(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図23に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット10に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図10参照)が設けられている。なお、本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4a〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、遊技球の貸球ボタンや返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。
また、上皿部5には、2つの演出スイッチ5d、5eが設けられている。遊技者は、これらの演出スイッチ5d、5eを用いて演出用キャラクタの選択等を行い、演出に変化を付与することができる。
さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5fが形成されている。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図10参照)が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側の下面には、第2音声出力部6cが設けられている。
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に直列接続されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について図2を参照して説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤102(図6参照)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、演出図柄表示装置24、普通図柄作動ゲート26、始動口(普通電動役物)27、図柄表示装置28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
図2に示すように、演出図柄表示装置24は遊技領域21の略中央部に配置されている。演出図柄表示装置24は、任意の図柄を表示可能に構成されており、後述の疑似図柄表示領域25が設けられている。本例では、演出図柄表示装置24として10インチから15インチ程度の大型の液晶表示装置を用いている。
普通図柄作動ゲート26は、演出図柄表示装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート26の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ26sが設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過することで、後述の普通図柄が変動開始する。
始動口27は、図2に示すように演出図柄表示装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口27は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成されている。始動口27の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ27s(図7参照)と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド27c(図9参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。遊技球が始動口27を通過することで、後述の特別図柄が変動開始する。
図柄表示装置28は、演出図柄表示装置24の左下に配置されている。図3は、図柄表示装置28の拡大図である。図3に示すように、図柄表示装置28には、普通図柄表示部29、特別図柄表示部30、普通図柄保留表示部31、特別図柄保留表示部32が設けられている。図柄表示装置28の中央に特別図柄表示部30が配置され、特別図柄表示部30の右側に普通図柄保留表示部31が配置され、特別図柄表示部30の右側に特別図柄保留表示部32が配置され、普通図柄保留表示部31と特別図柄保留表示部32の下方に普通図柄保留表示部31が配置されている。
普通図柄表示部29は、左普通図柄が表示される左普通図柄表示領域29aと右普通図柄が表示される右普通図柄表示領域29bとから構成されている。左普通図柄表示領域29aと右普通図柄表示領域29bには、それぞれ普通図柄を表示するためのLEDが設けられており、左普通図柄表示領域29aは緑色に点灯可能であり、右普通図柄表示領域29bは赤色に点灯可能となっている。
普通図柄表示部29で表示される普通図柄の表示態様は、左普通図柄および右普通図柄が点灯、左普通図柄が点灯して右普通図柄が消灯、左普通図柄が消灯して右普通図柄が点灯、左普通図柄および右普通図柄が消灯の4態様がある。本実施例では、左普通図柄が消灯して右普通図柄が点灯する普通図柄の組合せが普通図柄の当り普通図柄の組合せとなっており、これ以外の組合せが普通図柄の外れ普通図柄の組合せとなっている。
普通図柄表示部29では、普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の組合せあるいは外れ普通図柄の組合せで停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の組合せで停止表示すると、始動口(普通電動役物)27が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過した際に、始動口(普通電動役物)27を作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部29で停止表示される普通図柄は、上記当り普通図柄の組合せに決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部29で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の組合せのいずれかに決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
本実施例の特別図柄は、特別図柄表示部30で表示される本特別図柄と演出図柄表示装置24で表示される疑似特別図柄とからなる。疑似特別図柄については後述する。なお、本実施例の疑似特別図柄は本発明の識別図柄の一具体例を示し、演出図柄表示装置24は本発明の可変表示手段の一具体例を示している。
特別図柄表示部30は、7セグメントからなる7セグ表示部30aと点表示部30bとが設けられている。本特別図柄は、7セグ表示部30aの表示と点表示部30bの表示を組み合わせて構成されている。7セグ表示部30aでは、「A」「y」「−(バー)」の3種類が点灯表示される。「A」は赤色、緑色、橙色のいずれかで表示され(それぞれ「赤A」「緑A」「橙A」という。)、「y」と「−(バー)」はそれぞれ緑色または赤色で表示される(それぞれ「緑y」「赤y」「緑バー」「赤バー」という。)。点表示部30bは、赤色、緑色、橙色のいずれかで点灯表示される。
本実施例の本特別図柄には、赤A橙点、赤A赤点、緑A赤点、緑A緑点、橙A赤点、橙A橙点、緑y赤点、緑y緑点、赤y橙点、赤y緑点、緑バー、赤バーの12種類の組合せがある。これらの本特別図柄の組合せのうち、赤A橙点、赤A赤点、緑A赤点、緑A緑点、橙A赤点、橙A橙点、緑y赤点、緑y緑点、赤y橙点、赤y緑点の10種類の組合せが大入賞装置(特別電動役物)33および条件装置が作動することとなる当り特別図柄の組合せであり、これら以外の組合せが外れ特別図柄の組合せである。以下、当り特別図柄を単に「当り図柄」ともいい、外れ特別図柄を単に「外れ図柄」ともいう。
条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、本特別図柄が当り特別図柄で停止表示することで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。役物連続作動装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、後述の大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする装置である。役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口33aが連続して開放する特別遊技状態(大当り状態)が開始される。なお、条件装置および役物連続作動装置は本発明の特別遊技状態発生手段の一具体例を示すものである。
