JP2017179072A - 木質系バイオマスの炭化処理装置 - Google Patents

木質系バイオマスの炭化処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 木質系バイオマスの炭化処理に伴って発生するタール成分を熱風発生炉にて燃焼分解させ、その際に生じる熱風を炭化炉の間接加熱源として有効利用しつつ、熱風発生炉に供給されるタール成分から余剰熱量分を分離回収してタール燃焼量を調整し、所望性状の炭化物を炭化処理するのに見合った熱風温度にコントロール可能とした木質系バイオマスの炭化処理装置を提供する。【解決手段】 炭化炉2と熱風発生炉3との間に空冷熱交換器31を備え、炭化炉2には炭化物温度センサ43を、熱風発生炉3の下流には熱風温度センサ47を備え、前記各温度センサ43、47にて検出される炭化物温度または熱風温度が予め設定されるそれぞれの上限温度よりも高ければ、外気供給ファン35を稼働させて空冷熱交換器31に外気を供給し、木ガスからタール成分の一部を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるように調整制御するタール燃焼量制御器49を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱することにより炭化処理する木質系バイオマスの炭化処理装置に関する。
近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、従来であれば山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されていた廃木材や間伐材等の木質系バイオマスをチップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラで燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気でもって蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。一方、同じ木質系バイオマスではあっても、例えば山林や公園等の整備に伴って発生し、難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮(バーク)、また建築現場等で発生する端材、或いは建築物の解体現場等で発生する建築廃材等は、大きさや性状等が一様でなく、発熱量にもバラツキがある上、不純物等も混入しやすいため、バイオマス燃料として利用するにはあまり適さず、依然としてその多くが産業廃棄物として有償にて廃棄処分されているのが実情である。
なお、このような難利用材等の木質系バイオマスをそのまま燃焼させるのではなく、例えば炭化炉等を用いて炭化処理を行えば、一定の発熱量に調整できて安定して燃焼させることが可能となり、更にそれを微粉化処理等することでバーナ等の燃料としても利用可能な木炭燃料として回収できると考えられるが、あまり多くのコスト(例えば、炭化炉にて使用される重油等の燃料コスト)を掛けてまで前記炭化処理を行うことは現実的ではない。一方、このような問題に関し、例えば特許文献1(特開2012−224677号公報)には、バイオマスの中でも特に含水率が高くそのままでは燃焼させづらい、例えば食品加工残渣や食品廃棄物、家畜糞尿、下水汚泥等の湿潤系バイオマスを処理対象とし、先ず好気性発酵により前記湿潤系バイオマスを乾燥処理した上で、間接加熱方式の炭化炉へ供給して炭化処理して炭化物として回収する一方、前記炭化炉での炭化処理に伴って発生する揮発成分であるタール成分を燃焼炉にて燃焼分解させると共に、その際に生じる熱風を前記炭化炉の間接加熱源として有効利用するようにし、できるだけ重油等の化石燃料を使用せずに炭化処理するようにした湿潤バイオマスの炭化処理システムが記載されている。
特開2012−224677号公報
しかしながら、上記従来装置では、炭化処理する対象物が食品廃棄物や下水汚泥等の湿潤系バイオマスであるため、高含水状態のままで炭化処理したり、また従来一般的に行われていた比較的高温域で炭化処理すると発生するタール量が乏しく、それを全て燃焼分解させて熱風を生じさせても炭化炉の間接加熱源として利用するには熱量的に不足するため、その不足分を補うべく予め好気性発酵にて乾燥処理し、かつ比較的低温域で炭化処理することによりできるだけ多くのタール成分を発生させるように図っている。一方、炭化処理する対象物が前記のような木質系バイオマスの場合には、バイオマス中のタール含有量が元々多いため、炭化処理する温度域等にかかわらず比較的多くのタール成分が発生しやすく上記のような熱量不足といった不具合は生じにくいものの、多量に発生するタール成分を燃焼炉にて燃焼分解させると場合によっては熱量過多を来たし、それを炭化炉へ間接加熱源として供給すると処理対象である木質系バイオマスの炭化処理温度が高くなり過ぎ、結果的にタール成分が揮発しきってほとんど残っていないような炭化物しか回収されず、例えば比較的高い着火性を求められるバーナ用の木炭燃料等としてはあまり適さないなど、回収される炭化物の用途が限られてしまう懸念がある。なお、燃焼炉から炭化炉へ供給される熱風中へ、例えば外気等を導入して強制的に冷却することにより熱風温度を所望の炭化物を炭化処理するのに適した温度に調整することもできるが、熱エネルギー的に見れば単なる無駄となってしまう。
