JP2008047849A - 研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法 - Google Patents

研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板の上に形成された金属配線の研磨において、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能な研磨方法及びそれに用いる研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上である研磨ヘッドに固定した被研磨物を0.1〜5psiの研磨圧力で研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法に関するものであり、さらには、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属および/または金属化合物からなる配線の表面を機械的に平坦化する工程に利用できる研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法に関する。
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化が進んでいる。さらに、この高密度化に伴い、半導体デバイス製造箇所の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層により生じる半導体基板主面の凹凸が問題となっている。このため、積層により生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いた半導体基板の平坦化が検討されている(例えば、非特許文献1)。
一般にCMP装置は、被研磨物である半導体基板を保持する研磨ヘッド、被研磨物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体基板の研磨処理は研磨剤(砥粒)と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体基板と研磨パッドを相対運動させることにより、半導体基板表面の層の突出した部分を除去し、半導体基板表面の層を滑らかにするものである。
現在CMPで使用されている代表的な研磨パッドとしては、研磨層である微細発泡構造(気泡径:約30〜50μm)を有する硬質ポリウレタンにクッション層であるポリウレタン含浸不織布,軟質発泡ポリウレタン等を貼り合わせた二層構造の研磨パッドが挙げられる(例えば、特許文献1,非特許文献2)。
また、被研磨物の半導体基板上に設けられた研磨対象物としては、従来は二酸化珪素に代表される層間絶縁膜が大部分であったが、近年はアルミニウム,タングステン,銅に代表される金属配線にも対象が広がってきている。金属配線の研磨においては、被研磨物である金属が軟質であるため、研磨傷(スクラッチ)や配線部が凹状に削れるディッシング,エロージョンといった欠陥が発生しやすい、金属配線下部に存在する低誘電率絶縁膜(Low−k膜)が脆弱であるため膜剥がれが起こりやすいといった種々の問題があり、現状では研磨圧力の低減、すなわち低圧研磨によりこれらの欠陥の軽減が図られている。しかしながら一方で、低圧研磨においては研磨レートの低下や、半導体基板面内の研磨レートがばらつくことによる面内均一性(ユニフォーミティ)の悪化という問題があった。
すなわち、特に金属配線の研磨において、従来の研磨方法では欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が不十分であった。
日経マイクロデバイス1994年7月号、50〜57頁 特開2006−128563号公報 CMP技術大系、グローバルネット(株)発行(2006年)、478〜481頁
そこで本発明者らは、これらの課題を解決すべく研磨パッドの材質,構造、研磨スラリーの組成,供給量、研磨圧力,回転速度等の研磨条件等、CMPプロセス全般について鋭意検討を重ねた結果、特定の気泡径範囲、具体的には従来の研磨層よりも大きい気泡径範囲の研磨層を有する研磨パッドを使用し、低圧で研磨を行うことにより、研磨レートや面内均一性といった研磨特性の低下を伴わずにスクラッチ,ディッシング,エロージョンといった欠陥や膜剥がれを抑制できること、すなわち、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能であることを見出した。
従来の研磨層よりも大きい気泡径範囲の研磨層を有する研磨パッドを使用し、低圧で研磨を行うことにより、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能である理由は定かではないが、以下のように推定している。まず欠陥の低減については、被研磨物に対するダメージを低減すればよいと考えられるため、低圧での研磨による効果と考えられる。一方研磨特性については研磨層の気泡径により差が生じるものと考えられる。すなわち、従来の研磨層を使用して低圧で研磨した場合は、研磨層表面(被研磨物との接触面)と研磨層表面に露出した気泡の底部との段差(粗さ)が小さく、気泡内の研磨スラリー保持性が小さいため被研磨物と研磨層の間に厚いスラリー層が出来やすく、被研磨物が浮き上がったような状態となってしまうため研磨レートが低下し、面内均一性が悪化するのに対し、従来の研磨層よりも大きい気泡径範囲の研磨層を使用して低圧で研磨した場合は、研磨層表面と研磨層表面に露出した気泡の底部との段差(粗さ)が大きく、気泡内の研磨スラリー保持性が大きいために、被研磨物と研磨層の間のスラリー層が厚くならず、被研磨物の浮き上がりが抑止できるため研磨レートが低下せず、面内均一性も悪化しないものと考えられる。
本発明の目的は、半導体基板の上に形成された絶縁層または金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法において、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能な研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法を提供しようとするものであり、特に金属配線の研磨において顕著な効果を発揮できるものである。
上記課題の解決に本発明は以下の構成からなる。
「(1)研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmである研磨パッドを研磨定盤に固定し、研磨ヘッドに固定した被研磨物を0.1〜5psiの研磨圧力で研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
(2)研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上であることを特徴とする研磨パッド。
(3)ポリオールを主成分とする原料組成物に対し5〜50容量%の割合で気体を混合または溶解させた第1の原料組成物と、イソシアネートを主成分とする第2の原料組成物をミキシングヘッドで混合した後、600g/s以上の速度で成形用型に注入し、硬化することによって得られるポリウレタンフォームを研磨層に用いることを特徴とする研磨パッドの製造方法。」
本発明により、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能な研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法を提供することができる。また、特に半導体基板の上に形成された金属配線の表面を機械的に平坦化するための研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法において顕著な効果を発揮できる。
