JP2008031792A - 挟み込み検出装置及び感圧センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異物挟み込みの検出範囲内におけるコーナ部に沿って感圧センサを配置でき、このようなコーナ部においても異物の挟み込みを検出できる挟み込み検出装置及びこのような挟み込み検出装置に適用される感圧センサの製造方法を得る。
【解決手段】感圧センサ16の筒部34には凹部56が形成されており、感圧センサ16を屈曲させると筒部34の曲率中心側では長手方向に沿って圧縮され、凹部56とその両側では凹部56を含む筒部34の体積が小さくなるが、凹部56が狭くなることで体積変化を許容するので、凹部56の両側で筒部34の体積が大きく変化しない。このため、筒部34が大きく変形して外皮部20を圧迫することがなく、上記のように感圧センサ16を屈曲させても、筒部34が異物を押圧していない状態では電極線24〜30が離間した状態で保つことができる。
【選択図】図1
【解決手段】感圧センサ16の筒部34には凹部56が形成されており、感圧センサ16を屈曲させると筒部34の曲率中心側では長手方向に沿って圧縮され、凹部56とその両側では凹部56を含む筒部34の体積が小さくなるが、凹部56が狭くなることで体積変化を許容するので、凹部56の両側で筒部34の体積が大きく変化しない。このため、筒部34が大きく変形して外皮部20を圧迫することがなく、上記のように感圧センサ16を屈曲させても、筒部34が異物を押圧していない状態では電極線24〜30が離間した状態で保つことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドア等の可動部が異物を挟み込んだか否かを検出するための挟み込み検出装置及びこのような挟み込み検出装置に適用される感圧センサの製造方法に関する。
近年、ワゴンやバン、レクリエーションビークルといった車種では、車体後部に設けられたドアパネルをモータの駆動力で回動させてラゲッジルーム用の開口を開閉するバックドア装置が採用されており、その一例が下記特許文献1に開示されている。
この種のバックドア装置では、長尺の感圧センサがドアパネルの外周部に沿って設けられており、ドアパネルとラゲッジルーム用の開口の縁部との間で異物が挟み込まれた際には、異物により感圧センサが押圧されて弾性変形し、これにより、異物の挟み込みを検出する。
特開2004−116027の公報
ところで、バックドア装置のドアパネルの外周部は、ラゲッジルーム用の開口形状の他、車体後部に設けられたブレーキランプのレンズ等の形状に応じて、車幅方向や車体の前後方向に適宜に屈曲又は小さな曲率で湾曲している。このように屈曲又は湾曲したコーナ部においてもドアパネルの外周部に沿って感圧センサを配置することが好ましい。しかしながら、このようなコーナ部に応じて感圧センサを大きく曲げると、曲げ方向の内側で感圧センサが大きく圧縮され、これにより、この部分では感圧センサが異物からの押圧力を受けた状態と同じ状態になってしまう。このため、感圧センサには大きな曲げを施すことができず、コーナ部でドアパネルの外周部に感圧センサを沿わせて配置することが難しかった。
本発明は、上記事実を考慮して、異物挟み込みの検出範囲内におけるコーナ部に沿って感圧センサを配置でき、このようなコーナ部においても異物の挟み込みを検出できる挟み込み検出装置及びこのような挟み込み検出装置に適用される感圧センサの製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、可動部が所定部位に接近移動した際の前記可動部と前記所定部位とによる異物の挟み込みを検出する挟み込み検出装置であって、前記可動部及び前記所定部位の少なくとも何れか一方に設定された前記異物の挟み込みの検出範囲に沿った長尺状に形成されて、長手方向に対して交差する方向からの圧力を検出すると共に、前記検出範囲において屈曲又は湾曲したコーナ部の曲率中心側を向いた部位に、長手方向に沿った変形に伴う体積変化を他の部位よりも許容する体積変化許容部が設けられた感圧センサを備える、ことを特徴としている。
