JP2008047878A - 固体撮像素子収容用ケース、その製造方法及び固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子収容用ケース、その製造方法及び固体撮像装置 Download PDF

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光男 前田
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Abstract

【課題】
高い剛性を有し、且つ、高品質の固体撮像素子収容用ケース、その製造方法、及び、このケースを用いることにより像歪みが抑制された固体撮像装置を提供する。
【解決手段】
凹溝2Eがケース本体2Aの長手方向Xに垂直な方向(幅方向Y、厚み方向Z)の剛性を改善して撓みを抑制する。インナーリード部2Bの基端部2B10と凹溝2Eとの間には樹脂材料2Aが介在しており、この樹脂材料2Aが充填された空間は、製造時においては、樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域2Dへの樹脂の不本意な流れ込みを抑制し、高品質化を達成している。製造後の樹脂材料2Aは、インナーリード部2Bの基端部2B10の保護機能も有し、樹脂の露出面とは不連続のインナーリード部の露出面積を低減している。このような不連続な領域はバリ等の発生を引き起こし易いが、本発明ではバリの発生等も低減されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、固体撮像素子収容用ケース、その製造方法及び固体撮像装置に関する。
液晶ポリエステルは、分子が剛直なため溶融状態でも絡み合いを起こさず液晶状態を有するポリドメインを形成し、成形時の剪断により分子鎖が樹脂の流動方向に著しく配向する挙動を示し、一般に溶融液晶型(サーモトロピック液晶)ポリマーと呼ばれている。液晶ポリエステルは、この特異な挙動のため溶融流動性に優れ、分子構造によっては高い荷重たわみ温度、連続使用温度を有し、260℃以上の溶融ハンダに浸漬しても変形や発泡が生じない。このため液晶ポリエステルに、ガラス繊維に代表される繊維状補強材やタルクに代表される無機充填材などを充填した樹脂組成物は、薄肉部あるいは複雑な形状の電気・電子部品に好適な材料である。このような液晶ポリエステルの剛性を利用して、固体撮像素子収容用ケースを製造する試みが行われている。
特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載の装置では、いずれもケース本体の中央に凹部を設け、凹部内に固体撮像素子などの半導体チップを配置している。
特開平10−116952号公報 特開2004−22742号公報 特許3554640号公報 特許3734225号公報
しかしながら、上述の固体撮像素子収容用ケースにおいては、その剛性が十分ではないという問題があった。特に、ラインセンサ等の長尺の固体撮像素子を用いる場合においては、その長手方向に垂直な方向にケース本体が撓み易くなる。ケースの歪みは固体撮像装置によって撮像される像の歪みを引き起こす。そこで、インナーリード部と固体撮像素子設置用の領域との間に凹溝を設けることで、その剛性を改善し、上記垂直な方向の撓みを抑制することができる。しかしながら、樹脂成型時の圧力は比較的高いため、樹脂成型時において、凹溝の側壁等から固体撮像素子設置用の領域へ樹脂が流れ込んで品質が劣化するという問題が生じた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高い剛性を有し、且つ、高品質の固体撮像素子収容用ケース、その製造方法、及び、このケースを用いることにより像歪みが抑制された固体撮像装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る固体撮像素子収容用ケースは、樹脂製のケース本体の内側から外側に向かって延びた複数のインナーリード部を備えた固体撮像素子収容用ケースであって、ケース本体は、固体撮像素子が内部に配置される凹部と、凹部の底面の一部を構成し固体撮像素子が固定される領域と、この領域とインナーリード部の内側の基端部との間に位置する凹溝とを備え、この基端部と凹溝との間には樹脂材料が介在していることを特徴とする。
この場合、固体撮像素子設置用の領域とインナーリード部の基端部との間に凹溝が介在するため、この凹溝がケース本体の長手方向に垂直な方向(幅方向、厚み方向)の剛性を改善して撓みを抑制する。インナーリード部の基端部と凹溝との間には樹脂材料が介在しており、この樹脂材料が充填された空間は、製造時においては、樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域への樹脂の不本意な流れ込みを抑制し、高品質化を達成している。また、製造後の樹脂材料は、インナーリード部の基端部の保護機能も有し、また、樹脂の露出面とは不連続のインナーリード部の露出面積を低減している。このような不連続な領域はバリ等の発生を引き起こし易いが、本発明ではバリの発生等も低減されている。
更に、インナーリード部の基端部が樹脂材料によって固定されているため、インナーリード部の抜けが低減される。また、ボンディングワイヤを接続する際には、インナーリード部をボンディングワイヤに接触させた状態で、超音波を当該ボンディングワイヤに印加して、ボンディングを行う。このボンディングを行う工程において、インナーリード部に樹脂材料が接触しているため、超音波が逃げにくくなり、ボンディングワイヤのインナーリードに対する固定強度を向上させることができる。