本発明の研磨方法は、欠陥の低減と研磨特性の維持を両立するために、研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmである研磨パッドを研磨定盤に固定し、研磨ヘッドに固定した被研磨物を0.1〜5psiの研磨圧力で研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行うことが必須である。
本発明の研磨方法において使用される研磨層は独立気泡を有することが必須である。連続気泡の場合は研磨時に研磨剤が研磨層内部に浸透し、硬度,弾性率等の研磨層物性が経時的に変化することで研磨特性が悪化するおそれがあるため好ましくない。
本発明の研磨方法において使用される研磨層の平均気泡径は100〜300μmであることが必須である。平均気泡径が100μm未満である場合は、低圧で研磨した場合に被研磨物と研磨層の間に厚いスラリー層が出来やすく、研磨レートが低下し、面内均一性が悪化する傾向があるため好ましくない。また、平均気泡径が300μmを超える場合は、研磨層の剛性が低下することで平坦化特性等の研磨特性が悪化したり、該研磨層を使用した研磨パッドの寿命が短くなる傾向があるため好ましくない。平均気泡径が100〜250μmであることがより好ましい。なお、平均気泡径とは研磨層断面を倍率200倍でSEM観察し、次に記録されたSEM写真の気泡径を画像処理装置で測定し、その平均値を取ることにより測定した値をいう。
本発明の研磨方法において使用される研磨パッドは、上述した研磨層のみを使用した単層のものであっても、研磨層に例えばクッション層等の他の層を積層した複層のものであってもいずれでも良い。研磨層にクッション層等の他の層を積層する方法は特に限定されるものではない。具体的には両面テープ,接着剤で貼り合わせる方法、熱融着させる方法等を挙げることができる。
本発明の研磨方法において研磨パッドを研磨定盤に固定する方法は特に限定されるものではない。具体的には両面テープ,接着剤で貼り合わせる方法,真空吸着する方法等を挙げることができる。
本発明の研磨方法において被研磨物を研磨ヘッドに固定する方法は特に限定されるものではない。具体的には両面テープ,接着剤,ワックス等で貼り合わせる方法,真空吸着する方法,水吸着する方法等を挙げることができる。これらの中でも被研磨物が傾斜なく固定できる点や研磨後の被研磨物の取り外しが簡便な点で真空吸着する方法,水吸着する方法が好ましい。
本発明の研磨方法における研磨圧力は0.1〜5psiの範囲であることが必須である。研磨圧力が0.1psi未満である場合は、研磨中に研磨ヘッドから被研磨物が外れてしまったり、研磨圧力の精密なコントロールが困難なため研磨特性が不安定になる傾向があるため好ましくない。また、研磨圧力が5psiを超える場合は、被研磨物にスクラッチが生じやすく、特に被研磨物が半導体基板上に設けられた金属および/または金属化合物である場合にはスクラッチ,ディッシング,エロージョンといった欠陥や膜剥がれが多発する傾向があるため好ましくない。研磨圧力が0.3〜4psiであることが好ましく、0.5〜3psiであることがさらに好ましい。
本発明の研磨方法においては、被研磨物を研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行うことが必須である。研磨ヘッド,研磨定盤の回転方向は特に限定されるものではない。また、研磨ヘッドおよび研磨定盤の両方を回転させる場合、各々の回転方向は同方向であっても逆方向であってもいずれでも良い。研磨ヘッド,研磨定盤の回転速度は特に限定されるものではない。また、研磨ヘッドおよび研磨定盤の両方を回転させる場合、各々の回転速度は同じであっても異なっていてもいずれでも良い。これらの中でも、研磨ヘッドおよび研磨定盤の両方を同方向に同じ回転速度で回転させることが、被研磨物の全表面で速度が一定となり均一に研磨することができるため好ましい。なお、本発明における研磨定盤としては一般的な軸を中心に回転運動するもの(ロータリー式)だけでなく、偏心軸が小円運動するもの(オービタル式),ベルト状のもの(リニア式)等、回転機構は特に限定されるものではなく研磨パッドを固定する部材については全て含まれるものである。
近年の研磨においては、研磨終点検知の目的で、研磨中に研磨パッドの裏側(定盤側)から、レーザー光または可視光を被研磨物の研磨面に照射して研磨状態を測定することが積極的に行われている。ここで使用される研磨パッドとしては研磨層そのものの光の透過率が不十分なことから、研磨層と、該研磨層に両面接着テープ等を介して積層されたクッション層とを有する積層パッドの所定位置に、該研磨層、両面接着テープおよびクッション層の全てを貫通する開口部が形成され、該開口部の研磨面側に気泡がなく透明な熱硬化型の硬質均一樹脂よりなる窓部材がはめ込まれているものが代表的である。しかし、一方でこの様な透明な硬質均一樹脂を窓部材とした研磨パッドでは、窓部材が被研磨面である基板表面に接触することから、基板表面にスクラッチが生じやすい、窓部材の剥離によりスラリーが漏れる、研磨層とクッション層に異なる形状の開口部を作成するために製造プロセスが煩雑になるという問題がある。
このような問題に鑑み、本発明の研磨パッドとして、研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上である研磨パッドを使用することにより、窓部材を設けなくても研磨層を通じて光学的な研磨状態の測定および研磨終点検知が可能である。なお、その際には、研磨層の下層に位置する粘着テープ、クッション層との積層パッドとする場合にはさらにその下層に位置するクッション層および粘着テープに500〜850nmの波長の光線透過率が可能な限り高いものを使用することが終点検知精度向上のために好ましく、研磨層の下層に位置する粘着テープ、クッション層との積層パッドとする場合にはさらにその下層に位置するクッション層および粘着テープの研磨装置の光学的終点検知機構に位置する部分をくり抜くことがより好ましい。窓部材を設けないことで上述した全ての問題を解決することが可能である。なお、研磨層の1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率は高いほど研磨終点検知の精度が高くなるため好ましく特に上限はないが、65%以上、さらには70%以上であることがより好ましい。なお、本発明の透過率とは、日立製作所(株)製U−3410分光光度計を使用して測定して得られたサンプルの透過率の値からランベルト・ベール式t1=t(1/L)を用いて1mm厚さ当たりの値に換算したものである。ここで、t1は1mm厚さ当たりの透過率、tは分光光度計から得られたサンプルの透過率、Lはサンプルの厚み(mm)である。
