JP2008044971A - 樹脂組成物及び成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及び成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Pbフリーのハンダを使用したリフローにも耐えられる優れた耐熱性を有し、かつ剛性が高い成形体を与えることができ、さらに成形サイクル性に優れた樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いる成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分100質量部及び充填剤1〜200質量部を含有する樹脂組成物であって、該ポリオレフィン系樹脂が環状オレフィンの単量体単位を含み、該ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が120℃より高く、かつ該ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上の成形体が得られることを特徴とする樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いる成形体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品等に用いられる成形材料であって、耐熱性及び剛性に優れた成形体を与え、かつ成形サイクル性に優れた樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いる成形体の製造方法に関する。
電子部品用の絶縁性成形体を形成する成形材料には、その製品の使用環境や用途により種々の特性が求められる。例えば、表面実装タイプの端末コネクターに用いられる成形材料には、部品実装のためのハンダリフローの温度に耐える高い耐熱性(リフロー耐熱)とともに、コネクターとしての挿抜性を保証するための剛性が求められる。又、高周波帯域で使用される部品用の成形材料には、信号遅延の問題を低減するため、誘電率が低い材料が求められる。
誘電率が低い材料としては、環状オレフィンの重合体が挙げられる。又、環状オレフィンの重合体を、硫黄架橋、有機過酸化物架橋、放射線(電子線)架橋することにより、耐熱性等が改良されることは知られている(特開昭62−34924号公報)。
しかし近年、環境問題の発生を防ぐため、融点が高いPbフリーのハンダの使用が望まれ、それに伴いPbフリーのハンダを使用したリフローにも耐えられる、より高い耐熱性が求められるようになっている。それと同時に、成形をより効率的に高い生産性で行うためにも、成形サイクル性の高い成形材料(すなわち、短いサイクルで成形が可能な成形材料)が求められている。
特開昭62−34924号公報
本発明は、Pbフリーハンダを使用したリフロー等にも耐えられる優れた耐熱性を有し、かつ剛性が高い成形体を与えることができ、さらに成形サイクル性の高い樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いる成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、環状オレフィンから得られるポリオレフィン系樹脂を含有する電子部品用の成形材料について検討したところ、ガラス転移温度が低いポリオレフィン系樹脂を用いた方が、架橋が進行しやすく剛性が高い成形体を得やすいことを見出した。しかし、この場合は、成形直後の成形体は軟らかく成形体の形状保持性が充分となるまで冷却するために時間を要する。その結果、成形の1サイクルに要する時間(成形サイクル)を長くする必要があり、成形サイクル性が問題であった。
本発明者は、さらに検討した結果、ガラス転移温度が高いポリオレフィン系樹脂を用いた場合であっても、実用的な範囲内の架橋条件で優れた耐熱性、剛性、耐薬品性を有する成形体が得られること、このポリオレフィン系樹脂を使用した場合成形サイクルを短くすることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、その請求項1として、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分100質量部及び充填剤1〜200質量部を含有する樹脂組成物であって、該ポリオレフィン系樹脂が環状オレフィンの単量体単位を含み、該ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が120℃より高く、かつ該ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上の成形体が得られることを特徴とする樹脂組成物を提供する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分と充填剤を含有する。この樹脂成分は、ポリオレフィン系樹脂を含むものであり、その例としては、ポリオレフィン系樹脂の単独からなる場合とともに、ポリオレフィン系樹脂と他のポリマーとのアロイやブレンドを挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂と他のポリマーとのアロイやブレンドの場合、樹脂成分中のポリオレフィン系樹脂の割合は50質量%以上が好ましい。又、他のポリマーとしては、ポリエチレン、アイオノマー、酸変性ポリオレフィン、エチレンエチルアクリレート(EEA)等のポリオレフィン及びその共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中に含まれるポリオレフィン系樹脂は、それを構成する単量体単位に、環状オレフィンの単量体単位を含むことをその特徴の一つとする。環状オレフィンの単量体とは、特開平8−20692号公報等により公知のものであって、例えば、シクロペンテン、2−ノルボルネン、又はシクロテトラドデセン系単量体が好ましく挙げられる。請求項2は、この好ましい態様に該当するものである。
