JP2008033897A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記録媒体および集積回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像処理装置100は、画像データ入力部200と、奥行きデータ入力部210と、奥行き程度入力部220と、奥行き感補正部230と、画像データ出力部240とを備え、奥行きデータと奥行き程度により、奥行き感補正のゲインを制御することで、ユーザーが自由に奥行き感程度を調整できるようになる。奥行き感程度の処理は、近景処理と遠景処理を両立させるものであり、調整は1次元のパラメータにより行うことができる。
【選択図】図1
Description
図2に示す画像処理装置900おいて、データ入力端子から入力されたデータ(入力データ)は、平均化回路101および輪郭強調処理部140に送られる。平均化回路101は、入力データの平均化を行い、平均化されたデータは、遅延回路102を介してセレクタ103に出力される。
輪郭強調処理部140は、遅延回路104と、輪郭抽出部105と、輪郭補正処理部106と、加算回路108とから構成される。
セレクタ103は、入力された2つの信号、すなわち、遅延回路102から出力される平均化データと、加算回路108から出力される輪郭強調データとのどちらか一方を、閾値処理部107からの選択信号により選択し、出力端子130に出力する。
このような構成の画像処理装置900では、輪郭強調信号と平均化された信号とを適応的に選択することにより、画像上の近景となる輪郭の強い部分と遠景となる弱い部分との差を明確にし、画像を立体的に見せることができる。
そのため、奥行き感強調をTV用画質調整機能と考えた場合、ユーザーが好みに応じて奥行き感の程度を調整することができないという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、奥行き感の程度を1次元のパラメータによる操作で調整することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記録媒体および集積回路を提供することを目的とする。
この画像処理装置では、奥行き程度入力部により、奥行き感制御のための1次元信号が入力され、奥行き感補正部により、1次元信号に基づいて、画像データ信号に対して奥行き補正書処理が実行される。
これにより、ユーザーは、1次元のパラメータの操作によって奥行き程度入力部から1次元信号を入力することで、簡単に画像データ信号に対して奥行き感補正を行うことができる。また、ユーザーの単一の操作により、この画像処理装置で処理される画像における奥行き感の程度を、ユーザーの好みに合うように簡単に調整することができる。
なお、ここで、「画像データ信号に対応する奥行きデータ」とは、画像データ信号により形成される2次元画像を構成する各画素(あるいは、複数の画素からなる領域(ブロック)であってもよい。)についての奥行きデータのことをいい、例えば、画素の2次元画像上の位置(画素位置)が(i,j)である画素について、その画素位置(i,j)に対応付けられた奥行きデータがこれに該当する。なお、「奥行きデータ」とは、画素ごとまたは画面を複数に分割したブロックごとに設定される値であり、例えば、実際の3次元空間をカメラで撮影して取得した2次元画像の場合では、2次元画像上の画素(またはブロック)に対応する実際の3次元空間内の位置と、その2次元画像を取得したときのカメラの3次元空間内の位置との距離の程度を示すものである。
この画像処理装置では、奥行きデータおよび1次元信号に基づいて、輪郭補正ゲイン設定部により設定された輪郭補正ゲインで輪郭補正処理を行うことができ、また、奥行きデータおよび1次元信号に基づいて、ぼけ補正ゲイン設定部により設定されたぼけ補正用パラメータにより、ぼけ補正処理を行うことができる。そして、奥行きデータおよび1次元信号に基づいて、選択部での選択処理が制御される。
これにより、この画像処理装置では、1次元信号に基づいて、画像データ信号に施される輪郭補正処理およびぼけ補正処理の強度(程度)を簡単に調整することができる。
これにより、ユーザーが1次元信号の値を大きくすることで、この画像処理装置で処理される画像(処理画像)上の近景領域の輪郭が強調され、処理画像において、奥行き感効果が高められる。
なお、「近景領域」とは、例えば、画像を形成する全画素についての奥行きデータの分布を取得し、その奥行きデータ分布において、奥行きデータが所定の閾値T1(奥行きデータの値が小さい程、近景であることを示すものとする。)より小さい値を有する画素が含まれる画像上の領域であり、「遠景領域」とは、例えば、画像を形成する全画素についての奥行きデータの分布を取得し、その奥行きデータ分布において、奥行きデータが所定の閾値T2(>T1)より大きい値を有する画素が含まれる画像上の領域である。なお、奥行きデータの閾値T1およびT2は同じ値であってもよい。また、「近景領域」と「遠景領域」とは、相対的に決定されるものであってもよい。
これにより、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータ値が大きい遠景領域の画素についてのぼけ補正処理の程度が強くなるため、視覚的に、画像上の遠景領域がより奥にあるように感じさせることができ、処理画像において、奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号の値を変えるだけで、処理画像において、効果的に奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号の値を変えるだけで、画像データ信号に対して施す彩度補正処理の強度(程度)を簡単に調整することができる。
第7の発明は、第6の発明であって、彩度補正ゲイン設定部は、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータの値が小さい画像上の近景領域に対する彩度補正ゲインと、奥行きデータの値が大きい画像上の遠景領域に対する彩度補正ゲインとの差が大きくなるように、彩度補正ゲインを設定する。
これにより、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータ値が小さい近景領域の画素についての彩度補正処理の程度が強くなるため(彩度強調されるため)、視覚的に、画像上の近景領域の画素がより鮮やかに感じさせることができ、処理画像において、奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号の値を変えるだけで、画像データ信号に施すコントラスト補正処理の強度(程度)を簡単に調整することができ、効果的に奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータ値が小さい近景領域の画素についてのコントラスト補正処理の程度が強くなるため(コントラスト強調されるため)、視覚的に、画像上の近景領域の画素がよりはっきりと感じさせることができ、処理画像において、奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号の値を変えるだけで、画像データ信号に施す陰影補正処理の強度(程度)を簡単に調整することができ、効果的に奥行き感を高めることができる。
