JP2008040383A - 光学装置及びこれを備えるプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光板によって漏れ光が生じにくいライトバルブ等の光学装置及びこれを備えるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】補償層85は、例えば水晶等の正の一軸性屈折材料で形成された平板素子であり、内側支持層84の複屈折性によって生じた偏光状態の変化を相殺するような作用を与える。これにより、内側支持層84の複屈折性が恰も存在しないかのように扱うことができ、偏光変調部31aによる変調作用に影響を与えない理想的な第1偏光フィルタ31bを提供することができる。
【選択図】図2
【解決手段】補償層85は、例えば水晶等の正の一軸性屈折材料で形成された平板素子であり、内側支持層84の複屈折性によって生じた偏光状態の変化を相殺するような作用を与える。これにより、内側支持層84の複屈折性が恰も存在しないかのように扱うことができ、偏光変調部31aによる変調作用に影響を与えない理想的な第1偏光フィルタ31bを提供することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像形成等に用いられる光学装置に関し、さらに、当該光学装置を組み込んだプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタとして、液晶パネルの前後に偏光板を配置した画像形成用のライトバルブを備えるとともに、ライトバルブのコントラスト比を向上させる目的で、液晶パネルを垂直配向型にするものがある。そして、このようなプロジェクタにおいて、例えば液晶パネルと入射偏光板との間に補償用の光学異方性素子を配置するとともに、この光学異方性素子を液晶パネル中の液晶分子の配向方向に応じた姿勢で配置するものがある(特許文献1参照)。
特開2006−11298号公報
しかし、上記のようなプロジェクタにおいて、液晶パネルの前後に配置される偏光板は、通常、PVA(ポリビニールアルコール)がTAC(トリアセチルセルロース)と呼ばれる支持層にサンドイッチされた構造を持っている。このTACは、大きくないが複屈折性を有しており、偏光板をクロスニコルに配置しても入射光が漏れてコントラストを低下させる現象が生じていた。
そこで、本発明は、偏光板によって漏れ光が生じにくいライトバルブ等の光学装置及びこれを備えるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の光学装置は、所定方向の直線偏光を透過させる偏光膜と、当該偏光膜を偏光特性に影響する作用側で支持する作用側支持層とを有する偏光板を備える光学装置であって、偏光板が、作用側支持層に隣接して偏光膜の反対側に設けられた補償層を有し、補償層が、作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成される。
上記第1の光学装置では、偏光板が作用側支持層に隣接して偏光膜の反対側に設けられた補償層を有するとともに、補償層が作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成されるので、偏光板自体が有する複屈折を補償することができ、良好な偏光特性の偏光板、ひいては良好な特性の光学装置を得ることができる。
本発明に係る第2の光学装置は、第1偏光板と第2偏光板とを含み、当該第1及び第2偏光板をクロスニコルに配置した光学装置であって、第1及び第2偏光板のうち少なくとも一方が、直線偏光を透過させる偏光膜と、当該偏光膜を内側で支持する作用側支持層と、作用側支持層に隣接して偏光膜の反対側に設けられた補償層とを有し、補償層が、作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成される。
上記第2の光学装置では、第1及び第2偏光板のうち少なくとも一方が、直線偏光を透過させる偏光膜と、当該偏光膜を内側で支持する作用側支持層と、作用側支持層に隣接して偏光膜の反対側に設けられた補償層とを有し、補償層が、作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成されるので、第1又は第2偏光板自体が有する複屈折を補償することができ、良好な特性の光学装置を得ることができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記第1及び第2の光学装置において、作用側支持層が、負の一軸性の屈折材料で形成され、補償層が、正の一軸性の屈折材料で形成され、作用側支持層の光学軸と補償層の光学軸とが略平行である。この場合、作用側支持層を例えばTAC等の各種樹脂の延伸によって簡易に形成することができ、正の一軸性の屈折特性を有する補償層によって負の一軸性の屈折特性を有する作用側支持層の屈折率異方性を補償することができる。
本発明の別の態様では、作用側支持層と補償層とが、互いに平行な入射平面及び射出平面をそれぞれ有するとともに、当該入射平面及び射出平面の法線方向に屈折率の光学軸が存在する平板である。この場合、作用側支持層の光学軸と補償層の光学軸とを簡易に一致させて偏光板自身でその補償を行うことができる。
