JP2002333100A - 水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供給方法 - Google Patents

水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供給方法

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JP2002333100A
JP2002333100A JP2001139174A JP2001139174A JP2002333100A JP 2002333100 A JP2002333100 A JP 2002333100A JP 2001139174 A JP2001139174 A JP 2001139174A JP 2001139174 A JP2001139174 A JP 2001139174A JP 2002333100 A JP2002333100 A JP 2002333100A
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hydrogen
hydrogen storage
storage alloy
storage tank
temperature
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Takahiro Kuriiwa
貴寛 栗岩
Yoshio Nuitani
芳雄 縫谷
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵タンク内の
水素残量を簡便に、かつ、容易に検知することができる
水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供給方法を
提供すること。 【解決手段】 金属水素化物生成エネルギーが異なる第
1の水素吸蔵合金(No.1MH)と第2の水素吸蔵合
金(No.2MH)とを収容した水素吸蔵タンク1a
と、前記水素吸蔵タンク1aを加熱することで前記水素
吸蔵合金から水素を放出させる伝熱媒体とを備え、前記
水素吸蔵タンク1aから水素を放出中の前記水素吸蔵タ
ンク1a内の温度変化を検知し、前記温度変化に基づい
て、前記第1の水素吸蔵合金(No.1MH)内の水素
をほぼ放出し終えたことを検知する水素残量検知手段と
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を収
容した水素吸蔵タンク内の水素残量を検知するための水
素残量検知装置及び水素供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型の燃料電池(PEFC)
は、アノード側電極とカソード側電極間に固体高分子電
解質膜を挟持したもので、常温でも発電することが可能
であり、電気自動車用の電源を始めとして様々な用途に
実用化されつつある。
【0003】PEFCを初めとした水素利用装置への水
素供給手段として水素吸蔵合金がある。水素吸蔵合金は
多量の水素を高密度に貯蔵することが可能な材料であ
り、水素吸蔵タンク用を初めとしてこれ以外の分野にお
いても利用されている。
【0004】この水素吸蔵タンクの水素残量検知装置と
しては、例えば特開平7−197858号公報に示され
るように、水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵タンクの燃
料供給通路に気体流量検出用のタービン式の流量センサ
を設け、該流量センサにより放出時・充填時の各々につ
いての流量を積算することにより、水素残量を算出する
ようにしたものが提案されている。
【0005】また、水素吸蔵合金は水素を吸蔵すると体
積が膨張し、水素を放出すると体積が収縮することか
ら、この体積変化を利用して水素吸蔵タンク内の水素残
量を検知する装置も検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、流量セ
ンサにより放出時、充填時の各々についての流量を積算
して水素残量を検出する水素吸蔵タンクの水素残量検知
装置は、貯蔵量の計測誤差あるいは計測誤差の累積があ
るため、正確な水素吸蔵タンク内の水素残量を算出する
ことができないという問題があった。一方、水素吸蔵合
金の水素吸蔵に伴う体積膨張を測定する水素吸蔵タンク
の水素残量検知装置は、水素吸蔵・水素放出を繰り返す
ことによる水素吸蔵合金の微粉化という問題があり、特
に車載用水素吸蔵タンクでは振動による水素吸蔵合金の
偏移などが発生するため正確な体積膨張の測定を行うに
は困難を伴うという問題があった。
【0007】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵タ
ンク内の水素残量を簡便に、かつ、容易に検知すること
ができる水素吸蔵タンクの水素残量検知装置及び水素供
