JP2000215791A - 封止パネル装置及びその製造方法 - Google Patents

封止パネル装置及びその製造方法

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JP2000215791A
JP2000215791A JP1482399A JP1482399A JP2000215791A JP 2000215791 A JP2000215791 A JP 2000215791A JP 1482399 A JP1482399 A JP 1482399A JP 1482399 A JP1482399 A JP 1482399A JP 2000215791 A JP2000215791 A JP 2000215791A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2枚のパネル間の空間の真空度が高く、且つ、
最終製品の組立てに際して立体的な制約の少ない封止パ
ネル装置、及びかかる封止パネル装置を優れた量産性を
もって製造する方法を提供する。 【解決手段】対向配置された第1パネル11と第2パネ
ル12、及び蓋部40から成り、第1パネル11と第2
パネル12とは、周縁部においてシール部材20aを用
いて接着され、第1パネル11、第2パネル12及びシ
ール部材20aの少なくとも1つには、開口部13が設
けられ、該開口部13は、低融点金属材料から成る接着
層30によってパネルに接着された該蓋部40により閉
鎖され、第1パネル11とシール部材20aと第2パネ
ル12と接着層30と蓋部40とによって囲まれた空間
は真空(VAC)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止パネル装置及
びその製造方法に関し、より詳しくは、対向配置された
2枚のパネルの間の空間が真空にされた封止パネル装
置、及び、かかる封止パネル装置を優れた量産性をもっ
て製造可能とする封止パネル装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、画像表示装置の分野において、
対向配置された2枚のパネルの間の空間が真空にされた
封止パネル装置が用いられている。封止パネル装置の一
般的な構成において、真空空間を規定する部材は、2枚
のパネル及びこれら2枚のパネルの周縁部に介在された
シール部材である。シール部材は、一般に、2枚のパネ
ルの対向距離に等しい厚さを有するフリット・ガラスの
層、あるいは、2枚のパネルの対向距離にほぼ等しい高
さを有する枠体と、枠体を2枚のパネルに接着するため
のフリット・ガラスの層から成る。フリット・ガラス
は、ガラス微粒子を有機バインダ中に分散させた高粘度
のペースト状材料であり、所定のパターンに塗布した
後、焼成によって有機バインダを除去することにより、
固体層となる。
【0003】かかる封止パネル装置の代表例として、平
面画像表示装置、例えば冷陰極電界電子放出型の表示装
置(以下、単に表示装置と称する)を挙げることができ
る。この表示装置は、透明支持体上に蛍光体層とアノー
ド電極とが形成されて成るアノード・パネルと、支持体
上に複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、単に電界放
出素子と称する)が形成されて成るカソード・パネルと
が、真空空間を挟んで対向配置された構成を有する。電
界放出素子は、ミクロン・オーダーの寸法にて形成され
た電子放出部を有しており、この電子放出部が或る強度
以上の電界中に置かれたときに電子放出部から真空中へ
向けて電子が放出され、この電子がアノード電極に引き
付けられて蛍光体に衝突し、発光を得る。
【0004】封止パネル装置の真空空間を形成する方法
には、大別して、(a)2枚のパネルをシール部材を用
いて接着した後に排気を行って形成する方法と、(b)
2枚のパネルをシール部材を用いて接着する作業を真空
雰囲気中で行うことにより、接着と同時に形成する方法
とがある。排気を行う方法(a)では、2枚のパネルの
少なくとも一方に、予めチップ管と呼ばれる直径10m
m程度のガラス管を挿通しておき、接着後にこの排気管
を排気装置に接続して2枚のパネルの間の空間を排気
し、空間が所望の真空度に達した時点でガラス管を加熱
融着させる。一方、真空雰囲気中で接着を行う方法
(b)では、真空容器内で2枚のパネルをシール部材を
挟んで位置合わせし、この状態で加熱を行って2枚のパ
ネルをシール部材で接着させる。加熱の温度は、シール
部材としてフリット・ガラスを使用する場合、450°
C程度である。この温度は、フリット・ガラスの典型的
な焼成温度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空空間の形成方法には問題点もある。先ず、排気を行
う方法(a)では、パネル間の空間の排気コンダクタン
スに起因して、排気工程に多大な時間を要する。特に、
電界放出素子を備えた表示装置を想定した場合、各パネ
ルの対角寸法が数インチ〜数十インチであるのに対し、
パネル間の対向距離は0.2mm〜1mmと狭いので、
排気コンダクタンスは著しく大きくなる。現状では、上
記表示装置の一般的な最終到達真空度として10-4Pa
のオーダーを達成するために、対角寸法数インチの表示
装置ですら排気に十数時間を要している。対角寸法がよ
り大きい表示装置では、排気に要する時間は膨大とな
り、排気装置の能力によっては所望の真空度が達成され
ない可能性もある。このことは、封止パネル装置の大画
面化や量産に向けて大きな障害となる。
【0006】また、排気を行う方法(a)では、チップ
管を加熱融着する際にチップ管の内壁から大量のガスが
放出され、このガスの一部がパネル間の空間に閉じ込め
られるため、真空度は多くの場合、10-1Paのオーダ
ーまで劣化してしまう。空間内に予めゲッターを組み込
んでおけば、チップ管の加熱融着後にゲッターを加熱に
より活性化することで真空度の改善は可能であるが、そ
の改善は1桁程度にとどまる。従って、最終到達真空度
として10-4Paのオーダーを達成するためには、ゲッ
ター活性化前の真空度として10-3Paのオーダーが達
成されていることが必要であるが、チップ管の加熱融着
を行う方法で10-3Paのオーダーの真空度を達成する
ことは極めて困難である。特に、電界放出素子を備えた
表示装置にあっては、パネル間の空間に何らかのガスが
存在していると、このガスから生じたイオンによって微
小な電子放出部がスパッタされ、電子放出効率が変化し
たり、あるいは電子放出部が損傷を受けて表示装置の寿
命が短縮するといった問題がある。
【0007】排気を行う方法(a)は更に、チップ管が
パネル面から突き出すために、表示装置の最終製品を組
み立てる際に立体的な制約を招き、特に薄型化を図る上
でも不利である。
【0008】真空雰囲気中で接着を行う方法(b)で
は、排気コンダクタンスに起因する排気工程の長時間化
の問題が解決され、真空雰囲気さえ所望の最終到達真空
度に設定しておけば、パネルの寸法に依存せずにパネル
間に高真空空間を形成することは比較的容易である。し
かし、接着に際してパネル全体を加熱するので、フリッ
ト・ガラスに起因する空間の汚染や真空度の劣化が生じ
易い。空間の汚染は、主としてフリット・ガラスのペー
ストに含まれる有機バインダに起因する。また、真空度
の劣化は、フリット・ガラスやパネル内壁面からの脱ガ
スに起因する。フリット・ガラスのペーストは一般に高
粘度であるため、パネル上に所定のパターンに塗布され
る際に、塗膜中に気泡が形成され易く、この気泡の中に
含まれていたガスがパネル間の空間に放出されて真空度
を劣化させる。パネル内壁面からの脱ガスは、主として
吸着水分の脱離による。
【0009】従って、本発明は、2枚のパネル間の空間
の真空度が高く、且つ、最終製品の組立てに際して立体
的な制約が少なく、薄型化を図ることができる封止パネ
ル装置、及びかかる封止パネル装置を優れた量産性をも
って製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の封止パネル装置は、対向配置された第1パ
ネルと第2パネル、及び蓋部から成り、第1パネルと第
2パネルとは、周縁部においてシール部材を用いて接着
され、第1パネル、第2パネル及びシール部材の少なく
とも1つには、開口部が設けられ、該開口部は、低融点
金属材料から成る接着層によってパネルに接着された該
蓋部により閉鎖され、第1パネルとシール部材と第2パ
ネルと接着層と蓋部とによって囲まれた空間は真空であ
ることを特徴とする。
【0011】かかる封止パネル装置を製造するための本
発明の製造方法は、第1パネルと第2パネルとが真空空
間を挟んで対向配置され、第1パネル、第2パネル及び
シール部材の少なくとも1つに設けられた開口部が蓋部
によって閉鎖された構造を有する封止パネル装置の製造
方法であって、(イ)対向配置された第1パネルの周縁
部と第2パネルの周縁部とを、シール部材を用いて接着
する工程、及び、(ロ)低融点金属材料から成る接着層
によって、真空雰囲気中で開口部近傍のパネルに蓋部を
接着する工程、から成ることを特徴とする。
【0012】本発明の封止パネル装置の製造方法は、従
来のような接着後の排気を行う代わりに、空間が閉鎖さ
れる直前の第1パネル及び第2パネルを真空雰囲気中に
置き、蓋部の接着と同時に真空空間を形成することを趣
旨としている。従って、必ず真空雰囲気中で行わなけれ
ばならない工程は(ロ)であり、工程(イ)については
特に真空雰囲気中で行う必要はなく、常圧下、あるいは
減圧下で行うことができる。更に、常圧下あるいは減圧
下の雰囲気は、窒素ガスや周期律表0族に属する希ガス
(例えばArガス)を含む不活性ガス雰囲気であること
が好ましい。
【0013】本発明の封止パネル装置の製造方法では、
工程(イ)において接着を行う際の温度は、工程(ロ)
において接着を行う際の温度よりも高いことが好適であ
