JP2008039108A - 水素貯蔵装置 - Google Patents

水素貯蔵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008039108A
JP2008039108A JP2006215884A JP2006215884A JP2008039108A JP 2008039108 A JP2008039108 A JP 2008039108A JP 2006215884 A JP2006215884 A JP 2006215884A JP 2006215884 A JP2006215884 A JP 2006215884A JP 2008039108 A JP2008039108 A JP 2008039108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
heat medium
temperature
hydrogen
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006215884A
Other languages
English (en)
Inventor
Daigoro Mori
大五郎 森
Norihiko Hatsugawa
徳彦 秡川
Hideto Kubo
秀人 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2006215884A priority Critical patent/JP2008039108A/ja
Publication of JP2008039108A publication Critical patent/JP2008039108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/45Hydrogen technologies in production processes

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

【課題】熱量変化に伴なう水素吸蔵合金の劣化を抑えると共に、エネルギー効率を良好に保ちつつ、水素の吸蔵・放出性能を良好にする。
【解決手段】熱交換管13a〜13cを流通する冷却水の、入口温度センサS4で検出された温度と出口温度センサS1、S2またはS3で検出された温度との差の絶対値|ΔT|が所定値T未満であるときに、|ΔT|<所定値Tの関係を満たす熱交換管の切替バルブ(V1〜V3)の開度を選択的に絞ってTiCrV合金12の温度制御を行なうようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素貯蔵装置に関し、詳しくは、水素吸蔵合金を用いて水素の給排を行なうのに好適な水素貯蔵装置に関する。
従来より、例えば水素ガスを貯蔵する場合、水素ガスを圧縮してボンベに充填したり、水素吸蔵が可能な水素吸蔵合金や水素吸着材料に吸蔵することが広く行なわれている。
ところが、ボンベでは容積が大きい割りには壁厚が大きいために内容量が小さい。また、水素吸蔵合金等では、水素貯蔵密度が必ずしも大きくなく、例えば車両に搭載する等の場合には、必要とされる貯蔵密度を満すことができない。そのため、水素吸蔵合金の充填密度を高めて多量の水素を吸蔵できる技術に関する検討が種々なされている。
一方、水素吸蔵合金(MH)は、水素の吸放出に際して発熱、吸熱を伴なうことが知られている。したがって、水素を一時的に貯蔵し、必要に応じて水素を放出する使用形態において、多量の水素量を確保するために、水素の吸放出を一度に多量に行なおうとすると、MHは急激な温度変化を随時伴なうことになる。そして、MHの水素吸蔵時の高温状態や放出時の低温状態、急激な温度変化は、MHの水素の吸蔵放出特性を損なう傾向にある。
上記に関連して、収容された水素吸蔵合金と熱交換可能に、熱媒体が流通する熱媒管が配された水素吸蔵合金収容容器(例えば、特許文献1参照)や、水素吸蔵合金粉末を加熱、冷却するための熱交換用管が配置された水素吸蔵合金粉末収容容器(例えば、特許文献2参照)に関する開示がある。後者では更に、センサーを複数箇所に配備し、センサーにより検出された信号を解析して反応率が低く算出されたセンサー位置に向けて水素管および熱交換用管を移動することが記載されている。
そのほか、熱媒を通過させる配管本数を増やしたり、伝熱用フィンの配置間隔を狭めたり、熱媒体の流量を増す等して、水素吸蔵合金の熱交換効率を向上させ、水素の吸蔵・放出効率を向上が図られている。
特開平11−72200号公報 特開平11−101399号公報
上記のように、水素吸蔵合金を用いた場合に、水素吸蔵合金と熱交換できるように管を設けることは広く行なわれているものの、いずれの場合も水素吸蔵合金からの熱を熱交換するための熱媒体は、水素吸蔵合金の反応の未/完の程度に関わらず、管内を一律に流通させるようになっている。したがって、水素の吸蔵・放出反応が完了した領域にも継続的に熱媒体が送られるのが通常である。
また、熱媒を流通させる配管本数を増やすことは容器質量の増加を来たし、伝熱用フィンの間隔を狭めることによる場合も、熱交換器の容積あたりの水素吸蔵合金の容積が小さくなるために、結果として質量の増加を来すことになる。さらに、熱媒体の流量を増す方法によると、システム全体のエネルギー効率が低下してしまう。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、熱量変化に伴なう水素吸蔵合金の劣化が抑えられ、エネルギー効率を良好に保ちつつ、水素の吸蔵・放出を長期間安定に行なうことができる水素貯蔵装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記目的を達成するために、本発明の水素貯蔵装置は、水素ガスを給排する水素給排口および熱媒体を給排する熱媒給排口を有し、水素吸蔵合金が収容された耐圧タンクと、耐圧タンクの内部に配され、熱媒体が流通して少なくとも前記水素吸蔵合金を冷却する熱媒管と、熱媒管を流通する熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された前記熱媒体の温度の変化ΔTの絶対値が所定値未満であるときに、前記水素吸蔵合金の加熱または冷却を前記熱媒体の流量を絞って行なう熱媒制御手段とで構成したものである。
本発明における熱媒体(heating medium)は、水素吸蔵合金(以下、MHと略記することがある。)を加熱あるいは冷却して所望の温度に制御するために、MHとの間で熱交換して熱を移動させるための流体である。熱媒とも呼ばれる。
