(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図25に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット10に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図14参照)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4a〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、遊技球の貸球ボタンや返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。また、上皿部5には、2つの演出スイッチ5d、5eが設けられている。遊技者は、これらの演出スイッチ5d、5eを用いて演出用キャラクタの選択等を行い、演出に変化を付与することができる。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5fが形成されている。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図14参照)が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側の下面には、第2音声出力部6cが設けられている。
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に直列接続されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤102(図6参照)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、第1図柄表示装置24、第2図柄表示装置25、可動役物26、普通図柄作動ゲート27、始動口(普通電動役物)28、図柄表示装置28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
図柄表示装置24、25は遊技領域21の略中央部に配置され、大入賞装置33は遊技領域21における図柄表示装置24、25の下方に配置されている。第1装飾部材50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾部材60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾部材50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾部材50には、普通図柄表示装置56(図5参照)と左入賞口34、35がユニット化されており、第2装飾部材60には、特別図柄表示装置62(図8参照)と右入賞口36、37がユニット化されている。
図柄表示装置24、25は遊技領域21の略中央部に左右方向に所定の間隔を空けて並んで配置されており、正面から見て、第1図柄表示装置24が左側に配置され、第2図柄表示装置25が右側に配置されている。これらの図柄表示装置24、25は、液晶表示装置を用いて構成され、任意の図柄を表示可能となっている。なお、図柄表示装置24、25の離れている間隔は、後述する可動役物26が収納されるスペースが確保されていればよい。但し、図柄表示装置24、25の配設位置としては、図柄表示装置24、25の左右方向の端部から遊技領域21の外縁部までに遊技球を転動させるスペースが確保されている配設位置とすることが必要である。
第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25では、表示内容が異なっており、第1図柄表示装置24では特別図柄(疑似特別図柄)等の表示が行われ、第2図柄表示装置25では演出用キャラクタや演出用メッセージ等といった演出図柄を用いた種々の演出表示が行われる。第2図柄表示装置25における演出表示は、遊技の進行に応じて行われる。なお、「演出図柄」とは、遊技者による遊技が行われていない場合に行われるデモ画面表示や、特別図柄の変動表示中におけるリーチ発生や大当り発生の可能性を遊技者に報知する予告演出等を行うためのものである。
可動役物26は、遊技領域21における第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25の間で、各図柄表示装置24、25に挟まれた領域に設けられている。この各図柄表示装置24、25に挟まれた領域が、可動役物26が移動していない際に収納される収納部となっている。
図3は、可動役物26の構成を示す断面図である。図3に示すように、可動役物26は、可動部材26a、回転軸26b、モータ26cを備えている。本実施例の可動部材26aは、帯状に形成された複数の薄板部材から構成されている。可動部材26aを構成する薄板部材は、遊技機1の前後方向に重なり合うように配置され、下端に回転軸26bが設けられている。回転軸26bはモータ26cによって回転駆動される。可動部材26aを構成する個々の薄板部材は、回転軸26bを中心に回動し、図柄表示装置24、25の前面側に移動可能となっている。なお、可動部材26aが本発明の可動部材に相当し、モータ26cが本発明の可動部材移動手段に相当している。
図4は、可動役物26の作動を説明するための図であり、(a)は可動部材26aが左側に展開した状態を示し、(b)は板状部材26bが右側に展開した状態を示している。可動役物26の可動部材26aは、中心軸26bを中心として回動可能となっており、収納状態(図2参照)と展開状態(図4参照)とに変化可能となっている。
収納状態では、可動役物26の可動部材26aは、各図柄表示装置24、25の間で重なり合った状態となり、各図柄表示装置24、25のいずれの前面側も可動役物26により覆われていない。展開状態では、可動役物26の可動部材26aが扇子のように一枚ずつ展開するようになっており、可動部材26aは、左側または右側に展開可能となっている。可動部材26aが左側に展開した場合には、可動部材26aにより第1図柄表示装置24の前面側が覆われ(図4(a)参照)、可動部材26aが右側に展開した場合には、可動部材26aにより第2図柄表示装置25の前面側が覆われる(図4(b)参照)。
図2に戻り、普通図柄作動ゲート27は、図柄表示装置24、25の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sが設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、後述の普通図柄が変動開始する。
始動口28は、図2に示すように図柄表示装置24、25の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成されている。始動口28の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ28s(図11参照)と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図13参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設されると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。遊技球が始動口28を通過することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図13参照)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ33s(図13参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方には、左入賞口34、35が設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ34s、35s(図13参照)が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、右入賞口36、37が設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ36s、37b(図13参照)が設けられている。