また、本発明の研磨パッドにおいては、研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合が10%以下である研磨パッドとすることが、研磨層の1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率を高くでき、研磨終点検知の精度が高くできるため好ましい。研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合は低いほど好ましく特に下限はないが、5%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の研磨方法においては、研磨パッドに上記の研磨パッド、すなわち、研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上である研磨パッドを研磨定盤に固定し、研磨ヘッドに固定した被研磨物を0.1〜5psiの研磨圧力で研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨層を通じて被研磨物の研磨状態を光学的に測定しながら、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行うことが、欠陥の低減と研磨特性の維持を両立しながら、窓部材を設けなくても研磨層を通じて光学的な研磨状態の測定および研磨終点検知が可能であることから好ましく、さらには、研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合が10%以下である研磨パッドを使用することが、研磨層の1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率を高くでき、研磨終点検知の精度が高くできるため好ましい。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける研磨層の材質は特に限定されるものではない。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリイミド、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、ベークライト、エポキシ樹脂/紙,エポキシ樹脂/繊維等の各種積層板、FRP、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴム等を使用することができる。
研磨層への発泡構造の形成方法としては公知の方法が使用できる。例えば、単量体もしくは重合体中に各種発泡剤を配合し、後に加熱等により発泡させる方法、単量体もしくは重合体中に中空のマイクロビーズを分散して硬化させ、マイクロビーズ部分を独立気泡とする方法、溶融した重合体を機械的に撹拌して発泡させた後、冷却硬化させる方法、重合体を溶媒に溶解させた溶液をシート状に成膜した後、重合体に対する貧溶媒中に浸漬し溶媒のみを抽出する方法、単量体を発泡構造を有するシート状高分子中に含浸させた後、重合硬化させる方法等を挙げることができる。これらの中でも研磨層の発泡構造の形成や気泡径のコントロールが比較的簡便であり、また研磨層の作製も簡便な点で、単量体を発泡構造を有するシート状高分子中に含浸させた後、重合硬化させる方法が好ましい。
発泡構造を有するシート状高分子の材質は、単量体が含浸できるものであれば特に限定されるものではない。具体的にはポリウレタン、ポリウレア、軟質塩化ビニル、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴム等を主成分とした樹脂シートや布、不織布、紙等が挙げられる。また、これらのシート状高分子には、製造される研磨パッドの特性改良を目的として、研磨剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、安定剤等の各種添加剤が添加されていても良い。これらの中でも、気泡径が比較的容易にコントールできる点でポリウレタンを主成分とする素材が好ましい。
ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの対称として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるものではない。ポリヒドロキシ基含有化合物としてはポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。硬度,気泡径および発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオール、および触媒、発泡剤、整泡剤の組み合わせや最適量を決めることが好ましい。
発泡構造を有するシート状高分子の平均気泡径は、製造される研磨層の平均気泡径が100〜300μmの範囲になるのであれば特に限定されるものではない。
発泡構造を有するシート状高分子の密度は、使用する単量体およびシート状高分子の種類や、製造される研磨層の特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えばポリウレタンを使用する場合は0.5〜1.0g/cm3であることが好ましい。0.5g/cm3より低いと製造される研磨層の剛性の低下により平坦化特性が悪化する傾向があり、1.0g/cm3より高いと製造される研磨層の剛性の増大によりユニフォーミティが悪化したり、研磨後の半導体基板表面にスクラッチ,ダストが発生しやすい傾向があるため、あまり好ましくない。0.6〜0.9g/cm3であることがさらに好ましい。なお、密度は日本工業規格(JIS)K 7222記載の方法により測定した値をいう。
本発明で使用されるシート状高分子がポリウレタンフォームである場合、その成形方法はポリオールを主成分とする原料組成物に対し5〜50容量%の割合で気体を混合または溶解させた第1の原料組成物と、イソシアネートを主成分とする第2の原料組成物を、ミキシングヘッドで混合した後、600g/s以上の速度で成形用型に注入し、硬化することによって得られたポリウレタンフォームを使用することが、平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上であり、かつ研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合が10%以下である研磨層を製造できるため好ましい。ポリオールを主成分とする原料組成物中に、混合または溶解される気体は、気泡径の制御,原料注入時の流動性向上に作用する。混合または溶解される気体の量が5容量%を下回ると、気泡径の制御,原料注入時の流動性向上効果が小さくなるため、得られるポリウレタンフォームの気泡径は増大するものの、気泡径分布が大きくなり、密度が高くなる傾向があり、50容量%を超えると原料の特性上や装置の性能上、混合または溶解が困難となる傾向がある。ポリオールを主成分とする原料組成物に対し7〜40容量%の気体を混合または溶解することが、気泡径の制御,原料注入時の流動性向上効果を安定して得る上でより好ましい。気体の混合または溶解方法は特に限定されるものではない。原料組成物の入った原料タンクの背圧を溶解させる気体で加圧状態にし、原料組成物をミキサーで撹拌する方法が簡便であり好ましい。また、気体の混合または溶解量の測定と原料の撹拌速度を自動制御できる市販の装置(例えば、ポリマーエンジニアリング(株)製エアーローディングユニット“TA−200A−12”)を使用すれば、気体の混合または溶解量の調整が簡便に可能であるため好ましい。気体の種類は特に限定されるものではない。具体的には空気,窒素,アルゴン,ヘリウム,二酸化炭素等が挙げられる。これらの中でも、気体の混合または溶解量の制御が容易な点から、空気,窒素,アルゴンから選ばれる少なくとも一種の気体を使用することが好ましい。ポリオールを主成分とする原料組成物とイソシアネートを主成分とする原料組成物を別々の原料タンク内で気体の混合または溶解や温度調節をした後に、計量ポンプにより所定量をミキシングヘッドに供給し、混合すると同時に600g/s以上の速度で成形用型に注入、硬化することで所望のポリウレタンフォームを得ることができる。注入速度は600g/s以上であることが好ましい。600g/s以下である場合は得られるポリウレタンフォームの気泡径が小さくなる傾向がある。上限は特にないが、一般的な成形装置の吐出量から1500g/s以下であることが好ましい。注入速度が700g/s〜1200g/sの範囲であることがさらに好ましい。
