JP2008042802A - アダプティブアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来例に比較して、アンテナの放射特性及び通信品質を向上させる。
【解決手段】アダプティブアンテナ装置は、アンテナ10a及び10bと、アンテナ10a及び10bにより受信された各無線信号に基づいて所定のウェイトを用いてアンテナ10a及び10bを適応制御するウェイト制御部42と、ジャイロセンサ6と、受信SINR検出回路46とを備える。ジャイロセンサ6は、アダプティブアンテナ装置の保持状態、載置状態、障害物との近接状態を検出する。受信SINR検出回路46は、複数のアンテナ10a及び10bにより受信された無線信号のSINRを検出する。ウェイト制御部42は、各アンテナ10a及び10bにより受信された無線信号に対して、検出された状態とSINRとに応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いてアンテナ10a及び10bを適応制御する。
【選択図】図3
【解決手段】アダプティブアンテナ装置は、アンテナ10a及び10bと、アンテナ10a及び10bにより受信された各無線信号に基づいて所定のウェイトを用いてアンテナ10a及び10bを適応制御するウェイト制御部42と、ジャイロセンサ6と、受信SINR検出回路46とを備える。ジャイロセンサ6は、アダプティブアンテナ装置の保持状態、載置状態、障害物との近接状態を検出する。受信SINR検出回路46は、複数のアンテナ10a及び10bにより受信された無線信号のSINRを検出する。ウェイト制御部42は、各アンテナ10a及び10bにより受信された無線信号に対して、検出された状態とSINRとに応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いてアンテナ10a及び10bを適応制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数のアンテナを適応制御するアダプティブアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置に関する。
近年、携帯電話機等の携帯無線通信装置は、急速に小型化及び薄型化が進み、しかも、従来の電話機としての使用のみならず、電子メールの送受信やWWW(ワールドワイドウェブ)によるウェブページの閲覧等を行うデータ端末機としての使用の割合も急激に増加しつつある。取り扱う情報も従来の音声や文字情報から写真や動画像へと大容量化され、通信品質のさらなる向上が求められている。このような状況にあって、アンテナ指向性を適宜変化させることができるアダプティブアンテナ装置を用いた携帯無線通信装置が提案されている。
特許文献1に、第1の従来例の移動端末用適応アンテナ装置が開示されている。第1の従来例の移動端末用適応アンテナ装置は、移動端末に、複数のアンテナ素子と、該アンテナ素子の指向性制御機能を有する送受信部と、移動端末の方位又は傾きを検出するセンサとを備える。送受信部は各アンテナ素子に対してそれぞれ異なる位相の重み付けを与えて指向性を任意に制御する。センサには、ジャイロセンサ、静電容量型加速度センサ、地磁気センサ、全地球測位システム(GPS)等の小型のセンサを用い、送受信部は方位センサから得られる移動端末の回動、傾き又は所在位置の情報と地図情報を基に、基地局の方向にアンテナの指向性を補正する。
また、特許文献2に、第2の従来例の移動端末用アンテナ装置が開示されている。第2の従来例の移動端末用アンテナ装置は、導電性筐体と、複数のアンテナ素子と、送受信回路と、アンテナ素子の振幅および位相を調整することにより人体側への放射電力を減少させる振幅位相調整回路とを備える。第2の従来例の移動端末用アンテナ装置は、送信時には人体頭部側に放射される電力を小さくし、アンテナ素子に伝達された信号を効率よく空間に放射し、受信時には移動端末に対して人体側に指向性を有さないため、人体側以外の方向に対してアンテナ指向性を高める。
しかしながら、上記第1の従来例に係る移動端末用適応アンテナ装置は、人体が近接した際に人体方向に基地局がある場合、適応アンテナ制御により人体方向へのビーム形成が行われるため、人体方向への放射が強まり、結果としてアンテナの放射特性が劣化する。さらに、人体方向から所望波が入射する場合は、アンテナに入力する電力が小さくなるために人体方向へのビーム形成を行ってもSINRがそれほど改善しないという問題があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来例に比較して、アンテナの放射特性及び通信品質を向上させることができるアダプティブアンテナ装置及びそれを備えた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアダプティブアンテナ装置は、複数のアンテナと、上記複数のアンテナにより受信された各無線信号に基づいて所定のウェイトを用いて上記複数のアンテナを適応制御する制御手段とを備えたアダプティブアンテナ装置において、上記アダプティブアンテナ装置の保持状態、載置状態及び障害物との近接状態のうちの少なくとも1つを含む状態を検出する状態検出手段と、上記複数のアンテナにより受信された無線信号の評価値を検出する評価値検出手段とを備え、前記制御手段は、前記各アンテナにより受信された無線信号に対して、前記検出された状態と評価値とに応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いて上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする。
上記アダプティブアンテナ装置において、前記検出された状態毎に複数のウェイトを対応付けたウェイトテーブルを格納した記憶手段を備え、前記制御手段は、上記ウェイトテーブルを用いて上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、前記状態検出手段は、ジャイロセンサであることを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記状態検出手段は、前記各アンテナの送信電力の反射量を検出し、前記検出された反射量に基づいて前記障害物の近接状態を検出することを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の符号誤り率(BER)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の受信信号強度表示信号(RSSI)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記制御手段は、前記無線信号の評価値と所定のしきい値とを比較し、その比較結果に応じて、前記ウェイトの決定のために、前記検出された状態を用いるか否かを判定することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、前記制御手段は、前記受信される無線信号のデータの種別に基づいて、主ビーム及びヌルの方向を変更するように上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記制御手段は、受信信号強度表示信号(RSSI)が実質的に最大となるように、前記ウェイトを決定することを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、前記制御手段は、信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が実質的に最小となるように、前記ウェイトを決定することを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、前記制御手段は、受信信号強度信号(RSSI)及び信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が所定のしきい値を超えたとき、前記ウェイトを変更せずに前記各無線信号を受信するように制御することを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、上記アダプティブアンテナ装置と、上記アダプティブアンテナ装置の制御手段により適応制御された各無線信号を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置において、前記無線通信装置は開閉可能な筐体に収容され、前記制御手段は、上記筐体の開状態又は閉状態に基づいて、主ビーム及びヌルの方向を変更するように上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする。
本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、アダプティブアンテナ装置の状態と評価値との少なくとも一方に応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いて複数のアンテナを適応制御するので、アンテナ特性及び通信品質を向上させることができる。
また、検出された状態毎に複数のウェイトを対応付けたウェイトテーブルを用いた場合、アダプティブアンテナ装置の様々な状態に対応したウェイトを得ることができる。
さらに、状態検出手段としてジャイロセンサを用いた場合、アンテナ装置の傾き及び、障害物の近接状態を容易に推定することができる。もしくは、状態検出手段がアンテナ送信電力の反射量を検出する場合は、アダプティブアンテナ装置の状態を容易に推定することができる。
またさらに、評価値検出手段は、信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)、符号誤り率(BER)及び受信信号強度表示信号(RSSI)のうちのいずれか1つに基づいて無線信号の評価値を検出した場合、無線信号の受信状況を容易に推定することができる。
また、無線信号の評価値と所定のしきい値とを比較し、その比較結果に応じて、ウェイトの決定のために、検出された状態を用いるか否かを判定することにより、低消費電力な適応制御に切り替えることができるので、消費電流を低減することができる。
またさらに、受信される無線信号のデータの種別に基づいて、主ビーム及びヌルの方向を変更するように上記複数のアンテナを適応制御するので、そのときの通信状態に応じて良好なアンテナ放射特性で適応制御を行うことができる。