第11の発明は、第9の発明であって、陰影補正ゲイン設定部は、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータの値が小さい画像上の近景領域に対する陰影補正ゲインと、奥行きデータの値が大きい画像上の遠景領域に対する陰影補正ゲインとの差が大きくなるように、陰影補正ゲインを設定する。
これにより、1次元信号の値が大きくなる程、奥行きデータ値が小さい近景領域の画素についての陰影補正処理の程度が強くなるため(陰影強調されるため)、視覚的に、画像上の近景領域の画素の陰影感がより強調され、処理画像において、奥行き感を高めることができる。
これにより、1次元信号が所定の値までは、近景用の補正処理により、奥行きデータ値が小さい近景領域の画素について、近景であることを強調する処理を施し、1次元信号が所定の値を超えると、さらに、奥行きデータ値が大きい遠景領域の画素について、遠景であることを強調する処理を施すようにすることで、さらに、処理画像において、奥行き感を強調することができる。
なお、ここで、「近景用の補正処理」とは、例えば、コントラストを強調する処理や、彩度を強調する処理や、陰影を強調する処理等である。また、「遠景用の処理」とは、例えば、コントラストを抑制する処理や、彩度を抑制する処理や、陰影を抑制する処理等である。
これにより、この画像処理装置において処理した画像において、効果的に奥行き感を高めることができる。
第14の発明は、第1の発明であって、奥行き感補正部は、1次元信号の値に関わらず、画像上の最近景の画素に対応する画像データ信号に対する補正量と、画像上の最遠景の画素に対応する画像データ信号に対する補正量との差を一定にする。
これにより、この画像処理装置において処理した画像において、効果的に奥行き感を高めることができる。
第16の発明は、第12の発明であって、奥行き感補正部は、画像データ信号に対する近景用の補正処理として、彩度強調処理を行い、画像データ信号に対する遠景用の補正処理としては、彩度鈍化処理を行う。
第17の発明は、第1の発明であって、奥行き感補正部は、1次元信号に基づき、画像についての所定の特徴量に対する補正処理を行う。
なお、ここで、「特徴量」とは、例えば、画像において、画素または領域ごとに観念することできる物理量であり、例えば、明るさ(輝度)、明度、彩度、色相、コントラスト、明るさ対比、色対比等である。
第19の発明は、第18の発明であって、奥行き感補正部は、1次元信号に基づいて、第1の領域の画像データ信号に対しては、補正処理の強調程度を制御することで補正処理を行い、第2の領域の画像データ信号に対しては、補正処理の抑制程度を制御することで補正処理を行う。
これにより、1次元信号により、連動させて、第1の領域の画像データ信号に対しては、補正強調処理を行い、第2の領域の画像データ信号に対しては、補正抑制処理を行うことができる。
第21の発明は、第18の発明であって、奥行き感補正部は、第1の領域の画像データ信号に対しては、彩度強調処理を行い、第2の領域の画像データ信号に対しては、彩度鈍化処理を行う。
第22の発明は、第18の発明であって、奥行き感補正部は、第1の領域の画像データ信号に対しては、コントラスト強調処理を行い、第2の領域の画像データ信号に対しては、コントラスト抑制処理を行う。
第23の発明は、第18の発明であって、奥行き感補正部は、第1の領域の画像データ信号に対しては、陰影強調処理を行い、第2の領域の画像データ信号に対しては、陰影抑制処理を行う。
第25の発明は、第24の発明であって、奥行き感補正部は、第1補正処理として、輪郭補正処理、彩度補正処理、コントラスト補正処理、陰影補正処理の4つの補正処理のいずれか1つを選択し、選択した第1補正処理を行い、第2補正処理として、4つの補正処理から第1補正処理として選択されたものを除く3つの補正処理より選択し、選択した第2補正処理を行う。
これにより、1次元信号により、連動させて、第1補正処理の強度および第2補正処理の強度を制御することができる。
第27の発明は、画像処理装置と、コントローラとを備える画像処理システムである。画像処理装置は、画像データ入力部と、奥行きデータ入力部と、奥行き程度入力部と、奥行き感補正部と、を有する。画像データ入力部では、画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される。奥行きデータ入力部では、画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される。奥行き程度入力部では、画像データ信号により形成される画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される。奥行き感補正部は、1次元信号の値が所定の値以下である場合、画像上の近景領域の画像データ信号に対して輪郭強調処理を行い、1次元信号の値が所定の値より大きい場合、画像上の近景領域の画像データ信号に対して輪郭強調処理を行うとともに、画像上の遠景領域の画像データ信号に対してぼけ補正処理を行う。コントローラは、ユーザーが1次元的な操作することで1次元信号を、画像処理装置の奥行き程度入力部へ入力することができる操作部を有する。
これにより、この画像処理システムでは、ユーザーによるコントローラの操作部への単一操作により、画像処理装置での輪郭強調処理およびぼけ補正処理を選択することができ、また、画像処理装置での輪郭強調処理およびぼけ補正処理の処理強度を調整することができる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する画像処理方法を実現することができる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現することができる。
