JP2008041500A - 真空気密容器とその製造方法、及び電界放出型電子源装置 - Google Patents

真空気密容器とその製造方法、及び電界放出型電子源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】破損やクラックの発生がなく、高い組み立て精度で製造でき、高気密性と高信頼性を有する真空気密容器を提供する。
【解決手段】真空気密容器は、互いに対向する上面基板2及び下面基板4と、これらの間の外縁器5を少なくとも備える。外縁器5の上面基板2側端に形成された溝8内にはシール金属7が設けられている。上面基板2の外縁器5側の面には、溝8に対応する位置に突起9が設けられている。突起9は溝8内のシール金属7内に挿入されている。
【選択図】図1

Description

本発明は真空気密容器およびその製造方法に関する。また、本発明は、真空気密容器と、この内部にターゲット膜と電界放出眼陰極とを備え、例えば電界放出型撮像装置や電界放出型表示装置などに使用することができる電界放出型電子源装置に関する。
一般に、映像装置においては、伝達される情報量や画質の向上、動作(画像)の安定化が要求されている。さらに、近年のデジタル化などによりこの要求はますます高まる一方である。すなわち、高品質かつ高解像度の映像装置が望まれている。
このような高性能な映像装置の一例として真空気密容器を備えた電界放出型撮像装置が知られている(例えば特許文献1参照)。図8はその断面図である。この電界放出型撮像装置は、互いに対向する上面基板62及び下面基板4と、上面基板62と下面基板4との間に設けられた環状の外縁器65とからなり、内部に気密の空間が形成された真空気密容器を備える。上面基板62の下面基板4に対向する側の面には光電変換膜を含む撮像膜1が形成されている。下面基板4の上面基板62に対向する側の面には、複数の電子ビームを放出する電界放出型陰極3が設けられている。下面基板4には排気管10が形成されている。外縁器65と下面基板4とはフリットガラスなどからなるシールガラス6により気密に接合されている。外縁器65と上面基板62とはインジウムなどの軟質金属を用いたシール金属67により気密に接合されている。
電界放出型陰極3は、下面基板4上に設けられた陰極導体51と、陰極導体51上に形成された多数のコーン型エミッタ55と、陰極導体51上のエミッタ55が形成された領域を除く領域に形成された絶縁層52と、絶縁層52上に形成され、エミッタ55に対応する位置に開口54が形成されたゲート電極53とを備える。エミッタ55に対してゲート電極53を相対的に高電位にして、エミッタ55の近傍に109V/m程度の電界を形成することにより、エミッタ55の先端から電子が電界放出される。放出された電子が撮像膜1に射突して、撮像膜1上に結像された被写体像に応じた映像信号が出力される。
撮像膜1に用いられる光電変換膜としては、一般的にAs、Cd、Sb23、Se、Teなどからなる半導体材料が用いられる。この光電変換膜は、熱に弱く、高い温度にさらされた場合には画質が劣化する。特に、非結晶Seを主体とする高感度光電変換膜においては、50℃以上の温度でその出力画像に多数の白点が現れ、著しい画質の劣化が生じてしまう。
一方、外縁器65と下面基板4とをシールガラス6で接合するためには500℃程度の高温焼成工程が必要である。
そこで、上記の電界放出型撮像装置は、従来、以下のようにして製造されていた。
最初に、電界放出型陰極3が形成された下面基板4と外縁器65とをシールガラス6を用いて接合する。次に、撮像膜1が形成された上面基板62と外縁器65とを接合する。この接合では、下面基板4と外縁器65との接合に用いたシールガラス6を使用することはできない。従って、上述したようにインジウムなどの軟質金属を用いたシール金属67を上面基板62と外縁器65との間に挟んで常温で加圧しシール金属67を塑性変形させて、上面基板62と外縁器65とを接合する。このようにして気密容器を得た後、排気管10に真空排気装置をつないで気密容器内の気体を排気し、その後、排気管10を封止する(封止切り)。かくして、内部が高真空に保持された真空気密容器を備えた電界放出型撮像装置が得られる。