また、受信信号強度表示信号(RSSI)が実質的に最大となるように、ウェイトを決定するので、アンテナの放射特性を向上させることができる。
さらに、信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が実質的に最小となるように、ウェイトを決定するので、通信品質を向上させることができる。
またさらに、受信信号強度信号(RSSI)及び信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が所定のしきい値を超えたとき、ウェイトを変更せずに各無線信号を受信するように制御するので、アダプティブアンテナ装置の消費電流を低減することができる。
さらに、筐体の開状態又は閉状態に応じて、良好なアンテナ放射特性で適応制御を行うことができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置の操作面側を示す外観図であり、図1(b)は、上記携帯無線通信装置の背面側を示す外観図である。図1において、本実施形態に係る携帯無線通信装置は、上部筐体1と、下部筐体7と、ヒンジ部36とを備える。図1(a)に示すように、上部筐体1の操作面側にはメイン液晶2と、スピーカ3と、カメラ4とが設けられ、下部筐体7の操作面側には操作用キー8と、マイクロフォン9とが設けられる。また、下部筐体7の側部には外部音声出力用端子50が設けられている。さらに、図1(b)に示すように、上部筐体1の背面側にはサブ液晶5を備える。上部筐体1及び下部筐体7は、ヒンジ部36を軸として開閉可能に接続され、操作面側で互いに対向するように折りたたむことができる。上部筐体1の背面側の内部には、ジャイロセンサ6が設けられ、下部筐体7の背面側の内部には2つのアンテナ素子10a及び10bが設けられる。メイン液晶画面2は、テキストデータ、画像データ等を表示するための第1の表示部であり、サブ液晶画面5は、メイン液晶画面2よりも小さく、限定されたテキストデータ、画像データ等を表示するための第2の表示部である。スピーカ3は、音声データを出力するための音声出力部である。カメラ4は、静止画又は動画を撮影するための映像入力部である。マイクロフォン9は、音声データを入力するための音声入力部である。ジャイロセンサ6は、携帯無線通信装置を基準として、携帯無線通信装置の方位角φと傾斜角度θを検出する。外部音声出力用端子50は、外部に音声信号を出力するための接続端子であって、例えばイヤホンレシーバ等が装着される。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置の操作面側を示す外観図であり、図1(b)は、上記携帯無線通信装置の背面側を示す外観図である。図1において、本実施形態に係る携帯無線通信装置は、上部筐体1と、下部筐体7と、ヒンジ部36とを備える。図1(a)に示すように、上部筐体1の操作面側にはメイン液晶2と、スピーカ3と、カメラ4とが設けられ、下部筐体7の操作面側には操作用キー8と、マイクロフォン9とが設けられる。また、下部筐体7の側部には外部音声出力用端子50が設けられている。さらに、図1(b)に示すように、上部筐体1の背面側にはサブ液晶5を備える。上部筐体1及び下部筐体7は、ヒンジ部36を軸として開閉可能に接続され、操作面側で互いに対向するように折りたたむことができる。上部筐体1の背面側の内部には、ジャイロセンサ6が設けられ、下部筐体7の背面側の内部には2つのアンテナ素子10a及び10bが設けられる。メイン液晶画面2は、テキストデータ、画像データ等を表示するための第1の表示部であり、サブ液晶画面5は、メイン液晶画面2よりも小さく、限定されたテキストデータ、画像データ等を表示するための第2の表示部である。スピーカ3は、音声データを出力するための音声出力部である。カメラ4は、静止画又は動画を撮影するための映像入力部である。マイクロフォン9は、音声データを入力するための音声入力部である。ジャイロセンサ6は、携帯無線通信装置を基準として、携帯無線通信装置の方位角φと傾斜角度θを検出する。外部音声出力用端子50は、外部に音声信号を出力するための接続端子であって、例えばイヤホンレシーバ等が装着される。
図2は、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図2において、アダプティブアンテナ装置は、アンテナ素子10a,10bと、アンテナスイッチ20a,20bと、送受信部11a,11bと、デジタル信号処理部12とを備えて構成される。送受信部11aは、帯域通過フィルタ(以下、BPFという。)13,15,18,26と、低雑音増幅器(以下、LNAという。)14と、ミキサ16,19,21,28,30と、局部発振器17,20,29と、低域通過フィルタ(以下、LPFという。)22,24,31,33と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器という。)23,25と、デジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器という。)32,34と、送信電力増幅器(以下、PAという。)27と、90度位相器35,37とを備える。
アンテナ素子10aは、アンテナスイッチ20aに接続される。アンテナスイッチ20aはアンテナ素子10aと、送受信部11aのBPF13及び26とに接続され、無線信号の受信時、アンテナ素子10aと送受信部11のBPF13とを接続するようにスイッチをa側に切り替え制御され、無線信号の送信時、アンテナ素子10aと送受信部11のBPF26とを接続するようにスイッチをb側に切り替え制御される。BPF13は、アンテナスイッチ20aを介して入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を帯域通過ろ波して、LNA14に出力する。BPF13により出力された信号は、LNA14により増幅された後、BPF15に入力される。BPF15は、LNA14から入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を帯域通過ろ波して、ミキサ16に出力する。ミキサ16は、BPF15から入力した信号を局部発振器17により発生された局部発振信号と混合した後、BPF18に出力する。BPF18は、ミキサ16から入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を帯域通過ろ波して、ミキサ19及び21に出力する。ミキサ19は、BPF18から入力した信号を、局部発振器20により発生された局部発振信号と混合した後、LPF22に出力する。ミキサ21は、BPF18から入力した信号を、局部発振器20により発生され、90度移相器37により90度だけ移相された局部発振信号と混合した後、LPF24に出力する。LPF22及び24は、それぞれミキサ19及び21から入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を低域通過ろ波して、それぞれA/D変換器23及び25に出力する。A/D変換器23及び25は、それぞれLPF22及び24から入力した信号をデジタル信号に変換した後、デジタル信号処理部12に出力する。
D/A変換器82及び34は、デジタル信号処理部12から入力した信号をアナログ信号に変換した後、それぞれミキサ28及び80に出力する。ミキサ28は、D/A変換器82から入力した信号を、局部発振器29により発生された局部発振信号と混合した後、LPF81に出力する。ミキサ80は、D/A変換器34から入力した信号を、局部発振器29により発生され、90度位相器35により90度だけ移相された局部発振信号と混合した後、LPF83に出力する。LPF81及び83は、それぞれミキサ28及び80から入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を低域通過ろ波して、PA27に出力する。LPF81及び83により出力された信号は、PA27により増幅された後、BPF26に入力される。BPF26は、PA27から入力した信号から不要周波数成分を除去し、所望無線信号を帯域通過ろ波して、アンテナスイッチ20aに出力する。BPF26から出力された信号は、アンテナ素子10aを介して送信される。なお、アンテナ素子10bと、アンテナスイッチ20bと、送受信部11bとは、それぞれ、上述のアンテナ素子10aと、アンテナスイッチ20aと、送受信部11aと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図3は、図2のデジタル信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。図3において、デジタル信号処理部12は、デジタル信号処理回路12a,12bと、受信SINR検出部46と、復調器47と、シリアル/パラレル変換器(以下、S/P変換器という。)48と、デジタル直交変調器49と、加算器51とを備えて構成される。デジタル信号処理回路12aは、A/D変換器23,25から入力したx11(t),x12(t)に対して、ジャイロセンサ6からの信号及び受信SINR検出回路46からの信号を用いてデジタル信号処理を行った後、処理後の信号をy1(t)として加算器51に出力する。同様に、デジタル信号処理回路12bは、A/D変換器23,25から入力したx21(t),x22(t)に対して、ジャイロセンサ6からの信号及び受信SINR検出回路46からの信号を用いてデジタル信号処理を行った後、処理後の信号をy2(t)として加算器51に出力する。加算器51は、デジタル信号処理回路12a,12bの各出力y1(t)及びy2(t)を加算して復調器47に入力する。復調器47は、入力された信号に従って復調処理を行い、復調結果である信号y(t)を出力する。受信SINR検出回路46は、信号y(t)のビットエラーレート(BER)を算出し、算出されたBERに基づいて信号対干渉及び雑音電力比(SINR)を決定し、決定されたSINRに対応する信号をデジタル信号処理回路12a,12bに出力する。具体的には、受信SINR検出回路46は、検波方式毎のBERとSINRとを対応付けたテーブルを予めSINR検出テーブルメモリ46mに格納しておき、検波方式と算出されたBERとに基づいて、SINRを決定し、決定されたSINRに対応する信号を出力する。S/P変換器48は、1ビットの入力信号をシリアル/パラレル変換して2ビットのバス信号をデジタル直交変調器49に出力する。S/P変換器48から出力された各信号は、デジタル直交変調部49によりデジタル直交変調された後、それぞれD/A変換器82,34に出力される。