本発明のさらに別の態様では、補償層が、作用側支持層に起因するリタデーションを実質的にキャンセルするような厚さを有する。この場合、実質的に複屈折を有しない偏光板によって光学装置を構成することができる。
本発明のさらに別の態様では、補償層が、作用側支持層に起因するリタデーションを、作用側支持層の入射面に対する入射光の傾斜角の範囲に対応させて略キャンセルするような厚さを有する。この場合、偏光板の正面方向や特定傾斜方向だけでなくその近傍を含めた範囲でリタデーションを低減することができ、偏光板の性能を高めることができる。
本発明のさらに別の態様では、偏光板に隣接して配置される、又は第1及び第2偏光板の間に配置される液晶セルをさらに備える。この場合、偏光板と液晶セルとによって液晶ライトバルブとして機能する光学装置を提供することができる。
本発明のさらに別の態様では、液晶セルに残存する屈折率楕円体のチルトを補償するセル補償部材をさらに備える。液晶中に残存するプレチルト等の屈折率楕円体のチルトによって生じる像光のリタデーションを近似的に相殺又は低減することができる。これにより、例えば電界が印可されるオン時に液晶セルの正面方向において黒が浮き上がって画像のコントラストが低下する現象を抑えることができる。
本発明に係るプロジェクタは、(a)上述した光変調用の光学装置と、(b)光学装置を照明する照明装置と、(c)光学装置によって形成された画像を投射する投射レンズとを備える。
上記プロジェクタにおいては、上述の光学装置を備えており、例えばオン時に液晶セルの正面方向において黒が浮き上がって画像のコントラストが低下する現象を抑えることができる。これにより、省スペースでコスト増加を抑えつつ液晶セルによる調光すなわち光変調の精度を向上させることができるので、簡単な構造でありながら高品位の画像を投射できるプロジェクタを提供することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学装置である液晶ライトバルブ(光変調装置)の構造を説明する拡大断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学装置である液晶ライトバルブ(光変調装置)の構造を説明する拡大断面図である。
図示の液晶ライトバルブ31において、入射側の第1偏光板である第1偏光フィルタ31bと、射出側の第2偏光板である第2偏光フィルタ31cとは、クロスニコルを構成する。これら第1及び第2偏光フィルタ31b,31cの間に挟まれた偏光変調部31aは、入射光の偏光方向を、入力信号に応じて画素単位で変化させる液晶パネルである。
偏光変調部31aは、垂直配向モードで動作する液晶(すなわち垂直配向型の液晶)で構成される液晶層71を挟んで、入射側に透明な第1基板72aと、射出側に透明な第2基板72bとを備える。さらに、偏光変調部31aは、入射側の第1基板72aの外側に入射側カバー74aを備え、射出側の第2基板72bの外側に射出側カバー74bを備える。
第1基板72aの液晶層71側の面上には、透明な共通電極75が設けられており、その上には、例えば配向膜76が形成されている。一方、第2基板72bの液晶層71側の面上には、マトリクス状に配置された複数の透明画素電極77と、各透明画素電極77に電気的に接続されている薄膜トランジスタ(不図示)とが設けられており、その上には、例えば配向膜78が形成されている。ここで、第1及び第2基板72a,72bと、これらに挟まれた液晶層71と、電極75,77とは、入射光の偏光状態を変化させるための液晶セルとなっている。また、液晶セルを構成する各画素は、1つの画素電極77と、共通電極75と、これらの間に挟まれた液晶層71とを含む。なお、第1基板72aと共通電極75との間には、各画素を区分するように格子状のブラックマトリックス79が設けられている。
ここで、配向膜76,78は、液晶層71を構成する液晶性化合物を必要な方向に配列させるためのものであり、液晶層71に電圧が印加されないオフ状態において、液晶性化合物の光学軸を第1基板72aの法線に対して大きくないが一様な傾きとなるように配向させる役割を有し、液晶層71に電圧が印加されたオン状態において、液晶性化合物の光学軸が第1基板72aの法線に対して垂直な特定の方向(具体的にはX方向)に配向することを許容する。
この偏光変調部31aにおいて、入射側カバー74aの入射面すなわち第1偏光フィルタ31bに対向する一方の平坦面には、例えば1〜200μm程度以下の厚さを有する薄いプレチルト補償部材73が貼り付けられている。ここで、プレチルト補償部材73は、光学接着剤によって入射側カバー74aの平坦面上に貼り付けられて入射側カバー74aとともに光学補償素子OCを構成しており、このような光学補償素子OCは、第1基板72aの入射面上に光学接着剤によって貼り付けられる。光学補償素子OCの詳細については後述する。
図2は、図1に示す偏光変調部31aの入射側に配置される第1偏光フィルタ31bの構造を説明する断面構造図である。第1偏光フィルタ31bは、偏光膜81と、外側支持層83と、内側支持層84と、補償層85とを備える偏光板すなわち偏光素子である。なお、外側支持層83の入射平面83a及び射出平面83bと、内側支持層84の入射平面84a及び射出平面84bと、補償層85の入射平面85a及び射出平面85bとは、互いに全て平行になっている。また、内側支持層84と補償層85とは、後述するように複屈折材料で形成される。内側支持層84や補償層85は、例えば50〜200μm程度の厚さを有する。