単量体は付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の重合反応をするものであれば種類は特に限定されるものではない。具体的にはビニル化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、シート状高分子への含浸,重合が容易な点でビニル化合物が好ましい。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレートがシート状高分子への含浸,重合が容易な点で好ましい。なお、これらの単量体は1種であっても2種以上を混合しても良い。また、これらの単量体には、製造される研磨層の特性改良を目的として、研磨剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、安定剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等の各種添加剤が添加されていても良い。
本発明の研磨パッドにおいては、研磨層の気泡径等の構造や硬度,剛性等の物性のコントロールが比較的簡便で、また研磨層の作製も簡便な点で、研磨層がポリウレタンおよびビニル化合物から重合される重合体を含有することが好ましい。
本発明の研磨パッドの研磨層に使用される単量体の重合開始剤,硬化剤としては特に限定されるものではなく、単量体の種類に応じて適宜使用することができる。例えば単量体にビニル化合物を使用した場合は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を使用することができる。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類の組み合わせを使用することもできる。また、これらの重合開始剤,硬化剤は、1種であっても2種以上を混合しても使用できる。
また、本発明の研磨パッドにおける研磨層の製造方法としては、単量体が入った容器中で発泡構造を有するシート状高分子に単量体を接触させ、内部に該単量体を含有させて重合・硬化させる方法が採用できる。なお、その際、含浸速度を速める目的で、加熱、加圧、減圧、攪拌、振盪、超音波振動等の処理を施すことも好ましい。
発泡構造を有するシート状高分子中への単量体の含浸量は、使用する単量体およびシート状高分子の種類や、製造される研磨層の特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えば単量体としてメチルメタクリレート、シート状高分子としてポリウレタンを使用した場合においては、重合硬化物中の単量体から重合される重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で30/70〜70/30であることが好ましい。単量体混合物から得られる重合体の含有比率が重量比で30に満たない場合は、硬度,剛性の低下により平坦化特性が不良になる傾向があるため好ましくない。また、含有比率が70を越える場合は、硬度,剛性の増大によりユニフォーミティが悪化したり、ダスト、スクラッチが増加する傾向にあるため好ましくない。単量体から重合される重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で35/65〜65/35であることがさらに好ましい。なお、重合硬化物中の単量体から得られる重合体およびポリウレタンの含有率は熱分解ガスクロマトグラフィ/質量分析手法により測定することができる。本手法で使用できる装置としては、熱分解装置としてダブルショットパイロライザー“PY−2010D”(フロンティア・ラボ社製)を、ガスクロマトグラフ・質量分析装置として、“TRIO−1”(VG社製)を挙げることができる。
重合硬化方法としては、単量体を含浸した発泡構造を有するシート状高分子をガスバリア性材料内に密閉し加熱する方法が挙げられるが、この方法に限定されるものではない。ガスバリア性の材料としては、無機ガラス、アルミニウム,銅,鉄,SUS等の金属、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVAL),ポリアミド等のガスバリア性を有する樹脂,フィルム、多層押出成型やラミネート,コーティング等の方法により作製された、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVAL),ポリアミド等のガスバリア性を有する樹脂とポリオレフィン系樹脂の積層樹脂,フィルム、アルミニウム,酸化アルミニウム(アルミナ),二酸化珪素(シリカ)を蒸着したポリオレフィン系樹脂,フィルム、およびこれらとポリオレフィン系樹脂の積層樹脂,フィルム等が挙げられる。単量体を含浸した発泡構造を有するシート状高分子をガスバリア性材料内に密閉する方法は、特に限定されるものではない。具体的には、シート状高分子の周囲に軟質塩化ビニル,ネオプレンゴム,ブタジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム等のガスバリア性を有する弾性体からなるガスケットを配し、そのガスケットを介して2枚のガスバリア性材料からなる板でシート状高分子を挟み込む方法、ガスバリア性材料からなる筐体中にシート状高分子を挿入し密閉する方法、ガスバリア性フィルムからなる袋中にシート状高分子を挿入し密閉する方法等が挙げられる。また、袋のように重合硬化中に破れる可能性がある場合においては、それをさらにガスバリア性を有する筐体中に入れることも好ましい。なお、ガスバリア性材料内に密閉せずに重合硬化した場合には、シート状高分子から単量体が揮発することにより、製造される研磨層の品質再現性が不十分になる傾向があり、この結果、研磨特性が不安定になる傾向があるため好ましくない。なお、ここでのガスバリア性材料とは、単量体を含浸した発泡構造を有するシート状高分子を挿入し密閉した際に単量体が外部に揮発しない材料をいう。
また、発泡構造を有するシート状高分子への単量体の含浸工程、単量体を含浸した発泡構造を有するシート状高分子の、ガスバリア性材料内への挿入工程の順序は特に限定されるものではない。具体的には、(1)単量体が入った槽中にシート状高分子を浸漬して単量体を含浸させた後、槽から取り出し、ガスバリア性材料内へ挿入,密閉する方法。(2)シート状高分子をガスバリア性材料内へ挿入した後、モールド内に単量体を注入,密閉し、単量体を含浸させる方法。を挙げることができる。中でも、(2)は単量体臭気の飛散がなく作業環境が良好な点で好ましい。
重合硬化のための加熱方法も特に限定されるものではない。具体的には熱風オーブン等の空気浴での加熱、水浴,油浴での加熱、ジャケット,ホットプレスによる加熱等が挙げられる。中でも熱媒体の熱容量が大きく、重合硬化時の重合発熱の速やかな放散が可能な点で、水浴,油浴,ジャケットでの加熱が好ましい。加熱温度,時間は、単量体,重合開始剤の種類,量、樹脂板の厚み等により定められるべきものであるが、例えば単量体にメチルメタクリレート、重合開始剤にアゾビスイソブチロニトリル,シート状高分子にポリウレタンを使用した場合においては、70℃,10時間程度加熱後、120℃,3時間程度加熱することにより重合硬化することができる。
なお、加熱以外の重合硬化方法としては光,電子線,放射線照射による重合硬化を挙げることができる。なお、その際、単量体中には必要に応じて重合開始剤,増感剤等を配合することが好ましい。
