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Description
本発明は超電導体を利用して電力系統上で発生する事故電流(fault current)を効果的に制限する超電導限流器に関し、特に、超電導体に高速スイッチ、半導体スイッチ、及びリアクターを相互に有機的に連動するように接続して事故電流発生時に超電導体に与えられる大電流及び高電圧の負担時間を最小化することによって経済的で小型に製作可能な複合型超電導限流器に関する。
超電導体は所定の電流値までは通電電流に対する抵抗がほとんどないが、所定電流値(threshold current)以上では抵抗が急激に上昇する特性を有し、短絡電流などの電力系統の事故電流に対する限流素子としての活用の可能性を有する。
過去、超電導状態を維持するために液体ヘリウムを冷媒に使用する超電導限流器は高価な冷却コスト及び製作の難しさによって世界的にその研究が進まなかったが、最近、液体窒素を超電導状態を維持するための冷媒に使用する超電導物質が開発されることによって再びこれを利用した超電導限流器の研究開発が活性化している。
超電導体を利用した超電導限流器は抵抗型限流器、誘導型限流器、複合型限流器などが提案されている。
このような超電導限流器は電力系統の高電圧及び大電流に耐えられることが要求されて超電導体の使用量が幾何級数的に増大する。すなわち、超電導限流器が高電圧に対して耐えるようにするために多くの超電導体を直列に接続しなければならず、大電流に対して耐えるようにするために多くの超電導体の並列接続も要求される。
このような従来技術の例(特許文献1を参照)について図8を参照して説明する。
図8に示すような従来の超電導限流器は限流マトリクス(matrix)220と、この限流マトリクス220内の超電導体の同時クエンチ(quench、超電導状態から常電導状態、すなわち、抵抗を有する状態に転移すること)を誘導するために磁場を印加するトリガーマトリクス(trigger matrix)218と、から構成される。より詳しくは、上記の限流マトリクス220は、それぞれが並列接続されたn個の限流マトリクス素子(314−1〜314−n)から構成されたm個の直列接続された限流モジュール(312−1〜312−m)から構成される。ここで、それぞれの限流マトリクス素子(314−1〜314−n)は1つの超電導体を含む。
上記のトリガーマトリクス218はn個の並列接続されたトリガーマトリクス素子(310−1〜310−n)から構成され、それぞれのトリガーマトリクス素子(310−1〜310−n)は1つの超電導体を含んでそれぞれ前記n個の限流マトリクス素子(314−1〜314−n)に接続される。
図8において、符号AとCは従来の超電導限流器の入力端と出力端をそれぞれ示す。
すなわち、超電導限流器が使用される電力系統、すなわち、回路線路の電圧、及び電流容量に従って複数の超電導限流モジュールの直列、並列接続個数を調整して構成される。
前述した従来の超電導限流器には次のような問題点があった。
すなわち、第1に、超電導限流器の必要とされる高電圧耐量と大電流通電耐量を得るために多数の超電導体の直列、並列接続を行うことを必要とするため、前述したような超電導体の超電導状態を維持するための冷却媒質の封入容器をそれだけ大きくすることを必要とすることになり、その大きさが著しく大きくなってその製作コストも大きくなるという問題点があった。
第2に、前述したように数多くの超電導体を直列、並列接続する場合、これらの超電導体が同時にクエンチされなければ前記の高電圧に耐えることができないため、製作工程や運用上において超電導体の製作不良や性能不備時にその超電導体が焼損して超電導限流器装置全体が動作不能状態になる可能性が高いという問題点があった。すなわち、一部の超電導体の異常動作が超電導限流器全体の動作に深刻な影響を与える危険が生じて動作の信頼度が低下するという問題点があった。
従って、本発明は前記の従来技術の問題点を解消するためのものであり、最小限の超電導体を使用することによって製作コストが経済的でその大きさを小型化することができ、動作の信頼性が高い超電導限流器を提供することを目的とする。
