JP2000208031A - 封止パネル装置及びその製造方法 - Google Patents

封止パネル装置及びその製造方法

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JP2000208031A
JP2000208031A JP655699A JP655699A JP2000208031A JP 2000208031 A JP2000208031 A JP 2000208031A JP 655699 A JP655699 A JP 655699A JP 655699 A JP655699 A JP 655699A JP 2000208031 A JP2000208031 A JP 2000208031A
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Toshiharu Matsushita
敏治 松下
Tomoo Kosugi
知生 小杉
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2枚のパネル間の空間の真空度が高く、且つ、
最終製品の組立てに際して立体的な制約が少なく、薄型
化を図れる封止パネル装置を提供する。 【解決手段】本発明の封止パネル装置は、対向配置され
た第1パネル11と第2パネル12から成り、第1パネ
ル11と第2パネル12とは周縁部においてシール部材
20を用いて接着され、第1パネル11、第2パネル1
2及びシール部材20の少なくとも1つには開口部13
が設けられ、開口部13は低融点金属材料から成る密栓
部材24で閉鎖されており、第1パネル11とシール部
材20と第2パネル12と密栓部材24とによって囲ま
れた空間は真空である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止パネル装置及
びその製造方法に関し、より詳しくは、対向配置された
2枚のパネルの間の空間が真空にされ、しかも薄型化を
可能とする封止パネル装置、及び、かかる封止パネル装
置を優れた量産性をもって製造可能とする封止パネル装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、画像表示装置の分野において、
対向配置された2枚のパネルの間の空間が真空にされた
封止パネル装置が用いられている。封止パネル装置の一
般的な構成において、真空空間を規定する部材は、2枚
のパネル及びこれら2枚のパネルの周縁部に介在された
シール部材である。シール部材は、一般に、2枚のパネ
ルの対向距離に等しい厚さを有するフリット・ガラスの
層、あるいは、2枚のパネルの対向距離にほぼ等しい高
さを有する枠体とこれを2枚のパネルに接着するための
フリット・ガラスの層から成る。フリット・ガラスは、
ガラス微粒子を有機バインダ中に分散させた高粘度のペ
ースト状材料であり、所定のパターンに塗布した後、焼
成によって有機バインダを除去することにより、固体層
となる。
【0003】かかる封止パネル装置の代表例として、平
面画像表示装置、例えば冷陰極電界電子放出型の表示装
置(以下、単に表示装置と称する)を挙げることができ
る。この表示装置は、透明支持体上に蛍光体層とアノー
ド電極とが形成されて成るアノード・パネルと、支持体
上に複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、単に電界放
出素子と称する)が形成されて成るカソード・パネルと
が、真空空間を挟んで対向配置された構成を有する。電
界放出素子は、ミクロン・オーダーの寸法にて形成され
た電子放出部を有しており、この電子放出部が或る強度
以上の電界中に置かれたときに電子放出部から真空中へ
向けて電子が放出され、この電子がアノード電極に引き
付けられて蛍光体に衝突し、発光を得る。
【0004】封止パネル装置の真空空間を形成するため
の代表的な方法として、2枚のパネルをシール部材を用
いて接着した後に排気を行う方法が広く採用されてい
る。この方法の概念的な工程図を、図13に示す。先
ず、図13の(A)に示すように、第1パネルP1の周
縁部、枠体F、第2パネルP2の周縁部に、第1接着層
A1と第2接着層A2として例えばフリット・ガラスを
塗布する。但し、第2パネルP2には予め、チップ管と
通称される直径10mm程度のガラスから成る排気管E
を挿通させておく。次に、図13の(B)に示すよう
に、第1パネルP1と枠体Fと第2パネルP2の三者を
位置合わせし、450°C程度の焼成温度にてフリット
・ガラスを焼成することにより、三者を接着する。この
ようにして、第1接着層A1、枠体F、第2接着層A2
から成るシール部材Sが形成される。この時点では、第
1パネルP1とシール部材Sと第2パネルP2とによっ
て囲まれる空間は未だ真空空間ではない。次に、図13
の(C)に示すように、排気管Eを通じて上記空間の排
気を行う。空間が所望の真空度に達した時点で、排気管
Eを三角印で示した部位において加熱融着すると、図1
3の(D)に示すように、上記空間が真空(VAC)と
された封止パネル装置を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2枚の
パネルの接着後に排気を行う方法には、問題点もある。
先ず、パネル間の空間の排気コンダクタンスに起因し
て、排気工程に多大な時間を要する。特に、電界放出素
子を備えた表示装置を想定した場合、各パネルの対角寸
法が数インチ〜数十インチであるのに対し、パネル間の
対向距離は0.2mm〜1mmと狭いので、排気コンダ
クタンスは著しく大きくなる。現状では、上記表示装置
の一般的な最終到達真空度として10-4Paのオーダー
を達成するために、対角寸法数インチの表示装置ですら
排気に十数時間を要している。対角寸法がより大きい表
示装置では、排気に要する時間は膨大となり、排気装置
の能力によっては所望の真空度が達成されない可能性も
ある。このことは、封止パネル装置の大画面化や量産に
向けて大きな障害となる。
【0006】また、排気管Eを加熱融着する際に排気管
Eの内壁から大量のガスが放出され、このガスの一部が
パネル間の空間に閉じ込められるため、真空度は多くの
場合、10-1Paのオーダーまで劣化してしまう。空間
内に予めゲッターを組み込んでおけば、チップ管の加熱
融着後にゲッターを加熱により活性化することで真空度
の改善は可能であるが、その改善は1桁程度にとどま
る。従って、最終到達真空度として10-4Paのオーダ
ーを達成するためには、ゲッター活性化前の真空度とし
て10-3Paのオーダーが達成されていることが必要で
ある。しかしながら、排気管Eの加熱融着を行う方法で
10-3Paのオーダーの真空度を達成することは極めて
困難である。特に、電界放出素子を備えた表示装置にあ
っては、パネル間の空間に何らかのガスが存在している
と、このガスから生じたイオンによって微小な電子放出
部がスパッタされ、電子放出効率が変化したり、あるい
は電子放出部が損傷を受けて表示装置の寿命が短縮する
といった問題がある。
【0007】更に、排気管Eが最終的にパネル面から突
出するために、表示装置の最終製品を組み立てる際に立
体的な制約を招き、特に薄型化を図る上で不利である。
かかる排気管Eの突出長さは、図13の(C)において
三角印で示した融着部位と第2パネルP2との距離によ
って決まるが、融着を行うための装置の形状や寸法、及
び、既に第2パネルP2上に形成されているデバイスへ
の熱による悪影響を避けるために、この距離は或る程度
以上には短縮できないのが実情である。排気管Eの突出
長さは通常、20〜30mm程度に達し、封止パネル装
置の最終製品の薄型化を阻む原因となっている。