以上のような製造方法により、撮像膜1は熱の影響を受けることがないので、良好な画質を有する電界放出型撮像装置を製造することが出来る。
特開2000−48743号公報
上記の従来の電界放出型撮像装置の製造方法では、インジウムなどの軟質金属を用いたシール金属67を上面基板62と外縁器65との間に挟んで常温で大きな圧力を印加してこれを潰す。この接合方法は以下のような問題を有している。
第1に、得られる真空気密容器の気密特性が低い。外縁器65と上面基板62との接合面での気密特性は、外縁器65とシール金属67との接合面の面積、及び上面基板62とシール金属67との接合面の面積が大きくなるほど向上する。従来の電界放出型撮像装置では、これらの接合面の面積は、外縁器65の上面基板62に対向した端面の面積とほぼ一致する。従って、接合面の面積が小さいので、高い気密特性を得られない。
第2に、上面基板62や外縁器65に破損やクラックが生じやすい。上面基板62と外縁器65との間に挟んだシール金属67を潰すために、大きな力を上面基板62及び外縁器65に印加する必要があるからである。
第3に、上面基板62と下面基板4との間隔や平行度に誤差が生じやすい。シール金属67を潰すために大きな力を印加する必要があるので、シール金属67の潰れ量を制御するのが難しいからである。
これらの問題により、電界放出型撮像装置の信頼性や画質が著しく劣化する場合があった。
本発明は、破損やクラックの発生がなく、高い組み立て精度で製造でき、高気密性と高信頼性を有する真空気密容器を提供することを目的とする。また、本発明は、このような真空気密容器を備えた高品質且つ高信頼性の電界放出型電子源装置を提供することを目的とする。
本発明の真空気密容器は、上面基板と、前記上面基板に対向する下面基板と、前記上面基板と前記下面基板との間に設けられた外縁器とを少なくとも備え、内部に気密の空間が形成されている。
前記外縁器の前記上面基板側端には溝が形成されており、前記溝内にはシール金属が設けられており、前記上面基板の前記外縁器側の面には、前記溝に対応する位置に突起が設けられており、前記突起が前記溝内の前記シール金属内に挿入されていることを特徴とする。
本発明の電界放出型電子源装置は、上記の本発明の真空気密容器と、前記上面基板の前記下面基板側の面に設けられたターゲット膜と、前記下面基板の前記上面基板側の面に設けられた電界放出型陰極とを備える。
本発明の上記の真空気密容器の第1の製造方法は、前記外縁器の前記上面基板側端に形成された前記溝にシール金属を付与し、次いで、前記上面基板と前記下面基板とが互いに接近する方向の加圧力を印加して、前記突起を前記シール金属内に挿入することを特徴とする。
本発明の上記の真空気密容器の第2の製造方法は、前記外縁器の前記上面基板側端に形成された前記溝にシール金属を付与し、次いで、前記シール金属を加熱し融解させて、前記突起を前記溝内の前記シール金属内に挿入することを特徴とする。
本発明によれば、破損やクラックの発生がなく、高い組み立て精度で製造でき、高気密性と高信頼性を有する真空気密容器を提供することができる。
また、本発明によれば、このような真空気密容器を備え、高品質且つ高信頼性の電界放出型電子源装置を提供することを目的とする。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電界放出型撮像装置の概略を示した断面図である。この電界放出型電子源装置は、互いに対向する上面基板2及び下面基板4と、上面基板2と下面基板4との間に設けられた環状の外縁器5とからなり、内部に気密の空間が形成された真空気密容器を備える。上面基板2の下面基板4に対向する側の面には、光電変換膜を含む撮像膜(ターゲット膜)1が形成されている。下面基板4の上面基板2に対向する側の面には、複数の電子ビームを放出する電界放出型陰極3が設けられている。下面基板4には排気管10が形成されている。外縁器5と下面基板4とはフリットガラスなどからなるシールガラス6により気密に接合されている。