上記の本発明の目的を達成するために、本発明による複合型超電導限流器は、通電線路上に直列に接続される超電導体と、該超電導体に直列に接続され、正常電流の通電時に閉路位置に位置して前記通電線路に電流を通電させ、大電流通電時に開路位置に切替えて通電を遮断する第1スイッチであって、磁気力により前記開路位置に切替可能な第1スイッチと、大電流通電時に前記超電導体が有するインピーダンスより小さい第1インピーダンスを有して前記超電導体に並列に接続され、大電流通電時に前記超電導体と前記第1スイッチを介して流れる電流の分流経路を提供し、前記分流経路を通じて流れる分流電流により磁化されて前記第1スイッチを開路位置に切替える第1リアクターと、該第1リアクターが構成する前記分流経路に直列に接続され、該第1リアクターが有する第1インピーダンスより大きい第2インピーダンスを有して前記大電流を制限する第2リアクターと、該第2リアクターに並列に接続されてトリガー信号によりターンオン可能な半導体スイッチと、前記第1スイッチの前記開路位置への切替え動作に応答して前記半導体スイッチへの前記トリガー信号の提供を中断するトリガー制御器と、前記通電線路内の前記超電導体と前記第1スイッチ及び前記分流経路の後端に接続され、大電流通電時に回路を遮断するように動作する遮断器と、から構成されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の複合型超電導限流器は、前記通電線路内の前記超電導体と前記第1スイッチ及び前記分流経路の後端に接続され、大電流通電時に回路を遮断するように動作する遮断器と、前記分流電流を検出するために前記分流経路上に接続され、検出した電流量による第1電圧信号を出力する変流器と、前記超電導体に接続されて該超電導体の電圧による第2電圧信号が入力される第1入力と、前記変流器からの第1電圧信号が入力される第2入力と、を備え、所定の前記第1電圧信号又は第2電圧信号の少なくとも1つがある時、前記遮断器にトリップ信号を提供する遮断器トリップ駆動制御器と、をさらに含むことを特徴とする。
また、好ましくは、前記トリガー制御器は、光信号を放射する発光部と、前記第1スイッチが閉路位置にあるとき、前記発光部からの光信号を受信すると、前記半導体スイッチに前記トリガー信号を提供し、前記第1スイッチが開路位置に移動しながら前記光信号を遮断すると、それにより前記半導体スイッチへの前記トリガー信号の提供を中断する受光部を備える光スイッチと、から構成されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記トリガー制御器は、前記第1スイッチの開路位置の移動経路上に前記第1スイッチの位置に連動するように設置され、該第1スイッチが閉路位置にあるとき、前記半導体スイッチに前記トリガー信号を提供し、前記第1スイッチの開路位置への移動に連動して前記半導体スイッチへの前記トリガー信号の提供を中断するマイクロスイッチ(micro switch)から構成され得ることを特徴とする。
また、好ましくは、前記半導体スイッチはサイリスタ(Thyristor)、トライアック(登録商標)(TRIAC)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GTO サイリスタ(Gate Turn-off Thyristor)、SSR(Solid State Relay)、FET(Field Effect Transistor)、トランジスタのいずれか1つから構成されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記遮断器トリップ駆動制御器は、前記所定の第1電圧信号又は第2電圧信号の少なくとも1つがある時、前記遮断器にトリップ信号を提供する論理和(OR)回路から構成されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記遮断器トリップ駆動制御器は、前記第1電圧信号の値を予め決定された第1基準電圧と比較し、前記第1電圧信号の値が前記第1基準電圧値より大きいと、これを示す信号を出力する第1比較器と、前記第2電圧信号の値を予め決定された第2基準電圧と比較し、前記第2電圧信号の値が前記第2基準電圧値より大きいと、これを示す信号を出力する第2比較器と、前記第1と第2比較器の出力と接続され、前記第1と第2比較器の少なくとも1つから前記信号が入力されると、前記遮断器にトリップ信号を出力する論理和(OR)回路と、から構成されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記第1スイッチは正常閉路接点スイッチから構成されることを特徴とする。
