〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の外観斜視図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1を参照して遊技機の全体構成について説明する。なお、本明細書において、「前(手前側)」、「後(奥側)」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態にプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を置いて矢印Aで示す前側(遊技者側)から見た場合に特定される方向である。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4Aが形成されており、この窓4A内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6aが形成されている。この上皿6aには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に図示しない払出装置ユニットから受け皿ユニット6(上皿6a)に払い出される。
受け皿ユニット6の左側には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の前面には度数表示部11が配置されており、この度数表示部11には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6aの手前右側に第1球抜きボタン6bが設置されており、上皿6aの手前左側に第2球抜きボタン6cが設置されている。遊技者は、第1球抜きボタン6bを押し込み操作することで、上皿6aの上流と中流付近に貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。また遊技者は、第2球抜きボタン6cを押し込み操作することで、上皿6aの下流に貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで図示しない発射制御基板セットを作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、遊技盤8の左側において遊技盤8の中央寄りに位置する内ガイドレール8b(図2参照)と内ガイドレール8bの外側に位置する外ガイドレール8cとで挟まれた発射通路8dに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のスピーカ54が設置されている。このスピーカ54は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。またガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠ランプ46がガラス枠ユニット4を取り巻くようにして設置されている。ガラス枠ランプ46は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6aの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(液晶表示器に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔盤面の構成〕
図2は、遊技盤8を単独で示した正面図である。
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8の右下位置には、表示装置3が設けられている。
図3は、表示装置3を拡大して示す正面図である。
表示装置3には、例えば普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、0〜4個の記憶数を表示することができる。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、記憶数は4個を超えるものであってもよい。
特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するか、もしくは上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入すると、いずれの場合も入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。なお本実施形態では、特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示は増えない。すなわち、特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数(保留球数)を表している。
遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。本実施形態では、大当り種別表示ランプ38aが「2ラウンド当り」を表し、大当り種別表示ランプ38bが「15ラウンド当り」を表している。
また本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図2を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側にパチンコ機1の固有名称を示したネーム部等を有した主要装飾部品40bと、サーチライトを模した複数の発光装置からなる装飾部品40cとを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。
また演出ユニット40の内側には、第1液晶表示器42−1(画像表示器,演出情報表示手段)が設置されており、この第1液晶表示器42−1には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。さらに、第1液晶表示器42−1の手前側であって、装飾部品40c付近には、第2液晶表示器42−2(画像表示器,連動情報表示手段)が設置されており、この第2液晶表示器42−2には第4図柄Z(連動情報)が表示される。第2液晶表示器42−2は、ガラス枠ユニット4(図1参照)のガラスユニット(ガラス面)に近接した位置に配置されている。なお、第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2の配置関係の詳細は後述する。このように遊技盤8は、その盤面の構成(セル板のデザイン等)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に自在に転動する。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
また、演出ユニット40には、演出用の可動役物装置(本実施形態ではシャッターを模した可動体)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動役物装置は、第1液晶表示器42−1による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。可動役物装置の詳細は後述する。
〔裏側の構成〕
図4は、パチンコ機1の背面図である。
図4に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160,161、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図15,図16)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
〔パチンコ機の各部品の配置関係〕
次に、パチンコ機1の各部品の配置関係について説明する。
図5は、パチンコ機1の分解斜視図である。
図5に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機1は、プラ枠アセンブリ7、プラ枠アセンブリ7の遊技盤取付部4aに取り付けられる遊技盤8、遊技盤8に取り付けられる演出ユニット40(前方ユニット50及び後方ユニット60)、遊技盤8の後面に配置される可動役物装置213、可動役物装置213の後面に配置される第1液晶表示器42−1、演出ユニット40の内部に配置される第2液晶表示器42−2、及び図示しない制御装置等を備えて構成される。以下、各部品の構成について説明する。
〔プラ枠アセンブリ〕
プラ枠アセンブリ7の内側上部には、遊技盤8を収容するスペースとしての遊技盤取付部4aが設けられ、遊技盤8は、遊技盤取付部4aに収容された状態で図示しない取付部材により取り付けられる。ガラス枠ユニット4の内側下部には、発射制御基板セット174が設けられる。
ガラス枠ユニット4は、例えば左側のヒンジ4cで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に外枠アセンブリ2に取り付けられる。前扉4dは、例えば左側上部のヒンジ4eで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)にガラス枠ユニット4に取り付けられる。受け皿ユニット6は、例えば左側下部のヒンジ4fで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)にガラス枠ユニット4に取り付けられる。
〔遊技盤〕
遊技盤8は、化粧板と呼ばれる遊技基板8eと、遊技基板8eの前面に取り付けられた前板8fとにより構成される。
遊技基板8eは、例えば所定厚さの合成樹脂板やベニヤ板等により形成され、遊技基板8eの前面にはその遊技盤の遊技テーマにあわせた多種多様の装飾が施されるとともに、それらの装飾には複数の多色発光ダイオード(発光素子)が取り付けられ、遊技状態や演出状態に対応した複数の色で発光して表示されるよう構成されている。遊技基板8eの中央部には遊技基板8eの前面と後面とを貫通する貫通孔8Dが形成されている。
前板8fは、透明アクリル板等の合成樹脂からなる光透過性を有した透明板により形成され、前板8fの中央部には前板8fの前面と後面とを貫通する貫通孔8Fが形成されている。
遊技基板8eの前面に設けられた装飾は、遊技基板8eの前面に施された模様や絵等の平面装飾と、遊技基板8eの前面より突出する立体形状に形成された立体装飾とによって構成される。この立体装飾を避けるように前板8fが遊技基板8eの前面より離れた位置に設けられる。すなわち、前板8fと遊技基板8eとが所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された状態で図示しない連結具により互いに連結される。
遊技基板8eの前面には、遊技盤取付部4aに取り付けられた状態の遊技盤8の前方に向かって発光するように設けられた複数の多色発光ダイオードによる盤面ランプ501〜516が配置されている。複数の盤面ランプ501〜516は、例えば貫通孔8Dの中心から放射状に延長するように設けられる。
前板8fの前面には、多数の遊技釘8Eの他、例えば演出ユニット40等の遊技部品がねじ等の取付具で取り付けられる。
〔演出ユニット〕
演出ユニット40は、前方ユニット50と後方ユニット60とを備え、両者が結合されることにより1つのユニットを構成する。
演出ユニット40は、透明又は半透明の合成樹脂材料を遊技テーマに合わせて所定の形状に成型し、所望の個所には所望の着色を施し、また、必要な個所は切り欠くことにより、これら透明材料、半透明材料、着色材料、切り欠き部等の各部材を通して、遊技基板8e上に施された各種装飾が垣間見えるように構成されている。そのため、これら演出ユニット40を形成する各部材を通して垣間見える遊技基板8e上に配置された装飾は、遊技者側から見ると演出ユニット40内の部材及び装飾の一部を構成することとなる。そして、遊技基板8e上に配置された盤面ランプ501〜516の該当個所の発光素子からの光を演出ユニット40の対応個所から遊技盤8の前方に向けて遊技者に視認可能に透過させることにより効果的な演出を実行することができる。
前方ユニット50は、遊技盤8の前板8fの前方に配置され、演出ユニット40の外周部分を構成する環状のユニットである。前方ユニット50は、遊技盤8の前板8fにねじ等の取付具で取り付けられる薄板51と、薄板51から前方に遊技釘8Eと同じ長さ分だけ突出して形成され、遊技球の流下を誘導・案内する突出部52と、突出部52の内側に形成され、後方ユニット60の一部を前板8fにのぞかせるための開口部53とを備える。
後方ユニット60は、遊技盤8の内部に取り付けられるユニットであり、後方ユニット60の右側部分に配置された装飾部品40cと、その装飾部品40cにはめ込むようにして配置された第2液晶表示器42−2とを備える。後方ユニット60は、遊技基板8eの貫通孔8Dと、前板8fの貫通孔8Fと、前方ユニット50の貫通孔53とを介して、前方ユニット50の突出部52と同じ厚み分だけ前方に突出するように配置される。
〔可動役物装置(可動構造物、可動手段)〕
可動役物装置213は、ケース222と、回転板223と、可動体としての扉状役物を構成する扉部材240Aと、扉部材駆動機構240Bと、回転板駆動機構240Cと、回転姿勢検出機構240Dとを備える。ケース222、回転板223、扉部材240Aは例えば合成樹脂により形成される。
ケース222は、取付板222bと、取付板222bの外周より前方に突出する外周壁222cとを備え、取付板222bの前面と外周壁222cとで区画されて、扉部材240A、扉部材駆動機構240B、回転板駆動機構240C、回転姿勢検出機構240Dを収納するための収納部としての部材収容凹部222xを備える。取付板222bは、板の中央部に板の前面と後面とに貫通する貫通孔222aを有する。
回転板223は、第1液晶表示器42−1の表示画面42−1aの中心と一致する回転中心Oを中心として遊技盤8の盤面(遊技盤8の前板8fの前面や遊技基板8eの後面における平坦面)に平行な面内で回転駆動されるよう構成される。
回転板223は、円弧状の外周を有した板の中央部に板の前面と後面との貫通する貫通孔233を有し、円弧状の外周にリングギヤ236を備えた構成である。回転板223の前面には回転板223の前面の大部分を覆う例えば合成樹脂により形成された装飾カバー238が設けられる。
扉部材駆動機構240Bは、回転板223の後面に取り付けられる。扉部材240Aは、回転板223の後面に配置された第1の可動体としての左扉部材240と、第2の可動体としての右扉部材241とにより構成されている。左扉部材240と右扉部材241とは、扉部材駆動機構240Bにより回転板223の貫通孔233の左右の中心位置を基準として左右に移動可能であり、ケース222内のそれぞれの部材収容凹部222xと貫通孔233の中心位置との間を出没する。左扉部材240と右扉部材241とは、回転板223の貫通孔233の左右の中心位置(回転板223の回転中心Oを含む)を通る垂線を中心として左右線対称な形状である。例えば、左扉部材240及び右扉部材241は、上下長が回転板223の貫通孔233の上下長よりも長く、左右長が回転板223の貫通孔233の左右長の1/2よりも短い縦長長方形状に形成される。
左扉部材240と右扉部材241とは、扉部材駆動機構240Bにより、左扉部材240が右方向に移動して右扉部材241が左方向に移動することによってこれら左扉部材240と右扉部材241とが回転板223の貫通孔233の中心位置で互いに接触し扉が閉まった状態となる。