本発明は上記の点に鑑み、木質系バイオマスの炭化処理に伴って発生するタール成分を熱風発生炉にて燃焼分解させ、その際に生じる熱風を炭化炉の間接加熱源として有効利用しつつ、熱風発生炉に供給されるタール成分から余剰熱量分を分離回収してタール燃焼量を調整し、所望性状の炭化物を炭化処理するのに見合った熱風温度にコントロール可能とした木質系バイオマスの炭化処理装置を提供することを課題とする。
本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、該炭化炉での木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、該熱風発生炉にて発生させた熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにした木質系バイオマスの炭化処理装置であって、前記炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出される木ガスと外気供給ファンより供給される外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器を備えると共に、前記外気供給ファンは前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が所定温度に維持されるように供給する外気量を調整制御できる構成としたことを特徴としている。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記外気供給ファンより空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えたことを特徴としている。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉の下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定される下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたことを特徴としている。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記炭化炉に間接加熱用の熱源として供給した熱風を排気する排気ダクトの途中に炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉またはアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させたことを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、該炭化炉での木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、該熱風発生炉にて発生させた熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにした木質系バイオマスの炭化処理装置であって、前記炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出される木ガスと外気供給ファンより供給される外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器を備えると共に、前記外気供給ファンは前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が所定温度に維持されるように供給する外気量を調整制御できる構成としたので、木質系バイオマスを炭化処理するのに伴って発生するタール成分を熱風発生炉にて燃焼分解させることで発生する熱風を炭化炉の間接加熱源として有効利用しつつ、前記熱風発生炉に供給されるタール成分から余剰熱量分を分離回収してタール燃焼量を調整し、木質系バイオマスから所望性状の炭化物を炭化処理するのに見合った熱風温度にコントロールすることができ、例えばタール成分を適度に残すようにして着火性に優れたバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を回収するといったことも可能となる。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記外気供給ファンより空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えたので、木ガスとの熱交換によって昇温された外気をそのまま熱風発生炉の温度調整用や自燃用の燃焼用空気として無駄なく有効利用することができ、熱風発生炉における燃焼効率を効果的に高めることができる。