また、好ましくは、前記第1スイッチは前記超電導体と前記遮断器間の線路上に直列に接続される固定接点と、該固定接点に接触して前記通電線路を通電させる位置と前記第1リアクターからの磁気力により前記固定接点から開離して前記通電線路を遮断する位置に変位可能な可動接点と、から構成されることを特徴とする。
前述の本発明の目的及びこれを達成する本発明の構成は添付図面を参照した本発明の好ましい実施形態の構成と動作に対する以下の説明によりもっと明確に理解されるであろう。
本発明による複合型超電導限流器は、超電導体に並列に接続された分流経路のうち高インピーダンスの第2リアクターが高電圧を負担するので超電導体の両端には高電圧が発生することはなく、また事故電流の大電流も前記分流経路で負担して制限するので超電導体は正常電流通電時の定格電流のみを負担することができればよいから、超電導体の使用量を極小化し得るという効果がある。
また、本発明による複合型超電導限流器は超電導体を極小化することにより、従来技術のように複数の超電導体を同時にクエンチさせることにかかわる性能と動作信頼度の低下の問題が発生しないという効果がある。
また、本発明による複合型超電導限流器は数百μsec(マイクロ秒)以内にクエンチされる超電導体の電圧変化を感知し、これを遮断器のトリップに利用するので、遮断器のみにより事故電流を感知する場合より事故電流に対する遮断速度も短縮し得るという効果がある。
以下、添付図面を参照して好ましい実施形態による本発明について説明する。
まず、本発明の一実施形態(第1の実施形態)による複合型超電導限流器の構成をブロック図として示す図1を参照して説明する。
本発明の第1の実施形態による複合型超電導限流器は、通電線路上に直列に接続される超電導体1を含む。本発明の限流器に含まれる第1スイッチ4は超電導体1に直列に接続され、正常電流の通電時に閉路位置に位置して前記通電線路に電流を通電させている途中で大電流通電時に開路位置に切替えて通電を遮断するもので、磁気力により前記開路位置に切替え可能である。
本発明の限流器に含まれる第1リアクター2は大電流通電時に超電導体1が有するインピーダンスより小さい第1インピーダンスを有して超電導体1に並列に接続される。また、第1リアクター2は大電流通電時に超電導体1と第1スイッチ4を通じて流れていた電流の分流経路を提供し、この分流経路を介して流れる分流電流により磁化されて第1スイッチ4を開路位置に切替える。
本発明の限流器に含まれる第2リアクター14は第1リアクター2が構成する前記分流経路に直列に接続され、第1リアクター2が有する第1インピーダンスより大きい第2インピーダンスを有して前記大電流を制限する。
半導体スイッチ13は本発明の限流器に含まれて、第2リアクター14に並列に接続されてトリガー信号によりターンオン可能である。
トリガー制御器6aは本発明の限流器に含まれて、第1スイッチ4の前記開路位置への切替え動作に応答して半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断する。
本発明による複合型超電導限流器は大電流通電時に回路を遮断するように動作する遮断器15をさらに含み、この遮断器15は前記通電線路内の超電導体1と第1スイッチ4及び前記分流経路の後に接続される。
第1スイッチ4は第1リアクター2からの磁力により開路位置に切替え可能な正常閉路接点スイッチから構成することができる。すなわち、第1スイッチ4は第1リアクター2から磁力が与えられると、開路状態になり、第1リアクター2からの磁力が与えられないと、閉路状態になる接点スイッチから構成することができる。
