JP2008035411A - 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】水晶片の外形エッチング時にレジストに起因するエッチングレートの不安定性等の問題が生じることなく、また溝部形成のための金属マスクを精度よく形成することで、寸法精度の高い溝部を形成することができる圧電振動子の製造方法を提供すること。
【解決手段】基部から伸び出している複数の振動腕部の各々に溝部が形成されている圧電振動子の製造方法において、基板をエッチング液に接触させて、金属膜をマスクとして圧電振動片の外形を形成する工程の前に、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程を行い、また基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして複数の振動腕部に各々溝部を形成する工程の前に、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程を行うことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】基部から伸び出している複数の振動腕部の各々に溝部が形成されている圧電振動子の製造方法において、基板をエッチング液に接触させて、金属膜をマスクとして圧電振動片の外形を形成する工程の前に、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程を行い、また基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして複数の振動腕部に各々溝部を形成する工程の前に、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程を行うことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば水晶等からなる圧電基板を用いて、例えば音叉型の圧電振動子を製造する技術に関する。
音叉型の水晶振動子は、小型、安価で低消費電力であることから、従来から腕時計の歩度を刻む信号源として採用され、更にその用途が広がろうとしている。この水晶振動子としては、電力損失を抑えるために、CI(クリスタルインピーダンス)値をより小さくすることが要求され、このため水晶振動子に溝部を形成して振動効率を高めたものが用いられている。
この水晶振動子は図7に示すように基部1に一対の振動腕部2a及び2bが設けられ、各振動腕部2a,2bにおける両主面には溝部31,32が夫々設けられている。これらの溝部31,32及び各振動腕部2a,2bには、屈曲振動に基づいた音叉振動を励起するための図示しない励振電極が形成されている。
上述した水晶振動子は、以下の工程によって製造される(特許文献1参照)。なお、図8及び図9は図7のA−A線に沿った断面部分についての製造工程を示す図である。先ず切り出された水晶ウエハ10を研磨加工して洗浄した後に、スパッタ法で金属膜11を形成する(図8(a))。この金属膜11は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜11の上にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布した後(図8(b))、このフォトレジストを水晶片10の形状、即ち音叉形状のパターンとなるように露光及び現像し、音叉形状のレジスト膜12を形成する(図8(c))。そしてこの後にエッチングによって、レジスト膜12で覆われていない金属膜11の部分を除去し、水晶ウエハ10に残っているレジスト膜12を全て剥離する(図8(d))。
次に水晶ウエハ10の全面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜13を形成する(図8(e))。そして水晶片の外形が残るようにレジスト膜13を剥離させると共に、図7に示す溝部31,32に相当する部分のレジスト膜13を剥離させる(図9(f))。
しかる後、レジスト膜13が金属膜11に載ったまま、当該金属膜11をマスクにして水晶ウエハ10をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行うことで水晶片の外形を形成する(図9(g))。なお、図9中の14及び15は振動腕部2a,2bに相当する部位であり、図9中の16及び17は、一枚の水晶片を水晶ウエハから抜き取るために便宜上記載した外枠部分である。続いてレジスト膜13をマスクにして、図7に示す溝部31,32に相当する部分の金属膜11を例えばヨウ化カリウム(KI)溶液によりエッチングして除去する(図9(h))。そしてこの水晶ウエハ10をフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行う。これによって水晶片10の両主面に溝部31,32が形成される(図9(i))。
続いてこのような金属膜11の上にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布した後(図8(b))、このフォトレジストを水晶片10の形状、即ち音叉形状のパターンとなるように露光及び現像し、音叉形状のレジスト膜12を形成する(図8(c))。そしてこの後にエッチングによって、レジスト膜12で覆われていない金属膜11の部分を除去し、水晶ウエハ10に残っているレジスト膜12を全て剥離する(図8(d))。