また、左扉部材240と右扉部材241とは、扉部材駆動機構240Bにより、左扉部材240が左方向に移動することによって左扉部材240のすべてが貫通孔233の後側に位置しないように移動し、右扉部材241が右方向に移動することによって右扉部材241のすべてが貫通孔233の後側に位置しないように移動することによって扉が開いた状態となる。
つまり、左扉部材240と右扉部材241とは、貫通孔233から視認できる位置と回転板223の後側に隠れてパチンコ機1の前方から視認できない位置との間を左右に往復移動可能に構成される。この左扉部材240と右扉部材241とによって効果的な演出を行うことができる。なお、扉部材駆動機構240Bの駆動機構の詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
回転板223は、前面に装飾カバー238を備えるとともに後面側に扉部材駆動機構240B及び扉部材240Aを備え、回転板223の後面とケース222の取付板222bの前面とが向き合う状態で取付板222bの前面に回転可能に取り付けられる。
回転板駆動機構240C及び回転姿勢検出機構240Dは、取付板222bの前面に設けられる。
回転板駆動機構240Cは、回転板223に設けられたリングギヤ236と、回転駆動源としての回転駆動モータ229と、回転駆動モータ229の回転力を回転板223のリングギヤ236に伝達する回転力伝達手段としての減速ギヤ列230とにより構成される。なお、回転板駆動機構240Cの詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
回転姿勢検出機構240Dは、ケース222の取付板222bの前面に設けられた検出器としてのフォトインタラプタであり、2つのフォトインタラプタが配置されている。そして、この2つのフォトインタラプタが、回転板223の後面の外周縁に設けられた被検出体としての遮光板237の遮光具合に基づいてオン信号又はオフ信号を出力し、回転板223の回転位置を検出することができる。本実施形態では、遮光壁237の回転軌道上に、2つのフォトインタラプタが位置しており、遮光壁237がそれぞれのフォトインタラプタの光路を横切ったか否かによってオン信号又はオフ信号が出力されるので、各フォトインタラプタからの信号の組み合わせによって回転板223の姿勢を検知することができる。また、遮光壁237として、長尺なものと短尺なものとを2つ配置すれば、オン信号又はオフ信号の出力タイミングによって、回転板223の回転方向も検知することができる。なお、フォトインタラプタや遮光壁の配置及び個数は、制御方法や設計仕様によって適宜変更することができる。
〔第1液晶表示器(演出情報表示手段)〕
第1液晶表示器42−1は、表示画面42−1aがケース222の貫通孔222aの後側に位置するように、例えば取付フランジ42−1bを介して止ねじ等の取付具でケース222の取付板222bの後面に取り付けられる。本実施形態では、第1液晶表示器42−1には、表示画面42−1aの大きさが12インチの液晶表示画面を備えた液晶表示装置を用いている。
〔第2液晶表示器(連動情報表示手段)〕
第2液晶表示器42−2は、演出ユニット40の装飾部品40cにはめ込むように配置され、その表示画面42−2aが、ガラス枠ユニット4のガラスユニット(ガラス面)を通じて遊技者に視認可能に配置されている。第2液晶表示器42−2は、第1液晶表示器42−1よりも小さいサイズの液晶表示画面を備えた液晶表示装置を用いている。
図6は、演出ユニット40を拡大して示す斜視図である。
演出ユニット40の奥側中央には、演出図柄(デモ図柄)を表示する第1液晶表示器42−1が配置されている。また、第1液晶表示器42−1の手前側には、可動役物装置213の左扉部材240と右扉部材241とが配置されている。さらに、可動役物装置213の左扉部材240と右扉部材241との手前側には、第4図柄Zを表示する第2液晶表示器42−2が配置されている。
したがって、上記各構造物の配置関係は、遊技者から見て「第2液晶表示器42−2」→「可動役物装置213」→「第1液晶表示器42−1」という関係となる。
〔回転機構〕
次に、回転板駆動機構240C(回転板223)の回転機構について説明する。
図7〜図9は、回転板223の回転機構について説明する図である。図7は、初期姿勢の状態を示した回転板の正面図であり、図8は、図7に示した回転板が時計回り方向の限界角度まで回転した状態の正面図であり、図9は、図7に示した回転板が反時計回り方向の限界角度まで回転した状態の正面図である。
図7に示されるように、回転板223よりも下方に位置するケース222の下側部分には、回転駆動モータ229が取り付けられている。回転板223の前面側の下部外周縁には円弧状のリングギヤ236が設けられている。このリングギヤ236は回転板223の回転中心を中心として例えば90度の範囲にわたって設けられる。このリングギヤ236と回転駆動モータ229の間には減速ギヤ列230が介在している。減速ギヤ列230は、回転駆動モータ229の出力軸に固着された最初段ギヤ230aと、ケース222の取付板222bに平行な面内で回転自在に設けられた複数のギヤによって構成されている。減速ギヤ列230の最終段ギヤ230bはケース222の最下方近傍に位置している。この最終段ギヤ230bは、リングギヤ236と噛み合っている。つまり、回転駆動モータ229の回転力が回転力伝達手段としての減速ギヤ列230を介して回転板223のリングギヤ236に伝達されることによって回転板223が回転する。
本実施形態の場合、回転板223は、図7に示す回転板223の姿勢を回転角度0°の初期姿勢として時計回り方向と反時計回り方向のそれぞれの方向に45°を上限角度として回転させられる。
ケース222と回転板223との間には、回転板223の時計回り方向の回転及び反時計回り方向の回転のそれぞれについて、回転板223の回転の限界角度を規定するストッパ構造が設けられている。
時計回り方向の回転に対するストッパ構造は、ケース222の取付板222bの上部中央の左側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部227と、回転板223の上部左側にある左方向に延びた平坦な段差部223cととから構成されている。反時計回り方向の回転に対するストッパ構造は、ケース222の取付板222bの上部中央の右側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部228と、回転板223の上部右側にある右方向に延びた平坦な段差部223dとから構成されている。
図8に示されるように、回転板223の時計回り方向の回転の限界角度は、ストッパ部227に対して段差部223cが当接する角度であり、図9に示されるように、回転板223の反時計回り方向の回転動作の限界角度は、ストッパ部228に対して段差部223dが当接する角度である。
両ストッパ構造は、回転板223の回転の限界角度を、制御上の上限角度45°よりも若干大きく設定されている。つまり、ストッパ部227と段差部223cは、回転板223が時計回り方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止し、ストッパ部228と段差部223dは、回転板223が反時計回り方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止する。
〔扉開閉機構〕
次に、扉部材駆動機構240Bの扉部材の開閉機構について説明する。
図10〜図14は、扉部材の開閉機構について説明する図である。図10は、扉部材のそれぞれの駆動装置の正面図であり、図11は、図10に示した駆動装置の平面図であり、図12は、扉部材の退避状態を示す斜視図であり、図13は、扉部材のスライド動作中の様子の一例を示す斜視図であり、図14は、扉部材の当接状態を示す斜視図である。
図10に示されるように、第1モータ242と第2モータ244は、互いの出力軸が同軸上に位置するよう左右方向に並び、互いの反出力軸側の端部を向かい合わせて、回転板223の回転中心Oを通る垂線Lを対称軸として左右方向に線対称に配置されている。また、図11に示されるように、第1スクリューシャフト243と第2スクリューシャフト245は、前後方向にずらして配置されており、第1スクリューシャフト243が第2スクリューシャフト245よりも前方に位置している。第1スクリューシャフト243の右側部分と第2スクリューシャフト245の左側部分とは前後方向にオーバーラップしている(前後方向で重なる位置に配置されている)。
図10に示されるように、第1モータ242の出力軸には歯車246が固着されており、第1スクリューシャフト243の右端部には歯車248が固着されている。第1モータ242の回転力が、歯車246,中継歯車249,歯車248を介して第1スクリューシャフト243に伝達されるようになっている。第2モータ244の出力軸には歯車247が固着されており、第2スクリューシャフト245の左端部には歯車250が固着されている。第2モータ244の回転力が、歯車247,中継歯車251,歯車250を介して第2スクリューシャフト245に伝達されるようになっている。
図12に示されるように、左扉部材240の下端部にはガイド筒体252が取り付けられており、このガイド筒体252は第1スクリューシャフト243に挿し込まれて嵌め合わされている。ガイド筒体252の内周面には第1スクリューシャフト243の螺旋状溝と係合する図示しない螺旋状突部が形成されている。よって、左扉部材240は、第1モータ242の回転に伴って第1スクリューシャフト243の軸線方向(X1−X2方向)、すなわち、左右方向に往復移動可能に構成される。
同様に、右扉部材241の下端部にはガイド筒体254が取り付けられており、このガイド筒体254は第2スクリューシャフト245に挿し込まれて嵌め合わされている。ガイド筒体254の内周面には第2スクリューシャフト245の螺旋状溝と係合する図示しない螺旋状突部が形成されている。よって、右扉部材241は、第2モータ244の回転に伴って第2スクリューシャフト245の軸線方向(X1−X2方向)、すなわち、左右方向に往復移動可能に構成される。
左扉部材240の上端部には、L字状に折り曲げられた突起240aが一体形成されており、この突起240aが回転板223(図5参照)に形成された図示しないガイド孔と係合することにより、左扉部材240の上端部の後方向への移動が突起240aにより規制され、左右方向の移動が許容される。
同様に、右扉部材241の上端部には、L字状に折り曲げられた突起241aが一体形成されており、この突起241aは回転板223に形成された図示しないガイド孔と係合することにより、右扉部材241の上端部の後方向への移動が突起241aにより規制され、左右方向の移動が許容される。
図10に示されるように、左扉部材240と右扉部材241が最も離隔した退避位置に位置するとき、左扉部材240及び右扉部材241は全開状態となる。この場合、遊技者は、何の障害もなく、第1液晶表示器42−1の表示画面42−1a(図5参照)に表示された画像を目視可能となる。この全開状態で第1モータ242と第2モータ244が同期して一方向に回転すると、図13に示されるように、左扉部材240が第1スクリューシャフト243の軸線に沿って矢印X1方向へ移動するとともに、右扉部材241が第2スクリューシャフト245の軸線に沿って矢印X2方向へ移動し、左扉部材240と右扉部材241との間隔が次第に狭まっていく。さらに第1モータ242と第2モータ244の回転が継続すると、図14に示されるように、左扉部材240及び右扉部材241は、互いの対向面が回転板223の回転中心位置で接触するまで移動して、扉が完全に閉まった状態となる。この場合、遊技者は、左扉部材240及び右扉部材241の左右側から、第1液晶表示器42−1の表示画面42−1a(図5参照)に表示された画像を目視可能となる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図15は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる(特別特典付与手段)。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部11の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46や盤面ランプ501〜516等を発光させたり、スピーカ54から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、各種ランプ46や盤面ランプ501〜516の発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプ46には、ガラス枠ランプの他に、受け皿ランプや遊技盤8に設置された装飾・演出用の装飾部品40cが含まれる。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して、ガラス枠ランプ,受け皿ランプ等の各種ランプ46やスピーカ54に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ501〜516の他に各種モータ229,242,244、フォトインタラプタ225,226が接続されている。各種モータ229,242,244は、それぞれの駆動機構を介して可動役物装置213の可動体を駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ501〜516及び各種モータ229,242,244にそれぞれ印加される。一方、フォトインタラプタ225,226からの出力信号は、パネル電飾基板138を経由して演出制御装置124(演出制御CPU126)に入力される。
上記の第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2は、それぞれ遊技盤8の裏側と表側に設置されている。第1液晶表示器42−1の表示画面42−1aは、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じて視認可能となっており、第2液晶表示器42−2の表示画面42−2aは、ガラス枠ユニット4のガラスユニット(ガラス面)を通じて直接視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2のそれぞれのバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46等やスピーカ54を用いた演出の制御が含まれる他、第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2を用いた画像表示による演出、可動役物装置213を用いた演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
また、遊技盤8の裏側には盤用外部端子板160が設置されており、そしてプラ枠アセンブリ7の裏側には枠用外部端子板161が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、それぞれ盤用外部端子板160、枠用外部端子板161を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。
図16は、演出制御装置124の駆動系の制御に係るブロック図である。
演出制御装置124は、パネル電飾基板138を介して、回転駆動モータ229や第1モータ242、第2モータ244、第1フォトインタラプタ225,第2フォトインタラプタ226に接続されている。