特別図柄表示部30では、始動口27を遊技球が通過することにより本特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に本特別図柄が当り特別図柄の組合せあるいは外れ特別図柄の組合せで停止表示される。そして、本特別図柄が予め設定された当り特別図柄の組合せで停止表示すると、後述の大入賞装置(特別電動役物)33が作動開始する。
本実施例では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口27に入球した際に、条件装置を作動させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口27に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、特別図柄表示部30で停止表示される本特別図柄は、上記当り特別図柄の組合せのいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、特別図柄表示部30で停止表示される本特別図柄は、上記外れ特別図柄の組合せのいずれかに決定される。なお、特別図柄当否判定、本特別図柄の変動態様の決定、本特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
特別図柄表示部30で停止表示した本特別図柄が特定図柄(当り特別図柄)であった場合、主制御部200は遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。特別遊技状態は、後述の特別電動役物遊技処理(図21参照)が繰り返し実行されることによって実現される。
大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定開放時間(本実施例では30秒または0.2秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定ラウンドが終了したときに作動終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数が終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機1では、当り特別図柄の種類により2種類の特別遊技状態が用意されている。一方の特別遊技状態は、他方の特別遊技状態より大入賞口33aの開放回数(最高継続ラウンド数)が少なく、かつ、大入賞口33aの開放時間が短く設定されている。本実施例では、第1特別遊技状態の最高継続ラウンド数が15ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば30秒に設定され、第2特別遊技状態の最高継続ラウンド数が2ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば0.2秒に設定されている。以下、第1特別遊技状態を「15R当り」、第2特別遊技状態を「2R当り」ともいう。
また、本実施例の遊技機1は、役物連続作動装置の作動終了後に主制御部200により行われる機能として、普通図柄および特別図柄の変動時間を短縮させる図柄変動時間短縮機能、始動口(普通電動役物)27の開放時間を延長させる始動口開放延長機能、特別図柄当否判定の確率(特別図柄が当り特別図柄の組合せで停止表示する確率)を変更(向上)させる確率変動機能が設けられている。本実施例の遊技機1では、これらの各機能の作動状態によって、複数種類の遊技モードが設けられている。
本実施例の遊技機1は、上述の特別遊技状態が発生していない場合の遊技モードとして、低確率通常モード、高確率通常モード、低確率時短モード、高確率時短モードからなる4種類の遊技モードが用意されている。これらの遊技モードは、上述の図柄変動時間短縮機能、始動口開放延長機能、確率変動機能の作動の有無によって区別される。低確率通常モードは、上記各機能のいずれも作動していない遊技モードである。高確率通常モードは、上記各機能のうち確率変動機能のみが作動している遊技モードである。低確率時短モードは、上記各機能のうち始動口開放延長機能と図柄変動時間短縮機能が作動している遊技モードである。高確率時短モードは、上記各機能のうち始動口開放延長機能と図柄変動時間短縮機能と確率変動機能が作動している遊技モードである。後述の主制御部200が、複数の遊技モードから特定の遊技モードを選択する。
次に、演出図柄表示装置24で表示される疑似特別図柄について説明する。図4、図5(a)、図5(b)は、演出図柄表示装置24の画面表示例を示している。図4、図5(a)、図5(b)に示すように、演出図柄表示装置24の図柄表示部には、複数の疑似特別図柄(識別図柄)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する疑似特別図柄表示領域25が設けられている。本実施例では、疑似特別図柄表示領域25で表示される疑似特別図柄の内容が異なる2種類の図柄表示モードが設定されている。具体的には、図4に示す第1図柄表示モードと、図5(a)、図5(b)に示す第2図柄表示モードが設定されている。なお、疑似特別図柄表示領域25が本発明の識別図柄表示領域に相当している。
本実施例の疑似特別図柄表示領域25では、左図柄を表示する左図柄表示領域25a、中図柄を表示する中図柄表示領域25b、右図柄を表示する右図柄表示領域25cからなる3つの図柄表示領域が設けられている。図4に示す第1図柄表示モードでは、各図柄表示領域25a〜25cは疑似特別図柄をそれぞれ1個ずつ表示可能とされており、合計3個の疑似特別図柄が表示可能となっている。図5に示す第2図柄表示モードでは、各図柄表示領域25a〜25cは疑似特別図柄をそれぞれ3個ずつ表示可能とされており、合計9個の疑似特別図柄が表示可能となっている。
各図柄表示領域25a〜25cは、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域25a〜25cは、「0」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。なお、疑似特別図柄の変動態様および停止図柄の決定は、後述の演出制御部260によって行われる。
遊技球が始動口27に入球することにより、演出図柄表示装置24の疑似特別図柄表示領域25に表示される各疑似特別図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に停止表示される。疑似特別図柄表示領域25で停止表示される疑似特別図柄は、上述の特別図柄当否判定にて当りと判定された場合には、例えば「7・7・7」からなる3桁同一の疑似当り図柄の組合せに決定され、特別図柄当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当り図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。なお、疑似特別図柄の停止表示態様(停止図柄)が示す特別図柄当否判定結果は、上記本特別図柄の停止表示態様(停止図柄)が示す特別図柄当否判定結果と同様の結果を示すものであり、両者に矛盾が生じることはない。以下、疑似当り図柄を単に「当り図柄」ともいい、疑似外れ図柄を単に「外れ図柄」ともいう。
図4、図5(a)、図5(b)における破線は、疑似当り図柄の組合せを表示可能な図柄組合せラインを示している。図4に示す第1図柄表示モードと図5(a)、図5(b)に示す第2図柄表示モードでは、図柄組合せライン数が異なっている。本実施例では、第1図柄表示モードは、図柄組合せラインが左右方向の1ラインのみとなっており、第2図柄表示モードは、図柄組合せラインが、上段左右方向の図柄組合せラインA、中段左右方向の図柄組合せラインB、下段左右方向の図柄組合せラインC、右上から左下に向かう斜め方向の図柄組合せラインD、右下から左上に向かう斜め方向の図柄組合せラインEの5ラインとなっている。
図5(a)、図5(b)に示す例では、5本の図柄組合せラインのいずれかで疑似当り図柄の組合せが表示された場合に大当りとなる。図5(a)は、図柄組合せラインDで疑似当り図柄の組合せが表示された例を示しており、図5(b)は、図柄組合せラインBで疑似当り図柄の組合せが表示された例を示している。