第1スイッチ4は超電導体1と遮断器15間の線路上に直列に接続される固定接点(符号なし)と、この固定接点に接触して線路を通電させる位置と第1リアクター2からの磁気力により前記固定接点から開離して通電を遮断する位置に変位可能な可動接点5と、から構成することができる。符号5aは、可動接点5に備えられるトリガー制御器6aに第1スイッチ4の開離位置変位状態を伝達するための部分である。
このような第1スイッチ4は上記のような構成によって1ms(millisecond)内に高速開離し得る高速スイッチとして動作することができる。
トリガー制御器6aは、光信号を放射する発光部と、第1スイッチ4が閉路位置にあるとき、前記発光部からの光信号を受信すると、半導体スイッチ13に前記トリガー信号を提供し、第1スイッチ4が開路位置に移動しながら前記光信号を遮断すると、それにより半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断する受光部を備える光スイッチと、を含む。
また、トリガー制御器6aは、第1スイッチ4の開路位置の移動経路上に第1スイッチ4の接点位置に連動するように設置され、第1スイッチ4が閉路位置にあるとき、半導体スイッチ13に前記トリガー信号を提供し、前記第1スイッチの開路位置の移動に連動して半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断するマイクロスイッチから構成することができる。
半導体スイッチ13はサイリスタ(Thyristor)、トライアック(登録商標)(TRIAC)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GTO サイリスタ(Gate Turn-off Thyristor)、SSR(Solid State Relay)、FET(Field Effect Transistor)、トランジスタ(Transistor)のいずれか1つから構成することができる。
遮断器15は前記通電線路が比較的に低電圧用線路である場合、よく知られた配線用遮断器や気中遮断器から構成することができ、前記通電線路が高電圧用線路である場合もよく知られている真空遮断器から構成することができる。
一方、本発明の他の実施形態(第2の実施形態)による複合型超電導限流器の構成について図2を参照して説明する。
本発明の第2の実施形態による複合型超電導限流器は、通電線路上に直列に接続される超電導体1を含む。
この実施形態による限流器に含まれる第1スイッチ4は超電導体1に直列に接続され、正常電流の通電時に閉路位置に位置して前記通電線路に電流を通電させている途中で大電流通電時に開路位置に切替えられて通電を遮断するもので、磁気力により前記開路位置に切替え可能である。
第2の実施形態による限流器に含まれる第1リアクター2は大電流通電時に超電導体1が有するインピーダンスより小さい第1インピーダンスを有して超電導体1に並列に接続される。また、第1リアクター2は大電流通電時に超電導体1と第1スイッチ4を通じて流れていた電流の分流経路を提供し、この分流経路を介して流れる分流電流により磁化されて第1スイッチ4を開路位置に切替える。
第2リアクター14は第2の実施形態による限流器に含まれて、第1リアクター2が構成する前記分流経路に直列に接続され、この第1リアクター2が有する第1インピーダンスより大きい第2インピーダンスを有して前記大電流を制限する。
半導体スイッチ13は第2の実施形態による限流器に含まれて、第2リアクター14に並列に接続されてトリガー信号によりターンオン可能である。
トリガー制御器6、7は第2の実施形態による限流器に含まれて、第1スイッチ4の前記開路位置への切替え動作に応答して半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断する。
遮断器15も第2の実施形態による限流器に含まれて、前記通電線路内の超電導体1と第1スイッチ4及び前記分流経路の後に接続され、大電流通電時に回路を遮断するように動作する。
第2の実施形態による限流器は前記分流経路を介して流れる電流を検出するために前記分流経路上に接続され、検出した電流量による第1電圧信号を出力する変流器(符号なし)を含む。