演出制御装置124の演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて、ランプ駆動回路132に指令を与えることにより演出の制御を行う。ランプ駆動回路132は、パネル電飾基板138を介して回転駆動モータ229や第1モータ242、第2モータ244を駆動させる。回転駆動モータ229の制御は、第1フォトインタラプタ225,第2フォトインタラプタ226からのオン信号又はオフ信号の有無と、演出制御CPU126からの制御信号に基づいてランプ駆動回路132が制御する。
回転板223(図5参照)の動作パターンとしては、例えば回転板223が初期姿勢から時計回り方向に45°回転した後、反時計回り方向に回転して初期姿勢に戻る動作パターンや、これとは逆に初期姿勢から反時計回り方向に45°回転した後、時計回り方向に回転して初期姿勢に戻る動作パターン、さらに、時計回り方向45°傾斜した姿勢と反時計回り方向45°傾斜した姿勢とに繰り返し姿勢を変化させる動作パターン等がある。
第1モータ242及び第2モータ244のそれぞれの制御は、演出制御CPU126からの制御信号に基づいてランプ駆動回路132が制御する。左扉部材240及び右扉部材241の動作パターンとしては、例えば左扉部材240と右扉部材241とがいずれも退避位置(図10参照)から互いに近接する方向に同期して移動し、左扉部材240と右扉部材241が互いに当接した状態(図14参照)で一時停止した後、互いに同期して退避位置に戻る動作パターン、左扉部材240及び右扉部材241の一方のみが退避位置から当接位置まで移動して一時停止した後に退避位置に戻る動作パターン、左扉部材240と右扉部材241が当接して一時停止した後、左扉部材240及び右扉部材241の一方が先に退避位置に戻る動作パターン、左扉部材240と右扉部材241の両方が装飾カバー238の貫通孔233を通じて見える位置で離隔した半開状態で一時停止した後、すなわち第1液晶表示器42−1の表示画面42−1aのうち中央部のみが見える状態を一時的に維持した後、当接又は退避する動作パターン等がある。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
図17及び図18は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72は、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図18に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数を含む各種の乱数をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図19中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図19中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図19)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図19は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り決定乱数、大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は盤用外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)をポート出力要求バッファに格納する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)を生成し、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はパチンコ機1の本体(例えばガラス枠ユニット4、プラ枠アセンブリ7)の開放状態を表す枠開放状態信号をポート出力要求バッファに格納する。また出力管理処理において、主制御CPU72はコマンド以外のデータ出力を管理する。具体的には、普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90の駆動信号や試験信号をポート出力要求バッファに格納する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力要求バッファに格納する。
ステップS213:また主制御CPU72は、その他の出力ポートに対応したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図20は、スイッチ入力イベント処理(図19中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図19)に復帰する。
〔特別図柄記憶更新処理〕
図21は、特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。本実施形態では、この特別図柄記憶更新処理の中において、取得した乱数の先読み判定(事前の判定)を行うものとする。以下、特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4個の上限数)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数を1つ加算する。上記のように特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図19中のステップS210)で特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、RAM76の大当り決定乱数カウンタ領域から特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、大当り決定乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。またアドレスの指定は、上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともにRAM76の乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
ステップS36:次に主制御CPU72は、先読み当り判定処理を実行する。この処理において主制御CPU72は、先のステップS35で記憶した大当り決定乱数を先読みし、その当否(当選又は非当選)を事前に判定する。合わせて主制御CPU72は、先読みの結果が当選に該当する場合、大当り図柄乱数を先読みし、当選図柄の種別(当選種類)を事前に判定する。なお、先読み当り判定処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS37:次に主制御CPU72は、演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の先読み当り判定処理(ステップS35)で行った事前の判定結果に基づき、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して出力するべき演出コマンドの内容を設定する。例えば、今回の事前の判定結果が「非当選」に該当する場合、主制御CPU72は「非当選時」を表す特図先判定演出コマンドを生成する。また主制御CPU72は、合わせて「非当選時」の変動パターンコマンドを生成する。一方、今回の事前の判定結果が「当選」に該当する場合、主制御CPU72は「当選時」及び「当選図柄種別」を表す特図先判定演出コマンド(例えば「B8H」)を生成する。そして主制御CPU72は、生成した各種コマンドを送信コマンドバッファに転送する。なお、この処理で始動口入賞音制御コマンドを合わせて生成してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。
〔先読み当り判定処理〕
次に、先の特別図柄記憶更新処理において実行される先読み当り判定処理(図21中のステップS35)について説明する。図22は、先読み当り判定処理の手順例を示したフローチャートである。以下、手順例に沿って先読み当り判定処理の内容を説明する。
ステップS52:主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS32)で取得されたものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における現在の内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80を実行する。
ステップS80:主制御CPU72は、今回の事前判定結果値としてはずれ判定結果値をセットする。そして取得時演出判定処理を終了し、特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。ここでセットした判定結果値は、特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS36)において当否の判断に用いられる。
一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、ここで主制御CPU72は特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS33)で取得した大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄(15ラウンド確変図柄と2ラウンド確変図柄を含む)」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄(15ラウンド確変図柄又は2ラウンド確変図柄のいずれか)」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、今回の事前判定結果値として当り判定結果値をセットする。そして取得時演出判定処理を終了し、特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。ここでセットした判定結果値もまた、特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS36)において当否の判断に用いられる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。
これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率→高確率、高確率→通常確率)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる(事前判定手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図19)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図23は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図18中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」になると確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高く(10倍程度に)なる(高確率状態移行手段)。また「時間短縮状態」になると時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば251分の250程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で4秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.5秒程度→1.5秒程度に延長)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、「15ラウンド通常(非確変)大当り」と「15ラウンド確変大当り」とが設けられている。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類として「2ラウンド確変大当り」が設けられている。先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変大当り」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。その代わり、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される(高確率状態移行手段)。
いずれにしても、上記の「15ラウンド確変大当り」又は「2ラウンド確変大当り」のいずれか(特定当選種類)に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される(高確率状態移行手段)。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、「15ラウンド確変大当り」又は「2ラウンド確変大当り」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常(非確変)大当り」に該当すると(通常当選種類)、大当り遊技終了後に内部状態は通常の状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常の状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常(非確変)大当り」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常の状態に維持される。
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当り(特例当選種類)が設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常の状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が特例の回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図24は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。特別図柄作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図19中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域内で、上記のように先頭のjセクション(アドレス00H)に保存されている乱数記憶(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数記憶が保存されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから乱数記憶を読み出して消去(消費)した後、残った乱数記憶を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図19中のステップS205)の中で特別図柄作動記憶ランプ34aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。なお、ここでは大当り判定処理のより詳細な手順として、例えば先の取得時演出判定処理に挙げた手順(図22中のステップS52,S54,S56,S66,S68,S70,S64,S72)を適用してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図17中のステップS115)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなければ、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。なお、このような処理は、先の先読み当り判定処理の中で実行される大当り図柄種別判定処理(図22中のステップS74)においても適用することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では、大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて例えば3種類が用意されている。そのうち1種類は「15ラウンド確変図柄」であり、他の1種類は「15ラウンド通常(非確変)図柄」であり、そして残る1種類は「2ラウンド確変図柄」である。
