量に対する添加量(重量)は、タンパク質1部に対して好ましくは5〜2,000部、リフォールディング効果の観点からさらに好ましくは10〜1,000部である。
本発明のタンパク質産生方法で得られるタンパク質は、上記のリフォールディング方法で得られるため、従来よりも純度が高く、また大希釈を行う必要がないため高い収量を得ることができる。
本発明のタンパク質の産生方法としては、例えば、以下のような順序の工程による産生
方法が挙げられる。
(1)タンパク質の培養工程:大腸菌などのタンパク質生産体に酵素または組み換えタンパク質を培養させる。
(2)溶菌工程:溶菌剤などの使用によってでタンパク質生産体内のインクルージョンボディを取り出す。
(3)アンフォールディング工程;インクルージョンボディ懸濁液(例えば10mgタンパク質/mL)に0.5モル/L以上のアンフォールディング剤および20ミリモル/L以下の還元剤を加え軽くかきまぜ室温で数時間放置する。
(4)リフォールディング工程:アンフォールディングされたタンパク質懸濁液に、(A)を加えて軽くかき混ぜた後、(B1)または(B2)を加えて軽くかき混ぜ、室温で1晩放置しリフォールディングを行う。
(5)分離・取り出し工程:懸濁液から目的とする正常なタンパク質をカラムクロマトグラフィーなどによって分離して取り出す。
細菌細胞としては、連鎖球菌属(streptococci)、ブドウ球菌属(staphylococci)、エシェリヒア属菌(Escherichia)、ストレプトミセス属菌(streptomyces)およびバチルス属菌(Bacillus)細胞、真菌細胞:例えば酵母細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞、昆虫細胞:例えばドロソフィラS2(DrosophilaS2)、スポドプテラSf9(
SpodopteraSf9)細胞、動物細胞:例えば、CHO、COS、Hela、C127、3T3、BHK、293およびボウズ(Bows)メラノーマ細胞、ならびに植物細胞等が挙げられる。
エシェリヒア属菌(Escherichia)としては、大腸菌(E.coli)K12DH1〔プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)60巻、160頁(1968年)を参照〕、JM103〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)9巻、309頁(1981年)を参照〕、JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)120巻、517頁(1978年)を参照〕、HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)41巻、459頁(1969年)を参照〕、C600〔ジェネティックス(Genetics)39巻、440頁(1954年)を参照〕、MM294〔ネイチャー(Nature)217巻、1110頁(1968年)を参照〕などが挙げられる。
バチルス属菌(Bacillus)としては、枯草菌(Bacillussubtilis)MI114〔ジーン、24巻、255頁(1983年)を参照〕、207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry)95巻、87頁(1984年)を参照〕などが挙げられる。
(i)目的タンパク産生細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、該mRNAから単鎖のcDNAを、次に二重鎖DNAを合成し、該相補DNAをファージまたはプラスミドに組み込む。
(ii)得られた組み換えファージまたはプラスミドで宿主を形質転換し、培養後、目的タンパクの一部をコードするDNAプローブとのハイブリダイゼーション、あるいは抗体を用いたイムノアッセイ法により目的とするDNAを含有するファージあるいはプラスミドを単離する。
(iii)その組み換えDNAから目的とするクローン化DNAを切りだし、該クローン
化DNAまたはその一部を発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによって製造することができる。
その後、適当な方法により、宿主を発現ベクターで形質転換し培養する。培養は通常15〜43℃で3〜24時間行い、必要により通気、攪拌を加えることもできる。
なお、タンパク質が、分子内にS−S結合を含むタンパク質である場合には、還元剤として塩酸グアニジンおよび/または尿素以外に、さらに2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、シスチンまたはチオフェノールなどを加えてもよい。
本発明のタンパク質産生方法で得られるタンパク質としては、酵素、組み換えタンパク質および核酸などが挙げられる。
加水分解酵素としては、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルコアミラーゼなどが挙げられる。
異性化酵素としては、グルコースイソメラーゼが挙げられる。
酸化還元酵素としては、ペルオキシダーゼなどが挙げられる。
転移酵素としては、アシルトランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼなどが挙げられる。
合成酵素としては、脂肪酸シンターゼ、リン酸シンターゼ、クエン酸シンターゼなどが挙げられる。
脱離酵素としては、ペクチンリアーゼなどが挙げられる。
タンパク製剤としては、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1〜12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン、カルシトニン等が挙げられる。
ワクチンとしては、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、C型肝炎ワクチン等が挙げられる。
下記の実施例1〜5および比較例1〜6の方法でリフォールディングを行いタンパク質を得た。
リフォールディング時の凝集状態に関して観察し、さらに得られたタンパク質の酵素活性を測定し、生産性を評価した。
10mlの滅菌済み試験管に、10mgの塩化リゾチーム(ナカライテスク社製)および6モル/L塩酸グアニジン(和光純薬製)水溶液を1ml加えて、室温で1晩放置しリパーゼをアンフォールディングさせた。
このアンフォールディングされたタンパク質溶液に0.125%TWEEN80(「ポリソルベート80」:三洋化成工業社製)2mlを加え軽くかきまぜ、続いて2モル/Lリン酸塩(リン酸1水素2ナトリウム:リン酸2水素1ナトリウム=1:1モル比)(ともに和光純薬製)を3ml加えて室温で1晩放置してリフォールディングを行った(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
2モル/Lリン酸塩のかわりに2モル/Lトリポリリン酸ナトリウム(和光純薬製)を加えること以外は実施例1と同様の方法でリフォールディングをおこなった(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