図4に示す第1図柄表示モードと、図5(a)、図5(b)に示す第2図柄表示モードの切り替えは、上述の確率変動機能の作動状態にしたがって後述の演出制御部260により行われる。具体的には、確率変動機能が作動していない場合には、図4に示す第1図柄表示モードとなり、確率変動機能が作動している場合には、図5(a)、図5(b)に示す第2図柄表示モードとなる。
本実施例の遊技機1は、演出図柄表示装置24の疑似特別図柄表示領域25で疑似特別図柄を用いたリーチ表示を行うことができるように構成されている。リーチ表示とは、疑似特別図柄の変動表示中に、最終停止図柄となる疑似特別図柄以外の疑似特別図柄が、大当りとなる特定の図柄の組合せと一致している状態で停止している状態のように、疑似特別図柄が停止表示される前で大当り可能性が継続している状態において行われる演出表示のことを指す。例えば、左図柄、中図柄、右図柄のように、図柄組合せライン上に3個配置される表示図柄が、左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。本実施例の遊技機1では、図柄表示部25の疑似特別図柄によるリーチ表示は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ表示を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。なお、図5に示す第2図柄表示モードでは、複数の図柄組合せラインのそれぞれでリーチ表示が可能であり、同時に複数ラインでのリーチ表示が可能となっている。
図3に戻り、普通図柄保留表示部31は4個のLEDからなり、普通図柄変動中に普通図柄作動ゲート26を通過した遊技球の数を4個まで保留可能とし、通過毎にLEDが1つずつ点灯し普通図柄保留数を表示するものである。次回の変動表示が開始するたびに未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留表示部31のLEDが1つずつ消灯し普通図柄保留数が1個ずつ減少する。
特別図柄保留表示部32は4個のLEDからなり、特別図柄変動中に始動口27に入球した遊技球の数を4個まで保留可能とし、入球毎に通過毎にLEDが1つずつ点灯し特別図柄保留数を表示するものである。次回の特別図柄の変動が開始するたびに未始動回数が消化され、特別図柄保留表示部32のLEDが1つずつ消灯し特別図柄保留数が1個ずつ減少する。
図2に戻り、大入賞装置33は、上記始動口27の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図9参照)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ33s(図9参照)とから主に構成されている。なお、大入賞口33aが本発明の可変入球口の一具体例を示している。
大入賞装置33の左斜め上方には、第1の左入賞口34及び第2の左入賞口35がそれぞれ設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ34s、35s(図9参照)が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、第2の右入賞口36と第2の右入賞口37とが設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ36s、37b(図9参照)が設けられている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図6に基づいて説明する。図6は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
図6に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。賞球タンク105内の遊技球は、賞球タンク105の底部からタンクレール106を流下する。
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
タンクレール106の下方には、前面側に演出図柄表示装置24が取り付けられ、背面側にランプインターフェース基板ケース112、図柄制御基板ケース113、演出制御基板ケース114がそれぞれ取り付けられた裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース115が設けられ、主制御基板ケース115の下方には電源基板ケース116が設けられ、裏機構盤102の右下方部には、払出制御基板ケース118が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
裏機構盤102の右上方部には、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図7に基づいて説明する。図7は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、演出制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。
主制御部200は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出制御部260には、各種図柄制御コマンドが送信される。
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
図8は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図8に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
図7に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、始動口入賞検知スイッチ27s、普通図柄作動ゲート検知スイッチ26s、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。始動口入賞検知スイッチ27sは、始動口27に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ26sは、普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過したことを検知するものである。
次に、盤面中継基板210を図9に基づいて説明する。図9は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図9に示すように、盤面中継基板210には、図柄表示装置駆動基板211、入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37s、大入賞口入球検知スイッチ33s、各種ソレノイド27c、33cが接続されている。
図柄表示装置駆動基板211は、普通図柄表示装置27および特別図柄表示装置29を作動させるものである。入賞口通過検知スイッチ34s、35s、36s、37sは、各入賞口34、35、36、37への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ33sは、大入賞口33aに遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド27c、33cとしては、始動口27を開閉するための始動口ソレノイド27c、大入賞口を開閉するための大入賞口ソレノイド33c等がある。
次に、図7に戻り、払出制御部230について説明する。図7に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図8で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
次に、演出制御部260を図10に基づいて説明する。図10は、演出制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。演出制御部260に設けられた演出制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
図10に示すように、演出制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、演出制御基板260aから独立した別基板として構成されている。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、演出制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。