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉の下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定される下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたので、例え炭化物温度や熱風温度が所定温度よりも低くて外気供給ファンより空冷熱交換器に外気が供給されないときや、空冷熱交換器に供給された外気が熱交換により昇温されて熱膨張を生じて酸素濃度の低下を来したときでも、熱風発生炉には自燃に必要とされる酸素量を安定供給でき、不完全燃焼や失火等の不具合を未然に防止することができる。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記炭化炉に間接加熱源として供給した熱風を排気する排気ダクトの途中に炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉またはアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させたので、前記熱風発生炉にてタール成分の燃焼分解に伴って生じる熱風が保有する熱量をより無駄なく有効に利用できる。また、前記熱風発生炉で発生する熱風の温度は空冷熱交換器によりタール燃焼量を調整することで略一定の温度に維持されているため、被乾燥処理物である木質系バイオマスや砂等をバラツキなく一様に乾燥処理することができて都合が良い。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置の一実施例を示す概略説明図である。 前記炭化処理装置の熱風発生炉におけるタール燃焼量を調整制御する際の制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置にて木質系バイオマスと高含水率の砂を処理して炭化物、タール及び乾燥砂として回収し、アスファルト混合物製造工場にて有効利用を図るようにした説明図である。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置にあっては、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、該炭化炉での炭化処理に伴って生じる可燃性の木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、該熱風発生炉にて発生させた高温の熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにしていると共に、前記炭化炉と熱風発生炉との間には、炭化炉から導出される木ガスと外気供給ファンより供給される外気とを熱交換させ、木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収する空冷熱交換器を備えている。
また、前記外気供給ファンは炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が所定温度に維持されるように供給する外気量を調整制御できる構成としている。そして、例えば、炭化物温度または熱風温度が所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した処理温度範囲よりも高ければ相当量の外気を供給し、木ガス温度を低下させて高沸点のタール成分を分離回収し、熱風発生炉内でのタール燃焼による発熱量を減じるようしている。
このとき、炭化物温度と熱風温度との相関性(例えば、相関マップや相関係数等)を予め燃焼試験等を行って求めておくと共に、炭化物温度が上限温度を示すときの熱風温度を前記相関マップや相関係数等から求めて熱風温度の上限温度として設定登録しておき、熱風温度が前記上限温度より高ければ炭化物温度も同様に上限温度より高いものと判断し、外気供給ファンを稼働させてタール燃焼量を減じるように調整するようにしておくと良い。なお、運転初期時のように、熱風温度は上限温度より高くても炭化物温度がまだ十分に昇温されていないような場合には、外気供給ファンの運転を行わないように手動または自動にて制御するようにすると好ましい。
また、前記外気供給ファンより空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えると好ましい。
さらに、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉の下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定される下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにすると好ましい。