特に、小型化の観点からは、インナーリード部の基端部と固体撮像素子設置用の領域はできるだけ接近している方が好ましい。単に、凹溝を設け、インナーリード部の基端部を固体撮像素子設置用の領域に近づけると、この基端部が、凹溝内において露出するが、基端部と凹溝との間には樹脂材料が介在しており、凹溝の最大幅を規定する二側面間の領域内に基端部の先端が位置する場合においても、基端部は十分に保護される。
また、固体撮像素子設置用の領域は導電性のダイパッド(アイランド)から構成されることとしてもよい。この場合、ダイパッド上に固体撮像素子を固定することができる。
また、凹溝の底面からの樹脂材料の高さH1、及び、インナーリード部の厚みH2は、関係式:0.5≦H1/H2≦2を満たすことが好ましい。
H1/H2が0.5以上の場合、製造時において樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域への樹脂の不本意な流れ込みを抑制するのに十分な効果がある。一方、H1/H2が2以下の場合、固体撮像素子とインナーリード部の露出表面をボンディングワイヤによって容易に接続するのが可能である。
また、1つのインナーリード部の内側の基端部の周囲に位置する樹脂材料の幅W1、及び、上記基端部の幅W2は、関係式:1.1≦W1/W2≦2.0を満たすことが好ましい。
W1/W2が1.1以上の場合、製造時において樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域への樹脂の不本意な流れ込みを抑制するのに十分な効果がある。一方、W1/W2が2.0以下の場合、ダイパッドの露出面上やインナーリード部の露出面上への樹脂の不本意な流れを抑制するのに十分な効果がある。
本発明に係る固体撮像装置は、上述の固体撮像素子収容用ケースと、凹部内に固定された固体撮像素子と、凹部の開口を封止する透明板とを備えたことを特徴とする。透明板が凹部の開口を封止することで内部を気密状態として固体撮像素子を保護し、透明板を介して入射した像は固体撮像素子によって撮像することができる。固体撮像素子から出力される映像信号は、インナーリード部を介して外部に出力される。
上記樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂および不飽和ポリエステル樹脂等が例示でき、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましく使用される。
また熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等が例示でき、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、液晶ポリエステル樹脂が好ましく使用され、流動性、耐熱性、剛性に優れているという観点からは液晶ポリエステル樹脂がもっとも好ましく使用される。これらの樹脂は単独で用いても複数を同時に用いても良い。上記の樹脂の概要については、「高分子大辞典」(丸善株式会社発行、平成6年9月20日)及びそこに引用される文献などに記載されている。
また、上記樹脂材料として、液晶ポリエステル樹脂、繊維状無機充填材、及びカーボンブラックを含む液晶ポリエステル組成物を用いた場合、特に、上述の高品質が達成されることが確認された。
また、本発明に係る固体撮像素子収容用ケースの製造方法は、ダイパッドと、このダイパッドの周囲から離隔して外側に向かって延びた複数のリード端子と有するリードフレームを用意する工程と、対向する2つの金型で挟まれた空間内にリードフレームを配置する工程と、この空間内に樹脂材料を注入する工程とを備え、金型の一方は、ダイパッド及びリード端子のインナーリード部に接触する凸部と、凸部の頂面上に設定されるダイパッド設置用領域と、ダイパッド設置用領域とインナーリード部の内側の基端部との間に位置する凸条とを備え、インナーリード部は双方の金型によって厚み方向に挟まれており、且つ、上記基端部と凸条との間には樹脂材料が充填される空間が存在していることを特徴とする。
この場合、樹脂の注入時において、インナーリード部は双方の金型によって厚み方向に挟まれており、インナーリード部の金型が接触していない領域には樹脂の圧力がかかる。ここで、インナーリード部の近傍を流れる樹脂材料の一部は、上記空間内に逃げることができるため、インナーリード部に近接する凹溝の側壁などからダイパッドの露出面上やインナーリード部の露出面上への樹脂の不本意な流れを抑制することができる。
また、上記樹脂材料は、液晶ポリエステル樹脂、繊維状無機充填材、及びカーボンブラックを含む液晶ポリエステル組成物であり、この製造方法は、好ましくは270℃以上450℃以下の温度で溶融させた液晶ポリエステル組成物を上記空間内に注入する工程を含むことを特徴とする。このような材料を用いた場合、特に、上述の高品質化が達成されることが確認された。
本発明に係る固体撮像素子収容用ケースは高い剛性を有し、且つ、高品質である。また、本発明に係る製造方法によれば、このような固体撮像素子収容用ケースを提供することができる。また、本発明の固体撮像装置は、ケース及び固体撮像素子の反りが抑制されるため、像歪みの抑制された撮像を行うことができる。
以下、実施の形態に係る固体撮像素子収容用ケース、その製造方法及び固体撮像装置について説明する。説明において、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、固体撮像素子収容用ケース2を備えた固体撮像装置1の分解斜視図である。図2は、図1に示した固体撮像装置1のII−II矢印断面図、図3は、図1に示した固体撮像装置1のIII−III矢印断面図、である。