次に水晶ウエハ10の全面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜13を形成する(図8(e))。そして水晶片の外形が残るようにレジスト膜13を剥離させると共に、図7に示す溝部31,32に相当する部分のレジスト膜13を剥離させる(図9(f))。
しかる後、レジスト膜13が金属膜11に載ったまま、当該金属膜11をマスクにして水晶ウエハ10をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行うことで水晶片の外形を形成する(図9(g))。なお、図9中の14及び15は振動腕部2a,2bに相当する部位であり、図9中の16及び17は、一枚の水晶片を水晶ウエハから抜き取るために便宜上記載した外枠部分である。続いてレジスト膜13をマスクにして、図7に示す溝部31,32に相当する部分の金属膜11を例えばヨウ化カリウム(KI)溶液によりエッチングして除去する(図9(h))。そしてこの水晶ウエハ10をフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行う。これによって水晶片10の両主面に溝部31,32が形成される(図9(i))。
しかし、上述した製造工程において、次のような問題がある。先ず、図9(g)に示すように水晶ウエハ10をエッチング液であるフッ酸中に長時間浸漬してウエットエッチングを行った場合、塗布したレジスト膜13がエッチング液中に溶け出して、エッチング液に対する水晶ウエハ10のエッチングレートが不安定となりロット間で水晶片の外形のばらつきが生じるといった問題がある。また一部剥離したレジスト膜13がエッチング液に浮遊し、このレジスト膜13が水晶ウエハ10に再付着することにより、それがマスクとなり水晶ウエハ10の外形不良が生じるという問題もある。さらに一部剥離したレジスト膜13が再付着するおそれがあるため、エッチング液を複数ロットに利用することができない。
次に、長時間のベーク処理を行った後、図9(g)に示すように水晶ウエハ10をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行った場合には、レジスト膜がエッチング中に溶け出すことを防ぐことができるが、工程数が増え、作業が煩雑になるという問題がある。
一方エッチング液を高温にすることで、ウエットエッチング液に対する水晶ウエハ10のエッチングレートを速くすることができるが、エッチング液を高温にすると、レジスト膜の外形ラインが溶けて崩れてしまい、図9(g)に示すように溝部31,32に相当する金属膜11をエッチングする際のマスクとして機能し得ず、そのため金属膜11において外形不良が生じ、水晶片10の両面に精度よく溝部31,32が形成されないことから、作業時間の短縮が図れないという問題もある。
次に、長時間のベーク処理を行った後、図9(g)に示すように水晶ウエハ10をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行った場合には、レジスト膜がエッチング中に溶け出すことを防ぐことができるが、工程数が増え、作業が煩雑になるという問題がある。
一方エッチング液を高温にすることで、ウエットエッチング液に対する水晶ウエハ10のエッチングレートを速くすることができるが、エッチング液を高温にすると、レジスト膜の外形ラインが溶けて崩れてしまい、図9(g)に示すように溝部31,32に相当する金属膜11をエッチングする際のマスクとして機能し得ず、そのため金属膜11において外形不良が生じ、水晶片10の両面に精度よく溝部31,32が形成されないことから、作業時間の短縮が図れないという問題もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、水晶片の外形エッチング時にレジストに起因するエッチングレートの不安定性等の問題が生じることなく、また溝部形成のための金属マスクを精度よく形成することで、寸法精度の高い溝部を形成することのできる圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を有する電子部品を提供することを目的とする。
圧電基板からエッチングにより複数の圧電振動片に対応する外形部分を得ると共に圧電振動片に電極膜を形成して、基部から伸び出している複数の振動腕部の各々に溝部が形成されている圧電振動子を製造する方法において、圧電基板である基板の表面に金属膜を形成する工程と、この金属膜の表面に、圧電振動片の形状部分が残るようにパターニングされたレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングにより除去する工程と、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして圧電振動片の外形を形成する工程と、しかる後、基板の表面に、振動腕部の溝部に相当する部分が開口したレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングにより除去する工程と、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして複数の振動腕部に各々溝部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。振動腕部の溝部に相当する部分が開口したレジストマスクを形成する工程において、基板の表面に形成されたレジスト膜の外縁位置は、例えば圧電振動片の外形よりも内側にあってもよい。