さらにまた、前記炭化炉に対して間接加熱源として供給された熱風を排気する排気ダクトの途中に、炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉またはアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させ、熱風発生炉にてタール成分の燃焼分解に伴って生じる熱風が保有する熱量をより無駄なく有効利用するようにしても良い。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置において、例えば難利用材等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、炭化物中にある程度のタール成分が残るような処理温度範囲、例えば約400〜500℃とし、またそのときの熱風温度を、例えば1000℃とし、炭化炉内へ木質系バイオマスを所定量ずつ供給して還元雰囲気下で間接的に加熱しながら炭化処理し、タール成分がある程度残った状態の所望の性状を有する炭化物として回収する。一方、この炭化処理に伴って発生する可燃性のタール成分を含んだ木ガスは、空冷熱交換器を経て熱風発生炉へと供給されて自燃にて燃焼分解され、その際に発生する高温の熱風は前記炭化炉へ間接加熱源として供給される。
このとき、炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が所定温度に維持されるように外気供給ファンにて空冷熱交換器へ供給する外気量を調整制御するのであるが、炭化物温度または熱風温度が所定温度より高くなれば、外気供給ファンにて供給する外気量を増加させて木ガスからタール成分の分離回収量を多くし、熱風発生炉でのタール燃焼量を減じて炉内での熱量調整を行う。
また、空冷熱交換器に外気供給ファンより供給した外気を燃焼用空気供給ダクトを介して熱風発生炉へ自燃用の燃焼用空気として供給するようにした場合には、炭化物温度や熱風温度が所定温度に満たない間は外気供給ファンからは外気の供給が行われないため熱風発生炉にて酸素不足を来すおそれがある。その場合、熱風発生炉下流に備えた酸素濃度センサにて検出される残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度を下回れば、燃焼用空気供給ダクトの途中に備えた外気導入口を開放させて熱風発生炉内へ外気を導入させ、不完全燃焼や失火等の不具合を回避する。
このように、上記木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記空冷熱交換器は、タール成分の分離回収による熱風発生炉内の熱量調整、さらには空冷用の外気を利用しての燃焼用空気の供給及び熱風発生炉の温度調整の役目を果たすものであり、これによって熱風温度をコントロールできて所望性状の炭化物を製造できる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は木質系バイオマスの炭化処理装置であって、例えば難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮等の木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉2と、該炭化炉2での炭化処理に伴って生じる可燃性のタール成分を含んだ木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉3とを併設し、これら炭化炉2と熱風発生炉3とを木ガス導出ダクト4及び熱風供給ダクト5にて連結し、前記炭化炉2で生じる木ガスを前記木ガス導出ダクト4を介して熱風発生炉3に供給する一方、前記熱風発生炉3にて発生させた熱風は前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ間接加熱源として供給するようにしている。また、前記炭化炉2には間接加熱源として供給された熱風を排気する排気ダクト6を連結しており、該排気ダクト6の途中には木質系バイオマスを炭化処理前に事前に乾燥処理する乾燥炉7を介在させていると共に、その下流側には排ガス中のダストを捕捉するバグフィルタ8、排風量調整用のメインダンパー9、排風機10及び煙突11を備えている。
前記炭化炉2は、円筒状の鋼板の内壁面に複数の掻き上げ羽根12を周設してなる内筒13を回転自在に傾斜支持し、その一端部には隔壁14を介して木質系バイオマス供給用の供給ホッパ15とスクリューコンベヤ16とを備えている一方、他端部には木質系バイオマスを炭化処理することで生成された炭化物を排出する排出ホッパ17を備えている。
前記排出ホッパ17下部の排出シュート18の途中には開閉ダンパー19を上下に二段備えていると共に、前記排出シュート18の下端部には炭化物排出用のスクリューコンベヤ20を連結しており、排出ホッパ17内に払い出された炭化物を排出する際には、前記各開閉ダンパー19を順次開閉操作させて常に上下何れかの開閉ダンパー19が閉鎖状態となるようにしながら排出すると共に、スクリューコンベヤ20内が排出中の炭化物で常時満たされるようにすることにより、コンベヤ終端の排出口21からの内筒13内への外気(酸素)の侵入を極力遮断し、内筒13内部を炭化処理に適した還元雰囲気下に維持可能なように図っている。