請求項1に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、長尺状の感圧センサが可動部及び可動部が接近する所定部位の少なくとも何れか一方に設定された異物の挟み込みの検出範囲に沿って設けられる。
ここで、感圧センサのうち、異物の挟み込みの検出範囲において屈曲又は湾曲したコーナ部の曲率中心側を向いた部位には体積変化許容部が設定される。この体積変化許容部は、感圧センサの長手方向に沿った変形、例えば、圧縮や引っ張りによる変形に伴う体積変化が他の部位よりも許容される。このため、この部位をコーナ部に応じて曲げると、曲げに伴う圧縮で体積変化許容部の体積が変化する。このため、感圧センサの内側に曲げの影響がおよびにくく、コーナ部に応じて曲げが施されても、正確に異物からの押圧力を検出できる。
請求項2に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1に記載の本発明において、前記感圧センサの長手方向に沿って所定間隔をあけて前記体積変化許容部を複数設定したことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、体積変化許容部が感圧センサの長手方向に沿って所定間隔毎に複数設定される。コーナ部に応じて感圧センサに曲げが施されると、この曲げに伴う体積変化が体積変化許容部の各々に生じる。このように、各体積変化許容部に曲げに伴う体積変化が分散されることで、1箇所の体積変化許容部に体積変化が集中することがなく、これにより無理なく曲げることができる。
請求項3に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記感圧センサのうち、前記曲率中心とは反対側を向く部位に、前記体積変化許容部を設定したことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、体積変化許容部が、感圧センサのうち、異物の挟み込みの検出範囲において屈曲又は湾曲したコーナ部の曲率中心側を向いた部位のみならず、この曲率中心とは反対側を向く部位にも設定される。このため、感圧センサにおいてコーナ部の曲率中心とは反対側を向いた部位は、上記の曲げに伴う引っ張りで他の部位に比べて容易に体積変化が生じる。このため、感圧センサをコーナ部に沿わせて容易に曲げることができる。
また、このように、感圧センサの両側に体積変化部を設定することで、感圧センサを両側何れにも曲げを施すことができる。さらに、このような体積変化部を感圧センサの長手方向に沿って連続又は断続的に形成すると、体積変化部を形成した範囲で感圧センサを両側何れの向きに適宜に曲げることができ、コーナ部が連続したり、何箇所もコーナ部が設けられていたりしても、これらのコーナ部に沿わせて感圧センサを配置できる。
請求項4に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記感圧センサの長手方向を軸方向とする前記感圧センサの軸心に対して半径方向に沿った前記感圧センサの面で前記半径方向に向けて開口する凹部を含めて前記体積変化許容部を構成したことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、感圧センサの長手方向の軸方向とする感圧センサの軸心に対して半径方向に沿った感圧センサの面で半径方向へ向けて開口した凹部を含めて体積変化許容部が構成される。
例えば、この体積変化許容部が、感圧センサのうち、コーナ部の曲率中心側を向いた部位に設定されるのであれば、感圧センサに曲げが施されると、感圧センサの長手方向に沿った凹部の内幅寸法が縮まることで、凹部の両側では感圧センサに曲げ圧縮による大きな変形が生じることなく、体積変化許容部が設定された部位での体積変化が生じる。
これに対して、感圧センサのうち、コーナ部の曲率中心とは反対側を向いた部位に体積変化許容部が設定されるのであれば、感圧センサに曲げが施されると、感圧センサの長手方向に沿った凹部の内幅寸法が広がることで、凹部の両側では感圧センサに曲げ圧縮による大きな変形が生じることなく、体積変化許容部が設定された部位での体積変化が生じる。
このように、体積変化許容部を構成する凹部の内幅が狭まり又は広がることで、凹部の両側で感圧センサに大きな変形を生じさせることなく感圧センサに曲げを施すことができる。