重合硬化物は、例えば単量体にビニル化合物,シート状高分子にポリウレタンを使用した場合、ビニル化合物から得られる重合体とポリウレタンを一体化して含有することが、研磨層にした際、その全面において研磨特性が安定するため好ましい。ここで、ビニル化合物から得られる重合体とポリウレタンを一体化して含有するとは、ビニル化合物から得られる重合体の相とポリウレタンの相が分離された状態ではないという意味であるが、定量的に表現すると、研磨層の中で研磨機能を本質的に有する層の色々な箇所をスポットの大きさが50μmの顕微赤外分光装置で観察した赤外スペクトルが、ビニル化合物から得られる重合体の赤外吸収ピークとポリウレタンの赤外吸収ピークを有しており、色々な箇所の赤外スペクトルがほぼ同一であることである。ここで使用される顕微赤外分光装置としては、“IRμs”(SPECTRA−TECH社製)を挙げることができる。
重合硬化物を必要な厚みまで表,裏面を研削加工するか、必要な厚みにスライス加工することで研磨層を完成することができる。なお、研削加工にはNCルーター,ダイヤモンドディスク,ベルトサンダー等の装置等、スライス加工としてはバンドナイフ,かんな板等の装置等、特に限定されるものではなく公知の装置を使用することができる。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける研磨層の厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。0.1mmより薄いと該研磨パッドの下地として好ましく使用されるクッション層またはその下層に位置する研磨定盤の機械的特性が、該研磨層そのものの機械的特性よりも研磨特性に顕著に反映されるようになり、一方、10mmより厚いとクッション層の機械的特性が反映されなくなり、半導体基板のうねりに対する追随性が低下しユニフォーミティが悪化する傾向がある。また、光学的終点検知を行う場合においては光線透過率の低下により終点検知精度が低くなる問題がある。0.2〜5mm、さらには0.5〜3mmであることがより好ましい。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける研磨層の密度は0.5〜1.0g/cm3であることが好ましい。0.5g/cm3より低いと製造される研磨層の剛性の低下により平坦化特性が悪化する傾向があり、1.0g/cm3より高いと製造される研磨層の剛性の増大によりユニフォーミティが悪化したり、研磨後の半導体基板表面にスクラッチ,ダストが発生しやすい傾向があるため、あまり好ましくない。0.6〜0.9g/cm3であることがさらに好ましい。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける研磨層の表面には、研磨スラリーの保持性,流動性の向上、研磨層表面からの研磨屑除去効率の向上等を目的として、溝,孔等の加工を施すことが好ましい。研磨層表面への溝,孔の形成方法は特に限定されるものではない。具体的には、研磨層表面をルーター等の装置を使用して切削加工することにより溝を形成する方法、研磨層表面に加熱された金型,熱線等を接触させ、接触部を溶解させることにより溝を形成する方法、溝の形成された金型等を使用し、初めから溝を形成した研磨層を成形する方法、ドリル,トムソン刃等で孔を形成する方法等が挙げられる。また、溝,孔の形状,径も特に限定されるものではない。具体的には、碁盤目状、ディンプル状、スパイラル状、同心円状等が挙げられる。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける研磨パッドは、単層でも複数の層から構成されていても好ましく使用することができる。ただし、本発明における研磨パッドをCMPによる半導体基板の平坦化に使用する場合は、半導体基板のうねりへの追随性に優れる点から、研磨パッドは硬度の異なる少なくとも二つの層から構成されてなることが好ましい。さらに研磨パッドを構成する層の硬度は、最表面の硬度が、隣接する層の硬度よりも高いことが好ましい。この場合、最表面の硬度の高い層が研磨層、それに隣接する硬度の低い層がクッション層として機能する。すなわち、単層の場合は研磨層、両面粘着テープまたは接着剤をこの順に貼り合わせたもの、二層の場合は研磨層、両面粘着テープまたは接着剤、クッション層、両面粘着テープまたは接着剤をこの順に貼り合わせたものとなる。
最表面の層すなわち研磨層の硬度は、マイクロゴムA硬度で80度以上であることが好ましい。マイクロゴムA硬度が80度未満である場合は、平坦化特性が悪化する傾向があるため好ましくない。90度以上であることがさらに好ましい。最表面の層に隣接する層すなわちクッション層の硬度は、研磨層の硬度より低いことが好ましく、良好なクッション性を得るためには10度以上低いことがより好ましい。なお、本発明におけるマイクロゴムA硬度とは、高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計MD−1で測定した値をいう。マイクロゴム硬度計MD−1は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物,小物の試料の硬度測定を可能にしたものであり、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして設計,製作されているため、その測定値は、スプリング式ゴム硬度計A型での測定値と同一のものとして考えることができる。なお、通常の研磨パッドは、研磨層または硬質層の厚みが5mm以下と薄すぎるため、スプリング式ゴム硬度計は評価できないが、該マイクロゴム硬度計MD−1では評価できる。
クッション層の材質は特に限定されるものではない。具体的には現在一般的に使用されているポリウレタン含浸不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の各種プラスチックの発泡体、ネオプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴムおよびその発泡体等を使用することができる。また、クッション層が発泡体である場合、その気泡は連続気泡、独立気泡のどちらでも良い。気泡の形成方法としては特に限定されるものではない。具体的には、クッション層材質中に発泡剤を混合したのち加熱発泡させる方法、クッション層材質中に熱膨張性の微粒子を混合したのち加熱し微粒子を発泡させる方法、クッション層材質中に中空微粒子を混合したのち硬化する方法、クッション層材質中に気泡を機械的に混合した後硬化する方法、クッション層材質を良溶媒中に溶解した溶液を貧溶媒中に浸漬し、湿式凝固する方法等が挙げられる。
クッション層の好ましい厚みは、0.1〜10mmである。0.1mmより小さい場合は、ユニフォーミティが悪化する傾向がある。また10mmより大きい場合は、グローバル平坦性,ローカル平坦性が損なわれる傾向がある。0.2〜5mm、さらには0.5〜3mmであることが好ましい。
本発明の研磨方法では、半導体基板の研磨を行う前に、ドレッサーを用いて研磨パッド表面を粗化することが、良好な研磨特性を得るために好ましく実施される。ドレッサーはダイヤモンドの砥粒を電着して固定したホイールである。ダイヤモンド砥粒の粒径は10μmから300μmの範囲で選ぶことができる。ドレッサーの押し付け圧力は特に限定されるものではない。また、1回または複数回の研磨を終了後、次の研磨の前にドレッサーを用いて研磨パッドをコンディショニングするバッチドレッシング、研磨と同時にドレッシングを行うインサイチュドレッシングのいずれについても、研磨速度を安定させるために好ましく実施することができる。