固体撮像素子収容用ケース2は、平面形状が四角形の樹脂製のケース本体2Aを備えている。また、固体撮像素子収容用ケース2は、ケース本体2Aの内側から外側に向かって延びた複数のリード端子2Bを備えている。リード端子2Bはケース本体2Aの長手方向Xの両端部に設けられている。リード端子2Bは、インナーリード部2B及びアウターリード部2Bからなる。
ケース本体2Aは、固体撮像素子3が内部に配置される凹部2Cを備えている。インナーリード部2Bは、凹部2C内において表面が露出しており、凹部2Cの内側から外側に向かって延びている。ケース本体2Aは、凹部2Cの底面2Dの一部を構成し固体撮像素子3が固定される領域2Dと、この領域2Dとインナーリード部2Bの内側の基端部2B10との間に位置し、X方向に延びた凹溝2Eとを備えている。基端部2B10と凹溝2Eとの間には樹脂材料(樹脂部)2Aが介在している。
固体撮像装置1は、固体撮像素子収容用ケース2と、凹部2C内に固定された固体撮像素子3と、凹部2Cの開口を封止する透明板4とを備えている。透明板4は接着剤10によってケース本体2Aに固定されている。透明板4が凹部2Cの開口を封止することで内部を気密状態として固体撮像素子3を保護する。透明板4を介して入射した像は、固体撮像素子3によって撮像することができる。
固体撮像素子3とインナーリード部2Bの露出表面とはボンディングワイヤ5によって接続されている。固体撮像素子3から出力される映像信号は、ボンディングワイヤ5、インナーリード部2B及びアウターリード部2Bを介して外部に出力される。
ケース本体2Aの長手方向X、幅方向Y、厚み方向Zは直交座標系を構成している。ケース本体2Aの長手方向Xと幅方向Yのアスペクト比(X/Y)は5以上である。また、固体撮像素子3の長手方向Xと幅方向Yのアスペクト比(X/Y)も5以上である。このような高アスペクト比の固体撮像装置のケース本体は、高い剛性が要求される。
ケース本体2Aの底面には、X方向に平行な2本のリブ2Aがケース本体2Aに対して一体的に設けられており、ケース本体2AのX方向に垂直な反りを抑制している。また、ケース本体2AのXZ平面に略平行な外側面は、X方向に延びた補強用の凸部2Aを備えている。ここで、略平行とは平行に対して10度以内の誤差を含むことを意味する。ケース本体2AのXZ平面に略平行な外側面は、YZ平面内との交線がZ軸となす角度がθ度の傾斜側面2Aを備えている。θは0.5〜10度であり、対向する2つの傾斜側面2A間の幅は、凹部2Cの深さ方向に沿って狭くなっている。これにより、製造時に金型から成型された樹脂を容易に抜くことができる。
ケース本体2Aの長手方向Xの一端部には、Z軸方向に延びた穴Hが設けられている。穴Hの深さは凹部2Cの深さ、すなわち、凹部2Cの開口端面からインナーリード部2Bの露出表面までの距離と同じである。この穴Hは、樹脂注入時における樹脂の流れを制御するためのものである。穴Hは、台形及び台形の下底に隣接する長方形を加えてなる開口形状を有し、台形の上底及び下底はY方向に平行である。
また、凹部2Cの底面の長手方向Xの中央には中央突起部2Fが立設しており、中央突起部2Fは、導電性のダイパッド(アイランド)2Gの中央部に連続してY方向に延びた押さえ部2Gを内部に埋め込んでいる。なお、固体撮像素子設置用の領域2Dはダイパッド2Gから構成されている。ダイパッド2G上には固体撮像素子3が固定されている。なお、押さえ部2Gの先端は、ケース本体2Aの傾斜側面2Aから露出しており、押さえ部2Gの先端の上方には、補強用の凸部2Aが位置せず、製造時の押さえ部2Gの切断が容易な構造となっている。
ケース本体2Aの底板には、凹部2Cの深さ方向とは逆方向に延びた底穴2Aが形成されている。底穴2Aは、製造時におけるインナーリード部押さえ用の金型の跡である。底穴2Aは、X方向に延びた長穴と、この長穴の最奥部から各インナーリード部2Bの底面に至るまで延びる複数の円柱穴からなる。すなわち、製造時においては、各インナーリード部2Bの一方面は、底穴2A内に位置した金型によって押さえられたものである。もちろん、製造時においては、各インナーリード部2Bの他方の面上にも金型が接触していたものであり、製造後においては、各インナーリード部2Bの表面が凹部2C内において露出している。
上述の構造においては、固体撮像素子設置用の領域2Dとインナーリード部2Bの基端部2B10との間に凹溝2Eが介在するため、この凹溝2Eがケース本体2Aの長手方向Xに垂直な方向(幅方向Y、厚み方向Z)の剛性を改善して撓みを抑制する。インナーリード部2Bの基端部2B10と凹溝2Eとの間には樹脂材料2Aが介在しており、この樹脂材料2Aが充填された空間は、製造時においては、樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域2Dへの樹脂の不本意な流れ込みを抑制し、高品質化を達成している。また、製造後の樹脂材料2Aは、インナーリード部2Bの基端部2B10の保護機能も有し、また、樹脂の露出面とは不連続のインナーリード部の露出面積を低減している。このような不連続な領域はバリ等の発生を引き起こし易いが、本発明ではバリの発生等も低減されている。
更に、インナーリード部2Bの基端部2B10が樹脂材料2Aによって固定されているため、インナーリード部2Bの抜けが低減される。また、図2に示したボンディングワイヤ5を接続する際には、インナーリード部2Bをボンディングワイヤ5に接触させた状態で、超音波を当該ボンディングワイヤ5に印加して、ボンディングを行う。このボンディングを行う工程において、インナーリード部2Bに樹脂材料2Aが接触しているため、超音波が逃げにくくなり、ボンディングワイヤ5のインナーリード2Bに対する固定強度を向上させることができる。