第1偏光フィルタ31bにおいて、偏光膜81は、外側支持層83と内側支持層84との間にサンドイッチされた状態で保持されている。偏光膜81は、一定方向に振動する直線偏光のみを通過させるためのもので、例えばPVA(ポリビニールアルコール)膜に染料を吸着させて特定方向に延伸させることによって形成される。また、外側支持層83や内側支持層84は、例えば薄いTAC(トリアセチルセルロース)板でそれぞれ形成されている。さらに、補償層85は、例えば薄い水晶板で形成されている。ここで、外側支持層83は、偏光膜81の外側(具体的には、図1において入射光に面する側)すなわち偏光特性に影響しない非作用側にあり、クロスニコルの機能に実質的に影響しないので、これが多少複屈折性を有していても特に問題は生じない。一方、内側支持層84は、偏光膜81の内側(具体的には、図1の偏光変調部31aに対向する側)すなわち偏光特性に影響する作用側にある作用側支持層であり、クロスニコルの機能に実質的に影響するので、これが多少であっても複屈折性を有していると、液晶ライトバルブ31の変調性能に影響が生じる。実際、内側支持層84は、既に説明したようにTAC板等の負の一軸性屈折材料で形成された平板素子又は平板であり、偏光膜81を透過した直線偏光に対して一様な複屈折性を示す。よって、何らかの手段によって内側支持層84の複屈折性によって生じた偏光状態の変化を相殺するような作用を与えるならば、内側支持層84の複屈折性が恰も存在しないかのように扱うことができ、偏光変調部31aによる変調作用に影響を与えない理想的な第1偏光フィルタ31bを提供することができる。補償層85は、内側支持層84のこのような複屈折性を補償すべく設けられており、上述のように例えば水晶等の正の一軸性屈折材料で形成された平板素子又は平板である。なお、補償層85は、内側支持層84の内側面である射出平面84bに光学接着剤によって貼り付けられている。
図3(a)は、内側支持層84の屈折率を説明するための側面図であり、図3(b)は、内側支持層84の屈折率を説明する平面図である。また、図4(a)は、補償層85の屈折率を説明する側面図であり、図4(b)は、補償層85の屈折率を説明する平面図である。
内側支持層84において、これを構成する負の一軸性屈折材料の屈折率楕円体RIE1の長軸すなわち光学軸OA1は、入射平面84a及び射出平面84bに対して垂直に配置されている。内側支持層84は、TAC等の延伸フィルムによって形成することができる。延伸フィルムは、大量生産に向いている。なお、延伸フィルムの場合、その屈折率楕円体は、屈折率を基準とする各軸方向の屈折率をNx,Ny,Nzとし延伸フィルムの厚みをd1とすると、一般にNx≧Ny>Nzの関係が成り立ち、延伸フィルムの特性とされるパラメータRe,Rthは、以下のようになる。
Re=(Nx−Ny)・d2 … (1)
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}・d2 … (2)
ここで、パラメータReは、楕円体の長径側の屈折率差に対応するもので、通常正の一軸性結晶とされる補償層85との関係で0nmであることが望ましい。また、Rthは、最短径との差に対応するもので、例えば80nm程度となる。以下では、両パラメータRe,Rthのうち前者のパラメータReについて、Re≒0すなわちNx≒Nyであるものとして近似的に扱うものとする。なお、延伸フィルムのReを現在の製造技術で0nmとすることは非常に困難であるが、Reが0nmでない延伸フィルムであっても、近似的には同様の機能が達成されるので、このような延伸フィルムを内側支持層84として液晶ライトバルブ31に組み込むことができる。なお、パラメータReが極めて大きい場合、補償層85の楕円体を適宜調整すれば、内側支持層84及び補償層85を一組として第1偏光フィルタ31b中に組み込むことができる。
Re=(Nx−Ny)・d2 … (1)
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}・d2 … (2)
ここで、パラメータReは、楕円体の長径側の屈折率差に対応するもので、通常正の一軸性結晶とされる補償層85との関係で0nmであることが望ましい。また、Rthは、最短径との差に対応するもので、例えば80nm程度となる。以下では、両パラメータRe,Rthのうち前者のパラメータReについて、Re≒0すなわちNx≒Nyであるものとして近似的に扱うものとする。なお、延伸フィルムのReを現在の製造技術で0nmとすることは非常に困難であるが、Reが0nmでない延伸フィルムであっても、近似的には同様の機能が達成されるので、このような延伸フィルムを内側支持層84として液晶ライトバルブ31に組み込むことができる。なお、パラメータReが極めて大きい場合、補償層85の楕円体を適宜調整すれば、内側支持層84及び補償層85を一組として第1偏光フィルタ31b中に組み込むことができる。