また、演出制御部260には、モード切替スイッチ268および演出スイッチ5d、5eが接続されている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、演出図柄表示装置24における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。演出スイッチ5d、5eは、遊技者が遊技中に操作することで、演出図柄表示装置24における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことを可能とするものである。
次に、図柄制御部280を図11に基づいて説明する。図11は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて演出制御部260に接続されている。
図11に示すように、図柄制御部280には、演出図柄表示装置24を作動させる演出図柄表示装置駆動基板281が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出図柄表示装置24の表示制御を行う。図柄制御部280による演出図柄表示装置24の表示制御は、演出制御部260からのコマンドに基づいて行われる。また、図柄制御基板280aのROMには、演出図柄表示装置24で表示される演出用の図柄画像データが格納されている。
演出制御部260は、主制御部200から特別図柄の変動に関する図柄制御コマンドを受け取り、これらのコマンドに基づいて演出図柄表示装置24で表示される疑似特別図柄の表示制御を行うように構成されている。具体的には、演出制御部260は、主制御部200から送信される特別図柄の変動時間に関する情報を含む演出パターン指定コマンド、および特別図柄表示部30における本特別図柄の停止表示態様に関する情報を含む特図情報指定コマンドを解析して、図12、図13に示す図柄制御コマンドを図柄制御部280に送信する。図柄制御部280は、演出制御部260から受け取った図柄指定コマンドにより指定された疑似特別図柄を演出図柄表示装置24の疑似特別図柄表示領域25に停止表示させるように構成されている。なお、演出制御部260が本発明の図柄表示モード切替手段を有する図柄表示制御手段に相当している。また、後述のS802の処理が本発明の図柄データ準備手段に相当し、後述のS804、S806の処理が図柄データ削除手段に相当し、後述のS805、S807の処理が本発明の停止図柄設定手段に相当している。
図12、図13は、演出制御部260から図柄制御部280に送信される図柄指定コマンドの例を示している。図柄指定コマンドは、疑似特別図柄表示領域25で変動表示された疑似特別図柄の停止図柄を指定するものであり、図柄制御部280は図柄指定コマンドにより指定された疑似特別図柄を疑似特別図柄表示領域25に停止表示させる。図12は、図4に示した第1図柄表示モード(図柄組合せラインが1ライン)の図柄指定コマンドであり、図13は、図5に示した第2図柄表示モード(図柄組合せラインが5ライン)の図柄指定コマンドである。
図12、図13に示すように、図柄指定コマンドは、左図柄表示領域25aに表示される疑似特別図柄を指定する左図柄指定コマンド、中図柄表示領域25bに表示される疑似特別図柄を指定する中図柄指定コマンド、右図柄表示領域25cに表示される疑似特別図柄を指定する右図柄指定コマンドからなる。これらの図柄指定コマンドは、「上位バイト」と「下位バイト」からなる2バイトのデータから構成されている。また、「図柄順序」は、疑似特別図柄表示領域25で疑似特別図柄が変動表示される際に、各疑似特別図柄が表示される順序を示し、「図柄」は、疑似特別図柄表示領域25に表示される図柄の種類を示している。
図12、図13に示すように、左図柄指定コマンド、中図柄指定コマンド、右図柄指定コマンドは、同一形態で設定されている。各図柄指定コマンドは、疑似特別図柄表示領域25で変動表示される疑似特別図柄に対応して設定されている。各図柄指定コマンドの配列順序は、疑似特別図柄表示領域25で変動表示される疑似特別図柄の表示順序と対応して昇順となっている。このように、疑似特別図柄表示領域25における疑似特別図柄の出現順序と図柄指定コマンドの配列順序を一致させることで、図柄制御プログラムの設計が行いやすくなるという利点がある。
図12に示す第1図柄表示モードの場合には、疑似特別図柄表示領域25には10個の数字図柄「0」〜「9」からなる10個の疑似特別図柄が表示可能となっている。第1図柄表示モードでは、各疑似特別図柄表示領域25a〜25cにおける数字図柄の表示順序は、小さい数字から大きい数字が順に表示されるようになっている。
図13に示す第2図柄表示モードの場合には、疑似特別図柄表示領域25には10個の数字図柄「0」〜「9」と、9個のブランク図柄「*」が交互に表示可能となっており、合計19個の疑似特別図柄を表示可能となっている。第2図柄表示モードのように図柄組合せラインが複数存在する場合に、各図柄表示領域25a〜25cで疑似特別図柄の表示順序が一致していると、複数の図柄組合せラインで当り図柄の組合せが発生する可能性がある。このため、第2図柄表示モードでは、各図柄表示領域25a〜25cで疑似特別図柄の表示順序が一致しないように構成されている。
第2図柄表示モードでは、疑似特別図柄表示領域25における疑似特別図柄(数字図柄)の表示順序は、左図柄表示領域25aでは、小さい数字から大きい数字が順に表示されるようになっており、中図柄表示領域25bと右図柄表示領域25cでは、大きい数字から小さい数字が順に表示されるようになっている。つまり、第1図柄表示モードから第2図柄表示モードに切り替わる場合には、各数字図柄「0」〜「9」の間にブランク図柄「*」が追加されるとともに、中図柄表示領域25bと右図柄表示領域25cでは、数字図柄の表示順序が逆になる。
図12に示す第1図柄表示モードの場合には、左図柄指定コマンドがB0H00H〜B0H09H、中図柄指定コマンドがB1H00H〜B1H09H、右図柄指定コマンドがB2H00H〜B2H09Hとなっており、10個の疑似特別図柄に対応する10個の下位バイト00H〜09Hがそれぞれ設定されている。図13に示す第2図柄表示モードの場合には、左図柄指定コマンドがB0H00H〜B0H12H、中図柄指定コマンドがB1H00H〜B1H12H、右図柄指定コマンドがB2H00H〜B2H12Hとなっており、19個の疑似特別図柄に対応する19個の下位バイト00H〜12Hがそれぞれ設定されている。
第2図柄表示モードの場合には、図5に示すように5本の図柄組合せラインA〜Eが存在する。このため、図柄指定コマンドによって、いずれの図柄組合せラインA〜Eで停止表示される疑似特別図柄が指定されるかを設定する必要がある。本実施例では、中段左右方向の図柄組合せラインBが図柄指定コマンドにより停止図柄が指定される停止基準ラインとして予め設定されている。これにより、いずれの図柄組合せラインA〜Eで疑似当り図柄の組合せが表示される場合であっても、演出制御部260は、停止基準ラインとしての図柄組合せラインBで停止表示される疑似特別図柄を指定する図柄指定コマンドのみを決定し、図柄制御部280に送信すればよい。
図柄指定コマンドは、次のように決定される。図4に示す例のように、第1図柄表示モードにおいて停止図柄が「7・7・7」の場合には、左図柄指定コマンドが「7」に対応するB0H07H、中図柄指定コマンドが「7」に対応するB1H07H、右図柄指定コマンドが「7」に対応するB2H07Hとなる。図5(a)に示す例のように、第2図柄表示モードにおいて図柄組合せラインDの停止図柄が「7・7・7」の場合には、左図柄指定コマンドが「7」と「8」の間の「*」に対応するB0H0FH、中図柄指定コマンドが「7」に対応するB1H04H、右図柄指定コマンドが「8」と「7」の間の「*」に対応するB2H03Hとなる。図5(b)に示す例のように、第2図柄表示モードにおいて図柄組合せラインBの停止図柄が「7・7・7」の場合には、左図柄指定コマンドが「7」に対応するB0H0EH、中図柄指定コマンドが「7」に対応するB1H04H、右図柄指定コマンドが「7」に対応するB2H04Hとなる。
図12、図13に示す図柄指定コマンドは演出制御部260のROMに予め格納されており、特別図柄が変動開始する毎にRAMに格納されて使用される。演出制御部260のRAMには、図12に示す第1図柄表示モードの場合の図柄指定コマンド(B0H00H〜B0H09H、B1H00H〜B1H09H、B2H00H〜B2H09H)と、図13に示す第2図柄表示モードの場合の図柄指定コマンド(B0H00H〜B0H12H、B1H00H〜B1H12H、B2H00H〜B2H12H)を格納できる領域が予め確保されている。なお、演出制御部260のRAMが本発明の作業用記憶領域に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図14〜図22のフローチャートに基づいて説明する。図14は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図14に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は2msに設定されている。