【0008】従って、本発明は、2枚のパネル間の空間
の真空度が高く、且つ、最終製品の組立てに際して立体
的な制約が少なく、薄型化を図ることができる封止パネ
ル装置、及びかかる封止パネル装置を優れた量産性をも
って製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の封止パネル装置は、対向配置された第1パ
ネルと第2パネルから成り、第1パネルと第2パネルと
は、周縁部においてシール部材を用いて接着され、第1
パネル、第2パネル及びシール部材の少なくとも1つに
は、開口部が設けられ、開口部は、低融点金属材料から
成る密栓部材で閉鎖されており、第1パネルとシール部
材と第2パネルと密栓部材とによって囲まれた空間は真
空であることを特徴とする。以下、第1パネルと第2パ
ネルとを、単にパネルと総称する場合がある。
【0010】上記の目的を達成するための本発明の封止
パネル装置の製造方法は、本発明の電界放出素子を製造
する方法である。即ち、第1パネルと第2パネルとが真
空空間を挟んで対向配置され、第1パネル、第2パネル
及びシール部材の少なくとも1つに設けられた開口部が
低融点金属材料から成る密栓部材によって閉鎖された構
造を有する封止パネル装置の製造方法であって、(イ)
対向配置された第1パネルの周縁部と第2パネルの周縁
部とを、シール部材を用いて接着する工程、及び、
(ロ)真空雰囲気中で、低融点金属材料から成る密栓部
材によって開口部を閉鎖する工程、から成ることを特徴
とする。
【0011】本発明の封止パネル装置の製造方法は、従
来のようなパネル接着後の排気を行う代わりに、空間が
閉鎖される直前の第1パネル及び第2パネルを真空雰囲
気中に置き、低融点金属材料から成る密栓部材による開
口部の閉鎖と同時に真空空間を形成することを趣旨とし
ている。従って、必ず真空雰囲気中で行わなければなら
ない工程は(ロ)であり、工程(イ)については特に真
空雰囲気中で行う必要はなく、常圧下、あるいは減圧下
で行うことができる。更に、常圧下あるいは減圧下の雰
囲気は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表
0族に属する希ガス(例えばArガス)を含む不活性ガ
ス雰囲気であってもよいが、不活性ガス雰囲気であるこ
とが好ましい。
【0012】本発明の封止パネル装置及びその製造方法
(以下、単に「本発明」と総称することがある)におい
ては、密栓部材は、開口部を埋め込み、且つ、開口部の
近傍の少なくともパネルの内表面上へも延在しているこ
とが好ましい。つまり、密栓部材がパネルの内側へ回り
込む形状を有することにより、パネルと密栓部材との接
触面積が増大し、真空封止がより一層確実となる。尚、
開口部が第1パネルに設けられている場合には、密栓部
材は、開口部の近傍の第1パネルの内表面上、及び、開
口部と対向する第2パネルの部分の内表面上にも延在
し、場合によってはシール部材の内壁面上にも延在して
いることが好ましい。一方、開口部が第2パネルに設け
られている場合には、密栓部材は、開口部の近傍の第2
パネルの内表面上、及び、開口部と対向する第1パネル
の部分の内表面上にも延在し、場合によってはシール部
材の内壁面上にも延在していることが好ましい。更に
は、開口部がシール部材に設けられている場合には、密
栓部材は、開口部の近傍のシール部材の内壁面上、及
び、開口部の近傍の第1及び第2パネルの内表面上にも
延在していることが好ましい。
【0013】かかる開口部の閉鎖は、工程(ロ)におい
て、低融点金属材料の融点以上の温度にて低融点金属材
料を開口部に押し込むことにより達成することができ
る。但し、工程(ロ)における上記温度は、工程(イ)
において既に接着に用いられているシール部材の変形や
流失を招かないよう、シール部材を構成する材料の耐熱
温度よりも低い温度とすることが肝要である。シール部
材の構成材料については後述する。
【0014】低融点金属材料の押し込みは、低融点金属
材料を付着させた押圧治具を開口部へ向けて接近させる
ことにより行うことができる。押圧治具を使用する場
合、開口部の周囲に、押圧治具の接近距離を制限するた
めの制限部材を配し、押圧治具を制限部材に当接するま
で開口部に接近させることが好適である。制限部材は、
例えば棒材であっても構わないが、開口部の周囲を連続
的に周回し、且つ、開口部と同等以上の寸法の孔部を有
する板材あるいはリング状部材を好適に用いることがで
きる。かかる板材あるいはリング状部材を用いることに
より、低融点金属材料が開口部に押し込まれる前に潰れ
ることを防止し、パネルやシール部材の外表面上で潰れ
た低融点金属材料が広がったとしても、広がり範囲を孔
部内に制限することができる。また、押圧治具と制限部
材とを一体に構成し、しかも制限部材内を押圧治具が上
下に自在に滑動できるような構造としてもよい。
【0015】開口部に押し込まれる前の低融点金属材料
は、ブロック材、線材、板材等の如何なる形状にて供給
されても構わないが、これらの材料の表面は通常、自然
酸化膜の生成により表面粗さが増大した状態にあり、こ
のままではパネルやシール部材の表面に対して高い密着
性を保証することは困難である。然るに、低融点金属材
料をその融点以上の温度に加熱した状態で開口部に押し
込むことにより、自然酸化膜の被膜が破壊され、内側の
未酸化部分が真空空間内に押し出されて密栓部材を形成
する。従って、形成される密栓部材の表面は清浄であ
り、開口部の内壁面やパネルの内表面、シール部材の内
壁面に高い密着性をもって密着する。従って、空間の真
空度を長期間に亙って高いレベルに維持することが可能
となる。
【0016】本発明の封止パネル装置においては、開口
部に埋め込まれた密栓部材の頂面が、開口部がパネルに
設けられている場合には開口部の近傍のパネル外表面と
略同一平面上に揃っており、開口部がシール部材に設け
られている場合にはシール部材の外表面と略同一平面上
に揃っていることが特に好ましい。このような形態とす
ることによって、パネルやシール部材の外表面から突出
した密栓部材の部分が無くなるので、封止パネル装置の
厚さは、2枚のパネルの厚さとシール部材の厚さのみの
合計によって決定されることになる。かかる封止パネル
装置を製造するには、工程(ロ)の終了後、開口部の外
側に突出した低融点金属材料の残渣を除去すればよい。
この除去は、例えばカッター刃、ブレード、グラインダ
ー、研磨装置等の機械的除去手段を用いて行うことがで
きる。
【0017】更に、本発明の封止パネル装置及びその製
造方法においては、第1パネルと第2パネルの少なくと
も一方において、パネル表面の一部はゲッターを収容す
るための箱部によって構成され、箱部と前記空間とはパ
ネルに設けられた貫通孔によって連通しており、開口部
は箱部に設けられている構成とすることもできる。
【0018】かかる構成において、開口部と貫通孔と
は、平面配置上、重複を避けて設けられていることが好
適である。これは、開口部を埋め込む密栓部材により、
貫通孔も同時に埋め込まれることを防止し、以て、前記
空間と箱部内との連通が断たれることを防止するためで
ある。貫通孔までが密栓部材により閉鎖されると、ゲッ
ターが空間内の放出ガスを吸収することができなくな
る。
【0019】箱部に収容されたゲッターは、空間の最終
到達真空度を高めることが望ましいので、蒸発型のゲッ
ターであることが好適である。蒸発型のゲッターとは、
封止パネル装置の真空空間において、800〜1000
°Cに加熱されて最終的に蒸着膜に変化し、残留ガス吸
着の機能を果たすタイプのゲッターである。蒸発型のゲ
ッターの構成材料は一般にバリウム(Ba)その他の卑
金属であり、形状や配設数は特に限定されない。ゲッタ
ーを箱部に収容する場合、ゲッターの形状や保持方法は