る。工程(ロ)は、パネル間の空間を閉鎖真空空間とす
るための最終工程であるが、かかる温度設定を行うこと
により、工程(ロ)を行う際に、既に形成されているシ
ール部材の変形、あるいは、新たな脱ガスによる真空度
の劣化を確実に避けることができる。尚、工程(ロ)に
おいて接着を行う際の温度は、工程(イ)において接着
を行う際の温度よりも低く、且つ、接着層による接着が
可能な温度であれば、特に限定されない。接着層を構成
する低融点金属材料の種類によっては、加熱を行わなく
ても、圧力、超音波、高周波等のエネルギーを与えるこ
とにより、常温若しくはその近傍温度で接着が可能であ
る。
【0014】本発明の封止パネル装置は、シール部材が
枠体を含まない態様と、シール部材が枠体を含む態様と
に大別することができる。以下、シール部材が枠体を含
まない態様を本発明の第1の態様と称し、シール部材が
枠体を含む態様を本発明の第2の態様と称する。本発明
の第1の態様及び第2の態様に係る封止パネル装置の態
様は、更に、シール部材の構成要素としてフリット・ガ
ラスを含む態様と、シール部材の構成要素として低融点
金属材料を含む態様とに分けることができる。以下、第
1の態様であって、且つ、シール部材がフリット・ガラ
スから成る態様を第1Aの態様、第1の態様であって、
且つ、シール部材が低融点金属材料から成る態様を第1
Bの態様、第2の態様であって、且つ、シール部材の構
成要素としてフリット・ガラスを含む態様を第2Aの態
様、第2の態様であって、且つ、シール部材の構成要素
として低融点金属材料を含む態様を第2Bの態様と称す
ることにする。
【0015】また、本発明の封止パネル装置の製造方法
も、シール部材が枠体を含まない場合の態様と、シール
部材が枠体を含む場合の態様とに大別することができ
る。以下、シール部材が枠体を含まない場合の態様を本
発明の第1の態様と称し、シール部材が枠体を含む場合
の態様を本発明の第2の態様と称する。本発明の第1の
態様及び第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法
は、更に、シール部材の構成要素としてフリット・ガラ
スを含む態様と、シール部材の構成要素として低融点金
属材料を含む態様とに分けることができる。以下、第1
の態様であって、且つ、シール部材がフリット・ガラス
から成る態様を第1Aの態様、第1の態様であって、且
つ、シール部材が低融点金属材料から成る態様を第1B
の態様、第2の態様であって、且つ、シール部材の構成
要素としてフリット・ガラスを含む態様を第2Aの態
様、第2の態様であって、且つ、シール部材の構成要素
として低融点金属材料を含む態様を第2Bの態様と称す
ることにする。
【0016】本発明の第1Aの態様に係る封止パネル装
置において、シール部材は、その焼成温度が接着層を構
成する低融点金属材料の融点よりも高いフリット・ガラ
スから成り、第1パネルと第2パネルとは、周縁部にお
いて該フリット・ガラスによって接着されている。
【0017】かかる第1Aの態様に係る封止パネル装置
を製造するための本発明の第1Aの態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法においては、工程(イ)では、フリッ
ト・ガラスの焼成温度にてシール部材による接着を行
う。尚、工程(ロ)では、前記焼成温度よりも低く、且
つ、低融点金属材料の融点以上の温度にて接着層による
接着を行ってもよいし、接着層を構成する低融点金属材
料の種類によっては常温若しくはその近傍温度で接着を
行ってもよい。
【0018】本発明の第1Bの態様に係る封止パネル装
置において、シール部材は、接着層を構成する低融点金
属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属材料か
ら成り、第1パネルと第2パネルとは、周縁部において
該低融点金属材料によって接着されている。
【0019】かかる第1Bの態様に係る封止パネル装置
を製造するための本発明の第1Bの態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法においては、工程(イ)では、シール
部材を構成する低融点金属材料の融点以上の温度にてシ
ール部材による接着を行う。尚、工程(ロ)では、前記
シール部材を構成する低融点金属材料の融点よりも低
く、且つ、接着層を構成する低融点金属材料の融点以上
の温度にて接着層による接着を行ってもよいし、接着層
を構成する低融点金属材料の種類によっては常温若しく
はその近傍温度で接着を行ってもよい。
【0020】また、本発明の第2Aの態様に係る封止パ
ネル装置において、シール部材は、枠体、フリット・ガ
ラスから成る第1接着層、及び、フリット・ガラスから
成る第2接着層から構成されており、第1パネルと該枠
体とは第1接着層によって接着されており、第2パネル
と該枠体とは第2接着層によって接着されており、第1
接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度、及び、
第2接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度は、
接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い。
尚、第1接着層を構成するフリット・ガラスと第2接着
層を構成するフリット・ガラスとは、成分組成及び組成
比が共に同一であっても、成分組成が同一で組成比のみ
が異なっていても、あるいは成分組成及び組成比が共に
異なっていてもよい。
【0021】かかる第2Aの態様に係る封止パネル装置
を製造するための本発明の第2Aの態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法においては、工程(イ)では、フリッ
ト・ガラスの焼成温度にて、第1パネルと枠体とを第1
接着層によって接着し、且つ、枠体と第2パネルとを第
2接着層によって接着する。ここで、第1接着層を構成
するフリット・ガラスと第2接着層を構成するフリット
・ガラスとが、共に等しい成分組成及び組成比を有する
場合には、双方のフリット・ガラスの焼成温度は同一と
なるので、第1パネルと枠体と第2パネルの三者を同時
に接着することができる。一方、第1接着層を構成する
フリット・ガラスと第2接着層を構成するフリット・ガ
ラスとが、成分組成及び組成比の少なくとも一方におい
て異なっていると、焼成温度も異なる可能性がある。こ
のような場合には、いずれか高い方の焼成温度で焼成を
行って第1パネルと枠体と第2パネルの三者を同時に接
着することもできるが、焼成温度の高い方のフリット・
ガラスを用いて先ず高い焼成温度にて一方のパネルと枠
体とを接着し、次に焼成温度の低い方のフリット・ガラ
スを用いて低い焼成温度にて枠体と他方のパネルとを接
着することができる。尚、工程(ロ)では、前記焼成温
度よりも低く、且つ、低融点金属材料の融点以上の温度
にて接着層による接着を行ってもよいし、接着層を構成
する低融点金属材料の種類によっては常温若しくはその
近傍温度で接着を行ってもよい。
【0022】更に、本発明の第2Bの態様に係る封止パ
ネル装置において、シール部材は、枠体、低融点金属材
料から成る第1接着層、及び、低融点金属材料から成る
第2接着層から構成されており、第1パネルと該枠体と
は第1接着層によって接着されており、第2パネルと該
枠体とは第2接着層によって接着されており、第1接着
層を構成する低融点金属材料の融点、及び、第2接着層
を構成する低融点金属材料の融点は、接着層を構成する
低融点金属材料の融点よりも高い。尚、第1接着層を構
成する低融点金属材料と第2接着層を構成する低融点金
属材料とは、成分組成及び組成比が共に同一であって
も、成分組成が同一で組成比のみが異なっていても、あ
るいは成分組成及び組成比が共に異なっていてもよい。
【0023】かかる第2Aの態様に係る封止パネル装置
を製造するための本発明の第2Bの態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法においては、工程(イ)では、第1接
着層及び第2接着層を構成する低融点金属材料の融点以
上の温度にて、第1パネルと枠体とを第1接着層によっ
て接着し、且つ、枠体と第2パネルとを第2接着層によ
って接着する。ここで、第1接着層を構成する低融点金
属材料と第2接着層を構成する低融点金属材料とが、共
に等しい成分組成及び組成比を有する場合には、双方の
低融点金属材料の融点は同一となるので、第1パネルと
枠体と第2パネルの三者を同時に接着することができ
る。一方、第1接着層を構成する低融点金属材料と第2
接着層を構成する低融点金属材料とが、成分組成及び組
成比の少なくとも一方において異なっていると、融点も
異なる可能性がある。このような場合には、いずれか高
い方の融点以上の温度で加熱を行って第1パネルと枠体
と第2パネルの三者を同時に接着することもできるが、
融点の高い方の低融点金属材料を用いて先ず高い融点以
上の温度にて一方のパネルと枠体とを接着し、次に融点
の低い方の低融点金属材料を用いて低い融点以上の温度
にて枠体と他方のパネルとを接着することができる。
尚、工程(ロ)で、第1接着層及び第2接着層を構成す
る低融点金属材料の融点よりも低く、且つ、接着層を構
成する低融点金属材料の融点以上の温度にて接着層によ
る接着を行ってもよいし、接着層を構成する低融点金属
材料の種類によっては常温若しくはその近傍温度で接着
を行ってもよい。
【0024】第2A及び第2Bの態様に係る封止パネル
装置の製造方法において、上述のように工程(イ)で
は、第1パネル、枠体及び第2パネルの三者を第1接着
層及び第2接着層を用いて接着するが、(a)これら三
者を位置合わせした状態で同時に接着しても、あるい
は、(b)枠体を予め第1パネルか第2パネルのいずれ
か一方に接着しておき、この枠体を残りの他方のパネル
