JPH04124691U - 多芯筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸筒の尾端側外周面に穿設された３個以上の
窓孔から作動子の押圧部が径方向に突出し、この押圧部
を押圧して軸線方向に前進させると軸筒内に収容された
ボールペン芯などの書記体が前進してボールペンチップ
などの書記部が軸筒の先端開口から突出するとともに前
進位置にある他の書記体を後退させる多芯筆記具におい
て、ノック時に、作動子が傾いた状態で軸筒の窓孔から
せり出さず、作動子がスムーズに作動するようにする。 【構成】 作動子の上端に係止突起を形成し、この係止
突起が後退位置において軸筒の内面に係合するように
し、ノック時に、作動子に斜め方向の力が働いても、作
動子は傾いた状態で軸筒の窓孔からせり出さず、作動子
がスムーズに作動してフィーリングが向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数本のボールペン芯（レフィール）などの書記体が軸筒内に収容 された多芯筆記具に関するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

最近は例えばボールペンインキの多色化が進み、軸筒内にインキの色の異なる 複数本のボールペン芯を同心円状に配置してボールペンのペン体を軸筒の先端開 口から択一的に突出するようにしたボールペンの多芯筆記具が実用化されている 。かかる多芯筆記具は、書記体であるボールペン芯の尾端に色分けした作動子が 連結されており、作動子の押圧部が軸筒の尾端側外周面に穿設された複数個の窓 孔からそれぞれ径方向に突出している。そして、軸筒の窓孔から露出した筆記す る色の作動子の押圧部を指頭で軸線方向に前進させるとボールペン芯が前進して 書記部であるペン体が軸筒の先端開口から突出するが、このとき、作動子の押圧 部は指頭で径方向にも押されるので、ボールペン芯は軸筒の軸心寄りに少し偏位 し、作動子の押圧部が軸筒内にほとんど入り込んで軸筒の係止部に係合し、筆圧 を受け止めるようになっている。

【０００３】 また、作動子の裏面には、後退駆動用と被後退駆動用の２つの突起が上下に形 成されており、作動子が前進する過程で下側の後退駆動用突起が前進位置にある 他のボールペン芯の作動子の被後退駆動用突起に当たってこの芯を軸筒の軸心寄 りから周辺方向に押しやる。従って、前進位置にあった他のボールペン芯の作動 子と軸筒の係止部との係合が解除され、後退するようになっている。また、書記 体はボールペン芯に限られず、複数本のボールペン芯と１本ないし複数本のシャ ープペンシル中具を収容してシャープペンシルとボールペンの多芯筆記具とした ものが検討されている。

【０００４】 ところで、軸筒内に収容されるボールペン芯などの書記体の本数は、２本から ６本程度であるが、３本以上の場合は、前進位置にあるボールペン芯の隣のボー ルペン芯を前進させるとき、前進させるボールペン芯用作動子の後退駆動用突起 と前進位置にあるボールペン芯用作動子の被後退駆動用突起は相互に斜め方向に 衝合する。従って、作動子に斜め方向の力が働き、作動子が傾くが、傾いた作動 子の被後退駆動用突起が更に隣の作動子の被後退駆動用突起に斜め方向に衝合す る。このため、作動子が傾いた状態で軸筒の窓孔からせり出るようになる。従っ て、ノック時に作動子がスムーズに作動せず、フィーリングが著しく低下する不 具合がある。

【０００５】

【考案の目的】

そこで本考案は、ノック時に作動子が傾いた状態で軸筒の窓孔からせり出さず 、作動子がスムーズに作動してフィーリングの優れた多芯筆記具を提供すること を目的とするものである。

【０００６】

【考案の構成とその作用】

本考案の構成は、軸筒の尾端側外周面に穿設された３個以上の窓孔から作動子 の押圧部が径方向に突出し、この押圧部を押圧して軸線方向に前進させると軸筒 内に収容されたボールペン芯などの書記体が前進してボールペンチップなどの書 記部が軸筒の先端開口から突出するとともに前進位置にある他の書記体を後退さ せる多芯筆記具において、前記作動子の上端に係止突起を形成し、作動子の係止 突起が後退位置において軸筒の内面に係合するようにする。

【０００７】 すなわち、作動子の上端に形成された係止突起が後退位置において軸筒の内面 に係合しているので、ノック時に、作動子に斜め方向の力が働いても、作動子は 傾いた状態で軸筒の窓孔からせり出さず、作動子がスムーズに作動してフィーリ ングが向上する。

【０００８】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図面は、書記体 として１本のシャープペンシル中具８と色が異なる油性インキが充填された３本 のボールペン芯７が軸筒１内に収容された例を示すが、書記体がシャープペンシ ル中具８を含まず、４本のボールペン芯７のみであってもよい。図１において、 軸筒１は後軸 10 と前軸 20 からなり、後軸 10 と前軸 20 は継手３によって取 り外し可能に連結されている。そして、１本のボールペン芯７が前進して書記部 であるペン体 71 が前軸 20 の先端開口 21 から突出している。後軸 10 には、 図４に示すように、縦長の４個の窓孔 11 が等間隔で穿設されている。この窓孔 11 の奥には縦リブ 12 が形成されている。そして、縦リブ 12 の下端縁が係止 部 13 である。