図4は、固体撮像装置1の平面図である。なお、ケース本体2Aは点線で示すこととする。
製造時に用いられたリードフレームは、ダイパッド2Gと、ダイパッド2Gの周囲から離隔して外側に向かって延びた複数のリード端子2Bと有している。リード端子2Bはケース本体2Aの両端部のみに形成されている。上述のように、ダイパッド2Gの中央部からは、Y方向に沿って押さえ部2Gが延びている。また、ダイパッド2GのX方向両端から約四分の一の地点には、Y方向に延びたスリットS1、S2,S3,S4が形成されている。スリットS1とスリットS2とは隣接しており、互いに逆方向に延びている。スリットS3とスリットS4とは隣接しており、互いに逆方向に延びている。これらのスリットS1、S2,S3,S4は、ケース本体2A及びダイパッド2Gの熱膨張・熱収縮の伴う歪を吸収し、固体撮像素子3へ伝達される応力を低減している。
図5は、図4に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。
小型化の観点からは、インナーリード部2Bの基端部2B10と固体撮像素子設置用の領域2D(ダイパッド2G)はできるだけ接近している方が好ましい。単に、凹溝2Eを設け、インナーリード部2Bの基端部2B10を固体撮像素子設置用の領域2Dに近づけると、この基端部2B10が、凹溝2E内において露出するが、基端部2B10と凹溝2Eとの間には樹脂材料(樹脂部)2Aが介在しており、凹溝2Eの最大幅WMAXを規定する二側面P1、P2間の領域内に基端部2B10の先端2B100が位置する場合においても、基端部2B10は十分に保護される。また、X方向に沿って隣接する樹脂材料2A間には、Y方向に沿って延びたスリットS10が形成されており、ケース本体2Aの熱膨張・熱収縮に伴う歪を吸収している。なお、ダイパッド2GのY方向に垂直な2側面には、X方向に突出した位置決め部2Aが接触しており、ダイパッド2GのY方向移動を規制している。
また、凹溝2Eの底面からの樹脂材料の高さH1、及び、インナーリード部2Bの厚みH2は、関係式:0.5≦H1/H2≦2を満たすことが好ましい。
H1/H2が0.5以上の場合、製造時において樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域への樹脂の不本意な流れ込みを抑制するのに十分な効果がある。一方、H1/H2が2以下の場合、固体撮像素子とインナーリード部の露出表面をボンディングワイヤによって容易に接続するのが可能である。
また、1つのインナーリード部2Bの内側の基端部2B10の周囲に位置する樹脂材料2AのX方向に沿った幅W1、及び、基端部2B10の幅W2は、関係式:1.1≦W1/W2≦2.0を満たすことが好ましい。
W1/W2が1.1以上の場合、製造時において樹脂圧力の逃げ場として機能し、固体撮像素子設置用の領域への樹脂の不本意な流れ込みを抑制するのに十分な効果がある。一方、W1/W2が2.0以下の場合、ダイパッドの露出面上やインナーリード部の露出面上への樹脂の不本意な流れを抑制するのに十分な効果がある。
なお、底穴2Aには樹脂成型時において、底穴形成部2A’が挿入される。
次に、上述の固体撮像素子収容用ケース2の製造方法について説明する。
図6は、固体撮像素子収容用ケース2の成型に使用する上下の金型を示す斜視図である。
まず、図4に示した構造を有するリードフレーム20を用意する。1つのリードフレーム20は複数のケースを形成するための領域を複数有している。下金型M4はリードフレーム20を搬送するための凹溝MGを備えており、下金型M4の凹溝MG内に下金型主要部M41が設けられている。下金型M4の上部には、上金型M3が配置されており、下金型主要部M41に対向する位置に上金型主要部M31が位置する。リードフレーム20の搬送方向Tの排出側の凹溝MGの深さは、リードフレーム20の導入側の深さよりも深く、成型後の樹脂であっても凹溝MG内に収まるように設定されている。なお、上金型M3にも、上金型主要部M31よりもリードフレーム排出側には凹溝MG’が形成されている。
詳説すれば、リードフレーム20における1つの樹脂成型用の領域が金型主要部M31,M41間に位置した後、金型主要部M31,M41が金型M3,M4と共に閉じる。しかる後、上金型主要部M31に設けられた樹脂注入口(ゲート)Gを介して金型に挟まれた空間内に溶融した樹脂が充填され、成型が行われる。しかる後、上下の金型M3,M4が開いて、成型されたケース本体2Aは、凹溝MGの深さの大きな側に移動し、次の成型用の領域が再び金型主要部M31,M41間に位置する。
すなわち、この固体撮像素子収容用ケースの製造方法は、リードフレーム20を用意する工程と、対向する2つの金型(主要部)M31,M41で挟まれた空間内にリードフレーム20を配置する工程と、この空間内に樹脂材料を注入する工程とを備えている。
図7は、下金型主要部M41の斜視図である。
図8は、下金型主要部M41のインナーリード部設置領域周辺の顕微鏡写真(リードフレーム20が嵌め込まれる前の状態)を示す。図9は、下金型主要部M41のインナーリード部設置領域周辺の顕微鏡写真(リードフレーム20が嵌め込まれた後の状態)である。
下金型主要部M41は、ダイパッド2G及びインナーリード部2B(図4参照)に接触する凸部2C’と、凸部2C’の頂面上に設定されるダイパッド設置用領域2D’と、ダイパッド設置用領域2D’とリード端子2Bのインナーリード部2Bの内側の基端部2B10との間に位置してX方向に延びた一対の凸条2E’とを備えている。ダイパッド設置用領域2D’上に配置されたダイパッド2Gには固定撮像素子3が固定される。インナーリード部2Bは、金型M41の凸部2C’と金型M31の底穴形成部2A’(図10参照)によって厚み方向Zに挟まれており、且つ、基端部2B10と凸条2E’との間には樹脂材料2Aが充填される空間2A’が存在している。凸部2C’に対応して、凹部2Cが形成される。凸部2C’の周辺には矩形環状溝2A”が形成されており、矩形環状溝2A”内に樹脂が充填されることでケース本体2Aの側壁が成型される。