第30の発明は、コンピュータを画像データ入力部、奥行きデータ入力部、奥行き程度入力部、奥行き感補正部、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。画像データ入力部では、画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される。奥行きデータ入力部では、画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される。奥行き程度入力部では、画像データ信号により形成される画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される。奥行き感補正部では、1次元信号に基づき、画像データ信号に対して奥行き感補正を行う。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を実現することができる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
更に、本発明の画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記録媒体および集積回路によれば、ユーザーが入力部により同パラメータを設定することにより、ユーザーの単一の操作により奥行き感の程度を、ユーザーの好みに合うように簡単に調整することができる。
[第1実施形態]
<1:画像処理装置の構成>
図1に、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置100のブロック図を示す。
本実施形態の画像処理装置100は、主に、奥行き強調処理が施される画像(画像信号(画像データ))が入力される画像データ入力部200と、画像処理装置100に入力される画像信号(入力画像信号)に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部210と、ユーザーが好みの奥行き程度を入力する奥行き程度入力部220と、奥行きデータ入力部210から入力される奥行きデータおよび奥行き程度入力部220から入力される奥行き程度に基づいて、入力画像信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正部230と、奥行き感補正部230により補正された画像信号を所定の形式にして出力する画像データ出力部240とから構成される。
奥行きデータ入力部210は、入力画像信号に対応する奥行きデータを入力とし、入力された奥行きデータを奥行き感補正部230に出力する。ここで、「入力画像信号に対応する奥行きデータ」とは、入力画像信号により形成される2次元画像を構成する各画素(あるいは、複数の画素からなる領域(ブロック)であってもよい。)についての奥行きデータのことをいい、例えば、画素の2次元画像上の位置(画素位置)が(i,j)である画素について、その画素位置(i,j)に対応付けられた奥行きデータがこれに該当する。なお、「奥行きデータ」とは、画素ごとまたは画面を複数に分割したブロックごとに設定される値であり、例えば、実際の3次元空間をカメラで撮影して取得した2次元画像の場合では、2次元画像上の画素(またはブロック)に対応する実際の3次元空間内の位置と、その2次元画像を取得したときのカメラの3次元空間内の位置との距離の程度を示すものである。
また、奥行きデータの値は、例えば、レンジファインダ(撮影用レンズに連動した距離計)などにより、あらかじめ取得されているデータであってもよい。また、奥行きデータの値は、複数画像によるステレオ計測などの方法(例えば、ステレオマッチングによる方法)で取得されるものであってもよい。
奥行き感補正部230は、奥行きデータ入力部210から入力される奥行きデータおよび奥行き程度入力部220から入力される奥行き程度に基づいて、入力画像信号に対して奥行き感補正を行う。
奥行き感補正部230は、図3に示すように、入力画像信号に対して輪郭補正を行う輪郭補正部231と、入力画像信号に対してぼけ補正を行うぼけ補正部232と、奥行きデータ入力部210から出力される奥行きデータおよび奥行き程度入力部220から出力される奥行き程度に基づいて、輪郭補正部231から出力される画像信号とぼけ補正部232から出力される画像信号とのいずれか一方を選択する選択部237と、選択部237から出力される画像信号に対して彩度補正を行う彩度補正部233と、を備える。
輪郭補正部231は、画像データ入力部200から出力される入力画像信号および輪郭補正ゲイン設定部234から出力される輪郭補正ゲインを入力とし、輪郭補正ゲインに基づいて、入力画像信号に対して、輪郭補正処理を行う。輪郭補正部231は、輪郭補正処理された画像信号を選択部237に出力する。
ぼけ補正部232は、画像データ入力部200から出力される入力画像信号およびぼけ補正ゲイン設定部235から出力されるぼけ補正ゲインを入力とし、ぼけ補正ゲインに基づいて、入力画像信号に対してぼけ補正を行う。ぼけ補正部232は、ぼけ補正を行った画像信号を選択部237に出力する。
彩度補正部233は、選択部237から出力される画像信号および彩度補正ゲイン設定部236から出力される彩度補正ゲインを入力とし、彩度補正ゲインに基づいて、選択部237から出力される画像信号に対して彩度補正を行い、画像データ出力部240に出力する。
<2:画像処理装置の動作>
以上のように構成された画像処理装置100の動作について、説明する。
ここで、「奥行きデータ」とは、画素ごとまたは画面を複数に分割したブロックごとに設定される値であり、値としては、例えば、「0」〜「7」のような値を持つ。これらの値は、例えば、レンジファインダなどの方法であらかじめ取得されているデータである。なお、複数画像によるステレオ計測などの方法で取得してもよい。
ここで、「奥行き程度」とは、ユーザーによる操作、表示解像度、画像データ(画像信号)の解像度等によって決定される1次元の値(1次元データ)である。奥行き程度入力部220では、ユーザーにより、この1次元の値(奥行き程度)が入力される。そして、画像処理装置100では、この1次元の値(奥行き程度)を用いることで、例えば、ユーザーの好みの奥行き感の補正量の調整が実行される。典型的には、TV用のリモコンまたはTV自身に装着されている調整つまみにより、この1次元の値(奥行き程度)が調整される。リモコンの場合、まず、ユーザーは、画質調整画面を選択し、例えば、図4に示すような1次元のバーで表示されるGUIが提示される。ユーザーがリモコンのボタンを操作して、図4にある逆三角形の矢印を左にスライドさせることで奥行き感を減少させる調整が実行され、逆三角形の矢印を右にスライドさせることで奥行き感を強調させる調整が実行される。このようにして、ユーザーは、リモコンなどを操作して、単一の操作により、好みの位置に奥行き感レベルを合わせる。このようにして、奥行き程度入力部220から奥行き程度が入力される。
図3は、奥行き感補正部230の構成を示したブロック図である。
奥行き感補正部230には、画像データ入力部200により入力される画像データ(入力画像信号)、奥行きデータ入力部210により入力される奥行きデータ、および、奥行き程度入力部220により入力される奥行き程度の3種類の信号が入力される。画像データ(画像信号)は、輪郭補正部231とぼけ補正部232とに入力される。