に接着してもよい。(a)、(b)のいずれの方法によ
る接着も、窒素あるいは希ガス等の不活性ガス雰囲気中
で行うことが好適である。但し、(b)の方法におい
て、枠体をアノード電極が形成されている側のパネルに
接着する際の雰囲気は、大気であっても構わない。
(b)の方法の方が、位置合わせ作業は簡便である。
【0025】本発明の全ての態様に係る封止パネル装置
及び全ての態様に係るその製造方法において、開口部
は、第1パネル、第2パネル及びシール部材の単独ある
いは如何なる組合せにおいて設けられてもよく、またこ
れら三者の各々に設けられる開口部の個数も単数、複数
を問わない。第1パネルや第2パネルに開口部を設ける
場合、各パネルの機能や美観に支障を及ぼさない部位に
設けることが必要であり、例えば、本発明の封止パネル
装置として表示装置を想定する場合には、表示画面に対
応する有効領域を避けることが肝要である。開口部の形
状や大きさは特に限定されないが、この開口部の周囲に
は接着層が配され、加熱、押圧、超音波印加等の方法に
よって蓋部が接着されるので、このときの加熱、押圧、
超音波印加等の影響が及ぶ範囲をなるべく狭い領域内に
限定する観点からは、円形であって、パネル面積に比べ
て十分に小さく選択することが望ましい。第1パネルに
開口部が設けられている場合には、この開口部を閉鎖す
る蓋部は接着層によって第1パネルに接着される。第2
パネルに開口部が設けられている場合には、この開口部
を閉鎖する蓋部は接着層によって第2パネルに接着され
る。
【0026】また、本発明の全ての態様に係る封止パネ
ル装置及び全ての態様に係るその製造方法においてシー
ル部材に開口部を設ける場合、開口部はどのような形態
にて設けられてもよいが、パネルの周縁部に沿った方向
の一部においてシール部材を切り欠くように設けること
が最も実用的である。開口部がシール部材を切り欠くよ
うに設けられている場合、接着層による蓋部の接着はシ
ール部材のみに対して行われもよいが、シール部材を横
断し、第1パネルと第2パネルの双方の側面に対して行
われることが一層好ましい。但し、かかる開口部を接着
層を用いて蓋部で閉鎖しようとすると、シール部材の構
成材料と接着層を構成する低融点金属材料との組合せに
よっては、これら両者が直接接触することが信頼性の観
点から好ましくない場合もある。このような場合には、
シール部材と接着層との間に何らかの補助的な部材を介
在させることが好ましい。典型的には、第1A及び第2
Aの態様に係る封止パネル装置及びその製造方法におい
て、シール部材を構成するフリット・ガラスと接着層を
構成する低融点金属材料との直接接触を避けるために、
例えば先ず、開口部の周囲にフリット・ガラスから成る
補助接着層を用いて貫通孔を有する補助枠体を接着し、
この補助枠体の上に接着層を用いて蓋部を接着すればよ
い。かかる構成においては、第1パネルとシール部材と
第2パネルと補助接着層と補助枠体と接着層と蓋部とに
よって囲まれた空間が真空となる。
【0027】本発明の封止パネル装置若しくはその製造
方法において、第1パネルとシール部材と第2パネルと
接着層と蓋部とによって囲まれた空間内には、非蒸発型
のゲッターが備えられていてもよい。非蒸発型のゲッタ
ーとは、封止パネル装置の真空空間において、原形を保
ったままで残留ガス吸着の機能を果たすタイプのゲッタ
ーである。非蒸発型のゲッターは、800〜1000°
Cに加熱されて最終的に蒸着膜に変化される蒸発型のゲ
ッターとは異なり、低融点金属材料の融点近傍の温度で
も活性化することが可能である。できる限り低温化され
た製造プロセスにより空間の最終到達真空度を高めるた
めに、非蒸発型のように低温で活性化できるゲッター
は、本発明の封止パネル装置に用いるのに好適である。
非蒸発型のゲッターの構成材料は一般にジルコニウム
(Zr)その他の卑金属であり、形状や配設数は特に限
定されない。本発明の封止パネル装置として、例えば2
枚のパネルの対向距離が1mm以下と極めて小さい表示
装置を想定する場合には、箔状の非蒸発型のゲッターを
無機系接着剤を用いて第1パネル及び/又は第2パネル
の適当な部位に貼付しておけばよい。場合によっては、
パネル表面の一部を箱部によって構成し、パネル間の空
間と箱部とを連通させ、この箱部内にゲッターを収容し
てもよい。
【0028】本発明の全ての態様に係る封止パネル装置
及び全ての態様に係るその製造方法において、「低融
点」の語が意味する温度範囲は、概ね400゜C以下で
ある。一般的なフリット・ガラスの軟化温度は600゜
C前後、焼成温度は450゜C前後であるから、低融点
金属材料の融点はこれらの温度よりも更に低い。本発明
では、低融点金属材料は接着層及びシール部材の構成材
料として用いられるが、融点の下限は特に限定されな
い。接着層の構成材料として用いられる低融点金属材料
については、120〜160°C程度の融点を持つ材料
であれば、接着条件にも依存するが、室温でも押圧によ
り接着を行うことが可能である。シール部材の構成材料
として用いられる低融点金属材料は、接着層を構成する
低融点金属材料よりも高い融点を有することが好まし
い。
【0029】低融点金属材料としては、In(インジウ
ム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合
金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95
Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高
温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb
94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5
1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温
はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Z
n)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314
゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の
錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)
等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示す
ることができる。特に、インジウム(In)は、常温で
あっても圧力を加えることにより接着層として機能し得
る低融点金属材料である。
【0030】本発明の全ての態様に係る封止パネル装置
の製造方法において、工程(イ)又は工程(ロ)で加熱
を行う場合には、ランプを用いた加熱、レーザを用いた
加熱、炉を用いた加熱等の公知の加熱方法により行うこ
とができる。また、工程(イ)においては、加熱炉中で
加熱を行ってもよい。
【0031】本発明において、第1パネルとシール部材
と第2パネルと接着層と蓋部とによって囲まれた空間の
真空度は、封止パネル装置の構成に応じて異なる。封止
パネル装置として冷陰極電界電子放出型の表示装置を想
定した場合、要求される真空度はおおよそ10-4Paの
オーダー、あるいはそれ以上(即ち、より低圧)であ
る。
【0032】本発明の全ての態様に係る封止パネル装
置、及び本発明の全ての態様に係る封止パネル装置の製
造方法における封止パネル装置としては、プラズマ表示
装置、蛍光表示管、冷陰極電界電子放出型表示装置を例
示することができる。冷陰極電界電子放出表示装置は、
第1パネルが透明支持体、並びに、該透明支持体上に形
成されたアノード電極及び蛍光体層から成り、第2パネ
ルが支持体、並びに、該支持体上に形成され、アノード
電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極電界電子放出
素子(以下、単に電界放出素子と称する)から成り、電
界放出素子から放出された電子が蛍光体層に衝突するこ
とによる発光に基づいて表示を行う構成を有する。尚、
冷陰極電界電子放出型表示装置を以下、単に表示装置と
称することがある。
【0033】表示装置の構成要素である電界放出素子と
しては、公知の如何なる型式の電界放出素子をも用いる
ことができ、例えば、所謂スピント型、平面型、エッジ
型等の型式を例示することができる。
【0034】表示装置の第1パネルを構成する透明支持
体として、ガラス基板、表面に絶縁層が形成されたガラ
ス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板
を例示することができる。また、表示装置の第2パネル
を構成する支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材より
構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁層が形
成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成さ
れた石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を
用いることができる。蓋部を構成する材料として、ガラ
ス、石英、ステンレススチール等の金属材料を例示する
ことができる。
【0035】表示装置を構成するカソード電極及び電子
放出部は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タン
タル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)等の高融点金属を用いて形成することが
できる。表示装置を構成するゲート電極及びアノード電