外縁器5の上面基板2側の端面には、溝8が形成されている。溝8は、環状の外縁器5の全周にわたって連続して環状に形成されている。溝8内にはインジウムなどの軟質金属を用いたシール金属7が設けられている。上面基板2の外縁器5側の面には、溝8に対応する位置に環状に連続した突起9が設けられている。突起9は、溝8内のシール金属7内に挿入されることで、外縁器5と上面基板2とは気密に接合されている。
電界放出型陰極3は、下面基板4上に設けられた陰極導体51と、陰極導体51上に形成された多数のコーン型エミッタ55と、陰極導体51上のエミッタ55が形成された領域を除く領域に形成された絶縁層52と、絶縁層52上に形成され、エミッタ55に対応する位置に開口54が形成されたゲート電極53とを備える。エミッタ55に対してゲート電極53を相対的に高電位にして、エミッタ55の近傍に109V/m程度の電界を形成することにより、エミッタ55の先端から電子が電界放出される。放出された電子が撮像膜1に射突して、撮像膜1上に結像された被写体像に応じた映像信号が出力される。
撮像膜1の光電変換膜としては特に制限はなく、例えば従来と同様の高感度光電変換膜を用いることができる。この高感度光電変換膜は50℃以上の温度では変質してしまう。従って、製造過程において高感度光電変換膜が50℃以上の温度プロセスを経た場合には、その出力画像に多数の白点が現れ、著しく画質が劣化してしまう。従って、本実施の形態でも、従来と同様に、上面基板2と外縁器5とを接合する前に、下面基板4と外縁器5とをシールガラス6を介して接合する。
上面基板2と外縁器5との接合は、従来と同様に、常温にて加圧することで行われる。この接合工程を、図2を用いて説明する。
図2に示すように、外縁器5の溝8内にシール金属7を付与し、次いで、シール金属7上に突起9の先端面が接するように、撮像膜1が形成された上面基板2を外縁器5上に載置する。この状態で、常温にて上面基板2と外縁器5とが互いに接近する方向の加圧力を印加して、シール金属7を塑性変形させ、シール金属7内に突起9を挿入する。従来と同様に、加圧が常温で行われるので、加圧工程中、撮像膜1は常に常温に保たれる。従って、撮像膜1の品質は良好に保持される(撮像膜1は変質しない)。図2では、排気管11の先端は開放されている。上面基板2と外縁器5とを接合し、気密容器を得た後に、排気管11に真空排気装置をつないで気密容器内の気体を排気し、その後、排気管11を封止する(封止切り)。かくして、図1に示した、内部が高真空に保持された真空気密容器を備えた電界放出型撮像装置が得られる。
上述したように、図8に示した従来の電界放出型撮像装置では、上面基板62と外縁器65とを接合するために大きな圧力を印加する必要があった。これは、上面基板62と外縁器65との間に挟んだシール金属67を塑性変形させて必要な気密特性を得るためである。より高い気密特性を得るためには、外縁器65の上面基板62に対向した端面の面積を大きくする必要があり、この場合、シール金属67の塑性変形量が増大するので、より大きな圧力を印加する必要がある。その結果、上面基板62や外縁器65に破損やクラックが生じやすくなり、また、上面基板62と下面基板4との間隔や平行度に誤差が生じやすくなる。即ち、従来の電界放出型撮像装置では、気密特性の向上と、上面基板62や外縁器65の損傷の低減、及び組み立て精度の向上とを両立させることは困難であった。
本実施の形態1によれば、図8に示した従来の電界放出型撮像装置が有していた上記の問題を解決できる。これを以下に説明する。