また、前記スクリューコンベヤ20の途中には水噴射ノズル22を備えており、近傍に設置した貯水タンク23内の冷却水を給水配管24を介して前記水噴射ノズル22に供給し、スクリューコンベヤ20内を流下する高温の炭化物に対して冷却水を所定量ずつ噴射して適度に湿潤・冷却させ、排出された炭化物の飛散や自然発火等の不具合防止を図っている。
図中の25は前記内筒13内に供給される木質系バイオマスを間接加熱する熱風が通過する外筒であって、内筒13の長手方向の中間部分の外周を適当な間隔を保持して囲うように形成しており、該外筒25の一端部には熱風導入口26を、他端部には熱風排出口27を備え、前記熱風導入口26より導入される熱風は内筒13内の木質系バイオマスの流下方向と並流方向に内筒13外周部に沿って流下する間に内筒13内の木質系バイオマスを間接的に加熱した後、他端部の熱風排出口27より排出されるようにしている。また、前記外筒25の内周壁には保温用のキャスター28を周設しており、熱風の保有熱量が内筒13内の木質系バイオマスの加熱に極力有効利用されるように図っている。
一方、前記熱風発生炉3は、前記炭化炉2より導出される可燃性のタール成分を含んだ木ガスを木ガス導出ダクト4を介して導入させて燃焼分解する略L字形状の炉本体29を備え、該炉本体29は導入される木ガスが通過するのに約2秒程度以上かかる炉長としており、木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガス中に含まれる可燃性のタール成分や、細かい炭化物等の飛散性未燃分等が、高温雰囲気に維持された前記炉本体29内を通過する間に自燃にて完全に燃焼分解されると共に、その際に生じる高温の熱風が前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ間接加熱源として供給されるようにしている。また、図中の30は重油やプロパンガス等の化石燃料を使用して前記炉本体29内に熱風を供給する補助バーナであって、例えば、運転初期時など限定的に燃焼させて炉本体29内を所望温度に予熱し、予熱完了後は消火するようにしている。
また、前記炭化炉2の内筒13と熱風発生炉3とを連結する木ガス導出ダクト4の途中には、炭化炉2の内筒13から導出される木ガスと外気とを熱交換させ、木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器31を介在させている。
前記空冷熱交換器31は、内部を上・中・下層の三室に分割した縦長のケーシング32内に複数の所定径の鋼管33をその長手方向が垂直方向と略平行になるように配管し、該鋼管33の上端開口部を上層室34a内に開口させる一方、鋼管33の下端開口部を下層室34c内に開口させ、前記木ガス導出ダクト4より前記上層室34a内に導入される木ガスは鋼管33内を流下して前記下層室34c内へ導出されるようにしている。
また、図中の35は外気供給ファンであって、好ましくはインバータ付きとして送風量を可変できるようにすると好ましい。前記外気供給ファン35より供給される外気は前記中層室34b内に導入され、鋼管33中間部の周囲を通過する間に鋼管33内を流下する高温の木ガスを空冷し、高沸点のタール成分の一部を凝縮させて木ガスから分離させ、前記下層室34c底部に設けた回収タンク36に滴下させ、開閉弁37を有した排出管38を介して下位に備えたドラム缶39等にて回収する一方、タール成分の一部が分離された木ガスは下流側の木ガス導出ダクト4から熱風発生炉3へと送り出されていくようにしている。また、外気供給ファン35より中層室34b内に供給されて木ガスとの熱交換によって昇温された外気は、基端部を中層室34bに連結した燃焼用空気供給ダクト40を介して前記熱風発生炉3へ自燃用の燃焼用空気として供給するようにしている。
また、前記燃焼用空気供給ダクト40の途中には外気導入口41を備えていると共に、該外気導入口41は開閉ダンパー42にて開度調整自在としており、該開閉ダンパー42を開放操作した場合には、前記外気導入口41より適宜量の外気が燃焼用空気供給ダクト40を介して熱風発生炉3の炉本体29内へ導入されるようにしている。
また、前記炭化炉2の内筒13の内部には、炉内の炭化物温度を検出する熱電対等の炭化物温度センサ43を備えている。前記炭化物温度センサ43は、単体でも複数でも良いが、少なくとも炉内の炭化物の炭化処理が完了する内筒13終端部付近に備えるようにすると好ましい。また、回転体である内筒13の外周面には前記炭化物温度センサ43にて検出した炭化物温度の信号データを取り込んで無線送信する送信機44を固着している一方、内筒13から離間した地上面等には前記送信機44より送信される前記信号データを非接触にて受信する受信機45を設置していると共に、該受信機45にて受信した炭化物温度の信号データを後述するタール燃焼量制御器へ逐次出力するように構成した無線テレメータ装置46を備えている。なお、内筒13に備える炭化物温度センサ43としては、前記熱電対に代えて非接触にて炭化物温度を検出可能な放射温度計等も採用できるが、炭化処理に伴って内筒13内に充満するダスト等の影響による測定誤差の可能性を考慮すると本実施例のような熱電対等で炭化物温度を直接測定する方がより好ましい。