偏光膜81と、外側支持層83と、内側支持層84とからなる偏光板本体については、例えば以下のような工程で作製される。まず、外側支持層83となるべきTAC板上に粘着剤を介してPVA膜を接着し、PVA膜にヨウ素等を主体とした染料を吸着させてPVA膜を染色する。その後、PVA膜をTAC板とともに延伸してPVA膜に所望の偏光特性を持たせる。これにより、偏光膜81及び外側支持層83の2層構造が得られる。最後に、内側支持層84となるべきTAC板を、粘着剤を介して偏光膜81を構成するPVA膜に貼り付けることにより、外側支持層83と内側支持層84との間にサンドイッチされた偏光膜81からなる偏光板本体を得ることができる。
一方、補償層85において、これを構成する正の一軸性屈折材料の屈折率楕円体RIE2の短軸すなわち光学軸OA2は、入射平面85a及び射出平面85bに対して垂直に配置されており、屈折率楕円体RIE1の光学軸OA1に平行になっている。補償層85の具体的に製造方法ついて説明する。まず、補償層85の材料となる水晶をなるべく薄く切り出して、屈折率楕円体RIE2の光学軸OA2が水晶板の一対の対向する平面に対して垂直になるようにする。次に、切り出した水晶板の一対の対向平面に対して研磨等の加工を施して表面を滑らかにする。次に、石英、白板ガラス等の透過率が高く複屈折性有しない平行板状の支持基板を準備し、この支持基板に対して紫外線硬化樹脂を介して研磨後の水晶板を貼り合わせた後、硬化によって固定する。その後、支持基板上の水晶板を比較的粗い砥粒で研磨して、水晶層が例えば50μm、100μm等の必要な厚さを有する補償層85に仕上げる。このようにして得た補償層85は、紫外線硬化樹脂を介して、偏光膜81と、外側支持層83と、内側支持層84とからなる偏光板本体の内側支持層84側に貼り付けられる。なお、以上の説明では、加工の便宜上、支持基板を用いて水晶層を含む補償層85を得たが、上記のような支持基板を用ることなくケミカル・エッチング等によって直接水晶の薄板を得ることもできる。
以下、補償層85の機能、すなわち内側支持層84の複屈折を補償する機能について説明する。まず、内側支持層84について考えると、この内側支持層84は、近似的に負の一軸性結晶からなり、上述のようにNx≒Ny>Nzの関係が成り立つものと考えることができる。そして、屈折率楕円体RIE1の短軸に対応する光学軸OA1は、補償層85の入射平面85aに法線方向から入射する光線(垂直入射光)に対して平行になっている。ここで、図3(a)に示すように内側支持層84の正常屈折率がNoで異常屈折率がNe、つまりNx≒Ny=No、Nz=Neであるとすると、垂直入射光の屈折率は、図3(b)に示すようにNoとなっており、斜入射の屈折率は、徐々に図3(a)の状態に近づく。よって、傾斜角ηの斜透過光に対する内側支持層84のリタデーションRe1は、内側支持層84の厚みをd1として、
となる。同様に、補償層85について考えると、この補償層85は、正の一軸性結晶からなり、屈折率を基準とする各軸方向の屈折率をnx,ny,nzとすると、一般にnx=ny<nzの関係が成り立ち、屈折率楕円体RIE2の長軸に対応する光学軸OA2は、補償層85の入射平面85aに法線方向から入射する光線(垂直入射光)に対して平行になっている。ここで、図4(a)に示すように補償層85の正常屈折率がnoで異常屈折率がneであり、垂直入射光の屈折率は図4(b)に示すようにnoとなっており、斜入射の屈折率は、徐々に図4(a)の状態に近づく。よって、傾斜角ηの斜透過光に対する補償層85のリタデーションRe2は、補償層85の厚みをd2として、
となる。ここで、内側支持層84の屈折率Nzの短軸と補償層85の屈折率nzの長軸とは平行又は略平行に配置されている。したがって、垂直入射光に対するトータルのリタデーションREは、式(3)で与えられるRe1と、式(4)で与えられるRe2との差の絶対値で与えられる。つまり、Re1=Re2のとき、第1偏光フィルタ31bから射出された偏光は、位相作用を受けず完全な直線偏光となっている。
以下では、液晶ライトバルブ31への入射光が角度分布を有するのみならず内側支持層84及び補償層85の屈折率差が比較的大きい場合を含めて考察する。まず、空気中から液晶ライトバルブ31に斜めに入射するある光束について考え、空気中での傾き角をη0とし、内側支持層84中での傾き角をη1とし、補償層85中での傾き角をη2とする。この場合、内側支持層84において、NoとNeとの差が小さいことからNo≒Neとなるので、空気中から外側支持層83や内側支持層84に傾き角η0で入射した光束については、以下の条件を満たすような光路をたどる。
sin(η0):sin(η1)=1:1/No
sin(η1)=sin(η0)/No … (5)
さらに、補償層85において、no≒neとなるので、内側支持層84中で傾き角η1で補償層85に傾き角η2で入射した光束については、以下のようになる。
sin(η1):sin(η2)=1/No:1/no
sin(η2)=sin(η1)(No/no) … (6)
以上のような斜め入射光が内側支持層84と補償層85とを通過する際のリタデーションRe’は、次式
で与えられる。
sin(η0):sin(η1)=1:1/No
sin(η1)=sin(η0)/No … (5)
さらに、補償層85において、no≒neとなるので、内側支持層84中で傾き角η1で補償層85に傾き角η2で入射した光束については、以下のようになる。
sin(η1):sin(η2)=1/No:1/no
