JP2008049709A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 挟持対象物を容易に引き抜けてしまうことがないように挟持することができる筆記具を提供する。
【解決手段】 軸筒10の外周面にクリップ本体41を備え、クリップ本体41の前端側と軸筒10外周面との間が開閉されるようにした筆記具において、
クリップ本体41の前端側と軸筒10外周面とが凹凸状に係合している。
【選択図】 図6

Description

本発明は、軸筒の外周面にクリップ本体を備えた筆記具に関するものである。
従来、この種の筆記具には、複数色のリフィールと、これら各リフィールに接続されるとともに後部側を軸筒外周面から突出させた押子と、軸筒周面における前記押子以外の箇所に装着された開閉操作機能付クリップとを備え、選択された一つの押子を前方へスライド操作して軸筒内に係止させて、その押子に対応するリフィールの突出状態を維持するようにした多色ボールペンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、軸筒周面ではなく、特定の押子にクリップを一体に設けた筆記具も知られている(例えば特許文献2参照)。
ところで、上記開閉操作機能付クリップは、開度が大きく取れ、しかも挟持力が強く、厚みのある挟持対象物でもしっかりと挟持できる等の利点を多々有する。
しかしながら、特許文献1に示される発明によれば、開閉操作機能付クリップが軸筒の周方向のスペースを一部占有するため、リフィールの種類を増やす目的として押子を周方向へ増設するのが困難であった。
また、特許文献2に示される発明によれば、クリップと軸筒との間に繰り返し挟持対象物が挟持されると、クリップと押子との係合箇所や、押子と軸筒との係合箇所等に繰り返し荷重がかかり、その係合状態があまくなって、ガタが生じたり、外れたり、更には破壊したり等するおそれがあった。
2001−121882号公報 実開平4−17985号公報
本発明の課題とするところは、挟持対象物を容易に引き抜けてしまうことがないように挟持することができる筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る技術的手段は、軸筒の外周面にクリップ本体を備え、クリップ本体の前端側と軸筒外周面との間が開閉されるようにした筆記具において、クリップ本体の前端側と軸筒外周面とが凹凸状に係合していることを特徴とする。
更なる技術的手段は、前記凹凸状の係合が、軸筒軸方向へわたる凹状部分と、同軸方向へわたる凸状部分とによる係合であることを特徴とする。
更なる技術的手段は、前記凹状部分がクリップ幅方向に所定間隔を置いて配置された二つの突片部からなり、前記凸状部分が前記両突片部の間に嵌脱自在に嵌り合うように形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段は、前記二つの突片部が前記クリップ本体の前端側の玉部であるとともに、前記凸状部分が軸筒外周面に形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段は、前記二つの突片部と前記凸状部分とが、それぞれ側面視略山形状に形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段は、前記クリップ本体は、支点部を境にその前後部位が軸筒に対し交互に接近するように設けられ、前記支点部よりも後側の部分が軸筒側へ押圧されることによって、前記支点部よりも前側の部分と軸筒外周面との間を開放する開閉操作機能付クリップを構成していることを特徴とする。
また、他の発明では、軸筒と、該軸筒内に軸方向へスライド可能に係合するとともに該軸筒の外周面から露出する押子とを備え、該押子の前進位置の際に筆記部を前記軸筒から突出させ、また同押子の後退位置の際に前記筆記部を前記軸筒内に没入させるようにした筆記具において、前記押子にクリップ本体を一体的に具備し、開閉操作可能な開閉操作機能付クリップを構成し、この開閉操作機能付クリップは、支点部を境にその前後部位が軸筒に対し交互に接近するように、前記押子に対して前記クリップ本体を支持し、更に同開閉操作機能付クリップは、前記クリップ本体と軸筒との間が前記支点部よりも前方側で狭められるように、前記クリップ本体を付勢していることを特徴とする。
ここで、上記押子は、単数であっても複数であってもよいが、特に軸筒周方向のスぺースを有効利用して複数とする場合、上記開閉操作機能付クリップは、複数の上記押子の内の少なくとも一つに上記クリップ本体を一体的に具備することで構成される。