本発明の水素貯蔵装置においては、熱交換により少なくとも水素吸蔵合金の熱をやり取りする熱媒体の温度を検出する温度検出手段を設け、検出された熱媒体の温度の変化の絶対値(変化量|ΔT|)が所定値未満であるとき、すなわち水素吸蔵合金の急激な温度上昇や温度降下が生じない運転状況のときには、水素吸蔵合金を冷却する熱媒管に流通する熱媒体の流量を選択的に絞る(流量0(ゼロ)を含む。)ようにすることで、変化量|ΔT|の大きい領域、つまり水素の吸蔵・放出反応が盛んに行なわれている領域では熱媒体の流通量を保ち、変化量|ΔT|の小さい領域、つまり水素の吸蔵・放出反応が未進行もしくは小さい、あるいは反応終了の領域などでは、選択的に熱媒体の流通量を抑えて、水素吸蔵合金(又は水素吸蔵合金および雰囲気)の温度を制御するので、熱交換を必要としない熱媒管にまで一律に熱媒体を流通することによるエネルギー損失が抑えられ、熱量変化による水素吸蔵合金の劣化を防止して、水素の吸蔵・放出を長期間安定に行なうことができる。
また、流量を最も絞った状態も、少量を流し続ければ常時温度変化を監視できるので好ましい。
本発明の水素貯蔵装置を構成する熱媒管には、更に切替バルブまたはポンプを設けることができる。この切替バルブの開度またはポンプの回転数を制御することによって、熱媒管を流通する熱媒体の流量を変え、水素吸蔵合金の温度制御を行なうようにすることができる。
温度検出手段は、一つの熱媒管に複数設けて構成することができる。複数の温度検出手段を設けた場合には、熱媒制御手段により、熱媒管における熱媒体流通方向の上流側の温度Tと下流側の温度Tとの温度差の絶対値をみて、この値が所定値未満であるときに、水素の吸蔵・放出反応が未進行もしくは小さいあるいは反応終了の領域など、変化量|ΔT|の小さい領域であるとして、(例えば、切替バルブの開度、またはポンプの回転数の切り替えにより)選択的に熱媒体の流通量を抑え、水素吸蔵合金の加熱または冷却(温度制御)を行なえる。
例えば、流通前の温度T(初期温度)として熱媒管の熱媒体が供給される供給端(例えば供給端からMH充填部に至るまで等の供給端近傍を含む)における温度を、水素貯蔵装置内を流通した後の温度Tとして熱媒管の熱媒体が排出される排出端(例えば排出端からMH充填部に至るまで等の排出端近傍を含む)における温度を用いることができる。
熱媒体が、水素貯蔵装置内に配されている熱媒管の、熱媒体が供給される供給口となる供給端から水素貯蔵装置の内部を流通し、前記供給端と反対側の、熱媒体が排出される排出口となる排出端から排出される過程で変化する温度の変化量(=|T−T|、熱媒管の出入口での温度変化幅)に基づいて制御するので、熱媒管の配されている各領域での水素の吸蔵・放出反応の程度(反応状態)に応じた温度制御が可能である。例えば、水素貯蔵装置内に複数の熱媒管を配して構成した場合は、熱媒管の各々について温度の変化量を把握することができ、変化量の小さい熱媒管の流通量を選択的に減じ、変化量が所定値を超えた熱媒管のみに通常量の熱媒体を流通させるようにすることが可能である。
本発明の水素吸蔵タンクでは、熱媒体の温度の変化ΔTを、熱媒管の熱媒体が排出される排出端(例えば排出端からMH充填部に至るまで等の排出端近傍を含む)における温度変化のみを利用して制御することもできる。上記のように熱媒体がタンク内の流通距離の短い供給端近傍の温度(T)を利用せずに、タンク内を流通して水素吸蔵合金の冷却に寄与した熱媒体の温度(T)の経時的な変化を、例えば水素吸蔵合金の特性と対比する等して水素の吸蔵・放出反応の程度を把握でき、変化量の大きい熱媒管のみに選択的に熱媒体を流通させるようにすることが可能である。
本発明の水素吸蔵タンクには、耐圧タンク内の圧力を検出する圧力検出手段を更に設けることができる。圧力検出手段を設けた場合には、熱媒制御手段は、上記のように温度の変化ΔTの絶対値が所定値未満である場合は、熱媒体の流量を絞って水素吸蔵合金の温度制御を行ないながら、圧力検出手段により検出された圧力が所定値未満(例えばシステム起動圧力未満)であるときには、前記水素吸蔵合金の加熱を前記熱媒体の流量を絞らずに行なうようにすることができる。
耐圧タンク内の圧力は、水素吸蔵合金での水素の吸蔵量に応じて変化するため、耐圧タンク内の圧力が小さい(<所定値P)ときには、水素の消費量が多く、水素の放出による水素吸蔵合金の吸熱によって温度低下が大きくなる状況にあるので、温度の変化ΔTの絶対値が大きく、熱媒体の流量を確保する必要がある場合に、水素の消費量に基づいた流量制御による適切な温度制御を行なうことができる。
また、本発明の水素吸蔵タンクには、外部からの水素要求量が所定値以上であるか否かを判定する判定手段を更に設けることができる。判定手段を設けた場合には、熱媒制御手段は、上記のように温度の変化ΔTの絶対値が所定値未満である場合は熱媒体の流量を絞って水素吸蔵合金の温度制御を行ないながら、判定手段によって水素要求量が所定値以上であると判定されたときには、少なくとも水素吸蔵合金の加熱を、前記熱媒体の流量を増加して行なう構成とすることができる。
水素貯蔵装置の外部に備えられた水素使用装置から要求された水素要求量が多いときには、貯蔵されている水素ガスを多量に放出する必要があり、放出量の増大に伴なって水素吸蔵合金の吸熱(すなわち温度低下)は大きくなる状況にあるので、温度の変化ΔTの絶対値が大きく、熱媒体の流量を確保する必要がある場合に、水素要求量、換言すれば水素の消費量に基づいた流量制御を行なって適切に温度制御することができる。
本発明によれば、熱量変化に伴なう水素吸蔵合金の劣化が抑えられ、エネルギー効率を良好に保ちつつ、水素の吸蔵・放出を長期間安定に行なうことができる水素貯蔵装置水素貯蔵装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の水素貯蔵装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の水素貯蔵装置の第1実施形態を図1〜図2を参照して説明する。本実施形態の水素貯蔵装置は、耐圧性の単一タンク内に3本の熱媒管を内装して入口温度センサと出口温度センサとの温度差に基づいて熱媒体の流量を変えて水素吸蔵合金の温度を制御するように構成したものである。
本実施形態では、タンク内に充填する水素吸蔵材料としてTi25Cr5025合金を、熱媒体として冷却水を用いた場合を例に説明する。但し、本発明においては下記実施形態に制限されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の水素貯蔵装置は、温度検出手段である温度センサを備え、断面円形の耐圧性を有する高圧タンク11、高圧タンク11の内部に収容された水素吸蔵合金であるTiCrV合金12、および温度検出手段である温度センサが取り付けられ、TiCrV合金中に熱交換が行なえるように埋設された熱媒管である熱交換管13a、13b、13cを備えた水素吸蔵タンク10と、少なくとも温度センサにより検出された温度に基づいて水素吸蔵合金の温度制御を行なう制御装置50とを備えている。