極は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロ
ム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀
(Au)等の金属層又はこれらの金属元素を含む合金
層、あるいは不純物を含有するシリコン等の半導体層を
用いて形成することもできる。また、絶縁層の構成材料
としては、SiO2、SiN、SiON、ガラス・ペー
スト硬化物を単独あるいは適宜積層して使用することが
できる。絶縁層の製膜には、CVD法、塗布法、スパッ
タリング法、印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき、本
発明の封止パネル装置及びその製造方法について説明す
る。
【0037】(実施の形態1)実施の形態1は、第1A
の態様を含む本発明の第1の態様に係る封止パネル装
置、及び、第1Aの態様を含む本発明の第1の態様に係
る封止パネル装置の製造方法に関する。実施の形態1に
係る封止パネル装置の概念図を図1に示し、この封止パ
ネル装置を適用して構成された冷陰極電界電子放出型の
表示装置の模式的断面図を図2に示し、かかる表示装置
の一部を拡大して模式的に示す分解斜視図を図3に示
す。また、第1Aの態様に係る封止パネル装置の製造方
法の工程図を図4に示し、更に、第1Aの態様に係る封
止パネル装置の製造方法の変形例と、第1Aの態様に係
る封止パネル装置の変形例を図5に示す。
【0038】図1に、実施の形態1の封止パネル装置の
概念的な構成を示す。図1の(A)は模式的断面図、図
1の(B)は模式的斜視図である。対角画面寸法14イ
ンチを想定して30cm×23cmの矩形形状を有する
第1パネル11と第2パネル12とは、周縁部において
シール部材20aによって接着されている。ここで、シ
ール部材20aは厚さ1mmのフリット・ガラスから成
る。フリット・ガラスの焼成温度は約450°Cであ
る。第1パネル11は、封止パネル装置としての実用上
の機能を果たす中央部の有効領域(28cm×21c
m)と、この有効領域を機能を支援するために有効領域
を額縁状に包囲する無効領域とを有する。尚、図におい
ては、有効領域及び無効領域を明確化するために、有効
領域に斜線を付した。また、シール部材にも明確化のた
め斜線を付した。無効領域には直径約5mmの円形の開
口部13が設けられている。開口部13は、接着層30
によって第1パネル11に接着された蓋部40により閉
鎖されている。接着層30は低融点金属材料から成り、
ここではインジウムから成る内径8mm、外径10mm
のリングを用いる。インジウムの融点は157°Cであ
る。つまり、この封止パネル装置においては、シール部
材20aを構成するフリット・ガラスの焼成温度の方
が、接着層30を構成する低融点金属材料よりも高い。
蓋部40は、直径15mm、厚さ1mmの円盤状のガラ
ス板である。蓋部40と接着層30と第1パネル11と
シール部材20aと第2パネル12とによって囲まれた
空間は、真空(VAC)とされている。
【0039】図2に、実施の形態1の封止パネル装置を
表示装置に適用した例を示す。また、図3には表示装置
の一部分を拡大して示す。第1パネル11は、透明支持
体110、並びに、透明支持体110上に形成されたア
ノード電極113及び3原色の蛍光体層112R,11
2G,112Bから成る。個々の蛍光体層112R,1
12G,112Bは一例として矩形形状を有しており、
所定の規則的なパターンに従って配列されている。隣接
する蛍光体層112R,112G,112Bの間は、カ
ーボン等の光吸収性材料から成るブラック・マトリクス
111で埋め込まれ、表示画像の色濁りが防止されてい
る。図示は省略するが、蛍光体層112R,112G,
112Bとアノード電極113の間には、表示画面の輝
度を高める目的でアルミニウムの蒸着膜、所謂メタルバ
ック膜が設けられていてもよい。又、図2及び図3で
は、透明支持体110上において蛍光体層112R,1
12G,112Bとアノード電極113とがこの順に積
層されているが、積層順を逆にしても構わない。但し、
積層順を逆とした場合には、表示装置の観察面側から見
てアノード電極113が蛍光体層112の手前に来るた
め、アノード電極113をITO(インジウム・錫酸化
物)等の透明導電材料にて構成する必要がある。
【0040】第2パネル12は、支持体120、並び
に、支持体120上に形成され、アノード電極113及
び蛍光体層112R,112G,112Bに対向した複
数の電界放出素子から成る。電界放出素子は、一方向に
設けられた帯状のカソード電極121と、絶縁層122
と、絶縁層122上に形成され、カソード電極121と
直交する方向に帯状に形成されたゲート電極123と、
カソード電極121とゲート電極123との重複領域に
おいてゲート電極123及び絶縁層122に設けられた
円形の電子放出用開口部125内に配された電子放出部
から構成される。図2に示す表示装置においては、電子
放出用開口部125の底面に露出したカソード電極12
1の部分が電子放出部として機能する、所謂平面型の電
界放出素子が例示されているが、他の型式の電界放出素
子であっても勿論構わない。例えば、カソード電極12
1上に導電材料から成る円錐形の電子放出部が形成され
ていれば、所謂スピント型の電界放出素子である。ま
た、導電材料から成る電子放出層、絶縁層、ゲート電極
層が順に積層され、ゲート電極、絶縁層及び電子放出層
を貫通する開口部が形成され、開口部内に露出した電子
放出層の端部が電子放出部とされていれば、これは所謂
エッジ型の電界放出素子である。あるいは又、第1ゲー
ト電極、第1絶縁層、電子放出層、第2絶縁層、第2ゲ
ート電極が順に積層され、第2ゲート電極、第2絶縁
層、電子放出層及び第1絶縁層を貫通する開口部が形成
され、開口部内に露出した電子放出層の端部が電子放出
部とされていれば、これも所謂エッジ型の電界放出素子
である。
【0041】尚、図2では1画素の領域内に電子放出用
開口部125が一つしか図示されていないが、実際に
は、図3に示すように、複数の電子放出用開口部125
が形成される場合が多い。但し、本発明の封止パネル装
置は、図2及び図3に何ら限定されるものではない。例
えば、図3では、1画素の領域内に電子放出用開口部1
25が16個形成されているが、勿論これは例示に過ぎ
ず、実際には数千個にも及ぶ場合がある。また、アノー
ド電極113とカソード電極121とゲート電極123
の形成方向や、電子放出用開口部125の形状も任意で
ある。
【0042】カソード電極121には走査回路53から
相対的に負電圧が印加され、ゲート電極123には制御
回路52から相対的に正電圧が印加され、アノード電極
113にはゲート電極123よりも更に高い正電圧が加
速電源51から印加される。表示装置において表示を行
う場合、制御回路52にはビデオ信号、走査回路53に
は走査信号が入力される。カソード電極121とゲート
電極123とに電圧を印加した際に生ずる電界により、
電子放出部から電子eが放出される。この電子eが、ア
ノード電極113に引き付けられて蛍光体層112R,
112G,112Bに衝突すると、蛍光体層112R,
112G,112Bが発光し、所望の表示を得ることが
できる。この表示装置の動作は、基本的にゲート電極1
23に印加される電圧によって制御される。
【0043】表示装置の場合、蛍光体層112R,11
2G,112Bのマトリクスが形成されている領域が表
示装置としての実用上の機能を果たす有効領域であり、
マトリクスの周辺回路の収容や表示画面の機械的支持
等、有効領域の機能を支援する領域が無効領域である。
開口部13は、この無効領域に形成されている。尚、開
口部13を第2パネル12側の支持体120に設けても
よい。しかし、第2パネル12上には電界放出素子が半
導体プロセスと同様のプロセスによってミクロン・オー
ダーの精度で作製されており、電界放出素子への熱的歪
みあるいは機械的歪みはできるだけ避けたいので、開口
部13はアノード電極113を有する第1パネル11側
に設ける方が望ましい。
【0044】第1パネル11と第2パネル12の無効領
域には、非蒸発型のゲッター15が貼付されている。こ
こでは、ゲッター15として厚さ0.1〜0.2mmの
ジルコニウム箔を使用する。この程度の厚さは、第1パ
ネル11と第2パネル12の対向距離よりも十分に薄
く、従ってゲッター15が両パネルを短絡させる虞はな
い。ゲッター15は無機系接着剤を用いて貼付するが、
このとき、無機系接着剤の熱膨張係数及びこれと直接接
触する部材の熱膨張係数を略一致させる。例えば、ゲッ
ター15を図2に示した表示装置に使用する場合、無機
系接着剤としては、第1パネル11を構成する透明支持
体110、及び第2パネル12を構成する支持体120
と熱膨張係数が略一致するものを選択する。尚、図2に
は、ゲッター15が第1パネル11と第2パネル12の
双方に貼付された例を示したが、空間の真空度として十
分に高い値が達成できる限りにおいて、いずれか一方の
パネルにのみ貼付してもよい。あるいは又、場合によっ
ては、ゲッターは不要である。
【0045】以下、上述した封止パネル装置の製造方法
を、図4を参照して説明する。先ず、図4の(A)に示
すように、第1パネル11と第2パネル12の周縁部
に、シール部材20cを形成する。具体的には、フリッ
ト・ガラスを0.7mmの厚さに塗布し、100°Cの
ホットプレート上で乾燥させる。次に、第1パネル11
と第2パネル12とを位置合わせし、約400°Cで仮
焼成を行ってフリット・ガラスに含まれる有機物を除去
する。これにより、図4の(B)に示すように、シール
部材20cが融合してシール部材20aが形成され、両
パネルが接着される。更に、約450°Cで本焼成を行
い、接着状態をより強固にする。尚、封止パネル装置が
上述のような表示装置である場合、本焼成を行う雰囲気
は希ガス又は窒素ガス等を含む不活性ガス雰囲気である