給方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた請求項1に係る水素吸蔵タンクの水素残量検
知装置の発明は、金属水素化物生成エネルギーが異なる
第1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金とを収容した
水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクを加熱すること
で前記水素吸蔵合金から水素を放出させる伝熱媒体とを
備え、前記水素吸蔵タンクから水素を放出中の前記水素
吸蔵タンク内の温度変化を検知し、前記温度変化に基づ
いて、前記第1の水素吸蔵合金内の水素をほぼ放出し終
えたことを検知する水素残量検知手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0009】請求項1の発明によると、金属水素化物生
成エネルギーが異なる第1の水素吸蔵合金と第2の水素
吸蔵合金とを収容した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵
タンクを加熱することで前記水素吸蔵合金から水素を放
出させる伝熱媒体とを備え、前記水素吸蔵タンクから水
素を放出中の前記水素吸蔵タンク内の温度変化を検知
し、前記温度変化に基づいて、前記第1の水素吸蔵合金
内の水素をほぼ放出し終えたことを検知する水素残量検
知手段とを備えたことにより、水素吸蔵タンク内の水素
残量を簡便に、かつ容易に検知することが可能となり、
しかも正確に検知することができる。
【0010】請求項2に係る水素吸蔵タンクの水素残量
検知装置の発明は、同一温度において、前記第1の水素
吸蔵合金の水素放出圧力は、前記第2の水素吸蔵合金の
水素放出圧力よりも高いことを特徴とする請求項1に記
載の水素吸蔵タンクの水素残量検知装置である。
【0011】請求項2の発明によると、同一温度におい
て、前記第1の水素吸蔵合金の水素放出圧力を前記第2
の水素吸蔵合金の水素放出圧力よりも高くしたことによ
り、確実に第1の水素吸蔵合金が第2の水素吸蔵合金よ
りも先に水素を放出し終えるようにすることができ、第
2の水素吸蔵合金の残量を予め知っておくことで水素吸
蔵タンク内の水素残量を正確に検知することができる。
【0012】請求項3に係る水素吸蔵タンクの水素残量
検知装置の発明は、前記水素残量検知手段は基準となる
所定の温度と、前記水素吸蔵タンク内の温度との温度差
に基づいて前記水素吸蔵タンク内の水素残量を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵タンクの水
素残量検知装置である。
【0013】請求項3の発明によると、第1の水素吸蔵
合金と第2の水素吸蔵合金との金属水素化物生成エネル
ギーが異なるので、第1の水素吸蔵合金の温度と基準と
なる所定の温度との温度差と、同一の水素放出条件にお
ける水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金の温度と基準
となる所定の温度との温度差とが異なる。すなわち、金
属水素化物生成エネルギーが第1の水素吸蔵合金<第2
の水素吸蔵合金の関係にあり、水素残量検知用の第2の
水素吸蔵合金が水素を放出しているときは第1の水素吸
蔵合金が水素を放出しているときと比べ前記温度差が大
きくなる。反対に金属水素化物生成エネルギーが、第1
の水素吸蔵合金>第2の水素吸蔵合金の関係にあるとき
は前記温度差は第2の水素吸蔵合金が水素を放出してい
るときの方が小さくなる。これらの理由から、温度差が
大きく切り替わったときに第1の水素吸蔵合金からの水
素放出が終了したことを検知することが可能となる。従
って、第2の水素吸蔵合金から水素を放出していること
を検知できるので水素吸蔵タンク内の水素残量を簡便
に、かつ、容易に検知することができる。
【0014】請求項4に係る水素吸蔵タンクの水素残量
検知装置の発明は、前記所定の温度は前記伝熱媒体の温
度であることを特徴とする請求項3に記載の水素吸蔵タ
ンクの水素残量検知装置である。
【0015】請求項4の発明によると、基準となる所定
の温度を伝熱媒体の温度としたことにより、温度差が大
きく切り替わったときに第1の水素吸蔵合金からの水素
放出が終了したことを検知するのが可能となる。また、
伝熱媒体の温度が外部の影響(例えば燃料電池の出力変
化)等によって変化したときでもそれに追従して正確に
水素吸蔵タンク内の水素残量を検知することができる。
【0016】請求項5に係る水素吸蔵タンクの水素供給
方法の発明は、第1の水素吸蔵合金の水素放出圧力を、
同一温度における第2の水素吸蔵合金の水素放出圧力よ
りも高く設定し、前記第1の水素吸蔵合金と前記第2の
水素吸蔵合金とを水素吸蔵タンクに収容して、前記水素
吸蔵タンクを加熱することで前記水素吸蔵合金から水素
を放出させて前記水素吸蔵タンクから外部に水素を供給
するときに、前記第1の水素吸蔵合金の水素をほぼ放出
し終えたことを検知し、前記第1の水素吸蔵合金からの
水素の放出が終了したことを報知し、前記第2の水素吸