より詳細には、大きな分類として主に3種類の当選図柄があるが、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、例えば「15ラウンド確変図柄A」,「15ラウンド確変図柄B」,「15ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されており、また同じ「15ラウンド通常(非確変)図柄」であっても、例えば「15ラウンド通常(非確変)図柄A」,「15ラウンド通常(非確変)図柄B」,「15ラウンド通常(非確変)図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
また「2ラウンド確変図柄」についても、例えば「2ラウンド確変図柄A」,「2ラウンド確変図柄B」,「2ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
このような細分類は、特別図柄表示装置34による当選図柄の停止表示を多様化させるためのものである。例えば、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、細分類として「15ラウンド確変図柄A」の場合は特別図柄表示装置34において7つのセグメントが全て点灯(例えば「日」字形の態様)し、「15ラウンド確変図柄B」の場合は5つのセグメントが点灯(例えば「己」字形の態様)するといった具合である。ただし、大分類として同じ「15ラウンド確変図柄」であれば、細分類の中でどの図柄が選択されたとしても、その後の遊技を進行させる上で結果(効果)は同じである(演出の態様は異なる場合がある。)。なお、これらラウンド数別に設けられている複数種類の当選図柄は、予め上記の特別図柄判定テーブルにより規定されている(当選種類規定手段)。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。さらに、現在の遊技状態が既に高確率状態(確率変動機能作動時)である場合、合わせて主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。このような処理の意義は、例えば以下の考え方に基づく。すなわち、先ず通常の状態から「2ラウンド確変図柄」に該当すると、時間短縮機能作動フラグの値(01H)はセットされずに確率変動機能作動フラグの値(01H)だけがセットされる。この場合、演出上でも「高確率状態」を明らかにしないことにより、いわゆる遊技者に認知されにくい「隠し確変状態」となる。ただし、本実施形態では既に「隠し確変状態」になっている状況で重ねて「2ラウンド確変図柄」に該当した場合、いつまでも「隠し確変状態」を続けるのではなく、時間短縮機能を作動させて遊技者に確率変動状態を明示することとしている。これにより、遊技者が内部状態に関する情報を全く知らされないまま遊技が延々と続くことを防止し、過度に遊技者の不興を買うのを防止している。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、特別図柄表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図23:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図26中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
次に、特別図柄変動前処理の中で行われる大当り時変動パターン決定処理(図24中のステップS2412)の内容について説明する。大当り時変動パターン決定処理は、上記のように内部抽選の結果が当選(小当り以外の大当り)に該当した場合に実行される処理であるが、本実施形態においては、その前の大当り時停止図柄決定処理(図24中のステップS2410)において、当選種類(当選図柄)として「15ラウンド図柄(確変及び非確変の両方)」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれが選択されたかによって特別図柄の変動パターンを決定する手法が異なっている。さらに「2ラウンド確変図柄」については、現在の状態が高確率状態中であるか否かによっても変動パターンを決定する手法が異なっている。
図25は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
〔15ラウンド図柄(確変又は非確変)時〕
大当り時の当選種類として「15ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド通常(非確変)図柄」のいずれかが選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
ステップS2600:主制御CPU72は、選択された当選種類が大分類の「15ラウンド図柄」であるか否かを判断する。この判断は、例えば上記の大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。主制御CPU72は、例えばRAM76のバッファ領域にアクセスし、該当するアドレスから大当り時停止図柄番号の値を読み出す。その結果、「15ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド通常(非確変)図柄」のいずれかに対応する値であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2601を実行する。
ステップS2601:次に主制御CPU72は、細分類で当選種類が「15ラウンド確変図柄」に該当するか否かを判断する。この判断もまた、大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。このとき「15ラウンド確変図柄」に対応する値であることを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2602に進む。
ステップS2602:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(1)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(1)には、「15ラウンド確変当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
これに対し、先のステップS2601で「15ラウンド通常(非確変)図柄」に対応する値であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2607に進む。
ステップS2607:この場合、主制御CPU72は「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(2)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(2)には、「15ラウンド非確変当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
〔当選図柄別・状態別選択テーブルの例〕
図26は、上記の「当選図柄別・状態別選択テーブル」、つまり、「大当り時時変動パターン選択テーブルアドレス状態別選択テーブル」の一例を示す図である。「当選図柄別・状態別選択テーブル」は、例えば5バイト分の記憶領域を有し、その中にテーブルアドレス(1)〜(5)を順番に格納した構造である。このうち、先頭の1バイト分の記憶領域には、テーブルアドレス(1)として「15ラウンド確変当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。2番目の記憶領域には、テーブルアドレス(2)として、「15ラウンド非確変当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。以下同様に、3番目の記憶領域にはテーブルアドレス(3)として「2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されており、4番目の記憶領域にはテーブルアドレス(4)として「確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されており、そして最後の記憶領域には、テーブルアドレス(5)として「非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
主制御CPU72は先のステップS2602を実行した場合、「当選図柄別・状態別選択テーブル」の記憶領域のうち、先頭のアドレスに記憶されているテーブルアドレス(1)を取得(指定)する。一方、主制御CPU72がステップS2607を実行した場合、「当選図柄別・状態別選択テーブル」の記憶領域のうち、2番目のアドレスに記憶されているテーブルアドレス(2)を取得(指定)する。
〔図25:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
ステップS2604:主制御CPU72は、選択抽選を実行する。具体的には、主制御CPU72は今回の変動パターン決定乱数値(例えば、0〜255のいずれかとする。)を「変動パターン選択テーブル」の比較値と比較し、該当する変動パターン番号を選択する。例えば、「15ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の「大当りリーチ変動パターン21〜20」が規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。
ステップS2606:主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定する。具体的には、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(大当りリーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、例えばMODE値−EVENT値の形式で記述された「97H01H」等の2バイトのコマンドである。なお変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔2ラウンド図柄時〕
一方、大当り時の当選種類として「2ラウンド図柄」が選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
先のステップS2600において、今回の当選図柄(大当り時停止図柄番号)が大分類で「15ラウンド図柄」に該当しないと判断した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2608を実行する。
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が「高確率状態(「確率変動状態」ともいう)」であるか否かを判断する。本実施形態のパチンコ機1では、当選時に「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技(大役)の終了後に内部抽選の当選確率が通常時に比較して10倍程度まで高く変更された高確率状態に移行する。このとき現在の内部状態が高確率状態(図中に「確変中」と表記)でなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2610に進む。
〔非確変中2ラウンド当選時〕
ステップS2610:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、図26に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(5)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(5)には、「非確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
〔非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図27は、非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。これら変動パターン番号「1」〜「8」は、いずれも非リーチ(通常)変動パターンに該当するものであり、ここにはリーチ変動パターンに該当するものが設けられていない。
ここで、「非リーチ(通常)変動パターン」と「リーチ変動パターン」とでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」が基本的に短い変動時間(例えば6.0秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜120秒程度)に対応するものである。
いずれにしても、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「157」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図25:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
主制御CPU72はステップS2604において、以上のような変動パターンの選択抽選を実行する。ただし、上記のように「非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」には「非リーチ変動パターン」だけしか設けられていないため、「1」〜「8」のいずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、非確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的短く設定されることになる。ここでも同様に、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(非リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔確変中2ラウンド当選時〕
これに対し、確変中に2ラウンド図柄で当選した場合は以下の手順が実行される。
