JP2008032300A - 外熱式ロータリキルン - Google Patents

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正夫 島田
Hirohide Yamamoto
博英 山本
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博雅 猪木
Shigehito Kado
重仁 嘉戸
Kenji Shimizu
健司 清水
Susumu Shimura
進 志村
Tadatoshi Kabuto
忠敏 甲
Makoto Kitabayashi
誠 北林
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Abstract

【課題】 外熱室温度を下げて維持費の増大を抑えるとともに、有機性廃棄物の性状変化に対して応答性良くレトルト内温度を所望の温度に維持する。
【解決手段】 回転する筒状レトルト2の一端25から当該レトルト2内へ被処理材Mを供給し、被処理材Mから発生する可燃性ガスをレトルト2の筒壁に貫通させたガス噴出管4を経て外熱室11へ噴出させる。レトルト2の周囲を覆う外熱室11の室壁に、室内を加熱するバーナ7を設けるとともに、レトルト2の筒壁の、被処理材移送方向の上流端部23のみに上記ガス噴出管4を設け、かつ、噴出した可燃性ガスを外熱室11外へ排出するための通気口18を、外熱室11の炉床17のうち、レトルト2の上流端部23に対向する部分に設ける。外熱室11内を上流側と下流側の2ゾーンZ1,Z2に分けて、各ゾーンZ1,Z2にバーナ7を設け、これらバーナ7によって各ゾーンZ1,Z2を独立に温度制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転するレトルト内に生じた可燃性ガスをレトルト外周の外熱室へ噴出させるガス噴出管を設けた外熱式ロータリキルンに関するものである。
下水の乾燥汚泥等の有機性廃棄物を無酸素ないし低酸素状態で熱分解(炭化)して、バイオマス燃料に使用できる有用な炭化物にする等の用途に外熱式ロータリキルンが使用されており、その一例を図2に示す。図2において、外熱式ロータリキルンの炉体1内の上半に形成された外熱室11を貫通して筒状のレトルト2が設けらており、レトルト2は一端部25と他端部26の外周に設けたリング体21がそれぞれ図略のロ−ラに支持されるとともに、一端部25の外周に設けたスプロケット22に駆動チェーンが懸架されて回転させられている。
炉体1内に位置するレトルト2の上流端部23内にはホッパ13の底部から延びるスクリューコンベア14が位置して、ホッパ13内に貯留された汚泥Mがレトルト2内に搬入される。レトルト2内に搬入された汚泥Mはやや傾斜させたレトルト2の回転に伴ってその他端部26方向へ移送され、この過程で外熱室11の高温により加熱炭化されて、排出筒15内に開口するレトルト排出口16へ至り、排出される。レトルト2の筒壁には長手方向の複数位置にガス噴出管4が設けられており、炭化の過程で汚泥Mから放出された乾留ガスがガス噴出管4を経て外熱室11へ噴出させられて、外熱室11の炉床17上に配設された助燃バーナ51によって着火させられる。以後、ガス噴出管4から噴出させられた乾留ガスは自燃状態となり、助燃バーナは消火され、あるいは燃焼状態が絞られる。なお、燃焼排ガスは、レトルト2の下流端部24に対向する外熱室11の炉床17に設けた通気口18を経てバーナ52を備えた二次燃焼室12に至り、開口19から排煙ダクト(図示略)を経て煙突に向かう。
ところで、有機性廃棄物中には低温分解性の有機可燃成分が多く含まれているが、上記従来のロータリキルンでは800℃程度の高温になる外熱室の熱がレトルト内に及んで、上記有機可燃成分の大部分がガス化揮発して消失し、生成された炭化物の燃料価値が低下してしまうという問題があった。