図5は、第1装飾部材50の正面図である。図5に示すように、第1装飾部材50には、特図保留表示部52と、普図保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56が設けられている。
特図保留表示部52は、特別図柄変動中に始動口28に入球した遊技球の数を4個まで保留可能として特別図柄保留数を表示するものである。次回の特別図柄の変動が開始するたびに未始動回数(保留数)が消化され、特別図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部53は、普通図柄変動中に普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を4個まで保留可能として普通図柄保留数を表示するものである。次回の変動表示が開始するたびに未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。
図6は、特図保留表示部52と普図保留表示部53による保留数表示を説明するための図である。特図保留表示部52と普図保留表示部53は、それぞれ2つのLEDからなる。これらの保留表示部52、53は、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。具体的には、図6に示すように、LEDが2つとも消灯している場合は保留数0個を示し、LEDが1つ点灯し1つ消灯している場合は保留数1個を示し、LEDが2つ点灯している場合は保留数2個を示し、LEDが1つ点滅し1つ点灯している場合は保留数3個を示し、LEDが2つ点滅している場合は保留数4個を示している。
遊技状態表示部55は、現在の特別図柄当否判定確率が高確率と通常確率(低確率)のどちらであるか、つまり、確率変動機能が作動しているか否かを表示するとともに、始動口(普通電動役物)28を開放状態とする時間が延長される開放時間延長機能が作動しているか否かを表示する。
図7は、遊技状態表示部55による遊技状態表示を説明するための図であり、(a)は確率変動機能と開放時間延長機能が作動している状態を示し、(b)は開放時間延長機能が作動している状態を示している。遊技状態表示部55は、点灯および消灯が可能な2個のLED55a、55bから構成され、一方のLED55aにより確率変動機能の作動状態を表示し、他方のLED55bにより開放時間延長機能の作動状態を表示している。各LED55a、55bの点灯によって確率変動機能や開放時間延長機能の作動中が示され、各LED55a、55bの消灯によって確率変動機能や開放時間延長機能の非作動中が示される。
図5に戻り、普通図柄表示部56は1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部56を構成するLEDは、点灯および消灯が可能となっており、本実施例では当り表示を点灯、外れ表示を消灯、変動表示を点灯と消灯の繰り返しである点滅で、それぞれ行うものとしている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に行われる普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄が当り普通図柄の表示態様(点灯)に決定され、普通図柄当否判定で外れと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は外れ図柄の表示態様(消灯)に決定される。
普通図柄表示部56では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、始動口(普通電動役物)28が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、始動口(普通電動役物)28を作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は、上記当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
図8は、第2装飾部材60の正面図である。図8に示すように、第2装飾部材60には、特別図柄表示部62、ラウンド数表示部63が設けられている。
本実施例の特別図柄は、特別図柄表示部62で表示される本特別図柄と第1図柄表示装置24で表示される疑似特別図柄とからなる。疑似特別図柄については後述する。特別図柄表示部62は、7個のLED62a〜62gから構成されており、これらのLED62a〜62gにより本特別図柄が表示される。特別図柄表示部62を構成する各LED62a〜62gは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LED62a〜62gの点灯および消灯の組合せにより本特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLED62a〜62gで表示される本特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り特別図柄の組合せとして設定されており、当り特別図柄以外の組合せが外れ特別図柄と設定されている。なお、本実施例では、本特別図柄の変動表示を各LED62a〜62gが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
特別図柄表示部62では、始動口28を遊技球が通過することにより本特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に本特別図柄が当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。本実施例では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口28に入球した際に、条件装置を作動させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、特別図柄表示部62で停止表示される本特別図柄は、上記当り図柄の組合せのいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、特別図柄表示部62で停止表示される本特別図柄は、上記外れ図柄の組合せに決定される。なお、特別図柄当否判定、本特別図柄の変動態様の決定、本特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われるようになっており、主制御部200が特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段に相当している。
特別図柄表示部62で表示された本特別図柄の組合せが当り特別図柄の組合せであった場合には、主制御部200は遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。特別遊技状態は、後述の特別電動役物遊技処理(図23参照)が繰り返し実行されることによって実現される。
特別遊技状態の発生により、大入賞装置(特別電動役物)33および条件装置が作動する。ここで、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、本特別図柄が大当り図柄で停止表示することで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。また、役物連続作動装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする装置である。役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口33aが連続して開放する特別遊技状態が開始される。