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が高確率状態(確変中)であることを確認すると(Yes)、次にステップS2611に進む。
ステップS2611:次に主制御CPU72は、現在の内部状態が「2ラウンド当選後の高確率状態」に該当するか否かを確認する。この判断は、例えば上記の遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグ)の値に基づいて行うことができる。すなわち、確率変動機能作動フラグだけに値(01H)がセットされており、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていなければ、それは「2ラウンド当選後の高確率状態」を意味している(Yes)。この場合、主制御CPU72はステップS2612に進む。
ステップS2612:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、図26に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(3)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(3)には、「2ラウンド後確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
〔2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図28は、2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルは、比較値「101」〜「255(FFH)」に対して「変動パターン番号」の「13」,「14」,「15」,「16」,「17」,「18」,「19」,「20」を割り当てた構造である。これら変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ変動パターンに該当するものであり、ここには非リーチ(通常)変動パターンに該当するものは設けられていない。
〔図25:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
そして主制御CPU72はステップS2604において、上記の「2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」に基づいて変動パターンの選択抽選を実行する。この場合、変動パターン選択テーブルには「リーチ変動パターン」だけしか設けられていないため、「13」〜「20」のいずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、2ラウンド後確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的長く設定されることになる。
ここでも同様に、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
一方、先のステップS2611で確率変動機能作動フラグの値(01H)及び時間短縮機能作動フラグの値(01H)がともにセットされていた場合、それは「2ラウンド当選後の高確率状態」ではなく、「高確率状態」であることを意味している(No)。この場合、主制御CPU72はステップS2614に進む。
ステップS2614:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、図26に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(4)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(4)には、「確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
なお、特に図示していないが、確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルもまた、比較値に対して「変動パターン番号」を割り当てた構造である。なお、ここで割り当てられる変動パターン番号は、リーチ変動パターンに該当するものだけであってもよいし、非リーチ変動パターンに該当するものが設けられていてもよい。
そして同様に、主制御CPU72はステップS2604において、上記の「確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」に基づいて変動パターンの選択抽選を実行する。変動パターン選択テーブルに「リーチ変動パターン」だけしか設けられていなければ、いずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的長く設定されることになるし、非リーチ変動パターンに該当するものが設けられていれば、変動時間は比較的短く設定される。
そして、主制御CPU72は特別図柄の変動時間(リーチ変動用又は非リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を経て、ステップS2604、ステップS2606を実行すると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図24)に復帰し、上記のように大当り時その他設定処理及び特別図柄変動開始処理(図24中のステップS2413,ステップS2414)を実行する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図29は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図23中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部ステータスを「大役開始(大当り遊技中)」にセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図24中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が大分類で「15ラウンド図柄(確変又は非確変)」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図30は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図19中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a及び特別図柄作動記憶ランプ34aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図31は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図32は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数やその開放時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5210に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、今回の大当り図柄(当選種類)が「2ラウンド図柄」であるか否かを確認する。このとき、先の大当り時停止図柄決定処理(図24中のステップS2410)で「2ラウンド図柄」が選択されていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5206を実行する。
ステップS5206:この場合、主制御CPU72は、短縮した2回の開放パターンを設定する。ここで設定される短縮2回開放パターンでは、ラウンド数を「2ラウンド」とし、その1ラウンドあたりの開放時間を入賞が困難な短時間(例えば300ms)とする。またラウンド間のインターバルは、例えば10ms程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は15ラウンド図柄と同じ(例えば9個)であるが、このような短時間の開放動作中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
これに対し、「15ラウンド図柄」が選択されていれば(ステップS5204:No)、主制御CPU72はステップS5208を実行する。
ステップS5208:この場合、主制御CPU72は15回(15ラウンド)の開放パターンを設定する。15回開放パターンは、例えば1ラウンド内の可変入賞装置30の開放時間を例えば30秒とし、その間の最大入賞回数(個数)を例えば9個として設定される。またラウンド間のインターバルは、例えば数秒程度に設定される。
ステップS5212:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図24中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5214:次に主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。具体的には、15回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは30秒程度)を設定する。一方、短縮2回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)を設定する。
ステップS5216:そして主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5224:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5210:小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、先のステップS5206で挙げた「短縮2回開放パターン」と同じであるが、別の開放パターンを設定してもよい。
ステップS5218:主制御CPU72は、先のステップS5210で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5220:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)が設定されている。
ステップS5222:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値もまた「短縮2回開放パターン」の設定と同じである。
ステップS5224:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図33は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5214又はステップS5220)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(例えば9個程度)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時や2ラウンドの大当り時は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5216又はステップS5222)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図34は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時:特例作動実行手段〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図35は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図24中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば30分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図24中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経るか、もしくは小当り遊技の場合(ステップS5502:No)、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図23中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔パチンコ機の挙動〕
上記のように遊技中に主制御CPU72が各種の処理を実行することで、パチンコ機1は以下の挙動を示すことになる。
(1)15ラウンド確変大当り又は15ラウンド通常(非確変)大当り時
内部抽選で非当選以外となり、「15ラウンド確変大当り」又は「15ラウンド通常(非確変)大当り」のいずれかに該当した場合、上記の可変入賞装置管理処理(図31)において可変入賞装置30の開閉動作が15回の連続作動回数にわたって繰り返し実行される(特別遊技実行手段)。このとき1回ごとの開放時間(最大30秒)は大入賞口に遊技球が流入できる充分な長さに設定されているため、この間の挙動は「大当り遊技」として遊技者にも明確に認識される。また演出上も、通常時とは異なる大当り遊技中の演出が実行されるため、遊技者に明確な大当り遊技を実感させることができる。
なお、「15ラウンド確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、奇数図柄揃い等)によって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)される。あるいは、大当り中に昇格演出によって「確変大当り」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド確変大当り」後は、例えば演出上で高確率状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」であるということを確実に認識させることができる。
また、「15ラウンド非確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、偶数図柄揃い等)によって「非確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド非確変大当り」後は、例えば演出上で時間短縮状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「時間短縮状態」であるということを確実に認識させることができる。
(2)2ラウンド大当り時
一方、「2ラウンド大当り」に該当した場合、可変入賞装置管理処理(図31)において可変入賞装置30の開閉動作がいずれも短縮2回開放パターンによって実行されるだけであり、さらに1回ごとの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内(例えば1.5秒程度)で終了する(短期開閉動作実行手段)。したがって、この間の挙動は特に「大当り遊技」として遊技者には明確に認識されにくい。また、可変入賞装置30が開閉動作しても、それによる賞球はほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「大当りした」という実感を抱かせにくい。ただし、「2ラウンド」であっても「大当り」であり、可変入賞装置30の作動終了後は内部的に「高確率状態」に移行する特典が付与されるため、その後の内部抽選が遊技者にとって有利な条件で行われることになる。このため本実施形態では、「2ラウンド大当り」は、遊技者に大当りを意識させないまま内部状態だけを「高確率状態」に移行させるための契機となる。そこで、以下ではこれを適宜「隠し確変」と称するものとする。「隠し確変」は、高確率状態そのものを遊技者に対して積極的に報知(又は教示、開示)しないので、何らの情報(例えば演出上での報知)もなければ、ほとんどの遊技者は自己にとって有利な特定状態であることを意識しないまま遊技を進行させる状態(内部状態非報知モード)となる。