図4は、図3のデジタル信号処理回路12a及び12bの詳細な構成を示すブロック図である。図4において、各デジタル信号処理回路12a及び12bは、ウェイト可変回路40及び41と、ウェイト制御部42と、ウェイトテーブルメモリ43と、加算器44と、スイッチ45とを備えて構成される。ウェイト可変回路40及び41は、それぞれA/D変換器23及び25から入力した信号xi1(t),xi2(t)(i=1,2(デジタル信号処理回路12aの場合はi=1であり、デジタル信号処理回路12bの場合はi=2である。))のウェイト(振幅及び移相)を、ウェイト制御部42からの制御信号に基づく振幅量及び移相量だけ変更して加算器44に出力する。ウェイトテーブルメモリ43は、ジャイロセンサ6により検出される携帯無線通信装置の傾斜角度θとそれら傾斜角度θ毎に対応付けられた複数のウェイトとを含むウェイトテーブルを格納する。スイッチ45は受信SINR検出部46からの信号によりa側又はb側に切り替え制御される。加算器44は、ウェイト可変回路40及び41から入力された各信号を加算して、加算器51に出力する。
ウェイト制御部42は、以下のモードを備え、ユーザによる各種操作キー8の操作に応じて、モードの切り替えを行う。
(1)音声通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介して音声のみが通信されるモードを示す。例えば、音声通話等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
(2)データ通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介してデータのみが通信されるモードを示す。例えば、ウェブページの閲覧、電子メールの送受信等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
(3)音声・データ同時通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介して音声及びデータが同時に通信されるモードを示す。例えば、テレビジョン電話等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
(1)音声通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介して音声のみが通信されるモードを示す。例えば、音声通話等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
(2)データ通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介してデータのみが通信されるモードを示す。例えば、ウェブページの閲覧、電子メールの送受信等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
(3)音声・データ同時通信モード:アンテナ素子10a及び10bを介して音声及びデータが同時に通信されるモードを示す。例えば、テレビジョン電話等が選択された場合、このモードに切り替えられる。
ウェイト制御部42は、A/D変換器23及び25から入力した信号xi1(t),xi2(t)と、ジャイロセンサ6により検出された携帯無線通信装置の傾斜角度θに基づいて、変更させるべき振幅量及び移相量を算出し、算出結果を制御信号としてウェイト可変回路40及び41に出力する。具体的には、ウェイト制御部42は、検出された受信SINRが所定のしきい値(例えば−10dB)を超えるとき、障害物近接状態に応じてウェイトを決定する一方、検出された受信SINRが所定のしきい値(例えば−10dB)未満であるとき、例えば、所望の信号の信号レベルは高いがそれ以上に干渉波の信号レベルが高い場合、もしくは、電波状況の変動により所望波の信号レベルが低くなった場合は、ウェイトテーブルメモリ43から読み出したウェイトテーブルにおいて、携帯無線通信装置の傾斜角度θに応じた複数のウェイトの中から、順次ウェイトを選択し、受信SINRを検出して、最終的にSINRが実質的に最小となるウェイトを決定する(図8及び図9参照)。
ここで、SINRが実質的に最小となる最適なウェイトを決定するためのアダプティブアルゴリズムについて説明する。アダプティブアンテナ装置は、所望の電波信号が到来してくる方向にアンテナの放射パターンを最大にし(ビームステアリング)、干渉波の方向に放射パターンのヌルを向けて(ヌルステアリング)、安定した無線通信を実現する技術を用いた装置である。一般的に、アダプティブアンテナ装置はアンテナ素子毎に振幅調整回路と移相器を備え、アンテナ間に振幅差と位相差を与えることにより、最大の所望信号電力と、最小の干渉信号電力を実現する。アンテナ素子により受信された信号には、通常、所望波の信号とともに熱雑音成分が含まれる。また、隣接基地局からの同一周波数の同一チャンネル干渉波や、所望波であるが距離的に長い経路を経由して到来したために時間的な遅れを生じる遅延波も受信される場合がある。遅延波は、例えばテレビジョン受像機やラジオ受信機等のアナログ無線受信機では、画像のゴーストとして画面表示の品質を劣化させる一方、デジタル無線受信機では、熱雑音、同一チャンネル干渉波や遅延波は、いずれも受信されるデジタルデータにおけるビット誤りとして影響を及ぼし、直接的にデジタルデータの信号品位を劣化させる。ここで、所望波の電力をCとし、熱雑音の電力をNとし、同一チャンネル干渉波と遅延波を含む干渉波電力をIとすると、アダプティブアンテナ装置は、例えば評価関数C/(N+I)を最大にするように動作することにより、当該アダプティブアンテナ装置により形成される主ビーム方向を実質的に所望波の方向に向け、かつそのヌルを実質的に干渉波の方向に向けるようにアダプティブ制御することができ、信号品位を改善させることができる。
図4のウェイト制御部42は、デジタル信号処理回路12a及び12bの各出力信号であるデジタル信号yi(t)(i=1,2(デジタル信号処理回路12aの場合はi=1であり、デジタル信号処理回路12bの場合はi=2である。))が最も良好な信号品位を有するように、ウェイト可変回路40,41のウェイトw1,w2をそれぞれ決定し、ウェイト可変回路40及び41を制御する。これにより、復調器27から出力される復調信号の信号品位が最良となる。ここで、ウェイトw1及びw2は、以下の式(1)及び(2)で表される。なお、以下の式(1)及び(2)において、A1をウェイト可変回路40において変化させるべき振幅量とし、P1をウェイト可変回路40において変化させるべき移相量とし、A2をウェイト可変回路41において変化させるべき振幅量とし、P2をウェイト可変回路41において変化させるべき移相量とし、jを虚数単位とし、ωを受信される無線信号の角周波数とする。角周波数ωは、fを無線信号の周波数としたとき、以下の式(3)で表される。
[数1]
w1=A1・exp(jωP1) (1)
w1=A1・exp(jωP1) (1)
[数2]
w2=A2・exp(jωP2) (2)
w2=A2・exp(jωP2) (2)
[数3]
ω=2πf (3)
ω=2πf (3)
以下に、最適なウェイトを求める方法として、最急降下法(LMS:Least Means Squares)を用いた例を示す。この手法では、アダプティブアンテナ装置は予め既知の所望波に含まれる信号系列r(t)(例えば、送信すべきデータ信号に先立って送信される参照信号)を保有し、受信された無線信号に含まれる信号系列が上記予め決められた参照信号に近くなるように制御する。ここでは、一例としてウェイト制御部42が上記参照信号r(t)を一時メモリ等に予め格納しているものとする。まず、上記アダプティブアルゴリズムにより計算されたウェイトw1及びw2を要素とするウェイトベクトルw(t)を定義する。ウェイト制御部42は、受信されたデジタル信号x(t)に対してウェイトw(t)を乗算し、この乗算結果と参照信号r(t)との残差e(t)を次式のように計算する。
[数4]
e(t)=r(t)−w(t)×x(t)(t=1,2) (4)
e(t)=r(t)−w(t)×x(t)(t=1,2) (4)
ここで、残差e(t)は正又は負の値を取り得るので、残差e(t)を2乗した値の最小値を漸化的な繰り返し計算法を用いて求める。(m+1)回目の繰り返し計算により得られたウェイトw(t,m+1)は、m回目のウェイトw(t,m)を用いて次式(5)により得られる。また、残差e(t,m)は次式(6)により表される。次式(6)により算出された残差e(t,m)を用いて、次式(5)によりウェイトw(t,m+1)を漸化的に更新する。なお、以下の式(5)において、uをステップサイズとする。
[数5]
w(t,m+1)=w(t,m)+u×x(t)×e(t,m) (5)
w(t,m+1)=w(t,m)+u×x(t)×e(t,m) (5)
[数6]
e(t,m)=r(t)−w(t,m)×x(t) (6)
e(t,m)=r(t)−w(t,m)×x(t) (6)
ここで、上記式(5)においては、ステップサイズuが大きくなるにつれてウェイトw(t,m+1)が最小値に収束する繰り返し計算回数が少なくなるという利点があるが、ステップサイズuが大き過ぎると、ウェイトw(t,m+1)の最小値付近で振動してしまうという問題がある。ステップサイズuを小さくすると、ウェイトw(t,m+1)は安定して最小値に収束するが、繰り返し計算数は増加し、ウェイトを求めるのに多大な時間を要する。この場合、ウェイトの計算時間が周囲環境の変化時間(例えば、数ミリ秒)よりも遅い場合には、ウェイトによる信号品位の改善が困難となる。そこで、ステップサイズuを決定する場合には、制御システムに応じて、できるだけ高速でかつ安定な収束の条件を選ぶ必要がある。また、最適なウェイトw(t,m+1)を計算するための最大繰り返し計算数は、ウェイトの計算時間が無線システムの切り替え時間よりも遅くならないように設定する。