第2の実施形態による限流器に含まれる遮断器トリップ駆動制御器11は超電導体1に接続されて超電導体1の電圧による第2電圧信号が入力される第1入力8と、前記変流器からの第1電圧信号が入力される第2入力10と、を備え、所定の前記第1電圧信号又は第2電圧信号の少なくとも1つがあるとき、遮断器15にトリップ信号を提供する。
前記の本発明の第2の実施形態は変流器と、遮断器トリップ駆動制御器11をさらに含む点が前述した本発明の第1の実施形態と構成上最も異なる点である。
本発明の第2の実施形態において、トリガー制御器6、7は光信号を放射する発光部6と、第1スイッチ4が閉路位置にあるとき、発光部6からの光信号を受信すると、半導体スイッチ13に前記トリガー信号を提供し、第1スイッチ4が開路位置に移動しながら前記光信号を遮断すると、それにより半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断する受光部7を備える光スイッチと、から構成することができる。
もちろん、本発明の第2の実施形態において、トリガー制御器6、7は前述した本発明の第1の実施形態と同様に、第1スイッチ4の開路位置の移動経路上に第1スイッチ4の接点位置に連動するように設置され、第1スイッチ4が閉路位置にあるとき、半導体スイッチ13に前記トリガー信号を提供し、前記第1スイッチの開路位置の移動に連動して半導体スイッチ13への前記トリガー信号の提供を中断するマイクロスイッチを前記光スイッチの代替として構成することができる。
一方、本発明の第2の実施形態において、遮断器トリップ駆動制御器11は、図3(A)に示すように、前記所定の第1電圧信号又は第2電圧信号の少なくとも1つがあるとき、遮断器15にトリップ信号を提供するOR回路(OR)から構成することができる。
また、遮断器トリップ駆動制御器11は、図3(B)に示すように、前記第1電圧信号の値を予め決定された第1基準電圧(REF1)と比較し、前記第1電圧信号の値が第1基準電圧(REF1)の値より大きいと、これを示す信号を出力する第1比較器(COM1)と、前記第2電圧信号の値を予め決定された第2基準電圧(REF2)と比較し、前記第2電圧信号の値が前記第2基準電圧(REF2)の値より大きいと、これを示す信号を出力する第2比較器(COM2)と、第1と第2比較器(COM1、COM2)の出力と接続され、第1と第2比較器(COM1、COM2)の少なくとも1つから前記信号が入力されると、前記遮断器にトリップ信号を出力するOR回路(OR)と、から構成することができる。
図2において、符号3は第1リアクター2が磁化された時、第1スイッチ4に与えられる磁気力線を示す。
第1スイッチ4は超電導体1と遮断器15間の線路上に直列に接続される固定接点(符号なし)と、この固定接点に接触して線路を通電させる位置と第1リアクター2からの磁気力により前記固定接点から開離して通電を遮断する位置に変位可能な可動接点5と、から構成することができる。符号5aは可動接点5に備えられるトリガー制御器6aに第1スイッチ4の開離位置変位状態を伝達するための部分として、この実施形態においては前記の発光部6から受光部7に放射される光信号を遮断する部分がそれに該当することができることを示す。
符号12は遮断器トリップ駆動制御器11から前記トリップ信号が遮断器15に伝達される信号経路を示す。
一方、以上のように構成される本発明の複合型超電導限流器の動作について図4〜図7を参照して説明する。
図4は事故電流発生時に本発明の超電導限流器を通じて流れる電流の変化を示す波形を示す図であり、図5〜図7は本発明の複合型超電導限流器の動作を説明するための動作説明図であり、図5は本発明の複合型超電導限流器に正常電流が流れる時の動作を示す動作説明図であり、図6は本発明の複合型超電導限流器に事故電流が流れる初期時の動作を示す動作説明図であり、図7は本発明の複合型超電導限流器のうち分流回路を通じて事故電流が流れる動作完了状態の動作説明図である。
まず、本発明の複合型超電導限流器に正常電流が流れる時の動作を、その動作説明図である図5と電流波形を示す図4を参照して説明する。