また、前記熱風発生炉3下流側の熱風供給ダクト5の途中には、熱風発生炉3より導出される熱風温度を検出する熱風温度センサ47と、熱風中の残存酸素濃度を検出する酸素濃度センサ48とを備えている。
図中の49は、炭化炉2より導出される木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるように調整制御するタール燃焼量制御器であって、前記炭化物温度センサ43にて検出される炭化物温度や、前記熱風温度センサ47にて検出される熱風温度、前記酸素濃度センサ48にて検出される残存酸素濃度等の各検出データを取り込み、かつ各種機器への操作・制御信号を出力する入出力部50と、予め設定登録される各種の設定値を記憶格納する設定記憶部51と、これら各検出データと設定値とを比較演算し、その演算結果に基づいて各種の制御を実行する制御部52とを備えている。
前記設定記憶部51には、例えば所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した処理温度範囲に対し、例えばその上限値である上限炭化物温度や、炭化炉2より導出される木ガスを自燃にて必要最小限度の酸素濃度で完全燃焼させたときの排ガス中に残存する残存酸素濃度である下限残存酸素濃度等を予め設定登録している。一方、前記制御部52では、前記炭化物温度センサ43にて検出される炭化物温度が、前記設定記憶部51に予め設定登録した上限炭化物温度より高いと判断すれば、前記空冷熱交換器31の外気供給ファン35を稼働させて前記ケーシング32の中層室34b内へ外気を供給し、鋼管33内を流下する木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収し、熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるように調整制御している。
なお、炭化炉2の内筒13内の炭化物温度に基づいて間接加熱源である上流側の熱風発生炉3からの熱風温度を調整すべく、更に上流側に位置する空冷熱交換器31にて木ガス中のタール量を調整するようにすると、どうしても制御遅れが生じやすいため、炭化物温度に代えて間接加熱源である熱風温度に基づいて木ガス中のタール量を調整するようにした方が制御遅れを抑制できてより好ましいものとなる。
このとき、炭化物温度と間接加熱源である熱風温度との相関性を予め燃焼試験等を行って求めておくと共に、炭化物温度が上限温度を示すときの熱風温度を上限熱風温度として設定記憶部51に設定登録しておき、熱風温度センサ47にて検出される熱風温度が前記上限熱風温度より高ければ炭化物温度も同様に上限温度より高いものと判断し、外気供給ファン35を稼働させて空冷熱交換器31に外気を供給して木ガス中の余剰熱量分のタール成分を分離回収し、熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるような制御を行うようにしておくと良い。
なお、上記の場合でも、炭化物温度センサ43にて検出される炭化物温度も一緒に取り込んで参考値等としてモニタリングするようにしても良く、また例えば運転初期時のように、熱風温度だけが上限温度より高く、炭化物温度がまだ十分に高くなっておらず、仮にこのままタール燃焼量を減じると炭化処理の不十分な炭化物が排出されてしまうおそれのあるときに限り、外気供給ファン35の稼働を行わないように手動または自動にて制御するようにするとより好ましいものとなる。
また、前記熱風発生炉3に自燃用の燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファン等を別途備え、前記外気供給ファン35より空冷熱交換器31に供給した外気を大気放出させるようにしても良いが、本実施例のように、木ガスとの熱交換によって昇温された外気を燃焼用空気供給ダクト40を介して熱風発生炉3へ供給して自燃用の燃焼用空気として利用するようにすれば、効果的に燃焼効率を高めることが可能となる。
ただし、この場合、例えば前記炭化物温度や熱風温度が予め設定した上限炭化物温度や上限熱風温度に満たなければ、前記タール燃焼量制御器49では余剰熱量が無いものと判断して前記外気供給ファン35を稼働させず、外気の供給を行わないような制御を行うため、熱風発生炉3には燃焼用空気が供給されずに酸素濃度不足が生じ、また例え外気供給ファン35の稼働条件が揃って外気が供給された場合でも、この外気は高温の木ガスとの熱交換によって昇温されることで熱膨張を生じ、単位空気量あたりの酸素量(酸素濃度)が低下してやはり酸素濃度不足が発生し、場合によっては不完全燃焼や失火等を来すおそれがあるが、タール燃焼量制御器49では酸素濃度センサ48にて検出される熱風中の残存酸素濃度を逐次取り込み、それが予め設定した下限残存酸素濃度よりも低い場合には酸素濃度不足と判断し、熱風温度や炭化物温度にかかわらず前記外気導入口41の開閉ダンパー42を開放させ、常温の外気を熱風発生炉3内へ導入させるようにしている。