なお、ここでは一例としてLMS法に基づく無線通信システムの最適なウェイトの判定法を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、より早く判定が可能なRLS(Recursive Least-Squares)法、SMI(Sample Matrix inversion)法を用いてもよい。但し、これらの方法により最適なウェイトの判定は早くなるが、ウェイト制御部42における計算は複雑になることは考慮しなければならない。また、信号系列の変調方式がデジタル位相変調のような一定の包絡線を持つような定包絡線変調である場合には、CMA(Constant Modulus Algorithm)法を用いてもよい。
しかし、例えば信号電力Sが雑音電力Nに比べてさほど強くない場合等、電波状況によっては上記アダプティブアルゴリズムを用いても通信品質がさほど改善されない場合も存在する。本実施形態においては、ウェイト制御部42は、アダプティブアルゴリズムによる指向性生成前のSINRから指向性生成後のSINRへの改善量が所定のしきい値(例えば1dB)以下であった場合には、障害物近接状態に応じてウェイトを決定する方法に切り替える。具体的には、推測される障害物の種類及び携帯無線通信装置の使用状態に基づいて障害物方向への放射抑制(ヌルステアリング)又は所定の方向へのビームステアリングを行う別のアルゴリズムへ変更する。これにより、アダプティブアルゴリズムによる電力消費を抑えることができる。
図5(a)は本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置の筐体が開いている状態(以下、筐体開状態とする)における座標系を示す概念図であり、図5(b)は上記携帯無線通信装置の筐体が閉じている状態(以下、筐体閉状態とする)における座標系を示す概念図である。図5(a)及び(b)において、携帯無線通信端末の中心位置を原点Oとし、携帯無線通信装置の厚さ方向をx軸とし、携帯無線通信装置の幅方向をy軸とし、携帯無線通信装置の高さ方向をz軸としたxyzの3次元座標系を定義する。ジャイロセンサ6は、図5に示された座標系を基準として携帯無線通信装置の方位角φ及び傾斜角度θを検出する。
図6及び図7は、それぞれ、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置の筐体開状態及び筐体閉状態における金属障害物65の近接状態を示す概念図である。図6に示す筐体開状態においては、金属障害物65がサブ液晶5側に存在するため、アダプティブアンテナ装置は、サブ液晶5側への電波の放射を抑制し、メイン液晶2側への方向に主ビームBSを向けるように適応制御する。また、図7に示す筐体閉状態においては、金属障害物65がメイン液晶2側に存在するため、アダプティブアンテナ装置は、メイン液晶側2側への電波の放射を抑制し、サブ液晶5側への方向に主ビームBSを向けるように適応制御する。
図8は、図4に示すデジタル信号処理部12のウェイト制御部42で実行される障害物近接状態検出処理を示すフローチャートである。
図8のステップS1において、通信中であるか否かを判断し、YESのときはステップS3に進む一方、NOのときはステップS1に戻って処理を繰り返す。ステップS3において、図5で定義される携帯無線通信装置の座標系において、検出された傾斜角度の方位角φの範囲がしきい値(例えば0度±1度)以下を2秒以上保持したか否かを判断し、NOのときはステップS4に進む一方、YESのときはステップS5に進む。ステップS4において、携帯無線通信装置の方位角φの変動が大きいことから、携帯無線通信装置が人体によって保持されていると判断する。ステップS5において、携帯無線通信装置の方位角φの変動が小さく安定していることから、携帯無線通信装置が金属等からなる金属障害物65上に置かれていると判断する。ステップS6において、筐体開状態であるか否かを判断し、NOのときはステップS7に進む一方、YESのときはステップS8に進む。ステップS7において、筐体閉状態である携帯無線通信装置が金属障害物65上に置かれているので、メイン液晶2方向への放射を抑制する。ステップS8において、筐体開状態である携帯無線通信装置が金属障害物65上に置かれているので、サブ液晶5方向への放射を抑制する。
また、図8のステップS9において、携帯無線通信装置が音声通信モードであるか否かを判断し、NOのときはステップS10に進む一方、YESのときはステップS12に進む。ステップS10において、携帯無線通信装置がデータ通信モードであるか否かを判断し、NOのときはステップS11に進む一方、YESのときはステップS16に進む。ステップS11において、携帯無線通信装置が音声・データ同時通信モードであるか否かを判断し、NOのときはステップS1に戻って処理を繰り返す一方、YESのときはステップS16に進む。ステップS12において、外部音声出力用端子50にイヤホン等の外部出力機器が装着されているか否かを判断し、YESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS15に進む。ステップS16において、筐体開状態であるか否かを判断し、YESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS17に進む。ステップS13において、例えば、携帯無線通信装置の下部筐体7が人体の掌内に保持された状態でメイン液晶2により情報閲覧を行っているか、イヤホンレシーバ等を装着して携帯無線通信装置を胸ポケットに挿入した状態で通話中であると判断し、筐体下端面方向への放射を抑制する。ステップS17において、サブ液晶5で情報閲覧していると判断し、サブ液晶5側に人体胴部が障害物として存在するため、サブ液晶5方向への放射を抑制する。ステップS15において、例えば通話中であるため、携帯無線通信装置が人体頭部に近接した状態(図25参照)であると判断し、メイン液晶2方向への放射を抑制する。ステップS14において、指向性制御処理(図9参照)を実行した後、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
なお、胸ポケット等に挿入される場合の携帯無線通信装置の向きは、サブ液晶5方向及びメイン液晶2方向(下部筐体7の背面方向と同一の方向)のいずれも人体胴体部方向に向けられる可能性があるため、サブ液晶5方向及びメイン液晶2方向への放射を強くし、受信信号強度信号(RSSI)が強くなる場合のウェイトで固定してもよい。
また、外部音声出力用端子50を用いて通話をしていない場合は、携帯無線通信装置の持ち方等により、通信装置から見た人体頭部の方向が異なる場合が存在するので、ジャイロセンサ6により、携帯無線通信装置の傾斜角度θを検知し、その傾斜角度θに対する人体頭部の相対的な位置を検出し、検出した方向に対して放射を抑制してもよい。この場合、音声出力外部端子を用いて通話をしていない場合において、様々な持ち方にも対応した、人体頭部方向への放射抑制を実現できる。
なお、図8の上記障害物近接状態検出処理において、方位角φ範囲が0度±1度以下である状態が2秒保持された場合に、携帯無線通信装置が金属、木製机等の平面物体上に置かれていると判断した。しかし、本発明はこの動作に限らず、携帯無線通信装置の形状等に応じて、方位角φの範囲、角度偏差及び状態の継続時間を任意に設定してもよいことは言うまでもない。
また、上記図8のフローチャートにおいて、メイン液晶2方向、サブ液晶5方向、筐体下端面方向への放射を抑制したが、本発明はこの構成に限らず、これら以外にも、携帯無線通信装置の形状等により、上記以外の方向への放射が抑制されても良い。
図9は、図8のステップS14で実行される指向性制御処理を示すフローチャートである。
図9のステップ20において、スイッチ45をa側に切り替える。ステップS21において、受信SINR検出回路46により受信SINRを検出する。ステップS22において、受信SINRがしきい値(例えば−10dB)未満であるか否かを判断し、YESのときはステップS23に進む一方、NOのときはステップS29に進む。ステップS23において、受信SINR最小化アルゴリズムによりウェイトを決定する。ステップS24において、決定されたウェイトを用いて合成して受信する。ステップS26Aにおいて、通信を行う。ステップS26において、通信を終了したか否かを判断し、YESのときは図8の元のルーチンに戻る一方、NOのときはステップS21に戻って処理を繰り返す。
また、図9のステップS27において、受信SINR検出部46により受信SINRを検出する。ステップS28において、受信SINRが所定のしきい値(例えば−10dB)を越えるか否かを判断し、YESのときはステップS29に進む一方、NOのときはステップS23に進む。ステップS29において、スイッチ45をb側に切り替える。ステップS30において、障害物の近接状態及び携帯無線通信装置の使用状態に応じてウェイトを決定する。ステップS30Aにおいて、決定されたウェイトを用いて合成して受信する。ステップS31Aにおいて、通信を行う。ステップS31において、通信を終了したか否かを判断し、YESのときは図8の元のルーチンに戻る一方、NOのときはステップS32に進む。ステップS32において、スイッチ45をa側に切り替えた後、ステップS27に戻って処理を繰り返す。
なお、本実施形態では、ウェイトを決定するために、受信SINRを最小にするためのアダプティブアルゴリズムを用いるか、障害物の近接状態を用いるかを切り替えるための判定にSINRを用いた。しかし、本発明はこの構成に限らず、例えばBERやRSSI等他の評価値を用いてもよい。但し、SINR及びBERの場合、値が小さい程良好な通信状態を示すが、RSSIの場合は、値が大きい程良好な通信状態を示す。
また、ウェイト制御部42は、受信SINRが実質的に最小となるようにウェイトを決定した。しかし、本発明はこの構成に限らず、ウェイト制御部42は、ビットエラーレート(BER:Bit Error Rate)が実質的に最小となるようにウェイトを決定してもよく、もしくは、受信信号強度表示信号(RSSI:Receive Signal Strength Indication)が実質的に最大となるようにウェイトを決定しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、受信SINRに応じてウェイトを決定するための方法を切り替え、受信SINRが所定のしきい値を超える場合は障害物の近接状態に応じてウェイトを変更するので、従来技術に比べて良好な信号品質で通信を行うことができる。
第1の実施形態の変形例.