図4の正常電流波形のように電力系統、すなわち、通電線路上に流れる通電電流16が正常電流である時、この通電電流16は超電導体1のクエンチを起こす臨界電流(critical current)より小さいから、超電導体1は電気抵抗が「0」、すなわちゼロ(zero)である。
第1リアクター2は大電流通電時に超電導体1が有するインピーダンスよりは小さいが、「0」よりは大きい所定のインピーダンス、例えば数又は数十mΩ(milliohm)を有するから、この時、通電電流16は第1リアクター2には流れることなく、電気的抵抗がない超電導体1にのみ流れる。
従って、通電電流16は損失なしに超電導体1を通じて流れ出て第1スイッチ4を経て図1、2の遮断器15に流れる。
一方、本発明の複合型超電導限流器に事故電流が流れる初期時の動作を、その動作説明図である図6と電流波形を示す図4を参照して説明する。
図4の事故電流発生時点で線路上に短絡又は地絡のような事故が発生すると、通電電流16は急激に上昇して大電流となる。本発明の複合型超電導限流器が設置されない場合、線路上を流れる通電電流16は図4の事故電流発生時点以後の通電電流16のように急激に上昇する波形と同一になる。事故電流発生初期の通電電流16は図6のように超電導体1を通じて流れる電流17と第1リアクター2を通じて流れる分流電流18とに分類される。この時、短絡事故発生時に超電導体1は数百μsec(マイクロ秒)内にクエンチされ抵抗がゼロから数〜数十オーム(ohm)に急激に増加して抵抗の大きな抵抗体に転移するので、大部分の事故電流はインピーダンス(impedance)の低い第1リアクター2に分流して流れる。
この時、第1リアクター2を通じて流れる分流電流18は図4の波形18のようになる。
超電導体1がクエンチした直後には分流電流18が小さいために、第1リアクター2が磁化されて発生する磁気力、換言すると、磁場19も小さくて電磁反発力(electromagnetic repulsive force)も大きくないため、第1スイッチ4の可動接点5は図6に示すようにまだ開離されない状態にある。
一方、本発明の複合型超電導限流器のうち分流回路を通じて事故電流が流れる動作完了状態の動作を、その動作説明図である図7と電流波形を示す図4を参照して説明する。
事故電流が電力系統、すなわち通電線路上に流入して超電導体1がクエンチした後、分流電流18が徐々に増加して第1リアクター2から大きな磁気力、換言すると、大きな磁場(19*)が発生すると、可動接点5上の渦電流が大きくなり第1リアクター2と可動接点5間の電磁反発力が増加し、可動接点5が図7のように固定接点から開離される。
この時、超電導体1と第1スイッチ4を通じて流れる電流は、超電導体1の限流動作と第1リアクター2への大部分の分流により図4の17に示す波形のように小さくなるために、可動接点5が開離する時にアーク(arc)の発生はなく、接点の接圧力(接触状態を維持しようとする圧力)に比べて発生した前記電磁反発力が非常に大きいために、非常に短い図4上に示すような遅延時間内に可動接点5は完全に開離される。
高速スイッチ、すなわち、第1スイッチ4の開放以後、事故電流は図7に分流電流(18*)で図示したように全て第1リアクター2と第2リアクター14から構成される分流経路、すなわち並列回路にのみ流れる。
ここで、第1スイッチ4が完全に開離するまで超電導体1の両端に与えられる電圧を適切に処理することが非常に重要である。従来技術ではクエンチ時の超電導体の抵抗上昇による超電導体の両端のこのような電圧上昇に対応するために複数の超電導体を直列に接続しなければならなかったが、本発明による複合型超電導限流器はこの電圧を次のように軽減させる。
すなわち、本発明による複合型超電導限流器は第1リアクター2のインピーダンスが数又は数十mΩと非常に小さいから、超電導体1のクエンチ時に発生するインピーダンスとの合成インピーダンスも非常に小さくて、超電導体1の両端には高電圧が与えられない。これを式で表現すると次の通りである。
V=If×Zt …………(1)