熱交換管13a、13b、13c中をそれぞれ流通する冷却水の流量は、各熱交換管に取り付けられた切替バルブ(バルブV1〜V3)を制御装置50により独立に制御して、熱交換管ごとに流量を変えることができるようになっている。
高圧タンク11の長手方向の一端には、水素給排口15が形成されており、この水素給排口15に水素を供給排出するための水素給排管16が接続されている。この水素給排管16を流通してタンク内に水素が供給されたときには、供給された水素を高圧タンク11内のTiCrV合金(水素吸蔵合金)12に吸蔵させて貯蔵すると共に、外部に設けられた水素使用装置(不図示)から水素の要求があったときには、貯蔵されている水素を水素給排管16を通じて水素使用装置に供給できるようになっている。
また、高圧タンク11の他端には、冷却水給排口(熱媒給排口)17が形成されており、この冷却水給排口17に入口温度センサS4が取り付けられると共に、冷却水供給管18が接続されている。外部の冷却水供給装置から冷却水供給管18を通じて供給された冷却水は、一旦保水室19に貯留された後、水素吸蔵タンク内に内装された熱交換管13a、13b、13cに送られるようになっている。
熱交換管13a、13b、13cは、それぞれU字型に成形された断面円形の配管であり、配管の2つの端部は保水室19に接続されて冷却水の循環が可能な構成になっている。熱交換管13a、13b、13cの、熱交換後の冷却水を保水室19に排出する側の各端部近傍には、切替バルブV1、V2、V3が取り付けられており、各切替バルブ(V1、V2、V3)の冷却水流通方向の上流側には出口温度センサS1、S2、S3が取り付けられている。熱交換管13a、13b、13cを流通する冷却水の各温度を出口温度センサS1、S2、S3で検出し、検出された温度を入口温度センサでの検出温度に照らして切替バルブV1、V2、V3の開度を調整することにより冷却水の流量を制御することができるようになっている。具体的な制御方法については後述する。
なお、本実施形態では、冷却水給排口17に入口温度センサS4を取り付け、この入口温度センサS4の温度を各熱媒管に供給された冷却水の代表値(初期温度T)としたものである。
高圧タンク11の内部には、水素吸蔵合金(MH)として、TiCrV合金12が収容されており、外部から水素が供給されると水素を吸蔵して貯蔵することができ、必要に応じて加熱したりタンク内圧を低くしたときには、MHに吸蔵されている水素が解離し、貯蔵された水素を外部に放出し、燃料電池等の水素使用装置に供給することができる。
MHは、2元系合金、3元系合金などを挙げることができ、上記のTiCrV系合金以外に、TiCrMn系合金、LaNi系合金、TiFe系合金、TiVMo合金、TiCrVNi合金、TiCrMoV系合金などを好適に使用できる。
水素吸蔵合金(MH)の形態は、粉状、粒状、ペレット状などのいずれの形状、サイズであってもよい。
水素吸蔵合金は、例えば、所望の組成、組成比となるように金属粉をアーク溶解して(好ましくは更にアニールして)粗合金とし、これをボールミル等の粉砕機を用いて粉砕処理する等して得たものを使用することができ、得られた粉状物等のMHをタンク内に(好ましくは高密度に)充填する等して本発明に係る水素貯蔵装置を作製することができる。
熱媒体には、冷却水以外に種々の物質を利用できるが、(1)使用できる圧力が適当である、(2)単位体積あたりの熱容量または潜熱が大きく、伝熱係数が大きい、(3)装置を腐食しない、(4)不燃性・安価・無毒などの環境や経済性の面で負担が少ない等の特徴から目的に合わせて選択することができ、例えばオイルや、水にエチレングリコール等を添加したロングライフクーラント(LLC)などが挙げられる。
切替バルブV1〜V3、入口温度センサS4、出口温度センサS1〜S3等は、制御装置50と電気的に接続されており、制御装置50によって動作タイミングが制御されるようになっている。この制御装置50は、外部に設けられた水素使用装置からの水素要求を受けて外部に水素の供給を行なうと共に、冷却水の温度変化に基づいて冷却水の流量をコントロールして水素吸蔵合金の温度制御をも担うものである。
ここで、水素貯蔵装置の制御装置50による制御ルーチンについて、特に熱交換管内を流通する冷却水の流量の増減を行なって水素吸蔵合金を温度制御する熱交換制御ルーチンを中心に図2を参照して説明する。
図2は、冷却水供給管18および熱交換管13a,13b,13cにそれぞれ取り付けられた入口温度センサ(S4)と出口温度センサ(S1〜S3)との間の温度の変化(ΔT)に基づいて流量コントロールを行なって温度制御する熱交換制御ルーチンを示すものである。
本ルーチンが実行されると、ステップ100において、冷却水給排口17に取り付けられた入口温度センサS4により冷却水の温度(初期温度T)が取り込まれ、ステップ120において、出口温度センサS1、S2、S3により、熱交換管13a、13b、13cを流通して戻ってきた冷却水の温度(T)が取り込まれる。
次に、ステップ140において、各熱交換管ごとに冷却水の初期温度Tと熱交換管を流通して熱交換した後の温度Tとの差の絶対値|ΔT|(=|T−T|)を求め、得られた絶対値|ΔT|が所定値T未満であるか否かが判定される。
このとき、判定条件を「−T<ΔT<T」とした場合も結果は同様であり、「温度の変化ΔTの絶対値が所定値未満であるとき」に該当するもので本発明の範囲である。
ステップ140において、熱交換管13a、13b、13cの少なくとも1つにおいて絶対値|ΔT|が所定値T未満(|ΔT|<T)であると判定されたときには、この熱媒管の配された領域の水素吸蔵合金に急激な温度上昇や温度下降がなく、冷却水との間の熱交換は非効率となるので、ステップ160において、|ΔT|<Tである熱交換管の切替バルブの開度が絞られ、流量が絞られる。
このように、水素吸蔵合金に局部的に温度差が生じる場合に、所定値以上の大きな温度変化が認められる領域に対して選択的に熱媒の流量を確保し、冷却が不要な領域の熱媒流量を抑制する制御を行なうことによって、不要な熱媒の流通に伴なうエネルギー損失を防止しつつ、水素の吸蔵・放出を効率よく行ない、ひいては熱量変化が大きいことによる水素吸蔵合金の劣化を回避することができる。
ステップ140において、熱交換管13a、13b、13cのいずれにおいても、絶対値|ΔT|が所定値T以上(|ΔT|≧T)であると判定されたときには、水素吸蔵合金は広範にわたって温度が急激に上昇もしくは下降しており、冷却水を流通することによる熱交換が高効率に行なわれるので、ステップ180において、熱交換管に取り付けられた全ての切替バルブV1〜V3を全開し、各熱交換管に供給される冷却水の流量を最大にする。