なお、凹部の形状は数に関しては特に限定するものではない。したがって、凹部は1箇所であってもよく、また、複数であってもよい。また、凹部の形状に関しては如何なる形状であってもよく、例えば、感圧センサの長手方向の軸方向とする感圧センサの軸心を中心とするリング状に形成してもよいし、感圧センサの軸心を中心とする感圧センサの周方向の一部に凹部を形成してもよい。さらに、感圧センサの軸心を中心とする螺旋状に凹部を形成してもよく、このような螺旋状に凹部を形成するにあたっては、凹部は1条でもよいし、複数条でもよい。
請求項5に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記体積変化許容部を、スポンジ状の発泡体により構成したことを特徴としている。
請求項5に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、体積変化許容部はスポンジ状の発泡体により構成される。このため、感圧センサを曲げることによって、感圧センサの長手方向に沿った圧縮や引っ張りが体積変化許容部に生じると、体積変化部はこの圧縮や引っ張りに応じて体積を変化させる。このため、感圧センサの他の部位に大きな変形を生じさせることなく感圧センサに曲げを施すことができる。
請求項6に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の本発明において、長手方向に対して交差する方向に沿った外側からの圧力を検出する長尺状のセンサ本体と、前記センサ本体を被覆可能な長尺筒状に形成されると共に、長手方向に対して交差した外側からの圧力を内部に収容された前記センサ本体に伝達するセンサ保持部が形成されると共に、前記センサ保持部に一体的に形成され、前記検出範囲に設けられた支持ブラケットを保持することで前記検出範囲に取り付けられる取付部が形成されたプロテクタと、を含めて前記感圧センサを構成し、前記センサ保持部の外周部及び内周部の少なくとも何れか一方に前記体積変化許容部を設定したことを特徴としている。
請求項6に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、プロテクタを構成する筒状のセンサ保持部の内側にセンサ本体が収容され、センサ保持部と共にプロテクタを構成する取付部が、挟み込みの検出範囲に設けられた支持ブラケットを保持することで、支持ブラケットを介して取付部、すなわち、プロテクタ、ひいてはセンサ本体が挟み込みの検出範囲に取り付けられる。
ここで、本発明に係る挟み込み検出装置では、保持部の外周部又は内周部に体積変化許容部が設定される。このため、コーナ部に沿わせてプロテクタを曲げても、その内側のセンサ本体に大きな影響を及ぼさない。
請求項7に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項6に記載の本発明において、前記プロテクタを押し出し成形により形成すると共に、当該押し出し成形時に前記体積変化許容部を前記センサ保持部に形成することを特徴としている。
請求項7に記載の本発明に係る挟み込み検出装置によれば、プロテクタは所謂押し出し成形により形成される。ここで、この押し出し成形時にはプロテクタのセンサ保持部に体積変化許容部が形成される。このように、プロテクタの成形時に体積変化許容部を形成することで、生産効率が向上する。
請求項8に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の本発明において、前記感圧センサの長手方向を軸方向とする前記感圧センサの軸心周りに螺旋状に湾曲した複数の電極を含めて前記感圧センサを構成し、前記押圧力で前記複数の電極のうちの少なくとも2本が互いに接することで前記感圧センサに押圧力が作用したことを検出することを特徴としている。
請求項8に記載の本発明に係る挟み込み検出装置では、感圧センサの長手方向を軸方向とする感圧センサの軸心周りに螺旋状に湾曲した複数の電極線のうち、少なくとも2本が感圧センサに付与された押圧力で互いに接触することにより感圧センサに押圧力が作用したこと、すなわち、異物の挟み込みが検出される。