蔵合金から水素の放出を開始するようにしたことを特徴
とする方法である。
【0017】請求項5の発明によると、第1の水素吸蔵
合金の水素放出圧力を、同一温度における第2の水素吸
蔵合金の水素放出圧力よりも高く設定し、前記第1の水
素吸蔵合金と前記第2の水素吸蔵合金とを水素吸蔵タン
クに収容して、前記水素吸蔵タンクを加熱することで前
記水素吸蔵合金から水素を放出させて前記水素吸蔵タン
クから外部に水素を供給するときに、前記第1の水素吸
蔵合金の水素をほぼ放出し終えたことを検知し、前記第
1の水素吸蔵合金からの水素の放出が終了したことを報
知し、前記第2の水素吸蔵合金から水素の放出を開始す
るようにしたことにより、 (1)水素吸蔵タンク内の第1の水素吸蔵合金の水素が
ないことを検知し、その検知内容を報知するので、利用
者(運転者)に知らせることができる。 (2)第1の水素吸蔵合金の水素を放出し終えた後でも
第2の水素吸蔵合金からの水素を供給し続けることがで
きるので、(水素吸蔵タンク内の水素が0になった訳で
はないので)安定した水素供給ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】水素吸蔵合金は、水素を吸蔵、放
出するときにそれぞれ発熱、吸熱があり、水素吸蔵時
(補給時)には金属水素化物生成に伴い12〜20kJ
/g−H2程度の熱を発生する。一方、水素放出時には
同様に12〜20kJ/g−H2程度の熱を吸熱し、水
素吸蔵合金から水素放出を行う。このため水素吸蔵時に
は水素吸蔵合金は高温になり、水素放出時には低温とな
ることから、外部より冷却、加熱する必要がある。
【0019】水素の吸蔵・放出に伴う熱量は、熱伝達係
数(境膜伝熱係数)×伝熱面積×温度差(通常は水素吸
蔵合金の温度と伝熱媒体の入口温度、水素吸蔵合金の温
度と伝熱媒体の出口温度とのそれぞれの温度差から求め
られる対数平均温度差)の式から求めることができる。
尚、水素吸蔵合金から水素を放出させる水素放出時にお
いて、水素放出に必要な熱量(加熱熱量)は、水素吸蔵
時の熱量(冷却熱量)とほぼ等しい。
【0020】ここで水素吸蔵タンクの入熱量(又は出熱
量)と水素の放出量(又は水素の吸蔵量)との関係を説
明する。水素吸蔵タンクから水素を放出させるときに必
要な熱量(加熱熱量)≒水素吸蔵タンクへ水素を吸蔵さ
せるときに必要な熱量(冷却熱量)=Qとすれば、 Q=α×S×ΔTlm------------------------------(1) ここで、α:熱伝達係数、S:伝熱面積、ΔTlm:温度
差(対数平均温度差)である。今、水素吸蔵合金の金属
水素化物生成エネルギーをRとすると(1)式から水素
放出量≒水素吸蔵量≒M≒Q/Rとなる。よって水素放
出量≒水素吸蔵量≒M≒Q/R=(α×S×ΔTlm)/
Rとなる。そこで同じ水素吸蔵タンク(伝熱面積一
定)、同じ加熱条件(熱伝達係数一定)の下で例えば水
素放出を行った場合、金属水素化物生成エネルギーRが
2倍となるような材料を選択した場合は温度差ΔTlm
約2倍となる。
【0021】一方、金属水素化物生成エネルギーが大き
い水素吸蔵合金では前記した水素吸蔵タンクと同様の水
素放出条件では、伝熱媒体である熱媒と水素吸蔵合金と
の温度差が大きくなる。この特性を生かすことにより簡
便に、かつ、容易に水素残量を検知することが可能とな
る。
【0022】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検
知装置は、このような知見から主たる水素吸蔵・放出用
の第1の水素吸蔵合金のほかに、水素残量検知用に第1
の水素吸蔵合金よりも金属水素化物生成エネルギーが大
きな水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金を混ぜて水素
吸蔵タンクを形成し、第2の水素吸蔵合金の平衡水素圧
を第1の水素吸蔵合金よりも低く設定したものである。
このように構成することにより、水素放出時の初期〜中
盤は、第1の水素吸蔵合金からの水素放出が行われ、水
素吸蔵合金の温度(タンク内温度)と伝熱媒体である熱
媒の温度との温度差が金属水素化物生成エネルギーの大
小に依存することを利用して水素放出時に水素吸蔵合金
の温度と熱媒の温度の検出を行い、温度差の大小から水
素吸蔵タンク内の水素残量の検出を行うことができるよ
うにしたものである。
【0023】以下、本発明に係る水素吸蔵タンクの水素
残量検知装置の実施形態について図面を参照して説明す
る。図1に、金属水素化物生成エネルギーが異なる2つ
の水素吸蔵合金のそれぞれを同一条件下(水素吸蔵タン
クの形状、水素放出速度等を同じにした)において熱媒
により加熱し、予め水素を吸蔵させたこれらの水素吸蔵
合金から水素を放出させた場合のそれぞれの水素吸蔵合
金の放出時間と水素吸蔵合金の温度との関係を示す。
尚、図1の横軸は水素放出時間(分)、縦軸は水素吸蔵
合金の温度(℃)又は熱媒の温度(℃)を示したもので
ある。水素吸蔵合金は、図1からも判るように、水素の