本発明の研磨方法、研磨パッドにおける被研磨物は特に限定されるものではない。具体的には、半導体基板,光学ガラス,光学レンズ,磁気ヘッド、ハードディスク、液晶ディスプレイ用カラーフィルター,プラズマディスプレイ用背面板等の光学部材、セラミックス、サファイア等を挙げることができる。これらの中でも特に半導体基板への適用が好ましい。さらに具体的には、半導体基板上に設けられた絶縁層,金属および/または金属化合物からなる配線の表面が被研磨物として好ましい。具体的には、絶縁層としては金属配線の層間絶縁膜や下層絶縁膜、素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーション(STI)等を、また金属配線としてはアルミニウム,タングステン,銅等を挙げることができ、構造的にはダマシン、デュアルダマシン、プラグ等がある。絶縁膜は現在二酸化珪素が主流であるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜の使用が検討されつつあり、本発明においてはそのいずれも被研磨物となり得る。また金属配線に銅を使用した場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。これらの中でも、研磨レートや面内均一性といった研磨特性の低下を伴わずにスクラッチ,ディッシング,エロージョンといった欠陥や膜剥がれを抑制できるという本発明の特性から、被研磨物が半導体基板上に設けられた金属および/または金属化合物からなる配線である場合に好ましく適用することができる。
本発明により、欠陥の低減と研磨特性の維持の両立が可能な研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法を提供することができる。
以下、実施例によって、さらに本発明の詳細を説明する。なお、研磨パッドの各種評価は以下のようにして行った。
研磨層およびクッション層のマイクロゴムA硬度は、マイクロゴムA硬度計“MD−1”(高分子計器(株)製)により測定した。
研磨層の密度は、JIS K 7222記載の方法により測定した。
研磨層の平均気泡径,気泡径分布は、走査型電子顕微鏡“SEM2400”(日立製作所(株)製)を使用し、パッド断面を倍率200倍で観察した写真を画像処理装置で解析することにより、写真中に存在するすべての気泡径を計測し、その平均値を平均気泡径とした。また、すべての気泡径の計測から気泡径分布を算出した。
研磨層の光線透過率は、日立製作所(株)製U−3410分光光度計を使用して500〜850nmの波長の光線透過率を測定後、その平均値を算出し、ランベルト・ベール式t1=t(1/L)を用いて1mm厚さ当たりの値に換算した。ここで、t1は1mm厚さ当たりの透過率、tは分光光度計から得られたサンプルの透過率、Lはサンプルの厚み(mm)である。
研磨評価は以下のようにして行った。
1.研磨レート,ユニフォーミティ,スクラッチ
(1)テストウェーハ
半導体基板として、8インチシリコンウェーハの上にメッキ法で銅を厚み2μm形成したものを使用した。
(2)評価方法
研磨パッドを研磨機“MIRRA(登録商標)”(アプライドマテリアル社製)の定盤上に貼り付け、表面のCu膜の厚みをあらかじめ金属膜厚計“VR−120S”(日立国際電気(株)製)を使用して測定したテストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用組成の研磨スラリー“iCue5003”(キャボット・マイクロエレクトロニクス・ジャパン(株)製)を150ml/分で研磨パッド上に供給しながら、所定の研磨圧力、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間研磨を行った後、研磨後のCu膜の厚みを金属膜厚計“VR−120S”(日立国際電気(株)製)を使用して測定し、下記(1)式により各々の点での研磨レートを、下記(2)式によりユニフォーミティをそれぞれ算出した。
研磨レート=(研磨前の酸化膜の厚み−研磨後の酸化膜の厚み)/研磨時間 ……(1)。
ユニフォーミティ(%)=(最大研磨速度−最小研磨速度)/(最大研磨速度+最小研磨速度)×100 ……(2)。
次にゴミ検査装置“WM−3” ((株)トプコン製)で0.2μm以上のスクラッチをカウントした。
2.ディッシング
(1)テストウェーハ
半導体基板として、8インチシリコンウェーハに100μm幅で深さが0.7μmの溝をスペースが100μm間隔で形成し、この上にメッキ法で銅を厚み2μm形成したものを使用した。
(2)評価方法
研磨パッドを研磨機“MIRRA(登録商標)”(アプライドマテリアル社製)の定盤上に貼り付け、テストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用組成の研磨スラリー“iCue5003”(キャボット・マイクロエレクトロニクス・ジャパン(株)製)を150ml/分で研磨パッド上に供給しながら、所定の研磨圧力、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、150秒間研磨を行った後、段差測定装置“P−15”(KLAテンコール社製)を使用してテストウェーハの銅配線中央部の厚みと銅配線縁部の厚みを測定し、その差をディッシング量とした。
3.研磨終点検知
終点検知機能の付いた研磨機“MIRRA(登録商標)”(アプライドマテリアル社製)で、終点検知機能を使用して上記研磨を行い、終点検知の可否を判断した。
実施例1
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.1重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)0.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液と、液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量800g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:47度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:95μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。
次に該発泡ポリウレタンシートを、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加したメチルメタクリレートに45分間浸漬した。次にメチルメタクリレートが含浸した該発泡ポリウレタンシートを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。ガラス板間から離型した後、50℃で真空乾燥を行った。このようにして得られた硬質発泡シートの両面を厚み2mmまで研削加工することにより研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.77g/cm3、平均気泡径は124μm、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。該研磨層を直径508mmの円に切り取り、その表面に幅1mm、深さ0.8mm、ピッチ幅25mmの格子状の溝加工を施した。次に該研磨層に両面粘着テープ“442JS” (住友スリーエム(株)製)を貼り付け、それをクッション層である不織布湿式ポリウレタン(厚み1mm、マイクロゴムA硬度53度)の上に貼り合わせ、さらにクッション層の下に両面粘着テープ“442JS”(住友スリーエム(株)製)を貼り付けて二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨レートは7200オングストローム/分であった。ユニフォーミティは4%であった。スクラッチは29本であった。ディッシングは90オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