sin(η2)=sin(η1)(No/no) … (6)
以上のような斜め入射光が内側支持層84と補償層85とを通過する際のリタデーションRe’は、次式
結果的に、偏光変調部31aすなわち内側支持層84と補償層85とを通過する際のリタデーションRe’は、屈折率no,ne,No,Ne,d1,d2が定数であり、値η1,η2が上記値η0によって決定されるパラメータであるので、以下のような関数f
Re’=f(η0) … (8)
と考えて処理することができる。よって、上記式(8)に基づいて、全ての入射光線(傾き角η0,方位角φ)に関してリタデーションRe’を求めてこれらの総和が最小値になるように、補償層85の厚みd2を最適化することもでき、この場合、第1偏光フィルタ31bから射出された偏光は、位相作用を受けず略完全な直線偏光となっている。例えばある一定のNAで液晶ライトバルブ31に垂直入射する光束の場合、開口角に対応するη0が0〜ηmaxとなり、方位角φが0〜360°となるので、以下の積分値
がゼロに近づくように補償層85を設定する。ここで、W(η0,φ)は、入射光の角度分布によって与えられる重み関数である。図5(a)は、通過光のリタデーションRe’=f(η0)と傾き角η0との関係を視覚的に説明したものであり、傾き角η0が0となる正面方向の光に対してリタデーションRe’が最も小さくなっているが、傾き角η0が増加するに従ってリタデーションRe’が徐々に増加する。また、図5(b)は、入射光の重み関数W(η0,φ)と傾き角η0との関係を視覚的に説明したものであり、傾き角η0が0となる正面方向の光の密度が最も高くなっており、これに伴って重み関数が最大値となっている。以上は例示であり、リタデーションRe’=f(η0)の特性は、内側支持層84と補償層85の光学特性によって定まり、重み関数W(η0,φ)は、光源の放射特性、均一化光学系の光学特性等によって定まる。つまり、補償層85の屈折率楕円体RIE2や厚みd2を調節することで、様々なW(η0,φ)の照明装置に対してリタデーションRe’=f(η0)の積分値を極小化することができ、第1偏光フィルタ31bから射出される偏光を略完全な直線偏光とすることができる。
Re’=f(η0) … (8)
と考えて処理することができる。よって、上記式(8)に基づいて、全ての入射光線(傾き角η0,方位角φ)に関してリタデーションRe’を求めてこれらの総和が最小値になるように、補償層85の厚みd2を最適化することもでき、この場合、第1偏光フィルタ31bから射出された偏光は、位相作用を受けず略完全な直線偏光となっている。例えばある一定のNAで液晶ライトバルブ31に垂直入射する光束の場合、開口角に対応するη0が0〜ηmaxとなり、方位角φが0〜360°となるので、以下の積分値
以上の式(9)によって表される積分値(合計リタデーション)は、高速演算を行うシミュレーションによって迅速に求めることができ、補償層85や内側支持層84の屈折率特性を入力することで、補償層85の厚みd2を迅速に決定することができる。
なお、以上は、第1偏光フィルタ31bについての説明であったが、第2偏光フィルタ31cも第1偏光フィルタ31bと同一の構造を有する。つまり、第2偏光フィルタ31cにおいて、補償層85の屈折率異方性は、内側支持層84の屈折率異方性を相殺するようになっており、内側支持層84のリタデーションは、補償層85のリタデーションによって補償される。結果的に、補償層85及び内側支持層84を通過する光束は、位相作用を受けることなくそのまま通過して偏光膜81に入射する。
なお、第1偏光フィルタ31bと第2偏光フィルタ31cとは、単独で位相補償する必要がなく、両偏光フィルタ31b,31cに設けた2つの補償層85のトータルのリタデーションが、両偏光フィルタ31b,31cに設けた2つの内側支持層84のトータルのリタデーションを相殺するものであればよい。つまり、両偏光フィルタ31b,31cに設けられる2つの補償層85の双方に光学補償板としての機能を分担させることができる。
以下、光学補償素子OCの機能、すなわち液晶層71のプレチルトを補償する機能について説明する。光学補償素子OCを構成するプレチルト補償部材73は、透明な負の一軸性結晶で形成されたセル補償部材であり、光入射端面と光射出端面とが平行な平板素子である。プレチルト補償部材73は、その光学軸が液晶層71の配向方向(具体的にはX方向)を含むXZ面内となるように配置されており、さらに、その光学軸がZ軸に対して所定の傾斜角を成している。
図6は、液晶層71の屈折率とプレチルト補償部材73の屈折率とを説明する側方断面の概念図である。ここで、液晶層71の入射面71a及び射出面71bと、プレチルト補償部材73の入射平面73a及び射出平面73bとは、互いに全て平行になっている。