特に限定されず、例えばタブレット状のゲッターを箱部
の内壁面上及び/又はパネル面上でバネ材を用いて固定
する等の構成が可能である。尚、本発明では、パネル表
面の一部が箱部により構成されていない場合にもゲッタ
ーを使用することは勿論可能であり、例えば、第1パネ
ル及び/又は第2パネルの適当な部位に箔状のゲッター
を無機系接着剤を用いて貼付することが可能である。こ
のような場合には、ゲッターとして、低融点金属材料の
融点近傍の温度でも活性化することが可能な非蒸発型の
ゲッターを用いることが好ましい。非蒸発型のゲッター
の構成材料は一般にジルコニウム(Zr)その他の卑金
属である。
【0020】ところで、本発明における開口部は、第1
パネル、第2パネル及びシール部材の単独あるいは如何
なる組合せにおいて設けられていてもよく、また、これ
ら三者の各々に設けられる開口部の個数も単数、複数を
問わない。第1パネルや第2パネルに開口部を設ける場
合、各パネルの機能や美観に支障を及ぼさない部位に設
けることが必要であり、例えば、本発明の封止パネル装
置として表示装置を想定する場合には、表示画面に対応
する有効領域を避けることが肝要である。開口部の形状
や大きさは特に限定されないが、この開口部に低融点金
属材料を押し込む際の加熱の影響が及ぶ範囲をなるべく
狭い領域内に限定し、且つ、信頼性の高い密栓部材を得
る観点からは、パネル面積に比べて十分に小さく選択す
ることが望ましい。また、シール部材に開口部を設ける
場合、開口部はどのような形態にて設けられていてもよ
いが、パネルの周縁部に沿った方向の一部においてシー
ル部材を切り欠くように設けることが最も実用的であ
る。開口部がシール部材を切り欠くように設けられた場
合、密栓部材による開口部の閉鎖はシール部材上のみで
行われていてもよいが、シール部材を横断し、第1パネ
ルと第2パネルの双方の外側側面に対して行われること
が一層好ましい。
【0021】本発明で用いられるシール部材は、枠体を
含まないタイプ、枠体を含むタイプのいずれであっても
よい。枠体を含まないタイプでは、フリット・ガラスや
低融点金属材料等の不定形材料を所望の形状に成形して
シール部材が形成される。パネル間の対向距離は、実質
的にフリット・ガラスや低融点金属材料の層厚によって
決まるので、例えば所謂低電圧タイプの表示装置に採用
できる構成である。これに対し、枠体を含むタイプは、
ガラスやセラミクス等の剛性材料から成る枠体と、枠体
を第1パネルに接着するための第1接着層、及び、枠体
を第2パネルに接着するための第2接着層から構成され
ている。この場合のパネル間の対向距離は、実質的に枠
体の高さによって制御することができ、例えば所謂高電
圧タイプの表示装置に採用できる構成である。
【0022】枠体を含むシール部材において、第1接着
層と第2接着層は共にフリット・ガラスから構成されて
いても、共に低融点金属材料から構成されていても、あ
るいは一方がフリット・ガラス、他方が低融点金属材料
から構成されていてもよい。第1接着層の構成材料と第
2接着層の構成材料が共にフリット・ガラスである場
合、これらのフリット・ガラスは組成比が同一であって
も、成分組成が同一で組成比のみ成分組成が異なってい
ても、あるいは成分組成及び組成比が共に異なっていて
もよい。また、第1接着層の構成材料と第2接着層の構
成材料が共に低融点金属材料である場合、これらの低融
点金属材料は組成比が同一であっても、成分組成が同一
で組成比のみ成分組成が異なっていても、あるいは成分
組成及び組成比が共に異なっていてもよい。
【0023】ところで、本発明において、「低融点」の
語が意味する温度範囲は、概ね400゜C以下である。
一般的なフリット・ガラスの軟化温度は600゜C前
後、焼成温度は450゜C前後であるから、低融点金属
材料の融点はこれらの温度よりも更に低い。本発明で
は、低融点金属材料は密栓部材の構成材料として用いら
れ、場合によってはシール部材や第1接着層及び/又は
第2接着層の構成材料としても用いられるが、融点の下
限は特に限定されない。密栓部材の構成材料として用い
られる低融点金属材料については、120〜160°C
程度の融点を持つ材料であれば、接着条件にも依存する
が、加熱を行わなくても、圧力、超音波、高周波等のエ
ネルギーを与えることにより、常温若しくはその近傍温
度で接着が可能である。シール部材の構成材料として用
いられる低融点金属材料は、密栓部材を構成する低融点
金属材料よりも高い融点を有することが好ましい。
【0024】低融点金属材料としては、In(インジウ
ム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合
金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95
Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高
温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb
94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5
1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温
はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Z
n)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314
゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の
錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)
等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示す
ることができる。特に、インジウム(In)は、常温で
あっても圧力を加えることにより一種の接着材として機
能し得る低融点金属材料である。
【0025】本発明の封止パネル装置の製造方法におい
て、工程(ロ)の加熱は、ランプ・アニール、レーザ・
アニール、ファーネス・アニール等の公知の加熱方法に
より行うことができるが、ランプ・アニールやレーザ・
アニール等、集光による局所加熱が可能な方法が特に好
ましい。工程(イ)でも加熱を行う場合には、上記のい
ずれの加熱方法も採用することができ、あるいは、加熱
炉内での加熱とすることもできる。
【0026】本発明において、第1パネルとシール部材
と第2パネルと密栓部材とによって囲まれた空間の真空
度は、封止パネル装置の構成に応じて異なる。封止パネ
ル装置として冷陰極電界電子放出型の表示装置を想定し
た場合、要求される真空度はおおよそ10-4Paのオー
ダー、あるいはそれ以上(即ち、より低圧)である。
【0027】本発明において、例えば、第1パネルは、
透明支持体、並びに、透明支持体上に形成されたアノー
ド電極及び蛍光体層から成り、第2パネルは、支持体、
並びに、支持体上に形成され、アノード電極及び蛍光体
層に対向した複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、単
に電界放出素子と称する)から成り、電界放出素子から
放出された電子が蛍光体層に衝突することによる発光に
基づいて表示を行う構成が可能である。尚、このような
構造の封止パネル装置を、以下、冷陰極電界電子放出型
表示装置と呼び、場合によっては、単に表示装置と呼
ぶ。本発明の封止パネル装置は、その他、例えば、蛍光
表示管に適用し得る。
【0028】表示装置の構成要素である電界放出素子と