そこで、例えば特許文献1に示されたロータリキルンでは、レトルトの筒壁全体に断熱材を敷設してレトルト内の温度上昇を450℃以下に留め、低温分解性の有機可燃成分の揮発消失を抑制している。
特開平11−304364
しかし、レトルトを断熱材で覆った上記従来構造では、外熱室は常時高温になっているために室壁耐火物の損耗等による維持費の増大が問題であるとともに、外熱室温に対するレトルト内温度の追従性が悪くなるため、有機性廃棄物の性状が変化して、噴出管から噴出する水蒸気量や乾留ガス量が変化するとレトルト内温度を所望の温度に維持することが難しいという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、外熱室温度を下げて維持費の増大を抑えることができるとともに、有機性廃棄物の性状変化に対して応答性良くレトルト内温度を所望の温度に維持することができる外熱式ロータリキルンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明では、回転する筒状レトルト(2)の一端(25)から当該レトルト(2)内へ被処理材(M)を供給し、レトルト(2)内をその他端(26)へ向けて移送される被処理材(M)から発生する可燃性ガスをレトルト(2)の筒壁に貫通させたガス噴出管(4)を経てレトルト(2)外周の外熱室(11)へ噴出させるようにした外熱式ロータリキルンにおいて、レトルト(2)の周囲を覆う外熱室(11)の室壁に、室内を加熱するバーナ(7)を設けるとともに、レトルト(2)の筒壁の、被処理材移送方向の上流側(23)のみにガス噴出管(4)を設け、かつ、噴出した可燃性ガスを外熱室(11)外へ排出するための通気口(18)を、外熱室(11)の炉床(17)のうち、レトルト(2)の上流側(23)に対向する部分に設ける。
本第1発明において、被処理材の処理初期に生じる可燃性ガスは、レトルト筒壁の上流側に設けたガス噴出管からレトルト外へ排出され、この付近に開口する通気口を経て、外熱室内に滞留して自燃することなく速やかに外熱室外へ排出される。外熱室は、バーナの燃焼制御によって所望の低温(例えば420℃)に正確に維持され、これにより、レトルト内温度も所望の低温(例えば400℃)に保たれて、被処理材中の有機可燃成分の揮発消失が抑制される。加えて、レトルトは断熱構造とする必要がないから、被処理材の性状等が変動しても、外熱室中でレトルト内の温度は応答性良く所望の温度に維持される。さらに、外熱室の温度が低温に保たれることで、室壁耐火物の損傷等による維持費の増大も回避される。
本第2発明では、上記外熱室(11)内を上流側と下流側の2ゾーン(Z1,Z2)に分けて、各ゾーン(Z1,Z2)にバーナ(7)を設け、これらバーナ(7)によって各ゾーン(Z1,Z2)を独立に温度制御する。本第2発明においては、例えばレトルト内の上流側でのみ水分蒸発が盛んで加熱熱量を必要とする場合でも、当該ゾーンの燃焼制御によって迅速かつ効率的に対応してレトルト内を所望温度に維持することができる。
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以上のように、本発明の外熱式ロータリキルンによれば、外熱室温度を下げて維持費の増大を抑えることができるとともに、有機性廃棄物の性状変化に対して応答性良くレトルト内温度を所望の温度に維持することができる。
図1には本発明に係る外熱式ロータリキルンの概略断面図を示し、従来技術と同一部分には同一符号を付す。図1において、ロータリキルンの炉体1内には上半に外熱室11が形成され、炉床17で区画された炉体1の下半は二次燃焼室12となっている。外熱室11を貫通して筒状のレトルト2が設けてあり、レトルト2は一端部25と他端部26に設けたリング体21がそれぞれ図略のロ−ラに支持されるとともに、一端部25外周に設けたスプロケット22に駆動チェーンが懸架されて回転させられている。レトルト2の上流端部23内にはホッパ13の底部から延びるスクリューコンベア14が位置して、ホッパ13内に貯留された汚泥Mがレトルト2内に搬入される。レトルト2の他端部26は排出筒15内に至り、ここに排出口16が設けられている。