本実施の形態1では、図2に示したように、上面基板2の突起9の先端面がシール金属7に接触する。突起9の先端面の面積は、図8における外縁器65の上面基板62に対向した端面の面積よりも遙かに小さい。従って、本実施の形態1においてシール金属7を塑性変形させるのに必要な圧力は、従来より遙かに小さくて足りる。この結果、上面基板2や外縁器5に破損やクラックが生じることはほとんどない。
また、接合工程で大きな圧力を印加する必要がないので、シール金属7内への突起9の押し込み量の制御が容易である。この結果、上面基板2と下面基板4との間隔や平行度の制御が容易になり、組み立て精度が向上する。
図8に示した従来の電界放出型撮像装置では、圧力を印加するとシール金属67は横方向(圧力付与方向に対してほぼ直角方向、図8の左右方向)に拡がるように塑性変形する。これに対して、本実施の形態1では、シール金属7は溝8内に付与されているので、このような横方向への塑性変形をすることはできない。従って、突起9がシール金属7内に挿入されると、シール金属7の上面が上昇し(上面基板2に接近し)、シール金属7は突起9の先端面のみならず、その両側面とも接触して、突起9とシール金属7との接触面積が大幅に増大する。同時に、外縁器5とシール金属7との接触面積も大幅に増大する。この結果、真空気密容器の気密特性を容易に向上させることができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、気密特性の向上と、上面基板2や外縁器5の損傷の低減、及び組み立て精度の向上とを両立させることを両立させることができる。即ち、破損やクラックの発生がなく、高い組み立て精度で製造でき、高気密性と高信頼性を有する真空気密容器を得ることができる。
上記接合工程では、上面基板2と下面基板4とが互いに接近する方向の加圧力を印加したが、本発明の接合工程はこれに限定されない。例えば、溝8内に付与されたシール金属7を加熱し融解させて接合しても良い。この場合、以下のようにして接合することができる。例えば外縁器5を金属で形成し、シール金属7の材料として融点の低いインジウムを用いる。図2に示すように溝8内に付与されたシール金属7上に突起9の先端面を接触させた状態で、外縁器5に電流を流すことによりシール金属7を通電加熱し、相対的に低融点のインジウムのみを融解させる。上面基板2の自重により突起9が溝8内の融解したシール金属7内に挿入され図1に示した状態となる。その後、自然冷却することにより上面基板2と外縁器5とが接合される。シール金属7を加熱し融解させる本方法によれば、上述した加圧力を印加する方法と同様に、シール金属7と、突起9及び外縁器5との接触面積が大幅に増大するので、真空気密容器の気密特性を容易に向上させることができる。さらに、接合に際して加圧力を印加する必要がないので、上面基板2や外縁器5に加圧に起因する破損やクラックが生じることがなく、また、加圧のための装置が不要である。
なお、上記のシール金属7を加熱し融解させて接合する方法では、一般に上面基板2の自重により突起9が溝8内の融解したシール金属7内に挿入されるが、上面基板2が軽いなどの理由により突起9がシール金属7内に挿入されにくい場合には、加圧力を印加したり、上面基板2上に重りを載せたりしても良い。
外縁器5の材料は、電気伝導率が低いこと、接合される下面基板4と熱膨張係数が近いこと、及び融点が高いことが望ましく、特に、シール金属7としてインジウム、下面基板4として熱膨張係数が約4〜10×10-6/℃のホウケイ酸ガラスやソーダライムガラスなどを用いた場合には、外縁器5の材料はコバール又は52アロイが好ましい。その理由としては、コバールや52アロイはこれらのガラスとほぼ同じ熱膨張係数を有していること、インジウムに比べコバールや52アロイの電気伝導率が非常に小さいこと、及びコバールや52アロイの融点が高いことなどを挙げることができる。さらに、この場合、通電加熱により溝8内のインジウムのみを瞬間的に融解できるため、撮像膜1への温度的な影響はほとんどない。従って、撮像膜1として上述した高感度光電変換膜を用いても、撮像膜1の劣化無しに電界放出型撮像装置を製造できる。