実施例2
液温を25℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.1重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)0.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液と、液温を25℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量1000g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:48度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:152μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。該発泡ポリウレタンシートを使用した以外は実施例1と同様にして研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.79g/cm3、平均気泡径は192μm、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。次に該研磨層を使用した以外は実施例1と同様にして二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨レートは7400オングストローム/分であった。ユニフォーミティは4%であった。スクラッチは31本であった。ディッシングは80オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
比較例1
実施例1と同様にして作製して二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力5.5psiで研磨評価を行った。研磨レートは13100オングストローム/分であった。ユニフォーミティは23%であった。スクラッチは340本であった。ディッシングは820オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察された。
比較例2
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1.5重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.15重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)1.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液と、液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量500g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:48度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:38μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。該発泡ポリウレタンシートを使用した以外は実施例1と同様にして研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.78g/cm3、平均気泡径は44μm、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。次に該研磨層を使用した以外は実施例1と同様にして二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨レートは5600オングストローム/分であった。ユニフォーミティは10%であった。スクラッチは23本であった。ディッシングは80オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
比較例3
比較例2と同様にして作製して二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力5.5psiで研磨評価を行った。研磨レートは11400オングストローム/分であった。ユニフォーミティは26%であった。スクラッチは350本であった。ディッシングは650オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察された。
比較例4
ポリエーテル系ウレタンポリマ“アジプレン(登録商標)”L−325(ユニローヤル社製)78重量部と、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)20重量部と、中空高分子微小球体“エクスパンセル(登録商標)”551DE(ケマノーベル社製)1.8重量部をRIM成型機で混合して金型に吐出して高分子成形体を作製した。この高分子成形体をスライサーで厚み1.25mmにスライスして、硬質発泡ポリウレタンのシートを作製し研磨層とした。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は98度,密度は0.81,平均気泡径は33μmであった。次に該研磨層を使用した以外は実施例1と同様にして二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨レートは5010オングストローム/分であった。ユニフォーミティは11%であった。スクラッチは103本であった。ディッシングは260オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
実施例3
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.1重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)0.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液に窒素を12%溶解させた後、A液と液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量800g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:47度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:98μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。