ことが望ましい。これは、カソード電極の酸化やゲッタ
ー15の劣化を防止するためである。
【0046】続いて、シール部材20aにより接着され
た第1パネル11と第2パネル12を真空容器VC内に
セットし、第1パネル11上に開口部13を取り囲むよ
うに接着層30を載置し、更に、図示されない治具を用
いて開口部13の上方に蓋部40を保持する。尚、ここ
では接着層30としてインジウムのリングを想定してい
るので、接着層30を第1パネル11上に載置したが、
接着層30は予め蓋部40に設けても、あるいは、第1
パネル11と蓋部40の双方に設けてもよい。この状態
で、真空容器VCを10-6Paのオーダーの真空度とな
るまで排気し、続いて排気を継続したまま、全体を例え
ば約350°Cで5〜6時間加熱することによりパネル
やシール部材の脱ガスを促進させる。脱ガスの開始に伴
って、真空度は一時的に2桁程度低下するが、上記の時
間内には10-6Paのオーダーに回復する。尚、図4に
は示していないが、非蒸発型のゲッターは、このときの
加熱により脱ガスされる。
【0047】次に、接着層30の上に位置合わせした蓋
部40を載せ、接着層30を完全に押し潰さないように
注意しながら押圧する。次に、接着層30を約160°
Cに加熱する。この温度は、接着層30を構成する低融
点金属材料、即ち、ここではインジウムの融点よりも高
く、そして当然のことながら、シール部材20aを構成
するフリット・ガラスの焼成温度よりも低い。このよう
にして、図4の(D)に示すように、第1パネル11と
蓋部40とを完全に接着する。接着層30の加熱は、例
えば接着層30の直径と同等のビーム径に集光されたハ
ロゲン・ランプ光を第1パネル11側から照射して行う
ことができる。ハロゲン・ランプの出力を適切に設定す
ると、照射開始直後は接着層30が選択的に加熱され、
他の部分は殆ど加熱されない。従って、パネルの内壁や
既に形成されているシール部材20aから新たな脱ガス
を生じることがなく、最終的に形成される空間の真空度
を10-4Paのオーダーに維持することができる。しか
も、両パネルが真空雰囲気中に置かれた状態で封止が行
われるため、封止後に排気を行う方法に比べてスループ
ットも格段に優れている。尚、接着条件、使用する低融
点金属材料の種類によっては、押圧のみで接着を行うこ
ともできる。
【0048】尚、図4の(A)では、第1パネル11と
第2パネル12の双方にシール部材20cを配置してお
り、第1パネル11と第2パネル12の対向距離を大き
く設定したい場合に適しているが、シール部材20cの
配置はこれに限られない。例えば、図5の(A)に示す
ように、シール部材20cを第2パネル12上のみに配
置しても、あるいは図5の(B)に示すように、第1パ
ネル11上のみに配置してもよい。
【0049】また、図5の(C)に示すように、第1パ
ネル11と第2パネル12との間隔を一定に維持するた
めの間隔維持部材16が、第1パネル11と第2パネル
12との間に挟持されていてもよい。この間隔維持部材
16は、絶縁性を有する剛性材料、例えばガラス球や円
柱体から成る。かかる封止パネル装置を製造するには、
シール部材20cを形成した後の第2パネル12の表面
に、間隔維持部材16を塗布、散布、吹付け等の方法に
より配置し、しかる後に第1パネル11を接着すればよ
い。かかる構成を有する封止パネル装置においては、パ
ネル間の対向距離は、実質的に間隔維持部材16の寸法
により決定される。従って、シール部材20aの形成段
階におけるシール部材20aの寸法制御や形状制御の負
担を軽減しても、寸法精度に優れる封止パネル装置を得
ることができる。
【0050】(実施の形態2)実施の形態2は、第1B
の態様に係る封止パネル装置、及び、第1Bの態様に係
る封止パネル装置の製造方法に関する。実施の形態2に
係る封止パネル装置では、シール部材20aの構成材料
として、実施の形態1におけるフリット・ガラスに替え
て、低融点金属材料を用いる。シール部材20aを構成
する低融点金属材料の融点は、接着層30を構成する低
融点金属材料の融点よりも高い。実施の形態2に係る封
止パネル装置の構成は、実施の形態1に係る封止パネル
装置の構成と同様であり、図1〜図3、及び図5の
(C)に示したとおりである。ただし、実施の形態2で
は実施の形態1と異なり、シール部材20a自体に導電
性が備わっているため、例えば図2においては、加速電
源51に対する接続端子を形成するためにアノード電極
113を外部に引き出す部分には、シール部材20aと
アノード電極113との間に、通常形成されるパッシベ
ーション膜とは別に絶縁層を形成しておくことが望まし
い。また、制御回路52に対する接続端子を形成するた
めにゲート電極123を外部に引き出す部分にも、シー
ル部材20aとゲート電極123との間に、通常形成さ
れるパッシベーション膜とは別に絶縁層を形成しておく
ことが望ましい。
【0051】更に、シール部材20aを低融点金属材料
により構成する場合の封止パネル装置の好ましい構成
を、図5の(D)に示す。この構成においては、第1パ
ネル11とシール部材20aとの間、及び、シール部材
20aと第2パネル12との間に濡れ性改善層17が設
けられている。ただし、濡れ性改善層17をどこに設け
るかは、低融点金属材料に対する第1パネル及び第2パ
ネルの濡れ性に応じて決定すればよく、第1パネル11
側のみ、あるいは第2パネル12側のみに設けてもよい
し、第1パネル11及び第2パネル12の両側に設けて
もよい。濡れ性改善層17を設けた場合、加熱前の濡れ
性改善層17とシール部材20cとの位置合わせ精度が
それ程高くなくても、加熱を経て最終的な接着が終了し
た時点で低融点金属材料が自らの表面張力により濡れ性
改善層の上に自己整合的に収斂し、最終的に濡れ性改善
層17とシール部材20aとが正確に位置合わせされる
メリットがある。
【0052】濡れ性改善層17は、例えばチタン(T
i)、ニッケル(Ni)、金(Au)、酸化銅(Cu
O)を用いて構成することができる。厚さは、0.1μ
m前後であればよい。尚、濡れ性改善層17の表面には
自然酸化膜が生成する場合があるので、シール部材20
aを形成する直前に、自然酸化膜を除去することが好適
である。自然酸化膜の除去は、エッチング法、超音波印
加法等の公知の方法で行うことができる。濡れ性改善層
の形成方法として、スパッタ法、メッキ法を例示するこ
とができる。
【0053】実施の形態2に係る封止パネル装置の製造
プロセスは、概念的には図4、図5の(A)及び図5の
(B)に示したとおりであるが、以下、低融点金属材料
の使用に伴う相違点について説明する。先ず、図4の
(A)に示す段階では、第1パネル11及び第2パネル
の周縁部にシール部材20cを形成または配置する。こ
こで、「形成」とは蒸着法、スパッタリング法、イオン
・プレーティング法等の真空薄膜形成技術による製膜を
意味し、「配置」とは線材や箔の載置又は貼り付けを意
味する。これら「形成」又は「配置」の方法によって
は、図5の(A)又は図5の(B)に示したように、第
1パネル11又は第2パネル12のいずれか一方のみに
シール部材20cが存在しても構わない。ここではシー
ル部材20cの構成材料として、錫系はんだ(融点31
0〜350°C)を使用する。
【0054】次に、図4の(B)に示す段階では、約3
70°Cで加熱を行ってシール部材20aを形成し、第
1パネル11と第2パネル12を接着する。この加熱温
度は、シール部材20cを構成する低融点金属材料の融
点よりも高い。続いて、図4の(C)に示す段階以降
は、実施の形態1で述べたプロセスと同様である。即
ち、接着層30としてインジウムのリングを使用し、真
空雰囲気下、160°Cの加熱条件下で接着を行う。こ
の温度は当然ながら、シール部材20cの構成材料であ
る錫系はんだの融点よりも低く、接着層30を構成する
インジウムの融点よりも高い。尚、実施の形態2におい
ても、実施の形態1で述べた間隔維持部材16を同様に
用いることができる。
【0055】(実施の形態3)実施の形態3は、実施の
形態1又は実施の形態2の変形例である。即ち、実施の
形態3の封止パネル装置においては、図6の(A)及び
図6の(B)に示すように、シール部材20aの一部を
パネルの周縁部に沿った方向の一部において切り欠くよ
うに開口部14が設けられており、この開口部14の周
囲に配された補助接着層33によって先ず補助枠体43
が接着され、更にこの補助枠体43の上に配された接着
層31によって蓋部41が接着されている。蓋部41
は、第1パネル11の縁部からシール部材20aを横断
し、第2パネル12の縁部に亙るように設けられてい
る。かかる構成は、無効領域の面積に開口部を設ける余
裕が無い場合に有効である。しかも、パネル面の上下方
向に蓋部や接着層による突起が生じないので、表示装置
の薄型化に有利である。
【0056】実施の形態3の封止パネル装置におけるシ
ール部材20aは、フリット・ガラス、低融点金属材料
のいずれにより構成されてもよいが、フリット・ガラス
により構成される場合に特に有効である。これは、フリ
ット・ガラスから成るシール部材20aと低融点金属材
料から成る接着層31の直接接触を避けることができる
からである。このようにシール部材20aがフリット・
ガラスから成る場合は、補助接着層33もフリット・ガ
ラスを用いて構成することが、信頼性確保の観点から最
も簡便である。貫通孔を有する補助枠体43は、ガラ
ス、金属、セラミクス等の材料から構成することができ
る。尚、シール部材20aが低融点金属材料から成る場
合には、補助接着層33や補助枠体43は必ずしも必要
ではない。実施の形態3における封止パネル装置におい
ては、間隔維持部材や濡れ性改善層も適宜併用すること
ができる。
【0057】実施の形態3の封止パネル装置の製造方法
を、図7を参照して説明する。焼成条件や真空排気条件
は実施の形態1で述べた通りでよく、ここでは実施の形
態1と相違する部分を中心に述べる。先ず、図7の