撮像膜1が優れた耐熱特性を有する場合には、シール金属7の加熱方法として上述した通電加熱法以外に、例えば高周波誘導加熱法などを用いることができる。すなわち、撮像膜1の耐熱特性や真空気密容器の構造などに応じて加熱方法を選択すればよい。特に、撮像膜1が優れた耐熱特性を有し、且つシール金属7としてインジウムを用いた場合には、排気管11からの排気プロセス中に、真空気密容器全体をインジウムの融点である約160℃以上に加熱して数十分間〜数時間ベイクする事により、インジウムの融解に加えて、真空気密容器内の吸着ガスの除去も可能となり、非常に真空度に優れた真空気密容器を形成することが出来る。
以上のように、本実施の形態によれば、その製造方法にかかわらず、突起9が溝8内に付与されたシール金属7内に挿入されているので、真空気密容器の気密特性を向上させることができる。
(実施の形態2)
図3(A)〜図3(C)は上面基板2と外縁器5との接合部の変更例を示した断面図である。本実施の形態2は、突起9及び溝8の断面形状において実施の形態1と異なる。
図3(A)では、突起9及び溝8が、ともに略V字状断面形状を有している。突起9の先端が先鋭化されているので、突起9のシール金属7内への挿入が容易である。従って、接合工程において印加する加圧力を更に小さくすることができるので、上面基板2と下面基板4との間隔や平行度の制御が容易になり、組み立て精度が向上する。また、上面基板2や外縁器5に破損やクラックが生じることはほとんどない。
図3(B)では、突起9は略V字状断面形状を有し、溝8は実施の形態1と同様の断面形状を有している。この場合も、図3(A)と同様の効果が得られる。
図3(C)では、突起9及び溝8が、ともに非対称な断面形状を有している。
本発明では、溝8内に付与されたシール金属7内に突起9が挿入されており、それにより、突起9とシール金属7との接触面積、及び外縁器5とシール金属7との接触面積がともに確保されていれることが重要である。突起9及び溝8の断面形状は図1〜図3に限定されず、部材の材質や耐加圧特性(機械的強度)、製作方法、要求仕様などを考慮して適宜選択することができる。
(実施の形態3)
電界放出型撮像装置においては、使用期間中の真空度維持の目的でゲッター材やゲッター膜(以下、これらを「ゲッター」と総称する)をその内部に設けることが多い。ゲッターのガス吸着能力はその表面積に比例して増える。従って、使用期間中に安定して真空度を維持する為には、多くのゲッター材を内部に設置したり、内面に形成されるゲッター膜の表面積を大きくする必要がある。
図4は、ゲッター膜の表面積を大きくすることができる電界放出型撮像装置の一例の断面図である。この電界放出型撮像装置は、下面基板4に対して上面基板2とは反対側にカップ状の下部外周器12が設けられている。下部外周器12と下面基板4とはフリットガラスなどからなるシールガラス13により気密に接合されている。上面基板2と外縁器5と下面基板4とで囲まれた第1空間31と、下部外周器12と下面基板4とで囲まれた第2空間32とを繋ぐ貫通孔15が下面基板4に形成されている。下部外周器12には排気管10が形成されている。下部外周器12の内面にはゲッター膜14が形成されている。
この電界放出型撮像装置では、例えば、動作中に第1空間31内の電界放出型陰極3や撮像膜1などから発生したガスは貫通孔15を通り第2空間32に移動してゲッター膜14に吸着される。従って、電界放出型撮像装置内は常に高真空に維持され、安定した動作ができる。
なお、図4では、第2空間32を形成する内壁面にゲッター膜14を形成したが、ゲッター膜14に代えて第2空間32内にゲッター材を設置しても同様な効果を得ることができる。即ち、本発明ではゲッターの種類に限定されない。
また、図4では下面基板4に対して上面基板2とは反対側に1つの空間(第2空間32)を形成した例を示したが、下面基板4に対して上面基板2とは反対側に複数の空間を形成し、それぞれの空間内にゲッターを配置しても良い。これにより、電界放出型撮像装置内を更に高い真空度に維持することができる。但し、各空間と電界放出型陰極3及び撮像膜1が配置された第1空間31とは貫通孔により繋がっている必要がある。
