JP2008046267A - 光硬化性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(I)で表される化合物光重合開始剤、(A)比表面積が110m2/g以下でかつpHが2〜9のカーボンブラック、(B)シリカ被覆カーボンブラック、及び(C)樹脂被覆カーボンブラックからなる群より選択される1種以上の黒色顔料、重合性化合物を含有する光硬化性着色組成物及びそれを用いて得られたカラーフィルタである。一般式(I)中、X、Yは塩素原子又は臭素原子を表す。m、nは、0、1又は2を表す。
【選択図】なし
Description
着色剤として染料を用いる場合でも、顔料を用いる場合でも、カラーフィルタ作製用の着色硬化性組成物中における着色剤の含有率を高くすることが必須となるが、他方、該着色硬化性組成物を硬化させるために必要な成分である光重合開始剤及び光重合性モノマーの含有量が制限される、或いは、効果のための露光波長光がガラス支持体界面へ届くことが妨げられるなどの問題が生じやすくなり、硬化性着色組成物の高感度化や支持体への高密着化が必要となる。
また、大画面化された場合には、カラーフィルタ作製後の微少欠陥が、歩留まりを大きく左右するため、結果的に着色パターンを形成する硬化性組成物の耐熱性や耐光性等も従来よりも高いレベルでの安定化が求められている。
以上のように、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有する硬化性着色組成物、及びそれを用いて得られた解像力と支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタが望まれているが、未だ提供されていないのが現状である。
即ち、本発明の目的は、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、高解像度のパターンを形成することができ、且つ、ガラス基材との密着性に優れた着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの作製に有用な、光硬化性着色組成物、及び、それを用いて得られた高解像度で支持体との密着性に優れた着色パターンを備えるカラーフィルタを提供することにある。
<2> ガラス支持体上に、<1>に記載の光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を設けてなる積層体をパターン露光して光硬化性着色層の露光領域を硬化させ、未露光領域を現像して得られる着色パターンを備えるカラーフィルタ。
本発明の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
黒色顔料として有用なカーボンブラックは自己凝集性が高く、均一分散が困難であり、また、本発明に使用されるトリアジン環構造を有する光重合開始剤も、高感度ではあるがその構造に起因して自己凝集しやすいことが知られている。本発明の光硬化性着色組成物中に用いられる特定光重合開始剤は、前記した特定のカーボンブラックと非常に親和性が高く、塗膜状態において、開始剤とカーボンブラックの存在が互いに反発することなく、均一に分散することとなり、その結果、形成された被膜中の全域にわたって、光硬化成分と光重合開始剤との空間的距離が小さくなり、不均一な分散状態の場合と比較して、実質的に光硬化効率が向上し、高感度化したものと考えられる。
均一な分散状態の光硬化性着色を露光、硬化して得られた硬化膜は、効率のよい硬化反応に起因して膜自体の強度が向上すると共に、下層との均一に密着しており、硬化膜の高密着性を達成したものと考えている。一方、未露光部では、現像液浸透性が均一化することで、速やかに塗布膜が溶解し、優れた現像性が発現され、露光部の強度と未露光部の現像性が両立し、微細なパターンであっても良好なパターン形成性が発現され、高解像度が可能となったものと考えている。
さらに、前記本発明の光硬化性着色組成物を用いることで、高解像度で支持体との密着性に優れた着色パターンを備えるカラーフィルタを提供することができる。
〔光硬化性着色組成物〕
本発明の光硬化性着色組成物は、(1)下記一般式(I)で表される光重合開始剤(以下、適宜「特定開始剤」と称する。)、(2)(A)比表面積が110m2/g以下でかつpHが2〜9のカーボンブラック、(B)シリカ被覆カーボンブラック、及び(C)樹脂被覆カーボンブラックからなる群より選択される1種以上の黒色顔料、及び、(3)付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物を含有する光硬化性着色層を有することを特徴とする。
以下、本発明に係る光硬化性着色組成物に含有される各成分について順次説明する。
本発明の硬化性着色層は、この分子内にトリアジン環構造を含む特定の光重合開始剤を含有する。
上記アルキル基、アリール基、アルコキシ基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
上記アルキル基及びアリール基はさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基の例としては、フェニル基等のアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、アシル基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホニル誘導体等が挙げられる。
光硬化性着色組成物における特定開始剤の含有量は、固形分換算で、0.1〜15.0質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜10.0質量%の範囲であり、この範囲において効率よく重合反応が進行し、得られた硬化膜の強度にも優れる。
なお、硬化性組成物においては、上記特定開始剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、これ以外の光重合開始剤を併用することができる。
ここで用いうる光重合開始剤は、光により分解し、後述する付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