具体的には、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロ−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアントラセン等が挙げられる。さらに、シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その誘導体や置換体が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の必須成分であるポリオレフィン系樹脂は、前記の環状オレフィンを含む単量体を重合して得ることができる。重合反応に供される単量体としては前記の環状オレフィン以外の単量体を含んでいてもよい。
前記の環状オレフィン以外の単量体としては、環状オレフィンとの共重合可能な不飽和基を持つ単量体が使用され、具体的には、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−イコセン等のα−オレフィン類;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類;
マレイン酸ジメチル、フマール酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジメチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸無水物類;
ビニルアルコール、酢酸ビニル等のビニルアルコールやビニルエステル類;
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類が例示される。
ポリオレフィン系樹脂の製造に用いられる単量体中の、前記の環状オレフィンの割合は好ましくは20モル%以上であり、この範囲で特に優れた耐熱性、剛性が得られる。環状オレフィンの割合が20モル%未満の場合は、ポリオレフィン系樹脂の120℃を越えるガラス転移温度を得ることが困難になる。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、前記の環状オレフィンと他の単量体をランダム付加共重合する方法や、他の単量体とともに環状オレフィンを開環重合し開環重合体に水素添加する方法により製造することができる。用いる触媒や溶媒、反応温度等の重合の条件は、特開平8−20692号公報等に記載の公知の条件を採用することができる。
このようにして得られるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、下記の構造式(1)又は(2)で表わされる樹脂が挙げられる。
Figure 2008044971
式中、R、R及びXは、水素原子、炭化水素基、又は、ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基もしくはシリル基等の極性基が置換された炭化水素基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2008044971
式中、R〜R12は、水素原子又は炭化水素基、Xは、水素原子、炭化水素基、又は、ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基もしくはシリル基等の極性基が置換された炭化水素基である。
本発明は、必須成分であるポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が120℃よりも高いこともその特徴とする。この特徴により、成形サイクル性を高くすることができる。すなわち、従来、成形サイクルは通常0.5分/回程度であるが、ガラス転移温度が120℃を越えるポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、従来に比べ成形サイクルをはるかに短くすることが可能となり、例えば、成形サイクルが15秒/回以下のハイ成形サイクル性を達成することができる。ガラス転移温度が120℃以下のポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、成形工程において、成形体の充分な形状保持性を得るために冷却時間を長くする必要があり、成形サイクル性が低くなる。なお、ガラス転移温度は、アイティー計測制御社製DVA−200による粘弾性測定において10℃/minの昇温速度で得られたtanδピーク値より求めた値とする。