しては、公知の如何なる型式の電界放出素子をも用いる
ことができ、例えば、所謂スピント型、平面型、エッジ
型等の型式を例示することができる。
【0029】表示装置の第1パネルを構成する透明支持
体として、ガラス基板、表面に絶縁層が形成されたガラ
ス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板
を例示することができる。また、表示装置の第2パネル
を構成する支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材から
構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁層が形
成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成さ
れた石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を
用いることができる。ゲッターを収容するための箱部
は、例えばガラスから作製すればよい。
【0030】表示装置を構成するカソード電極及び電子
放出部は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タン
タル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)等の高融点金属を用いて形成することが
できる。表示装置を構成するゲート電極及びアノード電
極は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロ
ム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀
(Au)等の金属層又はこれらの金属元素を含む合金
層、あるいは不純物を含有するシリコン等の半導体層を
用いて形成することもできる。また、絶縁層の構成材料
としては、SiO2、SiN、SiON、ガラス・ペー
スト硬化物を単独あるいは適宜積層して使用することが
できる。絶縁層の製膜には、CVD法、塗布法、スパッ
タリング法、印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき、本
発明の封止パネル装置及びその製造方法について説明す
る。
【0032】(実施の形態1)実施の形態1は、第1パ
ネルに開口部に開口部が設けられ、この開口部が低融点
金属材料から成る密栓部材によって埋め込まれた封止パ
ネル装置、及びその製造方法に関する。実施の形態の封
止パネル装置の概念図を図1に示し、この封止パネル装
置を適用して構成された冷陰極電界電子放出型の表示装
置の模式的断面図を図2に示し、かかる表示装置の一部
を拡大して模式的に示す分解斜視図を図3に示す。ま
た、実施の形態1の封止パネル装置の製造方法の工程図
を図4及び図5に示し、封止パネル装置の変形例を図6
に示す。更に、シール部材によるパネル接着のパターン
を図7に示し、実施の形態1の封止パネル装置の変形例
を図8に示し、シール部材によるパネル接着の他のパタ
ーンを図9に示す。
【0033】図1に、実施の形態1の封止パネル装置の
概念的な構成を示す。ここで、図1の(A)は断面図、
図1の(B)は斜視図である。矩形形状を有する第1パ
ネル11と第2パネル12とは、周縁部においてシール
部材20によって接着されている。ここで、シール部材
20は厚さ1mmの枠体23と、枠体23を第1パネル
11に接着する第1接着層21、及び、枠体23を第1
パネル12に接着する第2接着層22から構成されてい
る。第1パネル11は、封止パネル装置としての実用上
の機能を果たす中央部の有効領域と、この有効領域を機
能を支援するために有効領域を額縁状に包囲する無効領
域とを有する。尚、図1の(B)においては、有効領域
及び無効領域を明確化するために、有効領域に斜線を付
した。また、図1の(B)では第1接着層21及び第2
接着層22の図示は省略した。第1パネル11の無効領
域には直径約4.5mmの円形の開口部13が設けられ
ている。開口部13は、低融点金属材料から成る密栓部
材24で閉鎖されており、第1パネル11とシール部材
20と第2パネル12と密栓部材24とによって囲まれ
た空間は真空(VAC)とされている。開口部13に埋
め込まれた密栓部材24の頂面は、開口部13の近傍の
第1パネル11の外表面と略同一平面上に揃っている。
【0034】図2に、実施の形態1の封止パネル装置を
表示装置に適用した例を示す。また、図3には表示装置
の一部分を拡大して示す。第1パネル11は、透明支持
体110、並びに、透明支持体110上に形成されたア
ノード電極113及び3原色の蛍光体層112R,11
2G,112Bから成る。個々の蛍光体層112R,1
12G,112Bは一例として矩形形状を有しており、
所定の規則的なパターンに従って配列されている。隣接
する蛍光体層112R,112G,112Bの間は、カ
ーボン等の光吸収性材料から成るブラック・マトリクス
111で埋め込まれ、表示画像の色濁りが防止されてい
る。図示は省略するが、蛍光体層112R,112G,
112Bとアノード電極113の間には、表示画面の輝
度を高める目的でアルミニウムの蒸着膜、所謂メタルバ
ック膜が設けられていてもよい。また、図2及び図3で
は、透明支持体110上において蛍光体層112R,1
12G,112Bとアノード電極113とがこの順に積
層されているが、積層順を逆にしても構わない。但し、
積層順を逆とした場合には、表示装置の観察面側から見
てアノード電極113が蛍光体層112の手前に来るた
め、アノード電極113をITO(インジウム・錫酸化
物)等の透明導電材料にて構成する必要がある。
【0035】第2パネル12は、支持体120、並び
に、支持体120上に形成され、アノード電極113及
び蛍光体層112R,112G,112Bに対向した複
数の電界放出素子から成る。電界放出素子は、一方向に
設けられた帯状のカソード電極121と、絶縁層122
と、絶縁層122上に形成され、カソード電極121と
直交する方向に帯状に形成されたゲート電極123と、
カソード電極121とゲート電極123との重複領域に
おいてゲート電極123及び絶縁層122に設けられた
円形の電子放出用開口部125内に配された電子放出部
から構成されている。図2に示す表示装置においては、
電子放出用開口部125の底面に露出したカソード電極
121の部分が電子放出部として機能する、所謂平面型
の電界放出素子が例示されているが、他の型式の電界放
出素子であっても勿論構わない。例えば、カソード電極
121上に導電材料から成る円錐形の電子放出部が形成
されていれば、所謂スピント型の電界放出素子である。
また、導電材料から成る電子放出層、絶縁層、ゲート電
極層が順に積層され、ゲート電極層、絶縁層及び電子放
出層を貫通する開口部が形成され、開口部内に露出した
電子放出層の端部が電子放出部とされていれば、これは
所謂エッジ型の電界放出素子である。あるいは又、第1
ゲート電極層、第1絶縁層、電子放出層、第2絶縁層、
第2ゲート電極層が順に積層され、第2ゲート電極層、
第2絶縁層、電子放出層及び第1絶縁層を貫通する開口
部が形成され、開口部内に露出した電子放出層の端部が
電子放出部とされていれば、これも所謂エッジ型の電界
放出素子である。
【0036】尚、図2では1画素の領域内に電子放出用
開口部125が1つしか図示されていないが、実際に
は、図3のように、複数の電子放出用開口部125が形
成される場合が多い。但し、本発明の封止パネル装置
は、図2及び図3に何ら限定されるものではない。例え
ば、図3では、1画素の領域内に電子放出用開口部12
5が16個形成されているが、勿論これは例示に過ぎ