なかでも、高感度化の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましく、ビイミダゾール系化合物が最も好ましい。
また、特定開始剤と他の光重合開始剤との総量として、組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは0.3〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
これら特定開始剤には、増感剤を併用することができる。
本発明に用いることができる増感剤としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
また、増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ300nm(330nm)〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
増感剤の具体例としては、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
例えば、増感剤と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの特定増感剤の不要な析出抑制を行うことができる。
また、増感剤と前記光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
増感剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分中、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.2質量%〜20質量%がより好ましい。
増感剤は、硬化性組成物における着色剤の濃度が非常に高く、形成される着色パターン(感光層)の光の透過率が極端に低くなる場合、具体的には、これら増感剤を添加せずに形成した場合の感光層の365nmの光の透過率が10%以下となるような場合に添加することで、その効果が顕著に発揮される。
本発明において用いられる着色剤は、以下に詳述する特定のカーボンブラックから選択される黒色顔料(以下、適宜、特定黒色顔料と称する)である。
〔(A)比表面積が110m2/g以下でかつpHが2〜9のカーボンブラック(特定黒色顔料(A))〕
本発明で好適に用いられるカーボンブラックとしては、比表面積が110m2/g以下で、かつ、pHが2〜9の物性値を有するものが挙げられる。比表面積が110m2 /gを超えると、分散安定化に必要な高分子分散剤が多量に必要となるが、高分子分散剤は現像液に不溶であるために解像性、現像性が低下しやすくなる。また、pH値が9を超えたものは高分子分散剤が吸着しにくく分散安定化が困難である。pHが2未満のカーボンブラックは工業的製造が著しく困難であり実際的ではない。
ここで、カーボンブラックの比表面積及びpHは常法により測定することができるが、本発明においては、比表面積はBET法(N2ガス吸着量)を、pHはKOH中和滴定法を適用して測定した値を採用している。
キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908。
旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル。
デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack250、SpecialBlack350、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V(いずれも商品名)等、が挙げられ、これらはいずれも上記物性を満たしている。
本発明に好適に使用される特定黒色顔料の別の態様としては、表面をシリカにより被覆されたカーボンブラック(特定黒色顔料(B))が挙げられる。
(B)シリカ被覆カーボンブラックを用いることで、本発明の光硬化性着色組成物に、優れた画像形成性、高遮光性を発現させることができる。
三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、MA230、#52、#50、#47、#45、#2700、#2650、#2200、#1000、#990、#900等。
デグサ社製:Printex95、プリンテックス90、Printex85、Printex75、Printex55、Printex45、Printex40、Printex30、Printex3、PrintexA、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100等、
キャボット社製:Monarch460、Monarch430、Monarch280、Monarch120、Monarch800、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、BLACK PEARLS480、PEARLS130等。
コロンビヤン カーボン社製:RAVEN11、RAVEN15、RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040等(いずれも商品名)。
特定黒色顔料(B)におけるシリカ被覆量はTG−DTA示差熱−熱重量変化測定又はESCA法により測定することができる。
気相法により被覆する場合、まず、カーボンブラックを密閉容器中に入れ、密閉容器を脱気する。その中にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリカ源を導入し、カーボンブラック表面にシラン源を吸着させ、カーボンブラックとシリカ源とを反応させる。反応終了後、過剰のシリカ源を減圧下除去し、続いてアンモニア等のアルカリを密閉容器中に導入しメトキシ基、エトキシ基をヒドロキシ基に変換させる。この一連の操作によってカーボンブラック表面にシリカ被覆層が形成される。必要に応じてこの操作を繰り返しカーボンブラック上のシリカの被覆量を制御することができる。
また、液相法の他の手段として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリカ源のゾルゲル反応を利用しても良い。ゾルゲル反応を利用する方法は、カーボンブラック水分散物を塩酸等により酸性にするか、あるいは、アンモニア等でアルカリ性にしたのち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリカ源を加え反応させればよい。