なお、前記木ガス導出ダクト4の途中を分岐させ、一方を前記空冷熱交換器31に連結する一方、他方を空冷熱交換器31へ通さずにバイパスダクト53として下流側の木ガス導出ダクト4に連結し、各ダクトの途中には切替ダンパー54、55を開閉自在に備えるようにしても良く、例えば熱風温度が上限熱風温度に満たない場合や、空冷熱交換器31の鋼管33内部に付着するタール成分を取り除くなどのメンテナンスを行う場合には、各切替ダンパー54、55を開閉制御して木ガスをバイパスダクト53側に流下させるようにすると良い。
また、前記炭化炉2の外筒25内に間接加熱源として供給された熱風は、熱風排出口27より排出される時点においてもなお相当な熱量を保有しており、この排ガスを排気ダクト6の途中に介在させた、炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉7内に供給することにより、排ガスの保有熱量をより無駄なく有効利用可能なようにしている。前記乾燥炉7は、ごく一般的なロータリーキルン構造のものであり、内周面に複数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のキルン本体56を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体56の一端部に木質系バイオマスの投入シュート57を、他端部に排出ホッパ58をそれぞれ備えており、前記投入シュート57よりキルン本体56内に投入される木質系バイオマスを排気ダクト6より供給される排ガスと接触させながら乾燥処理し、次工程の炭化炉2での炭化処理をより効率よく行えるようにしている。
なお、前記乾燥炉7に代えて、同様の構造を有する、例えばアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させるようにしても排ガスの保有熱量を有効に利用することができる。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置1を使用して、例えば難利用材等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、先ず、炭化物中にある程度のタール成分が残るような処理温度範囲(例えば約400〜500℃)を燃焼試験等により予め求め、その上限値(例えば500℃)を上限炭化物温度とし、またそのときの熱風温度(例えば1000℃)を上限熱風温度とし、下限残存酸素濃度と共に前記タール燃焼量制御器49の設定記憶部51に設定登録する。
そして、熱風発生炉3の補助バーナ30を着火して予熱処理を行った後、炭化炉2の内筒13内へ木質系バイオマスを所定量ずつ供給していき、炭化炉2から十分な量の木ガスが生じ始めれば(熱風発生炉3が自燃可能な状態となれば)、前記補助バーナ30を消火する。前記炭化炉2の内筒13内に供給された木質系バイオマスは、炉内に設けられた複数の掻き上げ羽根12によって掻き上げられながら流下していき、その間に熱風発生炉3より外筒25内に供給される高温の熱風により間接的にかつ還元雰囲気下で上記温度まで加熱され、徐々に炭化処理されていってタール成分がある程度残った状態の炭化物として排出ホッパ17より排出される。前記排出ホッパ17に排出された炭化物は、スクリューコンベヤ20にて順次送り出される間に水噴射ノズル22より噴射される冷却水によって適度に湿潤・冷却され、飛散や自然発火等のおそれがないように処理した上で回収される。
一方、この炭化処理に伴って発生する可燃性のタール成分を含んだ木ガスは、木ガス導出ダクト4を介して熱風発生炉3へと供給されて自燃にて燃焼分解され、その際に発生する高温の熱風は前記炭化炉2へ間接加熱源として供給される。
このとき、タール燃焼量制御器49では、図2のフローチャートにて示すように、熱風温度センサ47にて検出される熱風温度を逐次取り込み(S1)、この熱風温度と設定記憶部51に予め設定登録しておいた上限熱風温度とを比較し(S2)、仮に熱風温度の方が上限熱風温度よりも高いと判断すれば、外気供給ファン35を稼働させて空冷熱交換器31に外気を供給し(S3)、木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じる一方、熱風温度が上限熱風温度に満たなければ、外気供給ファン35を停止して空冷熱交換器31への外気の供給を停止する(S4)。
次いで、熱風発生炉3下流の酸素濃度センサ48にて検出される熱風中の残存酸素濃度を取り込み(S5)、この残存酸素濃度と設定記憶部51に予め設定登録しておいた下限残存酸素濃度とを比較し(S6)、仮に残存酸素濃度の方が下限残存酸素濃度よりも高いと判断すれば、外気導入口41の開閉ダンパー42を閉鎖する一方(S7)、残存酸素濃度が下限残存酸素濃度を下回れば、外気導入口41の開閉ダンパー42を開放し(S8)、熱風発生炉3内部へ常温の外気を導入させて不完全燃焼や失火等の不具合を防止する。そして、運転を終了するか否かを判断し(S9)、終了する場合にはENDへ進む一方、運転を続ける場合には再びS1に戻るといった制御を実行する。