大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定開放時間(本実施例では30秒または0.2秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定ラウンドが終了したときに作動終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(15ラウンドまたは2ラウンド)が終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
図9は、特別図柄表示62による特別図柄の表示態様を示しており、(a)は外れ図柄の組合せを示し、(b)〜(d)は当り図柄の組合せを示している。本実施形態の当り図柄の組合せには、通常当りを発生させる通常当り図柄(図9(b))と、確変当りを発生させる確変当り図柄(図9(c))と、特定当りを発生させる特定当り図柄(図9(d))がある。
本特別図柄が特定当り図柄で停止表示した場合は、本特別図柄が通常当り図柄または確変図柄で停止表示した場合より、大入賞口33aの開放回数(最高継続ラウンド数)が少なく、かつ、大入賞口33aの開放時間が短く設定される。具体的には、本特別図柄が通常当り図柄または確変図柄で停止表示した場合には、最高継続ラウンド数が15ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば30秒に設定され、本特別図柄が特定当り図柄で停止表示した場合には、最高継続ラウンド数が2ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば0.5秒に設定される。
また、本特別図柄が通常当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後、変動時間短縮機能が作動する。変動時間短縮機能は、主制御部200により行われるものであり、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能と、始動口(普通電動役物)28の開放時間を延長させる普通電動役物開放延長機能とが含まれている。変動時間短縮機能は、役物連続作動装置の作動終了後、次回条件装置が作動するまでの間、または本特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
本特別図柄が確変当り図柄または特定当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後、確率変動機能が作動する。確率変動機能は、主制御部200により行われるものであり、上記変動時間短縮機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が特定図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる特図当否確率変動機能が含まれている。確率変動機能は、役物連続作動装置の作動終了後、次回条件装置が作動するまでの間、または本特別図柄の変動回数が所定回数(本例では10000回)に到達するまで作動する。
図8に戻り、特別図柄表示部62の右上には、ラウンド数表示部63が設けられている。ラウンド数表示部63は、特別遊技状態の最高継続ラウンド数が複数設定されている際に、いずれのラウンド数が選択されているかを示すものであり、最高継続ラウンド数の設定数に対応する数のLED63a、63bから構成されている。ラウンド数表示部63の各LEDが最高継続ラウンド数のそれぞれ(本例では15ラウンドまたは2ラウンド)に対応しており、いずれかのLEDを点灯することで、選択された最高継続ラウンド数を表示することができる。ラウンド数表示部63によるラウンド数の表示は、特別図柄が停止表示して特別遊技状態が発生する際に行われる。
次に、第1図柄表示装置24で表示される疑似特別図柄について説明する。第1図柄表示装置24には、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域が設けられている。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、「0」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。なお、疑似特別図柄の変動態様および停止図柄の決定は、後述の演出制御部260によって行われる。
遊技球が始動口28に入球することにより、第1図柄表示装置24の表示領域に表示される各疑似特別図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に停止表示される。図柄表示領域で停止表示される疑似特別図柄は、上述の特別図柄当否判定にて当りと判定された場合には、例えば「7・7・7」からなる3桁同一の疑似当り図柄の組合せに決定され、特別図柄当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当り図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。なお、疑似特別図柄の停止表示態様(停止図柄)が示す特別図柄当否判定結果は、上記本特別図柄の停止表示態様(停止図柄)が示す特別図柄当否判定結果と同様の結果を示すものであり、両者に矛盾が生じることはない。
本実施例の遊技機1は、第1図柄表示装置24の図柄表示領域で疑似特別図柄を用いたリーチ表示を行うことができるように構成されている。リーチ表示とは、疑似特別図柄の変動表示中に、最終停止図柄となる疑似特別図柄以外の疑似特別図柄が、大当りとなる特定の図柄の組合せと一致している状態で停止している状態のように、疑似特別図柄が停止表示される前で大当り可能性が継続している状態において行われる演出表示のことを指す。例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとしたとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。本実施例の遊技機1では、第1図柄表示装置24の疑似特別図柄によるリーチ表示は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ表示を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。また、本実施例の遊技機1では、リーチ状態となった場合に、第2図柄表示装置25でキャラクタ等の演出図柄を用いたリーチ演出を行うことが可能となっている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図10に基づいて説明する。図10は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
図10に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を内側面に備えた賞球タンク105が設けられている。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の底面は、遊技機1の背面側からみて右下がりに構成されており、賞球タンク105の右側下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、賞球タンク105の右下角部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