液晶層71において、オフ状態の液晶性化合物の屈折率楕円体RIE3の長軸すなわち光学軸OA3は、XZ面内でZ軸に対して小さいが一定の傾き角を有している。この際、屈折率楕円体RIE3の傾き方向はX方向であり、このX方向を液晶層71の配向方向と呼ぶものとする。また、屈折率楕円体RIE3の配向方向における傾き角は、プレチルト角θ3と呼ばれる。一方、プレチルト補償部材73において、これを構成する負の一軸性結晶の屈折率楕円体RIE4の短軸すなわち光学軸OA4は、XZ面内にあってZ軸に対して小さいが一定の傾き角を有している。より詳細に説明すると、屈折率楕円体RIE4の傾き方向すなわち方位角は、液晶層71の配向方向と同じX方向となっており、屈折率楕円体RIE4が傾く方位角における傾き角θ4すなわち極角は、本実施形態の場合、液晶層71に付与されているプレチルト角θ3と略等しくなっている。ここで、プレチルト補償部材73の屈折率楕円体RIE4の短軸の傾き角θ4と液晶層71のプレチルト角θ3とが「略等しい」としたのは以下の理由による。すなわち、プレチルト補償部材73の屈折率と液晶層71の屈折率とが等しい場合は、プレチルト補償部材73の屈折率楕円体RIE4の短軸の傾き角θ4と液晶層71のプレチルト角θ3とは等しくなる、。しかしながら、プレチルト補償部材73の屈折率と液晶層71の屈折率が異なる場合は、その屈折率の差を考慮して(ある入射角度で偏光変調部31aに入射する光線において、プレチルト補償部材73内を透過する際と液晶層71内を透過する際とでその光線が平行となるように)、液晶層71のプレチルト角θ3に対して増減させた角度をプレチルト補償部材73の屈折率楕円体RIE4の短軸の傾き角θ4として設定するべきだからである。以上のように、オフ状態の液晶層71のプレチルトに応じてプレチルト補償部材73の光学軸の方位を設定することにより、第1偏光フィルタ31bから射出された偏光と第2偏光フィルタ31cに入射する偏光とは同一状態となり、垂直入射光に対する第2偏光フィルタ31cでの遮光が完全となる。つまり、液晶ライトバルブ31によって形成される画像のコントラストを最大限高めることができる。
図7は、液晶ライトバルブ31の具体的な作製例を説明するグラフである。横軸は第1偏光フィルタ31bに入射する光束の傾き角η0を示し、縦軸は偏光フィルタ31bによって生じるリタデーションRe’を示す。この際、内側支持層84は、厚さ100μmで、Rth80nmであるものとした。補償層85は、内側支持層84の反対の特性を有するものとした。つまり、両層84,85の屈折率の関係は、ne=Noで、no=Neとなっている。グラフ中において、■印は内側支持層84に100μmの補償層85を貼り付けた場合を示し、▲印は内側支持層84に100μmの補償層85を貼り付けた設けた場合を示し、◆印は内側支持層84に補償層85を設け名褐炭設けた場合を示す。グラフからも明らかなように、補償層85の厚さ調整によってリタデーションRe’を減らすことができることがわかる。
〔第2実施形態〕
図8は、図1に示す液晶ライトバルブ31等を組み込んだプロジェクタの光学系の構成を説明する図である。
図8は、図1に示す液晶ライトバルブ31等を組み込んだプロジェクタの光学系の構成を説明する図である。
本プロジェクタ10は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源光を赤緑青の3色に分割する色分離光学系23と、色分離光学系23から射出された各色の照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25からの各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム27と、クロスダイクロイックプリズム27を経た像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射レンズ29とを備える。このうち、光源装置21、色分離光学系23、光変調部25、及びクロスダイクロイックプリズム27は、スクリーンに投射すべき像光を形成する画像形成装置となっている。
以上のプロジェクタ10において、光源装置21は、光源ランプ21aと、凹レンズ21bと、一対のフライアイ光学系21d,21eと、偏光変換部材21gと、重畳レンズ21iとを備える。このうち、光源ランプ21aは、例えば高圧水銀ランプからなり、光源光を回収して前方に射出させる凹面鏡を備える。凹レンズ21bは、光源ランプ21aからの光源光を平行化する役割を有するが、省略することもできる。一対のフライアイ光学系21d,21eは、マトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって凹レンズ21bを経た光源ランプ21aからの光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材21gは、フライアイ光学系21eから射出した光源光を例えば図8の紙面に垂直なS偏光成分のみに変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ21iは、偏光変換部材21gを経た照明光を全体として適宜収束させることにより、光変調部25に設けた各色の光変調装置に対する重畳照明を可能にする。つまり、両フライアイ光学系21d,21eと重畳レンズ21iとを経た照明光は、以下に詳述する色分離光学系23を経て、光変調部25に設けられた各色の液晶パネル25a,25b,25cを均一に重畳照明する。