なお、上記実施例では上限熱風温度を設定し、熱風温度がその上限温度よりも高くなれば、外気供給ファン35を稼働させて空冷熱交換器31に外気を供給するとしたが、前記外気供給ファン35の送風量を可変とし、炭化炉2内の炭化物温度または熱風発生炉3下流の熱風温度を所定温度に維持するように外気供給ファン35の供給する外気量を調整するようにすると好ましい。また、残存酸素濃度が下限残存酸素濃度を下回れば、外気導入口41の開閉ダンパー42の開度を微調整しながら外気を取り込むようにすると好ましい。
なお、炭化処理する木質系バイオマスの性状(含水率等)のバラツキにより、熱風温度センサ47にて検出される熱風温度が低くなり過ぎ、外気の供給を停止しても適当な処理温度範囲に満たない場合には、例えば木質系バイオマス供給用のスクリューコンベヤ16の供給スピードを落とすなどして内筒13内の被炭化処理物の量を一時的に減じるようにしたり、或いは熱風発生炉3の助燃バーナ30を再着火させて一時的に熱風を供給させるようにしても良い。
このように、本発明の木質系バイオマスの炭化処理装置1では、例えば、図3に示すように、森林や公園等から排出される難利用材等の木質系バイオマスと、砕石場から産出される高含水率の砂とを受け入れ、木質系バイオマスは炭化処理することで有用な、例えばバーナ用の木炭燃料や、アスファルト増量材となるタールとして回収できると共に、炭化処理時の排熱を利用しながら高含水率の砂を乾燥処理して利用しやすい乾燥砂として回収できる。そして、これら回収された木炭燃料やタール、乾燥砂は、例えばアスファルト混合物製造工場に供給することにより、アスファルト混合物を製造する際の材料の一部や燃料として有効に利用することができ、従来使い道がなく廃棄処分されていた剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材の利用用途を確立でき、林業の活性化に大きく寄与できるものとなる。一方、アスファルト混合物製造業においても、材料や燃料の一部を代替できて低コスト化が図れ、また前記燃料は木質系バイオマス由来のものであるため、カーボンニュートラルに基づくCO2の削減も期待できるものとなって好適である。
本発明は、剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材を含め、各種の木質系バイオマスの炭化処理装置として広く利用できる。
1…木質系バイオマスの炭化処理装置
2…炭化炉 3…熱風発生炉
4…木ガス導出ダクト 5…熱風供給ダクト
6…排気ダクト 7…乾燥炉(砂ドライヤ)
13…内筒 25…外筒
31…空冷熱交換器 33…鋼管
35…外気供給ファン 36…回収タンク
40…燃焼用空気供給ダクト 41…外気導入口
42…開閉ダンパー 43…炭化物温度センサ
47…熱風温度センサ 48…酸素濃度センサ
49…タール燃焼量制御器

Claims (4)

  1. 木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、該炭化炉での木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、該熱風発生炉にて発生させた熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにした木質系バイオマスの炭化処理装置であって、前記炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出される木ガスと外気供給ファンより供給される外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器を備えると共に、前記外気供給ファンは前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が所定温度に維持されるように供給する外気量を調整制御できる構成としたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  2. 請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記外気供給ファンより空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  3. 請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉の下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定される下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記炭化炉に間接加熱用の熱源として供給した熱風を排気する排気ダクトの途中に炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉またはアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
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