次に該発泡ポリウレタンシートを、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加したメチルメタクリレートに45分間浸漬した。次にメチルメタクリレートが含浸した該発泡ポリウレタンシートを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。ガラス板間から離型した後、50℃で真空乾燥を行った。このようにして得られた硬質発泡シートの両面を厚み2mmまで研削加工することにより研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.77g/cm3、平均気泡径は124μm、50μm以下の気泡の割合は8%、研磨層1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率は67%、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。該研磨層を直径508mmの円に切り取り、その表面に幅1mm、深さ0.8mm、ピッチ幅25mmの格子状の溝加工を施した。次に該研磨層に両面粘着テープ“442JS” (住友スリーエム(株)製)を貼り付け、それをクッション層である不織布湿式ポリウレタン(厚み1mm、マイクロゴムA硬度53度)の上に貼り合わせ、さらにクッション層の下に両面粘着テープ“442JS”(住友スリーエム(株)製)を貼り付けて二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨評価において終点検出が精度良く可能であった。研磨レートは7200オングストローム/分であった。ユニフォーミティは5%であった。スクラッチは26本であった。ディッシングは90オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
実施例4
液温を25℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.1重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)0.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液に窒素を15%溶解させた後、A液と液温を25℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量1000g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:48度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:148μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。該発泡ポリウレタンシートを使用した以外は実施例1と同様にして研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.79g/cm3、平均気泡径は192μm、50μm以下の気泡の割合は4%、研磨層1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率は71%、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。次に該研磨層を使用した以外は実施例1と同様にして二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨評価において終点検出が精度良く可能であった。研磨レートは7300オングストローム/分であった。ユニフォーミティは4%であった。スクラッチは23本であった。ディッシングは80オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。
比較例5
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:”サンニックス(登録商標) FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:エチレングリコール8重量部,アミン触媒:”Dabco(登録商標) 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1.5重量部,アミン触媒:”Toyocat(登録商標) ET”(東ソー(株)製)0.15重量部,シリコーン整泡剤:”TEGOSTAB(登録商標) B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)1.5重量部,発泡剤:水0.2重量部を混合してなるA液に窒素を10%溶解させた後、A液と液温を40℃に保ったイソシアネート:”サンフォーム(登録商標) NC−703”95重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧15MPaで衝突混合した後、60℃に保った金型内に吐出量500g/secで吐出し、10分間放置することで、大きさ700×700mm,厚み10mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:48度,密度:0.77g/cm3、平均気泡径:38μm)を作製した。その後、該発泡ポリウレタンブロックをスライサーで厚み3mmにスライスした。該発泡ポリウレタンシートを使用した以外は実施例1と同様にして研磨層を作製した。得られた研磨層のマイクロゴムA硬度は92度、密度は0.78g/cm3、平均気泡径は44μm、50μm以下の気泡の割合は64%、研磨層1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率は49%、研磨層中のポリメチルメタクリレートの含有率は55重量%であった。次に該研磨層を使用した以外は実施例1と同様にして二層の研磨パッドを作製し、研磨圧力2psiで研磨評価を行った。研磨評価において終点検出の精度が悪く不安定であった。研磨レートは5700オングストローム/分であった。ユニフォーミティは10%であった。スクラッチは25本であった。ディッシングは80オングストロームであった。また、研磨後のテストウェーハ表面には膜剥がれが観察されなかった。

Claims (7)

  1. 研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmである研磨パッドを研磨定盤に固定し、研磨ヘッドに固定した被研磨物を0.1〜5psiの研磨圧力で研磨パッドと接触せしめた状態で、研磨ヘッドおよび/または研磨定盤を回転せしめて研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
  2. 研磨パッドの研磨層の1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上であり、研磨層を通じて被研磨物の研磨状態を光学的に測定しながら研磨を行う請求項1記載の研磨方法。
  3. 被研磨物が半導体基板であることを特徴とする、請求項1または2に記載の研磨方法。
  4. 被研磨物が半導体基板上に設けられた絶縁層ならびに金属および/または金属化合物からなる配線であることを特徴とする、請求項1または2に記載の研磨方法。
  5. 研磨層が独立気泡を有し、その平均気泡径が100〜300μmであり、かつその1mm当たりの厚さに対する500〜850nmの波長の光線透過率が60%以上であることを特徴とする研磨パッド。
  6. 研磨層の全気泡中に占める気泡径50μm以下の気泡の割合が10%以下であることを特徴とする、請求項5記載の研磨パッド。
  7. ポリオールを主成分とする原料組成物に対し5〜50容量%の割合で気体を混合または溶解させた第1の原料組成物と、イソシアネートを主成分とする第2の原料組成物をミキシングヘッドで混合した後、600g/s以上の速度で成形用型に注入し、硬化することによって得られるポリウレタンフォームを研磨層に用いることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
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