電源投入処理S100を図15のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S101)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。
次に、RAMクリアスイッチが押されている場合、あるいは、RAMにバックアップフラグ(電源断の発生情報)が設定されていない場合には、電源投入時と判定してRAM初期化処理を行い、その後リターンする(S102、S103、S104)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
一方、RAMにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したRAMの内容からチェックサムを算出して(S105)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(S106)。これらのチェックサムが一致しない場合にはRAMの内容が壊れていると判定し、上記S104のRAM初期化処理を行う。RAMの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
次に、遊技開始処理S200を図16のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
次に、S204〜S207の賞球制御を行う。まず、入賞口スイッチにより各入賞口をチェックし、遊技球が入賞口に入賞した場合には、入賞検知情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、保存した賞球検知情報がある場合には、払出制御部230に獲得遊技球に対応した賞球数指定コマンドを送信する(S206、S207)。
次に、普通図柄遊技処理S300を図17のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ26sにより、遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過したか否かを判定する(S301)。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート26を通過したと判定された場合には(S301:YES)、普通図柄表示装置27の作動保留数が4未満であるか否かを判定し(S302)、普通図柄保留数が4未満の場合には(S302:YES)、普通図柄当否判定用の乱数を記憶する(S303)。
次に、始動口(普通電動役物)27が作動中か否かを判定し(S304)、始動口(普通電動役物)27が作動中であると判定された場合には(S304:YES)、そのままリターンし、始動口(普通電動役物)27が作動中でないと判定された場合には(S304:NO)、普通図柄が変動中か否かを判定する(S305)。この結果、普通図柄が変動中でないと判定された場合には(S305:NO)、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定し(S306)、普通図柄表示時間中であると判定された場合には(S306:NO)、後述のS314の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には(S306:YES)、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する(S307)。
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は(S307:YES)、そのままリターンし、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は(S307:NO)、普通図柄当否判定を行い(S308)、普通図柄の変動時間を設定する(S309)。図柄変動時間短縮機能が作動中の場合は、図柄変動時間短縮機能作動時の普通図柄変動時間を設定し、図柄変動時間短縮機能が作動中でない場合は、図柄変動時間短縮機能未作動時の普通図柄変動時間を設定する。そして、普通図柄の変動を開始する(S310)。
上記S305で普通図柄が変動中であると判定された場合には(S305:YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S311)、普通図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S311:NO)、そのままリターンする。一方、普通図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S311:YES)、普通図柄の変動を停止し(S312)、普通図柄の停止表示間を設定する(S313)。
次に、普通図柄の停止表示間が経過したか否かを判定し(S314)、普通図柄の停止表示間が経過していないと判定された場合には(S314:NO)、そのままリターンし、普通図柄の停止表示間が経過していると判定された場合には(S314:YES)、普通図柄の停止図柄が始動口(普通電動役物)27を作動させることとなる当り図柄の組合せか否かを判定する(S315)。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S315:NO)、そのままリターンする。
普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には(S315:YES)、始動口(普通電動役物)27の作動時間を設定する(S316)。始動口開放延長機能が作動している場合には、始動口開放延長機能作動時の始動口作動時間(例えば5.4秒)を設定し、始動口開放延長機能が作動していない場合には、始動口開放延長機能未作動時の始動口作動時間(例えば0.1秒)を設定する。そして、始動口(普通電動役物)27の作動を開始させる(S317)。
次に、普通電動役物遊技処理S400を図18のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口(普通電動役物)27が作動中であるか否かを判定し(S401)、始動口(普通電動役物)27が作動中でないと判定された場合には(S401:NO)、そのままリターンする。一方、始動口(普通電動役物)27が作動中であると判定された場合には(S401:YES)、始動口(普通電動役物)27の作動時間が経過したか否かを判定し(S402)、始動口(普通電動役物)27の作動時間が経過していないと判定された場合には(S402:NO)、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する(S403)。
この結果、始動口(普通電動役物)27に規定入賞数の入賞がないと判定された場合は(S403:NO)、そのままリターンし、始動口(普通電動役物)27に規定入賞数の入賞があったと判定された場合と(S403:YES)、始動口(普通電動役物)27の作動時間が経過していると判定された場合には(S402:YES)、始動口(普通電動役物)27の作動を停止する(S404)。
次に、特別図柄遊技処理S500を図19のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口27に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口27に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示装置29の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用の乱数を記憶する(S503)。