放出を開始した後、直ちに温度が下がり、温度差がある
レベルになるとほぼ温度一定のまま水素放出を行う。こ
のとき、水素吸蔵タンク内に収容した水素吸蔵合金を加
熱するための熱媒からの入熱量QはQ=α×S×ΔTlm
から計算できる。ここで、α:熱伝達係数、S:伝熱面
積、ΔTlm:温度差(対数平均温度差)である。一方、
水素吸蔵合金の金属水素化物生成エネルギーをRとすれ
ば、水素放出量Mは、以下の式から求めることができ
る。 水素放出量M≒Q/R=(α×S×ΔTlm)/R 今回、図1に示すように、水素放出量Mを一定とした場
合、金属水素化物生成エネルギーRの大きな水素吸蔵合
金を使うと、金属水素化物生成エネルギーRの小さな水
素吸蔵合金と比較して、伝熱媒体である熱媒の温度と水
素吸蔵合金の温度との温度差ΔTが大きくなるというこ
とが確認され、水素吸蔵タンクの水素残量の検知に温度
差ΔTを利用すれば水素吸蔵合金の水素残量を検知する
ことが可能であることが確認された。この温度差ΔT
は、水素放出量Mを半分とすればΔTの値も凡そ半分に
なる。従って、水素放出量(水素流量)Mを流量検出手
段でモニターすることによりさらに水素残量の検知精度
を上げるには、図2に示すような補正マップを使用して
温度差ΔTを補正する。尚、図2の横軸は水素放出量、
縦軸は伝熱媒体である熱媒の温度と水素吸蔵合金の温度
との温度差ΔTである。
【0024】ここで金属水素化物生成エネルギーの異な
る水素吸蔵合金を組み合わせた例を次に説明する。金属
水素化物生成エネルギーの小さい水素吸蔵合金を主たる
水素吸蔵・放出用の第1の水素吸蔵合金、金属水素化物
生成エネルギーの大きな水素吸蔵合金を水素残量検知用
の第2の水素吸蔵合金としたときの独立した個々の水素
吸蔵合金のPCT(圧力−組成−温度)曲線の例を図3
に示す。水素放出時は、平衡水素圧の高い第1の水素吸
蔵合金から水素が優先的に放出され、水素残量検知用の
水素吸蔵合金である第2の水素吸蔵合金から末期に水素
が放出されることから、金属水素化物生成エネルギーの
異なる水素吸蔵合金を組み合わせた本発明の水素吸蔵合
金は、擬似的に図4に示すような水素放出特性を有する
合金と考えられる。
【0025】次に、金属水素化物生成エネルギーの異な
る水素吸蔵合金を組み合わせて水素吸蔵タンク内の水素
残量を検知した場合の実施例について図5を参照して説
明する。図5の縦軸は、水素吸蔵合金の温度又は熱媒の
温度(℃)を示し、横軸は、水素の放出時間(分)を示
す。但し水素の放出量は一定である。 (1)予め水素を吸蔵した水素吸蔵タンク内の水素吸蔵
合金が、水素吸蔵タンクの外部又は内部の何れか一方に
設けられた伝熱媒体の流路を流れる熱媒により加熱され
る。金属水素化物生成エネルギーの小さい(及び平衡水
素圧の高い)第1の水素吸蔵合金から最初に水素が放出
される。 (2)第1の水素吸蔵合金から放出される水素放出量が
少なくなると金属水素化物生成エネルギーの大きい(及
び平衡水素圧の低い)第2の水素吸蔵合金から水素が放
出される。 (3)このとき第2の水素吸蔵合金は、金属水素化物生
成エネルギーが大きい(及び平衡水素圧が低い)ため、
一定の水素放出量を維持するためにはさらに加熱熱量が
必要になる。従って、熱媒の温度と各水素吸蔵合金の温
度とを温度検出手段により検出し、熱媒の温度と水素吸
蔵合金の温度との温度差ΔTを算出し、この温度差ΔT
の値が、図5に示すように、小→大に変化したところで
第1水素吸蔵合金から第2水素吸蔵合金に移行したこと
を検知することができる。このように、主たる水素吸蔵
・放出用の第1の水素吸蔵合金と水素残量検知用の第2
の水素吸蔵合金とを用い、一定量の水素放出時に、伝熱
媒体である熱媒の温度と各水素吸蔵合金とのそれぞれの
温度を各温度検出手段より検出し、検出した温度から算
出した熱媒と各水素吸蔵合金とのそれぞれの温度差ΔT
の値の大小に基づいて、第1の水素吸蔵合金から残量検
知用の第2の水素吸蔵合金への水素放出状態の切り替わ
りが正確に検知できる(図5参照)。また、第1の水素
吸蔵合金を複数の金属水素化物生成エネルギーが異なる
任意の水素吸蔵合金を組み合わせて使用すれば、さらに
水素残量の検知精度をあげることが可能となり、また、
水素残量の変化を段階的に知ることができる。
【0026】上記のような金属水素化物生成エネルギー
が異なる水素吸蔵合金を組み合わせる方法としては、例
えばLaves相合金とBCC(体心立方構造)系合金を
組み合わせる方法、結晶構造の異なる水素吸蔵合金を組
み合わせる方法、Ti−Fe系合金とTi−Cr−V系
合金とを組み合わせた場合のように同一結晶構造である
ものの合金成分が異なるものを組み合わせる方法等があ
る。つまり金属水素化物の生成エネルギーが異なる任意
の水素吸蔵合金を組み合わせるようにすればよい。
【0027】次に、同一温度における水素放出圧力の異
なる水素吸蔵合金を組み合わせて、水素吸蔵タンク内の
水素残量を、基準となる所定の圧力と平衡水素圧との圧
力差を利用して検知した場合の実施例について図6を参