また、上記押子に対し上記クリップ本体を支持する具体的手段には、上記押子に対し上記クリップ本体を凹凸状に係合し枢支した態様や、上記押子に対し上記クリップ本体を軸状部材によって支持した態様等を含む。
また、上記クリップ本体を付勢する好ましい具体例としては、略U字状の挟みバネの一端側を上記押子に係止するとともに、該挟みバネの他端側を上記クリップ本体の上記支持部よりも前側に係止し、該挟みバネの付勢力により、上記クリップ本体の上記支持部よりも前側と上記押子との間が狭められるようにした態様が挙げられる。
更に、上記クリップ本体を付勢する他の具体例としては、上記クリップ本体と上記押子との間における上記支持部よりも前側へ引張りバネを設け、該引張りバネの付勢力により上記クリップ本体の上記支持部よりも前側と上記押子との間が狭められるようにした態様や、上記クリップ本体と上記押子との間における上記支持部よりも前側に圧縮バネを設け、該圧縮バネの付勢力により上記クリップ本体の上記支持部よりも前側と上記押子との間が狭められるようにした態様、上記クリップ本体と上記押子とを弾性部材により連結し該弾性部材の弾性力により上記クリップ本体の上記支持部よりも前側と上記押子との間が狭められるようにした態様等が挙げられる。
更に他の発明では、上記押子が軸筒の周方向に複数配設され、これら複数の押子の内、少なくとも一つによって上記開閉操作機能付クリップが構成されていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記開閉操作機能付クリップは、上記後退位置の際に軸筒求心方向及び軸筒遠心方向への移動を規制するように、その押子の後端部を、後方へ向けて軸筒の周壁と凹凸状に係合させていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記軸筒には、上記開閉操作機能付クリップの上記押子を軸筒軸方向へ導くガイド壁が設けられ、該ガイド壁は、上記開閉操作機能付クリップにおける上記押子の両側面に近接又は接触するように、軸筒外周面から突出していることを特徴とする。
更に他の発明では、上記クリップ本体と上記軸筒との内の一方または双方に、上記開閉操作機能付クリップが上記後退位置から前進した際に、上記クリップ本体における上記支点部よりも後側と上記軸筒とを当接させて、上記クリップ本体の開放動作を規制する開放規制部を設けたことを特徴とする。
更に他の発明では、上記クリップ本体と上記軸筒との内の一方または双方に、上記開閉操作機能付クリップが上記後退位置から前進した際に、上記クリップ本体における上記支点部よりも後側と上記軸筒とを当接させて、上記クリップ本体の開放動作を規制する開放規制部を設け、該開放規制部は、上記ガイド壁の突端側により構成されていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記クリップ本体の前端側と軸筒外周面とは、上記クリップ本体を軸筒軸方向へ導くように、凹凸状に係合されていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記開閉操作機能付クリップは、上記クリップ本体と上記押子とを、上記支点部よりも前方側で凹凸状に嵌め合わせていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記軸筒と上記押子との内の一方又は双方には、少なくとも上記押子が上記前進位置で係止された際に、上記押子の側面と上記軸筒とを近接又は接触させる突部が設けられていることを特徴とする。
ここで、「上記押子」は、上記開閉操作機能付クリップを構成している上記押子であってもよいし、上記開閉操作機能付クリップを構成していない上記押子であっても構わない。
更に他の発明では、上記突部は、上記前進位置で係止された上記押子の側面に対して近接又は接触するように、上記軸筒に設けられていることを特徴とする。
更に他の発明では、上記開閉操作機能付クリップにはシャープペンシル用リフィールが接続され、該シャープペンシル用リフィールは、上記前進位置にある上記開閉操作機能付クリップがノック操作されることで鉛芯を繰り出すように、上記軸筒内に係合され、上記軸筒内には、上記開閉操作機能付クリップの押子が上記前進位置で軸筒求心方向へ移動した際に、上記開閉操作機能付クリップの上記押子を後退させないように係止する係止部が設けられ、上記開閉操作機能付クリップの上記押子には、前記ノック操作による前進の際に軸筒内面に摺接することで、該押子の遠心方向への移動を規制する規制突起が設けられていることを特徴とする。