次に、条件装置が作動中であるか否かを判定する(S504)。ここで条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別遊技状態の発生条件が満たされた場合に作動を開始する装置である。なお、条件装置は、主制御部200のCPUにより構成されている。次に、条件装置が作動中であると判定された場合には(S504:YES)、そのままリターンし、条件装置が作動中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS516の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのままリターンし、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S508)。この結果、確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S508:YES)、確率変動時の当否判定を行い(S509)、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S508:NO)、非確率変動時の当否判定を行う(S510)。
次に、特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S511)。この特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無を規定するものである。ここで、特別図柄変動パターン決定処理S511を図20のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別図柄当否判定が確変当りか否かを判定する(S511a)。この結果、特別図柄当否判定が確変当りである判定された場合には(S511a:YES)、確変当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511b)。
S511aの判定処理で特別図柄当否判定が確変当りでないと判定された場合には(S511a:NO)、特別図柄当否判定が通常当りか否かを判定する(S511d)。この結果、特別図柄当否判定が通常当りであると判定された場合には(S511d:YES)、通常当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511e)。
S511dの判定処理で、特別図柄当否判定が通常当りでないと判定された場合には(S511d:NO)、特別図柄当否判定が特定当りか否かを判定する(S511f)。この結果、特別図柄当否判定が特定当りか否かであると判定された場合には(S511f:YES)、特定当り用の停止図柄と変動パターンを決定する(S511g)。
S511fの判定処理で特別図柄当否判定が特定当りでないと判定された場合には(S511f:NO)、特別図柄当否判定の結果が外れであり、抽選によりリーチ演出を行うか否かの決定処理を行い(S511i)、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄とその変動パターンを決定する(S511j)。
次に、図19に戻り、特別図柄の変動を開始する(S512)。そして、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S513)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S513:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S513:YES)、特別図柄の変動を停止し(S514)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S515)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S516)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S516:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S516:YES)、特別図柄の停止図柄が条件装置を作動させることとなる当り図柄の組合せであるか否かを判定する(S517)。
この結果、特別図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には(S517:YES)、条件装置の作動を開始させ(S518)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S519)。ここで、役物連続作動装置とは、閉鎖された大入賞口33aを開口させる動作を連続的に行う装置である。なお、役物連続作動装置は、主制御部200のCPUにより構成されている。また、役物連続作動装置の作動開始にあたって、主制御部200のCPUは、大入賞口33aの開放時間と大入賞装置33の連続作動回数を設定する。具体的には、特別図柄当否判定が確変当りまたは通常当りの場合(特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または通常当り図柄の場合)、大入賞口33aの開放時間を28秒、大入賞装置33の連続作動回数を15回にそれぞれ設定する。また、特別図柄当否判定が特定当りの場合(特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の場合)、大入賞口33aの開放時間を0.2秒、大入賞装置33の連続作動回数を2回にそれぞれ設定する。
次に、確率変動機能が作動中であるか否かを判定し(S520)、確率変動機能が作動中であると判定された場合は(S520:YES)、確率変動機能を作動停止させ(S521)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S517で特別図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S517:NO)、図柄変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S524)。この結果、図柄変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S524:NO)、そのままリターンし、図柄変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S524:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S525)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S526)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数に到達していないと判定された場合には(S526:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数に到達したと判定された場合には(S526:YES)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S520で確率変動機能が作動中でないと判定された場合は(S520:NO)、図柄変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S527)。この結果、図柄変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S527:NO)、そのままリターンし、図柄変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S527:YES)、図柄変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、始動口開放延長機能を作動停止させる(S523)。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図21のフローチャートに基づいて説明する。まず、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定し(S601)、役物連続作動装置が作動中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、役物連続作動装置が作動中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していると判定された場合と(S604:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が予め設定された所定回数未満であるか否かを判定する(S606)。この結果、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が所定回数未満であると判定された場合には(S606:YES)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、大入賞装置(特別電動役物)33の連続作動回数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:NO)、役物連続作動装置の作動を停止し(S609)、条件装置の作動を停止する(S610)。これにより、特別遊技状態が終了する。そして、条件装置作動の契機となった特別図柄の停止図柄が確率変動機能を作動させる確変当り図柄または特定当り図柄の組合せか否かを判定する(S611)。この結果、特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または特定当り図柄であると判定された場合には(S611:YES)、遊技モードが高確率時短モードまたは高確率通常モードとなるので確率変動機能を作動開始させる(S612)。