奥行きデータおよびユーザーが指定した奥行き程度は、それぞれ、輪郭補正ゲイン設定部234と、ぼけ補正ゲイン設定部235と、彩度補正ゲイン設定部236と、選択部237とに入力される。
図5に示すように、輪郭補正部231は、主に、遅延部2311と、ハイパス部2312と、ゲイン調整部2313と、加算部2314とによって構成されている。
画像データ入力部200より入力された画像信号は、遅延部2311で、輪郭補正信号と時間を合わせるために(タイミング調整のために)遅延され、加算部2314へ出力される。また、画像データ入力部200より入力された画像信号は、ハイパス部2312により処理(例えば、HPF(High Pass Filter)処理)が施される。ハイパス部2312により処理された画像信号は、ゲイン調整部2313に入力され、ゲイン調整部2313により、輪郭補正ゲイン設定部234で設定されたゲインを用いて、ゲイン調整され、加算部2314に出力される。加算部2314では、遅延部2311から出力された画像信号(原画像に相当する画像信号)とゲイン調整部2313から出力された画像信号(輪郭強調信号)とが加算され、選択部237に出力される。つまり、加算部2314で加算されることで取得された画像信号は、輪郭補正され鮮鋭感が強調された信号として、選択部237へ出力される。
このようにぼけ補正処理を実行された画像信号は、選択部237に出力される。
選択部237では、奥行きデータ入力部210から出力された奥行きデータおよび奥行き程度入力部220から出力された奥行き程度により、輪郭補正部231の出力とぼけ補正部232の出力とのどちらか一方を選択し、彩度補正部233に出力する。
選択部237では、奥行き程度が所定の値ZTまでは、輪郭補正部231の出力が選択され、彩度補正部233に出力される。奥行き程度が所定の値ZTを超えた場合で、奥行きデータ入力部210からの奥行きデータの値がZ2未満であるときは、輪郭補正部231の出力が選択され、奥行きデータの値がZ2より大きい(Z2より遠景である)ときは、ぼけ補正部232の出力が選択され、彩度補正部233へ出力される。
選択部237から出力された画像信号は、HSV変換部2331で、H(色相)信号、S(彩度)およびV(輝度)信号に分離され、H(色相)信号およびV(輝度)信号は、遅延部2332を経て、逆HSV変換部2334に出力される。
HSV変換部2331により分離されたS(彩度)信号は、彩度加算部2333へ出力され、彩度を加算され、逆HSV変換部2334に出力される。
逆HSV変換部2334では、遅延部2332から出力されたH(色相)信号およびV(輝度)信号と、彩度加算部2333により彩度が加算されたS(彩度)信号とが、元の形式の画像信号(HSV変換部2331によりHSV変換される前の画像信号)に再構成され(逆HSV変換され)、画像データ出力部240へ出力される。ここで、遅延部2332から出力されるH(色相)信号は、現信号(選択部237から出力された画像信号)と同じH(色相)をもつ信号であり、遅延部2332から出力されるV(輝度)信号は、現信号(選択部237から出力された画像信号)と同じV(輝度)をもつ信号である。
(ゲインの設定方法)
次に、それぞれのゲインの設定方法について説明する。
まず、輪郭補正ゲイン設定部234は、奥行きデータおよび奥行き程度から輪郭補正部231を構成するゲイン調整部2313へ入力するゲインを設定する。
輪郭補正ゲイン設定部234、ぼけ補正ゲイン設定部235、彩度補正ゲイン設定部236でのゲイン設定は、例えば、図7に示すような特性を実現するテーブル(LUT(ルック・アップ・テーブル)に従って、行われる。
《輪郭補正ゲイン》
まず、輪郭補正ゲイン設定部234による輪郭補正ゲインの設定について説明する。
図7(a)に示すグラフにおいて、横軸は奥行きデータの値であり、縦軸は輪郭補正のゲインである。
奥行き程度入力部220からの入力が「0」である場合は、図7のグラフAに示す特性のように、ゲインは、すべての奥行きデータにおいて「0」である。
奥行きデータ−輪郭補正ゲイン特性は、奥行き程度入力部220からの入力が「0」より増加すれば、例えば、図7のグラフBに示す特性のように、奥行きデータがZ0からZ1の間で傾きがある(傾きが「0」ではない。ただし、グラフAで示す直線の傾き「0」のみ含む。)グラフ(特性)となる。
奥行きデータ−輪郭補正ゲイン特性は、奥行き程度が所定の値ZTを超えると、奥行きデータがZ0でのゲインはそのままで、輪郭補正ゲインが「0」となる奥行きデータを、Z1からZ2へと近いほう(図7(a)のx軸負方向)へ移動する(グラフDの特性へと変化する)。
図7(b)は、図7(a)に示す特性を別の観点から見た図であり、横軸に奥行き程度をとり、縦軸に奥行きデータ−輪郭補正ゲイン特性を示す直線(曲線)の傾き(輪郭補正ゲインの、奥行きデータに対する変化量(微分量))をとったグラフである。なお、図7(b)の縦軸は、奥行きデータ−輪郭補正ゲイン特性を示す直線(曲線)の傾きが「0」ではない部分の奥行きデータ−輪郭補正ゲイン特性を示す直線(曲線)の傾き(図7(a)のグラフAで示す直線の傾き「0」のみを含む。)である。
このように、輪郭補正ゲインは、1次元のデータである奥行き程度の変化に伴い、最遠領域での輪郭強調度と、最近領域での輪郭強調度との差が大きくなるように設定される。
《ぼけ補正ゲイン》
次に、ぼけ補正ゲイン設定部235は、図8(a)に示すような特性を実現するテーブルを参照して、ぼけ補正ゲイン用パラメータを取得し、取得したぼけ補正ゲイン用パラメータをぼけ補正部232に出力する。ぼけ補正部232では、このぼけ補正用パラメータにより決定されるぼけ補正ゲインによりぼけ補正処理が実行される。なお、ぼけ補正部232での処理は、(数式1)に相当する処理である。
奥行きデータ−ぼけ補正ゲイン用パラメータ特性は、奥行き程度が所定の値ZTに達するまでは、グラフEの特性となり、全ての奥行きデータに対して、ぼけ補正ゲイン用パラメータσの値が「0」となる。従って、この場合、ぼけ補正ゲイン用パラメータσの値「0」がぼけ補正部232へ出力され、ぼけ補正部232では、(数式1)に示すように、σ=0の入力を受けた場合は何もせず、入力された画像データ(画像信号)がそのまま出力される。
奥行き程度入力部220から入力される奥行き程度が所定の値ZTに達し、奥行き程度が所定の値ZTより大きくなるに従い、奥行きデータ−ぼけ補正ゲイン用パラメータ特性は、図8(a)のグラフEで示す特性からグラフFで示す特性、グラフGで示す特性へと変化する。例えば、奥行きデータ−ぼけ補正ゲイン用パラメータ特性が、図8のグラフFに示す特性により決定される場合、グラフFにより決定される、有限のぼけ補正ゲイン用パラメータσの値がぼけ補正部232に出力される。
図8(b)は、図8(a)に示す特性を別の観点から見た図であり、横軸に奥行き程度をとり、縦軸に奥行きデータ−ぼけ補正ゲイン用パラメータ特性を示す直線の傾き(輪郭補正ゲイン用パラメータσの、奥行きデータに対する変化量(微分量))をとったグラフである。