更に他の発明では、軸筒と、該軸筒内に軸方向へスライド可能に係合するとともに該軸筒の外周面から露出する押子とを備え、該押子の前進位置の際に筆記部を前記軸筒から突出させ、また同押子の後退位置の際に前記筆記部を前記軸筒内に没入させるようにした筆記具において、軸筒と前記押子との内の一方又は双方には、少なくとも前記押子が前記前進位置で係止された際に、前記押子の側面と前記軸筒とを近接又は接触させる突部が設けられていることを特徴とする。
更に好ましい筆記具としては、前記筆記具において、前記突部は、前記前進位置で係止された前記押子の側面に対して近接又は接触するように、前記軸筒に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、上記技術的手段のように構成したため、挟持対象物を容易に引き抜けてしまうことがないように挟持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この筆記具Aは、先端口11からシャープペンシル用の筆記部21やボールペン用の筆記部21’を出没させる軸筒10と、この軸筒10の後端側に配設された複数の押子30及び開閉操作機能付クリップ40とを備え、選択された一つの押子30または開閉操作機能付クリップ40を、軸方向へのスライド操作により、前進位置と後退位置との間で移動させる。
なお、上記前進位置とは、押子30又は開閉操作機能付クリップ40が、軸方向への前進スライドにより筆記部21(又は他の筆記部21’)を先端口11から突出させて、軸筒10内に係止された状態である。
また、上記後退位置とは、押子30又は開閉操作機能付クリップ40が、軸方向への後退スライドにより筆記部21(又は他の筆記部21’)を先端口11内へ没入させて静止した状態である。
軸筒10は、先細状の先端部に先端口11を開口している略筒状の前軸10aに、後端が閉鎖された略筒状の後軸10bを螺合し、後軸10bの後端側周壁に、上記押子30及び開閉操作機能付クリップ40を軸方向へ案内する案内孔10b1,10b2を複数形成している(図1乃至5参照)。
案内孔10b1は開閉操作機能付クリップ40を係合させるため孔であり、また案内孔10b2は開閉操作機能付クリップ40以外の押子30を係合させるための孔である。そして、これら案内孔10b1,10b2の各々は、軸方向へ延びる平面視略長尺矩形状に形成されている。
また、前記案内孔10b1,10b2の各々に対応する軸筒10の内周面側には、開閉操作機能付クリップ40の押子42又は他の押子30を係合させるための係止部12が形成されている。
この係止部12は、押子42又は押子30が前進位置にて軸筒軸心方向へ沈み込んだ際、この押子42又は押子30の後端部を係止させるように、軸筒10の内周面に段部状に形成されている。
そして、この係止部12は、押子42又は押子30毎に、各押子42又は各押子30の後端部の両側面側に対して係止するように、二つ配設されている。
また、前記各係止部12の前方側には、係止部12に係止された際の押子42又は押子30の側面に近接又は接触するように、突部15が形成されている。
この突部15は、係止部12に係止された際の押子42又は押子30の側面に近接又は接触するように位置する平坦面部15aと、後軸10b内面から該平坦面部15aの端縁にかけて傾斜状に形成された案内面15bとからなる(図8参照)。
この構成によれば、押子42又は押子30は、前進位置となった際、その両側の突部15,15(図7参照)間に位置するようにして、後端部が両係止部12に係止される。
より詳細に説明すれば、押子42又は押子30は、前進位置となった際、その後端部が両側の両案内面15b,15b間に導かれることで、軸筒求心方向へスムーズに移動する。そして、この押子42又は押子30は、その各側面を各平坦面部15aに近接又は接触させ、且つ後端部を両側の係止部12,12に当接させる。
また、軸筒10の後端側外周面の部位には、案内孔10b1を挟むようにしてガイド壁13,13が配設されている(図5参照)。
各ガイド壁13は、押子42の側面に近接又は接触するように、軸筒外周面からクリップ本体41方向へ突出するとともに、案内孔10b1に沿って軸筒軸方向へ延び、その後部側(図2における後部側)には、該ガイド壁13の突端側に、略山形状の開放規制部13aを形成している。
この開放規制部13aは、開閉操作機能付クリップ40が後退位置から若干前進した際に、該開閉操作機能付クリップ40のクリップ本体41裏面に当接または近接するように、開放規制部13aの後部側部位をクリップ本体41側へ突出している。