次に、条件装置作動の契機となった特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の組合せか否かを判定する(S613)。この結果、特別図柄の停止図柄が特定当り図柄の組合せであると判定された場合には(S613:YES)、条件装置作動開始時に始動口開放延長機能が作動していたか、すなわち遊技モードが低確率時短モードまたは高確率時短モードであったか否かを判定する(S614)。
この結果、始動口開放延長機能が作動していたと判定された場合には(S614:YES)、遊技モードは高確率時短モードとなり、図柄変動時間短縮機能を作動開始させ(S615)、始動口開放延長機能を作動開始させる(S616)。一方、始動口開放延長機能が作動していないと判定された場合には(S614:NO)、遊技モードは高確率通常モードとなり、そのままリターンする。これにより、特定当り発生時には、条件装置作動前の図柄変動時間短縮機能と始動口開放延長機能の作動状態が維持される。
S611の判定処理で特別図柄の停止図柄が確変当り図柄または特定当り図柄でないと判定された場合には(S611:NO)、遊技モードが低確率時短モードとなるので、図柄変動時間短縮機能を作動開始させ(S615)、始動口開放延長機能を作動開始させる(S616)。
次に、電源断発生処理S700を図22のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S701、S702)。次に、払出モータを停止し(S703)、チェックサムを算出して保存し(S704)、バックアップフラグをセットする(S705)。次に、RAMへのアクセスを禁止し(S706)、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行い、ウォッチドッグのリセットを繰り返し行う(S707)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
次に、演出制御部260が行う疑似特別図柄の変動開始から変動停止までの図柄変動制御について図23を用いて説明する。図23は演出制御部260のCPUがROMの格納されたプログラムにしたがって行う図柄変動制御の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御部200から演出パターン指定コマンドを受信する(S800)。演出パターン指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の変動時間やリーチ演出の有無に関する情報を含んでいる。この演出パターン指定コマンドは、特別図柄遊技処理S500の中で主制御部200から演出制御部260に送信されるものである。
次に、特図情報指定コマンドを受信する(S801)。特図情報指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドであり、特別図柄が通常当り図柄、特定当り図柄、確変当り図柄、外れ図柄のいずれで停止するかに関する情報が含まれている。演出制御部260は、この本特別図柄の停止図柄を認識することによって、特別図柄当否判定の結果が当り判定であるか否かを認識することができる。
次に、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンド(図12参照)と第2図柄表示モード用の図柄指定コマンド(図13参照)をRAMに格納する(S802)。
次に、第1図柄表示モードか否かを判定する(S803)。この結果、第1図柄表示モードであると判定された場合には(S803:YES)、S802でRAMに格納したコマンドのうち不要となった第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドを削除する(S804)。これにより、演出制御部260のRAMには、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドのみが格納されることとなる。そして、S801で主制御部200から受信した特図情報指定コマンドに基づいて停止図柄指定コマンドを決定する(S805)。ここでは、特図情報指定コマンドから特定される本特別図柄の種類(通常当り図柄、特定当り図柄、確変当り図柄、外れ図柄)に対応する疑似特別図柄の組合せを決定し、この疑似特別図柄の組合せに対応する図柄指定コマンドをS802でRAMに格納した第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドから選択する。停止図柄指定コマンドは、左図柄表示領域25aに停止表示される左図柄を指定する左図柄指定コマンド、中図柄表示領域25bに停止表示される中図柄を指定する中図柄指定コマンド、右図柄表示領域25cに停止表示される右図柄を指定する右図柄指定コマンドから構成されている。
一方、S803の判定処理で第1図柄表示モードでないと判定された場合には(S803:NO)、第2図柄表示モードであるので、S802でRAMに格納したコマンドのうち不要となった第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドを削除する(S806)。これにより、演出制御部260のRAMには、第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドのみが格納されることとなる。そして、S801で主制御部200から受信した特図情報指定コマンドに基づいて停止図柄指定コマンドを決定する(S807)。ここでは、特図情報指定コマンドから特定される本特別図柄の種類(通常当り図柄、特定当り図柄、確変当り図柄、外れ図柄)に対応する疑似特別図柄の組合せを決定する。当り図柄(通常当り図柄、特定当り図柄、確変当り図柄)の場合には、いずれの図柄表示ラインA〜Eで当り図柄の組合せを表示させるかを決定する。そして、停止基準ライン(図柄表示ラインB)で停止表示される疑似特別図柄の組合せに対応する図柄指定コマンドをS802でRAMに格納した第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドから選択する。
次に、S800で主制御部200から受信した演出パターン指定コマンドとS805またはS807で決定した停止図柄指定コマンドを図柄制御部280に送信する(S808)。これにより、図柄制御部280は、演出図柄表示装置24における疑似特別図柄表示領域25で疑似特別図柄の変動表示を開始する。
次に、主制御部200から図柄停止指定コマンドを受信した場合には、この図柄停止指定コマンドをそのまま図柄制御部280に送信する。これにより、図柄制御部280は、S808で指定された停止図柄指定コマンドにより指定された疑似特別図柄の組合せで疑似特別図柄を停止表示させる。
図24は、従来の遊技機における一般的な図柄変動制御の流れを示すフローチャートである。図24は、図23の図柄制御に対する比較例であり、図23のフローチャートと対応するステップは同一の符号を付している。以下、図24のフローチャートにおける図23との相違点について説明する。