(A)に示すように、第1パネル11及び第2パネル1
2の周縁部に、例えばフリット・ガラスから成るシール
部材20cを形成する。このとき、開口部14の形成予
定領域を残すようにフリット・ガラスを塗布する。ま
た、開口部14の周辺には補助接着層33を形成してお
く。補助接着層33は、シール部材20cと異なる材料
を用いて構成してもよいが、シール部材20cと同じく
フリット・ガラスを用いて構成することが最も簡便であ
る。なぜなら、シール部材20cを形成する際に、フリ
ット・ガラスを両パネルの外縁部にはみ出すように塗布
すれば、補助接着層33はシール部材20cの延在部分
として形成することができるからである。あるいは、補
助接着層33は予め補助枠体43上に形成しておいても
良く、補助接着層33をシール部材20cとを互いに異
なる材料にて構成する場合には、かかる方法が簡便であ
る。
【0058】次に、第1パネル11と第2パネル12と
補助枠体43とを位置合わせし、仮焼成及び本焼成を行
う。これにより、図7の(B)に示すように、両パネル
がシール部材20aにより接着され、更に、補助接着層
33により補助枠体43が開口部14の周囲に接着され
る。
【0059】次に、図7の(C)に示すように、互いに
接着された第1パネル11と第2パネル12と補助枠体
43とを真空容器VC内にセットし、補助枠体43上に
貫通孔を取り囲むように例えばインジウムから成る接着
層31を載置し、更に、図示されない治具を用いて開口
部14の延長上に蓋部41を保持する。尚、接着層31
を予め蓋部41に設けても、あるいは、補助枠体43と
蓋部41の双方に設けてもよい。この状態で、真空容器
VCを排気し、続いて排気を継続したまま全体を加熱す
ることにより、パネル、シール部材、接着層、補助接着
層の脱ガスを促進させる。この後、接着層31の上に位
置合わせした蓋部41を載せ、押圧、加熱を行えば、図
7の(D)に示すように、補助枠体43と蓋部41とを
完全に接着することができる。
【0060】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態1〜実施の形態3とは異なり、シール部材が枠体を
含む第2A及び2Bの態様に係る封止パネル装置、並び
に、第2A及び2Bの態様に係る封止パネル装置の製造
方法に関する。実施の形態4に係る封止パネル装置の概
念図を図8に示し、これらの封止パネル装置を適用して
構成された表示装置の模式的断面図を図9に示す。ま
た、第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法の概念
図を図10〜図13に示す。尚、これらの図面で使用す
る符号は図1〜図6と一部共通であり、共通部分につい
ては詳しい説明を省略する。
【0061】図8に、第2A及び第2Aの構成に係る封
止パネル装置の概念図を示す。図8の(A)は模式的断
面図、図8の(B)は模式的斜視図である。矩形形状を
有する第1パネル11と第2パネル12とは、シール部
材20bによって接着されており、このシール部材20
bは、第1接着層21と枠体23と第2接着層22とか
ら構成されている。第1パネル11と枠体23とは第1
接着層21によって接着されており、第2パネル12と
枠体23とは第2接着層22によって接着されている。
第2Aの態様に係る封止パネル装置においては、第1接
着層21と第2接着層22は共にフリット・ガラスから
成る。第2Bの態様に係る封止パネル装置においては、
第1接着層21と第2接着層22は共に低融点金属材料
から成る。第1パネル11の無効領域には開口部13が
設けられており、この開口部13は、低融点金属材料か
ら成る接着層30によって第1パネル11に接着された
蓋部40により閉鎖されている。蓋部40と接着層30
と第1パネル11と第1接着層21と枠体23と第2接
着層22と第2パネル12とによって囲まれた空間は、
真空(VAC)とされている。
【0062】図9に、実施の形態4の封止パネル装置を
表示装置に適用した例を示す。この表示装置は、図2に
示した実施の形態1の封止パネル装置におけるシール部
材20aが、第1接着層21と枠体23と第2接着層2
2から成るシール部材20bに置き換わった構成を有す
る。かかる構成を有する表示装置においては、パネル間
の対向距離は、実質的に枠体23の高さにより決定され
る。従って、枠体23の高さを選択することにより、実
施の形態1〜実施の形態3に係る封止パネル装置に比べ
て、パネル間の対向距離をより長く設定することが可能
であり、アノード/カソード間の電位差が7kV程度の
所謂高電圧タイプの表示装置に有効である。
【0063】以下、実施の形態4の封止パネル装置の製
造方法について説明する。枠体23を用いた封止パネル
装置の製造方法は、(a)第1パネルと枠体と第2パネ
ルの三者を同時に位置合わせして接着する方法と、
(b)先ず、一方のパネルと枠体とを接着し、その後、
枠体に他方のパネルを接着する方法に大別される。
(a)の方法を図10及び図11に示し、(b)の方法
を図12及び図13に示す。
【0064】(a)の方法においては、先ず図10の
(A)に示すように、第1パネル11の周縁部及び枠体
23の一方の面に第1接着層21cを配し、枠体23の
他方の面及び第2パネル12の周縁部に第2接着層22
cを配する。第2Aの態様に係る製造方法においては、
第1接着層21cと第2接着層22cは共にフリット・
ガラスから成り、双方の接着層を構成するフリット・ガ
ラスは、同一組成を有するか、若しくは焼成温度が同一
又は近似したものとする。第2Bの態様に係る製造方法
においては、第1接着層21cと第2接着層22cは共
に低融点金属材料から成り、双方の接着層を構成する低
融点金属材料は、同一組成を有するか、若しくは融点が
同一又は近似したものとする。尚、図10の(A)に
は、第1接着層21cと第2接着層22cとを第1パネ
ル11、枠体23及び第2パネル12に配した例を示し
たが、この段階における第1接着層21cと第2接着層
22cの配設パターンには図11の(A)〜(I)に示
す計9通りがあり、第1パネル11及び/又は枠体23
に対する第1接着層21cの濡れ性や所望の接着強度、
並びに、枠体23及び/又は第2パネル12に対する第
2接着層22cの濡れ性と所望の接着強度に応じて、適
宜選択すればよい。
【0065】次に、図10の(B)に示すように、第1
パネル11、枠体23、第2パネル12の三者を位置合
わせし、第1接着層21及び第2接着層22で接着す
る。このときの接着は、第2Aの態様に係る製造方法に
おいてはフリット・ガラスの仮焼成温度及び本焼成温度
にて、又、第2Bの態様に係る製造方法においては第1
接着層21c及び第2接着層22cを構成する低融点金
属材料の融点よりも高い温度で行う。尚、フリット・ガ
ラスの本焼成、及び低融点金属材料を用いた接着は、不
活性ガス雰囲気中で行うことが好適である。
【0066】以後、図10の(C)に示すように、シー
ル部材20bにより接着された第1パネル11と第2パ
ネル12を真空容器VC内にセットし、実施の形態1又
は実施の形態2で述べたプロセスに従い、低融点金属材
料から成る接着層30を用いて蓋部40を接着し、封止
を行う。蓋部40を接着する際の温度は160°Cと低
く、且つ、接着のための加熱は極めて局所的に行われる
ので、第1接着層21c及び第2接着層22cをフリッ
ト・ガラスあるいは低融点金属材料のいずれを用いて形
成した場合にも、第1接着層21や枠体23や第2接着
層22、並びに第1パネル11や第2パネル12から新
たな脱ガスが生ずることがない。従って、図10の
(D)に示す封止パネル装置において、空間の最終到達
真空度を極めて高いレベルに維持することが可能とな
る。
【0067】一方、(b)の方法においては、例えば、
第1段階として第1接着層21による第1パネル11と
枠体23との接着を行い、第2段階として第2接着層2
2による枠体23と第2パネル12との接着を行う。従
って、第2段階で行われる加熱により、第1段階で既に
形成された第1接着層21が変形したり流失したりする
ことを避けるために、第1接着層21は第2接着層22
よりも耐熱性の高い材料にて構成する必要がある。即
ち、第2Aの態様に係る製造方法では、第1接着層21
を構成するフリット・ガラスの焼成温度は、第2接着層
22を構成するフリット・ガラスの焼成温度よりも高く
なければならず、第2Bの態様に係る製造方法では、第
1接着層21を構成する低融点金属材料の融点は、第2
接着層22を構成する低融点金属材料の融点よりも高く
なければならない。
【0068】先ず、図12の(A)に示すように、第1
パネル11の周縁部と枠体23とに第1接着層21cを
配する。次に、図12の(B)に示すように、加熱を行
って第1パネル11と枠体23とを第1接着層21によ
り接着する。このときの加熱は、第1接着層21がフリ
ット・ガラスから成る場合にはこのフリット・ガラスの
仮焼成温度及び本焼成温度にて行い、又、第1接着層2
1が低融点金属材料から成る場合にはこの低融点金属材
料の融点以上の温度にて行う。
【0069】次に、図12の(C)に示すように、枠体
23と第2パネル12の周縁部に第2接着層22cを配
する。図12の(C)には、第2接着層22cとを枠体
23と第2パネル12の双方に配した例を示したが、こ
の段階における第1接着層21cと第2接着層22cの
配設パターンには図13の(A)〜(C)に示す計3通
りがあり、第2パネル11及び/又は枠体23に対する
第2接着層22cの濡れ性や所望の接着強度に応じて、
適宜選択すればよい。尚、第1接着層21cの配置パタ
ーンについても同様に3通りが存在するので、(b)の
方法における第1接着層21cと第2接着層22cの配
置パターンには計9通りが存在することになる。
【0070】次に、加熱を行って枠体23と第2パネル
12とを第2接着層22により接着する。このときの加
熱は、第2接着層22がフリット・ガラスから成る場合
にはこのフリット・ガラスの仮焼成温度及び本焼成温度