図10は、第1の実施形態の変形例におけるアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図10において、アダプティブアンテナ装置は、高周波回路(RF:Radio Frequency)を用いてウェイト制御を行う。図10において、アダプティブアンテナ装置は、アンテナ素子10a,10bと、BPF13a,13b,15a,15b,18と、LNA14a,14bと、高周波回路60a,60bと、ミキサ16,19,21と、局部発振器17,20と、90度移相器37と、LPF22,24と、A/D変換器23,25と、デジタル信号処理部12Aとを備えて構成される。高周波回路60a,60bは、可変減衰器(以下、可変ATTという。)61a,61bと、アナログ位相器62a,62bとを備えて構成される。
図10は、第1の実施形態の変形例におけるアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図10において、アダプティブアンテナ装置は、高周波回路(RF:Radio Frequency)を用いてウェイト制御を行う。図10において、アダプティブアンテナ装置は、アンテナ素子10a,10bと、BPF13a,13b,15a,15b,18と、LNA14a,14bと、高周波回路60a,60bと、ミキサ16,19,21と、局部発振器17,20と、90度移相器37と、LPF22,24と、A/D変換器23,25と、デジタル信号処理部12Aとを備えて構成される。高周波回路60a,60bは、可変減衰器(以下、可変ATTという。)61a,61bと、アナログ位相器62a,62bとを備えて構成される。
以上の構成によれば、アンテナ素子10a,10bから受信した各無線信号に対して、ミキサ16の前段で、それぞれ高周波回路60a,60bによりウェイト制御を行う。これにより、アンテナ素子の数に関わらずミキサ16以降の受信回路を1系統とすることができる。ミキサ16以降の各構成要素については、既に詳述した図2の送受信部11a内の各構成要素と同一であるため、説明を省略する。
従って、以上説明したように、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、アンテナ素子の数に関わらず、受信回路を1系統とすることができるので、回路構成を簡易化でき、その結果、携帯無線通信装置を低コスト化することができる。
第2の実施形態.
図11及び図12は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置のウェイト制御部42において実行される指向性制御処理の第1及び第2の部分を示すフローチャートである。図11及び図12において、第1の実施形態に係る図9に示すフローチャートのステップS30及びS30Aに代えて、ステップS40〜S47を含み、図9に示すフローチャートに加えて、ステップS48を追加した点において、図9に示すフローチャートとは異なる。本実施形態においては、図9に示すフローチャートとの相違点についてのみ説明する。
図12のステップS40において、ウェイトテーブルメモリ43からウェイトテーブルを呼び出す。ステップS41において、ウェイトテーブルの中から順次ウェイトを選択し、そのウェイトを用いて合成して信号を受信する。ステップS42において、ウェイト制御部42により検出されたRSSIが、ウェイト制御部42の一時メモリ等に格納された記憶値を越えるか否かを判断し、YESのときはステップS43に進む一方、NOのときはステップS46に進む。ステップS43において、ウェイトを現在のウェイトの値に更新し、検出されたRSSIをウェイト制御部42の一時メモリに記憶する。ステップS46において、RSSI記憶時のウェイトに更新する。ステップS44において、テーブル内の全ウェイトが呼び出し完了したか否かを判断し、YESのときはステップS45に進む一方、NOのときはステップS47に進む。ステップS45において、最終的にRSSIが実質的に最大となるウェイトを用いて合成して信号を受信する。ステップS47において、ウェイトをウェイトテーブル内の次のウェイト値に変更する。ステップS31Aにおいて、通信を行う。ステップS31において、通信を終了したか否かを判断し、YESのときは図8の元のルーチンに戻る一方、NOのときはステップS48に進む。ステップS48において、RSSIがしきい値を超え、かつ、受信SINRが−10dBを超えるか否かを判断し、YESのときはステップS31Aに戻って処理を繰り返す一方、NOのときはステップS32に進む。ステップS32において、スイッチ45をa側に切り替えた後、ステップS27に戻って処理を繰り返す。具体的には、ウェイト決定後は、RSSIと受信SINRのいずれかが所定のしきい値以下になるまで、先に決定されたウェイトを用いて通信を行う。RSSIと受信SINRのいずれかがしきい値以下になった時点で、再度受信SINR検出を行い、指向性制御方法についての選択を行う。
従って、以上説明したように、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、指向性制御において、最良のRSSIを示す最適なウェイトで信号を受信することができるので、従来技術に比べてさらに良好な信号品質で通信を行うことができる。
第3の実施形態.
図13及び図14は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置のウェイト制御部42において実行される指向性制御処理の第1及び第2の部分を示すフローチャートである。図13及び図14において、第2の実施形態に係る図11及び図12に示すフローチャートに加えて、ステップS29とステップS40との間にステップS50を含む点、及び、ステップS44とステップS47との間にステップS51を含む点において、図11及び図12に示すフローチャートとは異なる。本実施形態においては、図11及び図12に示すフローチャートとの相違点についてのみ説明する。
図13及び図14は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置のウェイト制御部42において実行される指向性制御処理の第1及び第2の部分を示すフローチャートである。図13及び図14において、第2の実施形態に係る図11及び図12に示すフローチャートに加えて、ステップS29とステップS40との間にステップS50を含む点、及び、ステップS44とステップS47との間にステップS51を含む点において、図11及び図12に示すフローチャートとは異なる。本実施形態においては、図11及び図12に示すフローチャートとの相違点についてのみ説明する。
図14のステップS50において、ジャイロセンサ6により携帯無線通信装置の傾斜角度θを検出する。ステップS40において、ウェイトテーブルメモリ43内のウェイトテーブルを呼び出す。ウェイトテーブルは、傾斜角度θの所定の角度範囲(例えば0〜10度、10〜20度、20〜30度等)毎に複数のウェイトを格納する。ウェイト制御部42は、ジャイロセンサ6により検出された2軸の傾斜角度θ分を補正した上で、RSSIが実質的に最大となるウェイトを決定する。
また、ステップS51において、ジャイロセンサ6により検出された携帯無線通信装置の傾斜角度θが変動したか否かを判断し、YESのときはステップS47に進む一方、NOのときはステップS29に戻って処理を繰り返す。すなわち、携帯無線通信装置の傾斜角度θが変動した場合は、ジャイロセンサ6による傾斜角度θの検出からやり直す。
従って、以上説明したように、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、ジャイロセンサ6により検出した携帯無線通信装置の傾斜角度θに応じてウェイトを変更するので、従来技術に比べて良好な信号品質で通信を行うことができる。
なお、本実施形態では、ジャイロセンサ6の2軸の傾斜角度θ分を補正した上でウェイトを決定して、障害物近接状態に応じた方向への放射を抑制した。しかし、本発明はこの構成に限らず、携帯無線通信装置の形状等によりその方向を任意に定めても良い。
第4の実施形態.