【０００９】 ボールペン芯７の尾端には、充填されたインキの色と同じ色に着色されたボー ルペン用の作動子４が連結され、シャープペンシル中具８の尾端にはシャープペ ンシル用の作動子５が連結されている。作動子４には、その外面に押圧部 41 が 突設されるとともに、その内面に後退駆動用突起 43 と被後退駆動用突起 42 が 上下に形成されている。また、上端に係止突起 44 が形成されている。そして、 押圧部 41 が後軸 10 の窓孔 11 から径方向に突出するとともに、係止突起 44 が後軸 10 の内面に係止している。作動子５の内面にも後退駆動用突起 52 と被 後退駆動用突起 51 が上下に形成され、係止突起 53 も同様に形成されている。 作動子５はクリップ６が一体になっており、係止突起 53 も押圧部 41 と同じ働 きをするクリップ６が窓孔 11 から径方向に突出し、後軸 10 の内面に係止して いる。作動子４および作動子５はそれぞれリターンスプリング 72, 82 で後方に 弾発されており、不使用時はシャープペンシル中具８の先口 81 とボールペン芯 ７のペン体 71 はいずれも先軸２内に没入している。

【００１０】 しかして、ボールペンにて筆記するときは、所定の色のボールペン用の作動子 4a の押圧部41a （図１には図示せず、図３参照）を指頭で押圧して軸線方向に 前進させる。このとき、押圧部41a は指頭で径方向にも押されるので、ボールペ ン芯７は軸筒１の中心寄りに少し偏位し、図３に示すように、押圧部41a が後軸 10 内に少し入り込んで被後退駆動用突起42a が後軸 10 の中心に位置するとと もに作動子 4a の頂面が係止部 13 に係合して筆圧を受け止める。これと同時に ペン体 71 が前軸 20 の先端開口 21 から突出して図１に示す状態になる。

【００１１】 次に、前進位置にあるボールペン芯７の隣の書記体、例えばシャープペンシル にて筆記するときは、クリップ６の上端を指頭で押圧して軸線方向に前進させる 。この場合もシャープペンシル中具８が軸筒１の中心寄りに少し偏位し、作動子 ５の後退駆動用突起 52 が後軸 10 の中心に位置しているボールペン用の作動子 4a の被後退駆動用突起42a に衝合して外側に押しやる。従って、作動子 4a の 頂面と係止部 13 の係合が解除してボールペン芯７が後退してペン体 71 が前軸 20 の先端開口 21 から没入するとともに、先口 81 が代わって先端開口 21 か ら突出する。このとき、作動子５の頂面が係止部 13 に係合して筆圧を受け止め るが、図２に示すように、先口 81 の外段部81a が先端開口 21 の内段部21a に 衝合して先口 81 はそれ以上前進不能の状態になる。この状態から更にクリップ ６を前進させると書記部である鉛筆芯が繰り出され、筆記可能になる。

【００１２】 ここで、作動子５の後退駆動用突起 52 が後軸 10 の中心に位置しているボー ルペン用の作動子 4a の被後退駆動用突起42a に斜め方向に衝合するので、作動 子５が傾いて隣の作動子 4b も傾けて窓孔 11 からせり出そうとする。しかし、 作動子 4b の上端に形成された係止突起 44 が後軸 10 の内面に係合しているの で、作動子 4b は傾かず、窓孔 11 からせり出さない。従って、作動子５も傾か ず、ノック操作をきわめてスムーズに行うことができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の多芯筆記具は、作動子の上端に係止突起を形成 し、この係止突起が後退位置において軸筒の内面に係合するようにしたので、ノ ック時に、作動子に斜め方向の力が働いても、作動子は傾いた状態で軸筒の窓孔 からせり出さず、作動子がスムーズに作動してフィーリングの優れた多芯筆記具 とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボールペンが突出した状態の多芯筆記具の断面
図である。

【図２】シャープペンシルが突出した状態の多芯筆記具
の断面図である。

【図３】図１のイ−イ線における断面図である。

【図４】後軸の一部断面図である。

【符号の説明】 １ 軸筒 １０ 後軸 １１ 窓孔 ２０ 前軸 ２１ 先端開口 ３ 継手 ４ ボールペン用作動子 ４１ 押圧部 ４２ 被駆動用突起 ４３ 駆動用突起 ４４ 係止突起 ５ シャープペンシル用作動子 ５１ 被駆動用突起 ５２ 駆動用突起 ５３ 係止突起 ６ クリップ ７ ボールペン芯 ８ シャープペンシル中具

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【手続補正書】

【提出日】平成４年５月２１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒の尾端側外周面に穿設された３個以上の窓孔から作
   動子の押圧部が径方向に突出し、この押圧部を押圧して
   軸線方向に前進させると軸筒内に収容されたボールペン
   芯などの書記体が前進してボールペンチップなどの書記
   部が軸筒の先端開口から突出するとともに前進位置にあ
   る他の書記体を後退させる多芯筆記具において、前記作
   動子の上端に係止突起が形成され、作動子の該係止突起
   が後退位置において軸筒の内面に係合することを特徴と
   する多芯筆記具。