照して簡単に説明する。図6の縦軸は、水素吸蔵合金の
平衡水素圧(MPa)、横軸は、吸蔵水素量を示す。但
し水素放出部の水素放出量は一定である。 (1)予め水素を吸蔵した水素吸蔵タンク内の水素吸蔵
合金が、水素吸蔵タンクの外部又は内部の何れか一方に
設けられた伝熱媒体の流路を流れる熱媒により加熱され
る。このとき、平衡水素圧の高い主たる水素吸蔵・放出
用の第1の水素吸蔵合金から最初に水素が放出される。 (2)第1の水素吸蔵合金から放出される水素放出量が
少なくなると水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金から
水素が放出される。 (3)このとき、基準となる所定の圧力(例えば0.3
MPa)と各水素吸蔵合金の水素放出圧力とを圧力検出
手段により検出し、基準の圧力と水素吸蔵合金の水素放
出圧力との圧力差ΔPを算出し、この圧力差ΔPの値が
大→小に変化したところで水素残量が少ないことを検知
することができる。 このように、主たる水素吸蔵・放出用の第1の水素吸蔵
合金と水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金とを用い、
一定量の水素放出時に、基準となる圧力と各水素吸蔵合
金とのそれぞれの水素放出圧力を各圧力検出手段より検
出し、検出した圧力から算出した基準圧力と各水素吸蔵
合金とのそれぞれの水素放出圧力との圧力差ΔPの値の
大小に基づいて、第1の水素吸蔵合金から残量検知用の
第2の水素吸蔵合金への水素放出状態の切り替わりが正
確に検知できる。また、本実施形態では、第1の水素吸
蔵合金と水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金とで水素
放出圧力の異なる水素吸蔵合金を用いたが、第1の水素
吸蔵合金と金属水素化物生成エネルギーが異なる第2の
水素吸蔵合金を組み合わせて使用すれば、温度変化も同
時に検知でき、さらに水素残量の検知精度をあげること
が可能になる。
【0028】次に、本発明に係る水素吸蔵タンクの水素
残量検知装置を有する水素貯蔵・供給装置を、車両に搭
載する燃料電池に適用した場合の水素供給装置の1実施
の形態について図7を参照して説明する。本発明に係る
燃料電池用水素供給装置は、図7に示すように、燃料電
池3に水素を供給する水素貯蔵・供給装置1と、前記水
素貯蔵・供給装置1及び燃料電池3を結んで伝熱媒体を
循環させる伝熱媒体の流路2と、水素貯蔵・供給装置1
からエゼクタ5を介してアノード極に供給される水素
と、空気圧縮機6によりカソード極に供給される空気中
の酸素とを反応させて発電する燃料電池3と、これらの
機器・配管に取り付けられた各種計器からの電気信号に
より、ラジエータ2cや弁V1〜V3の開閉等を制御する
制御装置4と、から主要部が構成される。
【0029】水素貯蔵・供給装置1は、水素吸蔵タンク
1a内に収容した水素吸蔵合金を冷却することで水素を
吸蔵させ、加熱することで水素を放出させる水素吸蔵タ
ンク1aと、前記水素吸蔵タンク1aの外部又は内部の
少なくとも一方に設けられ、前記水素吸蔵合金を冷却又
は加熱する伝熱媒体の循環路1bとから主要部が形成さ
れる。
【0030】水素吸蔵タンク1aは、円筒形をした容器
である。水素吸蔵タンク1aは、複数の小型の容器を並
列に並べて集合して形成してもよい。水素吸蔵タンク1
aの両端には水素を導入するための配管である水素流入
口1a1と水素を燃料電池3に供給するための配管であ
る水素供給通路1a2が取り付けられている。前記水素
吸蔵タンク1a内には、金属水素化物生成エネルギーが
異なる主たる水素吸蔵・放出用の第1の水素吸蔵合金と
水素残量検知用の第2の水素吸蔵合金とが収容されてい
る。また、各水素吸蔵合金の温度検出手段t1,t2とし
ては、サーミスタ又は熱電対が、圧力検出手段P1,P2
としては、ストレンゲージ又はブルドン管が使用され
る。また、水素流量検出手段Fとしてはサーマルマスフ
ローメータが使用される。ここで、各検出手段の添え字
1,2は、それぞれ第1の水素吸蔵合金用及び第2の水
素吸蔵合金用を示している。温度検出手段t1,t2及び
圧力検出手段P1,P2の取り付け位置は、平面断面視し
た図7に示されるように、水素吸蔵タンク1aに挿入さ
れていればよく正確な値を検出できればその取り付け位
置は、特に限定されるものではない。水素流量検出手段
Fは、水素貯蔵・供給装置1の水素供給通路1a2を延
長した配管に設けられる(但し水素貯蔵・供給装置1と
エゼクタ5の間の配管)。尚、水素吸蔵タンク1aの表
面には表面温度を検出する温度検出手段T3が設けられ
ている。温度検出手段T3としては、サーミスタ又は熱
電対が使用される。
【0031】水素吸蔵合金を冷却又は加熱する伝熱媒体
の循環路1bは、水素貯蔵・供給装置1及び燃料電池3
を結ぶ伝熱媒体(例えば水とエチレングリコールの混合
液)を循環する伝熱媒体の流路2の配管の一部であり、
伝熱媒体を循環する必要がない場合は、水素貯蔵・供給
装置1をバイパスできるようにバイパス配管2bが設け