請求項9に記載の本発明に係る挟み込み検出装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の本発明において、車両の後端に形成された開口を開閉する方向に移動可能なドアパネルを前記可動部とし、前記感圧センサを前記ドアパネルの外周部に沿って設けたことを特徴としている。
請求項9に記載の本発明に係る挟み込み検出装置では、車両の後端部に形成された開口を開閉する方向に移動可能なドアパネルが可動部とされ、感圧センサがドアパネルの外周部に沿って設けられ、ドアパネルと開口の縁部(すなわち、車体)との間での異物の挟み込みが本発明に係る挟み込み検出装置により検出される。
すなわち、本発明に係る挟み込み検出装置は所謂バックドア装置に適用される。ここで、バックドア装置のドアパネルの外周部は、車両の後部開口の開口形状や、車両後部に設けられたブレーキランプのレンズの形状等に応じて車両の前後左右に複雑に屈曲していることが多い。ここで、本発明に係る挟み込み検出装置では、上記のようにドアパネルの外周部が車両の前後左右に複雑に屈曲していても、このようなコーナ部に沿って感圧センサを配置できるので、ドアパネルとこのドアパネルが閉止する車両後部の開口の縁との間での異物の挟み込みを確実に検出できる。
請求項10に記載の本発明に係る感圧センサの製造方法は、長手方向に対して交差する方向に沿った外側からの圧力を検出する長尺状のセンサ本体と、前記センサ本体を被覆可能な長尺筒状に形成されると共に、長手方向に対して交差した外側からの圧力を内部に収容された前記センサ本体に伝達するセンサ保持部が形成されると共に、前記センサ保持部に一体的に形成され、前記検出範囲に設けられた支持ブラケットを保持することで前記検出範囲に取り付けられる取付部が形成されたプロテクタと、を含めて構成された感圧センサの製造方法であって、前記プロテクタを押し出し成形により形成すると共に、前記長手方向に沿った変形に伴い前記センサ保持部に生ずる体積変化を、前記プロテクタの他の部分よりも許容する体積変化許容部を前記押し出し成形時に前記センサ保持部の所定部位に形成する、ことを特徴としている。
請求項10に記載の本発明に係る感圧センサの製造方法では、長手方向に対して交差する方向に沿った外側からの圧力を検出する長尺状のセンサ本体を収容するセンサ保持部が形成されたプロテクタが押し出し成形により形成される。
ここで、この押し出し成形時にはセンサ保持部の所定部位に体積変化許容部が形成される。この体積変化許容部はプロテクタの他の部分に比べてセンサ保持部の長手方向(すなわち、センサ本体の長手方向)に沿ったセンサ保持部の変形に伴う体積の変化が許容される。このため、プロテクタに曲げを施すにあたり、この曲げ部分に体積変化許容部を位置させると、曲げ部分でセンサ保持部に圧縮や引っ張りが生じても、体積変化許容部が体積を変化させることで、センサ保持部内のセンサ本体に影響を及ぼさない。
しかも、このような体積変化許容部はプロテクタを押し出し成形する際に形成されるため生産性もよい。
<第1の実施の形態の構成>
図7には本発明の第1の実施の形態に係る挟み込み検出装置10の構成の概略がブロック図によって示されている。この図に示されるように、挟み込み検出装置10は感圧センサ16を備えている。
(感圧センサ16の構成)
図3の(A)〜(C)には感圧センサ16の構成が断面図により示されている。なお、図3の(A)は図2の(A)のA−A線に沿って切った断面図であり、図3の(B)は図2の(A)のB−B線に沿って切った断面図であり、図3の(C)は図2の(A)のC−C線に沿って切った断面図である。
図3に示されるように、感圧センサ16は検出部を構成するセンサ本体18を備えている。センサ本体18は、ゴムや軟質の合成樹脂材等、絶縁性を有する弾性材によって長尺で且つ長手方向に対して直交する方向に切った断面が略円形に形成された外皮部20を備えている。この外皮部20には断面十字形状の十字孔22が外皮部20の長手方向に沿って連続して形成されている。図4に示されるように、十字孔22は外皮部20の長手方向に沿って外皮部20の中心周りに漸次変位しており、このため、十字孔22の四方の端部(十文字の各端部)は外皮部20の長手方向に沿って略螺旋形状に変位している。