本発明の樹脂組成物は、電子部品等に使用される成形体を得るために用いられ、該成形体は、該ポリオレフィン系樹脂を架橋し、成形して得られる。ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより、リフロー加熱時でも熱変形しにくい成形体が得られ、満足する耐熱性が得られる。架橋する方法としては、硫黄や有機過酸化物等を用いる方法、電子線や他の放射線を用いて架橋する方法等が挙げられる。
硫黄を用いる場合は、ポリオレフィン系樹脂に硫黄系化合物、必要に応じて加硫促進剤、加硫促進助剤を配合して加熱し、架橋反応を行う。
有機過酸化物を用いる場合は、ポリオレフィン系樹脂に、有機過酸化物を配合し、必要に応じて架橋助剤を配合して加熱し、架橋反応を行う。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)2,5−ジメチルヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、イソプロピルクミル−t−ブチルペルオキシド、ビス(α−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシド類あるいは1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、エチル−3,3−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル−1,2,4,5−テトラオキシシクロノナン等のペルオキシケタール類;ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類;t−ブチルハイドロペルオキシド、t−ヘキシルハイドロペルオキシド、クミンハイドロペエルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、p−メンタンハイドロペルオキシド等のハイドロペルオキシド類が挙げられる。
放射線を用いて架橋する方法に使用される放射線としては、電子線の他、γ線等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、該ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上の成形体を得ることができることもその特徴の一つとする。成形体の300℃における貯蔵弾性率を1MPa以上とすることにより、室温からリフロー温度を越える高温まで満足する剛性が得られる。成形体の貯蔵弾性率は、ポリオレフィン系樹脂の分子量や架橋の条件(例えば、放射線の照射量、架橋助剤の種類や配合量)等により影響されるので、貯蔵弾性率が1MPa以上となるようにこれらが選択される。
ここで、貯蔵弾性率は、粘弾性体に正弦的振動ひずみを与えたときの応力と、ひずみの関係を表わす複素弾性率を構成する一項であり、アイティー計測制御社製DVA−200による粘弾性測定器により10℃/minの昇温温度にて測定される値である。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより、優れた耐熱性及び剛性を有する成形体を与えることができ、さらに成形サイクル性も優れており、成形における生産性を高めることができる。
又、この樹脂組成物から得られる成形体は、比重が小さく軽量であり、電子部品の小型化、軽量化に寄与でき、かつ誘電率も低いので高周波帯域で使用される電子部品の製造に好適に用いられる。さらに又、通常、環状オレフィン単量体から得られる樹脂は透明樹脂であるので、成形体は透明性に優れるとの特徴も有する。従って、この樹脂組成物を用いて得られた電子部品では、内部構造の目視や配線の不具合の外部よりの確認が可能であり、又着色等の意匠性に優れるとの特徴も得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分に加えて、補強材として充填剤を含有することを特徴とする。充填剤を含有することにより、架橋後の300℃における貯蔵弾性率を1MPa以上とするために必要な、架橋剤量や放射線の照射量を低減することができる。
充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、1〜200質量部である。充填剤の含有量が1質量部未満の場合は、架橋剤量を増やす又は放射線の照射量を高める必要があり、成形体の着色等の問題が生じやすくなることに加え、脆くなる傾向にある。充填剤の含有量が200質量部を越える場合は、樹脂組成物の流動性が低下して成形困難になったり、得られる成形体が脆くなる傾向がある。
充填剤としては、ガラス繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ等の無機系ウィスカ、モンモリロナイト、合成スメクタイト、セルロース、ケナフ、アラミド繊維、アルミナ、カーボンファイバー、有機化クレー等が挙げられる。中でも平均繊維長が1〜3mm程度のチョップドストランドのガラス短繊維が好ましく用いられる。請求項3は、この好ましい態様に該当する。
一般に、充填剤としては、短繊維状の充填剤が最も弾性率を高める効果が大きいが、前記のサイズを有するガラス短繊維を用いた場合も同様である。又ガラス短繊維は、ガラスからなるので成形体の透明性を高めることができる。さらに、カーボンファイバーを使用する場合のように導電性が生じないので、コネクター等の絶縁性が求められる用途には好ましい。