色分離光学系23は、第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bと、補正光学系である3つのフィールドレンズ23f,23g,23hと、反射ミラー23j,23m,23n,23oとを備え、光源装置21とともに照明装置を構成する。ここで、第1ダイクロイックミラー23aは、赤緑青の3色のうち例えば赤光及び緑光を反射し青光を透過させる。また、第2ダイクロイックミラー23bは、入射した赤及び緑の2色のうち例えば緑光を反射し赤光を透過させる。この色分離光学系23において、光源装置21からの略白色の光源光は、反射ミラー23jで光路を折り曲げられて第1ダイクロイックミラー23aに入射する。第1ダイクロイックミラー23aを通過した青光は、例えばS偏光のまま、反射ミラー23mを経てフィールドレンズ23fに入射する。また、第1ダイクロイックミラー23aで反射されて第2ダイクロイックミラー23bでさらに反射された緑光は、例えばS偏光のままフィールドレンズ23gに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー23bを通過した赤光は、例えばS偏光のまま、レンズLL1,LL2及び反射ミラー23n,23oを経て、入射角度を調節するためのフィールドレンズ23hに入射する。レンズLL1,LL2及びフィールドレンズ23hは、リレー光学系を構成している。このリレー光学系は、第1レンズLL1の像を、第2レンズLL2を介してほぼそのままフィールドレンズ23hに伝達する機能を備えている。
光変調部25は、3つの液晶パネル25a〜25cと、各液晶パネル25a〜25cを挟むように配置される3組の偏光フィルタ25e,25f,25gとを備える。ここで、青光用の液晶パネル25aと、これを挟む一対の偏光フィルタ25e,25eとは、輝度変調後の像光のうち青光を画像情報に基づいて2次元的に輝度変調するための青色用の液晶ライトバルブを構成する。青色用の液晶ライトバルブは、図1に示す液晶ライトバルブ31と同様の構造を有しており、コントラスト向上等のため偏光フィルタ31b,31cすなわち補償層85を組み込んでいる。同様に、緑光用の液晶パネル25bと、対応する偏光フィルタ25f,25fも、緑色用の液晶ライトバルブを構成し、赤光用の液晶パネル25cと、偏光フィルタ25g,25gも、赤色用の液晶ライトバルブを構成する。そして、これら緑光及び赤色用の液晶ライトバルブも、図1に示す液晶ライトバルブ31と同様の構造を有している。
青光用の第1液晶パネル25aには、色分離光学系23の第1ダイクロイックミラー23aを透過することによって分岐された青光が、フィールドレンズ23fを介して入射する。緑光用の第2液晶パネル25bには、色分離光学系23の第2ダイクロイックミラー23bで反射されることによって分岐された緑光が、フィールドレンズ23gを介して入射する。赤光用の第3液晶パネル25cは、第2ダイクロイックミラー23bを透過することによって分岐された赤光が、フィールドレンズ23hを介して入射する。各液晶パネル25a〜25cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、各液晶パネル25a〜25cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル25a〜25cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。その際、偏光フィルタ25e,25f,25gによって、各液晶パネル25a〜25cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、各液晶パネル25a〜25cから射出される変調光から所定の偏光方向の成分光が像光として取り出される。
クロスダイクロイックプリズム27は、光合成部材であり、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜27a,27bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜27aは青色光を反射し、他方の第2誘電体多層膜27bは赤色光を反射する。このクロスダイクロイックプリズム27は、液晶パネル25aからの青光を第1誘電体多層膜27aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶パネル25bからの緑光を第1及び第2誘電体多層膜27a,27bを介して直進・射出させ、液晶パネル25cからの赤光を第2誘電体多層膜27bで反射して進行方向左側に射出させる。
投射レンズ29は、クロスダイクロイックプリズム27で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(不図示)上に投射する。つまり、各液晶パネル25a〜25cに入力された駆動信号或いは画像信号に対応する所望の倍率のカラー動画やカラー静止画がスクリーン上に投射される。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、上記実施形態では、内側支持層84としてTACを用いた例について説明したが、TAC以外の負の一軸性材料を用いることができる。具体的には、サファイア、方解石(CaCo3)、KDP(二水素カリウム)、ADP(リン酸二水素アンモニウム)等の無機材料を使用することができ、オレフィン系の各種有機材料を使用することができる。