にて行うが、第1接着層21を構成するフリット・ガラ
スの仮焼成温度よりも低い温度とする。又、第2接着層
22が低融点金属材料から成る場合にはこの低融点金属
材料の融点以上の温度にて行うが、第1接着層21を構
成する低融点金属材料の融点よりも低い温度とする。こ
の後、上述したプロセスに従って接着層30により蓋部
40を接着し、封止パネル装置を完成させる。
【0071】尚、第2A及び第2Bの態様の中間的な態
様として、第1接着層21をフリット・ガラス、第2接
着層22を低融点金属材料から構成することも可能であ
る。このような場合には、フリット・ガラスの焼成温度
にて先ず第1パネルと枠体とを接着し、しかる後に、こ
の焼成温度より低く、低融点金属材料の融点以上の温度
にて枠体と第2パネルを接着すればよい。また、第1パ
ネルが表示装置においてアノード電極が形成される側の
パネルである場合、高電圧が印加されるアノード電極の
引出し部の絶縁性を高めるために、第1接着層の中でア
ノード電極の引出し部の近傍のみをフリット・ガラスで
構成し、残部を低融点金属材料で構成することもでき
る。
【0072】(実施の形態5)実施の形態5は、実施の
形態4の変形例である。即ち、実施の形態5の封止パネ
ル装置においては、図14の(A)及び図14の(B)
に示すように、シール部材20bの一部をパネルの周縁
部に沿った方向の一部において切り欠くように開口部1
5が設けられている。つまり、開口部15は第1接着層
21と枠体23と第2接着層22の全てを同一部位で切
り欠くように設けられており、この開口部15の周囲に
配された補助接着層34によって先ず補助枠体44が接
着され、更にこの補助枠体44の上に配された接着層3
2によって蓋部42が接着されている。蓋部42は、第
1パネル11の縁部からシール部材20aを横断し、第
2パネル12の縁部に亙るように設けられている。
【0073】実施の形態5に係る封止パネル装置のシ−
ル部材20bに含まれる第1接着層21、第2接着層2
2及び補助接着層34は、フリット・ガラス、低融点金
属材料のいずれにより構成されてもよいが、以下、これ
ら三者をいずれもフリット・ガラスとする場合の製造方
法を、図15を参照して説明する。焼成条件や真空排気
条件は実施の形態4で述べた通りでよく、ここでは実施
の形態4と相違する部分を中心に述べる。先ず、図15
の(A)に示すように、第1パネル11と第2パネル1
2の周縁部であって、開口部14の形成予定領域を残す
部位に、フリット・ガラスを塗布する。又、枠体23の
両面にもフリット・ガラスを塗布する。更に、開口部1
5の周辺には補助接着層34を形成しておく。この補助
接着層34は、第1接着層21cや第2接着層22cの
延在部分として形成してもよいし、あるいは第1接着層
21cや第2接着層22cとは別に形成してもよいし、
更にあるいは補助枠体44上に形成してもよい。
【0074】次に、第1パネル11と第2パネル12と
補助枠体44とを位置合わせし、仮焼成及び本焼成を行
う。これにより、図15の(B)に示すように、両パネ
ルと枠体23とがそれぞれ第1接着層21及び第2接着
層22により接着され、更に、補助接着層34により補
助枠体44が開口部15の周囲に接着される。
【0075】次に、図15の(C)に示すように、互い
に接着された第1パネル11と第2パネル12と補助枠
体44とを真空容器VC内にセットし、補助枠体44上
に貫通孔を取り囲むように例えばインジウムから成る接
着層32を載置し、更に、図示されない治具を用いて開
口部15の延長上に蓋部42を保持する。尚、接着層3
2は予め蓋部42に設けても、あるいは、補助枠体44
と蓋部42の双方に設けてもよい。この状態で、真空容
器VCを排気し、続いて排気を継続したまま全体を加熱
することにより、パネル、シール部材、接着層、補助接
着層の脱ガスを促進させる。この後、接着層32の上に
位置合わせした蓋部42を載せ、押圧、加熱を行えば、
図15の(D)に示すように、補助枠体44と蓋部42
とを完全に接着することができる。
【0076】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。封止パネル装置の構造の細部、封止パネル装置を適
用した表示装置の構造の細部は例示であり、適宜変更、
選択、組合せが可能である。例えば、間隔維持部材16
や濡れ性改善層17は、本発明の全ての態様に係る封止
パネル装置及びその製造方法に適用することができる。
また、本発明の全ての態様に係る封止パネル装置を適用
して表示装置を構成することができる。
【0077】本発明の封止パネル装置あるいはその製造
方法においては、第1パネル及び/又は第2パネルとし
て、周縁部にフリット・ガラスから成る突起部(第2の
態様に係る封止パネル装置における枠体に相当する)が
形成された第1パネル及び/又は第2パネルを用いるこ
ともできる。そして、必要に応じて、第1パネル及び/
又は第2パネルのかかる突起部に低融点金属材料から成
るシール部材を形成し、あるいは配置すればよい。ま
た、かかる構造の第1パネル及び/又は第2パネルを用
いる場合であって、濡れ性改善層を形成する必要がある
場合には、フリット・ガラスから成る突起部の頂面に濡
れ性改善層を形成すればよい。
【0078】又、本発明の封止パネル装置の製造方法に
おいては、低融点金属材料から成る接着層、第1接着層
又は第2接着層の表面に自然酸化膜が生成する場合があ
るので、加熱による接着を行う直前に、自然酸化膜を除
去することが好適である。自然酸化膜の除去は、例え
ば、希塩酸を用いたウェットエッチング法、塩素系ガス
を用いたドライエッチング法、超音波印加法等の公知の
方法で行うことができる。
【0079】本発明の封止パネル装置を適用した表示装
置においては、収束電極を設けてもよい。即ち、電界放
出素子を構成するゲート電極123上に層間絶縁層を形
成し、更に、その上に収束電極を形成した構成とするこ
ともできる。尚、この場合には、層間絶縁層及び収束電
極には、電子放出用開口部125と連通した開口部を設
けておく。
【0080】また、本発明の封止パネル装置を適用した
表示装置においては、第1パネルと第2パネルの少なく
とも一方において、パネル表面の一部はゲッターを収容
するための箱部によって構成されており、かかるゲッタ
ー室には開口部が設けられており、開口部は低融点金属
材料から成る接着層によってパネルを構成するゲッター
室に接着された蓋部により閉鎖された構造とすることも
できる。第1パネル11の表面の一部がゲッター63を
収容するための箱部60で形成された封止パネル装置を
概念的に図16に示す。また、かかる封止パネル装置の
概念的に示す分解斜視図を図17に示す。尚、図17に
示した封止パネル装置の基本的な構成は実施の形態4と
同様であるが、他の封止パネル装置にもゲッター63を
収容するための箱部60を適用することができることは
云うまでもない。ここで、これらの図面の符号は図8と
一部共通であり、共通部分については詳しい説明を省略
する。図17では、第1接着層21と第2接着層22の
図示を省略し、第1パネル11の有効領域と第2パネル
12を明確化するために斜線を施した。
【0081】箱部60に設けられた開口部61は、低融
点金属材料から成る接着層30によって第1パネル10
の一部を構成する箱部60に接着された蓋部40により
閉鎖されている。箱部60は例えばガラスを用いて構成
され、底の無い直方体形状を有する。箱部60の底側の
四辺は、図示しない接着材層(例えば、フリット・ガラ
スから成る)を用いて第1パネル11の無効領域に接着
されている。箱部60内において、箱部60の天井面と
第1パネル11の上面との間に一対の板ばね64が架け
渡されており、この板ばね64の付勢によって円盤状の
ゲッター63が箱部60内に保持されている。このゲッ
ター63は非蒸発型であり、例えばジルコニウム等の卑
金属から成る。箱部60の上面には開口部61が設けら
れている。箱部60に囲まれる第1パネル11の領域に
は、第1パネル11と第2パネル12との間の空間と箱
部60内とを連通させるための貫通孔62が設けられて
いる。
【0082】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の封止パネル装置あるいはその製造方法においては、
シール部材を用いて2枚のパネルの全体若しくは大部分
を接着する段階と、接着された2枚のパネルを真空雰囲
気中に置き、2枚のパネルのいずれか又はシール部材に
設けられた十分に小さな開口部に低融点金属材料から成
る接着層を用いて蓋部を接着する段階から成る2段階プ
ロセスによりパネル間の真空空間が形成される。従っ
て、高い真空度を比較的短い時間内に達成することがで
き、チップ管を通じて排気を行う従来プロセスに比べ、
スループットを著しく改善することが可能である。ま
た、最終的なパネル封止が、2枚のパネルに比べて十分
に面積の小さい開口部を蓋部と接着層とを用いて閉鎖す
るプロセスによって行われるため、この閉鎖に際してパ
ネル全体を加熱する必要がなく、新たな脱ガスが生じな
い。従って、パネル間の空間の最終到達真空度も高いレ
ベルに維持される。更に、第1パネルと第2パネルとが
真空雰囲気中に置かれるとき、両パネルは既に接着され
ているため、真空中で両パネルの位置合わせを行うとい
った複雑な作業も不要である。更には、封止パネル装置
の薄型化を図ることができる。本発明は特に、封止パネ
ル装置として電界電子放出型の表示装置を想定した場
合、表示装置の高信頼化、長寿命化、生産性の向上に大
きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】シール部材に枠体が含まれない実施の形態1及
び実施の形態2に係る封止パネル装置の概念図である。
【図2】表示装置として構成された実施の形態1に係る
封止パネル装置の模式的断面図である。
【図3】図2に示した封止パネル装置の一部を拡大して