レトルト2の筒壁には上流端部23のみに、内外方向へ貫通するガス噴出管4が設けられている。炉体1の頂壁にはレトルト長手方向の二箇所に熱電対61,62が設けられて、外熱室11の室内温度を二箇所で検出している。炉床17近くの炉壁にはレトルト長手方向の4箇所にバーナ7が設けられ、これらバーナ7は上流側の第1ゾーンZ1内に位置する一対が、熱電対61の検出信号をフィードバックした温度調節計(図示略)によってその燃焼を制御され、下流側の第2ゾーンZ2内に位置する一対が、熱電対62の検出信号をフィードバックした温度調節計(図示略)によってその燃焼を制御されている。炉床17にはレトルト2の上流端部23に対応する位置に二次燃焼室12へ連通する通気口18が設けられている。二次燃焼室12内にはバーナ52が設けられており、当該二次燃焼室12は下流側の炉壁に設けた開口19を経て排煙ダクトに連通している。
このような構造の外熱式ロータリキルンにおいて、ホッパ13内に貯留された汚泥Mがレトルト2内に搬入されて、やや傾斜させたレトルト2の回転に伴ってその下流方向へ移送され、この過程で外熱室11からの熱で炭化されて、排出筒15内に開口するレトルト排出口16へ至り、排出される。汚泥Mが炭化される特に初期には乾留ガスが多く生成するが、これはレトルト2筒壁の上流端部23に設けたガス噴出管4からレトルト2外へ排出されるとともに、この付近に開口する通気口18を経て、外熱室11内に滞留して自燃することなく速やかに二次燃焼室12内へ導入される。そして、バーナ52によってタール分や臭気成分が燃焼分解された後、開口19から排煙ダクトを経て、煙突から排出される。
一方、外熱室11は、レトルト内での水分蒸発が盛んで加熱熱量を必要とする上流側の第1ゾーンZ1と、水分蒸発は相対的に少ない第2ゾーンZ2とで個別に、バーナ7の燃焼制御によってそれぞれ420℃〜430℃に正確に維持される。これにより、レトルト内温度は400℃付近に保たれ、炭化汚泥中の有機可燃成分の揮発消失が防止される。本実施形態ではレトルト2は断熱構造となっていないから、水分蒸発の変動等があっても、420℃〜430℃に保持される外熱室11中でレトルト2内の温度は応答性良く400℃程度に維持される。また、外熱室11の温度は従来の800℃程度から400℃程度へと大幅に低下させられるから、室壁耐火物の損傷等による維持費の増大という問題も解消される。なお、上記実施形態に示すように、外熱室11の温度制御は2ゾーンZ1,Z2に分割して行ったほうが好ましいが、外熱室11全体を1ゾーンとして温度制御してももちろん良い。
本発明の一実施形態を示す外熱式ロータリキルンの概略断面図である。 従来の外熱式ロータリキルンの概略断面図である。
符号の説明
1…炉体、11…外熱室、18…通気口、2…レトルト、23…上流端部、25…一端部、26…他端部、4…ガス噴出管、7…バーナ、M…汚泥、Z1,Z2…ゾーン。

Claims (2)

  1. 回転する筒状レトルトの一端から当該レトルト内へ被処理材を供給し、前記レトルト内をその他端へ向けて移送される前記被処理材から発生する可燃性ガスを前記レトルトの筒壁に貫通させたガス噴出管を経てレトルト外周の外熱室へ噴出させるようにした外熱式ロータリキルンにおいて、前記レトルトの周囲を覆う前記外熱室の室壁に、室内を加熱するバーナを設けるとともに、前記レトルトの筒壁の、前記被処理材移送方向の上流側のみに前記ガス噴出管を設け、かつ、噴出した可燃性ガスを外熱室外へ排出するための通気口を、外熱室の炉床のうち、前記レトルトの前記上流側に対向する部分に設けたことを特徴とする外熱式ロータリキルン。
  2. 前記外熱室内を上流側と下流側の2ゾーンに分けて、各ゾーンのバーナを設け、これらバーナによって各ゾーンを独立に温度制御するようにした請求項1に記載の外熱式ロータリキルン。
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