ず、実際には数千個にも及ぶ場合がある。また、アノー
ド電極113とカソード電極121とゲート電極123
の形成方向や、電子放出用開口部125の形状も任意で
ある。
【0037】カソード電極121には走査回路53から
相対的に負電圧が印加され、ゲート電極123には制御
回路52から相対的に正電圧が印加され、アノード電極
113にはゲート電極123よりも更に高い正電圧が加
速電源51から印加される。表示装置において表示を行
う場合、制御回路52にはビデオ信号、走査回路53に
は走査信号が入力される。カソード電極121とゲート
電極123とに電圧を印加した際に生ずる電界により、
電子放出部から電子eが放出される。この電子eが、ア
ノード電極113に引き付けられて蛍光体層112R,
112G,112Bに衝突すると、蛍光体層112R,
112G,112Bが発光し、所望の表示を得ることが
できる。この表示装置の動作は、基本的にゲート電極1
23に印加される電圧によって制御される。
【0038】表示装置の場合、蛍光体層112R,11
2G,112Bのマトリクスが形成されている領域が表
示装置としての実用上の機能を果たす有効領域であり、
マトリクスの周辺回路の収容や表示画面の機械的支持
等、有効領域の機能を支援する領域が無効領域である。
開口部13は、この無効領域に形成されている。尚、開
口部13を第2パネル12側の支持体120に設けても
よい。しかし、第2パネル12上には電界放出素子が半
導体プロセスと同様のプロセスによってミクロン・オー
ダーの精度で作製されており、電界放出素子への熱的歪
みあるいは機械的歪みはできるだけ避けたいので、開口
部13はアノード電極113を有する第1パネル11側
に設ける方が望ましい。
【0039】第1パネル11と第2パネル12の無効領
域には、非蒸発型のゲッター15が貼付されている。こ
こでは、ゲッター15として厚さ0.1〜0.2mmの
ジルコニウム箔を使用する。この程度の厚さは、第1パ
ネル11と第2パネル12の対向距離よりも十分に薄
く、従ってゲッター15が両パネルを短絡させる虞はな
い。ゲッター15は無機系接着剤を用いて貼付するが、
このとき、無機系接着剤の熱膨張係数及びこれと直接接
触する部材の熱膨張係数を略一致させることが好まし
い。例えば、ゲッター15を図2に示した表示装置に使
用する場合、無機系接着剤としては、第1パネル11を
構成する透明支持体110、及び第2パネル12を構成
する支持体120と熱膨張係数が略一致するものを選択
することが好ましい。尚、図2には、ゲッター15が第
1パネル11と第2パネル12の双方に貼付された例を
示したが、空間の真空度として十分に高い値が達成でき
る限りにおいて、いずれか一方のパネルにのみ貼付して
もよい。あるいは又、場合によっては、ゲッターは不要
である。
【0040】以下、上述した封止パネル装置の製造方法
を、図4を参照して説明する。
【0041】[工程−100]先ず、図4の(A)に示
すように枠体23の一方の面に第1接着層21、他方の
面に第2接着層22を設ける。ここで、第1接着層21
及び第2接着層22を共にフリット・ガラスを塗布する
ことにより設ける場合、双方の接着層を構成するフリッ
ト・ガラスは、同一組成を有するか、若しくは焼成温度
が同一又は近似したものとする。また、第1接着層21
と第2接着層22を共に低融点金属材料の形成又は配置
することにより設ける場合、双方の接着層を構成する低
融点金属材料は、同一組成を有するか、若しくは融点が
同一又は近似したものとする。ここで、低融点金属材料
の「形成」とは蒸着法、スパッタリング法、イオン・プ
レーティング法等の真空薄膜形成技術による製膜を意味
し、低融点金属材料の「配置」とは線材や箔の載置又は
貼り付けを意味する。尚、図4の(A)には、第1接着
層21と第2接着層22とを枠体23に配した例を示し
たが、この段階における第1接着層21と第2接着層2
2の配設パターンには図7の(A)〜(I)に示す計9
通りがあり、第1パネル11及び/又は枠体23に対す
る第1接着層21の濡れ性や所望の接着強度、並びに、
枠体23及び/又は第2パネル12に対する第2接着層
22の濡れ性と所望の接着強度に応じて、適宜選択すれ
ばよい。
【0042】[工程−110]次に、図4の(B)に示
すように、第1パネル11、枠体23、第2パネル12
の三者を位置合わせし、第1接着層21及び第2接着層
22で接着する。このときの接着は、フリット・ガラス
を用いている場合にはフリット・ガラスの仮焼成温度及
び本焼成温度にて、また、低融点金属材料を用いている
場合には低融点金属材料の融点以上の温度で行う。尚、
フリット・ガラスの本焼成、及び低融点金属材料を用い
た接着は、不活性ガス雰囲気中で行うことが好適であ
る。
【0043】[工程−120]次に、図4の(C)に示
すように、シール部材20により接着された第1パネル
11と第2パネル12を真空容器VC内にセットし、第
1パネル11上に制限部材30を載置する。この制限部
材30は、次に述べる押圧治具31の開口部13への接
近距離を制限するための厚さ約0.5mmの板材であ
り、直径約12mmの円形の孔部30aを有し、この孔
部30aの中心が開口部13の中心に一致するように載
置される。開口部13の上方には押圧治具31が対向配
置され、押圧治具31の下面には低融点金属材料24a
が付着されている。ここでは、低融点金属材料24aと
してインジウム(融点157°C)を使用する。
【0044】[工程−130]次に、押圧治具31を下
降させ、低融点金属材料24aを開口部13の上に載せ
る。この状態で、真空容器VCの外部に配設された図示
しないハロゲン・ランプを用いて低融点金属材料24a
を加熱する。このときの加熱温度を、約160°Cとす
る。低融点金属材料24aの温度が融点以上に上昇した
ところで、押圧治具31を制限部材30に当接するまで
更に下降させる。これにより、流動性を帯びた低融点金
属材料24aが開口部13内へ押し込まれる(図5の
(A)参照)。
【0045】[工程−140]この後、ハロゲン・ラン
プによる加熱を中止し、押圧治具31を上昇させ、制限
部材30を取り外し、パネルを真空容器VCから取り出
す。こうして、図5の(B)に示すような封止パネル装
置を得ることができる。密栓部材24は、開口部13の
近傍の第1パネル11の内表面上、更には、開口部13
と対向する第2パネル12の内表面上へも延在するよう
な状態で形成される。また、開口部13に押し込まれる
前の低融点金属材料24aの表面は自然酸化膜で覆われ
ているが、押し込みに伴ってこの自然酸化膜が破壊さ
れ、内部の未酸化部分が開口部13及び空間に流れ込
む。第1パネル11と第2パネル12との間の空間は押
し込み時には既に真空なので、開口部13内に流れ込ん
だ低融点金属材料の表面は酸化される虞がなく、清浄な
状態に維持される。従って、密栓部材24により極めて
高い気密性が保たれる。更に、低融点金属材料24aを
押し込む際の温度は160°Cと低く、且つ、接着のた
めの加熱を極めて局所的に行うことができるので、第1
接着層21及び第2接着層22をフリット・ガラスある
いは低融点金属材料を用いて形成した場合にも、第1接
着層21や枠体23や第2接着層22、第1パネル11
や第2パネル12から新たな脱ガスが生ずることがな
い。従って、図5の(B)に示す封止パネル装置におい
て、空間の最終到達真空度を極めて高いレベル、例えば
10-4Paのオーダーに維持することができる。しか
も、両パネルが真空雰囲気中に置かれた状態で封止が行
われるため、封止後に排気を行う方法に比べてスループ
ットも格段に優れている。
【0046】尚、密栓部材24の下面は必ずしも第2パ
ネル12の内表面に接触していなくても構わないが、封