ゲッター膜14の形成方法は特に限定はない。例えば図5に示したように、第2空間32内においてゲッター本体16を金属線からなるゲッターリード17に接続し且つ支持した状態で、ゲッターリード17を介してゲッター本体16を通電加熱したり、ゲッター本体16を高周波誘導加熱したりしてゲッター本体16の材料を蒸発させ、下部外周器12の内壁面に付着させることにより、ゲッター膜14を形成することができる。
(実施の形態4)
電界放出型撮像装置内は、通常、高い真空度が要求され、真空度が高いほど電子放出特性は良好となり、その結果、例えばコントラストなどが向上して撮像された画像の画質が向上する。
ところで、一般的に、排気管11はガラス材料からなり、気密容器内の気体を排気した後、バーナーや赤外線などにより加熱され融解されて封止切られる。ガラス材料を融解させると、その内部に封じ込められていたガスが大量に放出され、電界放出型撮像装置内の真空度が劣化してしまう。
電界放出型撮像装置内の真空度を向上させるためには、排気管11の封止切り工程をなくすことが好ましく、これを実現するために、真空チャンバー(真空装置)内で上面基板2と外縁器5とを接合しても良い。これを以下に説明する。
まず、図6に示すように、それぞ別個に組み立てられた第1組立部材18と第2組立部材19とを真空チャンバー20内にそれぞれ別々に設置する。第1組立部材18は、上面基板2と、上面基板2上に形成された撮像膜1及び突起9とを備える。第2組立部材19は、下面基板4と、下面基板4上に形成された電界放出型陰極3及び外縁器5とを備える。外縁器5の溝8内にはシール金属7が付与されている。
この状態で排気ポート21から真空チャンバー20内の気体を排気する。所望の真空度に達した後に、シール金属7上に突起9の先端面が接するように、外縁器5上に上面基板2を載置する。そして、通電加熱又は高周波加熱などの方法によりシール金属7を加熱し融解させる。上面基板2の自重により図7に示すように突起9が溝8内の融解したシール金属7内に挿入される。その後、自然冷却することにより、上面基板2と外縁器5とが接合され、本発明の電界放出型撮像装置を得ることができる。
上記の製造方法では、排気管11の封止切り工程が不要であるので、封止切り工程において排気管11からガスが放出される問題が解消されるので、電界放出型撮像装置内の真空度を向上させることができる。
一般的に、真空チャンバー20内に加圧機構を設けることは装置が複雑となるため難しい。特に真空チャンバー20内に、大きな加圧力を印加できる加圧機構を設けることや、上面基板2と下面基板4との間隔や平行度を高精度に制御できる加圧機構を設けることは困難であり、装置コストが高くなるだけでなく、得られる製品の信頼性にも大きな影響を与える。従って、真空チャンバー20内に加圧機構を必要としない本実施の形態の接合方法は極めて有効である。なお、上面基板2が軽いなどの理由により突起9がシール金属7内に挿入されにくい場合には、上面基板2上に重りを載せても良い。
上記の実施の形態では、下面基板4と外縁器5との接合や下面基板4と下部外周器12との接合はシールガラス6,13を用いて行われていたが、本発明では、接合部分で気密性が確保されていれば、その接合方法に限定はない。更に、別個に作成した2つの部材を接合するのではなく、一体形成された一部材を用いても良い。