示す分解斜視図である。
【図4】実施の形態1及び実施の形態2に係る封止パネ
ル装置の製造方法を概念的に示す工程図である。
【図5】実施の形態1に係る封止パネル装置及びその製
造方法の変形例を示す概念図である。
【図6】シール部材に開口部が設けられた実施の形態3
に係る封止パネル装置の変形例の概念図である。
【図7】実施の形態3に係る封止パネル装置の製造方法
を概念的に示す工程図である。
【図8】シール部材に枠体が含まれる実施の形態4に係
る封止パネル装置の概念図である。
【図9】表示装置として構成された実施の形態4に係る
封止パネル装置の概念図である。
【図10】実施の形態4に係る封止パネル装置の製造方
法であって、第1パネルと枠体と第2パネルを同時に接
着する方法を概念的に示す工程図である。
【図11】図10に示した製造方法の変形例を示す概念
図である。
【図12】実施の形態4に係る封止パネル装置の製造方
法であって、第1パネルと枠体とを先に接着する方法を
概念的に示す工程図である。
【図13】図11に示した製造方法の変形例を示す概念
図である。
【図14】シール部材に開口部が設けられた実施の形態
5に係る封止パネル装置の変形例の概念図である。
【図15】実施の形態5に係る封止パネル装置の製造方
法を概念的に示す工程図である。
【図16】第1パネルの表面の一部がゲッターを収容す
るための箱部で形成された封止パネル装置を概念的に示
す断面図である。
【図17】図16に示した封止パネル装置を概念的に示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
11・・・第1パネル、12・・・第2パネル、15・
・・ゲッター、16・・・間隔維持部材、17・・・濡
れ性改善層、20a,20b,20c・・・シール部
材、21・・・第1接着層、22・・・第2接着層、2
3・・・枠体、30,31,32・・・接着層、40,
41,42・・・蓋部、33,34・・・補助接着層、
43,44・・・補助枠体、110・・・透明支持体、
111・・・ブラック・マトリクス、112R,112
G,112B・・・蛍光体層、113・・・アノード電
極、120・・・支持体、121・・・カソード電極、
123・・・ゲート電極、51・・・加速電源、52・
・・制御回路、53・・・走査回路、60・・・箱部、
61・・・開口部、62・・・貫通孔、63・・・ゲッ
ター、64・・・板ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 31/12 H01J 31/12 C

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された第1パネルと第2パネル、
    及び蓋部から成り、 第1パネルと第2パネルとは、周縁部においてシール部
    材を用いて接着され、 第1パネル、第2パネル及びシール部材の少なくとも1
    つには、開口部が設けられ、 該開口部は、低融点金属材料から成る接着層によってパ
    ネルに接着された該蓋部により閉鎖され、 第1パネルとシール部材と第2パネルと接着層と蓋部と
    によって囲まれた空間は真空であることを特徴とする封
    止パネル装置。
  2. 【請求項2】シール部材は、その焼成温度が接着層を構
    成する低融点金属材料の融点よりも高いフリット・ガラ
    スから成り、 第1パネルと第2パネルとは、周縁部において該フリッ
    ト・ガラスによって接着されていることを特徴とする請
    求項1に記載の封止パネル装置。
  3. 【請求項3】シール部材は、接着層を構成する低融点金
    属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属材料か
    ら成り、 第1パネルと第2パネルとは、周縁部において該低融点
    金属材料によって接着されていることを特徴とする請求
    項1の記載の封止パネル装置。
  4. 【請求項4】シール部材は、枠体、フリット・ガラスか
    ら成る第1接着層、及び、フリット・ガラスから成る第
    2接着層から構成されており、 第1パネルと該枠体とは第1接着層によって接着されて
    おり、第2パネルと該枠体とは第2接着層によって接着
    されており、 第1接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度、及
    び、第2接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度
    は、接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の封止パネル装置。
  5. 【請求項5】シール部材は、枠体、低融点金属材料から
    成る第1接着層、及び、低融点金属材料から成る第2接
    着層から構成されており、 第1パネルと該枠体とは第1接着層によって接着されて
    おり、第2パネルと該枠体とは第2接着層によって接着
    されており、 第1接着層を構成する低融点金属材料の融点、及び、第
    2接着層を構成する低融点金属材料の融点は、接着層を
    構成する低融点金属材料の融点よりも高いことを特徴と
    する請求項1に記載の封止パネル装置。
  6. 【請求項6】空間内に非蒸発型のゲッターを備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の封止パネル装置。
  7. 【請求項7】第1パネルは、透明支持体、並びに、該透
    明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層から
    成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の封止パネル装置。
  8. 【請求項8】第1パネルと第2パネルとが真空空間を挟
    んで対向配置され、第1パネル、第2パネル及びシール
    部材の少なくとも1つに設けられた開口部が蓋部によっ
    て閉鎖された構造を有する封止パネル装置の製造方法で
    あって、 (イ)対向配置された第1パネルの周縁部と第2パネル
    の周縁部とを、シール部材を用いて接着する工程、及
    び、 (ロ)低融点金属材料から成る接着層によって、真空雰
    囲気中で開口部近傍のパネルに蓋部を接着する工程、か
    ら成ることを特徴とする封止パネル装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記工程(イ)を不活性ガス雰囲気中で行
    うことを特徴とする請求項8に記載の封止パネル装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程(イ)において接着を行う際の
    温度は、前記工程(ロ)において接着を行う際の温度よ
    りも高いことを特徴とする請求項8に記載の封止パネル
    装置の製造方法。
  11. 【請求項11】シール部材は、その焼成温度が接着層を
    構成する低融点金属材料の融点よりも高いフリット・ガ
    ラスから成り、 前記工程(イ)では、フリット・ガラスの焼成温度にて
    シール部材による接着を行うことを特徴とする請求項1
    0に記載の封止パネル装置の製造方法。
  12. 【請求項12】シール部材は、接着層を構成する低融点
    金属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属材料
    から成り、 前記工程(イ)では、シール部材を構成する低融点金属
    材料の融点以上の温度にてシール部材による接着を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の封止パネル装置の
    製造方法。
  13. 【請求項13】シール部材は、枠体、フリット・ガラス
    から成る第1接着層、及び、フリット・ガラスから成る
    第2接着層から構成されており、 第1接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度、及
    び、第2接着層を構成するフリット・ガラスの焼成温度
    は、接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高
    く、 前記工程(イ)では、フリット・ガラスの焼成温度に
    て、第1パネルと枠体とを第1接着層によって接着し、
    且つ、枠体と第2パネルとを第2接着層によって接着す
    ることを特徴とする請求項10に記載の封止パネル装置
    の製造方法。
  14. 【請求項14】シール部材は、枠体、低融点金属材料か
    ら成る第1接着層、及び、低融点金属材料から成る第2
    接着層から構成されており、 第1接着層を構成する低融点金属材料の融点、及び、第
    2接着層を構成する低融点金属材料の融点は、接着層を
    構成する低融点金属材料の融点よりも高く、 前記工程(イ)では、第1接着層及び第2接着層を構成
    する低融点金属材料の融点以上の温度にて、第1パネル
    と枠体とを第1接着層によって接着し、且つ、枠体と第
    2パネルとを第2接着層によって接着することを特徴と
    する請求項10に記載の封止パネル装置の製造方法。
  15. 【請求項15】第1パネルは、透明支持体、並びに、該
    透明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層か
    ら成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項8に記載の封止パネル装置の製造方
    法。
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