止パネル装置の機械的強度を確保する観点、及び、後述
するように制限部材30の孔部30aの内部を満たす低
融点金属材料の残渣の部分を後工程で除去するような場
合には、密栓部材24の脱落を防止する観点から、第2
パネル12の内表面に接触していることが好ましい。ま
た、制限部材30を用いて押圧治具31の開口部13へ
の接近距離を制限したために、形成される密栓部材24
の一部は開口部13の外側へも突出し、開口部13の近
傍の第1パネル11の外表面上へ延在しているが、制限
部材30を使用せずに押圧治具31を第1パネル11の
表面に接触するまで下降させれば、このような突出部が
形成されない。しかし、開口部13内に流れ込む前に低
融点金属材料が第1パネル11の表面で押し潰されて広
がることを防ぐためには、制限部材30を使用すること
が好ましく、従って密栓部材24の一部は開口部13の
外側へも突出する。
【0047】[工程−150]そこで、上述のような密
栓部材24の突出部は、何らかの方法で除去することに
より、封止パネル装置の薄型化を更に推し進めることが
できる。図5の(C)には、一例としてブレードBを第
1パネル11の表面に沿って移動させることにより、密
栓部材24の残渣24rを除去している状態を示す。残
渣24rを除去した後の密栓部材24の頂面は、開口部
13が設けられた第1パネル11の外表面と略同一平面
上に揃っている。かかる残渣除去によって完成された封
止パネル装置の概念的な断面図は図1の(A)に、ま
た、概念的な分解斜視図は図1の(B)に、それぞれ示
したとおりである。尚、密栓部材24の残渣24rは必
ずしも除去する必要はない。このような残渣が残された
状態で完成された封止パネル装置の概念的な断面図を図
6の(A)に、また、概念的な分解斜視図を図6の
(B)に、それぞれ示す。ここで、図6の(B)におい
ては、有効領域及び無効領域を明確化するために、有効
領域に斜線を付した。また、図6の(B)では第1接着
層21及び第2接着層22の図示は省略した。
【0048】尚、上述した密栓部材24は第2パネル1
2に接するように形成されているが、第2パネル12上
に例えば装置外部への引出し配線25が形成されている
場合には、密栓部材による引出し配線25の短絡を防止
するために、図8に示すように、ガラス等の絶縁材料か
ら成る絶縁板26で引出し配線を覆い、絶縁板26の上
に密栓部材24が接触するようにしてもよい。あるいは
又、引出し配線25上に絶縁材料層を形成したり、引出
し配線25の表面を絶縁化することによって、密栓部材
24と引出し配線25との短絡を防止してもよい。
【0049】また、上述した製造方法は、第1パネル1
1、枠体23及び第2パネル12の三者を同時に位置合
わせして接着する方法であったが、先ず第1パネル11
と枠体23とを接着し、続いて枠体23に第2パネル1
2を接着する方法を採用してもよい。即ち、図9に示す
ように、先ず、第1段階で第1パネル11と枠体23と
を第1接着層21により接着し、次に、第2段階で、図
9の(A)乃至図9の(C)に示すいずれかのパターン
に従って枠体23及び/又は第2パネル12の周縁部に
第2接着層22を配置し、図9の(D)に示すように枠
体23と第2パネル12を接着する。このように第2パ
ネル12を後から接着する場合には、第2段階で行われ
る加熱により、第1段階で既に形成された第1接着層2
1が変形したり流失したりすることを避けるために、第
1接着層21は第2接着層22よりも耐熱性の高い材料
にて構成することが要求される。かかる要求が満たされ
る限りにおいて、第1接着層21と第2接着層22は、
共にフリット・ガラスから構成されていても、共に低融
点金属材料で構成されていてもよく、あるいは第1接着
層21がフリット・ガラス、第2接着層22が低融点金
属材料で構成されていてもよい。更には、パネルの周縁
に沿った第1接着層21又は第2接着層22の一部にお
いて、フリット・ガラスと低融点金属材料とが混在して
いてもよい。尚、以上の工程とは逆に、先ず第2パネル
12と枠体23とを接着し、続いて枠体23に第1パネ
ル11を接着する方法を採用してもよい。
【0050】更に、シール部材20は枠体23を含まな
い構成であってもよく、例えば、フリット・ガラスや低
融点金属材料等の不定形材料を所望の形状に成形して成
る構成であってもよい。かかる構成には、パネルの周縁
部に沿ってフリット・ガラスの形成部位と低融点金属材
料の形成部位とが混在する構成も含まれる。
【0051】この場合、封止パネル装置には、第1パネ
ルと第2パネルの間隔を正確に維持するための間隔維持
部材、所謂スペーサを用いることもできる。この間隔維
持部材は、典型的には絶縁性を有する剛性材料、例えば
ガラス球や円柱体から成る。間隔維持部材を用いた封止
パネル装置を製造するには、シール部材20と一体化さ
れた後の第2パネル12の表面に、間隔維持部材を塗
布、散布、吹付け等の方法により配置し、しかる後に第
1パネル11を接着すればよい。
【0052】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形例であり、シール部材20に開口部を設
け、この開口部を低融点金属材料から成る密栓部材で閉
鎖し、更に密栓部材の表面の残渣を除去した封止パネル
装置の構成例である。実施の形態2の封止パネル装置
を、図10に示す。図10の(A)は封止パネル装置の
概念的な断面図、図10の(B)は概念的な分解斜視図
である。尚、図10の(B)においては、第1接着層2
1と第2接着層22の図示を省略している。
【0053】実施の形態2の封止パネル装置において
は、シール部材20の一部、より具体的には、パネルの
周縁部に沿った枠体23の一部を切り欠くように開口部
14が設けられ、この開口部14が低融点金属材料から
成る密栓部材124で閉鎖されている。密栓部材124
は、開口部14の近傍のシール部材20の内壁面上、及
び第1パネル11と第2パネル12の内表面上へも延在
するような状態で形成されている。図10に示す密栓部
材124は、頂面が開口部14の近傍のシール部材2
0、より具体的には枠体23の外表面と略同一平面上に
揃っているが、枠体23の外表面から一部突出していて
もよい。また、開口部14は、第1接着層21及び/又
は第2接着層22をも切り欠くように設けられていても
よいし、枠体23のみを切り欠くように設けられていて
もよい。いずれにしても、実施の形態2の封止パネル装
置では、装置本体の側面で真空封止が行われるため、無
効領域の面積に開口部を設ける余裕が無い場合に有効で
ある。
【0054】実施の形態2の封止パネル装置を製造する
には、シール部材の形成時に開口部14の形成予定領域
を残すようにフリット・ガラスを塗布するか、あるいは
低融点金属材料を形成又は配置する。そして、実施の形
態1で述べたプロセスと実質的に同様のプロセスを実行
すればよい。
【0055】(実施の形態3)実施の形態3は、第1パ
ネルの表面の一部がゲッターを収容するための箱部によ
って構成され、この箱部に設けられた開口部が密栓部材
で閉鎖された封止パネル装置の構成例である。実施の形
態3の封止パネル装置の要部の概念的な断面図を図11
に示し、この封止パネル装置の製造方法の概念的な分解
斜視図を図12に示す。尚、これらの図面の符号は図1
と一部共通であり、共通部分については詳しい説明を省
略する。図12では、第1接着層21と第2接着層22
の図示を省略し、第2パネル12の有効領域と第1パネ
ル11を明確化するために斜線を施した。
【0056】実施の形態3の封止パネル装置において、
第2パネル12の表面の一部は、ゲッター42を収容す
るための箱部40によって構成されている。即ち、本発
明では、箱部40の上面も第2パネル12の表面の一部