そして、この開放規制部13aは、開閉操作機能付クリップ40が後退位置から前進した際、クリップ本体41裏面との当接によって該クリップ本体41が開放動作されるのを阻み、該開放動作に起因するクリップ本体41のガタつきを防止する。
また、軸筒10外周面における押子42よりも前方側には、クリップ本体41を軸筒軸方向へ導くためのガイド凸部14が形成されている。
このガイド凸部14は、軸方向へ長尺な側面視略山形状の突起であり、クリップ本体41の後述する玉部41aと係合して、該玉部41aを軸方向へ案内する。
開閉操作機能付クリップ40は、軸筒10との間を開閉させるクリップ本体41と、該クリップ本体41を支点部aにて支持する押子42と、これらクリップ本体41と押子42とを弾性力により組み合わせている付勢部材43とからなる。
クリップ本体41は、その前端側の裏面に、玉部41aと、枢支凸部41bと、該枢支凸部41bよりも前方側の凹部41cとを備え、枢支凸部41bよりも後端側に、付勢部材43の一端側を貫挿させている。
玉部41aは、クリップ幅方向に所定間隔を置いて、二つの側面視略山形状の突片部41a1,41a1(図6参照)を配置してなり、これら両突片部41a1,41a1の間に、軸筒10の上記ガイド凸部14が嵌脱自在に嵌り合うように構成している。
したがって、開閉操作機能付クリップ40が前後へスライドする際、前記玉部41aと上記ガイド凸部14との凹凸状の係合により、クリップ本体41の軸筒軸方向への移動がガイドされる。
また、枢支凸部41bは、クリップ幅方向にわたる断面半円軸状を呈し、後述する押子42と嵌り合うことで支点部aを構成している。
そして、この枢支凸部41bは、クリップ本体41のシーソー状の揺動、詳細にはクリップ本体41が前記支点部aを境にした前後部位を軸筒10に対し交互に接近させる動作を可能にしている。
そして、凹部41cは、後述する押子42に対し嵌り合うように形成された部位であり、開閉操作機能付クリップ40の組立性を良好にするとともに、使用中におけるクリップ本体41のガタつきを防止している。
また、押子42は、略棒状を呈し、その前端部をシャープペンシル用リフィール20に対し嵌合接続可能に形成するとともに、その後端側を、軸筒10から突出する略山形状に形成しており、この略山状の部位に、上記クリップ本体41の枢支凸部41bと嵌り合う枢支凹部42a、及び上記凹部41cと嵌り合う凸部42bを形成している(図2参照)。
なお、クリップ本体41の枢支凸部41bと押子42の枢支凹部42a、そしてクリップ本体41の凹部41cと押子42の凸部42bについて、その凹凸関係を逆にしてもよいのは勿論である。
そして、この押子42の最後端部には、上述した軸筒10内の係止部12に対し係脱可能な出隅状の係脱部42cと、該係脱部42cの下側の凹部42eとが形成されている。
前記凹部42eは、開閉操作機能付クリップ40が後退位置の際に、軸筒10の周壁と係合して、軸筒求心方向及び軸筒遠心方向への移動を規制するように形成され、開閉操作機能付クリップ40が前進した際には、前記周壁から離れる。
また、押子42の両側面には、鍔部42f,42fが突設されている。これら鍔部42fは、軸筒10の周壁と係合することで、開閉操作機能付クリップ40のスライド中に、該押子42が案内孔10b1から遠心方向へ抜けてしまうのを阻む。
また、押子42における凸部42bよりも若干前側には、軸筒遠心方向へ突出する規制突起42gが形成されている。
この規制突起42gは、開閉操作機能付クリップ40が前進位置にて鉛芯繰り出しのためにノック操作されることで更に前進した際に、軸筒10の内周面に摺接するように、軸筒遠心方向へ突出し、且つ、前記ノック操作された際の開閉操作機能付クリップ40の軸筒軸方向への移動幅と略同等または同等よりも若干長く、軸筒軸方向の長さが設定されている。
また、この押子42の軸筒軸心側の部位は、前記係脱部42cを係止部12に係止させた係止状態で他の押子30が前進した際に、該押子30によって干渉されることで、軸筒遠心方向へ押されて前記係止状態が解除されるように形成してある。
同様にして、他の押子30における軸筒軸心側の部位は、該押子30が軸筒10内に係止した係止状態で前記押子42又は他の押子30が前進した際に、前記押子42又は他の押子30によって干渉されることで、軸筒遠心方向へ押されて前記係止状態が解除されるように形成してある。
また、付勢部材43は、板状の弾性金属部材を略U字状、若しくは略馬蹄形に曲げ加工してなり、その両端部が開放方向の力に抗して閉鎖方向へ弾発する。