図15は、本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図15において、アンテナ素子10a,10bと、アンテナスイッチ20a,20bとの間に、それぞれVSWR検出部70a,70bが設けられた点、及び、デジタル信号処理部12に代えて、デジタル信号処理部12Bを設けた点において、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置とは相違している。以下、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置との相違点について説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図15において、アンテナ素子10a,10bと、アンテナスイッチ20a,20bとの間に、それぞれVSWR検出部70a,70bが設けられた点、及び、デジタル信号処理部12に代えて、デジタル信号処理部12Bを設けた点において、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置とは相違している。以下、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置との相違点について説明する。
図16は、デジタル信号処理部12B内のデジタル信号処理回路12Ba,12Bbの構成を示すブロック図である。VSWR検出部70a,70bは、アンテナ素子10a,10bにより受信した信号の電圧定在波比VSWRを検出し、デジタル信号処理部12Bに検出された電圧定在波比VSWRをウェイト制御部42Aに出力する。一般に、電圧定在波比VSWRは、反射波が発生している伝送路における電圧振幅分布の山と谷の比であり、アンテナ素子10a,10bが近接した場合の電圧定在波比VSWRは障害物の誘電率及び導電率等により異なる。そのため、ウェイト制御部42Aは、様々な障害物(金属机、人体頭部、人体腕、人体胴体部等)を近接させた場合の電圧定在波比VSWRの値をウェイトテーブルメモリ43Aに予め記憶しておくことにより、検出した電圧定在波比VSWRに応じて、障害物の種類や近接状態を判別することができる。
図17は、本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置のウェイト制御部42Aにおいて実行される指向性制御処理を示すフローチャートである。
図17のステップS1において、通信中であるか否かを判断し、YESのときはステップS60に進む一方、NOのときはステップS1に戻って処理を繰り返す。ステップS60において、VSWR検出部70a,70bにより電圧定在波比VSWRを検出する。ステップS61において、検出された電圧定在波比VSWRが7以上9未満であるか否かを判断し、YESのときはステップS62に進む一方、NOのときはステップS63に進む。ステップS62において、携帯無線通信装置が人体頭部に近接していると判断した後、ステップS14において、指向性制御処理を実行する。このとき、携帯無線通信装置のジャイロセンサ6の2軸の傾斜角度θと常に直角になる方向に対して放射抑制を行う。ステップS68において、ウェイト制御部42Aにより検出されたRSSIがしきい値未満であるか否かを判断し、NOのときはステップS69に進む一方、YESのときはステップS64に進む。ステップS69において、現在の状態を保持したまま、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
ステップS63において、検出された電圧定在波比VSWRが9以上11未満であるか否かを判断し、YESのときはステップS64に進む一方、NOのときはステップS65に進む。ステップS64において、携帯無線通信装置が人体胴部に近接していると判断した後、ステップS14において、指向性制御処理を実行する。このとき、携帯無線通信装置のジャイロセンサ6の2軸の傾斜角度θと常に直角になる方向に対して放射抑制を行う。ステップS70において、ウェイト制御部42Aにより検出されたRSSIがしきい値未満であるか否かを判断し、NOのときはステップS69に進む一方、YESのときはステップS66に進む。
ステップS65において、検出された電圧定在波比VSWRが11以上17未満であるか否かを判断し、YESのときはステップS66に進む一方、NOのときはステップS67に進む。ステップS66において、携帯無線通信装置が筐体開状態であるか否かを判断し、NOのときはステップS71に進む一方、YESのときはステップS72に進む。ステップS71において、筐体閉状態である携帯無線通信装置が金属障害物上に置かれていると判断し、メイン液晶2方向への放射を抑制する。ステップS72において、筐体開状態である携帯無線通信装置が金属障害物上に置かれていると判断し、サブ液晶5方向への放射を抑制する。ステップS14において、指向性制御処理を実行する。指向性制御処理については、既に第1乃至第3の実施形態乃至において詳述した。ステップS73において、ウェイト制御部42Aにより検出されたRSSIがしきい値未満であるか否かを判断し、NOのときはステップS69に進む一方、YESのときはステップS62に進む。ステップS67において、携帯無線通信装置が自由空間に存在すると判断した後、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
従って、以上説明したように、本実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、電圧定在波比VSWRを検出することにより、アンテナ素子10a,10bが障害物に近接したとき、その障害物の種類及び状態を上記第1乃至第3の実施形態に比べて正確に認識することができるので、従来技術に比べて良好な信号品質で通信を行うことができる。
なお、図17のフローチャートにおける電圧定在波比VSWRの範囲設定は、一例であり、携帯無線通信装置の種類や形状等により別の範囲に設定されてもよい。
また、上記第1乃至第4の実施形態において、携帯端末装置の方位角φ及び傾斜角度θを検出するジャイロセンサ6を用いた。しかし、本発明はこの構成に限らず、ジャイロセンサ6に代えて、GPS等の位置検出装置等を用いても良く、本実施形態に比較してより高精度に方位及び傾斜角度を検出できる。
さらに、上記第1乃至第4の実施形態において、2つのアンテナ素子10a,10bが設けられた。しかし、本発明はこの構成に限らず、3以上の複数個のアンテナ素子を用いても良く、その場合、放射を抑制する方向を増やすことができるので、更なる性能の改善を実現することができる。
以下、上記実施形態に基づいて、具体的な指向性制御のシミュレーションを行ったシミュレーション結果について説明する。
本実施例では、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が筐体開状態で平面状物体上に載置されている状態における具体的な指向性制御のシミュレーション結果を示す。
図18(a)は、本発明の各実施例に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの筐体開状態における構成を示す平面図であり、図18(b)は、図18(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図18(a)に示すように、このシミュレーションに用いた携帯無線通信装置モデルは、上部基板30と、下部基板31と、接続導体32と、アンテナ33a及び33bとを備えて構成される。上部基板30及び下部基板31は、接地導体を構成し、共に、長さ60mmであって、幅45mmである導体板である。上部基板30及び下部基板31は、長さ6mmであって、幅5mmである接続導体32によって、互いに接続されている。アンテナ33a及び33bは、アンテナ長18mmのアンテナ素子であって、それぞれ下部基板の上側及び下側に設けられている。また、図18(b)に示すように、筐体開状態において、上部基板30と下部基板31とは、150度の角度を成す。座標系は、携帯無線通信装置モデルの中心位置を原点Oとし、x軸を携帯無線通信装置モデルの厚さ方向とし、y軸を携帯無線通信装置モデルの幅方向とし、z軸を携帯無線通信装置モデルの長さ方向とする3次元座標系である。仰角をθとする。
図19(a)は、本発明の実施例1に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの金属障害物近接状態かつ筐体開状態における構成を示す平面図であり、図19(b)は、図19(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図19において、携帯無線通信装置モデルの背面(x軸の負方向)に下部基板31から2mm離れた位置に、長さ200mmであって、幅100mmである金属障害物65を配置する。図19の座標系は、図18の座標系と同様である。
図20は、図18に示す携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR<−10dBの場合のアダプティブアルゴリズムを用いて指向性制御したシミュレーション結果である、仰角θに対する相対電力を示す指向特性図である。図20において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sは、仰角θ=150度、方位角φ=0度より入射し、干渉波Iは仰角θ=90度、方位角φ=0度方向より入射する。信号対雑音電力比(SNR)は20dB、信号対干渉波電力比は−13dBである。指向性パターンに示すように、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後は、干渉波Iの仰角θ=90度近傍でヌルステアリングが行われ、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの仰角θ=150度近傍でビームステアリングが行われていることが確認できる。また、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)は−14.375dBであり、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後のSINRは3.752dBであったため、改善度は18.127dBであった。以上のように、本実施形態におけるアダプティブアルゴリズムによりSINRが改善されることがわかる。
図21は、図19の携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR>−10dBの場合の障害物近接状態に基づく指向性制御を行ったシミュレーション結果である、仰角θ及び相対電力を示す指向特性図である。図21において、図中の点線は、障害物近接状態に基づく適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、仰角θ=60度から所望の信号S1が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。図中の一点鎖線は、仰角θ=120度から所望の信号S2が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sが図15で示した座標系の仰角θ=60度、方位角φ=0度及び仰角θ=120度、方位角φ=0度から到来する。携帯無線通信装置から見た平面状物体障害の方向は仰角θ=180度〜359度の範囲内である。図21において、指向性制御実施前の指向性パターンと比較して、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2が到来する方向へビームステアリングが行われ、金属障害物65方向への放射が抑制されていることが確認できる。携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2に受信信号強度信号(RSSI)が含まれているため、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2の到来方向にビームステアリングを行うことによって、最大のRSSIを実現することができる。
従って、以上説明したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が筐体開状態で平面状物体上に載置されている状態における指向性制御が有効であることが確認された。