この場合、樹脂の注入時において、インナーリード部2B(図5参照)は双方の金型M31,M41によって厚み方向に挟まれており、インナーリード部2Bの金型が接触していない領域には樹脂の圧力がかかる。ここで、インナーリード部2Bの近傍を矢印F(図5参照)のように流れる樹脂材料の一部は、上記空間2A’内に逃げることができるため、インナーリード部2Bに近接する凹溝2Eの側壁などからダイパッド2Gの露出面上やインナーリード部の露出面上への樹脂の不本意な流れF’ (図5参照)を抑制することができる。
なお、下金型主要部M41には、スリットS1、S2、S3,S4を形成するためのスリット形成用凸部S1’、S2’、S3’,S4’、樹脂流制御用の穴Hを形成するために下金型から立設した穴形成用凸部H’、中央突起部2Fを形成するために凹んだ中央突起部形成用凹部2F’、押さえ部2Gを形成するための凹部2G’が形成されている。
リードフレーム20のリード端子2Bは予めZ方向に屈曲した状態で下金型主要部M41上に配置される。アウターリード部2B(図4参照)の延長線上には、アウターリード部2Bの延長部分を載せる複数の溝GGが形成されている。溝GGはケース本体2AのX方向両端部の傾斜側面2A(図2参照)を成型するための両端凸部GGM1上に形成されている。また、下金型主要部M41の周辺には、位置合わせやガイドピンを通すための複数の貫通孔THが設けられている。また、凸部2C’の周囲に位置する矩形環状溝2A”の底面の一部は、複数のエジェクタピンEPの頂面が構成している。
図10は、上金型主要部M31の斜視図である。
上金型主要部M31は、X方向に沿って延びた一対のリブ形成用凹溝2A’、樹脂注入口G、ケース本体2Aの傾斜側面2A(図1参照)を成型するための凸部GGM2を備えている。上下の金型が閉じた場合には、凸部GGM2の矩形環状溝2A”(図7参照)側の側面は、凸部GGM1の矩形環状溝2A”側の側面に一致して連続する。
図11〜図14は、金型の動作を説明するための樹脂成型装置の断面図である。
台座B3上に、基台B2、B1が載せられ、これらはボルトBL1で固定されている。上部の基台B1上には下金型M4、上金型M3が載せられている。上金型M3上内には、ゲートGに連続する樹脂供給通路SL3が形成されている。また、上金型M3上に配置される下部樹脂供給部材(金型)M2及び上部樹脂供給部材(金型)M1には、樹脂供給通路SL3に連続する樹脂供給通路SL2及び樹脂供給通路SL1がそれぞれ形成されている。
まず、全ての金型M1〜M4が閉じた状態において、樹脂材料が樹脂供給通路(スプールやランナー)SL1,SL2,SL3及びゲートGを介して、上金型M3と下金型M4との間の空間内に注入される(図11)。
次に、ガイドピンFTと共に金型M1及び金型M2が、金型M3から離隔し、ゲートGに連続していた固化樹脂(スプールランナ)SLが、ケース本体2Aから切断される(図12参照)。ガイドピンFTは金型M1、M2、M3、M4、基台B1,B2を厚み方向に貫通している。ガイドピンFTの貫通する孔内には、ガイドピンFTの金型に対するスライドを促進するためのスリーブM22、M33、M44が設けられており、ガイドピンFTはスリーブM22、M33、M44の内面をスライドしながら上下方向に移動することができる。ガイドピンFTの上端は金型M1に固定されている。
次に、上金型M3が下金型M4から離隔し、ケース本体2Aを構成する成型品が下金型M4上に残留する(図13参照)。
次に、金型M2が金型M1から離隔し、スプールランナSLが金型M1から引っ張り出され(図14参照)、スプールランナSLを容易に除去することができる。しかる後、成型機の突き出しピンPPを台座B3に空けられた挿入孔の下方より突き出すことにより、突き出しピンPPの先端がエジェクタプレートSBの下面を上方に押し、エジェクタプレートSBが基台B2の内面をスライドして上昇する。エジェクタプレートSBには上方に延びたリターンピンRTPが固定されている。リターンピンRTPは基台B1の貫通孔及び金型M4の貫通孔内を通って、金型M3の下面に到達している。エジェクタプレートSBを上方にスライドさせて、リターンピンRTPを突き上げると、リターンピンRTPに連結され、この動きに連動して上方に動くエジェクタピンEP(図7参照)が、ケース本体2Aを構成する成型品を上方に突き出す。
金型M1〜M4を閉じる場合、突き出たリターンピンRTPの先端が、上金型M3の下面によって下方に押され、これに連動してエジェクタピンEP(図7参照)は元の位置に戻る。エジェクタピンの先端は、上金型M3に接触した状態では押されないため、その表面の劣化を抑制することができる。なお、上述の樹脂成型装置は、上下方向の移動を水平方向の移動にするように、横置きにすることもできる。
次に、上述の樹脂材料について説明する。
上記樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂および不飽和ポリエステル樹脂等が例示でき、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましく使用される。
また熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等が例示でき、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、液晶ポリエステル樹脂が好ましく使用され、流動性、耐熱性、剛性に優れているという観点からは液晶ポリエステル樹脂がもっとも好ましく使用される。これらの樹脂は単独で用いても複数を同時に用いてもよい。
上記の樹脂の概要については、「高分子大辞典」(丸善株式会社発行、平成6年9月20日)及びそこに引用される文献などに記載されている。また、上記樹脂材料は、液晶ポリエステル樹脂、繊維状無機充填材、及びカーボンブラックを含む液晶ポリエステル組成物を用いた場合、特に、上述の高品質が達成されることが確認された。
また、上述の製造方法においては、好ましくは270℃以上450℃以下の温度で溶融させた液晶ポリエステル組成物を上金型M3と下金型M4との間の空間内に注入する。このような材料を用いた場合、特に、上述の高品質化が達成されることが確認された。以下、詳説する。
使用可能な液晶ポリエステル樹脂は、(1)1種または2種以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるもの、(2)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの、(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせからなるもの、(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの、等が挙げられ、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用されることもあるが、これらは特開2002−294038号公報に記載のような公知の材料を用いることができる。
この樹脂は、流動温度が270〜450℃である液晶ポリエステル樹脂であり、流動温度が280〜400℃である液晶ポリエステル樹脂であることが好ましい。液晶ポリエステルの流動温度が270℃未満である場合、耐熱性が不十分となる。また、流動温度が450℃より大きい場合、液晶ポリエステルの熱分解等により成形加工が困難となり良好な成形品を得ることができない。
繊維状無機充填材としては、例えば、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。
ウィスカの平均繊維径R、平均繊維長Lは以下の条件を満たす。
・R11≦R≦R12
・L11≦L≦L12
・R11:0.1μm
・R12:5μm
・L11:5μm
・L12:100μm
RがR11未満の場合、目的とする流動性と耐熱性の向上効果が不十分となる。また、RがR12より大きい場合、力学的強度と低反り性の向上効果が不十分となる。
LがL11未満である場合、目的とする耐熱性、力学的強度の向上効果が不十分となる。また、LがL12より大きい場合、低ソリ性の向上効果が低下し、成形品の外観、成形品中での均一分散性が悪くなる。
この他、繊維状無機充填材として、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維を用いることができる。これらは、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよく、上記ウィスカと混合して用いることが好ましい。これらを混合した場合には、液晶ポリエステル組成物の異方性低減に十分な効果がある。
これらの無機繊維の平均繊維径R、平均繊維長Lは以下の条件を満たす。
・R21≦R≦R22
・L21≦L≦L22
・R21:1μm
・R22:50μm
・L21:20μm
・L22:5000μm
RがR21未満の場合、目的とする流動性と耐熱性の向上効果が不十分となる。
RがR22より大きい場合、力学的強度と低反り性の向上効果が不十分となる。
LがL21未満である場合、目的とする耐熱性、力学的強度の向上効果が不十分となる。
LがL22より大きい場合、低ソリ性の向上効果が低下し、成形品の外観、成形品中での均一分散性が悪くなる。
その他、混合可能な無機充填材としては、例えば、タルク、マイカ、カオリンクレー、ドロマイトなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、タルク、マイカが好ましく使用される。これらは、単独で用いても、2種以上を同時に使用してもよい。
繊維状の無機充填材の配合割合は、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、10〜200重量部であり、好ましくは30〜150重量部である。繊維状の無機充填材の配合割合が10重量部未満の場合、薄肉流動性の改良効果はあるものの、低反り性と耐熱性の向上効果が不十分となる。また、繊維状の無機充填材の配合割合が200重量部よりも多い場合は、薄肉流動性の改良効果が不十分となるうえ、成形機のシリンダや金型の磨耗が大きくなる。
図19は、インナーリード部の形状を変更した固体撮像装置1の平面図であり、図20は図19に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。本例の固体撮像装置は、図4及び図5に記載した固体撮像装置と比較して、インナーリード部2Bの形状のみが異なる。
インナーリード部2Bは凹凸部を有しており、この凹凸部内に樹脂材料2Aが入り込むことによって、インナーリード部2Bが樹脂材料2Aに、更に強固に固定されている。複数のインナーリード部2Bは、ケース本体2Aの中心軸(固体撮像素子3の配置される位置)から外側へ向かう方向に延びており、インナーリード部2Bの内側の基端部2B10は、金鎚の頭部形状のように加工されている。すなわち、インナーリード部2Bは、インナーリード部2Bの長手方向に沿った両側面から、インナーリード部2Bの内側に向けて延びたスリット2B1Hを有している。スリット2B1H内には樹脂材料2Aが入り込んでおり、インナーリード部2Bが樹脂材料2Aに対して強固に固定されている。