図8(b)に示すように、奥行き程度が増すにつれて、奥行きデータ−ぼけ補正ゲイン用パラメータ特性を示す直線の傾きが単調に増加する。
《彩度補正ゲイン》
次に、彩度補正ゲイン設定部236による彩度補正ゲインの設定について説明する。
彩度補正ゲインを設定するために用いられる奥行きデータ−彩度補正ゲイン特性について説明する。
彩度補正ゲイン設定部236は、図9(a)に示すような特性を実現するテーブルを参照して、彩度ゲインを取得し、取得した彩度ゲインを彩度補正部233へ出力する。
図9(a)で、奥行き程度が「0」の場合は、奥行きデータの値Zに依存せず、ΔSは「0」である(グラフHで示す特性)。奥行き程度が増加するにしたがって、図9(a)のグラフIで示す特性のように、奥行きデータがZ0からZ1での間の奥行きデータ−彩度補正ゲイン特性直線(曲線)の傾きが大きくなり、奥行き程度が所定の値ZTに達すると、奥行きデータ−彩度補正ゲイン特性は、グラフJで示す特性となる。そして、奥行き程度が所定の値ZTを超えると、図9(a)のグラフKで示す特性のような負の加算ゲインをもつ彩度補正ゲインが彩度補正ゲイン設定部236により取得され、彩度補正部233に出力される。さらに奥行き程度が大きくなると、グラフLで示す特性のように、より負の加算ゲインが大きい彩度補正ゲインが彩度補正ゲイン設定部236により取得され(例えば、LUTで取得され)、彩度補正部233に出力される。
図9(c)は、図9(a)に示す特性を別の観点から見た図であり、横軸に奥行き程度をとり、縦軸に奥行きデータがZ1である場合の彩度補正ゲインの値をとったグラフである。
図9(b)に示すように、奥行きデータ−彩度補正ゲイン特性を示す直線(曲線)の傾きは、奥行き程度が増すにつれて、単調減少する。図9(c)において、奥行きデータがZ1での彩度補正ゲインの値は、奥行き程度が「弱」〜「中」である領域ではゼロとなり、彩度補正ゲインは、すべて正の値(奥行きデータがZ1未満である場合、彩度補正ゲインは正の値をとり、奥行きデータがZ1以上の値である場合、彩度補正ゲインは「0」をとる。)として補正される。又、奥行き程度が「中」〜「強」である領域では、奥行き程度が増すにつれ、彩度補正ゲインが負領域において単調減少する。つまり、奥行き程度が増すにつれ、彩度補正ゲインは、負の値をとりつつ、その絶対値が増加する。
このようなゲイン設定の方法により、画像処理装置100では、奥行き程度が所定の値ZTまでは、奥行きが近いほど(奥行きデータの値が小さいほど)輪郭補正および彩度補正の効果の程度を強めることができる。
そして、画像処理装置100では、奥行き程度が所定の値ZTを超えると、画像上の近い領域(近景領域)はそのままで、遠い領域(遠景領域)に対して、ぼかし処理や彩度減少処理が追加される。このようにして、画像処理装置100では、更に、輪郭強調度合いおよび彩度について、近景領域と遠景領域とでの差を大きくすることで、処理画像上での奥行き程度を大きくすることができ、ユーザーの主観にあった、奥行き感調整が可能となる。
本実施形態に係る画像処理装置100においては、奥行き感補正を、輪郭補正、ぼけ補正、および彩度補正で行うとしたが、必ずしも全ての補正を用いる必要はない。例えば、画像処理装置100において、入力画像信号に対して、輪郭補正処理と彩度補正のうちの彩度強調処理のみを行う彩度補正処理とを実行させ、入力画像信号に対して、ぼけ補正処理と彩度補正のうちの彩度抑制処理とを実行させないようにしてもよい。
また、画像処理装置100では、図9(a)で示した奥行きデータZ=Z0における奥行きデータ−彩度補正用ゲイン特性直線(曲線)の傾き(奥行きデータZがZ0からZ1までの当該特性直線の傾き)を、奥行き程度が「弱」から「中」へと大きく(強く)なるに従い、「0」から単調減少させ、奥行き程度が「中」より大きい場合には、奥行きデータ−彩度補正用ゲイン特性直線(曲線)の傾きを所定の一定値に設定する。
しかし、画像処理装置100において、ここで示した奥行き感補正を、輪郭補正とぼけ補正と彩度補正とで行う場合には、図9と図10に示すように、奥行き程度の増加に伴い、奥行き程度が所定値(ここでは奥行き程度「中」に相当する値)までは輪郭補正と彩度強調処理とを併用して行い、奥行き程度が所定値を超えた場合は、ぼけ補正と彩度抑制処理とをさらに行うようにする方が、奥行き感効果の観点からは、より望ましい。このようにすることで、ユーザーが感じる奥行き感の感覚をさらに大きくすることができるからである。
(変形例1)
次に、本実施形態に係る画像処理装置100の変形例1について説明する。
変形例1は、画像信号に対してコントラスト補正処理を行う点に特徴がある。それ以外については、前述の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、変形例1に係る画像処理装置は、第1実施形態の画像処理装置100において、奥行き感補正部230を、図13に示す奥行き感補正部2301に置換することで実現される。
さらに、変形例1に係る画像処理装置は、第1実施形態の画像処理装置100において、奥行き感補正部230の輪郭補正部231をコントラスト補正部301に置換し、輪郭補正ゲイン設定部234をコントラスト補正ゲイン設定部302に置換することで実現させてもよい。
図12および図13を用いて、対象画素(画像信号において処理対象となっている画素)のコントラスト補正を行う場合について説明する。
図12にコントラスト補正部301の構成図を示す。
つまり、コントラスト補正部301は、対象画素の輝度を求め、その輝度ヒストグラム分布をもとに輝度コントラストを補正する補正量ΔYを求め、対象画素の輝度に加算することでコントラスト補正を行う。
図15(a)では、奥行きデータZがZ1より大きい後景でコントラスト補正加算分ΔYを正から負に変化させることでコントラスト抑制をも実施できる例を示しているが、これに限定される必要はなく、例えば、明示的に、奥行きデータZにより対象画素が前景領域に含まれると判断された場合の前景用処理と、対象画素が後景領域に含まれると判断された場合の後景用処理とを分け、対象画素に対して行う処理を変えることでコントラスト強調処理あるいはコントラスト抑制処理を行うようにしてもよい。
図15(b)に示すように、インターフェース等により指示される奥行き程度が「弱」から「中」に増すにつれて、奥行きデータZ=Z0における奥行きデータ−コントラスト補正ゲイン特性曲線の傾きは、単調減少する。つまり、奥行き程度が「弱」から「中」に増すにつれて、奥行きデータ−コントラスト補正ゲイン特性曲線は、図15(a)に示すように、曲線Mから曲線Nへ、さらに曲線Oへと変化する。