タンクレール106の左側であって賞球タンク105の下方には、振動モータ110が設けられている。振動モータ110は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、タンク球切れ検知スイッチ104にて賞球タンク105内の遊技球がなくなったことが検知された際に、賞球タンク105を振動させ、賞球タンク105内に残留している遊技球を賞球タンク105から完全に排出させるためのものである。
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置(図示略)が取り付けられ、背面側に裏ケース111が設けられている。裏ケース111は、一対のヒンジ112により裏機構盤102に開閉可能に取り付けられている。裏ケース111の内部では、遊技制御に必要となる各種制御基板が収納された基板ケースとして、ランプインタフェース基板、主制御基板ケース、演出制御基板ケース、図柄制御基板ケースが、それぞれ遊技盤20の裏面に取り付けられている。
裏ケース111の下方には、左側に電源基板ケース116が設けられ、右側に払出制御基板118が設けられている。さらに裏機構盤102の右上方部には、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図11に基づいて説明する。図11は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図11に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、演出制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。
主制御部200は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出制御部260には、各種図柄制御コマンドが送信される。
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
図12は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図12に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
図11に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、始動口入賞検知スイッチ28s、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。始動口入賞検知スイッチ28sは、始動口28に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sは、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過したことを検知するものである。
次に、盤面中継基板210を図13に基づいて説明する。図13は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図13に示すように、盤面中継基板210には、図柄表示装置駆動基板211、入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37s、大入賞口入球検知スイッチ33s、各種ソレノイド28c、33cが接続されている。
図柄表示装置駆動基板211は、普通図柄表示部56および特別図柄表示部62を作動させるものである。入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37sは、各入賞口34、35、36、37への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ33sは、大入賞口33aに遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド28c、33cとしては、始動口28を開閉するための始動口ソレノイド28c、大入賞口を開閉するための大入賞口ソレノイド33c等がある。
次に、図11に戻り、払出制御部230について説明する。図11に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図12で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
次に、演出制御部260を図14に基づいて説明する。図14は、演出制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。演出制御部260に設けられた演出制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図14に示すように、演出制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、演出制御基板260aから独立した別基板として構成されている。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、演出制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。
また、演出制御部260には、モード切替スイッチ268および演出スイッチ5d、5eが接続されている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、第1図柄表示装置24における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。演出スイッチ5d、5eは、遊技者が遊技中に操作することで、第2図柄表示装置25における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことを可能とするものである。
次に、図柄制御部280を図15に基づいて説明する。図15は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて演出制御部260に接続されている。
図15に示すように、図柄制御部280には、第1図柄表示装置24を作動させる第1図柄表示装置駆動基板281と第2図柄表示装置25を作動させる第2図柄表示装置駆動基板282が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置24、25の表示制御を行う。図柄制御部280による図柄表示装置24、25の表示制御は、演出制御部260からのコマンドに基づいて行われる。また、図柄制御基板280aのROMには、図柄表示装置24、25で表示される演出用の図柄画像データが格納されている。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図16〜図24のフローチャートに基づいて説明する。図16は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図16に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は2msに設定されている。
電源投入処理S100を図17のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S101)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。
次に、RAMクリアスイッチが押されている場合、あるいは、RAMにバックアップフラグ(電源断の発生情報)が設定されていない場合には、電源投入時と判定してRAM初期化処理を行い、その後リターンする(S102、S103、S104)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