特定黒色顔料(B)表面のシリカの存在は、ESCAの方法により確認することができる。
本発明に好適に使用される特定黒色顔料の別の態様としては、表面を樹脂被覆されたカーボンブラック(特定黒色顔料(C))が挙げられる。
特定黒色顔料(C)の形成に用いられるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ランプブラックなどが挙げられ、好ましくはファーネスブラックである。
カーボンブラックの粒径としては、通常20μm以下であり、5μm以下、さらには1μm以下であることが好ましく、分散性、作業性の観点から、粒径は0.01μm以上であることが好ましい。
上記カーボンブラックの表面を樹脂被覆することで、本発明に好適な特定黒色顔料(C)を得ることができる。
カーボンブラックの表面を被覆する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、アルキルベンゼン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂などの合成樹脂などが挙げられ、好ましくはエポキシ樹脂である。
樹脂被覆カーボンブラックの製造方法には特に制限はないが、例えば、カーボンブラックに樹脂のエマルジョンを適用することで被覆層を形成する方法を挙げることができる。即ち、樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、カーボンブラック分散液を準備し、そこに硬化剤と、エポキシ樹脂のエマルジョンとを添加すればよい。
被覆層形成に、エポキシ樹脂とともに用いる硬化剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチルS−トリアジンなどが挙げられる。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂と硬化剤との合計量に対して、1質量%〜30質量%程度が一般的であり、好ましくは5%〜25%、さらに好ましくは10%〜20%の範囲である。
特定黒色顔料(C)表面の樹脂層の存在は、TG−DTA或いはESCAの方法により確認することができる。
本発明において本発明の光硬化性着色組成物における黒色顔料の含有量は、硬化感度、色濃度の観点から、顔料(分散剤を用いる場合、その含有量も含めて)、硬化性組成物を構成する全固形分に対して20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の光硬化性着色組成物には、前記特定黒色顔料に加えて、カラーフィルタ用途に好適な、従来公知の種々の顔料を、目的に応じて1種又は2種以上選択して併用することができる。
本発明に係る光硬化性着色組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料、有機顔料のいずれであっても、形成された光硬化性着色層が高光透過率であることが好ましいことを考慮すれば、なるべく細かい粒径の顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
本発明では着色剤として顔料を用いているため、公知の顔料分散剤を併用することができる。顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
以下、本発明の特定黒色顔料の分散に有用な分散剤について述べる。
特定黒色顔料の分散に使用される分散樹脂原料の好ましい配合比率は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対し、同一分子内に水酸基を1個または2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200重量部、好ましくは20〜190重量部、さらに好ましくは30〜180重量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物は0.2〜25重量部、好ましくは0.3〜24重量部である。
分散処理によって得られる好ましい顔料の粒径は、0.005〜0.7μm、より好ましくは0.01〜0.5μmの範囲である。なお、本発明における特定黒色顔料やその原料として用いられるカーボンブラック粒径は、レーザードップラー式の粒度測定器により測定される。粒径が上記範囲の上限を超えると現像性、解像性、安定性の低下が起こる。また、下限以下にするためにはカーボンブラックの1次粒子あるいはそれ以上に顔料粒子を細かくしなければならないため、製造が著しく困難である。
本発明に用いることができる付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物(以下、適宜、重合性化合物と称する)は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られ
るものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、一般式(A)中、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の光硬化性着色組成物においては、形成される皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、バインダーポリマーを併用することができる。
バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
このような他のバインダーポリマーを用いる場合、その含有量は、0〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0〜30質量%の範囲である。
本発明の光硬化性着色組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明においては、基材である硬質表面(基板)との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加するのが好ましい。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