本実施例では、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が筐体閉状態で平面状物体上に載置されている状態における具体的な指向性制御のシミュレーション結果を示す。
図22(a)は、本発明の実施例2に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの金属障害物近接状態かつ筐体閉状態における構成を示す平面図であり、図22(b)は、図22(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図22において、携帯無線通信装置モデルの背面(x軸の負方向)に下部基板31から2mm離した位置に、長さ200mmであって、幅100mmである金属から成る金属障害物65を配置する。図22の座標系は、図18の座標系と同様である。
図23は、図22に示す携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR<−10dBの場合のアダプティブアルゴリズムを用いて指向性制御したシミュレーション結果である、仰角θに対する相対電力を示す指向特性図である。図23において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sは、仰角θ=150度、方位角φ=0度より入射し、干渉波Iは仰角θ=90度、方位角φ=0度方向より入射する。信号対雑音電力比(SNR)は20dB、信号対干渉波電力比は−13dBである。指向性パターンに示すように、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後は、干渉波Iの仰角θ=90度近傍でヌルステアリングが行われ、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの仰角θ=150度近傍でビームステアリングが行われていることが確認できる。指向性パターンよりも指向性パターンの方が仰角θ=150度方向へのビームステアリングが若干小さいのは、受信SINRを実質的に最小とするアルゴリズムであるので、干渉波Iの除去を優先するためである。また、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)は−25.610dBであり、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後のSINRは−8.868dBであったため、改善度は16.742dBであった。以上のように、本実施形態におけるアダプティブアルゴリズムによりSINRが改善されることがわかる。
図24は、図22の携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR>−10dBの場合の障害物近接状態に基づく指向性制御を行ったシミュレーション結果である、仰角θ及び相対電力を示す指向特性図である。図24において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、仰角θ=90度から所望の信号Sが到来する場合の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sが図22で示した座標系の仰角θ=90度、方位角φ=0度から到来する。携帯無線通信装置から見た平面状物体障害の方向は仰角θ=180度〜359度の範囲内である。図24において、指向性制御実施前の指向性パターンと比較して、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sが到来する方向へビームステアリングが行われ、金属障害物65方向への放射が抑制されていることが確認できる。携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sに受信信号強度信号(RSSI)が含まれているため、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの到来方向にビームステアリングを行うことによって、最大のRSSIを実現することができる。
従って、以上説明したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が筐体閉状態で平面状物体上に載置されている状態における指向性制御が有効であることが確認された。
本実施例では、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が筐体開状態で人体頭部に近接している状態における具体的な指向性制御のシミュレーション結果を示す。
図25は、携帯無線通信装置が下部筐体7において人体掌部68Aにより保持され、人体頭部68Bにほぼ平行に近接している状態を示す外観図である。携帯無線通信装置が傾斜している場合は、ヌルステアリングの方向は、携帯無線通信装置の傾斜角度に対して直角になるように補正される。
図26(a)は、本発明の実施例3に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの障害物近接状態かつ筐体開状態における構成を示す正面図であり、図26(b)は、図26(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図26において、携帯無線通信装置モデルの正面(x軸の正方向)にアンテナ33bから15mm離した位置に、長さ200mmであって、幅100mmである金属から成る損失性導電体65Aを配置する。損失性導電体65Aの下端は、アンテナ33bにあわせる。図26の座標系は、図18の座標系と同様である。
図27は、図26に示す携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR<−10dBの場合のアダプティブアルゴリズムを用いて指向性制御したシミュレーション結果である、仰角θに対する相対電力を示す指向特性図である。図27において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sは、仰角θ=210度、方位角φ=0度より入射し、干渉波Iは仰角θ=300度、方位角φ=0度方向より入射する。信号対雑音電力比(SNR)は20dB、信号対干渉波電力比は−13dBである。指向性パターンに示すように、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後は、干渉波Iの仰角θ=300度近傍でヌルステアリングが行われ、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの仰角θ=210度近傍でビームステアリングが行われていることが確認できる。また、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)は−1.225dBであり、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後のSINRは5.561dBであったため、改善度は6.786dBであった。以上のように、本実施形態におけるアダプティブアルゴリズムによりSINRが改善されることがわかる。
図28は、図26の携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR>−10dBの場合の障害物近接状態に基づく指向性制御を行ったシミュレーション結果である、仰角θ及び相対電力を示す指向特性図である。図28において、図中の点線は、障害物近接状態に基づく適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、仰角θ=210度から所望の信号S1が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。図中の一点鎖線は、仰角270度から所望の信号S2が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2が図26で示した座標系の仰角θ=210度、方位角φ=0度及び仰角270度、方位角φ=0度から到来する。携帯無線通信装置から見た損失性導電体65Aは、仰角θ=90度にある。図28において、指向性制御実施前の指向性パターンと比較して、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2が到来する方向へビームステアリングが行われ、人体頭部65B方向への放射が抑制されていることが確認できる。携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2に受信信号強度信号(RSSI)が含まれているため、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの到来方向にビームステアリングを行うことによって、最大のRSSIを実現することができる。
従って、以上説明したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が人体頭部に近接している状態における指向性制御が有効であることが確認された。
本実施例では、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が人体頭部に対して傾斜した状態(以下、傾斜状態という。)で近接している状態における具体的な指向性制御のシミュレーション結果を示す。
図29(a)は、本発明の実施例4に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの障害物近接状態かつ筐体開状態における傾斜時の構成を示す正面図であり、図29(b)は、図29(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図29において、携帯無線通信装置モデルの正面(x軸の正方向)にアンテナ33bから15mm離した位置に、長さ200mmであって、幅100mmである金属から成る損失性導電体65Bを配置する。損失性導電体65Bの下端は、アンテナ33bにあわせる。さらに、損失性導体板65Bを、その中心を回転軸として仰角方向に−30度傾斜させる。図29の座標系は、図18の座標系と同様である。
図30は、図29に示す携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR<−10dBの場合のアダプティブアルゴリズムを用いて指向性制御したシミュレーション結果である、仰角θに対する相対電力を示す指向特性図である。図30において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sは、仰角θ=210度、方位角φ=0度より入射し、干渉波Iは仰角θ=300度、方位角φ=0度方向より入射する。信号対雑音電力比(SNR)は20dB、信号対干渉波電力比は−13dBである。指向性パターンに示すように、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後は、干渉波Iの仰角θ=300度近傍でヌルステアリングが行われ、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの仰角θ=210度近傍でビームステアリングが行われていることが確認できる。また、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)は−9.892dBであり、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後のSINRは4.726dBであったため、改善度は14.618dBであった。以上のように、本実施形態におけるアダプティブアルゴリズムによりSINRが改善されることがわかる。