変形例1に係る画像処理装置において、このように奥行きデータ−コントラスト補正ゲイン特性を変化させることで、処理画像において奥行き感効果を高めることができる。つまり、変形例1に係る画像処理装置では、奥行き程度が「弱」から「中」にかけては奥行きデータZに応じて緩やかにコントラスト強調の程度を変えることにより、処理画像に奥行き感効果を実現させ、奥行き程度が「中」から「強」になるに従い、画像上の前景領域でのコントラスト強調をより強めるとともに、画像上の後景領域でのコントラスト感を抑制することで、さらなる奥行き感効果を高めるように制御することができる。
しかし、奥行き程度が「強」である場合に、処理画像で、より奥行き感効果を高めるためには、図15(a)のような特性にすることが好ましい。変形例1に係る画像処理装置において、図15(a)のような特性により制御することで、より奥行き感効果が高められるからである。
(変形例2)
次に、本実施形態に係る画像処理装置100の変形例2について説明する。
なお、変形例2に係る画像処理装置は、第1実施形態の画像処理装置100において、奥行き感補正部230を、図17に示す奥行き感補正部2303に置換することで実現される。
また、変形例2に係る画像処理装置は、第1実施形態の画像処理装置100において、奥行き感補正部230を、図18に示す奥行き感補正部2304に置換することで実現させてもよい。
さらに、変形例1に係る画像処理装置は、第1実施形態の画像処理装置100において、奥行き感補正部230の輪郭補正部231を陰影補正部303に置換し、輪郭補正ゲイン設定部234を陰影補正ゲイン設定部304に置換することで実現させてもよい。
図16に陰影補正部303の構成図を示す。
図16に示すように、陰影補正部303は、画像信号から輝度を算出する輝度算出部3000と、輝度算出部3000で算出された輝度から陰影分析を行う陰影分析部4001と、陰影分析部4001での陰影分析結果および陰影補正ゲイン設定部304から出力された陰影補正ゲインに基づいて、画像信号の輝度を補正する補正量ΔYを負の値として算出する陰影付加調整部4003と、を備える。また、陰影補正部303は、陰影補正処理のタイミング調整のために、輝度算出部3000から出力された画像信号を遅延させる遅延部4002と、陰影付加調整部4003で算出された補正量ΔYに基づいて、遅延部4002から出力された画像信号に対して陰影補正処理を行う陰影補正処理部4004と、を備える。
図16に示すように、陰影補正部303は、まず対象画素の輝度Yを求め、その輝度より対象画素における陰影分析を行う。この場合、対象画素の周辺画素領域(全画像領域の大きさの1/6から1/3程度の大きさをもつ領域)の大局的な輝度分布より陰影の有無を判断し、その陰影部分を強調してもよい。また、対象画素における3次元形状を示す法線ベクトル情報を推定し(例えば、対象画素におけるx方向の微分値、y方向の微分値に基づいて3次元形状を仮定し、その仮定した3次元形状(3次元立体曲面)の法線ベクトルを推定し)、その法線ベクトル情報に応じて所望部分の陰影付加を実施することもできる(対象画素の画素位置と、所定光源または画像内より解析された光源位置との位置関係、および推定した法線ベクトルから、対象画素への陰影付加を制御することもできる)。
図19(a)に示すように、陰影強調処理は、画像内の奥行きデータで前景に相当する領域に実施されるものであり、陰影抑制処理は、画像内の奥行きデータで後景に相当する領域に実施されるものである。
図19(a)では、奥行きデータZがZ1より大きい後景で陰影補正分ΔYのゲインを正から負に変化させることで、輝度加算により陰影抑制が実施できる例を示しているが、奥行きデータZが前景を示す場合に実施される処理と奥行きデータZが後景を示す場合に実施される処理とを、明示的に変えるようにしてもよい。
また、変形例2に係る画像処理装置では、図19(c)に示すように、奥行きデータZ=Z1における陰影補正ゲインの値を、「弱」から「中」においては(曲線Pから曲線Qまで変化する間においては)「0」に設定することで、Z=Z1より後景の領域では、陰影補正が実施されないように制御する。それに対して、変形例2に係る画像処理装置では、奥行き程度が「中」から「強」になるに従い、奥行きデータZ=Z1における陰影補正ゲインの値を、「0」から単調減少させることで、陰影強調よりも、陰影抑制を行う。
なお、図19(a)や図19(c)で奥行きデータZ=Z1で陰影補正ゲインの値を負の値(補正量ΔYを正の値)にすることで陰影抑制処理を実施したが、奥行きデータZ=Z1で陰影補正ゲインの値を所定の最低ゲイン値に収束させてもよく、また「0」としてもよい。
また、画像処理装置100において、輪郭補正とぼけ補正、彩度強調と彩度抑制など、画像上の近影領域と遠景領域とで対となる画像処理が、さまざまに組み合わされて実行されるようにしてもよく、そして、その画像処理の調整が、本実施形態において説明したような1次元化したスケールによる奥行き程度の調整により行われるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る画像処理装置では、奥行き程度が調整できる場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、奥行き感補正を「する」、「しない」の、ON・OFF制御により実行させるようにしても良い。
[他の実施形態]
なお、本発明を上記実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
(5)上記実施形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る画像処理装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
200 画像データ入力部
210 奥行きデータ入力部
220 奥行き程度入力部
230、2301、2302、2303、2304 奥行き感補正部
231 輪郭補正部
2311 遅延部
2312 ハイパス部
2313 ゲイン調整部
2314 加算部
232 ぼけ補正部
233 彩度補正部
2331 HSV変換部
2332 遅延部
2333 彩度加算部
2334 逆HSV変換部
234 輪郭補正ゲイン設定部
235 ぼけ補正ゲイン設定部
236 彩度補正ゲイン設定部
240 画像データ出力部
301 コントラスト補正部
302 コントラスト補正ゲイン設定部
303 陰影補正部
304 陰影補正ゲイン設定部
Claims (31)
- 画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される画像データ入力部と、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部と、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される奥行き程度入力部と、