また、外皮部20の内部には、各々が電極としての4本の電極線24、26、28、30が設けられている。これらの電極線24〜30の各々は、銅線等の導電性細線を縒り合わせることにより可撓性を有する長尺紐状に形成され、且つ、導電性ゴムを被覆することで形成されている。これらの電極線24〜30は十字孔22の中央近傍で十字孔22を介して互いに離間し且つ十字孔22に沿って螺旋状に配置され、十字孔22の内周部へ一体的に固着されている。このため、外皮部20が弾性変形することで電極線24〜30は撓み、特に、十字孔22が潰れる程度に外皮部20が弾性変形すれば、電極線24又は電極線28が電極線26又は電極線30と接触して導通する。また、外皮部20が復元すれば電極線24〜30も復元する。
また、図3の(A)〜(C)に示されるように、感圧センサ16は外皮部20と共に感圧センサ16を構成するプロテクタ32を備えている。プロテクタ32はセンサ本体18と共に検出部を構成するセンサ保持部としての筒部34を備えている。筒部34は内径寸法が外皮部20の外径寸法に略等しい(厳密には、外皮部20の外径寸法よりも僅かに大きな)円筒形状に形成されており、その内部に外皮部20が収容されている。この筒部34は、その中心軸線周りの所定範囲が柔軟なスポンジ状に形成された弾性部36とされており、残部が弾性部36よりも硬質のソリッドゴムにより形成されたソリッド部38とされている。
このため、弾性部36の側から押圧力が筒部34に作用すると、弾性部36は弾性部36の部分をソリッド部38のようなソリッドゴムにて形成した場合に比べて早期に弾性変形して、この押圧力を内側の外皮部20に伝える。また、この押圧力が作用することで押圧力の作用方向に外皮部20が変位しようとすると、弾性部36よりも硬質のソリッド部38が外皮部20を支持して変位を規制する。このため、外皮部20は作用した押圧力で早期に弾性変形するようになっている。
また、ソリッド部38の弾性部36とは反対側には取付部40が連続して形成されている。取付部40は基部及び変位抑制片としての取付基部42を備えている。取付基部42はソリッド部38の長手方向に沿って長尺の細幅平板状に形成されており、その厚さ方向一方の面の幅方向略中央でソリッド部38が連続した状態となっている。取付基部42の幅方向両端からは筒部34とは反対側へ向けて脚部としての取付脚部44が連続して形成されており、取付部40の断面形状は全体的に筒部34とは反対側へ向けて開口した凹形状となっている。両取付脚部44の間は挿込溝46とされている。また、各取付脚部44の挿込溝46側の面からは挿込溝46の開口幅方向中央側へ向けて挟持爪48が突出形成されている。
さらに、以上の構成の挿込溝46の内部にはソリッド部38や取付部40を構成するソリッドゴムよりも剛性が高い金属にて形成された芯金50が埋設されている。芯金50は取付基部42と共に変位抑制片を構成する芯金基部52を備えている。図2の(B)に示されるように、芯金基部52は長手方向、幅方向、及び厚さ方向の各々が取付基部42の長手方向、幅方向、及び厚さ方向に沿った長尺平板状に形成されている。この芯金基部52は取付基部42の内部に埋設されている。また、図3の(A)及び(B)に示されるように、芯金基部52の幅方向一端部からは取付基部42に対する取付脚部44の延出方向と同じ方向へ向けて複数の芯金脚部54が延出されている。
図2の(B)に示されるように、これらの芯金脚部54は、長手方向が芯金基部52の厚さ方向に沿い、幅方向が芯金基部52の長手方向に沿った平板状に形成されており、芯金基部52の長手方向に沿った互いに間隔が各々の幅寸法よりも充分に短い状態で断続的に形成されている。また、芯金基部52の幅方向一端部と同様に芯金基部52の幅方向他端部からも複数の芯金脚部54が延出されている。芯金基部52の幅方向一端部から延出された芯金脚部54は取付基部42の幅方向一端部から形成された取付脚部44に埋設されており、芯金基部52の幅方向他端部から延出された芯金脚部54は取付基部42の幅方向他端部から形成された取付脚部44に埋設されている。
一方、図2の(A)、(B)及び図3の(C)に示されるように、筒部34の長手方向中間部における所定位置で、取付部40が切除されている。筒部34の長手方向に沿った取付部40の切除範囲は、1枚の芯金脚部54、又は、筒部34の長手方向に沿って互いに隣り合う複数枚の芯金脚部54に対応しており、この切除部分では、取付部40のみならず芯金50も切除されている。
