JP2008039223A - 吸着式熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

吸着式熱交換器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な部材を用いることなく、熱交換部への吸着剤の確実な固定を可能とすると共に、熱交換部と吸着剤間の伝熱性能を向上させることのできる吸着式熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】内部を熱媒体が流通する熱交換部110と、熱交換部110の外表面に固定されて、熱媒体が低温の時に蒸発した気相冷媒を吸着し、熱媒体が高温の時に吸着していた冷媒を脱離する吸着剤130とを備える吸着式熱換器において、吸着剤130を微小な多数の粒子状に形成し、吸着剤130全体の90%以上の粒子径を0〜42μmの範囲に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両用吸着式冷凍機の吸着器に用いて好適な吸着式熱交換器およびその製造方法に関するものである。
従来、外部の冷媒蒸気を吸着あるいは脱離する吸着式熱交換器として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。即ち、この吸着式熱交換器は、熱媒体が流通する伝熱管と複数のフィンとを有する熱交換器本体を備え、各フィンの間に吸着剤が多数充填されて、熱交換器本体を覆う被覆材によって吸着剤が保持されるようになっている。更に、被覆材に所定張力を付与する張力付与手段を設けるようにしている。これにより、吸着剤を簡易な方法で保持することができると共に、被覆材の弛みによる吸着剤のフィンに対するずれ(滑落)を防止して、確実にフィンに接触させることができるようにしている。
特開2000−329425号公報
しかしながら、上記吸着式熱交換器においては、吸着剤の保持のために被覆材(ネット)を必要としており、部品点数およびその組み付け工数が増加する。また、吸着剤に対する冷媒蒸気の流れによって吸着剤が飛散してしまう。更に、吸着剤はフィンの間に充填されて設けられているので、吸着剤層はおのずと厚いものとなり、伝熱性能の劣るものとなっている。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、特別な部材を用いることなく、熱交換部への吸着剤の確実な固定を可能とすると共に、熱交換部と吸着剤間の伝熱性能を向上させることのできる吸着式熱交換器およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、内部を熱媒体が流通する熱交換部(110)と、熱交換部(110)の外表面に固定されて、熱媒体が低温の時に蒸発した気相冷媒を吸着し、熱媒体が高温の時に吸着していた冷媒を脱離する吸着剤(130)とを備える吸着式熱換器において、吸着剤(130)は、微小な多数の粒子状に形成されており、吸着剤(130)全体の90%以上の粒子径は、0〜42μmの範囲に設定されたことを特徴としている。
吸着剤(130)を有する吸着式熱交換器(100)においては、通常、吸着剤(130)には蒸発した気相冷媒の流れ(衝突)による力(Ff)と、吸着剤(130)の自重による力(Fg)とが作用するが、吸着剤(130)を微小な多数の粒子状に形成して、吸着剤(130)の粒子径を微小にすることで、熱交換部(110)と吸着剤(130)との間、あるいは吸着剤(130)同士の間に付着力として作用するファンデルワールス力(Fv、詳細後述)を発生させることができる。冷媒温度が60℃相当の場合に、吸着剤(130)全体の90%以上の粒子径を0〜42μmとすると、上記ファンデルワールス力(Fv)が上記の2つの力(Ff、Fg)の和に打ち勝つように設定することができ、従来技術で説明したような特別な部材(被覆材等)を用いることなく、吸着剤(130)を熱交換部(110)に確実に固定することができる。また、吸着剤(130)の粒子径を微小とすることにより、吸着剤層を極めて薄く形成することができるので、吸着剤(130)の熱抵抗を小さくすることができる。よって、熱交換部(110)と吸着剤(130)間の伝熱性能を向上することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明に対して、吸着剤(130)全体の90%以上の粒子径は、0〜13μmの範囲に設定されたことを特徴としている。