前記1次元信号に基づき、前記画像データ信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正部と、
を備える画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいて輪郭補正ゲインを設定する輪郭補正ゲイン設定部と、
前記輪郭補正ゲインに基づいて、前記画像データ信号に対して、輪郭補正を行う輪郭補正部と、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいてぼけ補正用パラメータを設定するぼけ補正ゲイン設定部と、
前記ぼけ補正用パラメータに基づいて、前記画像データ信号に対して、ぼけ補正を行うぼけ補正部と、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいて、前記輪郭補正部により輪郭補正された前記画像データ信号と、前記ぼけ補正部によりぼけ補正された前記画像データ信号とのいずれか一方を選択する選択部と、
を有する、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記輪郭補正ゲイン設定部は、前記1次元信号の値が大きくなる程、前記奥行きデータの値が小さい前記画像上の近景領域に対する輪郭補正ゲインと、前記奥行きデータの値が大きい前記画像上の遠景領域に対する前記輪郭補正ゲインとの差が大きくなるように、前記輪郭補正ゲインを設定する、
請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記ぼけ補正ゲイン設定部は、前記奥行きデータがZ0からZ2(>Z0)までの間は、前記1次元信号の値に関係なく、ぼけ処理が実行されないように前記ぼけ補正用パラメータを設定し、前記奥行きデータがZ2を超えた場合、前記1次元信号の値が大きくなる程、前記奥行きデータの値がZ2であるときのぼけ処理の程度と、前記奥行きデータの値がZ1(>Z2)であるときのぼけ処理の程度との差が大きくなるように、前記ぼけ補正用パラメータを設定する、
請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記選択部は、前記1次元信号の値が第1の値ZT以下の場合、前記輪郭補正部により輪郭補正された前記画像データ信号を選択し、前記1次元信号の値が第1の値ZTより大きい場合であって、前記奥行きデータの値が第1奥行きデータ値Z2以下であるときは、前記輪郭補正部により輪郭補正された前記画像データ信号を選択し、前記1次元信号の値が第1の値ZTより大きい場合であって、前記奥行きデータの値が第1奥行きデータ値Z2より大きいときは、前記ぼけ補正部によりぼけ補正された前記画像データ信号を選択する、
請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいて彩度補正ゲインを設定する彩度補正ゲイン設定部と、
前記彩度補正ゲインに基づいて、前記画像データ信号に対して彩度補正を行う彩度補正部をさらに有する、
請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記彩度補正ゲイン設定部は、前記1次元信号の値が大きくなる程、前記奥行きデータの値が小さい前記画像上の近景領域に対する彩度補正ゲインと、前記奥行きデータの値が大きい前記画像上の遠景領域に対する前記彩度補正ゲインとの差が大きくなるように、前記彩度補正ゲインを設定する、
請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいてコントラスト補正ゲインを設定するコントラスト補正ゲイン設定部と、
前記コントラスト補正ゲインに基づいて、前記画像データ信号に対してコントラスト補正を行うコントラスト補正部を有する、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記コントラスト補正ゲイン設定部は、前記1次元信号の値が大きくなる程、前記奥行きデータの値が小さい前記画像上の近景領域に対するコントラスト補正ゲインと、前記奥行きデータの値が大きい前記画像上の遠景領域に対する前記コントラスト補正ゲインとの差が大きくなるように、前記コントラスト補正ゲインを設定する、
請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、
前記奥行きデータおよび前記1次元信号に基づいて陰影補正ゲインを設定する陰影補正ゲイン設定部と、
前記陰影補正ゲインに基づいて、前記画像データ信号に対して陰影補正を行う陰影補正部を有する、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記陰影補正ゲイン設定部は、前記1次元信号の値が大きくなる程、前記奥行きデータの値が小さい前記画像上の近景領域に対する陰影補正ゲインと、前記奥行きデータの値が大きい前記画像上の遠景領域に対する前記陰影補正ゲインとの差が大きくなるように、前記陰影補正ゲインを設定する、
請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号が所定の値以下である場合、前記画像データ信号に対して近景用の補正処理のみを行い、前記1次元信号が所定の値より大きい場合、前記画像データ信号に対して、前記近景用の補正処理および遠景用の補正処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号の値が大きくなるに従って、前記画像上の最近景の前記画素に対応する前記画像データ信号に対する補正量と、前記画像上の最遠景の前記画素に対応する前記画像データ信号に対する補正量との差を拡大させる、
請求項1に記載の画像処理装置 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号の値に関わらず、前記画像上の最近景の前記画素に対応する前記画像データ信号に対する補正量と、前記画像上の最遠景の前記画素に対応する前記画像データ信号に対する補正量との差を一定にする、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記画像データ信号に対する近景用の補正処理として、輪郭強調処理を行い、前記画像データ信号に対する遠景用の補正処理として、ぼけ補正処理を行う、
請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記画像データ信号に対する近景用の補正処理として、彩度強調処理を行い、前記画像データ信号に対する遠景用の補正処理としては、彩度鈍化処理を行う、