そして、この付勢部材43の一端側は、押子42の挿入孔42d(図2参照)に挿入された際に、容易に抜けることがないように、その両側縁が鋸刃状(図示せず)に形成されている。
また、同付勢部材43の他端側は、クリップ本体41の表面側の凹部41dに掛止されるように、縦断面略V字の屈曲形状に形成されている。
また、シャープペンシル用リフィール20は、その前端部に筆記部21を備え、後端部を、開閉操作機能付クリップ40における押子42の前端部に嵌合接続している。
そして、このシャープペンシル用リフィール20は、開閉操作機能付クリップ40が前進位置にてノック操作された際、前端側を先端口11の内縁に係合させた状態で、後端側を前後へスライドさせることで、筆記部21から鉛芯を繰り出すように構成してある。
なお、図中符号20’は複数のボールペン用リフィールであり、各ボールペン用リフィール20’は、その前端部にボールの転動によりインクを吐出させる筆記部21’(ボールペンチップ)を備えている。
また、図中符号51は、シャープペンシル用リフィール20及び複数のボールペン用リフィール20’を貫挿させて支持する貫挿支持部材である。
また、図中符号52は、前記貫挿支持部材51と押子42との間に設けられて、押子42を後方へ付勢する付勢部材であり、図示例によれば圧縮バネが用いられている。
また、図中符号53は、前記貫挿支持部材51と押子30との間に設けられて、押子30を後方へ付勢する付勢部材であり、図示例によれば、前記付勢部材52同様の圧縮バネが用いられている。
また、図中符号54は、軸筒10の前軸10aに環状に装着されて、当該筆記具Aの把持感触を向上している弾性把持部材である。
次に、上記構成の筆記具Aにおいて、軸筒10に対し開閉操作機能付クリップ40を組み付ける手順を詳細に説明する(図2参照)。
先ず、貫挿支持部材51を装着していない状態の後軸10b内へ、その前方側からシャープペンシル用リフィール20及び付勢部材52を装着した押子42が挿入される。
そして、押子42における枢支凹部42a及び凸部42bを有する部位が、案内孔10b1を介して、後軸10bの周壁よりも遠心方向へ突出され、その突出部位に、クリップ本体41が嵌め合わせられる。
詳細には、クリップ本体41の枢支凸部41bが押子42の枢支凹部42aに嵌め合わせられ、この際同時に、クリップ本体41の凹部41cと押子42の凸部42bとが嵌り合う。したがって、支点部aの位置決めが容易な上、組付作業中におけるクリップ本体41のガタつきも少ない。
そして、嵌め合わせられたクリップ本体41及び押子42に対し、付勢部材43が装着される。すなわち、付勢部材43の一端側が押子42の挿入孔42dに挿入嵌合され、同付勢部材43の他端側がクリップ本体41表面側の凹部41cに係止される。
この際、クリップ本体41の凹部41cと押子42の凸部42bとが嵌め合わせられているため、付勢部材43による後方側からの押圧力によって、該クリップ本体41がガタついたり、該クリップ本体41の枢支凸部41bと押子42の枢支凹部42aとの係合が外れてしまったり等するようなことがなく、組付け性が良好である。
そして、前記付勢部材43の装着により、軸筒10の軸方向に沿ってスライド操作可能で、且開閉操作可能な開閉操作機能付クリップ40が構成される。
なお、上述した組付け手順は製造性に優れた好ましい一例であるが、開閉操作機能付クリップ40を下記手順により軸筒10に組付けることも可能である。
組付け手順の他の一例としては、先ず、押子42が、後軸10bの案内孔10b1からその内部へ挿入される。なお、押子42における一方の鍔部42fの突端から他方の鍔部42fの突端までの寸法は、後軸10bの案内孔10b1におけるクリップ幅方向の寸法よりも若干大きく設定されているが、押子42と案内孔10b1との内の一方又は双方が僅かに弾性変形することで、押子42は案内孔10b1内へスムーズに挿入される。
そして、上述した手順と同様にして、クリップ本体41と付勢部材43とが組みつけられ、その後に、シャープペンシル用リフィール20が押子42の前端側へ装着される。
更に、組付け手順の他の一例としては、クリップ本体41と押子42と付勢部材43とを軸筒10の外部で組付けて開閉操作機能付クリップ40を構成し、該開閉操作機能付クリップ40の押子42を、上記組付け手順と同様に、後軸10bの案内孔10b1からその内部へ挿入することも可能である。
次に、上記実施の形態の筆記具Aについて、開閉操作機能付クリップ40による作用効果を詳細に説明する。
上記開閉操作機能付クリップ40の後退位置において、クリップ本体41の支点部aよりも後側を、付勢部材43による付勢に抗して軸筒10側へ押圧すれば、クリップ本体41と軸筒10との間が開放される。