ステップ200において、水素の吸蔵(貯蔵)要求または外部に設けられた水素使用装置からの水素排出要求があるか否かが判定される。ステップ200において、水素の貯蔵要求または排出要求があると判定されたときには、水素吸蔵合金の温度が局部的に、あるいは広範にわたって急激に上昇もしくは下降する可能性があるので、再びステップ100に戻って上記と同様に制御がなされる。
ステップ200において、水素の貯蔵要求または排出要求がないと判定されたときには、水素吸蔵合金の温度が急激に変化する可能性は小さいので、そのまま本ルーチンを終了する。
本実施形態では、入口温度センサを1つと出口温度センサを3つ取り付けて温度制御を行なう場合を中心に説明したが、センサ数や取り付け位置については上記の実施形態に限られるものではなく、熱媒管ごとに入口温度センサと出口温度センサとを各々1つずつ取り付けた形態等であってもよく、温度センサは高圧タンク外に存在する配管に取り付けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、熱交換管の冷却水(熱媒体)の入口近傍と出口近傍の双方に温度センサ(入口温度センサおよび出口温度センサ)を設けるようにしたが、冷却水給排口17には入口温度センサS4を設けず、熱交換管13a、13b、13cを流通する冷却水の各温度を検出する出口温度センサのみを設けるようにしてもよい。この場合は、冷却水の温度を所定のタイミングで検出し、前後する複数の検出値から温度変化(|ΔT|)を求め、この|ΔT|に基づいて温度制御するようにすることができる。
(第2実施形態)
本発明の水素貯蔵装置の第2実施形態を図3〜図4を参照して説明する。本実施形態は、熱媒管を内装した耐圧性のタンク4基を配置し、熱交換管のLLC流通方向下流に取り付けられた出口温度センサの温度変化と各タンクの内圧変化とに基づき、熱媒体の流量を絞って水素吸蔵合金の温度を制御するように構成したものである。
なお、水素吸蔵材料および熱媒体は、第1実施形態で使用したTiCrV合金および冷却水並びに第1実施形態に記載した他の水素吸蔵材料および熱媒体を用いることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の水素貯蔵装置は、断面円形の水素の貯蔵および外部供給が可能な4基の水素吸蔵タンク10Aと、水素吸蔵タンク10Aおよび、水素吸蔵タンク10Aに貯蔵された水素が供給されて作動する燃料電池スタック60の制御を担う制御装置50とを備えている。
水素吸蔵タンク10Aは、第1実施形態と同様に、断面円形の耐圧性を有する高圧タンク11と、タンク内部に収容された水素吸蔵合金であるTiCrV合金12と、温度検出手段である温度センサを備え、TiCrV合金中に熱交換が行なえるように埋設された熱媒管である熱交換管13とを設けて構成されている。
なお、各高圧タンク内にはバルブが取り付けられていない熱媒管1本のみを配し、高圧タンク11の他端に形成された熱媒給排口であるLLC給排口17(図1参照の冷却水給排口)には入口温度センサS4を設けず、熱交換管13には高圧タンク11外において出口温度センサを取り付けたこと以外は、具体的な構成については第1実施形態において既述した通りである。
各水素吸蔵タンクを構成する高圧タンク11は、図3に示すように、各タンクの他端に形成されたLLC給排口17を介して、各々の熱交換管13の一端がそれぞれ循環系配管25と接続されて、並列に配列して設けられている。また、熱交換管13の他端は、バルブV13を備えた戻り配管26と接続されており、戻り配管26を流通してきたLLCが、TiCrV合金(水素吸蔵合金)12を冷却するための熱媒として熱交換管13に供給されるようになっている。
高圧タンク11の長手方向の一端に接続された水素給排管16は、水素貯蔵装置外に設置された水素供給装置70と一端で接続されており、他端において4つに分岐された分岐端はそれぞれ水素吸蔵タンク10Aと接続され、水素給排管16を介して水素吸蔵タンク10A内に水素の供給が可能なようになっている。
なお、図示しないが水素給排管16の他端において燃料電池(FC)60への水素供給が可能なように構成されている。
また、4基の水素吸蔵タンク10Aを構成する高圧タンク11の壁面には、それぞれ、タンク内圧を計測するための圧力センサP1,P2、P3、P4が取り付けられており、所定のタイミングで高圧タンク内の圧力を検出することができるようになっている。
循環系配管25の熱交換管13が接続されていない側の一端は、ラジエータを備えた冷却配管27の一端および配管28の一端と接続されており、冷却配管27の他端および配管28の他端は、バルブV11を介して、LLCを送り出すポンプP10を備えた循環系配管29の一端と接続されている。
循環系配管29の他端は、バルブV12を介して、温度センサS15が取り付けられた配管30および戻り配管26の各一端と連通されている。戻り配管26のLLC流通方向におけるバルブV12の下流側には、配管30から燃料電池スタック(FC)60に供給されたLLCを排出するための、温度センサS16を備えた戻り配管31が一端で接続されている。
このように、高圧タンク内に設けられた熱交換管13、熱交換管13の一端と繋がる循環系配管25、冷却配管27、配管28、循環系配管29、および循環系配管29と熱交換管13の他端とを連通する戻り配管26、並びにFCと連通する配管30および戻り配管31によって、LLCが循環する循環系が構築されている。
燃料電池スタック60は、制御装置50と電気的に接続されており、制御装置50からの信号を受けて作動する。この燃料電池スタック60は、複数の単セルを用いたスタック構造を有しており、個々の単セルは、フッ素系イオン交換樹脂膜などの高分子電解質膜がアノード拡散電極とカソード拡散電極との間に狭持されてなる膜電極接合体と、膜電極接合体を更に狭持すると共に、アノード拡散電極との間に水素ガスが流通する、すなわち給排される水素ガス流路と、カソード拡散電極との間に空気(エア)が流通する、すなわち給排されるエア流路とを形成する一対のセパレータとで構成することができる。この燃料電池スタック60は、水素ガス流路に水素密度の高い水素ガスが供給され、エア流路に酸素を含む空気が供給されて、電気化学反応(電池反応)によって外部に電力を供給することができる。
燃料電池スタック(FC)60は、アノード側において、スタックを構成する単セルの各水素ガス流路の供給口と連通するように、不図示の水素供給管の一端が接続されており、この水素供給管によって4基の水素吸蔵タンク10Aと連通されている。燃料電池スタック60からの水素要求があると、制御装置50からの信号を受けて水素吸蔵タンク10Aから放出された水素ガスは、FCに供給される。