られている。また、バイパス配管2b及び水素貯蔵・供
給装置1の入口配管にはそれぞれ循環流路を切り替える
ための弁V2及び弁V3が設けられている。伝熱媒体の流
路2には、水素吸蔵合金を冷却又は加熱する伝熱媒体の
温度検出手段T1,T2が設けられている。温度検出手段
1,T2としては、サーミスタ又は熱電対が使用され
る。
【0032】燃料電池3は、固体高分子型の燃料電池3
であり、水素貯蔵・供給装置1からエゼクタ5を介して
アノード極に供給される水素と空気圧縮機6によりカソ
ード極に供給される空気中の酸素とを反応させて化学エ
ネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。以下に
反応式で示すと(1)式は、アノード極における反応
を、(2)式は、カソード極における反応を示し、電池
全体としては、(3)式に示す反応が進行する。 H2→2H++2e―-------------------------(1) 2H++(1/2)O2+2e―---------------(2) H2+(1/2)O2→H2O-----------------(3) 尚、固体高分子型の燃料電池1は、電解質層として、固
体高分子膜を用い、この固体高分子膜を挟持する一対の
ガス拡散電極と、ガス拡散電極をさらに外側から挟持し
て水素ガスと空気とを分離するセパレータとを有する単
セルを複数積層した構造を備えている。
【0033】制御装置4は、電気的制御回路、又は、R
AM、ROM、CPU(又はMPU)及びI/O等を中
心として構成されたマイクロコンピュータからなる電子
制御ユニットである。この制御装置4の入力部には、燃
料電池3への要求出力に関連する電気信号や水素吸蔵合
金の温度、圧力等の水素吸蔵タンク1aに関連する電気
信号が入力され、これらの入力信号に基づく出力信号に
よりラジエータ2cの起動・停止や弁V1〜V3の開閉等
の制御を行う。
【0034】このような構成からなる本発明に係る水素
吸蔵タンクの水素残量検知装置を有する水素貯蔵・供給
装置を適用した燃料電池用水素供給装置の作用について
説明する。尚、燃料電池3を起動する前に、予め室温で
ポンプ2aにより冷却水を循環させながら高圧H2(水
素)源から弁V1を介して水素吸蔵タンク1aの水素流
入口1a1へ水素を流入させて、水素吸蔵タンク1a中
の水素吸蔵合金に水素を吸蔵させてあるものとする。 (1)イグニッションスイッチON。 (2)燃料電池3で発電しなければならない要求出力が
外部からの電気信号により燃料電池3へ要求される。燃
料電池3への要求出力としては、例えばアクセルペダル
の開度に見合った出力や補機類を駆動するための出力等
がある。 (3)燃料電池3への要求出力に応じて、燃料電池3の
電流−電圧特性からアノード極へ供給する水素量とカソ
ード極へ供給する空気量がそれぞれ算定される。このよ
うに決定されたアノード極へ供給する水素量を燃料電池
3へ供給するときの操作についてのみ以下に説明する。
【0035】(4)一定の水素流量を確保するため、水
素吸蔵・放出用の第1の水素吸蔵合金の金属水素化物生
成エネルギーと必要な水素流量とから加熱熱量を求める
ことにより、伝熱媒体である熱媒(燃料電池を冷却した
後の冷却水)の循環量と温度が決定される。尚、熱媒の
循環量は、ポンプ2aの回転数を制御することにより調
整され、熱媒の温度は、ラジエータ2cのファンの回転
数を制御することにより調整される。 (5)本実施の形態では燃料電池3の運転状況により伝
熱媒体の温度は変化してしまうので、一定温度の伝熱媒
体を常に水素貯蔵・供給装置1に供給できるようにラジ
エータ2cのファンにより配管が冷却できるようになっ
ている。このように、一定温度の伝熱媒体を常に水素貯
蔵・供給装置1に供給できるようにすることにより、伝
熱媒体の温度を基準温度(例えば25℃)とすることが
できる。 (6)このようにして水素吸蔵合金を加熱することによ
り燃料電池3へ必要な流量の水素を供給することができ
る。
【0036】(7)水素放出時の初期〜中盤は、水素放
出圧力の高い第1の水素吸蔵合金からの水素放出が行わ
れ、後半は第2の水素吸蔵合金からの水素放出が行われ
る。第1の水素吸蔵合金の温度t1、第2の水素吸蔵合
金の温度t2のそれぞれと、伝熱媒体である熱媒の入口
温度T1との温度差が金属水素化物生成エネルギーの大
小に依存することを利用して、水素放出時に第1の水素
吸蔵合金の温度t1、第2の水素吸蔵合金の温度t2と熱
媒の入口温度T1の検出を行い、それぞれの温度差ΔT
の大小を比較して水素残量を検知する(図5参照)。こ
こで水素残量を検知する上で基準となる所定の温度とし
ては、循環する熱媒の入口温度T1の他には水素吸蔵タ
ンク1aの表面の温度T3等も使用できる。 (8)尚、水素貯蔵・供給装置1の水素供給通路1a2
を延長した配管に設けられた(但し水素貯蔵・供給装置
1とエゼクタ5の間の配管)水素流量検出手段Fにより
水素放出時の水素流量を検出して、(7)で求めた温度
差ΔTを補正するようにすれば、より正確に水素残量を