この開放状態で、クリップ本体41と軸筒10との間に挟持対象物x(図6参照)を配置し、前記押圧力を解除すれば、挟持対象物xが、付勢部材43の付勢力によって玉部41aとガイド凸部14との間に挟持される。
この挟持状態では、挟持対象物xがガイド凸部14に押されることで撓むとともに玉部41aを構成する二つの突片部41a1,41a1間に若干入り込むため、挟持対象物xが容易に引き抜けてしまうことがないように挟持される。
また、開閉操作機能付クリップ40は、前記開閉動作の際、押子42の凹部42eを後軸10bの周壁に嵌め合わせているため、軸筒求心方向および軸筒遠心方向へのガタつきが防止され、更に、押子42の両側面に両ガイド壁13を近接または接触させているため、軸筒周方向へのガタつきも防止される。
しかも、クリップ本体41の開閉動作中には、クリップ本体41の凹部41cが押子42の凸部42bとの嵌り合いによりガイドされるため、このガイド効果によっても、クリップ本体41のガタつきが防止される。
また、上記開閉操作機能付クリップ40が手操作等により上記後退位置よりも若干前進すると、クリップ本体41における支点部aよりも後側の部位が、ガイド壁13における開放規制部13aに当接するため、クリップ本体41の開放動作が規制されて、該開放動作に起因するクリップ本体41のガタつきが防止され、更には、前記規制によってクリップ本体41の凹部41cと押子42の凸部42bとの嵌り合いが維持されるため、この嵌り合いによってもクリップ本体41のガタつきが防止される。
そして、開閉操作機能付クリップ40が更に前進すると、その前進中、クリップ本体41は、支点部aよりも後側をガイド壁13の突端面(図示による上端面)に近接または接触させて移動するため(図3参照)、その移動中においても、開放動作に起因するガタつきが防止される。
更に、前記前進中、開閉操作機能付クリップ40は、クリップ本体41の凹部41cと押子42の凸部42bとの嵌り合いと、押子42の両側面に両ガイド壁13を近接または接触させた状態とを維持しているため、これらによっても、軸筒周方向へのガタつきが防止される。
そして、開閉操作機能付クリップ40が前進位置となった際には、押子42が軸筒求心方向へ若干沈み込み、該押子42の係脱部42cが後軸10b内の係止部12に係止されることで、この開閉操作機能付クリップ40の前進位置が維持される(図3によれば実線で示す状態)。
この際、押子42は、その後端部側の各側面が突部15の平坦面部15aと近接又は接触する位置にあるため、横ブレするようにして側方へ移動することがない。
したがって、何らかの衝撃を受けたこと等による押子42の横ブレに起因して、該押子42と係止部12との係止状態が解除されてしまうのを防止することができる。
なお、この作用効果は、開閉操作機能付クリップ40を構成していない押子30についても同様に奏するものである。
更に、開閉操作機能付クリップ40が鉛芯繰り出しのためにノック操作されることで前記前進位置よりも前方側の範囲で前後方向へ往復動作する際には、押子42の規制突起42gが後軸10b内面に摺接することで、押子42の軸筒遠心方向への移動が阻まれる。
より詳細に説明すれば、押子42は、前記前進位置よりも前方側へ移動した際、係脱部42cを、後軸10bの係止部12から前方へ離間させるとともに、規制突起42gを後軸10b内に摺接させる。そして、同押子42は、前記摺接状態を維持しながら後退して前進位置に戻った際には、係脱部42cを再度係止部12に係止させる。
したがって、開閉操作機能付クリップ40は、前記ノック操作中、仮に軸筒遠心方向への力を受けたとしても、前進位置での係止状態が解除されてしまうことを防ぐ。
なお、開閉操作機能付クリップ40の前進位置での係止状態を解除するためには、他の押子30を前方へスライドさせ、この押子30を、開閉操作機能付クリップ40の押子42に対して干渉させればよい。
上記実施の形態によれば、上記クリップ本体41の前記玉部41aを、図1乃至5に示すようにガイド凸部14と略同等の長さとしたが、図9に示すクリップ本体41’のように、玉部41a’をガイド凸部14よりも長めに形成した態様としてもよい。
この態様のクリップ本体41’は、上述したクリップ本体41における玉部41a及び両突片部41a1,41a1を、玉部41a’及び両突片部41a1’,41a1’に置き換えることで構成される。そして、玉部41a’及び両突片部41a1’,41a1’の軸筒軸方向の長さを、開閉操作機能付クリップ40のスライド範囲と略同等または該範囲以上の長さに設定している。