また上述した圧電振動子の製造方法において、前記振動腕部に溝部を形成する工程の後に、基板表面に残っている金属膜を除去する工程と、次いで、前記複数の振動腕部に形成された溝部を含む領域に電極となる金属膜を形成する工程と、この金属膜の表面にレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングし、電極パターンを形成する工程と、基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、を備えたことを特徴とする。
また本発明の圧電振動子は、上述した方法によって製造されたことを特徴とする。
さらに本発明の電子部品は、上述した方法によって製造された圧電振動子と、前記圧電振動子を収納するための容器と、前記容器の外面に形成され、前記圧電振動子の電極に電気的に接続された外部電極と、を備えたことを特徴とする。
さらに本発明の電子部品は、上述した方法によって製造された圧電振動子と、前記圧電振動子を収納するための容器と、前記容器の外面に形成され、前記圧電振動子の電極に電気的に接続された外部電極と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レジスト膜のない状態で金属膜をマスクにして圧電基板をエッチング液に接触させて、圧電振動片の外形を形成し、その後、新たに基板の表面にレジスト膜を形成しているので、圧電振動片の外形エッチング時にレジスト膜の存在に起因するエッチングレートの不安定性や、レジスト膜の基板への付着に伴う外形形状の不具合等が生じるおそれがない。また圧電振動片の振動腕部の溝部に相当する部分の金属膜をエッチングする際、前記エッチング液に浸漬されたレジスト膜が存在しないので金属膜の外形不良が生じるといったおそれがないため、当該金属膜をマスクとして用いることで、振動腕部に寸法精度の高い溝部を形成することができる。そのためCI値の劣化(増大)を防ぐことができる。
本発明の実施の形態として圧電振動子である音叉型の水晶振動子の製造方法について説明する。この実施の形態に係る水晶振動子の構造に関しては、従来技術の項のところで図7を用いて説明した水晶振動子と同一であるため、同一である部分の説明を省略する。
図1に示すように、この水晶振動子には、一対をなす一方の電極と他方の電極とが存在する。先ず振動腕部2のうち振動腕部2aに着目すると、振動腕部2aの2つの溝部31,32の内面全体とこれら溝部31,32の間とに一方の励振電極41が形成されている。即ち、溝部31,32の間に相当するいわば橋部に形成された励振電極41により、振動腕部2aの各溝部31,32内の励振電極41同士が互に接続されている。そしてこの振動腕部2aの両側面21,21と、主面22,22(表側及び裏側)における先端側の第2の溝部31よりも上方部位と、には他方の励振電極51が形成されている。更にまた振動腕部2aにおける先端部には、その重量を調整することにより発振周波数を調整するための金属膜である調整用錘50が設けられている。この調整用錘50は励振電極51の一部をなすものであるが、その他の部位の電極とは例えば膜厚や電極材料を変えている。なお、図1において励振電極41,51は図面を見易くするために斜線と黒の点在領域とを使い分けて表している。従って、図1の斜線は水晶片の断面を示すものではない。
また振動腕部2bに着目すると、振動腕部2bの2つの溝部31,32の内面全体と、これら溝部31,32の各々の間と、に他方の励振電極51が形成されている。そしてこの振動腕部2bの両側面21,21と、主面22,22(表側及び裏側)における先端側の第2の溝部31よりも上方部位と、には一方の励振電極41が形成されている。なお、振動腕部2aにおける先端部においても、同様にその重量を調整することにより発振周波数を調整するための調整用錘40が設けられている。また振動腕部2a,2bに設けられた電極の配置は、励振電極41,51が互に逆の関係であることを除くと互に同一である。そしてこれら一方の励振電極41同士が電気的に接続されるように基部1の表面に引き出し電極42からなる電極パターンが形成されていると共に、他方の励振電極51同士が接続されるように基部1の表面に引き出し電極52からなる電極パターンが形成されている。
次に、図1に示す水晶振動子の製造方法について図2〜図4を参照しながら説明する。なお、水晶振動子は一枚の圧電基板から多数の水晶振動子が作成されるが、図2〜図4は一枚の圧電基板のある一部分に作成される一個の水晶振動子について説明したものである。また図2〜図4は図1のB−B線に沿った断面部分についての製造工程を示す図である。先ず切り出された圧電基板である水晶ウエハ60を研磨加工して洗浄した後に、スパッタ法で金属膜61を形成する(図2(a))。この金属膜61は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜61の上にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布した後(図2(b))、このフォトレジストを水晶片の形状、即ち音叉形状のパターンとなるように露光及び現像し、音叉形状のレジスト膜62を形成する(図2(c))。そしてこの後、前記レジスト膜62をマスクにして水晶ウエハ60をヨウ化カリウム(KI)溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜62に覆われていない金属膜61の部分を除去し、その後水晶ウエハ60に残っているレジスト膜を全て剥離する(図2(d))。
そして前記金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶片65の外形を形成する(図2(e))。こうして圧電基板である水晶ウエハ60に複数個の水晶片65が形成される。