請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号に基づき、前記画像についての所定の特徴量に対する補正処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記奥行きデータにより区別することができる第1の領域と第2の領域を含む画像を形成する前記画像データ信号に対して補正処理を行うものであって、
前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、前記補正処理の強調程度を制御することで前記補正処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、前記補正処理の抑制程度を制御することで前記補正処理を行う、
請求項17に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号に基づいて、前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、前記補正処理の強調程度を制御することで前記補正処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、前記補正処理の抑制程度を制御することで前記補正処理を行う、
請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、輪郭強調処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、輪郭をぼかすぼけ補正処理を行う、
請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、彩度強調処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、彩度鈍化処理を行う、
請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、コントラスト強調処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、コントラスト抑制処理を行う、
請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、陰影強調処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、陰影抑制処理を行う、
請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記奥行きデータにより区別することができる第1の領域と第2の領域を含む画像を形成する前記画像データ信号に対して補正処理を行うものであって、
前記第1の領域の前記画像データ信号に対しては、第1補正処理を行い、前記第2の領域の前記画像データ信号に対しては、前記第1補正処理とは異なる第2補正処理を行う、
請求項17に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記第1補正処理として、輪郭補正処理、彩度補正処理、コントラスト補正処理、陰影補正処理の4つの補正処理のいずれか1つを選択し、選択した前記第1補正処理を行い、前記第2補正処理として、前記4つの補正処理から前記第1補正処理として選択されたものを除く3つの補正処理より選択し、選択した前記第2補正処理を行う、
請求項24に記載の画像処理装置。 - 前記奥行き感補正部は、前記1次元信号に基づき、前記第1補正処理の強度および前記第2補正処理の強度を制御する、
請求項24に記載の画像処理装置。 - 画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される画像データ入力部と、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部と、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される奥行き程度入力部と、
前記1次元信号の値が所定の値以下である場合、前記画像上の近景領域の前記画像データ信号に対して輪郭強調処理を行い、前記1次元信号の値が所定の値より大きい場合、前記画像上の近景領域の前記画像データ信号に対して輪郭強調処理を行うとともに、前記画像上の遠景領域の前記画像データ信号に対してぼけ補正処理を行う奥行き感補正部と、
を有する画像処理装置と、
ユーザーが1次元的な操作することで前記1次元信号を、前記画像処理装置の前記奥行き程度入力部へ入力することができる操作部を有するコントローラと、
を備える画像処理システム。 - 画素からなる画像を形成することができる画像データ信号を入力する画像データ入力ステップと、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータを入力する奥行きデータ入力ステップと、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号を入力する奥行き程度入力ステップと、
前記1次元信号に基づき、前記画像データ信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正ステップと、
を備える画像処理方法。 - コンピュータを
画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される画像データ入力部、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される奥行き程度入力部、
前記1次元信号に基づき、前記画像データ信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正部、
として機能させるためのプログラム。 - コンピュータを
画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される画像データ入力部、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される奥行き程度入力部、
前記1次元信号に基づき、前記画像データ信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正部、
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。 - 画素からなる画像を形成することができる画像データ信号が入力される画像データ入力部と、
前記画像データ信号に対応する奥行きデータが入力される奥行きデータ入力部と、
前記画像データ信号により形成される前記画像において奥行き感を制御するための1次元信号が入力される奥行き程度入力部と、
前記1次元信号に基づき、前記画像データ信号に対して奥行き感補正を行う奥行き感補正部と、
を備える集積回路。
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