これにより、冷媒温度が80℃相当の場合に、上記ファンデルワールス力(Fv)が上記の2つの力(Ff、Fg)の和に打ち勝つように設定することができ、吸着剤(130)を熱交換部(110)に確実に固定することができる。
請求項3に記載の発明では、熱交換部(110)は、伝熱面積を拡大するフィン(112)を備えており、このフィン(112)は、多数の細孔を有する多孔質体(112)から形成されたことを特徴としている。
これにより、粒子径が微小な吸着剤(130)にマッチした微細なフィン(112)として容易に形成することができる。
上記請求項3に記載の多孔質体(112)は、請求項4に記載の発明のように、焼結金属で形成することができ、また、請求項5に記載の発明のように、発泡金属で形成することもできる。
請求項6に記載の発明では、吸着剤(130)は、細孔を塞ぐことなく、多孔質体(112)に固定されたことを特徴としている。
これにより、多孔質体(112)に形成される複雑な表面に吸着剤(130)が固定されて多孔質体(112)の表面積を有効に活用した冷媒と熱媒体との熱交換が可能になる。また、細孔に気相冷媒を流すことができるので、吸着速度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6に記載の吸着式熱交換器の製造方法であり、吸着剤(130)を熱交換部(110)へ固定する固定工程に、吸着剤(130)を溶液に混合してスラリーとするスラリー成形工程と、スラリーを熱交換部(110)に塗布する塗布工程と、スラリーの溶液を乾燥させる乾燥工程とを設けたことを特徴としている。
これにより、熱交換部(110)の表面全体に一様な吸着剤層を容易に形成することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、スラリー形成工程において、溶液に接着剤を混合するようにしても良く、吸着剤(130)をより強固に熱交換部(110)に固定することができる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。第1実施形態の吸着式熱交換器100は、車両用吸着式冷凍機の吸着器10に適用したものである。尚、吸着器10は、冷凍機内において、同一のものがもう一つ設けられており(図示せず)、2つ一組で使用されるようになっている。
吸着器10は、図1に示すように、密閉容器11の内部に第1熱交換器50、吸着式熱交換器(以下、第2熱交換器)100が配設されて形成されている。密閉容器11は、例えばステンレス材あるいは鉄材から成る直方体の容器であり、内部が略真空に保たれた状態で冷媒(水)が封入されている。冷媒の封入量は、冷媒液面が密閉容器11内の下側位置となるレベルとしており、密閉容器11内の上側は空間となっている。
第1熱交換器50は、図示しないフィン、チューブが交互に積層されて形成される熱交換部と、この熱交換部に対して熱媒体が流入、流出する配管部51とを有している。第1熱交換器50を構成する上記各部材(フィン、チューブ、配管部51等)は、アルミニウムあるいはその合金から成るものとしており、各部材は第1熱交換器50の形状に組み付けされた後に一体的にろう付けされることで、第1熱交換器50を形成している。
そして、第1熱交換器50は、密閉容器11内の冷媒の一部に浸漬されるようにして、密閉容器11内の下側に配設されている。配管部51は、密閉容器11を貫通して外部に開口しており、密閉容器11と配管部51との間は、例えばゴム材や樹脂材から成るシール部材(図示せず)を介してシールされて、密閉容器11内の真空状態が維持されるようにしている。
第2熱交換器100は、熱交換部110にタンク121、122が接続されて形成されている。即ち、熱交換部110は、複数積層されるチューブ111を備えており、各チューブ111の長手方向両端部が各タンク121、122にそれぞれ接続されて、各チューブ111と各タンク121、122は内部で連通している。そして、第2熱交換器100のチューブ111(熱交換部110)の表面には、吸着剤130が固定されている(詳細後述)。吸着剤130は、微小な多数の粒子状に形成されており、例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ等から構成されている。