図21はインナーリード部の形状を変更した固体撮像装置1の平面図であり、図22は図21に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。
複数のインナーリード部2Bは、ケース本体2Aの中心軸から外側へ向かう方向に延びており、インナーリード部2Bの内側の基端部2B10は、前記中心軸方向に向かって突出した凸部2B1Pを有している。凸部2B1Pの周囲には樹脂材料2Aが接着しており、インナーリード部2Bが樹脂材料2Aに、更に強固に固定されている。
図23は変形例に係るインナーリード部の部分平面図である。
このインナーリード部2Bは、インナーリード部2Bの長手方向に沿った片側の側面から、インナーリード部2Bの内側に向けて延びたスリット2B1Sを有している。スリット2B1Sは基端部2B10に位置している。スリット2B1S内に樹脂材料が入り込むことで、インナーリード部2Bを樹脂材料に対して強固に固定することができる。
図24は変形例に係るインナーリード部の部分平面図である。
このインナーリード部2Bは、インナーリード部2Bが開口2B1Cを有している。開口2B1Cは基端部2B10に位置している。開口2B1C内に樹脂材料が入り込むことで、インナーリード部2Bを樹脂材料に対して強固に固定することができる。開口2B1Cの形状としては、円、楕円の他、三角形、四角形、六角形などの多角形を用いることができる。
(実施例)
図1に示した固体撮像素子収容用ケース2を製造した。液晶ポリエステル樹脂(住友化学(株)製スミカスーパーE6000)100重量部にホウ酸アルミニウムのウィスカ(四国化成工業(株)製YS−3A、繊維径 0.5〜1μm、繊維長 10〜30μm)87重量部、ガラス繊維(旭グラスファイバー(株)製CS03JAPX−1、繊維径10μm、繊維長3,000μm)37重量部、タルク(日本タルク(株)製X−50)25重量部及びカーボンブラック(三菱化学(株)製♯45B)2.5重量部を混合し、二軸押し出し機((株)池貝製PCM30型)を用い、シリンダ温度340℃で造粒し、液晶ポリエステル組成物を得た。なお、繊維状の無機充填材の配合割合は、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し124重量部である。なお、H1/H2≒1である。
得られた液晶ポリエステル組成物を射出成形機(日精樹脂工業(株)製ES400型)を用いて、インナーリード部の基端部を囲む樹脂部(幅W1=0.6mm)を設けることが可能な金型にリード端子(インナーリード部の幅W2=0.4mm、厚み0.25mm)及びダイパッド(アイランド:幅0.8mm、長さ38mm)を設置し、該金型にインサート成型(成形温度360℃、射出速度100mm/sec、金型温度80℃)を施すことで、インナーリード部の基端部において、凹部の底面を構成する領域を露出させた状態で、基端部の側面を囲む樹脂部を有する固体撮像素子収容用ケースを得た。
図15及び図16は、実施例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。
実施例で得られた撮像素子収容用ケースにおいては、インナーリード部の基端部の側面を囲む樹脂部を有しており、図15及び図16に示す通り、ダイパッド(アイランド)及びインナーリード部の露出表面におけるバリ発生が抑制された。また、インナーリード部のバタツキも小さかった。
(比較例)
実施例と同様にして、インナーリード部の基端部を囲む樹脂部を有していない固体撮像素子収容用ケースを作製した。図17及び図18は、比較例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。比較例で得られた固体撮像素子収容用ケースは図17及び図18に示す通り、ダイパッド及びインナーリード部の表面にバリが発生し、また、インナーリード部のバタツキも大きかった。
固体撮像装置1の分解斜視図である。 図1に示した固体撮像装置1のII−II矢印断面図である。 図1に示した固体撮像装置1のIII−III矢印断面図、である。 固体撮像装置1の平面図である。 図4に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。 固体撮像素子収容用ケース2の成型に使用する上下の金型を示す斜視図である。 下金型主要部M41の斜視図である。 下金型主要部M41のインナーリード部設置領域周辺の顕微鏡写真(リードフレーム20が嵌め込まれる前の状態)を示す図である。 下金型主要部M41のインナーリード部設置領域周辺の顕微鏡写真(リードフレーム20が嵌め込まれた後の状態)を示す図である。 上金型主要部M31の斜視図である。 金型の動作を説明するための樹脂成型装置の断面図である。 金型の動作を説明するための樹脂成型装置の断面図である。 金型の動作を説明するための樹脂成型装置の断面図である。 金型の動作を説明するための樹脂成型装置の断面図である。 実施例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。 実施例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。 比較例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。 比較例に係る固体撮像素子収容用ケースの顕微鏡写真を示す図である。 インナーリード部の形状を変更した固体撮像装置1の平面図である。 図19に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。 インナーリード部の形状を変更した固体撮像装置1の平面図である。 図19に示したインナーリード部周辺領域Qの拡大斜視図である。 変形例に係るインナーリード部の部分平面図である。 変形例に係るインナーリード部の部分平面図である。