水素供給装置70からの水素が水素吸蔵タンク10Aの各々に供給されると、水素吸蔵タンクに収容されているTiCrV合金(水素吸蔵合金)12の吸蔵反応により貯蔵される。このときの反応は、発熱反応であり、TiCrV合金は熱交換管13を介してLLCと熱交換し冷却されるが、水素吸蔵合金の熱量が多い(温度上昇が大きい)ときには、熱交換管13に取り付けられた出口温度センサの温度の経時変化(|ΔT|)も大きくなる。また、水素放出時の吸熱反応の場合も同様であり、水素の放出量が多いときには、温度下降が大きく、|ΔT|も大きくなる。その一方、水素吸蔵合金の温度制御をエネルギー効率よく行なうには、タンク内部の圧力や温度、FC(水素使用装置)からの水素要求量の程度が重要になる。
例えば、水素吸蔵タンク10Aにおいて、(1)タンク内圧Pが閾値(例えば2〜3atm)未満である場合は、水素充填する必要があり、水素の吸蔵反応(発熱反応)による発熱量が大きいため、(2)タンク内温度Tが閾値(例えば−20℃)未満である場合、FCへの水素供給のための水素の放出反応(吸熱反応)が進行しにくいため、また、(3)FCからの水素要求量Qが閾値(例えば500NL/min)を超える高負荷状態にある場合、多量の水素を放出する必要があり、水素の放出反応による吸熱量が大きいため、これらの場合に選択的に、熱交換管に取り付けられた出口温度センサの値に基づき、熱交換管を流通するLLCの流量を増大することにより、エネルギ効率を良好に保ちながら、水素の吸蔵、放出を良好に行なうことができる。
上記の温度センサS11〜S16、圧力センサP1〜P4、切替バルブV11〜V13、ポンプP10、ラジエータ、および燃料電池スタック(FC)60等は、制御装置50と電気的に接続されており、制御装置50によって動作タイミングが制御されるようになっている。この制御装置50は、FCの運転制御とそれに伴なうFCへの水素供給制御等を行なうと共に、熱交換管を流れるLLCの温度変化に基づいてLLCの流量をコントロールし、水素吸蔵合金の温度制御をも担うものである。
以下、制御装置50による制御ルーチンについて、本実施形態における水素吸蔵合金を温度制御する際に、熱交換管内を流通するLLCの流量の増減により水素吸蔵合金を温度制御する熱交換制御ルーチンを中心に図4を参照して説明する。
図4は、高圧タンクの内圧と各熱交換管13に取り付けられた出口温度センサ(S11〜S14)により検出された温度の変化(|ΔT|)に基づいて、熱媒体であるLLCの流量コントロールを行なって水素吸蔵合金を温度制御する熱交換制御ルーチンを示すものである。
本実施形態では、出口温度センサ(S11〜S14)の温度を所定間隔(例えば1秒間)で検出し、検出された前後の温度から求められる変化幅(|ΔT|)が所定値T未満であれば、ポンプP10の駆動が抑えられ、LLCの流量を絞った温度制御が行なわれるようになっている。
そして、本ルーチンが実行されると、ステップ300において、4基の水素吸蔵タンク10Aの各々に取り付けられた圧力センサP1〜P4で計測されたタンク内圧(p、p、p、p)が取り込まれる。
ステップ320において、取り込まれたタンク内圧(p、p、p、p)がそれぞれ所定値P未満であるか否かが判定される。ステップ320において、タンク内圧p、p、pおよびpのいずれかが所定値P未満であると判定されたときには、所定値Pに満たないタンク内の水素貯蔵量は少なく、大きく温度低下している可能性が高く、また、水素供給装置70から水素給排管16を流通して水素を供給、吸蔵して貯蔵量を高める必要がある。そのため、まずステップ340において、所定値Pに満たない水素吸蔵タンクの熱交換管13に設けた出口温度センサ(S11、S12、S13またはS14)の温度(t)が取り込まれる。
なお、ステップ320において、タンク内圧p、p、pおよびpのいずれもが所定値P以上であると判定されたときには、LLCの流量を変える必要がないため、そのまま本ルーチンを終了する。
次に、ステップ360において、タンク内圧が所定値Pに満たない水素吸蔵タンクに水素供給装置70から水素の供給が開始される。供給開始後、供給された水素は、タンク内に収容されているTiCrV合金(水素吸蔵合金)12に吸蔵される。水素の吸蔵反応は発熱反応であり、水素吸蔵合金の温度が大幅に上昇するおそれがあるため、ステップ380において、さらに出口温度センサ(S11、S12、S13またはS14)の温度(t)が取り込まれる。
ステップ400において、取り込まれた温度tとtとから温度の変化量の絶対値|t−t|(=|ΔT|)が所定値Tを超えているか否かが判定される。ステップ400において、|t−t|が所定値Tを超えていると判定されたときには、水素吸蔵タンク内を流通するLLCの流量を通常の流量以上に多くする必要があるので、ステップ420において、ポンプP10を駆動して、LLCの流量を増加させる。
ステップ440において、水素の吸蔵(貯蔵)を行なっている水素吸蔵タンクでの水素の貯蔵が完了したか否かが判定され、水素の貯蔵が完了したと判定されたときには、水素吸蔵合金の温度が急激に高くなるおそれがないので、ステップ460において、ポンプP10の駆動を抑えて、LLCの流量がもとの流量に戻される。
なお、ステップ440において、水素の貯蔵が未だ完了していないと判定されたときには、水素の吸蔵反応により更に温度が上昇するおそれが高いので、LLCの流量を増加させたままLLCの循環を継続する。
ステップ400において、絶対値|t−t|が所定値T以下であると判定されたときには、水素吸蔵合金の温度上昇が未だ小さく、冷却能力を向上させるためにLLCの流量を増加させる必要がないので、ステップ340に戻って上記同様にステップ340〜ステップ380の制御を繰り返す。
本実施形態では、LLCを常に高速で流通せず、上記のように水素吸蔵タンク内の温度が大きく変動する要因が生じた場合に選択的に、熱交換管のタンク出口側に取り付けられた出口温度センサにより検出された温度の変化に基づき、必要に応じてLLCの流量を増大する制御を行なうので、エネルギー効率を良好に保ちつつ、水素の吸蔵・放出を良好に行なうことができる。
本実施形態では、4基の水素吸蔵タンクのタンク内圧、すなわち水素量の低下および水素吸蔵を行なうか否か(ステップ320)に基づいてLLCの流量制御、つまり水素吸蔵合金の温度制御を行なうようにしたが、これに限られず、例えば、4基の水素吸蔵タンクのタンク内温度Tが閾値となる所定値Tを下回っているか(水素放出が可能か)否か(ステップ320においてタンク内温度T<所定値Tを満たすか否か)に基づいて、あるいはFCによる制御装置からの水素要求量qが閾値となる所定値Qを上回っているか(水素放出が多量であるか)否か(ステップ320において水素要求量q>所定値Qを満たすか否か)に基づいて、LLCの流量制御、つまり水素吸蔵合金の温度制御を行なうようにしてもよい。
(第3実施形態)