第2熱交換器100は、密閉容器11内の上側の空間部(第1熱交換器50の上側)に配設されている。そして、第2熱交換器100の内部を流通する熱媒体(冷却水、あるいは温水)が流入、流出する配管部101が、密閉容器11を貫通するようにして外部に開口している。尚、密閉容器11と配管部101との間も上記第1熱交換器50と同様にシールが施されている。
吸着器10は以上のように形成されており、2つのうちの一方の吸着器10において、第1熱交換器50では密閉容器11内の冷媒が蒸発することによって、その時の蒸発潜熱で内部を流通する熱媒体が冷却され、更にこの冷却された熱媒体が図示しない室内熱交換器側に流れて、冷凍機用空気が冷却されることになる。
そして、密閉容器11内で蒸発した冷媒(水蒸気)は、第2熱交換器100の吸着剤130に吸着されると共に、冷媒の熱は、第2熱交換器100内を流通する熱媒体(冷却水)側に伝達され、外部に放出される。
また、2つのうちの他方の吸着器10においては、第2熱交換器100の吸着剤130に吸着された冷媒(水蒸気)が、第2熱交換器100内を流通する熱媒体(温水)によって加熱され脱離されると共に、第1熱交換器50の冷媒に浸漬されない表面で、第1熱交換器50内を流通する熱媒体によって冷却され、凝縮する。
そして、2つの吸着器10の各第1熱交換器50における蒸発、凝縮が交互に行われるようにして、蒸発が行われる側の第1熱交換器50によって冷却される熱媒体を用いて連続的な冷凍を可能とする。
本実施形態では、上記のような第2熱交換器100の熱交換部110(チューブ111)に設けられる吸着剤130の固定方法に特徴を持たせている。即ち、図2に示すように、吸着剤130には、上記のように冷媒脱離時(熱媒体温度の高い時)における冷媒(水蒸気)の衝突力Ffと、吸着剤130の自重による自重力Fgとが基本的に作用するが、更に微小粒の吸着剤130に作用するファンデルワールス力Fvを考慮したものとしている。ファンデルワールス力Fvは、主に吸着剤粒子半径と、吸着剤粒子およびチューブ壁面間の距離とによって定まる力であり、吸着剤130に対する付着力として作用する。
つまり、衝突力Ffと自重力Fgとの和の絶対値よりも、上記ファンデルワールス力Fvの絶対値が大きくなるようにすることで吸着剤130の付着力を確保するようにしている。衝突力Ff、自重力Fg、ファンデルワールス力Fvは、以下の数式1〜数式3によって算出される。尚、ここでは、吸着剤130の粒子が図2に示すように、一層となる形で固定される場合を想定している。
(数1)
衝突力Ff=C×(ρv/2)×v×S
(数2)
自重力Fg=mg=ρa×V×g(N)
(数3)
ファンデルワールス力Fv=−A/6{r/h+r/(h+2r)−1/h+1/(h+2r)}−Ar/6h
ただし、A=20e−20(J)
h=4e−10(m) である。
尚、上記の数式1〜数式3中において、
は、抗力係数
ρvは、水蒸気密度(kg/m
vは、水蒸気流速(m/s)
Sは、流れ方向における最大投影面積(m
mは、吸着剤重量(kg)
ρaは、吸着剤密度(kg/m
Vは、吸着剤体積(m
gは、重力加速度(m/s
Aは、Hamaker定数(J)
rは、吸着剤粒子半径(m)
hは、吸着剤粒子およびチューブ壁面間の距離(m) である。
また、数式1において、Cは、図3(球の線図)のレイノルズ数Reから求めることができる。レイノルズ数Reは数式4から求めることができる。
(数4)
レイノルズ数Re=v2r/ν
ここで、
νは、動粘性係数(m/s) である。
更に、数式4において、水蒸気流速vは、ほぼ音速となるので、数式5から求めることができる。
(数5)
水蒸気流速v=(κRT)0.5
ここで、
κは、比熱比
Rは、気体定数(J/gK)
Tは、水蒸気温度(K) である。
本実施形態では、吸着剤130を70℃の排熱等の熱媒体で加熱して、吸着剤130に吸着している冷媒を脱離させるようにしている。この時、熱媒体と、吸着剤130および冷媒(水蒸気)との間には、10℃程度の温度差が生じるため、冷媒温度(水蒸気温度)は最高で60℃程度となる。