密着向上剤の添加量は、硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の光硬化性着色組成物は、カラーフィルタの製造に際し支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供されてもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。有機溶剤中の固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、ガラス支持体表面に、光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を形成し、マスクを介するなどの手段によりパターン露光し、露光後の光硬化性着色層を現像してガラス支持体表面に着色パターンを形成することにより得られる。
光硬化性着色層の形成は、光硬化性着色組成物をガラス支持体に塗布、乾燥して形成してもよく、また、光硬化性着色組成物により予め作製されたシートをラミネート法によりガラス支持体上に密着させて形成してもよい。
本発明に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上に塗布された硬化性組成物は、通常、70〜110℃で2〜4分程度の条件下で乾燥され、光硬化性着色組成物からなる層が形成される。
具体的には、前記本発明の光硬化性着色組成物かならなる光硬化性着色層を、所定のマスクパターンを介して、或いは、走査露光により、パターン露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で未硬化領域現像することによって、黒色の画素からなるパターン状皮膜を形成することができ、これはカラーフィルタのブラックマトリックスとして有用である。また、さらに、必要に応じて他の色相の画素を常法により形成することで、本発明のカラーフィルタを製造するものである。
露光工程では、前記光硬化性着色層を、マスクを介して露光するなどによりパターン露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好ましく用いられる。露光量は5mJ/cm2〜1500mJ/cm2が好ましく、10mJ/cm2〜1000mJ/cm2がより好ましく、10mJ/cm2〜800mJ/cm2が最も好ましい。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
[実施例1]
ここでは、着色剤(顔料)を含有する光硬化性着色組成物α−1を調整し、該硬化性組成物α−1を用いて、液晶表示素子用途のカラーフィルタを作製する例を説明する。
1−1.顔料分散液(Q1)の調製:ブラック系
顔料として、カーボンブラックMA−220〔三菱化学社製、特定黒色顔料(A)〕を27質量部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比70/30モル比、重量平均分子量30000)8質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65質量部からなる混合液を、ビーズミルにより20時間混合・分散して、顔料分散液(Q1)を調製した。
得られた顔料分散液(Q1)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、100nmであった。
<組成α−1>
・顔料分散液(Q1) 600質量部
・アルカリ可溶性樹脂
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、mol比:70/30、
Mw:10000) 190質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔重合性化合物〕 40質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 20質量部
・化合物1(下記構造)〔特定光重合開始剤〕 80質量部
・共増感剤:N−フェニル−2−メルカプトベンゾイミダゾール 30質量部
・界面活性剤:(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
・γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 10質量部
2−1.硬化性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する光硬化性着色組成物α−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して光硬化性着色層を形成した。
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、光硬化性着色層表面を、2.5kWの超高圧水銀灯を用い、マスクを介してパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CD、富士フイルムアーチ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを形成し、カラーフィルタ(ブラックマトリックス)を得た。
上記で調製された光硬化性着色組成物α−1(塗布液)を用いてガラス基板上に形成されたカラーフィルタ積層体の光硬化性着色層における露光パターン形成性、さらに、カラーフィルタにおける着色パターンの基板密着性を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
光硬化性着色組成物α−1(塗布液)をガラス基板上に塗布後乾燥して膜厚1.0μmとした。スピンコート条件は300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、線幅20μmのテスト用のフォトマスクを用い、100mJ/cm2の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、25℃で未露光部の残膜が完全に消失するまで現像した(残膜の消失は顔料成分の残存具合を光学顕微鏡の暗視野で確認することで行った)。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥しパターニングを完了した。露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚を測定し、露光前の膜厚100%に対する膜減りを以下の基準により評価した。膜減りが少ないほど、露光感度が高く、且つ、残膜が存在しない状態に達するまでの現像時間が短く(現像性に優れ)、これらの両立によりパターン形成性が良好であることを示す。