したがって、この態様によれば、開閉操作機能付クリップ40のスライド中のガタつきを、そのスライド範囲の略全領域において、より効果的に防止することができる。
本実施の形態は、上記構成により下記の作用効果を奏する。
開閉操作機能付クリップを前進位置にすれば、筆記部が軸筒から突出し、同開閉操作機能付クリップを後退位置にすれば、筆記部が軸筒内に没入する。
また、クリップ本体の支点部よりも後側を、付勢部材による付勢に抗して軸筒側へ押圧すれば、クリップ本体と軸筒との間が開放される。
したがって、筆記部を軸筒から出没させる押子としての機能と、開閉操作可能なクリップとしての機能とを、一つの部材に併せ持つことができる。
ひいては、軸筒における開閉操作機能付クリップ以外の部位の周方向スペースを広く確保することができ、該スペースに、他の種類のリフィールを出没させるための押子を設けたり、宣伝用や使用方法説明用のラベルを設けたり等することも可能になる。
よって、筆記部を軸筒から出没させる機能と、クリップを開閉操作する機能とを具備した上で、軸筒周方向のスペースを、有効利用可能なように広く確保することができる。
更には、上記開閉操作機能付クリップ含めてスライド操作可能な押子を、軸筒の周方向に、容易に増設することができる。
更には、後退位置の際に、押子と軸筒周壁との凹凸状の係合により、開閉操作機能付クリップにおける軸筒求心方向及び軸筒遠心方向へのガタつきが防止される。
したがって、クリップ本体に対する開閉操作等により、クリップ本体に対し軸筒求心方向や軸筒遠心方向の負荷がかかった場合でも、開閉操作機能付クリップのガタつきを防止することができ、ひいては、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのを防止し、開閉操作機能付クリップの品質を長期間維持することができる。
更には、開閉操作機能付クリップの軸方向へのスライド動作が、押子の両側面とガイド壁との摺接により、安定した状態に維持される。
したがって、開閉操作機能付クリップに対するスライド操作等に起因して、開閉操作機能付クリップが周方向へガタつくのを防止することができ、ひいては、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのをより確実に防止し、開閉操作機能付クリップの品質を一層長期間維持することができる。
更には、開閉操作機能付クリップが後退位置から前進した際に、仮にクリップ本体の後端側が軸筒方向へ押し動かされた場合、クリップ本体における支点部よりも後側と軸筒とが当接するため、クリップ本体の開放動作が規制される。
したがって、開閉操作機能付クリップのスライド中に、クリップ本体の後端側が軸筒方向へ押動されて、クリップ本体が開放動作されてしまうのを防止することができる。
ひいては、開閉操作機能付クリップのスライド中に、クリップ本体の開放動作に起因する負荷がかかり、該負荷により、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのを防止でき、開閉操作機能付クリップの品質を、より長期間維持することができる。
更には、軸筒外周面に設けられたガイド壁が、開閉操作機能付クリップのスライド中のガタつきを防止する機能と、開閉操作機能付クリップのスライド中の開放動作を規制する機能とを兼ね備えているため、移動中のクリップ本体後端側と軸筒とを接触させるための構成を別途に備える必要がない。
したがって、簡素で生産性に優れた構造でもって、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのを一層確実に防止でき、開閉操作機能付クリップの品質を、より長期間維持することができる。
更には、開閉操作機能付クリップがスライドする際、クリップ本体の前端側が、軸筒外周面と凹凸状に係合しながら、軸筒軸方向へ導かれる。
したがって、開閉操作機能付クリップのスライド中、クリップ本体の前端側が、軸筒と略平行な状態で、支点部を中心にして回動する方向へガタつくのを防止し、開閉操作機能付クリップのスライドを安定化させることができる。
ひいては、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのを一層確実に防止できる上、開閉操作機能付クリップの品質を、より長期間維持することができる。
更には、クリップ本体を押子に支持させる組付作業の際、クリップ本体と押子とが支持部よりも前方側で凹凸状に嵌り合うため、支点部が容易に位置決めされる。
しかも、組付後には、クリップ本体と押子とが支点部よりも前方側で凹凸状に嵌り合うため、クリップ本体が押子に対してガタつくのを防止することができる。