上記の式(1)において、Vは超電導体の両端に与えられる電圧で、Ifは事故電流の大きさ、Ztは第1リアクター2のインピーダンスと超電導体1のクエンチ時に発生するインピーダンスとの合成インピーダンスである。例えば、事故電流が30KA(キロアンペア)で、合成インピーダンスが20mΩ(ミリオーム)であるとして前記式(1)にこれらの値を代入すると、超電導体の両端に与えられる電圧は600Volt(ボルト)にすぎない。このような電圧は、低くは数キロボルトから高くは数百キロボルトの高電圧電力系統の正常電圧、すなわち系統電圧に比べて非常に小さい電圧である。
V=If×Zt …………(1)
上記の式(1)において、Vは超電導体の両端に与えられる電圧で、Ifは事故電流の大きさ、Ztは第1リアクター2のインピーダンスと超電導体1のクエンチ時に発生するインピーダンスとの合成インピーダンスである。例えば、事故電流が30KA(キロアンペア)で、合成インピーダンスが20mΩ(ミリオーム)であるとして前記式(1)にこれらの値を代入すると、超電導体の両端に与えられる電圧は600Volt(ボルト)にすぎない。このような電圧は、低くは数キロボルトから高くは数百キロボルトの高電圧電力系統の正常電圧、すなわち系統電圧に比べて非常に小さい電圧である。
また、短絡電流の大電流を制限する役割も本発明の複合型超電導限流器は超電導体1が負担するのではなく、本発明の複合型超電導限流器において、超電導体1は大部分の事故電流を第1リアクター2に分流させる機能を実行する。
一方、第1スイッチ4の可動接点5が完全に開離すると、トリガー制御器6aは半導体スイッチ13へのトリガー信号の送信を中断することにより、半導体スイッチ13がオフされる。従って、事故電流は全て第1リアクター2を経てオフされた半導体スイッチ13に並列に接続された第2リアクター14に流れる。この第2リアクター14は、例えば、数Ω(オーム)の高いインピーダンスを有するため、事故電流は第2リアクター14により制限されて図4の波形(18*)のように減少する。
また、第1スイッチ4の可動接点5が完全に開離した後の、事故電流による高電圧も第1リアクターよりも高いインピーダンスを有する第2リアクター14が負担する。このような第2リアクター14の高電圧負担も100msec(ミリ秒)以内に遮断器トリップ駆動制御器11からのトリップ信号により遮断器15がトリップされるので、瞬間的であるから、第2リアクター14に損傷を与えないようにできる。
半導体スイッチ13は第1スイッチ4の接点が開離するまでの1ms(ミリ秒)以内の短い間のみ事故電流を通電するのみで、事故電流が尖頭値に到達する前にオフされるから、損傷の心配はなく、大電流に対する大きな耐量は要求されない。
第2リアクター14は数オームの高いインピーダンス値を有するために数又は数十mH(millihenry)のインダクタンス(inductance)値を必要とするために、コイルの券回数(winding)が多くなるが、正常電流通電時には作用せずに100 msec(ミリ秒)以内の短い間のみ事故電流に耐えられればよいから、コイルは太くなくてもよく、従って、第2リアクター14の大きさ、従ってまた超電導限流器の大きさが大きくならない。
また、事故電流通電による超電導体1の上昇電圧を示す第2電圧信号と、前記変流器からの第1電圧信号のいずれか1つ又はこれらの2つの電圧信号が全て入力されると、遮断器トリップ駆動制御器11は遮断器15にトリップ信号を提供することにより、前記分流経路の後端に接続された遮断器15はトリップされて回路を遮断する。ここで、事故電流が流れると、超電導体1は数百μsec(マイクロ秒)内にクエンチして任意の抵抗と電圧を発生することで、第1電圧信号及び/又は第2電圧信号により事故電流の感知時間を短縮して、遮断器15による遮断所要時間を遮断器15のみによる事故電流感知時間より短縮することができる。
1 超電導体
2 第1リアクター
4 第1スイッチ
6、7 トリガー制御器
11 遮断器トリップ駆動制御器
13 半導体スイッチ
14 第2リアクター
15 遮断器
2 第1リアクター
4 第1スイッチ
6、7 トリガー制御器
11 遮断器トリップ駆動制御器
13 半導体スイッチ
14 第2リアクター
15 遮断器
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