と考える。箱部40は例えばガラスを用いて構成され、
縦2cm×横4cm×高さ0.2cmの底の無い直方体
形状を有する。箱部40の底側の四辺は、図示しない接
着材層(例えば、フリット・ガラスから成る)を用いて
第2パネル12の無効領域に接着されている。箱部40
内において、箱部40の天井面と第2パネル12の上面
との間に一対の板ばね43が架け渡されており、この板
ばね43の付勢によって直径約4mmの円盤状のゲッタ
ー42が箱部40内に保持されている。このゲッター4
2は蒸発型であり、例えばバリウム等の卑金属から成
る。箱部40の上面には、直径約4.5cmの開口部4
1が設けられ、この開口部41は低融点金属材料から成
る密栓部材24で閉鎖されている。ここでは、低融点金
属材料としてインジウムを用いる。図11では、密栓部
材24の頂面を、箱部40の上面、即ち第2パネル12
の表面と略同一平面上に揃えているが、密栓部材24の
一部が開口部41から突出して箱部40の外表面上へも
一部延在していてもよい。
【0057】箱部40に囲まれる第2パネル12の領域
には、直径約4〜5mmの貫通孔16が設けられてい
る。この貫通孔16は、第1パネル11と第2パネル1
2との間の空間と箱部40内とを連通させるためのもの
で、開口部41とは平面配置上、重複を避けて設けられ
ている。このような配置を採る理由は、仮に貫通孔16
が開口部41の直下に設けられていると、開口部41に
押し込まれた密栓部材24が貫通孔16をも閉鎖して、
パネル間の空間と箱部40内とが連通しなくなる虞があ
り、従ってゲッター42を設ける意味がなくなるからで
ある。
【0058】かかる封止パネル装置を製造するために
は、制限部材30を箱部40の上に載置し、箱部40に
設けられた開口部41に低融点金属材料24aを押し込
むことによって、密栓部材24により開口部41を閉鎖
する。これらの点を除き、基本的には実施の形態1で述
べた方法と同様の方法にて封止パネル装置を製造するこ
とができる。低融点金属材料24aを開口部41へ押し
込む際の加熱温度は、使用する低融点金属材料の融点以
上であって、箱部40と第1パネル11とを接着してい
る接着材層(図示せず)、第1パネル11と枠体23と
を接着している第1接着層21、枠体23と第2パネル
12とを接着している第2接着層22の耐熱温度よりは
低いと温度とする。場合によっては、第1パネル11の
表面の一部を、ゲッター42を収容するための箱部40
によって構成してもよい。あるいは又、第1パネル11
の表面の一部を、ゲッター42を収容するための箱部4
0によって構成し、更には、第2パネル12の表面の一
部を、ゲッター42を収容するための箱部40によって
構成してもよい。
【0059】以上、本発明を実施の形態に基づき説明し
たが、本発明はこれらに限定されるものではない。封止
パネル装置の構造の細部、封止パネル装置を適用した表
示装置の構造の細部は例示であり、適宜変更、選択、組
合せが可能である。実施の形態1にて説明した各種構成
のシール部材を、実施の形態2あるいは実施の形態3に
て説明した封止パネル装置に適用することができること
は云うまでもない。封止パネル装置を適用した表示装置
においては収束電極を設けてもよい。即ち、電界放出素
子を、カソード電極と、絶縁層と、絶縁層上に形成され
たゲート電極と、ゲート電極上を含む絶縁層上に形成さ
れた層間絶縁層と、層間絶縁層上に形成された収束電極
とから構成し、カソード電極とゲート電極との重複領域
において、収束電極、層間絶縁層、ゲート電極及び絶縁
層に設けられた円形の電子放出用開口部内に電子放出部
を配した構造とすることもできる。
【0060】本発明の封止パネル装置あるいはその製造
方法において、第1パネル及び/又は第2パネルとし
て、周縁部にフリット・ガラスから成る突起部(実施の
形態1の封止パネル装置における枠体に相当する)が形
成された第1パネル及び/又は第2パネルを用いること
もできる。そして、必要に応じて、第1パネル及び/又
は第2パネルのかかる突起部に低融点金属材料から成る
シール部材を形成し、あるいは配置すればよい。また、
かかる構造の第1パネル及び/又は第2パネルを用いる
場合であって、後述の濡れ性改善層を形成する必要があ
る場合には、フリット・ガラスから成る突起部の頂面に
濡れ性改善層を形成すればよい。
【0061】また、本発明の封止パネル装置の製造方法
においては、低融点金属材料から成るシール部材や第1
接着層又は第2接着層の表面には自然酸化膜が生成する
場合があるので、加熱による接着を行う直前に、自然酸
化膜を除去することが好適である。自然酸化膜の除去
は、例えば、希塩酸を用いたウェットエッチング法、塩
素系ガスを用いたドライエッチング法、超音波印加法等
の公知の方法で行うことができる。
【0062】更には、本発明の封止パネル装置及びその
製造方法において、シール部材20を低融点金属材料か
ら構成する場合、第1パネル11、第2パネル、あるい
は又、シール部材20を構成する枠体23に、必要に応
じて、濡れ性改善層を設けてもよい。濡れ性改善層をど
こに設けるかは、低融点金属材料に対する第1パネル、
第2パネルあるいは枠体の濡れ性に応じて決定すればよ
く、例えば、第1パネル11側のみ、あるいは第2パネ
ル12側のみ、あるいは枠体のみに設けてもよいし、例
えば、第1パネル11側、第2パネル12側、枠体の全
てに設けてもよい。濡れ性改善層を設けた場合、加熱前
の濡れ性改善層とシール部材20を構成する低融点金属
材料との位置合わせ精度がそれ程高くなくても、加熱を
経て最終的な接着が終了した時点で低融点金属材料が自
らの表面張力により濡れ性改善層の上に自己整合的に収
斂し、最終的に低融点金属材料から構成されたシール部
材20と第1パネル11や第2パネル12とが正確に位
置合わせされるメリットがある。濡れ性改善層は、例え
ばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、酸化銅(Cu
O)を用いて構成することができ、厚さは、0.1μm
前後であればよい。尚、濡れ性改善層の表面にも低融点
金属材料の場合と同様、自然酸化膜が成長する場合があ
るので、予め、自然酸化膜を除去することが好適であ
る。自然酸化膜の除去は、エッチング法、超音波印加法
等の公知の方法で行うことができる。濡れ性改善層の形
成方法として、スパッタ法、メッキ法を例示することが
できる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、シール部材を用いて2枚のパネルの全体
若しくは大部分を接着する段階と、接着された2枚のパ
ネルを真空雰囲気中に置き、パネルやシール部材に設け
られた開口部を低融点金属材料から成る密栓部材で閉鎖
する段階から成る2段階プロセスによりパネル間の真空
空間が形成される。従って、高い真空度を比較的短い時
間内に達成することができ、チップ管を通じて排気を行
う従来プロセスに比べ、スループットを著しく改善する
ことが可能である。また、最終的なパネル封止が、2枚
のパネルに比べて面積の小さい開口部を密栓部材を用い
て閉鎖するプロセスによって行われ、しかも、密栓部材
を低融点金属材料から構成するので、この閉鎖に際して
パネル全体を加熱する必要がなく、新たな脱ガスが生じ
ない。従って、パネル間の空間の最終到達真空度も高い
レベルに維持される。更に、第1パネルと第2パネルと
が真空雰囲気中に置かれるとき、両パネルは既に接着さ
れているため、真空中で両パネルの位置合わせを行うと
いった複雑な作業も不要である。また、チップ管が不要
であるので、封止パネル装置の薄型化を図ることができ
る。本発明は、特に、封止パネル装置として電界電子放
出型の表示装置を想定した場合、表示装置の高信頼化、