したがって、開閉操作機能付クリップが外れたり破損したり等するのを一層確実に防止できる上、開閉操作機能付クリップの品質を、より長期間維持することができる。
更には、押子が前進位置で係止された際、該押子の側面と軸筒とが突部によって近接又は接触した状態となる。
したがって、前進位置で係止されている押子が側方へブレすることに起因して、その係止状態が解除されてしまうのを防止することができる。
更には、押子の側面は、前進位置で係止された際のみ、軸筒側の突部によって近接又は接触されることになる。
したがって、押子が前進位置よりも後方側で移動する際には、該押子の側面と軸筒との摺接により該押子の移動が妨げられることがなく、該押子をスムーズに移動させることができる。
更には、開閉操作機能付クリップを後退位置から前進位置へスライドさせると、開閉操作機能付クリップは、前進位置において軸筒求心方向へ移動することで、押子を軸筒内に係止させ、この係止状態により、筆記部を軸筒から突出させた前進位置が維持される。
そして、この前進位置において、開閉操作機能付クリップがノック操作されると、シャープペンシル用リフィールが、軸筒内に係合されることで鉛芯を繰り出す。
このノック操作により開閉操作機能付クリップが前進した際、押子は、軸筒内との前記係止を外して前方へ移動するが、該押子の規制突起と軸筒内面との摺接により、該押子の軸筒遠心方向への移動が規制される。したがって、ノック操作時における後退の際、押子が再度軸筒内に係止されて、ノック操作後においても、前進位置が維持されることになる。
よって、前進位置におけるノック操作中に、開閉操作機能付クリップに遠心方向の力が作用して、開閉操作機能付クリップの係止状態が解除され、後退位置となってしまうのを防止することができ、ひいては、ノック操作時の使い勝手および操作性を向上することができる。
本発明に係わる筆記具の一例を中間省略して示す断面図。 開閉操作機能付クリップを軸筒から取り外して分解した状態を示す要部断面図。 開閉操作機能付クリップを前進位置にした状態を示す要部断面図。 シャープペンシル用リフィールから鉛芯を繰り出すために、開閉操作機能付クリップをノック操作している状態を示す要部断面図。 図1における(V)-(V)線拡大断面図。 クリップ本体と軸筒との間に挟持対象物を挟持した状態を示す要部断面図。 軸筒の後端側を示す要部平面図。 係止部及び突部を示す要部拡大斜視図。 クリップ本体の他例を裏面側から視た状態を示す斜視図。
符号の説明
10:軸筒
12:係止部
13:ガイド壁
13a:開放規制部
14:ガイド凸部
15:突部
20:シャープペンシル用リフィール
21:筆記部
40:開閉操作機能付クリップ
41:クリップ本体
41a:玉部
41a1:突片部
41c:凹部
42:押子
42b:凸部
42e:凹部
42g:規制突起
a:支点部
x:挟持対象物
A:筆記具

Claims (6)

  1. 軸筒の外周面にクリップ本体を備え、クリップ本体の前端側と軸筒外周面との間が開閉されるようにした筆記具において、
    クリップ本体の前端側と軸筒外周面とが凹凸状に係合していることを特徴とする筆記具。
  2. 前記凹凸状の係合が、軸筒軸方向へわたる凹状部分と、同軸方向へわたる凸状部分とによる係合であることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記凹状部分がクリップ幅方向に所定間隔を置いて配置された二つの突片部からなり、前記凸状部分が前記両突片部の間に嵌脱自在に嵌り合うように形成されていることを特徴とする請求項2記載の筆記具。
  4. 前記二つの突片部が前記クリップ本体の前端側の玉部であるとともに、前記凸状部分が軸筒外周面に形成されていることを特徴とする請求項3記載の筆記具。
  5. 前記二つの突片部と前記凸状部分とが、それぞれ側面視略山形状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の筆記具。
  6. 前記クリップ本体は、支点部を境にその前後部位が軸筒に対し交互に接近するように設けられ、前記支点部よりも後側の部分が軸筒側へ押圧されることによって、前記支点部よりも前側の部分と軸筒外周面との間を開放する開閉操作機能付クリップを構成していることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の筆記具。
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