一方、RAMにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したRAMの内容からチェックサムを算出して(S105)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(S106)。これらのチェックサムが一致しない場合にはRAMの内容が壊れていると判定し、上記S104のRAM初期化処理を行う。RAMの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
次に、遊技開始処理S200を図18のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
次に、S204〜S207の賞球制御を行う。まず、入賞口スイッチにより各入賞口をチェックし、遊技球が入賞口に入賞した場合には、入賞検知情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、保存した賞球検知情報がある場合には、払出制御部230に獲得遊技球に対応した賞球数指定コマンドを送信する(S206、S207)。
次に、普通図柄遊技処理S300を図19のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sにより、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判定する(S301)。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したと判定された場合には(S301:YES)、普通図柄表示部56の作動保留数が4未満であるか否かを判定し(S302)、普通図柄保留数が4未満の場合には(S302:YES)、普通図柄当否判定用の乱数を記憶する(S303)。
次に、始動口(普通電動役物)28が作動中か否かを判定し(S304)、始動口(普通電動役物)28が作動中であると判定された場合には(S304:YES)、そのままリターンし、始動口(普通電動役物)28が作動中でないと判定された場合には(S304:NO)、普通図柄が変動中か否かを判定する(S305)。この結果、普通図柄が変動中でないと判定された場合には(S305:NO)、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定し(S306)、普通図柄表示時間中であると判定された場合には(S306:NO)、後述のS314の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には(S306:YES)、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する(S307)。
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は(S307:YES)、そのままリターンし、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は(S307:NO)、普通図柄当否判定を行い(S308)、普通図柄の変動時間を設定する(S309)。図柄変動時間短縮機能が作動中の場合は、図柄変動時間短縮機能作動時の普通図柄変動時間を設定し、図柄変動時間短縮機能が作動中でない場合は、図柄変動時間短縮機能未作動時の普通図柄変動時間を設定する。そして、普通図柄の変動を開始する(S310)。
上記S305で普通図柄が変動中であると判定された場合には(S305:YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S311)、普通図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S311:NO)、そのままリターンする。一方、普通図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S311:YES)、普通図柄の変動を停止し(S312)、普通図柄の停止表示間を設定する(S313)。
次に、普通図柄の停止表示間が経過したか否かを判定し(S314)、普通図柄の停止表示間が経過していないと判定された場合には(S314:NO)、そのままリターンし、普通図柄の停止表示間が経過していると判定された場合には(S314:YES)、普通図柄の停止図柄が始動口(普通電動役物)28を作動させることとなる当り図柄の組合せか否かを判定する(S315)。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S315:NO)、そのままリターンする。
普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には(S315:YES)、始動口(普通電動役物)28の作動時間を設定する(S316)。始動口開放延長機能が作動している場合には、始動口開放延長機能作動時の始動口作動時間(例えば5.4秒)を設定し、始動口開放延長機能が作動していない場合には、始動口開放延長機能未作動時の始動口作動時間(例えば0.1秒)を設定する。そして、始動口(普通電動役物)28の作動を開始させる(S317)。
次に、普通電動役物遊技処理S400を図20のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口(普通電動役物)28が作動中であるか否かを判定し(S401)、始動口(普通電動役物)28が作動中でないと判定された場合には(S401:NO)、そのままリターンする。一方、始動口(普通電動役物)28が作動中であると判定された場合には(S401:YES)、始動口(普通電動役物)28の作動時間が経過したか否かを判定し(S402)、始動口(普通電動役物)28の作動時間が経過していないと判定された場合には(S402:NO)、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する(S403)。
この結果、始動口(普通電動役物)28に規定入賞数の入賞がないと判定された場合は(S403:NO)、そのままリターンし、始動口(普通電動役物)28に規定入賞数の入賞があったと判定された場合と(S403:YES)、始動口(普通電動役物)28の作動時間が経過していると判定された場合には(S402:YES)、始動口(普通電動役物)28の作動を停止する(S404)。
次に、特別図柄遊技処理S500を図21のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部62の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用の乱数を記憶する(S503)。
次に、条件装置が作動中であるか否かを判定する(S504)。ここで条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別遊技状態の発生条件が満たされた場合に作動を開始する装置である。なお、条件装置は、主制御部200のCPUにより構成されている。次に、条件装置が作動中であると判定された場合には(S504:YES)、そのままリターンし、条件装置が作動中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS516の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのままリターンし、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S508)。この結果、確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S508:YES)、確率変動時の当否判定を行い(S509)、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S508:NO)、非確率変動時の当否判定を行う(S510)。