本発明の水素貯蔵装置の第3実施形態を図5を参照して説明する。本実施形態は、第2実施形態において、熱交換管のLLC流通方向下流に取り付けられた出口温度センサの温度変化と各タンクの内圧変化とに基づいて熱媒体の流量を絞る別の制御形態に構成したものである。
なお、水素吸蔵材料および熱媒体は、第1実施形態で使用したTiCrV合金および冷却水並びに第1実施形態に記載した他の水素吸蔵材料および熱媒体を用いることができ、また、第1および第2実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態における制御装置50による制御ルーチンについて、各熱交換管13に取り付けられた出口温度センサ(S11〜S14)により検出された温度の変化(|ΔT|)と圧力センサP1〜P4により検出された圧力(高圧タンクの内圧)とに基づいて、熱媒体であるLLCの流量コントロールを行なって水素吸蔵合金を温度制御する熱交換制御ルーチンを、図5を参照して説明する。
本ルーチンが実行されると、ステップ500において、4基の水素吸蔵タンク10Aの各々の熱交換管13に設けた出口温度センサ(S11、S12、S13またはS14)の温度(t)が取り込まれる。
ステップ520では、各水素吸蔵タンクからFC60に水素の放出が開始される。水素は、TiCrV合金(水素吸蔵合金;MH)12から解離してタンク外に放出される。このとき、熱交換管13には、MHを加熱させるためのLLCが流通している。水素の放出反応は吸熱反応であり、MH温度は急激に降下したりあるいは高圧タンク内が冷えすぎている可能性があるため、ステップ540において、さらに出口温度センサ(S11、S12、S13またはS14)の温度(t)が取り込まれる。
ステップ560において、取り込まれた温度tとtとから温度の変化量の絶対値|ΔT|(=|t−t|)が所定値T未満であるか否かが判定される。ステップ560において、|ΔT|が所定値T未満であると判定されたときには、温度の低下幅が小さく、LLCの流量を絞り込むことに支障はないため、ステップ580に移行する。
逆に、ステップ560において、|ΔT|が所定値T以上であると判定されたときには、低下幅が大きすぎ、水素吸蔵タンク内を流通するLLCの流量を維持する必要があるので、流量を絞らずにステップ640に移行する。
ステップ580では、4基の水素吸蔵タンク10Aの各々に取り付けられた圧力センサP1〜P4で計測されたタンク内圧(p、p、p、p)が取り込まれる。
そして、ステップ600において、取り込まれたタンク内圧(p、p、p、p)が、それぞれ所定のシステム起動圧力P未満であるか否かが判定される。ステップ600において、タンク内圧p、p、pおよびpのいずれかがシステム起動圧力P以上であると判定されたときには、さらにMHを加熱する必要性が乏しいので、ステップ620において、ポンプP10の駆動を抑えてLLCの流量を絞る。
尚、システム起動圧力は、システムの作動に必要な高圧タンクの内圧である。
ステップ600において、タンク内圧p、p、pおよびpのいずれかがシステム起動圧力P未満であると判定されたときには、水素放出量が必ずしも充分でなく、さらに暖める必要があるため、ポンプP10の駆動を維持して流量を絞らず、次のステップ640に移行する。
ステップ640において、外部からの水素の排出要求が未だあるか否かが判定され、水素の排出要求があると判定されたときには、再びステップ500に戻って同様の制御を行なう。逆に、ステップ640において、水素の排出要求が終了したと判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了する。
本実施形態では、循環系配管に設けられた1つのポンプ(ポンプP10)を制御してLLCの流量制御を行なう場合を説明したが、各高圧タンクの熱媒管の各々にバルブを取り付けてタンク毎に流量制御を行なうようにすることもできる。
上記の第2および第3実施形態では、4基の水素吸蔵タンクを並列に配置して構成したが、4基以外に1基または4基以外の複数の基数を所望により選択して構成することができる。
また、第2および第3実施形態では、4基の水素吸蔵タンクを設け、各水素吸蔵タンクごとに1つの出口温度センサのみを設けた構成としたが、センサ数および配置位置については特に制限はなく、例えば、各水素吸蔵タンクごとに入口温度センサおよび出口温度センサをそれぞれ1つ設けて構成したり、あるいは各水素吸蔵タンクに1〜3本の熱交換管を配し、1つの入口温度センサと1〜12個の範囲で選択される数の出口温度センサとを設けて構成されていてもよい。
さらに、第2および第3実施形態では、4基の水素吸蔵タンクについて単一の制御を行なって温度制御を同時に行なうようにしたが、第1実施形態のように、熱交換管の各々に切替バルブを設けて水素吸蔵タンクごとに流量制御、すなわち水素吸蔵合金の温度制御を行なうようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る水素吸蔵装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る水素吸蔵装置の冷却水の流量制御を行なう熱交換制御ルーチンを示す流れ図である。 本発明の第2実施形態に係る水素吸蔵装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る水素吸蔵装置のLLCの流量制御を行なう熱交換制御ルーチンを示す流れ図である。 本発明の第3実施形態に係る水素吸蔵装置のLLCの流量制御を行なう熱交換制御ルーチンを示す流れ図である。
符号の説明
10,10A…水素吸蔵タンク
11…高圧タンク
12…TiCrV合金(水素吸蔵合金)
13a、13b、13c、13…熱交換管
15…水素給排口
17…熱媒給排口
S1,S2,S3,S4,S11,S12,S13,S14…温度センサ
P1,P2,P3,P4…圧力センサ

Claims (7)

  1. 水素ガスを給排する水素給排口および熱媒体を給排する熱媒給排口を有し、水素吸蔵合金が収容された耐圧タンクと、
    前記耐圧タンクの内部に配され、熱媒体が流通して少なくとも前記水素吸蔵合金を加熱または冷却する熱媒管と、
    前記熱媒管を流通する熱媒体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された前記熱媒体の温度の変化ΔTの絶対値が所定値未満であるときに、前記水素吸蔵合金の加熱または冷却を前記熱媒体の流量を絞って行なう熱媒制御手段と、
    を備えた水素貯蔵装置。
  2. 前記熱媒管が切替バルブまたはポンプを備え、前記熱媒制御手段は、前記切替バルブの開度を切り替え、または前記ポンプの回転数を切り替えることにより、前記熱媒体の流量を絞ることを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵装置。
  3. 前記熱媒管の少なくとも一部が複数の前記温度検出手段を備え、