(3)小当り時
「小当り」に該当した場合、可変入賞装置管理処理(図31)において可変入賞装置30の開閉動作が2回にわたって実行される。また、1回あたりの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内(例えば1.5秒程度)で終了する。したがって、この間の挙動もまた特に遊技者には明確に認識されにくい。また可変入賞装置30が開閉動作しても、賞球がほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「何らかの当選が得られた」という実感を抱かせることもない。加えて「小当り」は、内部的な状態を変化させる(確率変動機能を作動させる)契機とならないため、可変入賞装置30の作動終了後も内部状態は変化せず、たとえ小当り(可変入賞装置30の開閉動作)に遊技者が気付くことがあったとしても、それはいわゆるフェイク当選としての位置付けとなる。
〔演出上の特徴〕
以上がパチンコ機1による当選を契機とした各種挙動の概要である。このうち上記(2)の2ラウンド大当り時及び(3)の小当り時については、いずれも可変入賞装置30の開閉動作を短期間内で終了させているため、実際の挙動によっても「当選(小当りを含む)したこと」を遊技者に意識させにくくなっているが、本実施形態では演出上でも「当選(小当りを含む)したこと」を遊技者に感得させにくくする処理がなされている。
〔変動表示演出〕
2ラウンド当り又は小当りが得られた場合、そのときの特別図柄表示装置34の変動パターンとして上記のように非リーチ変動パターンが選択される。そこで演出上でも、演出図柄を用いた変動表示演出においてリーチ状態を発生させず、通常(はずれ)変動による変動表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当りを含む)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の変動であるかのような印象を与えることができる。なお、実際の変動表示演出例についてはさらに後述する。
〔結果表示演出〕
加えて演出図柄による結果表示演出においても、そのときの特別図柄表示装置34の停止表示態様は確かに当選(小当りを含む)の態様となっているが、第1液晶表示器42−1の画面上では当選以外の態様(はずれ目)で結果表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当りを含む)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の結果が演出上で表示されているかのような印象を与えることができる。なお、実際の結果表示演出例についてもさらに後述する。
このとき特別図柄表示装置34の停止表示態様は7セグメントLEDによる記号的な表示(例えば「巳」の字形、「己」字形、「L」字形、「F」字形等)であり、また小さく目立たない位置に設けられているため、意識して7セグメントLEDの表示態様を注目していない限り、遊技者が当りの停止表示態様に気付くことはほとんどない。したがって遊技者は、演出図柄による結果表示演出からでなければ、当選したかどうかも気付きにくい。これは逆に、遊技者は基本的に演出の内容から内部抽選の結果を判断する傾向にあることを意味し、それだけに遊技を進める上で演出による報知(又は教示、開示)が重要な役割を担っているといえる。
〔2ラウンド当選時の演出例〕
以下、2ラウンド当選時を例に挙げて説明する。図36は、演出図柄と背景画像を用いた2ラウンド当選時に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、演出図柄を用いた変動表示演出と結果表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また結果表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは第1液晶表示器42−1の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともに、女性キャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動表示演出と結果表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図36中(A):特別図柄が変動を開始する前の状態で、第1液晶表示器42−1の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また第1液晶表示器42−1の画面下部には、特別図柄の作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1を付す)が表示されている。このマーカM1は、その表示個数により特別図柄の作動記憶数(特別図柄作動記憶ランプ34aによる表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。またマーカM1は、視覚的な判別を容易にするため例えば円(○)の図形で表示されている。なお図36中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで特別図柄の作動記憶数が4個であることを表している。
一方、第2液晶表示器42−2の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Zを付す)が表示される。この第4図柄Zは、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Zは、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。本実施形態では、白色の四角が「はずれ」・「停止表示中(非変動表示中)」を表しており、斜線模様の四角が「変動中」を表しており、有色の四角が「当選」を表している。図36中(A)の例では、第4図柄Zは、非当選の結果を表す態様(白表示色)で表示されている。また図示の例では、1つの特別図柄に対応して1つの第4図柄Zを表示している例で説明しているが、上始動入賞口26(上始動入賞口スイッチ80)と下始動入賞口28a(下始動入賞口スイッチ82)とによって、第1特別図柄と第2特別図柄といったように特別図柄を区別している場合は、それぞれに対応した2つの第4図柄を並べて表示してもよい(例えば「□□」の図形)。
〔変動表示演出開始〕
図36中(B):特別図柄の変動開始に同期して、第1液晶表示器42−1の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に同期して、第1液晶表示器42−1の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。図36中(B)の例では、第4図柄Zは、変動中を表す態様(斜線模様表示)で表示されている(図36中(C)及び図36中(D)も同様である)。
〔通常背景〕
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。なお、この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。なお特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、変動開始に伴って特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、特別図柄に関して作動記憶が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
〔左図柄停止〕
図36中(C):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図36中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「1」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「2」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「1」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。
〔結果表示演出〕
図36中(E):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で結果表示演出が行われるが、ここでは2ラウンド当選図柄が停止表示されているにも関わらず、演出上、はずれと同様の(又は近似した)態様で結果表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この場合、演出図柄の組み合わせは「1」−「3」−「5」のはずれ目であるため、今回の変動は目立って当選ではなく、通常の「はずれ」と特に変わりがないことが演出上では表現されている。ただし、この例のように左演出図柄から順に奇数図柄が並んだ停止目を表示すると、場合によっては何らかの当り(小当りを含む)に該当した可能性があることを遊技者に対して教示(示唆)することができる。これにより、以後の遊技において遊技者に「隠し確変」の状態に移行した可能性があることを想起させ、遊技意欲の減退を抑えることができる。なお、この例では奇数図柄を順に並べたはずれ目を挙げているが、特に規則性のないはずれ目(例えば「8」−「2」−「3」)で結果表示演出が行われる態様であってもよい。
また第4図柄Zについては、実際に「2ラウンド大当り」に対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「2ラウンド大当り」ではなく、実際に内部抽選の結果がはずれであった場合、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で第4図柄Zは停止表示される。
なお、ここでは「2ラウンド大当り」の場合を例に挙げているが、内部抽選の結果が上記の「15ラウンド確変大当り」であれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「7」−「7」−「7」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄Zは、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。また内部抽選の結果が上記の「15ラウンド通常(非確変)大当り」であれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「4」−「4」−「4」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄Zは、「15ラウンド通常(非確変)大当り」に対応する態様(例えば青表示色)で停止表示される。
〔2ラウンド大当り中の演出〕
上記のように、2ラウンド大当り遊技は短時間で終了するため、この間に特段の演出は実行されない。本実施形態では、2ラウンド大当り中に例えば図36中(E)に示される停止表示演出がそのまま継続されているものとする。そしてこの後、主制御CPU72による制御上では内部的に高確率状態に移行するが、演出制御CPU126による制御上では「隠し確変(内部高確率状態非報知)モード」に移行することとなる。
〔隠し確変モード中の演出例〕
図37は、通常中からの2ラウンド大当り遊技(短期開閉動作)の後に移行する隠し確変モード中の演出例(一部)を示す連続図である。
〔2ラウンド大当り終了時〕
図37中(F):可変入賞装置30による短縮2回開放動作の終了時(2ラウンド大当り終了時)において、第1液晶表示器42−1の画面には先の結果表示演出が引き続き表示されている。このとき第4図柄Zは、「2ラウンド確変大当り」に対応する態様で停止表示されている。
〔変動開始時〕
図37中(G):次に特別図柄の変動表示が開始されると、これに合わせて演出図柄を用いた変動表示演出が実行される。隠し確変モード中は、基本的に上記の通常モード画像(通常中と共通した態様の背景画像)のままで変動表示演出が実行される。ただし、隠し確変モード中は必ず通常モード画像が表示されるわけではなく、何らかの条件(例えば、演出抽選で当選)を満たした場合は通常モード画像から別のモード画像に移行する演出が行われる。このときマーカM1の表示数が1個減少することにより、乱数記憶が消費されたことが演出的に表現されている。これにより、記憶されている抽選要素を消費して次の内部抽選が行われたということを演出的に表現することができる。また演出図柄の変動開始に伴い、第4図柄Zの変動表示が開始されている。
図37中(H):隠し確変モード中に内部抽選の結果がはずれの場合、上記と同様にある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止したことを表している。
この後は特に図示していないが、例えば図36中(D)に示されるように左演出図柄に続いて右演出図柄が変動を停止する。また、次に図36中(E)に示されるように、中演出図柄が変動を停止して結果表示演出が行われる(例えば「4」−「2」−「7」等)。
〔隠し確変モード中の特性〕
たとえ演出上で明らかにされていないとしても、隠し確変モード中は上記のように主制御CPU72による制御上で内部的に高確率状態に移行している。このため実際は、毎回の内部抽選には遊技者にとって通常よりも有利な条件(通常の10倍程度の高確率)が適用されており、確率的にみて比較的早期に次の当選が得られることはほぼ約束されている。その一方で、遊技者にとってはそれまでの通常状態と演出上での見分けがつかないため、場合によっては次の当選が得られる前に遊技を止めようとすることもある。そこで本実施形態では、明確には「内部高確率状態」であることを遊技者に報知(教示、開示)しないものの、「内部高確率状態」に移行した可能性があることを遊技者に想起させて遊技に対するモチベーションを維持させるため、以下のようなモード移行演出を実行することとしている。
〔モード移行演出例〕
図38は、モード移行演出の例を示す連続図である。このようなモード移行演出は、例えば上記の「2ラウンド大当り」が発生したタイミングで実行したり、その後の変動回数が数回(例えば5〜10回程度)に達したタイミングで実行したりすることができる。
〔扉閉演出〕
図38中(I):例えば、それまでの背景画像が図36中(B)に示される「通常モード」であったとすると、2ラウンド大当り中(又は次の図柄変動演出の開始時)に表示画面の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでの表示画面を一旦覆い隠すことで、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔扉開演出〕