長寿命化、生産性の向上に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1パネルに設けられた開口部を密栓部材で閉
鎖する実施の形態1の封止パネル装置を概念的に示す図
であり、(A)は断面図、(B)は分解斜視図である。
【図2】表示装置として構成された実施の形態1に係る
封止パネル装置の模式的断面図である。
【図3】図2に示した封止パネル装置の一部を拡大して
示す分解斜視図である。
【図4】実施の形態1の封止パネル装置の製造方法を概
念的に示す工程図である。
【図5】図4に引き続き、実施の形態1に係る封止パネ
ル装置の製造方法を概念的に示す工程図である。
【図6】密栓部材の頂面の突出部が除去されていない封
止パネル装置を示す図であり、(A)は概念的な断面
図、(B)は概念的な分解斜視図である。
【図7】実施の形態1に係る封止パネル装置の製造方法
であって、第1パネルと枠体と第2パネルを同時に接着
する方法を概念的に示す工程図である。
【図8】絶縁板を用いた実施の形態1の封止パネル装置
の変形例を示す概念的な断面図である。
【図9】実施の形態4に係る封止パネル装置の製造方法
であって、第1パネルと枠体とを先に接着する方法を概
念的に示す工程図である。
【図10】シール部材に設けられた開口部を密栓部材で
閉鎖する実施の形態2の封止パネル装置を示す図であ
り、(A)は概念的な断面図、(B)は概念的な分解斜
視図である。
【図11】第2パネルの表面の一部がゲッターを収容す
るための箱部で形成された実施の形態3の封止パネル装
置を概念的に示す断面図である。
【図12】実施の形態3の封止パネル装置の製造方法を
概念的に示す分解斜視図である。
【図13】従来の封止パネル装置の製造方法を概念的に
示す工程図である。
【符号の説明】
11・・・第1パネル、12・・・第2パネル、13,
41・・・開口部、15,42・・・ゲッター、16・
・・貫通孔、20・・・シール部材、21・・・第1接
着層、22・・・第2接着層、23・・・枠体、24,
124・・・密栓部材、24a・・・低融点金属材料、
30・・・制限部材、31・・・押圧治具、40・・・
箱部、110・・・透明支持体、111・・・ブラック
・マトリクス、112R,112G,112B・・・蛍
光体層、113・・・アノード電極、120・・・支持
体、121・・・カソード電極、123・・・ゲート電
極、51・・・加速電源、52・・・制御回路、53・
・・走査回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/02 H01L 23/02 C Fターム(参考) 5C012 AA05 BC03 5C032 AA06 BB01 CC04 CD04 5C035 EE04 EE08 5C036 EE14 EE17 EG05 EH04 5G435 AA17 AA18 BB02 CC09 KK02 KK05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された第1パネルと第2パネルか
    ら成り、 第1パネルと第2パネルとは、周縁部においてシール部
    材を用いて接着され、 第1パネル、第2パネル及びシール部材の少なくとも1
    つには、開口部が設けられ、 開口部は、低融点金属材料から成る密栓部材で閉鎖され
    ており、 第1パネルとシール部材と第2パネルと密栓部材とによ
    って囲まれた空間は真空であることを特徴とする封止パ
    ネル装置。
  2. 【請求項2】密栓部材は、開口部を埋め込み、且つ、該
    開口部の近傍の少なくともパネルの内表面上へも延在し
    ていることを特徴とする請求項1に記載の封止パネル装
    置。
  3. 【請求項3】開口部に埋め込まれた密栓部材の頂面は、
    開口部の近傍のパネル又はシール部材の外表面と略同一
    平面上に揃っていることを特徴とする請求項2に記載の
    封止パネル装置。
  4. 【請求項4】第1パネルと第2パネルの少なくとも一方
    において、パネル表面の一部はゲッターを収容するため
    の箱部によって構成され、 箱部と前記空間とは、パネルに設けられた貫通孔によっ
    て連通しており、 開口部は箱部に設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の封止パネル装置。
  5. 【請求項5】開口部と貫通孔とは、平面配置上、重複を
    避けて配置されていることを特徴とする請求項4に記載
    の封止パネル装置。
  6. 【請求項6】箱部に収容されたゲッターは、蒸発型のゲ
    ッターであることを特徴とする請求項4に記載の封止パ
    ネル装置。
  7. 【請求項7】第1パネルは、透明支持体、並びに、該透
    明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層から
    成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の封止パネル装置。
  8. 【請求項8】第1パネルと第2パネルとが真空空間を挟
    んで対向配置され、第1パネル、第2パネル及びシール
    部材の少なくとも1つに設けられた開口部が低融点金属
    材料から成る密栓部材によって閉鎖された構造を有する
    封止パネル装置の製造方法であって、 (イ)対向配置された第1パネルの周縁部と第2パネル
    の周縁部とを、シール部材を用いて接着する工程、及
    び、 (ロ)真空雰囲気中で、低融点金属材料から成る密栓部
    材によって開口部を閉鎖する工程、から成ることを特徴
    とする封止パネル装置の製造方法。
  9. 【請求項9】第1パネルと第2パネルの少なくとも一方
    において、パネル表面の一部はゲッターを収容するため
    の箱部によって構成され、 箱部と前記空間とは、パネルに設けられた貫通孔によっ
    て連通しており、 開口部は箱部に設けられていることを特徴とする請求項
    8に記載の封止パネル装置の製造方法。
  10. 【請求項10】工程(ロ)では、低融点金属材料の融点
    以上の温度にて低融点金属材料を開口部に押し込むこと
    により開口部を閉鎖することを特徴とする請求項8に記
    載の封止パネル装置の製造方法。
  11. 【請求項11】低融点金属材料の押し込みを、低融点金
    属材料を付着させた押圧治具を開口部へ向けて接近させ
    ることにより行うことを特徴とする請求項10に記載の
    封止パネル装置の製造方法。
  12. 【請求項12】開口部の周囲に、押圧治具の接近距離を
    制限するための制限部材を配し、押圧治具を制限部材に
    当接するまで開口部に接近させることを特徴とする請求
    項11に記載の封止パネル装置の製造方法。
  13. 【請求項13】工程(ロ)の終了後、開口部の外側に突
    出した低融点金属材料の残渣を除去し、密栓部材の頂面
    を、開口部が設けられたパネル又はシール部材の外表面
    と略同一平面上に揃えることを特徴とする請求項12に
    記載の封止パネル装置の製造方法。
  14. 【請求項14】第1パネルは、透明支持体、並びに、該
    透明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層か
    ら成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項8に記載の封止パネル装置の製造方
    法。
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