検知することができる。 (9)水素残量検知手段としては、伝熱媒体の温度T1
と前記した2種類の水素吸蔵合金に設けられた各温度検
出手段t1,t2により検出したそれぞれの水素吸蔵合金
の温度との温度差ΔT以外にも基準となる所定の圧力と
これらの水素吸蔵合金に設けられた圧力検出手段P1
2により検出したそれぞれの水素吸蔵合金の水素放出
圧力との圧力差ΔPに基づいて前記水素吸蔵タンク1a
内の水素残量を簡便に、かつ、容易に検知することがで
きる(図6参照)。 (10)このように水素吸蔵タンク1a内の水素残量を
検知するようにしたことにより、水素吸蔵タンク1aを
複数設けて切り替えて使用するようにすれば、燃料電池
3の運転を止めることなく安定して水素を供給すること
ができる。 (11)燃料電池3に供給された水素は、空気圧縮機6
により供給される空気中の酸素と反応し、発電に寄与
し、反応に利用されなかった水素はアノードオフガスと
して燃料電池3から排出され、一部はエゼクタ5により
循環される。 (12)本水素供給システムでは、このようにして水素
残量検知手段によって検知した残量を運転者に知らせる
報知手段(図示せず)を備えており、第1の水素吸蔵合
金から第2の水素吸蔵合金に切り替わったときに報知す
る。その後は、第2の水素吸蔵合金からの水素の放出を
開始し、燃料電池は運転を継続することができる。それ
をすることによって燃料電池車両としての燃料電池の作
動状態および水素残量を確認することができる。
【0037】
【発明の効果】以上の構成と作用からなる本発明によれ
ば、以下の効果を奏する。 1.請求項1の発明によれば、金属水素化物生成エネル
ギーが異なる第1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金
とを収容した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクを
加熱することで前記水素吸蔵合金から水素を放出させる
伝熱媒体とを備え、前記水素吸蔵タンクから水素を放出
中の前記水素吸蔵タンク内の温度変化を検知し、前記温
度変化に基づいて、前記第1の水素吸蔵合金内の水素を
ほぼ放出し終えたことを検知する水素残量検知手段とを
備えたことにより、水素吸蔵タンク内の水素残量を簡便
に、かつ容易に検知することが可能となり、しかも正確
に検知することができる。 2.請求項2の発明によれば、同一温度において、前記
第1の水素吸蔵合金の水素放出圧力を前記第2の水素吸
蔵合金の水素放出圧力よりも高くしたことにより、確実
に第1の水素吸蔵合金が第2の水素吸蔵合金よりも先に
水素を放出し終えるようにすることができる。 3.請求項3の発明によれば、第1の水素吸蔵合金と第
2の水素吸蔵合金との金属水素化物生成エネルギーが異
なるので、第1の水素吸蔵合金の温度と基準となる所定
の温度との温度差と、同一の水素放出条件における水素
残量検知用の第2の水素吸蔵合金の温度と基準となる所
定の温度との温度差とが異なる。すなわち、金属水素化
物生成エネルギーが第1の水素吸蔵合金<第2の水素吸
蔵合金の関係にあり、水素残量検知用の第2の水素吸蔵
合金が水素を放出しているときは前記温度差が大きくな
る。反対に金属水素化物生成エネルギーが、第1の水素
吸蔵合金>第2の水素吸蔵合金の関係にあるときは前記
温度差は小さくなる。これらの理由から、温度差が大き
く切り替わったときに第1の水素吸蔵合金からの水素放
出が終了したことを検知することが可能となる。従って
水素吸蔵タンク内の水素残量を簡便に、かつ、容易に検
知することができる。 4.請求項4の発明によれば、基準となる所定の温度を
伝熱媒体の温度としたことにより、第1の水素吸蔵合金
の温度と伝熱媒体との温度差に比べ、同一水素放出条件
において残水素量検知用の第2の水素吸蔵合金と伝熱媒
体との温度差の方がより大きくなるので、温度差が大き
く切り替わったときに第1の水素吸蔵合金からの水素放
出が終了したことを検知するのが可能となる。従って水
素吸蔵タンク内の水素残量を簡便に、かつ、容易に検知
することができる。また、伝熱媒体の温度が外部の影響
(例えば燃料電池の出力変化)等によって変化したとき
でもそれに追従して正確に水素吸蔵タンク内の水素残量
を検知することができる。 5.請求項5の発明によれば、第1の水素吸蔵合金の水
素放出圧力を、同一温度における第2の水素吸蔵合金の
水素放出圧力よりも高く設定し、前記第1の水素吸蔵合
金と前記第2の水素吸蔵合金とを水素吸蔵タンクに収容
して、前記水素吸蔵タンクを加熱することで前記水素吸
蔵合金から水素を放出させて前記水素吸蔵タンクから外
部に水素を供給するときに、前記第1の水素吸蔵合金の
水素をほぼ放出し終えたことを検知し、前記第1の水素
吸蔵合金からの水素の放出が終了したことを報知し、前
記第2の水素吸蔵合金から水素の放出を開始するように
したことにより、 (1)水素吸蔵タンク内の第1の水素吸蔵合金の水素が
ないことを検知し、その検知内容を報知するので、利用