中でも、前記ガラス短繊維が表面処理剤で表面処理されている場合は、ポリオレフィン系樹脂とガラス短繊維との親和性が高まり透明性がさらに高まる。請求項4はこの好ましい態様に該当する。
ここで、表面処理剤としては、アミノ基、グリシジル基、メルカプト基、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基を有するアルキル鎖をもったシランカップリング剤、チタンカップリング剤が例示される。
ポリオレフィン系樹脂の架橋が、硫黄や有機過酸化物等を用いる方法、放射線を用いて架橋する方法のいずれの方法による場合も、架橋助剤の併用下に架橋することにより架橋が促進され、より優れた耐熱性や剛性を有する成形体が得られる。従って、本発明の樹脂組成物は、好ましくは、さらに架橋助剤を含有する。請求項5は、この好ましい態様に該当する。
架橋助剤としては、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム類;エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルメタクリレート等のアクリレートもしくはメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル化合物類;N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。
特に、本発明の樹脂組成物が架橋助剤を含有しており、前記ガラス短繊維が表面処理剤で表面処理されたものであり、かつ前記架橋助剤が前記表面処理剤と反応する官能基を有する場合、成形の過程で、ガラス短繊維とポリオレフィン系樹脂が、表面処理剤及び架橋助剤を通して化学的に結合され、貯蔵弾性率、強度、透明性、耐薬品性がより高い成形体が得られるので好ましい。ガラス短繊維の表面処理剤と反応する官能基を有する架橋助剤としては、アミノ基、グリシジル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、カルボキシル基、カルボジイミド基を有するものが例示される。
本発明の樹脂組成物は、前記の本発明の課題が達成される範囲で、他の成分、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候性安定剤、銅害防止剤、難燃剤、滑剤等を添加することができる。
前記のように、本発明の樹脂組成物は、電子部品等を形成する成形体の製造に用いられる。この成形体は、本発明の樹脂組成物を成形し、かつその中のポリオレフィン系樹脂を架橋することにより得られる。本発明はこの成形体の製造方法、すなわち、前記の樹脂組成物を成形し、かつ前記ポリオレフィン系樹脂を架橋することを特徴とする成形体の製造方法(請求項6)をさらに提供するものである。
架橋を行うと、樹脂組成物の流動性が低下して成形が困難となるので、通常は、架橋は成形後に行われる。架橋は、成形体の300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上となる条件で行われる。
成形方法としては、射出成形の他に、ブロー成形、トランスファー成形、熱成形等の方法を挙げることができる。
架橋の方法としては、前記のように、硫黄や有機過酸化物を用いる方法や、電子線や他の放射線を用いる方法が挙げられるが、放射線を用いる放射線架橋が、成形時の温度、流動性の制限を伴わないため好ましい。請求項7は、この好ましい態様に該当する。
なお、硫黄や有機過酸化物等の量や、放射線の照射量は、架橋の程度に影響を与え、架橋の程度は耐熱性や成形体の貯蔵弾性率に影響を与えるので、これらの量は、充分な耐熱性が得られ、かつ成形体の貯蔵弾性率が、300℃において1MPa以上を満足するように決定される。これらの量の好ましい範囲は、樹脂の種類や、充填材の種類や添加量、架橋助剤の有無やその添加量等により変動するが、簡易な予備実験等により容易に適当な範囲を求めることができる。
このようにして得られる成形体は、電子部品内に用いられ、又は電子部品として用いられる。例えば、高周波ケーブル用端末コネクターや高周波ボビン、アンテナ、高周波基板、DVD等のレンズホルダー等として使用される。この成形体は、耐熱性、剛性に優れるものである。又、この成形体は、そのまま電子部品に用いられる成形体となる場合もあるが、さらに、エッチング、めっき、切削、塗装、研磨等が施されて、電子部品に用いられる成形体に加工される場合もある。
本発明の樹脂組成物を用い、本発明の成形体の製造方法を実施することにより、高い耐熱性及び剛性(弾性率)を有する電子部品製造用の成形体を製造することができる。この成形体は、Pbフリーのハンダを使用したリフローや、ボビン端子の端末処理のためのハンダディップにも耐えられる優れた耐熱性を有し、又、コネクター等に求められる高い挿抜性も達成できる優れた剛性も有する。さらに、本発明の樹脂組成物は、成形サイクル性に優れており、短い成形サイクルで成形体を与えることができるので、優れた成形の生産性を達成することができる。