上記実施の形態1〜4では、本発明の真空気密容器を電界放出型撮像装置に適用した例を説明したが、本発明の真空気密容器の用途はこれに限定されない。例えば、上面基板2の下面基板4に対向する側の面に形成されたターゲット膜1として、光電変換膜を含む撮像膜に代えて蛍光膜を用いることにより、真空気密容器を電界放出型表示装置に適用することもできる。また、一般の電界放出型電子源装置にも適用可能であり、さらには真空気密容器全般にも適用可能である。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えば電界放出型電子源を備えた撮像装置や表示装置など広範囲に利用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電界放出型撮像装置の概略を示した断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る電界放出型撮像装置の製造の一工程の概略を示した断面図である。 図3(A)〜図3(C)は、本発明の実施の形態2に係る電界放出型撮像装置において、上面基板と外縁器との接合部の変更例を示した断面図である。 図4は、本発明の実施の形態3に係る電界放出型撮像装置の概略を示した断面図である。 図5は、本発明の実施の形態3に係る電界放出型撮像装置において、ゲッター膜の形成方法を示した断面図である。 図6は、本発明の実施の形態4に係る電界放出型撮像装置の製造における一工程を示した断面図である。 図7は、本発明の実施の形態4に係る電界放出型撮像装置の製造における別の一工程を示した断面図である。 図8は、従来の電界放出型撮像装置の概略を示した断面図である。
符号の説明
1・・・撮像膜
2,62・・上面基板
3・・・電界放出型陰極
4・・・下面基板
5,65・・・外縁器
6・・・シールガラス
7,67・・・シール金属
8・・・溝
9・・・突起
10,11・・・排気管
12・・・下部外周器
13・・・シールガラス
14・・・ゲッター膜
15・・・貫通孔
16・・・ゲッタ−本体
17・・・ゲッターリード
18・・・第1組立部材
19・・・第2組立部材
20・・・真空チャンバー
21・・・排気ポート
31・・・第1空間
32・・・第2空間

Claims (6)

  1. 上面基板と、前記上面基板に対向する下面基板と、前記上面基板と前記下面基板との間に設けられた外縁器とを少なくとも備え、内部に気密の空間が形成された真空気密容器であって、
    前記外縁器の前記上面基板側端には溝が形成されており、前記溝内にはシール金属が設けられており、前記上面基板の前記外縁器側の面には、前記溝に対応する位置に突起が設けられており、前記突起が前記溝内の前記シール金属内に挿入されていることを特徴とする真空気密容器。
  2. 前記下面基板に対して前記上面基板とは反対側に少なくとも1つのカップ状の下部外周器を更に備え、
    前記上面基板と前記外縁器と前記下面基板とで囲まれた第1空間と、前記下部外周器と前記下面基板とで囲まれた第2空間とを繋ぐ貫通孔が前記下面基板に形成されており、
    前記第2空間内にはゲッター膜又はゲッター材が設けられている請求項1に記載の真空気密容器。
  3. 請求項1又は2に記載の真空気密容器と、
    前記上面基板の前記下面基板側の面に設けられたターゲット膜と、
    前記下面基板の前記上面基板側の面に設けられた電界放出型陰極と
    を備える電界放出型電子源装置。
  4. 請求項1に記載の真空気密容器の製造方法であって、
    前記外縁器の前記上面基板側端に形成された前記溝にシール金属を付与し、
    次いで、前記上面基板と前記下面基板とが互いに接近する方向の加圧力を印加して、前記突起を前記シール金属内に挿入することを特徴とする真空気密容器の製造方法。
  5. 請求項1に記載の真空気密容器の製造方法であって、
    前記外縁器の前記上面基板側端に形成された前記溝にシール金属を付与し、
    次いで、前記シール金属を加熱し融解させて、前記突起を前記溝内の前記シール金属内に挿入することを特徴とする真空気密容器の製造方法。
  6. 前記突起の前記シール金属内への挿入を、真空装置内の気体が十分に排気された雰囲気下で行う請求項4又は5に記載の真空気密容器の製造方法。
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