図28は、図26の携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR>−10dBの場合の障害物近接状態に基づく指向性制御を行ったシミュレーション結果である、仰角θ及び相対電力を示す指向特性図である。図28において、図中の点線は、障害物近接状態に基づく適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、仰角θ=210度から所望の信号S1が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。図中の一点鎖線は、仰角300度から所望の信号S2が到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2が図29で示した座標系の仰角θ=210度、方位角φ=0度及び仰角300度、方位角φ=0度から到来する。携帯無線通信装置から見た損失性導電体65Bは、仰角θ=60度、方位角φ=0度にある。図31において、指向性制御実施前の指向性パターンと比較して、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2が到来する方向へビームステアリングが行われ、人体頭部65B方向への放射が抑制されていることが確認できる。携帯無線通信装置モデルへの所望の信号S1及びS2に受信信号強度信号(RSSI)が含まれているため、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの到来方向にビームステアリングを行うことによって、最大のRSSIを実現することができる。
従って、以上説明したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が人体頭部に近接し、かつ傾斜している状態における指向性制御が有効であることが確認された。
本実施例では、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が人体胴部に近接している状態における具体的な指向性制御のシミュレーション結果を示す。
図32(a)は、本発明の実施例5に係るアダプティブアンテナ装置を備えた携帯無線通信装置モデルの障害物近接状態かつ筐体開状態における構成を示す平面図であり、図32(b)は、図32(a)のA−A’線における上記携帯無線通信装置モデルの断面図である。図32において、携帯無線通信装置モデルの下方(x軸の負方向)にアンテナ33bから45mm離した位置に、長さ200mmであって、幅100mmである金属から成る損失性導電体65Cを、xy軸平面に対して垂直に、かつ、yz軸平面方向に延在するように配置する。図32の座標系は、図18の座標系と同様である。
図33は、図30に示す携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR<−10dBの場合のアダプティブアルゴリズムを用いて指向性制御したシミュレーション結果である、仰角θに対する相対電力を示す指向特性図である。図33において、図中の点線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sは、仰角θ=60度、方位角φ=0度より入射し、干渉波Iは仰角θ=120度、方位角φ=0度方向より入射する。信号対雑音電力比(SNR)は20dB、信号対干渉波電力比は−13dBである。指向性パターンに示すように、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後は、干渉波Iの仰角θ=300度近傍でヌルステアリングが行われ、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの仰角θ=210度近傍でビームステアリングが行われていることが確認できる。また、アダプティブアルゴリズムによる適応制御前の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)は−11.857dBであり、アダプティブアルゴリズムによる適応制御後のSINRは2.241dBであったため、改善度は14.098dBであった。以上のように、本実施形態におけるアダプティブアルゴリズムによりSINRが改善されることがわかる。
図34は、図32の携帯無線通信装置モデルに対して、受信SINR>−10dBの場合の障害物近接状態に基づく指向性制御を行ったシミュレーション結果である、仰角θ及び相対電力を示す指向特性図である。図34において、図中の点線は、障害物近接状態に基づく適応制御前の指向性パターンを示す。図中の実線は、仰角θ=60度から所望の信号Sが到来する場合の障害物近接状態に基づく適応制御後の指向性パターンを示す。本シミュレーションでは、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sが図32で示した座標系の仰角θ=60度、方位角φ=0度から到来する。携帯無線通信装置から見た損失性導電体65Cは、仰角θ=270度、方位角φ=0度にある。図34において、指向性制御実施前の指向性パターンと比較して、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sが到来する方向へビームステアリングが行われ、損失性導電体65C方向への放射が抑制されていることが確認できる。携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sに受信信号強度信号(RSSI)が含まれているため、携帯無線通信装置モデルへの所望の信号Sの到来方向にビームステアリングを行うことによって、最大のRSSIを実現することができる。
従って、以上説明したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置を搭載した携帯無線通信装置が人体胴部に近接している状態における指向性制御が有効であることが確認された。
以上第1乃至第4の実施形態及び実施例1乃至5に説明したように、上記実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、受信SINRに応じてウェイトを決定するための方法を切り替え、受信SINRが所定のしきい値を超える場合は障害物の近接状態に応じてウェイトを変更することにより、電波状況の良い場合は障害物方向への放射を抑制かつ所望の電波の受信強度を強くする指向性を生成し、電波状況の悪い場合は干渉波を抑制しかつ所望の電波の受信強度を強くする指向性を生成する。これにより、従来技術に比べて良好な信号品質で通信を行うことができる。
また、通信状態に応じて人体方向の定義を切り替えることにより、様々な使用形態においても良好なアンテナ特性及び通信品質を提供する携帯無線通信装置を提供することができる。さらに、伝播環境の変化によらず、良好なアンテナ特性及び通信品質をもつ携帯無線通信装置を少数のアンテナを実装のみで提供することができる。
本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、障害物の近接状態と評価値との少なくとも一方に応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いて複数のアンテナを適応制御するので、アンテナ特性及び通信品質を向上させることができる。本発明に係るアダプティブアンテナ装置は、例えば、適応アンテナ制御を行う携帯電話等の無線通信装置等に利用することができる。
1…上部筐体、
2…メイン液晶、
3…スピーカ、
4…カメラ、
5…サブ液晶、
6…ジャイロセンサ、
7…下部筐体、
8…操作用キー、
9…マイクロフォン、
10a,10b…アンテナ素子、
11a,11b…送受信部、
12,12A,12B…デジタル信号処理部、
12a,12b,12Ba,12Bb…デジタル信号処理回路、
47…復調器、
46…受信SINR検出回路、
48…シリアル/パラレル変換器、
49…デジタル直交変調器、
40,41…ウェイト可変回路、
42,42A…ウェイト制御部、
43,43A…ウェイトテーブルメモリ、
50…外部音声出力用端子、
65…金属障害物。
2…メイン液晶、
3…スピーカ、
4…カメラ、
5…サブ液晶、
6…ジャイロセンサ、
7…下部筐体、
8…操作用キー、
9…マイクロフォン、
10a,10b…アンテナ素子、
11a,11b…送受信部、
12,12A,12B…デジタル信号処理部、
12a,12b,12Ba,12Bb…デジタル信号処理回路、
47…復調器、
46…受信SINR検出回路、
48…シリアル/パラレル変換器、
49…デジタル直交変調器、
40,41…ウェイト可変回路、
42,42A…ウェイト制御部、
43,43A…ウェイトテーブルメモリ、
50…外部音声出力用端子、
65…金属障害物。
Claims (14)
- 複数のアンテナと、上記複数のアンテナにより受信された各無線信号に基づいて所定のウェイトを用いて上記複数のアンテナを適応制御する制御手段とを備えたアダプティブアンテナ装置において、
上記アダプティブアンテナ装置の保持状態、載置状態及び障害物との近接状態のうちの少なくとも1つを含む状態を検出する状態検出手段と、
上記複数のアンテナにより受信された無線信号の評価値を検出する評価値検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記各アンテナにより受信された無線信号に対して、前記検出された状態と評価値とに応じてウェイトを決定し、決定されたウェイトを用いて上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とするアダプティブアンテナ装置。 - 前記検出された状態毎に複数のウェイトを対応付けたウェイトテーブルを格納した記憶手段を備え、
前記制御手段は、上記ウェイトテーブルを用いて上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。 - 前記状態検出手段は、ジャイロセンサであることを特徴とする請求項1又は2記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記状態検出手段は、前記各アンテナの送信電力の反射量を検出し、前記検出された反射量に基づいて前記障害物の近接状態を検出することを特徴とする請求項1又は2記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の符号誤り率(BER)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記評価値検出手段は、前記受信された無線信号の受信信号強度表示信号(RSSI)に基づいて、前記無線信号の評価値を検出することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記制御手段は、前記無線信号の評価値と所定のしきい値とを比較し、その比較結果に応じて、前記ウェイトの決定のために、前記検出された状態を用いるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記制御手段は、前記受信される無線信号のデータの種別に基づいて、主ビーム及びヌルの方向を変更するように上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記制御手段は、受信信号強度表示信号(RSSI)が実質的に最大となるように、前記ウェイトを決定することを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記制御手段は、信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が実質的に最小となるように、前記ウェイトを決定することを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 前記制御手段は、受信信号強度信号(RSSI)及び信号対干渉波及び雑音電力比(SINR)が所定のしきい値を超えたとき、前記ウェイトを変更せずに前記各無線信号を受信するように制御することを特徴とする請求項1乃至11のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
- 請求項1乃至12のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置と、
上記アダプティブアンテナ装置の制御手段により適応制御された各無線信号を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。 - 前記無線通信装置は開閉可能な筐体に収容され、
前記制御手段は、上記筐体の開状態又は閉状態に基づいて、主ビーム及びヌルの方向を変更するように上記複数のアンテナを適応制御することを特徴とする請求項13記載のアダプティブアンテナ装置。
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-
2006
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