次に水晶ウエハ60の全面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜63を形成する(図3(f))。次いで図1に示す溝部31,32に相当する部分のレジスト膜63を剥離する(図3(g))。また、図3(g)に示す工程において、振動腕部の溝部に相当する部分のレジスト膜63を剥離すると共に、前工程で形成された水晶片65の外形より内側にレジスト膜63が残るように、それ以外のレジスト膜63を剥離するようにしてもよい。続いて前記レジスト膜63をマスクとして水晶ウエハ60をKI溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜63が剥離した箇所の金属膜61を除去し、その後水晶ウエハ60に残っているレジスト膜63を全て剥離する(図3(h))。
そして前記金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶片65の外形を形成する(図2(e))。こうして圧電基板である水晶ウエハ60に複数個の水晶片65が形成される。
次に水晶ウエハ60の全面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜63を形成する(図3(f))。次いで図1に示す溝部31,32に相当する部分のレジスト膜63を剥離する(図3(g))。また、図3(g)に示す工程において、振動腕部の溝部に相当する部分のレジスト膜63を剥離すると共に、前工程で形成された水晶片65の外形より内側にレジスト膜63が残るように、それ以外のレジスト膜63を剥離するようにしてもよい。続いて前記レジスト膜63をマスクとして水晶ウエハ60をKI溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜63が剥離した箇所の金属膜61を除去し、その後水晶ウエハ60に残っているレジスト膜63を全て剥離する(図3(h))。
しかる後、前記金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶片65の両主面に溝部31,32を形成する(図3(i))。また、前工程で形成された水晶片65の外形より内側にレジスト膜63が残るようにした場合には、水晶片65の縁部には例えば1段あるいは複数段の段部が形成される。その後、水晶ウエハ60に残っている金属膜61を除去する(図3(j))。以上の工程により、図5に示すように電極パターンが形成されていない状態の原型6が製造される。
次に、電極パターンを作成する工程について説明する。先ず、原型6の両面にスパッタ法で電極となる金属膜71を形成する(図4(k))。この金属膜71は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜71の上にフォトレジストをスプレー法で塗布する(図4(l))。そしてフォトリソグラフィーにより電極パターンとなるレジスト膜72以外のレジスト膜72を剥離する(図4(m))。しかる後、レジスト膜72が剥離された箇所の金属膜71をエッチングして電極パターンを形成する(図4(n))。その後、原型6に残っているレジスト膜72を全て剥離する(図4(o))。そして電極パターンが形成された原型6から、図1に示す水晶振動子が切り出されることになる。
次に、電極パターンを作成する工程について説明する。先ず、原型6の両面にスパッタ法で電極となる金属膜71を形成する(図4(k))。この金属膜71は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜71の上にフォトレジストをスプレー法で塗布する(図4(l))。そしてフォトリソグラフィーにより電極パターンとなるレジスト膜72以外のレジスト膜72を剥離する(図4(m))。しかる後、レジスト膜72が剥離された箇所の金属膜71をエッチングして電極パターンを形成する(図4(n))。その後、原型6に残っているレジスト膜72を全て剥離する(図4(o))。そして電極パターンが形成された原型6から、図1に示す水晶振動子が切り出されることになる。
また図1に示すように振動腕部2aにおける先端部に設けられた金属膜である調整用錘50を形成する場合には、図3(i)に示す水晶片65の両主面に溝部31,32を形成する工程の後、水晶ウエハ60の表面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜を形成する。そしてフォトリソグラフィーにより図1に示す振動腕部2a,2bの先端部分のみレジスト膜を残し、その他の部分はレジスト膜を全て剥離する。次に水晶ウエハ60をKI溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜が剥離した箇所の金属膜61を除去し、その後振動腕部2a,2bの先端部分に残っているレジスト膜を剥離する。しかる後、上述した図4(k)〜図4(o)に示す電極パターンを作成する工程が行われる。このように水晶片65の両主面に溝部31,32を形成するためのマスクとして使用される金属膜61を振動腕部2a,2bの先端部分にのみ残し、その後、電極膜パターンを形成することで、先端の調整用電極膜が厚くなるので、発振周波数の調整幅が大きくなる。
上述した実施の形態によれば、図2(e)に示すようにレジスト膜がない状態で金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液に接触させて、水晶片の外形を形成し、その後、図3(f)に示すように新たに水晶ウエハ60の表面にレジスト膜63を形成しているので、水晶ウエハ60の外形エッチング時にレジスト膜の存在に起因するエッチングレートの不安定や、レジスト膜の水晶ウエハ60への再付着に伴う外形形状の不具合等が生じるおそれがない。また図3(g)に示すように水晶片の振動腕部2の溝部31,32に相当する部分の金属膜61をエッチングする際、前記エッチング溶液に浸漬されたレジスト膜が存在しないので金属膜61の外形不良が生じるといったおそれがないため、図3(h)において当該金属膜61をマスクとして用いることで、振動腕部2に寸法精度の高い溝部31,32を形成することができる。そのためCI値の劣化(増大)を防ぐことができる。