符号の説明
1・・・固体撮像装置、2・・・固体撮像素子収容用ケース、2E・・・凹溝、3・・・固体撮像素子、2B・・・リード端子、2B・・・インナーリード部、2B・・・アウターリード部、2A・・・ケース本体、2G・・・ダイパッド(アイランド)、20・・・リードフレーム、2A・・・リブ、2A’・・・リブ形成用凹溝、2C・・・凹部、2G’・・・凹部、2B10・・・基端部、2A”・・・矩形環状溝、2A’・・・空間、2A・・・傾斜側面、2D・・・固体撮像素子設置用領域、2D’・・・ダイパッド設置用領域、2A・・・樹脂材料、2B100・・・先端、2F・・・中央突起部、2F’・・・中央突起部形成用凹部、2A・・・底穴、2A’・・・底穴形成部、2A・・・位置決め部、2D・・・底面、2E’・・・凸条、2A・・・凸部、2C’・・・凸部、2G・・・押さえ部、4・・・透明板、5・・・ボンディングワイヤ、10・・・接着剤、B1,B2・・・基台、B3・・・台座、BL1・・・ボルト、EP・・・エジェクタピン、FT・・・ガイドピン、G・・・樹脂注入口、GG・・・溝、GGM1・・・凸部、GGM2・・・凸部、H・・・穴、H’・・・穴形成用凸部、M1〜M4・・・金型、M22・・・スリーブ、M33・・・スリーブ、M44・・・スリーブ、M31・・・上金型主要部、M41・・・下金型主要部、MG・・・凹溝、MG’・・・凹溝、P1,P2・・・二側面、PP・・・ピン、Q・・・インナーリード部周辺領域、RTP・・・リターンピン、S1〜S4・・・スリット、S1’〜S4’・・・スリット形成用凸部、S10・・・スリット、SB・・・エジェクタプレート、SL・・・スプールランナ、SL1〜SL3・・・樹脂供給通路、T・・・搬送方向、TH・・・貫通孔。

Claims (9)

  1. 樹脂製のケース本体の内側から外側に向かって延びた複数のインナーリード部を備えた固体撮像素子収容用ケースであって、
    前記ケース本体は、
    固体撮像素子が内部に配置される凹部と、
    前記凹部の底面の一部を構成し前記固体撮像素子が固定される領域と、
    この領域と前記インナーリード部の内側の基端部との間に位置する凹溝と、
    を備え、
    前記基端部と前記凹溝との間には樹脂材料が介在している、ことを特徴とする固体撮像素子収容用ケース。
  2. 前記凹溝の最大幅を規定する二側面間の領域内に前記基端部の先端が位置する、ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子収容用ケース。
  3. 前記領域は導電性のダイパッドから構成される、ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子収容用ケース。
  4. 前記凹溝の底面からの前記樹脂材料の高さH1、及び、前記インナーリード部の厚みH2は、以下の関係式:
    0.5≦H1/H2≦2
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子収容用ケース。
  5. 1つの前記インナーリード部の内側の基端部の周囲に位置する樹脂材料の幅W1、及び、前記基端部の幅W2は、以下の関係式:
    1.1≦W1/W2≦2.0
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子収容用ケース。
  6. 請求項1記載の固体撮像素子収容用ケースと、
    前記凹部内に固定された前記固体撮像素子と、
    前記凹部の開口を封止する透明板と、
    を備えたことを特徴とする固体撮像装置。
  7. 前記樹脂材料は、液晶ポリエステル樹脂、繊維状無機充填材、及びカーボンブラックを含む液晶ポリエステル組成物である、ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子収容用ケース。
  8. ダイパッドと、このダイパッドの周囲から離隔して外側に向かって延びた複数のリード端子と有するリードフレームを用意する工程と、
    対向する2つの金型で挟まれた空間内に前記リードフレームを配置する工程と、
    前記空間内に樹脂材料を注入する工程と、を備え、
    前記金型の一方は、
    前記ダイパッド及び前記リード端子のインナーリード部に接触する凸部と、
    前記凸部の頂面上に設定されるダイパッド設置用領域と、
    前記ダイパッド設置用領域と前記インナーリード部の内側の基端部との間に位置する凸条と、
    を備え、
    前記インナーリード部は双方の前記金型によって厚み方向に挟まれており、且つ、前記基端部と前記凸条との間には樹脂材料が充填される空間が存在している、ことを特徴とする固体撮像素子収容用ケースの製造方法。
  9. 前記樹脂材料は、液晶ポリエステル樹脂、繊維状無機充填材、及びカーボンブラックを含む液晶ポリエステル組成物であり、
    溶融させた上記液晶ポリエステル組成物を前記空間内に注入する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の固体撮像素子収容用ケースの製造方法。
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