2モル/Lリン酸塩のかわりに2モル/L酢酸ナトリウム塩(和光純薬製)を加えること以外は実施例1と同様の方法でリフォールディングをおこなった(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
2モル/Lリン酸塩のかわりに2モル/L酢酸アンモニウム塩(和光純薬製)を加えること以外は実施例1と同様の方法でリフォールディングをおこなった(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
2モル/Lリン酸塩の代わりに2モル/L酢酸ナトリウム塩(和光純薬製)を加え、0.125%TWEEN80のかわりに、0.125%オレイルアルコールEO18モル付加物(エマルミン180:三洋化成工業製)2mlを加えること以外は実施例1と同様の方法でリフォールディングをおこなった(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
アンフォールディングされたタンパク質溶液に、凝集抑制剤は一切加えず、1.2モル/Lリン酸塩(リン酸1水素2ナトリウム:リン酸2水素1ナトリウム=1:1モル比)(ともに和光純薬製)を5mlのみ加えて室温で1晩放置してリフォールディングを行ったこと以外は実施例1と同様におこなった。(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
アンフォールディングされたタンパク質溶液に、凝集抑制剤は一切加えず、1.2モル/L酢酸ナトリウム塩(和光純薬製)を5mlのみ加えて室温で1晩放置してリフォールディングを行ったこと以外は実施例1と同様におこなった。(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
このアンフォールディングされたタンパク質溶液に、0.05%TWEEN80(「ポリソルベート80」:三洋化成工業社製)と1.2モル/Lリン酸塩(リン酸1水素2ナトリウム:リン酸2水素1ナトリウム=1:1モル比)(ともに和光純薬製)からなるリフォールディング剤5mlとを同時に加えて室温で1晩放置してリフォールディングを行った(系中の化合物(B)の濃度=1.0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度=1.7mg/mL)。
210mlの滅菌瓶にアンフォールディングされたタンパク質溶液1mlと、0.1モル/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH=7:和光純薬製)200mlを入れ軽くかき混ぜ室温で1晩放置してリフォールディングをおこなった。(系中の化合物(B)の濃度:0.10モル/L、リフォールディング工程のタンパク質濃度:0.05mg/mL)
140ml容の滅菌瓶に、アンフォールディングされたタンパク質溶液1mlおよび0.05%セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)(東京化成製)溶液70mlを加えて、室温で1時間放置し、2%シクロアミロース(江崎グリコ製)溶液を30ml加え1晩放置した(系中の化合物(B)の濃度:0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質濃度=0.1mg/mL)。
アンフォールディングされたタンパク質溶液1mlを透析装置に入れ、0.1モル/L Trisバッファー(pH=7:和光純薬製)を徐々に加え、徐々に希釈していきリフォールディングをおこなった。200mlのTrisバッファーを加えたところで終了した(系中の化合物(B)の濃度:0モル/L、リフォールディング工程のタンパク質濃度=0.05mg/mL)。
実施例1〜5、および比較例1〜6において、リフォールディング中の凝集抑制効果を下記の尺度で判断した。
○:目視で凝集物が一切認められない
×:目視で一部でも凝集物が認められる
10mlの滅菌済み試験管に0.5重量パーセント濃度の枯草菌溶液を3mlを入れ、実施例1〜5または比較例1〜6で得られたタンパク質溶液を10μlマイクロピペットで加えて軽くかき混ぜた。吸光度(450nm)を紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV−2550)で3分毎に12分間測定し、時間に対する吸光度の減少割合から分解反応の初速度Kaを算出した。
また実施例1〜5または比較例1〜6のそれぞれのタンパク質濃度と同濃度の「リゾチーム」水溶液を調製し、それらを用いて上記と同様に枯草菌の分解反応の初速度Kbを算出した。
実施例1〜5および比較例1〜6の酵素活性(%)を以下の式で算出した。
酵素活性(%)=(Ka/Kb)×100
タンパク質の生産性を以下の指標で定義し、評価した。
生産性
=リフォールディング工程のタンパク質の系中濃度(mg/mL)×酵素活性(%)
本発明のタンパク質産生方法で得られるタンパク質としては、酵素、組み換えタンパク質および核酸などが挙げられる。
Claims (12)
- 該凝集抑制剤(A)が、非イオン性界面活性剤(A1)である請求項1記載のリフォールディング方法。
- 該化合物(B1)が無機リン酸、アルキルリン酸エステル、糖リン酸エステルおよびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2記載のリフォールディング方法。
- 該化合物(B1)がリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、アデノシン3リン酸、アデノシン2リン酸、アデノシン1リン酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれか記載のリフォールディング方法。
- 該化合物(B2)がギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか記載のリフォールディング方法。
- アンフォールディングされたタンパク質が、塩酸グアニジンおよび/または尿素でアンフォールディングされたタンパク質である請求項1〜5いずれか記載のリフォールディング方法。
- 該リフォールディング剤(B)でタンパク質を処理する工程において、該化合物(B1)の系中の濃度が0.2〜6モル/Lである請求項1〜6いずれか記載のリフォールディング方法。
- 該リフォールディング剤(B)でタンパク質を処理する工程において、該化合物(B2)の系中の濃度が0.01〜6モル/Lである請求項1〜6いずれか記載のリフォールディング方法。
- 凝集抑制剤(A)および/またはリフォールディング剤(B)が、さらにpH調整剤(C)および/またはタンパク質安定化剤(D)を含む請求項1〜8いずれか記載のリフォールディング方法。
- リフォールディング剤(B)で処理する工程における系中のタンパク質の濃度が0.2〜30mg/mLである請求項1〜9いずれか記載のリフォールディング方法。
- 請求項1〜10のいずれか記載のリフォールディング方法でリフォールディングする工程を含むタンパク質の産生方法。
- 請求項11記載の産生方法で得られたタンパク質。
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