この条件下において、吸着剤130の粒子径(2r)を変数にして、それぞれ、数式1〜数式5によって衝突力Ff、自重力Fg、ファンデルワールス力Fvを求め、各力の合計=(Ff+Fg+Fv)を算出すると、図4に示すグラフが得られる。ここで、吸着剤130の粒子径が0〜42μmの範囲において、各力の合計が図4中で、マイナス領域となる。即ち、吸着剤130の粒子径が0〜42μmの範囲においては、(衝突力Ff+自重力Fg)の和の絶対値よりも、ファンデルワールス力Fvの絶対値の方が大きくなり、ファンデルワールス力Fvによる吸着剤130のチューブ111への付着力が得られ、水蒸気による吸着剤130の飛散が防止可能となる。上記吸着剤130の粒子径(0〜42μm)は、吸着剤130全体の90%以上のものが、その粒子径の大きさになっていれば、実用上問題のないレベルで固定が可能となる。
尚、図4において、各力の合計値は、下側に凸となる特性を有しており、ファンデルワールス力Fvをより大きく得るために、吸着剤130の粒子径は10〜30μmの範囲が更に好適でとなる。
ここで、例えば、吸着剤130の粒子径が17μmの場合で、数式1〜数式5に基づく算出結果を検証してみると、以下のようになる。
水蒸気の流速は、数式5から、
水蒸気流速v=(κRT)0.5={1.327×(8.314/0.018)×333.15}0.5=451.88(m/s) となる。
レイノルズ数は、数式4から、
レイノルズ数Re=v2r/ν=(451.88×2×8.5e−6)/8.4e−5=91.28となる。よって、図3より、抗力係数Cは、0.953 となる。
よって、衝突力は、数式1から、
衝突力Ff=C×(ρv/2)×v×S=0.953×(0.130/2)×451.88×2.27e−10=2.87e−6(N) となる。
また、自重力は、数式2から、
自重力Fg=mg=ρa×V×g=900×2.57e−15×9.8=2.27e−11(N) となる。
更に、ファンデルワールス力は、数式3から、
ファンデルワールス力Fv=−A/6{r/h+r/(h+2r)−1/h+1/(h+2r)}−Ar/6h
=−(2e−19/6)×{8.5e−6/(4e−10+8.5e−6/(4e−10+2×8.5e−6−1/4e−10+1/(4e−10+2×8.5e−6)}−2e−19×8.5e−6/{6×(4e−10}=−3.54e−6(N) となる。
よって、吸着剤130に係る力の合計は、Ff+Fg+Fv=−0.67e−6(N) となる。
以上のように、吸着剤130を有する吸着式熱交換器(第2熱交換器)100において吸着剤130の粒子径を微小にすることで、熱交換部110(チューブ111)と吸着剤130との間、あるいは吸着剤130同士の間に付着力として作用するファンデルワールス力Fvを発生させることができるので、冷媒温度が60℃相当の場合に、吸着剤130全体の90%以上の粒子径を0〜42μmとすると、上記ファンデルワールス力(Fv)が衝突力Ffと自重力Fgの和に打ち勝つように設定することができ、従来技術で説明したような特別な部材(被覆材等)を用いることなく、吸着剤130を熱交換部110に確実に固定することができる。
また、吸着剤130の粒子径を微小とすることにより、吸着剤層を極めて薄く形成することができるので、吸着剤130の熱抵抗を小さくすることができる。総じて、熱交換部110(チューブ111)と吸着剤130間の伝熱性能を向上することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5に示す。第2実施形態は、第2熱交換器100における熱媒体温度の上限を90℃相当(車両エンジンの温水等)まで考慮した場合に、吸着剤130の最適な粒子径を選定したものである。
第2熱交換器100における熱媒体の上限温度を90℃相当とすると、熱媒体と吸着剤130および冷媒(水蒸気)との間には、10℃程度の温度差が生じ、冷媒温度(水蒸気度差)は最高80℃程度となる。
この条件下において、上記第1実施形態と同様に、吸着剤130の粒子径(2r)を変数にして、それぞれ、数式1〜数式5によって衝突力Ff、自重力Fg、ファンデルワールス力Fvを求め、各力の合計=(Ff+Fg+Fv)を算出すると、図5に示すグラフが得られる。ここでは、吸着剤130の粒子径が0〜13μmの範囲において、(衝突力Ff+自重力Fg)の和の絶対値よりも、ファンデルワールス力Fvの絶対値の方が大きくなり、ファンデルワールス力Fvによる吸着剤130のチューブ111への付着力が得られ、水蒸気による吸着剤130の飛散が防止可能となる。上記吸着剤130の粒子径(0〜13μm)は、吸着剤130全体の90%以上のものが、その粒子径の大きさになっていれば、実用上問題のないレベルで固定が可能となる。