図23のフローチャートでは、第1図柄表示モードと第2図柄表示モードの共通の処理として、RAMに予め設定された領域に、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドと第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納し(S802)、第1図柄表示モードと第2図柄表示モードのそれぞれ固有の処理として、不要な図柄指定コマンドを削除する(S804、S806)。これに対し、図24のフローチャートでは、第1図柄表示モードの固有の処理として、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納するための領域をRAMに形成し(S802A)、このRAMの領域に第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納する(S802B)。さらに、第2図柄表示モードの固有の処理として、第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納するための領域をRAMに形成し(S802C)、このRAMの領域に第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納する(S802D)。S802AとS802CのRAM領域形成処理では、第1図柄表示モードと第2図柄表示モードで、それぞれ図柄指定コマンドの数が異なるので、図柄指定コマンドを格納するために必要となるRAMの領域の大きさも異なるものとなる。
また、図23のフローチャートでは、第1図柄表示モードと第2図柄表示モードの共通の処理として、演出パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドを図柄制御部280に送信する(S808)。これに対し、図24のフローチャートでは、第1図柄表示モードの固有の処理として、演出パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドを図柄制御部280に送信し(S808A)、第2図柄表示モードの固有の処理として、演出パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドとライン指定コマンドを図柄制御部280に送信する(S808B)。ここで、「ライン指定コマンド」は、図柄組合せラインA〜Eのいずれを図柄指定コマンドにより停止図柄が指定される停止基準ラインとして設定するかを指定するコマンドである。
以上、本実施例のように、演出制御部260のRAMに、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドと第2図柄表示モード用の図柄指定コマンドを格納し、第1図柄表示モードと第2図柄表示モードのそれぞれ固有の処理として、不要な図柄指定コマンドを削除するように構成することで、図柄組合せライン数が異なる各図柄表示モードで、それぞれ固有の処理が少なくなっている。これにより、演出制御部260による図柄表示制御処理を簡素化でき、演出制御部260の処理負担を軽減することができる。
また、第1図柄表示モード用の図柄指定コマンドと第2図柄表示モード用の双方の図柄指定コマンドをRAMに格納したままの状態の場合には、RAMに格納された図柄指定コマンドを選択する際に、現在の図柄表示モードを判定し、現在の図柄表示モードに応じた図柄指定コマンドを選択する必要がある。これに対し、本実施例のようにRAMに格納した図柄指定コマンドのうち不要な図柄指定コマンドを削除するように構成することで、図柄指定コマンドを選択する際に現在の図柄表示モードを判定する必要がない。
また、本実施例の遊技機1では、停止基準ラインが予め設定されているので、図柄組合せラインが5ラインの第2図柄表示モードの場合にも、停止図柄指定コマンドは1ライン分のみを設定するだけでよい。つまり、疑似図柄表示領域25に表示される9個のすべてを指定する必要がない。また、図24で示した従来例のように、特別図柄の変動毎に停止基準ラインを指定する必要がなく、演出制御部260から図柄制御部280に、特別図柄の変動毎に停止基準ラインを指定するライン指定コマンドを送信する必要もない。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図25〜図28に基づいて説明する。本第2実施例は、上記第1実施例と比較して、疑似特別図柄表示領域25における第2図柄表示モードの図柄表示内容が異なっている。第1図柄表示モードの画面表示例、図柄指定コマンドは上記第1実施例(図4、図12参照)と共通しているので説明を省略する。
図25は本第2実施例における第2図柄表示モードの演出図柄表示装置24の画面表示例を示し、図26は図柄指定コマンドを示している。図25(a)に示す例では、図柄組合せラインDで当り図柄の組合せが表示されており、図25(b)に示す例では、図柄組合せラインBで当り図柄の組合せが表示されている。
図25、図26に示す例では、第2図柄表示モードは、第1図柄表示モードと同様、疑似特別図柄は数字図柄「0」〜「9」のみから構成され、ブランク図柄「*」が用いられていない。さらに、図25、図26に示す例では、左図柄表示領域25aと右図柄表示領域25cにおける図柄の表示順序が第1図柄表示モードと逆になっている。このため、第1図柄表示モードから第2図柄表示モードに切り替わる場合には、左図柄表示領域25aと右図柄表示領域25cでは、数字図柄の表示順序が逆になる。
図27は本第2実施例における第2図柄表示モードの演出図柄表示装置24の他の画面表示例を示し、図28は図柄指定コマンドを示している。図27(a)に示す例では、図柄組合せラインDで当り図柄の組合せが表示されており、図27(b)に示す例では、図柄組合せラインBで当り図柄の組合せが表示されている。
図27、図28に示す例でも、第2図柄表示モードは、第1図柄表示モードと同様、疑似特別図柄は数字図柄「0」〜「9」のみから構成され、ブランク図柄「*」が用いられていない。さらに、図27、図28に示す例では、中図柄表示領域25bにおける図柄の表示順序が第1図柄表示モードと逆になっている。このため、第1図柄表示モードから第2図柄表示モードに切り替わる場合には、中図柄表示領域25bでは、数字図柄の表示順序が逆になる。
以上のような本第2実施例の構成においても、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用したが、これに限らず、本発明は可変表示装置で複数種類の識別図柄を表示する図柄表示モードを有する遊技機であれば適用可能であり、アレンジボール遊技機(組合せ式遊技機)等にも適用可能である。
また、上記実施例では、演出図柄表示装置24の疑似特別図柄表示領域25では、疑似特別図柄が上下方向(縦方向)に変動したが、これに限らず、疑似特別図柄が左右方向(横方向)に変動するように構成してもよい。
また、上記実施例では、演出図柄表示装置24の疑似特別図柄表示領域25における疑似特別図柄の組合せ表示ライン数を1ラインと5ラインとに切り替え可能に構成したが、これに限らず、組合せ表示ライン数は1以上であればよい。さらに、2種類の組合せライン数を切り替える構成に限らず、3種類以上の組合せライン数を切り替えるように構成してもよい。
また、上記実施例では、第2図柄表示モードの場合に疑似特別図柄表示領域25に表示される疑似特別図柄を縦横3個ずつの配列(3×3)として9個の疑似特別図柄が表示されるように構成したが、疑似特別図柄の配列は任意に設定でき、例えば疑似特別図柄を縦横4個ずつの配列(4×4)として16個の疑似特別図柄が表示されるように構成してもよい。
また、上記実施例では、識別図柄の表示ライン数を切り替える条件を確率変動機能の作動状態が変化したときとしたが、これに限らず、他の条件により識別図柄の表示ライン数を切り替えるように構成してもよい。例えば、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば400回)に達する毎に識別図柄の表示ライン数を切り替えてもよく、あるいは特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達する毎に抽選を行い、抽選結果にしたがって識別図柄の表示ライン数を切り替えてもよい。
また、上記実施例では、演出図柄表示装置24を液晶表示装置とし、画面表示内容の切り替えにより図柄組合せライン数を変化させるように構成したが、これに限らず、演出図柄表示装置24として外周面に複数種類の識別図柄が表示された複数の回転ドラム(回胴)を有する表示装置として構成することができる。この場合には、演出図柄表示装置24の前面側に可動役物を設け、可動役物の動きにより遊技者が視認できる識別図柄の数を変化させて、図柄組合せライン数を切り替えるようにすればよい。
1…遊技機、20…遊技盤、21…遊技領域、24…演出図柄表示装置(可変表示手段)、25…疑似特別図柄表示領域(識別図柄表示領域)、27…始動口(普通電動役物)、28…図柄表示装置、29…普通図柄表示装置、30…特別図柄表示装置、33…大入賞装置、200…主制御部(当否判定手段、特別遊技状態発生手段、図柄変動時間短縮手段、確率変動手段、始動口開放延長手段、遊技状態制御手段)、230…払出制御部、250…発射制御部、260…演出制御部(図柄表示制御手段)、280…図柄制御部。