    前記熱媒制御手段は、前記熱媒管における前記熱媒体の流通方向上流側の温度Tと流通方向下流側の温度Tとの温度差の絶対値が所定値未満であるときに、前記熱媒体の流量を絞って加熱または冷却を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素貯蔵装置。
  4. 前記温度Tは、前記熱媒管の熱媒体が供給される供給端における温度であり、前記温度Tは、前記熱媒管の熱媒体が排出される排出端における温度であることを特徴とする請求項3に記載の水素貯蔵装置。
  5. 前記変化ΔTは、前記熱媒管の熱媒体が排出される排出端における温度変化であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素貯蔵装置。
  6. 前記耐圧タンク内の圧力を検出する圧力検出手段を更に備え、
    前記熱媒制御手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が所定値未満であるときに、前記水素吸蔵合金の加熱を前記熱媒体の流量を絞らずに行なうことを特徴とする請求項5に記載の水素貯蔵装置。
  7. 外部からの水素要求量が所定値以上であるか否かを判定する判定手段を更に備え、
    前記熱媒制御手段は、前記判定手段によって水素要求量が所定値以上であると判定されたときに、少なくとも水素吸蔵合金の加熱を前記熱媒体の流量を増加して行なうことを特徴とする請求項5に記載の水素貯蔵装置。
JP2006215884A 2006-08-08 2006-08-08 水素貯蔵装置 Pending JP2008039108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006215884A JP2008039108A (ja) 2006-08-08 2006-08-08 水素貯蔵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006215884A JP2008039108A (ja) 2006-08-08 2006-08-08 水素貯蔵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008039108A true JP2008039108A (ja) 2008-02-21

Family

ID=39174354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006215884A Pending JP2008039108A (ja) 2006-08-08 2006-08-08 水素貯蔵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008039108A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266206A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Toyota Motor Corp 温度検出器および温度検出器を備えた水素充填システム
CN102401233A (zh) * 2011-10-20 2012-04-04 林德工程(杭州)有限公司 基于金属储氢原理的储氢罐
JP2019035479A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 株式会社日本製鋼所 水素貯蔵システム、制御プログラムおよびエネルギー供給システム
CN114838289A (zh) * 2022-03-04 2022-08-02 海南天宇科技集团有限公司 一种储氢瓶加氢系统及方法
CN115050994A (zh) * 2022-06-27 2022-09-13 海南天宇科技集团有限公司 一种兆瓦时级的固态储氢器系统
WO2023190996A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 清水建設株式会社 水素貯蔵システム、制御装置、および制御方法
CN117613297A (zh) * 2023-11-29 2024-02-27 江苏兴邦能源科技有限公司 一种氢能两轮车用储氢罐热管理系统

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02140618A (ja) * 1988-11-21 1990-05-30 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素供給機構における水素流量測定装置
JPH02198346A (ja) * 1989-01-27 1990-08-06 Suzuki Motor Co Ltd 水素吸蔵タンク内の吸蔵水素量を測定する方法
JPH0518259A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金容器における水素放出制御方法
JPH0518261A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金収容容器内の水素吸蔵合金の温度制御方法
JPH11185792A (ja) * 1997-12-25 1999-07-09 Toyota Autom Loom Works Ltd 燃料電池装置
JP2002061984A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 Japan Steel Works Ltd:The ガス吸放出物質を用いたガス吸放出装置およびその運転方法
JP2002333100A (ja) * 2001-05-09 2002-11-22 Honda Motor Co Ltd 水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供給方法
JP2004281243A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび水素貯蔵方法
JP2006177535A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Toyota Industries Corp 水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知装置及び水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知方法並びに水素貯蔵供給システム