尚、図5において、ファンデルワールス力Fvをより大きく得るために、吸着剤130の粒子径は3〜10μmの範囲が更に好適となる。
ここで、例えば、吸着剤130の粒子径が6μmの場合で、数式1〜数式5に基づく算出結果を検証してみると、以下のようになる。
水蒸気の流速は、数式5から、
水蒸気流速v=(κRT)0.5={1.325×(8.314/0.018)×353.15}0.5=464.90(m/s) となる。
レイノルズ数は、数式4から、
レイノルズ数Re=v2r/ν=(464.90×2×3e−6)/3.95e−5=70.62となる。よって、図3より、抗力係数Cは、1.16 となる。
よって、衝突力は、数式1から、
衝突力Ff=C×(ρv/2)×v×S=1.16×(0.293/2)×464.90×2.83e−11=1.04e−6(N) となる。
また、自重力は、数式2から、
自重力Fg=mg=ρa×V×g=900×1.13e−16×9.8=9.97e−13(N) となる。
更に、ファンデルワールス力は、数式3から、
ファンデルワールス力Fv=−A/6{r/h+r/(h+2r)−1/h+1/(h+2r)}−Ar/6h
=−(2e−19/6)×{3e−6/(4e−10+3e−6/(4e−10+2×3e−6−1/4e−10+1/(4e−10+2×3e−6)}−2e−19×3e−6/{6×(4e−10}=−1.25e−6(N) となる。
よって、吸着剤130に係る力の合計は、Ff+Fg+Fv=−0.21e−6(N) となる。
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、ファンデルワールス力Fvのみによって、吸着剤130が熱交換部110(チューブ111)に固定されるものとしたが、吸着剤130の充填密度または、冷媒(水蒸気)の拡散を妨げない範囲で、接着剤を追加して、更に吸着剤130の熱交換部110に対する固定力を向上させるようにしても良い。
(第4実施形態)
上記第1、第2実施形態では、熱交換部110に対して吸着剤130の粒子が一層となるものとして説明したが(図2)、吸着剤130の粒子間でもファンデルワールス力Fvを得ることができるので、多層となるようにしても良く、同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図6に示す。第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、熱交換部110のチューブ111にフィン(112)を設け、主にこのフィン(112)の表面に吸着剤130を固定するようにしたものである。
ここでは、フィン(112)は、多数の細孔を有する多孔質体112から形成されるようにしている。多孔質体112としては、例えば、熱伝導性に優れる金属粉末を加熱して、溶融させることなく焼き固めた焼結金属、あるいは、金属粉末に発泡剤を混合して焼結させた後に、発泡剤を取り除くことで形成される発泡金属等を用いることができる。多孔質体112は、チューブ111にろう付けされている。
そして、上記多孔質体112の表面に、吸着剤130が固定されるようにしている。本実施形態では、以下のように吸着剤130を多孔質体112へ固定する(吸着剤固定工程)。
まず、吸着剤130を溶液に分散させたスラリーを作成する(スラリー成形工程)。そして、このスラリーを図6(a)に示すように、多孔質体112に塗布し、多孔質体112の表面および細孔の内部に充填させる(塗布工程)。その後、スラリーの溶液を乾燥させると(乾燥工程)、図6(b)に示すように、吸着剤130は多孔質体112の細孔自体を塞ぐことなく、多孔質体112の表面および細孔内の表面に付着していき、ファンデルワールス力Fvによって固定される。
このように、多孔質体112を用いることにより、上記第1、第2実施形態で説明したように、粒子径が微小な吸着剤130にマッチした微細なフィン(112)として容易に形成することができる。