次に、特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S511)。この特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無を規定するものである。ここで、特別図柄変動パターン決定処理S511を図22のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別図柄当否判定が確変当りか否かを判定する(S511a)。この結果、特別図柄当否判定が確変当りである判定された場合には(S511a:YES)、確変当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511b)。
S511aの判定処理で特別図柄当否判定が確変当りでないと判定された場合には(S511a:NO)、特別図柄当否判定が通常当りか否かを判定する(S511d)。この結果、特別図柄当否判定が通常当りであると判定された場合には(S511d:YES)、通常当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511e)。
S511dの判定処理で、特別図柄当否判定が通常当りでないと判定された場合には(S511d:NO)、特別図柄当否判定が特定当りか否かを判定する(S511f)。この結果、特別図柄当否判定が特定当りか否かであると判定された場合には(S511f:YES)、特定当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511g)。
S511fの判定処理で特別図柄当否判定が特定当りでないと判定された場合には(S511f:NO)、特別図柄当否判定の結果が外れであり、抽選によりリーチ演出を行うか否かの決定処理を行い(S511i)、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄とその変動パターンを決定する(S511j)。
次に、図21に戻り、特別図柄の変動を開始する(S512)。そして、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S513)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S513:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S513:YES)、特別図柄の変動を停止し(S514)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S515)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S516)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S516:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S516:YES)、特別図柄の停止図柄が条件装置を作動させることとなる当り図柄の組合せであるか否かを判定する(S517)。
この結果、特別図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には(S517:YES)、条件装置の作動を開始させ(S518)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S519)。ここで、役物連続作動装置とは、閉鎖された大入賞口33aを開口させる動作を連続的に行う装置である。なお、役物連続作動装置は、主制御部200のCPUにより構成されている。また、役物連続作動装置の作動開始にあたって、主制御部200のCPUは、大入賞口33aの開放時間と大入賞装置33の連続作動回数を設定する。具体的には、特別図柄当否判定が確変当りまたは通常当りの場合(特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または通常当り図柄の場合)、大入賞口33aの開放時間を28秒、大入賞装置33の連続作動回数を15回にそれぞれ設定する。また、特別図柄当否判定が特定当りの場合(特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の場合)、大入賞口33aの開放時間を0.2秒、大入賞装置33の連続作動回数を2回にそれぞれ設定する。
次に、確率変動機能が作動中であるか否かを判定し(S520)、確率変動機能が作動中であると判定された場合は(S520:YES)、確率変動機能を作動停止させ(S521)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S517で特別図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S517:NO)、図柄変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S524)。この結果、図柄変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S524:NO)、そのままリターンし、図柄変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S524:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S525)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S526)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数に到達していないと判定された場合には(S526:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数に到達したと判定された場合には(S526:YES)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S520で確率変動機能が作動中でないと判定された場合は(S520:NO)、図柄変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S527)。この結果、図柄変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S527:NO)、そのままリターンし、図柄変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S527:YES)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図23のフローチャートに基づいて説明する。まず、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定し(S601)、役物連続作動装置が作動中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、役物連続作動装置が作動中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していると判定された場合と(S604:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が予め設定された所定回数未満であるか否かを判定する(S606)。この結果、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が所定回数未満であると判定された場合には(S606:YES)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:NO)、役物連続作動装置の作動を停止し(S609)、条件装置の作動を停止する(S610)。これにより、特別遊技状態が終了する。そして、条件装置作動の契機となった特別図柄の停止図柄が確率変動機能を作動させる確変当り図柄または特定当り図柄の組合せか否かを判定する(S611)。この結果、特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または特定当り図柄であると判定された場合には(S611:YES)、確率変動機能を作動開始させる(S612)。