また、図2の(A)に示されるように、筒部34の長手方向及び筒部34に対する取付部40の形成方向の双方に対して直交した方向を向く側の筒部34の外周部には、各々が体積変化許容部を構成する複数の凹部56が筒部34の長手方向に沿って所定間隔毎に断続的に形成されている。これらの凹部56は、筒部34の外周部にて開口しており、これらの凹部56が形成された部分では、筒部34が薄肉となっている。
(挟み込み検出装置10及び自動バックドア装置12の構成の概略)
以上の構成の感圧センサ16は、センサ本体18の長手方向両端から電極線24〜30が引き出される。図5の回路図に示されるように、センサ本体18の一端側では、電極線24と電極線28とが互いに接続されており、電極線26と電極線30とが互いに接続される。一方、センサ本体18の他端側では、電極線26と電極線28とが抵抗62を介して互いに接続される。また、電極線24はセンサ本体18の他端側でバッテリー64に接続され、電極線30はセンサ本体18の他端側でアースされている。
すなわち、挟み込み検出装置10は、電極線24、電極線28、抵抗62、電極線26、電極線30が直列に接続された構成になる。外皮部20が弾性変形することで、電極線24又は電極線28と電極線26又は電極線30とが互いに接触すると、この接触部分で短絡して、電流は抵抗62を介さずに流れる。このため、挟み込み検出装置10を流れる電流の電流値が変化する。挟み込み検出装置10を流れる電流の電流値は、電極線30の他端側に接続された電流検出素子66が検出する。図7に示されるように、電流検出素子66は制御手段としてのECU68に接続されており、電流検出素子66から出力された電流検出信号がECU68に入力される。
一方、ECU68はバックドアスイッチ70に接続されており、バックドアスイッチ70から出力された操作信号がECU68に入力される。ECU68はドライバ72を介して駆動手段としてのバックドアモータ74に電気的に接続されている。ドライバ72はバッテリー64に接続されており、ECU68から出力された制御信号に基づきバックドアモータ74に対する通電を制御している。バックドアモータ74は、例えば、図6に示される車両の固定部としての車体14のルーフパネル76と、ルーフパネル76の下方に設けられたルーフヘッドライニング(図示省略)との間に収容されている。
バックドアモータ74は、その出力軸がギヤ等の減速手段並びに連結ギヤ等の連結手段(何れも図示省略)を介して可動部としてのバックドアパネル78へ機械的に連結されており、正転駆動することで固定部の開口としてのリヤゲート80を開放する方向へバックドアパネル78を回動させ、逆転駆動することで下方リヤゲート80を閉塞する方向へバックドアパネル78を回動させる。
さらに、図6に示される車体14のフロアパネル82の後端近傍には、クローザアッセンブリを構成する駆動手段としてのクローザモータ84が配置されている。クローザモータ84はドライバ86を介してECU68に接続されていると共に、バッテリー64に接続されており、ECU68から出力された制御信号に基づきクローザモータ84に対する通電を制御している。また、図7に示されるように、クローザアッセンブリはクローザモータ84のほかに一対のジャンクション88、90を備えている。図6に示されるように、ジャンクション88はバックドアパネル78に設けられており、ジャンクション90はフロアパネル82に設けられている。
バックドアモータ74の駆動力でリヤゲート80を全閉する直前の状態までバックドアパネル78がリヤゲート80を閉止する方向へ回動すると、ジャンクション88がジャンクション90に接触して導通する。ジャンクション88とジャンクション90とが導通したとECU68が判定すると、ECU68はドライバ72に対して出力する制御信号によりバッテリー64を停止させると共に、ドライバ86に対して出力する制御信号によってクローザモータ84を駆動させ、クローザモータ84の駆動力でリヤゲート80を全閉する位置までバックドアパネル78を回動させ、更に、ラッチ等のロック手段を作動させてリヤゲート80を全閉した状態でバックドアパネル78をロックする。