また、吸着剤130を固定する際に、吸着剤130をスラリーにして、多孔質体112の表面および細孔内の表面に塗布し、その後にスラリーの溶液を乾燥させるようにしているので、多孔質体112の表面全体に一様な吸着剤層を容易に形成することができる。そして、多孔質体112に形成される複雑な表面に吸着剤130が固定されて多孔質体112の表面積を有効に活用した冷媒と熱媒体との熱交換が可能になる。また、細孔に冷媒(水蒸気)を流すことができるので、吸着速度を向上させることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図7に示す。第6実施形態は、上記第5実施形態に対して、スラリー成形工程において、溶液中に吸着剤130と共に、接着剤を混合するようにしたものである。接着剤の混合量としては、吸着剤130の充填密度、または水蒸気の拡散を妨げない程度とする。
これにより、多孔質体112と吸着剤130との間、および吸着剤130同士の間をより強固に固定することができる。
本発明の第1実施形態における吸着器を示す断面図である。 熱交換部に固定される吸着剤を示す拡大図である。 レイノルズ数に対する抗力係数を示すグラフである。 本発明の第1実施形態における吸着剤に作用する力を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における吸着剤に作用する力を示すグラフである。 本発明の第5実施形態におけるフィンおよび吸着剤を示す断面図であり、(a)はスラリーを塗布した状態、(b)はスラリーの溶液を乾燥させた状態を示す。 本発明の第6実施形態におけるフィン、吸着剤および接着剤を示す断面図であり、(a)はスラリーを塗布した状態、(b)はスラリーの溶液を乾燥させた状態を示す。
符号の説明
100 吸着式熱交換器、第2熱交換器
110 熱交換部
112 フィン、多孔質体
130 吸着剤

Claims (8)

  1. 内部を熱媒体が流通する熱交換部(110)と、
    前記熱交換部(110)の外表面に固定されて、前記熱媒体が低温の時に蒸発した気相冷媒を吸着し、前記熱媒体が高温の時に吸着していた冷媒を脱離する吸着剤(130)とを備える吸着式熱換器において、
    前記吸着剤(130)は、微小な多数の粒子状に形成されており、
    前記吸着剤(130)全体の90%以上の粒子径は、0〜42μmの範囲に設定されたことを特徴とする吸着式熱交換器。
  2. 前記吸着剤(130)全体の90%以上の粒子径は、0〜13μmの範囲に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の吸着式熱交換器。
  3. 前記熱交換部(110)は、伝熱面積を拡大するフィン(112)を備えており、
    前記フィン(112)は、多数の細孔を有する多孔質体(112)から形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着式熱交換器。
  4. 前記多孔質体(112)は、焼結金属であることを特徴とする請求項3に記載の吸着式熱交換器。
  5. 前記多孔質体(112)は、発泡金属であることを特徴とする請求項3に記載の吸着式熱交換器。
  6. 前記吸着剤(130)は、前記細孔を塞ぐことなく、前記多孔質体(112)に固定されたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の吸着式熱交換器。
  7. 請求項1〜請求項6に記載の吸着式熱交換器の製造方法であって、
    前記吸着剤(130)を前記熱交換部(110)へ固定する固定工程において、
    前記吸着剤(130)を溶液に混合してスラリーとするスラリー成形工程と、
    前記スラリーを前記熱交換部(110)に塗布する塗布工程と、
    前記スラリーの溶液を乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする吸着式熱交換器の製造方法。
  8. 前記スラリー形成工程において、前記溶液に接着剤を混合することを特徴とする請求項7に記載の吸着式熱交換器の製造方法。
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