○:95%以上
△:95未満〜85%以上
×:85%未満
上記、3−1の露光時に、線幅5μm〜20μmのテスト用のフォトマスクを用い、80mJ/cm2の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、25℃で未露光部の残膜が完全に消失するまで現像した(残膜の消失は顔料成分の残存具合を光学顕微鏡の暗視野で確認することで行った)。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥しパターニングを完了した。露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上を保っている線幅を確認し、評価の指標とした。現像による膜減りの少ない状態で、細い線幅の画像が形成されたものが細線再現性に優れることを示す。
○:10μm以下
△:10〜15μm
×:15〜20μm
ポストベーク後のカラーフィルタにおける着色パターンを光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認することにより、基板密着性の評価を行った。評価方法の詳細は以下の通りである。
基板密着性の評価として、パターン欠損や基板との隙間が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った。○及び△であれば、実用上問題のないレベルである。
○:パターン欠損、基板との隙間がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損は観察されず、基板との間に一部隙間が見られる領域があるが、実用上問題のないレベルであった。
×:パターン欠損が明確に観察され、実用上使用不可のレベルであった。
実施例1において、光硬化性着色組成物α−1の調製に用いた組成α−1中の特定開始剤(化合物1)、顔料分散液(Q1)に用いられた黒色顔料のうち、少なくとも1つを、下記表1に示されるものに代えた以外は、すべて実施例1と同様にして、光硬化性着色組成物α−2〜α−12を調製した。これらを用い、それぞれ実施例1と同様にして着色パターンを有するカラーフィルタを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
また、ここで用いられた特定開始剤(化合物2〜化合物4)の構造を以下に示す。
[特定黒色顔料(A):非被覆型]
比表面積(m2/g) pH
CB−1:旭サーマル 24 8.8
(旭カーボン社製)
CB−2:MA−220 31 3.0
(三菱化学社製)
CB−3:SB 350 65 3.5
(SpecialBlack 350 デグサ社製)
CB−4:MA−11 104 3.5
(三菱化学社製)
[比較用黒色顔料:非被覆型]
CBX−1 24 10.0
(CB−1:旭サーマルを、1Nのアンモニア水に24時間浸漬処理後、加圧濾過、乾燥したもの)
CBX−2 31 1.8
(CB−2:MA−220を1Nの塩酸水に24時間浸漬処理後、加圧濾過後、乾燥したもの)
CBX−3 300 3.5
(CB−4:MA−11を純水と粒径1mmのビーズと共にビーズミルにて10時間処理後、加圧濾過後、乾燥したもの)
CB−5:フラスコにカーボンブラック(三菱化学(株)製、MA100)10gと純水200ml、及び濃塩酸1gを入れ、撹拌し、水分散体を調製する。水分散体にテトラエトキシシラン1.0gを入れ、60℃で3時間加熱した。反応後、加圧濾過しさらに乾燥し、シリカ被覆カーボンブラックCB−5を得た。
CB−6:カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)100質量部に、エポキシ樹脂(12質量部)のエマルジョンと2−エチル−4−メチルイミダゾール(2質量部)とを添加し、エポキシ樹脂による被覆層を形成し、樹脂被覆カーボンブラックCB−6を得た。
実施例1において、光硬化性着色組成物α−1の調製に用いた組成α−1中の特定開始剤(化合物1)、顔料分散液(Q1)に用いられた黒色顔料のうち、少なくとも1つを、下記表1に示される比較用開始剤或いは比較用黒色顔料に代えた以外は、すべて実施例1と同様にして、光硬化性着色組成物β−1〜β−12を調製した。これらを用い、それぞれ実施例1と同様にして着色パターンを有するカラーフィルタを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、比較例に用いた比較用光重合開始剤〔比較化合物1〜比較化合物4〕の構造を以下に示す。
他方、黒色顔料として本発明の範囲外のカーボンブラックを用いた比較例1〜4、或いは、光重合開始剤として本発明の範囲外の比較化合物を用いた比較例5〜8、開始剤、黒色顔料の双方ともに本発明に範囲外の化合物である比較例9〜12のいずれも、実施例に比べ、パターン形成性、細線再現性、基板との密着性に劣るものであり、特定開始剤と特定黒色顔料の双方を含有する本発明の光硬化性着色組成物を用いることで、はじめて本発明の優れた効果が得られることがわかる。
Claims (2)
- 下記一般式(I)で表される光重合開始剤、(A)比表面積が110m2/g以下でかつpHが2〜9のカーボンブラック、(B)シリカ被覆カーボンブラック、及び(C)樹脂被覆カーボンブラックからなる群より選択される1種以上の黒色顔料、及び、付加重合可能なエチレン性不飽和基をもつ化合物を含有する光硬化性着色組成物。
- ガラス支持体上に、請求項1に記載の光硬化性着色組成物からなる光硬化性着色層を有する積層体をパターン露光し、パターン露光して光硬化性着色層の露光領域を硬化させ、未露光領域を現像して得られる着色パターンを備えるカラーフィルタ。
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