また、上記実施形態では、補償層85として水晶を用いた例について説明したが、水晶以外の正の一軸性材料を用いることができる。具体的には、方解石(CaCo3)、バナジン酸イットリウム(YVO4)、ルチル(TiO2)等の無機材料を使用することができ、液晶等の有機材料を使用することができる。
偏光変調部31aは、垂直配向モードで動作する液晶に限らず、NTモードで動作する液晶で構成することができる。なお、プレチルト補償部材73は、偏光変調部31aのタイプに合わせて適宜変更され、不要なら省略することもできる。
また、上記実施形態では、第1偏光フィルタ31b等をクロスニコルに配置して使用する場合を説明したが、第1偏光フィルタ31bを単独で、LCOS等の反射型の偏光変調部31aへの偏光供給等のために用いることができる。
また、上記実施形態のプロジェクタ10では、光源装置21を、光源ランプ21a、一対のフライアイ光学系21d,21e、偏光変換部材21g、及び重畳レンズ21iで構成したが、フライアイ光学系21d,21e、偏光変換部材21g等については省略することができ、光源ランプ21aも、LED等の別光源に置き換えることができる。
また、上記実施形態では、色分離光学系23を用いて照明光の色分離を行って、光変調部25において各色の変調を行った後に、クロスダイクロイックプリズム27において各色の像の合成を行っているが、単一の液晶パネルすなわち液晶ライトバルブ31によって画像を形成することもできる。
上記実施形態では、3つの液晶パネル25a〜25cを用いたプロジェクタ10の例のみを挙げたが、本発明は、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
上記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
10…プロジェクタ、 21…光源装置、 23…色分離光学系、 23a,23b…ダイクロイックミラー、 25…光変調部、 25a〜25c…液晶パネル、 25e,25f,25g…偏光フィルタ、 27…クロスダイクロイックプリズム、 29…投射レンズ、 31…液晶ライトバルブ、 31a…偏光変調部、 31b…第1偏光フィルタ、 31c…第2偏光フィルタ、 71…液晶層、 71a…入射面、 71b…射出面、 73…プレチルト補償部材、 75,77…電極、 76,78…配向膜、 77…画素電極、 83…外側支持層、 84…内側支持層、 85…補償層、 OA1,OA2…光学軸、 OA3,OA4…光学軸、 OC…光学補償素子、 RIE1〜RIE4…屈折率楕円体
Claims (9)
- 所定方向の直線偏光を透過させる偏光膜と、当該偏光膜を偏光特性に影響する作用側で支持する作用側支持層とを有する偏光板を備える光学装置であって、
前記偏光板は、前記作用側支持層に隣接して前記偏光膜の反対側に設けられた補償層を有し、
前記補償層は、前記作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成される光学装置。 - 第1偏光板と第2偏光板とを含み、当該第1及び第2偏光板をクロスニコルに配置した光学装置であって、
前記第1及び第2偏光板のうち少なくとも一方は、直線偏光を透過させる偏光膜と、当該偏光膜を内側で支持する作用側支持層と、前記作用側支持層に隣接して前記偏光膜の反対側に設けられた補償層とを有し、
前記補償層は、前記作用側支持層に対する光学的補償のため複屈折材料で形成される光学装置。 - 前記作用側支持層は、負の一軸性の屈折材料で形成され、前記補償層は、正の一軸性の屈折材料で形成され、前記作用側支持層の光学軸と前記補償層の光学軸とは、略平行である請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光学装置。
- 前記作用側支持層と前記補償層とは、互いに平行な入射平面及び射出平面をそれぞれ有するとともに、当該入射平面及び射出平面の法線方向に屈折率の光学軸が存在する平板である請求項3記載の光学装置。
- 前記補償層は、前記作用側支持層に起因するリタデーションを実質的にキャンセルするような厚さを有する請求項1から請求項4のいずれか一項記載の光学装置。
- 前記補償層は、前記作用側支持層に起因するリタデーションを、前記作用側支持層の入射面に対する入射光の傾斜角の範囲に対応させて略キャンセルするような厚さを有する請求項1から請求項5のいずれか一項記載の光学装置。
- 前記偏光板に隣接して配置される、又は前記第1及び第2偏光板の間に配置される液晶セルをさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項記載の光学装置。
- 前記液晶セルに残存する屈折率楕円体のチルトを補償するセル補償部材をさらに備える請求項1から請求項7記載の光学装置。
- 請求項7及び請求項8のいずれか一項記載の光変調用の光学装置と、
前記光学装置を照明する照明装置と、
前記光学装置によって形成された画像を投射する投射レンズと、
を備えるプロジェクタ。
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- 2006-08-10 JP JP2006217829A patent/JP2008040383A/ja not_active Withdrawn
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