者(運転者)に知らせることができる。 (2)第1の水素吸蔵合金の水素を放出し終えた後でも
第2の水素吸蔵合金からの水素を供給し続けることがで
きるので、(水素吸蔵タンク内の水素が0になった訳で
はないので)安定した水素供給ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金及び水素残
量検知用の水素吸蔵合金のそれぞれの水素放出時間に対
する水素吸蔵合金の温度変化を示す図である。
【図2】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金及び水素残
量検知用の水素吸蔵合金の水素放出時におけるそれぞれ
の温度差を補正するのに使用される補正マップである。
【図3】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金及び水素残
量検知用の水素吸蔵合金のそれぞれのPCT曲線の1例
である。
【図4】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金に水素残量
検知用の水素吸蔵合金を実際に組み込んで使用した場合
の擬似例のPCT曲線である。
【図5】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金に水素残量
検知用の水素吸蔵合金を実際に組み込んで使用し、実際
に温度差に基づいて水素残量を検知したときの水素放出
時間に対する水素吸蔵合金の温度又は熱媒の温度の変化
を示す図である。
【図6】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置に適用した水素吸蔵・放出用水素吸蔵合金に水素残量
検知用の水素吸蔵合金を実際に組み込んで使用し、実際
に圧力差に基づいて水素残量を検知したときの吸蔵水素
量に対する平衡水素圧を示すPCT曲線の例である。
【図7】本発明に係る水素吸蔵タンクの水素残量検知装
置を有する水素貯蔵・供給装置を車両に搭載する燃料電
池に適用した場合の水素供給システムの全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1 水素貯蔵・供給装置 1a 水素吸蔵タンク 1a1 水素流入口 1a2 水素供給通路 2 伝熱媒体の流路 2b バイパス配管 2c ラジエータ 3 燃料電池 4 制御装置 5 エゼクタ 6 空気圧縮機 T1,T2,T3,t1,t2 温度検出手段 P1,P2 圧力検出手段 F 流量検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属水素化物生成エネルギーが異なる第
    1の水素吸蔵合金と第2の水素吸蔵合金とを収容した水
    素吸蔵タンクと、 前記水素吸蔵タンクを加熱することで前記水素吸蔵合金
    から水素を放出させる伝熱媒体とを備え、 前記水素吸蔵タンクから水素を放出中の前記水素吸蔵タ
    ンク内の温度変化を検知し、前記温度変化に基づいて、
    前記第1の水素吸蔵合金内の水素をほぼ放出し終えたこ
    とを検知する水素残量検知手段とを備えたことを特徴と
    する水素吸蔵タンクの水素残量検知装置。
  2. 【請求項2】 同一温度において、前記第1の水素吸蔵
    合金の水素放出圧力は、前記第2の水素吸蔵合金の水素
    放出圧力よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の
    水素吸蔵タンクの水素残量検知装置。
  3. 【請求項3】 前記水素残量検知手段は基準となる所定
    の温度と、前記水素吸蔵タンク内の温度との温度差に基
    づいて前記水素吸蔵タンク内の水素残量を検知すること
    を特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵タンクの水素残
    量検知装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の温度は前記伝熱媒体の温度で
    あることを特徴とする請求項3に記載の水素吸蔵タンク
    の水素残量検知装置。
  5. 【請求項5】 第1の水素吸蔵合金の水素放出圧力を、
    同一温度における第2の水素吸蔵合金の水素放出圧力よ
    りも高く設定し、前記第1の水素吸蔵合金と前記第2の
    水素吸蔵合金とを水素吸蔵タンクに収容して、 前記水素吸蔵タンクを加熱することで前記水素吸蔵合金
    から水素を放出させて前記水素吸蔵タンクから外部に水
    素を供給するときに、 前記第1の水素吸蔵合金の水素をほぼ放出し終えたこと
    を検知し、 前記第1の水素吸蔵合金からの水素の放出が終了したこ
    とを報知し、 前記第2の水素吸蔵合金から水素の放出を開始するよう
    にしたことを特徴とする水素吸蔵タンクの水素供給方
    法。
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