図38中(J):次に、閉じていた扉が表示画面の左右に素早く移動して、扉が大きく開かれる動作を表す演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出は、例えば遊技者に対して、扉が開いた先の結果に興味を抱かせる意味で行われる。
〔モード移行(背景チェンジ)演出〕
図38中(K):扉が開かれた段階で、例えば「浴衣モード突入!!」の文字情報とともに、背景画像が「浴衣モード」を表す態様に変化する。「浴衣モード」は、例えば上記の浴衣を着こなした女性キャラクターが画面上で大写しになった様子を演出的に表した画像である。このようなモード移行演出を実行することにより、演出上で異なるモードに移行したことを遊技者に対して視覚的に訴求させることができ、それによって「内部高確率状態」の可能性を想起させ、次の当選が得られるまで(次の当選に向けて)遊技を継続しようとするモチベーションを維持させることができる。
〔浴衣モード演出〕
図38中(L):モード移行演出に続き、特別図柄の変動表示に略同期して上記の変動表示演出が実行される。このときの背景画像は既に「浴衣モード」の態様に切り替わっている。これにより扉の開閉動作を経て、演出上で「通常モード」から「浴衣モード」に移行したことが遊技者に知らされる。なお、ここでは「通常モード」から「浴衣モード」に移行するパターンを例に挙げているが、その他のモード(ステージ)に移行する場合も同様の流れとなる。
また上記のモード移行演出は、2ラウンド大当り遊技終了後の「隠し確変モード」中だけでなく、例えば小当り後の通常状態においても共通して実行される。すなわち「小当り」に該当した場合であっても、上記のように可変入賞装置30が2回開閉動作されるため、特別図柄表示装置34による特別図柄の停止表示態様や遊技状態表示装置38による大当り種別表示ランプ38aの点灯表示を遊技者が正確に認識(識別)していない限り、パチンコ機1の外見上の挙動は「2ラウンド大当り」と見分けがつきにくく、内部状態が高確率状態に移行したか否かを遊技者が直ちに察知することができない。この場合、実際に内部状態が高確率状態に移行していなかったとしても、上記のモード移行演出を共通に実行することにより、「隠し確変」を契機に「浴衣モード」に移行したのか、それとも通常状態のまま「小当り」を契機に演出上だけ「浴衣モード」に移行したのかの見分けを付にくくし、それによって遊技の多様性を高めることができる。
もちろん、特別図柄表示装置34による特別図柄の停止表示時にその停止表示態様(停止図柄)や遊技状態表示装置38による大当り種別表示ランプ38aの点灯表示を遊技者が正確に認識(識別)していれば、明らかに内部状態が高確率状態に移行したか否かを知ることができるが、大多数の遊技者にとっては演出上で報知(教示、開示)される情報の方が利用しやすいため、演出上で明らかに内部状態を報知しない場合、ほとんどの遊技者には内部状態が高確率状態に移行したか否かを後から知ることは困難である。
〔第1実施形態の可動役物装置の演出例〕
次に、可動役物装置213が可動する際の演出例について説明する。
図39及び図40は、第1実施形態による可動役物装置の演出例を示す連続図である。
〔変動表示演出開始〕
図39中(A):特別図柄の変動開始に略同期して、第1液晶表示器42−1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは図示を省略しているが、背景画像として例えば「通常ステージ画像」が選択されているものとする。また、第2液晶表示器42−2では、第4図柄Zは、変動中を表す態様(斜線模様表示)で表示される。
〔左演出図柄の停止〕
図39中(B):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第2液晶表示器42−2には、変動中を示す斜線模様の第4図柄Zが表示され続けている。
〔リーチ状態の発生〕
図39中(C):そして左演出図柄に続き、右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右側位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の横一線上に数字の「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。このとき、第2液晶表示器42−2には、「リーチ」の文字が表示され、第4図柄Zも継続して変動中の態様で表示され続けている。なお、画面上に横一線上でリーチ状態となったラインを強調する画像が合わせて表示されてもよい。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われてもよい。特に、このまま大当りになれば確率変動大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変大当りか、はずれか」という緊張感を遊技者に抱かせることができる。
〔リーチ演出の進行,可動役物装置の可動〕
図39中(D):そして、リーチ状態中の演出として、シャッターリーチ演出が行われる。この演出は、上述した可動役物装置213の左扉部材240と右扉部材241とが急に閉じられるリーチ演出である。左扉部材240と右扉部材241とによって演出図柄が隠蔽されるので、遊技者は期待感をもって遊技の進行を見守ることができる。この際、第2液晶表示器42−2には、このリーチ演出の名称を表す「シャッターリーチ」の文字が表示され、第4図柄Zも継続して変動中の態様で表示され続けている。なお、第1液晶表示器42−1に表示していた左・中・右演出図柄は、可動役物装置213を避けた位置に小さく表示し続けてもよい。この場合、小さく表示した左・中・右演出図柄は、「7」−「変動中」−「7」という表示態様となる(図中矢印D参照)。
〔可動役物装置の反時計回りの回転〕
図40中(E):シャッターリーチ演出として、左扉部材240と右扉部材241とが閉じられたまま、回転板223が反時計回りに45°回転する演出が行われる。この場合も、第2液晶表示器42−2には、第4図柄Zが継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔可動役物装置の時計回りの回転〕
図40中(F):シャッターリーチ演出として、左扉部材240と右扉部材241とが閉じられたまま、回転板223が時計回りに45°回転する演出が行われる。これらの動作により、左扉部材240と右扉部材241とが閉じた状態のまま左右に回転するので、遊技者は期待感を一層高めることができる。この場合も、第2液晶表示器42−2には、第4図柄Zが継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔可動役物装置の停止及び扉の開動作〕
図40中(G):シャッターリーチ演出として、左扉部材240と右扉部材241とが開かれる。この際、第2液晶表示器42−2には、「オープン!!」の文字が表示され、シャッターリーチ演出が最終段階に突入したことを遊技者に教示することができる。また、第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔結果表示演出〕
図40中(H):例えば、特別図柄の停止表示に略同期して、左扉部材240と右扉部材241とが完全に開かれ、すべての演出図柄が停止する。このとき、内部抽選の結果が当選に該当していれば、特別図柄がそのときの当選種類に対応した態様で停止表示されるため、その当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」を表す演出図柄を画面に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する結果表示演出が行われている。この他に、「確変大当り」であってもリーチ状態の段階から偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる場合もある。
一方、第2液晶表示器42−2には、「大当り」の文字が表示されるとともに、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。
〔制御手法〕
次に、上記のような可動役物装置213を用いた遊技性を実現するための制御手法について説明する。
〔演出制御処理〕
図41は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、特図別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、特別図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。演出情報表示手段及び連動情報表示手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46や盤面ランプ501〜516等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数がある他、上記の待機用デモ画面に移行するまでの時間の設定に用いられる乱数、待機用デモ画面の種類の設定(選択)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して、予め定められた所定のタイミング、例えばリーチ時、予告演出時、ボタン押下時、カットイン発生時、再抽選時等の所定の可動契機が発生した場合に制御信号を出力する。可動役物装置213の各可動体は回転駆動モータ229、第1モータ242、第2モータ244等を駆動源として動作し、上記のように第1液晶表示器42−1、第2液晶表示器42−2による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う(例えば図39及び図40の演出例)。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図42は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図23中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また演出制御CPU126は、この演出図柄変動前処理において上記の待機用デモ画面を表示する制御(デモ演出の制御)を実行する。なお、具体的な処理の内容は別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、少なくとも通常中からの2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行することは既に述べたとおりである。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。例えば15ラウンドの大当りの場合、演出制御CPU126は第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2に表示する演出内容として15ラウンド大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、15ラウンド大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、第1液晶表示器42−1及び第2液晶表示器42−2の表示画面では15ラウンド大当り中に専用の演出画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
あるいは、「2ラウンド大当り」に該当していた場合、演出制御CPU126は上記の通常変動演出(例えば図36の演出例)を実行させる制御を行う。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126は通常変動演出(例えば図36の演出例)と同様の演出を実行させる制御を行う。
〔演出図柄変動前処理〕
図43は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は上記の待機用デモ画面に移行するまでの時間の設定やそのカウントを行うとともに、実際に待機用デモ画面に移行させる制御を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図41中のステップS404)、ランプ駆動処理(図41中のステップS406)において待機用デモ画面(「アイキャッチ画面」、「タイトル画面」等)を表示するための制御を実行する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。この場合の処理は、待機用デモ画面に移行させるためでなく、毎回の特別図柄の変動に対応させて変動表示演出や結果表示演出を実行するためのものとなる。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる(ただし、2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンは除く。)。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動(2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンを含む)に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の通常はずれ目」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の通常はずれ目は、例えば「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)としてもよい。また、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「8」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。
このように、第1実施形態によれば、第2液晶表示器42−2に第4図柄Zを表示するので、可動役物装置213の左扉部材240や右扉部材241、回転板223等がどのような複雑な動きをしても、第2液晶表示器42−2に表示される第4図柄Zが見えなくなってしまうことがなく、遊技者は第4図柄Zを継続して視認しつづけることができる。その結果、可動役物装置213を自由に可動させることができ、可動役物装置213を用いた演出の幅を広げることができる。また、第4図柄Zは、第2液晶表示器42−2に固定表示しておけばよいので、従来技術のように可動体の可動形態によって第4図柄Zの表示位置を変える必要はなく、その分制御負担も軽減させることができる。
〔第2実施形態〕
図44及び図45は、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機1−2を示す図である。なお、以下の説明では、第1実施形態と共通する事項については同じ符号を付与するものとし、その重複した説明を適宜省略する。
第2実施形態に係るパチンコ機1−2では、可動役物装置213−2に関して、第1実施形態のようにシャッターを模した役物ではなく、星形の役物を採用している。
この可動役物装置213−2は、図45に示されるように、星形の部材213aが棒状の支持部材213bに支持されているものであり、支持部材213bを図示しない駆動機構によって送り出すことにより、星形の部材213aを第1液晶表示器42−1の前方に出没させることができる。
〔第2実施形態の可動役物装置の演出例〕
次に、可動役物装置213−2が可動する際の演出例について説明する。