さらに、本発明の樹脂組成物を使用して得られる成形体は、低い誘電率、高い透明性を有し、又軽量であるので電子部品の小型化、軽量化のために好ましい。従って、本発明の樹脂組成物は、高周波帯域で使用される電子部品等の製造に好適に用いられる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、実施例により説明する。なお、本発明はこの実施例の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り他の形態への変更も可能である。
実施例1及び比較例1〜3
[ポリオレフィン系樹脂]
ポリオレフィン系樹脂として、アペル6013T(Tg=145℃)、及びアペル8008T(Tg=70℃)(いずれも、三井化学社製)を用いた。いずれも、環状オレフィン単量体を含む単量体を重合して得られた樹脂であり、前記の構造式(2)で表わされる樹脂である。
前記のポリオレフィン系樹脂のそれぞれに、表1に示す配合割合(全て質量部)で、ガラスファイバー:ECS03T−289/PL(アミノシラン処理チョップドガラスファイバー:セントラル硝子社製)、フェノール系酸化防止剤:イルガノックス1010(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、及び架橋助剤:DA−MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート)を配合し、電動射出成形機ES−18(住友重機社製)を用いて、上面のない箱形で、5mm×5mm×20mmの大きさであり厚さが0.25mmの成形体を成形した。
成形後、表1に示す照射量の電子線を照射し架橋を行った。その後、下記の方法で、貯蔵弾性率(30℃、300℃)、リフロー耐熱、成形サイクル性を測定した。その結果を、表1に示す。
[測定法]
貯蔵弾性率: アイティー計測制御社製DVA−200による粘弾性測定器により10℃/minの昇温速度で測定される値。
リフロー耐熱: リフロー装置内に成形体をセットし、60秒で150℃まで昇温する。次いで、60秒間、150℃を維持する。その後、さらに260℃まで昇温し、加温を停止して降温する。この時、200℃以上が40秒間、そのうち250〜260℃が10秒間となるようにする。試験後、変形の有無を確認。変形のないものを○、変形のあるものを×として表1に示す。
成形サイクル性: 表1に示す金型温度、シリンダ温度の下、15秒/回、及び1分/回の成形サイクルで射出成形を行い、成形体の変形等の異常の有無を確認した。変形が認められないものを○、認められるものを×として表1に示す。
耐薬品性: 成形体を、キシレンに、23℃にて24時間浸漬して溶解変形やソルベントクラックの有無を確認し、溶解変形やソルベントクラックのないものを○、溶解変形やソルベントクラックの有るものを×として表1に示す。
Figure 2008044971
表1の結果より明らかなように、ガラス転移温度が120℃より高いポリオレフィン系樹脂を用いた実施例1の樹脂組成物は、15秒/回という高い成形サイクル性を示しているとともに、この樹脂組成物より得られ、電子線照射により架橋を行い、300℃における貯蔵弾性率を1MPa以上とした成形体は優れたリフロー耐熱を有している。
一方、ガラス転移温度が120℃以下のポリオレフィン系樹脂を用いた比較例の樹脂組成物は、15秒/回という成形サイクルでは変形のない成形体を与えることができず、成形サイクル性が低いことが示されている。
なお、300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上となる条件での架橋を行わなかった比較例1、2で得られた成形体では、リフロー耐熱は低く、特に比較例1では、300℃で溶融している。


Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分100質量部及び充填剤1〜200質量部を含有する樹脂組成物であって、該ポリオレフィン系樹脂が環状オレフィンの単量体単位を含み、該ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が120℃より高く、かつ該ポリオレフィン系樹脂を架橋することにより300℃における貯蔵弾性率が1MPa以上の成形体が得られることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記環状オレフィンの単量体が、シクロペンテン、2−ノルボルネン、又はシクロテトラドデセン系単量体骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記充填剤が、ガラス短繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ガラス短繊維が、表面処理剤で表面処理されていることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. さらに架橋助剤を含有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物を成形し、かつ前記ポリオレフィン系樹脂を架橋することを特徴とする成形体の製造方法。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂の架橋が、放射線架橋であることを特徴とする請求項6に記載の成形体の製造方法。
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