また上述した水晶振動片は、例えば図6に示すように、SMD(Surface Mounted Device)構造のセラミックスからなるパッケージ7に格納される。このパッケージ7は、上面が開口している例えばセラミック製のケース体7aと、例えば金属製の蓋体7bとから構成される。前記ケース体7aと蓋体7bとは、例えば溶接材からなるシール材7cを介してシーム溶接され、その内部は真空状態となっている。上述した音叉型の水晶振動子70は、このパッケージ7内の台座71部分に基部1の引き出し電極42,52が導電性接着剤7dに固定され、振動腕部2a,2bがパッケージ7内部の空間に伸び出した横向きの姿勢で台座71に固定される。また前記台座71の表面には、導電路72,73(73は紙面奥側の導電路である)が配線されており、基部1の引き出し電極42,52が導電性接着剤7dを介して前記導電路72,73に接続される。また前記導電路72,73は、ケース体7aの外部底面の長手方向に対向するように設けられた電極74,75に夫々接続されており、この結果、電極74,75、導電路72,73及び導電性接着剤7dを通って基部1の引き出し電極42,52に電流が印加されることで、前記水晶振動子70が振動するようになっている。こうしてパッケージ型水晶振動子が構成され、この水晶振動子は、発振回路の回路部品が搭載されている図示しない配線基板に搭載され、これにより電子部品が構成される。
1 基部
2a,2b 振動腕部
8 パッケージ
10 水晶ウエハ
11 金属膜
12 レジスト膜
31,32 溝部
40,50 調整用錘
41,51 励振電極
42,52 引き出し電極
60 水晶ウエハ
61 金属膜
62,63 レジスト膜
2a,2b 振動腕部
8 パッケージ
10 水晶ウエハ
11 金属膜
12 レジスト膜
31,32 溝部
40,50 調整用錘
41,51 励振電極
42,52 引き出し電極
60 水晶ウエハ
61 金属膜
62,63 レジスト膜
Claims (4)
- 圧電基板からエッチングにより複数の圧電振動片に対応する外形部分を得ると共に圧電振動片に電極膜を形成して、基部から伸び出している複数の振動腕部の各々に溝部が形成されている圧電振動子を製造する方法において、
圧電基板である基板の表面に金属膜を形成する工程と、
この金属膜の表面に、圧電振動片の形状部分が残るようにパターニングされたレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングにより除去する工程と、
基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、
前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして圧電振動片の外形を形成する工程と、
しかる後、基板の表面に、振動腕部の溝部に相当する部分が開口したレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングにより除去する工程と、
基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、
前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして複数の振動腕部に各々溝部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする圧電振動子の製造方法。 - 前記振動腕部に溝部を形成する工程の後に、基板表面に残っている金属膜を除去する工程と、
次いで、前記複数の振動腕部に形成された溝部を含む領域に電極となる金属膜を形成する工程と、
この金属膜の表面にレジストマスクを形成して、金属膜をエッチングし、電極パターンを形成する工程と、
基板表面に残っているレジスト膜を全て剥離する工程と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の圧電振動子の製造方法。 - 請求項1または2に記載の方法によって製造された圧電振動子。
- 請求項3に記載された圧電振動子と、前記圧電振動子を収納するための容器と、前記容器の外面に形成され、前記圧電振動子の電極に電気的に接続された外部電極と、を備えたことを特徴とする電子部品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114730154A (zh) * | 2019-09-16 | 2022-07-08 | 里什蒙国际公司 | 在晶片中制造多个谐振器的方法 |
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2006
- 2006-07-31 JP JP2006208881A patent/JP2008035411A/ja active Pending
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CN114730154A (zh) * | 2019-09-16 | 2022-07-08 | 里什蒙国际公司 | 在晶片中制造多个谐振器的方法 |
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