図46は、第2実施形態による可動役物装置の演出例を示す連続図である。
〔変動表示演出開始〕
図46中(A):第1液晶表示器42−1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、第2液晶表示器42−2では、第4図柄Zは、変動中を表す態様(斜線模様表示)で表示される。
〔左演出図柄の停止〕
図46中(B):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔リーチ状態の発生〕
図46中(C):ここで、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。ここでも、第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔リーチ発生後予告演出〕
図46中(D):「リーチ状態」が発生して暫くすると、第1液晶表示器42−1の前方に、可動役物装置213−2の星形の部材213aが出没するリーチ発生後予告演出が行われる。この際、第2液晶表示器42−2には、「激アツ!!」の文字が表示され、今回の変動が大当りとなる可能性が高いことを遊技者に教示している。また、この際にも、第4図柄Zは、第2液晶表示器42−2に表示され続けている。この後は特に図示していないが、例えば大当り演出又ははずれ演出が行われた後に、結果表示演出が行われる。
このように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、可動役物装置213−2よりも手前側に配置した第2液晶表示器42−2に第4図柄Zを表示しているので、第1液晶表示器42−1の大部分を覆うような大きな星形の部材213aを可動させても、第4図柄Zの視認性が損なわれることがない。
〔第3実施形態〕
図47及び図48は、本発明の第3実施形態に係るパチンコ機1−3を示す図である。
第3実施形態に係るパチンコ機1−3は、障子を模した可動体としての障子部材213cを有する可動役物装置213−3を採用している。
この可動役物装置213−3は、可動領域に敷かれたレール213d上を障子部材213cが図示しない駆動機構によってスライド可動するものであり、障子部材213cが第1液晶表示器42−1の前方に出没する。
そして、図47に示すような初期姿勢から、上記駆動機構を駆動させると、図48に示されるように、障子部材213cが閉じた状態となる。
〔第3実施形態の可動役物装置の演出例〕
次に、可動役物装置213−3が可動する際の演出例について説明する。
図49は、第3実施形態による可動役物装置の演出例を示す連続図である。
〔変動表示演出開始〕
図49中(A):第1液晶表示器42−1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、第2液晶表示器42−2では、第4図柄Zは、変動中を表す態様(斜線模様表示)で表示される。
〔リーチ発生前予告演出〕
図49中(B):変動表示演出の中期にさしかかると、リーチ発生前予告演出が実行される。この演出は、可動役物装置213−3の障子部材213cを可動させることにより、第1液晶表示器42−1の前方に障子部材213cを出没させ、障子が閉じた状態となる演出である。この際、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けるとともに、第2液晶表示器42−2には、この予告の名称としての「障子チャンス」の文字が表示される。
〔リーチ発生前予告演出〕
図49中(C):そして、しばらくした後に、可動役物装置213−3の障子部材213cを開く方向に可動させ、障子を開く演出を実行する。この際、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けるとともに、第2液晶表示器42−2には、障子が開くことを示唆する「オープン!!」の文字が表示される。
〔リーチ状態の発生〕
図49中(D):ここで、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「5」−「変動中」−「5」のリーチ状態が発生している。図示の例では、障子チャンスに成功してリーチ状態となった状態を示している。第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。この後は特に図示していないが、例えば大当り演出又ははずれ演出が行われた後に、結果表示演出が行われる。
このように、第3実施形態によれば、可動役物装置213−3の障子部材213cを可動させて、第1液晶表示器42−1を完全に覆い隠してしまっても、遊技者は第4図柄Zを視認し続けることができる。
〔第4実施形態〕
図50は、本発明の第4実施形態に係るパチンコ機1−4を示す図である。
第4実施形態に係るパチンコ機1−4は、第2実施形態と同様の星形の部材213aを有する可動役物装置213−2に加えて、第2液晶表示器42−2が左右にスライド可能となっているものである。
図51は、第2液晶表示器42−2のスライド機構について説明する図である。
第2液晶表示器42−2のスライド機構は、様々な形態を採用することができるが、パチンコ機の各部品を配置する際の空きスペースや第2液晶表示器42−2の重量及び形状等を考慮して最適な機構を採用すればよい。以下、代表的な3つの形態について説明する。
〔図51中(A):第1の方法〕
第1の方法は、第1実施形態の左扉部材240や右扉部材241の駆動の仕方と同様に、モータ213eの回転力を複数の歯車213fを介してスクリューシャフト213gに伝達し、スクリューシャフト213gを回転させることによって、スクリューシャフト213gの螺旋状溝と係合する螺旋状突部を内面に有するガイド筒体213hとともに第2液晶表示器42−2を左右にスライドさせる方法である。
〔図51中(B):第2の方法〕
第2の方法は、第2液晶表示器42−2の可動領域の下方にレール213iを敷き、図示しないモータやギア,車輪等によってそのレール213iの上を左右にスライドさせる方法である。
〔図51中(C):第3の方法〕
第3の方法は、第2液晶表示器42−2の側面に支持部材213jを取り付け、その支持部材213jを図示しないソレノイド等の駆動機構、又はラックとピニオンとを有する駆動機構等により送り出すことによって、支持部材213bとともに第2液晶表示器42−2を左右にスライドさせる方法である。
これら第1〜第3のいずれの方法であっても、第2液晶表示器42−2は、第4図柄Zを表示する表示画面を遊技者に向けた状態で左右に移動可能であるから、第4図柄Zを表示する第2液晶表示器42−2の表示画面は、姿勢を維持したまま左右にスライドすることとなり、第4図柄Zを常に遊技者に視認させることができる。
〔第4実施形態の可動役物装置の演出例〕
次に、可動役物装置が可動する際の演出例について説明する。
図52は、第4実施形態による可動役物装置の演出例を示す連続図である。
〔変動表示演出開始及びリーチ状態発生〕
図52中(A):第1液晶表示器42−1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始され、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。第2液晶表示器42−2の第4図柄Zは、変動中の態様で表示されている。
〔リーチ発生後予告演出〕
図52中(B):「リーチ状態」が発生して暫くすると、第1液晶表示器42−1の前方に、可動役物装置213−2の星形の部材213aが出没するリーチ発生後予告演出が行われる。この際、第2液晶表示器42−2には、「激アツ!!」の文字が表示され、今回の変動が大当りとなる可能性が高いことを遊技者に教示している。また、この際にも、第4図柄Zは、第2液晶表示器42−2に表示され続けている。
〔リーチ演出の進行〕
図52中(C):リーチ発生後予告演出に続いて、リーチ演出はスーパーリーチ演出に突入する。この演出中には、第2液晶表示器42−2が第1液晶表示器42−1の中央付近までスライドし、第2液晶表示器42−2がリーチ演出の表示を行う。第2液晶表示器42−2では、例えば数字の「2」〜「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」以降(「9」は省略してもよい。)が画面手前に残ると「はずれ」であり、逆に数字の「6」が消去されずに残っても「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。また、この際にも、第4図柄Zは、第2液晶表示器42−2に表示され続けている。
〔リーチ演出の終了〕
図52中(D):そして、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第2液晶表示器42−2に「7」の図柄が表示される。第4図柄Zは、継続して第2液晶表示器42−2に表示され続けている。
〔結果表示演出〕
図52中(E):リーチ演出が終了すると、第2液晶表示器42−2は、右方向にスライドして元の位置に戻る。また、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての中演出図柄が停止する。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」を表す演出図柄が、第1液晶表示器42−1の表示画面の中央に停止表示される。さらに、第2液晶表示器42−2には、「大当り」の文字が表示されるとともに、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。
第4実施形態によれば、演出図柄(デモ図柄)を表示する第1液晶表示器42−1の前方に、第4図柄Zを表示する第2液晶表示器42−2が移動することになる。このように、可動役物装置213−2の星形の部材213aが複雑な動きをするだけでなく、第4図柄Zを表示する第2液晶表示器42−2が第1液晶表示器42−1の前方に出没するといった複雑な動きをしても、遊技者は第4図柄Zを視認し続けることができる。
〔第5実施形態〕
図53は、本発明の第5実施形態に係るパチンコ機1−5を示す図である。
第5実施形態に係るパチンコ機1−5は、第3実施形態と同様の障子を模した障子部材213cを有する可動役物装置213−3に加えて、第2液晶表示器42−2が反転可能なものになっている。また、第2液晶表示器42−2は、表面と裏面との両面に表示画面を有する。
図54は、第2液晶表示器42−2の反転機構について説明する図である。
図54中(A)に示されるように、第2液晶表示器42−2の左端部側には、上下方向に延びた貫通孔42aが形成されており、その貫通孔42aに支持部材42bが挿入されて固定されている。支持部材42bは、図示しないステッピングモータ等の駆動機構に接続されており、駆動機構を駆動して支持部材42bを回転させることで、図54中(B)に示されるように、第2液晶表示器42−2を反転させることができる。第2液晶表示器42−2は、表面と裏面との両面に表示画面を有するため、第2液晶表示器42−2が反転しても、遊技者は第4図柄Zを視認することができる。なお、このように第2液晶表示器42−2に反転機構を備えさせる場合、第2液晶表示器42−2が反転した際にガラス枠ユニット4のガラス面にぶつからないようにするため、第2液晶表示器42−2が可動する領域を考慮して、第2液晶表示器42−2をパチンコ機1−5の内部の後方位置に配置する必要がある。
〔第5実施形態の可動役物装置の演出例〕
次に、可動役物装置が可動する際の演出例について説明する。
図55は、第5実施形態による可動役物装置の演出例を示す連続図である。
〔変動表示演出開始及びリーチ発生前予告演出〕
図55中(A):第1液晶表示器42−1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始され、可動役物装置213−3の障子部材213cを可動させることにより、第1液晶表示器42−1の前方に障子部材213cを出没させ、障子が閉じた状態となる。この際、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、変動中の態様で表示され続けるとともに、第2液晶表示器42−2には、この予告の名称としての「障子チャンス」の文字が表示される。
〔リーチ発生前予告演出〕
図55中(B):そして、可動役物装置213−3の障子部材213cを開く方向に可動させることにより、障子が開き始める。この際、第2液晶表示器42−2に表示されている第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けるとともに、第2液晶表示器42−2には、障子が開くことを示唆する「オープン!!」の文字が表示される。
〔リーチ発生前予告演出〕
図55中(C):第1液晶表示器42−1では、左演出図柄及び右演出図柄が揃わず、画面の横一線上に数字の「5」−「変動中」−「4」が表示され、リーチ状態が発生していない。しかし、この例では、「障子チャンス」演出に失敗してリーチ状態が発生しなかったものの、復活演出として第2液晶表示器42−2に「まだまだ」の文字が表示される。第2液晶表示器42−2に表示される第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
〔第2液晶表示器反転演出〕
図55中(D):そして、第2液晶表示器42−2が反転し、第2液晶表示器42−2の裏面の表示画面に「5」の図柄が表示される。第2液晶表示器42−2が反転した場合は、第2液晶表示器42−2の裏面の表示画面にて第4図柄Zを変動中の態様で表示する。
〔リーチ状態の発生〕
図55中(E):第2液晶表示器42−2が再び反転して元の位置に戻り、第1液晶表示器42−1では、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「5」−「変動中」−「5」のリーチ状態が発生している。図示の例では、障子チャンスに失敗したが、第2液晶表示器42−2による復活演出によってリーチ状態となった状態を示している。第2液晶表示器42−2の表面の表示画面に表示される第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。この後は特に図示していないが、例えば大当り演出又ははずれ演出が行われた後に、結果表示演出が行われる。
このように、第5実施形態によれば、第2液晶表示器42−2は、その表裏面に第4図柄Zを表示する表示画面を備えるので、第2液晶表示器42−2が反転した場合であっても、第4図柄Zの視認可能性を高めることができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、各種演出手法の例として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。
一実施形態で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置28の作動時間、可変入賞装置30の開放時間、開放回数、賞球数等の条件、可動役物装置やその可動形態はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8a内の各種始動ゲート20,21、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等の個数や配置は種々に変形して実施してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。