次に、条件装置作動の契機となった特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の組合せか否かを判定する(S613)。この結果、特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の組合せであると判定された場合には(S613:YES)、条件装置作動開始時に始動口開放延長機能が作動していたか否かを判定する(S614)。
この結果、始動口開放延長機能が作動していたと判定された場合には(S614:YES)、図柄変動時間短縮機能を作動開始させ(S615)、始動口開放延長機能を作動開始させる(S616)。一方、始動口開放延長機能が作動していないと判定された場合には(S614:NO)、そのままリターンする。これにより、特定当り発生時には、条件装置作動前の図柄変動時間短縮機能と始動口開放延長機能の作動状態が維持される。
S611の判定処理で特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または特定当り図柄でないと判定された場合には(S611:NO)、図柄変動時間短縮機能を作動開始させ(S615)、始動口開放延長機能を作動開始させる(S616)。
次に、電源断発生処理S700を図24のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S701、S702)。次に、払出モータを停止し(S703)、チェックサムを算出して保存し(S704)、バックアップフラグをセットする(S705)。次に、RAMへのアクセスを禁止し(S706)、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行い、ウォッチドッグのリセットを繰り返し行う(S707)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
次に、演出制御部260が行う可動役物26による演出制御について図25を用いて説明する。図25は演出制御部260のCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う可動役物演出制御の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御部200から演出パターン指定コマンドを受信する(S800)。演出パターン指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の変動時間やリーチ演出の有無に関する情報を含んでいる。この演出パターン指定コマンドは、特別図柄遊技処理S500の中で主制御部200から演出制御部260に送信されるものである。
次に、特図情報指定コマンドを受信する(S801)。特図情報指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドであり、特別図柄が通常当り図柄、特定当り図柄、確変当り図柄、外れ図柄のいずれで停止するかに関する情報が含まれている。演出制御部260は、この特別図柄の停止図柄を認識することによって、特別図柄当否判定の結果が当り判定であるか否かを認識することができる。
次に、当り演出を行うか否かを判定する(S802)。この結果、当り演出を行うと判定されなかった場合には(S802:NO)、外れ処理を行う(S803)。外れ処理では、第1図柄表示装置24で疑似特別図柄を外れ図柄で停止表示させ、第2図柄表示装置25では例えばキャラクタ等を用いて当否判定が外れであることを遊技者に報知する表示を行う。一方、当り演出を行うと判定された場合には(S802:YES)、第1図柄表示装置24で疑似特別図柄によるリーチ表示を行う(S804)。
次に、可動役物26を左側に展開させ、第1図柄表示装置24の前面側に移動させる(S805)。これにより、遊技者が注視していた第1図柄表示装置24の前面側が可動役物26により覆われ(図4(a)参照)、第1図柄表示装置24の画面が視認不能となる。そして、遊技者が注視していなかった第2図柄表示装置25でリーチ演出を行う(S806)。
次に、復活演出を行うか否か判定する(S807)。復活演出は、一旦当否判定の結果が外れである旨の表示を行った後に、第1図柄表示装置24で疑似特別図柄の変動表示を再開する演出である。復活演出を行わないと判定された場合には(S807:NO)、後述のS811に移行する。
一方、復活演出を行うと判定された場合には(S807:YES)、第2図柄表示装置25で例えばキャラクタ等を用いて当否判定が外れであることを遊技者に報知する表示を行う(S808)。次に、可動役物26を右側に展開させ、第2図柄表示装置25の前面側に移動させる(S809)。これにより、遊技者が注視していた第2図柄表示装置25の前面側が可動役物26により覆われ(図4(b)参照)、第2図柄表示装置25の画面が視認不能となる。そして、第1図柄表示装置24で、疑似特別図柄の変動表示を再開させる逆転演出を行う(S810)。その後、当り処理を行う(S811)。当り処理では、第1図柄表示装置24で、疑似特別図柄を当り図柄で停止表示させる。さらに、可動役物26を第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25の間の収納部に位置させて第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25を視認可能とし、第2図柄表示装置25では例えばキャラクタ等を用いて当否判定が当りであることを遊技者に報知する表示を行ってもよい。
以上説明したように、可動役物26を複数の図柄表示装置24、25の前面側に移動可能とすることで、可動役物26を異なる図柄表示装置24、25の前面側に移動させることができる。これにより、可動役物26の移動パターンが複雑となり、可動役物26を用いた演出の幅を広げることができる。例えば、複数の図柄表示装置24、25の図柄表示と組み合わせて可動役物26を作動させることができ、より興趣の高い演出を行うことができる。
また、1つの可動役物26を複数の図柄表示装置24、25の前面側に移動可能とすることで、可動役物26の収納スペースが可動役物1個分にすることができる。これにより、可動役物26と複数の図柄表示装置24、25を遊技盤20上の限られたスペースに配置することができ、各図柄表示装置に対応して複数の可動役物を設けた場合に比較して、遊技盤20上における可動役物26の占有スペースを小さくし、遊技盤20上に遊技球が転動可能な空きスペースを確保できる。
また、複数の図柄表示装置24、25のうち図柄を変動させる図柄表示装置24、25を切り替える際に、それまで図柄が変動していた図柄表示装置24、25の前面側に可動役物26を移動させることで、図柄が変動していた図柄表示装置24、25の前面側が可動役物26で覆われる。これにより、遊技者が注視していた図柄表示装置24、25の前面側に可動役物26が現れるので、演出の変化を遊技者に確実に報知することができる。また、演出を多様化させることができ、興趣を向上させることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図26〜図28に基づいて説明する。本第2実施例は、上記第1実施例と比較して、遊技機1の盤面構成が異なっている。以下、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図26は、本第2実施例の遊技盤20の正面図である。図26に示すように、本第2実施例では、第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25が上下方向に並んで配置されている。第1図柄表示装置24が遊技領域21の略中央に配置され、第2図柄表示装置25が第1図柄表示装置24の上方に配置されている。本実施例では、第1図柄表示装置24の方が第2図柄表示装置25より画面サイズが大きい表示装置を用いている。