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02140618A (ja) * 1988-11-21 1990-05-30 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素供給機構における水素流量測定装置
JPH02198346A (ja) * 1989-01-27 1990-08-06 Suzuki Motor Co Ltd 水素吸蔵タンク内の吸蔵水素量を測定する方法
JPH0518259A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金容器における水素放出制御方法
JPH0518261A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金収容容器内の水素吸蔵合金の温度制御方法
JPH11185792A (ja) * 1997-12-25 1999-07-09 Toyota Autom Loom Works Ltd 燃料電池装置
JP2002061984A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 Japan Steel Works Ltd:The ガス吸放出物質を用いたガス吸放出装置およびその運転方法
JP2002333100A (ja) * 2001-05-09 2002-11-22 Honda Motor Co Ltd 水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供給方法
JP2004281243A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび水素貯蔵方法
JP2006177535A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Toyota Industries Corp 水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知装置及び水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知方法並びに水素貯蔵供給システム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266206A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Toyota Motor Corp 温度検出器および温度検出器を備えた水素充填システム
CN102401233A (zh) * 2011-10-20 2012-04-04 林德工程(杭州)有限公司 基于金属储氢原理的储氢罐
JP2019035479A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 株式会社日本製鋼所 水素貯蔵システム、制御プログラムおよびエネルギー供給システム
CN114838289A (zh) * 2022-03-04 2022-08-02 海南天宇科技集团有限公司 一种储氢瓶加氢系统及方法
WO2023190996A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 清水建設株式会社 水素貯蔵システム、制御装置、および制御方法
CN115050994A (zh) * 2022-06-27 2022-09-13 海南天宇科技集团有限公司 一种兆瓦时级的固态储氢器系统
CN115050994B (zh) * 2022-06-27 2024-05-28 海南天宇科技集团有限公司 一种兆瓦时级的固态储氢器系统
CN117613297A (zh) * 2023-11-29 2024-02-27 江苏兴邦能源科技有限公司 一种氢能两轮车用储氢罐热管理系统
CN117613297B (zh) * 2023-11-29 2024-05-31 江苏兴邦能源科技有限公司 一种氢能两轮车用储氢罐热管理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080044704A1 (en) Fuel Cell System
US20090297896A1 (en) Method of using hydrogen storage tank and hydrogen storage tank
CN106941183B (zh) 燃料电池系统和燃料电池车辆
JP2008039108A (ja) 水素貯蔵装置
JP4944300B2 (ja) 燃料電池システム
CN109888332B (zh) 一种燃料电池热管理系统及热管理方法
US20040247959A1 (en) Fuel cell system and method of storing hydrogen
JP5195867B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP4575140B2 (ja) 水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知装置及び水素貯蔵タンクの水素吸蔵材劣化検知方法並びに水素貯蔵供給システム
JP3918639B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008045650A (ja) 水素貯蔵装置
US20150372326A1 (en) Fuel Cell System
KR101910126B1 (ko) 연료전지 시스템
KR101233875B1 (ko) 연료 전지 장치의 국부적 과열 방지 방법 및 이러한 연료 전지 장치를 구비한 연료 전지 시스템
KR101396882B1 (ko) 연료전지 시스템, 그 냉각 방법 및 연료전지 시스템을 구비한 운동체
JP2004253258A (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP2008210646A (ja) 燃料電池システム
JP5765518B2 (ja) 燃料電池システム
JP5287368B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008147121A (ja) 燃料電池評価装置
JP4953194B2 (ja) 水素貯蔵タンク
JP2010153067A (ja) 燃料電池システム
JP2004349248A (ja) 燃料電池の冷却装置
JP4716305B2 (ja) 水素吸蔵合金の水素吸放出方法および該方法を用いた燃料電池
KR101200689B1 (ko) 연료 전지의 열 회수 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508