可動役物26は、第1図柄表示装置24と第2図柄表示装置25の間で、各図柄表示装置24、25に挟まれた領域に配置されている。この各図柄表示装置24、25に挟まれた領域が、可動役物26が作動していない際に収納される収納部となっている。
図27(a)は、第1図柄表示装置24、第2図柄表示装置25、可動役物26の正面図であり、図27(b)は側面図である。図27(b)では、紙面左側が遊技機1の前面側であり、紙面右側が遊技機1の背面側となっている。また、図27では、可動役物26が収納部に位置している場合を示しているとともに、遊技盤21の図示を省略している。
図27(a)、図27(b)に示すように、本実施例の可動役物26は、可動部材26aが1枚の板状部材からなる。可動部材26aは、各図柄表示装置24、25の前面側をほぼ覆うことができる大きさの板面を有している。可動部材26aは、可動していない場合(収納時)においては板面が水平となるように配置されている。本実施例の可動部材26aには、板面に絵柄が表示されている。なお、板面には、可動部材26aが水平状態になっている場合における上面と下面があり、各々の板面に異なる絵柄が表示されている。
可動部材26aの板面に表示される絵柄は遊技者が視認可能な識別情報であればよく、文字やキャラクタの絵柄など任意の絵柄を用いることができる。これらの絵柄は、演出効果を高めるために遊技状況に応じて使い分けることができる。本実施例では、可動部材26aが水平状態における上面には「CHANCE」からなる文字の絵柄が設けられており、下面には「WIN」からなる文字の絵柄が設けられている。
可動部材26aは、遊技機1の前後方向に移動可能になっており、後方側に移動した際には遊技盤20の奥側に収納された状態となり、前方側に移動した際には遊技盤20から突出した状態となる。可動部材26aは、前方側に移動して遊技盤20から突出した状態で、回転軸26bを中心として上下方向に回動可能となっている。可動役物26には、可動部材26aを遊技機1の前後方向に移動させ、さらに回転軸26bを中心に回動させるためのモータ26cが設けられている。
本実施例の可動役物26による演出制御は、図25のフローチャートで説明した上記第1実施例と同様であるので、S805とS809の処理における可動役物26の作動についてのみ説明する。図28は、可動役物26の作動を説明するための図であり、(a)は可動部材26aが遊技機1の前方に突出した状態を示し、(b)は可動部材26aが下側に回動した状態を示し、(c)は可動部材26aが上側に回動した状態を示している。図28(a)〜(c)は、それぞれの左側が正面図、右側が断面図となっており、モータ26cの図示を省略している。
演出制御におけるS805の処理では、可動部材26aを遊技機1の前方側に突出させ(図28(a)参照)、その後、下方に回動させて可動部材26aを第1図柄表示装置24の前面側に移動させる(図28(b)参照)。これにより、遊技者が注視していた第1図柄表示装置24の前面側が可動部材26aにより覆われ、第1図柄表示装置24の画面が視認不能となるとともに、可動部材26aの板面に表示された「CHANCE」からなる文字が遊技者から視認可能となる。
演出制御におけるS809の処理では、下方に回動していた可動役物26を上方に回動させ、可動役物26を第2図柄表示装置25の前面側に移動させる(図28(c)参照)。これにより、遊技者が注視していた第2図柄表示装置25の前面側が可動部材26aにより覆われ、第2図柄表示装置25の画面が視認不能となるとともに、可動部材26aの板面に表示された「WIN」からなる文字が遊技者から視認可能となる。
以上のように、可動部材26aが図柄表示装置24、25の前面側に移動した際に、可動部材26aに表示された絵柄が遊技者に視認可能とすることで、例えば遊技者に対して所望の情報(現在の遊技状態等)を報知することができ、興趣を向上させることができる。
また、可動役物26の可動部材26aの両面にそれぞれ異なる絵柄を表示し、遊技の進行に応じて可動役物26を作動させることで、図柄表示装置24、25の前面側に遊技状況に応じた絵柄を表示させることができる。これにより、1つの可動役物26で複数の演出を行うことができ、興趣を向上させることができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用したが、これに限らず、本発明は複数の図柄表示装置を有する遊技機であれば適用可能であり、アレンジボール遊技機(組合せ式遊技機)等にも適用可能である。
また、上記各実施例では、2つの図柄表示装置24、25が設けられた遊技機1を用いた例を説明したが、これに限らず、本発明は3以上の図柄表示装置が設けられた遊技機にも適用可能である。
また、上記各実施例では、可動役物26が図柄表示装置24、25の前面のほぼ全体を覆うように構成したが、これに限らず、図29に示すように可動役物26が図柄表示装置24、25の前面を横切るように構成してもよい。この場合には、可動役物26により図柄表示装置24、25の前面の一部のみが覆われることとなる。図29の例では、可動部材26aは、ワイヤ等で回転軸26bに接続されており、回転軸26bを中心に左右に揺動可能となっている。可動部材26aは、例えば遊技機固有のキャラクタの形状とすることができる。
また、上記各実施例では、遊技盤20上における可動役物26の収納部が各図柄表示装置24、25に挟まれた領域に設けられていたが、これに限らず、遊技盤20上における可動役物26の収納部は、各図柄表示装置24、25に挟まれた領域からずれていてもよく、可動役物26が各図柄表示装置24、25それぞれの前面側に移動可能な位置であればよい。
また、上記各実施例では、可動役物26が遊技盤20上の収納部から遊技の進行に応じて図柄表示装置24、25の前面に移動するように構成したが、これに限らず、可動役物26が移動していない際に複数の図柄表示装置24、25のいずれかの前面に常時位置しているように構成してもよい。これにより、複数の図柄表示装置24、25のいずれかの前面が可動役物26により常時覆われているようにすることができる。この場合、複数の図柄表示装置24、25の前面側が可動役物26の収納部となる。
また、上記各実施例では、遊技盤20上における可動役物26が収納部に収納されている場合でも遊技者から視認可能となっていたが、これに限らず、可動役物26が収納されている場合は、可動役物26が遊技者から視認不可能とすることとしてもよい。例えば、収納部前面に被覆部材を設けることとしてもよい。このようにすることで、可動部材26は移動した際のみ遊技者から視認可能となるので演出の興趣を高めることができる。
また、上記第2実施例では、可動部材26aに設けられる識別情報として絵柄を用いたが、これに限らず、識別図柄としてシールや点灯可能なランプ表示等を用いてもよい。
1…遊技機、20…遊技盤、21…遊技領域、24…第1図柄表示装置、25…第2図柄表示装置、26…可動役物、26a…可動部材(可動部材)、26b…回転軸、26c…モータ(可動部材移動手段)、28…始動口(普通電動役物)、33…大入賞装置、50…第1装飾部材、56…普通図柄表示部、60…第2装飾部材、62…特別図柄表示部、200…主制御部(抽選手段)、230…払出制御部、250…発射制御部、260…演出制御部、280…図柄制御部。