一方、図1及び図6に示されるように、上記のバックドアパネル78は、バックドアパネル78がリヤゲート80を閉止した状態で相対的に車両室内側に位置するインナパネル92と、インナパネル92よりも後方側(車両外側)に位置するアウタパネル94とを含めて構成されており、インナパネル92の外周部に沿ってアウタパネル94の外周部近傍を折り曲げて形成したヘム部96によりインナパネル92の外周部近傍を挟み付けることで、インナパネル92とアウタパネル94とが一体とされている。
図1に示されるように、インナパネル92のアウタパネル94とは反対側では、ヘム部96に沿って支持ブラケット98が設けられている。支持ブラケット98は平板部100を備えている。平板部100はヘム部96に沿って長手とされた平板状に形成されており、ボルトやビス、リベット等の締結手段や溶接等によってインナパネル92に一体的に固定されている。平板部100のヘム部96側の端部からは平板状の支持部102が屈曲されて立設されている。図3の(A)、(B)に示されるように、この支持部102は先端が取付基部42に突き当たるまで取付部40の内側に入り込んでおり、挟持爪48に弾性的に挟持されている。
ここで、図1に示されるように、バックドアパネル78の外周部(すなわち、ヘム部96の先端)が90度以下に屈曲したコーナ部104に対応した位置は、感圧センサ16のうち取付部40が切除された部分が位置しており、コーナ部104に沿って筒部34が屈曲している。さらに、コーナ部104に対応した位置では、支持部102の平板部100からの延出寸法が他の部位よりも長く、これにより、取付部40が切除された感圧センサ16の筒部34に支持部102の先端が当接している。
なお、本実施の形態ではコーナ部104におけるヘム部96の屈曲角度を90度以下(すなわち、直角又は鋭角)とした構成であるが、コーナ部104におけるヘム部96の屈曲角度が90度を越えていても構わない。但し、本実施の形態を適用するにあたっては、コーナ部104におけるヘム部96の屈曲角度は90度以下である方が効果的であるし、また、コーナ部104におけるヘム部96の屈曲角度が90度を越えている場合であっても、90度に近い方が効果的である。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
バックドアパネル78が車体14の上方へ回動してリヤゲート80を開放した状態で、バックドアスイッチ70を閉操作すると、ECU68がドライバ72を操作してバックドアモータ74を逆転駆動させ、これにより、バックドアパネル78が車体14の下方へ向けて回動する。
次いで、バックドアパネル78がリヤゲート80を全閉する直前の状態まで回動すると、ECU68はドライバ72を操作してバックドアモータ74を停止させると共に、ドライバ86を操作してクローザモータ84を駆動させる。クローザモータ84はその駆動力でバックドアパネル78を全閉位置まで回動させ、更に、ラッチ等のロック手段を作動させて全閉状態でバックドアパネル78をロックする。
このようにして、本実施の形態における自動バックドア装置12では、バックドアスイッチ70の操作のみでバックドアパネル78の閉操作を行なうことができるため、例えば、バックドアパネル78を閉操作する際に無理にバックドアパネル78に手を掛けたりする必要がなく、容易にバックドアパネル78の閉操作を行なえる。
ところで、リヤゲート80を開放した状態で、リヤゲート80の内周縁に対応した部分、すなわち、車体14の側壁の後端や、ランプハウスの上面並びに車幅方向内側面、更には、フロアパネル82の後端等において、車体14の内外方向に異物が跨ぐように位置している場合に、リヤゲート80を閉じるようにバックドアパネル78が回動(閉移動)させると、バックドアパネル78の外周縁(すなわち、ヘム部96の先端)に異物に当接する。したがって、このままバックドアパネル78が異物を押圧して、リヤゲート80の内周縁部に異物を押し当てると異物の挟み込みが生じる。
ここで、上記のように、バックドアパネル78の外周縁(すなわち、ヘム部96の先端)に異物に当接すると、感圧センサ16の筒部34が異物に当接し、バックドアパネル78の閉移動(回動)に伴い筒部34が異物を車体14室内側に押圧する。筒部34が異物を押圧すると、このときの押圧力に応じた異物からの押圧反力が筒部34に付与され、この押圧反力により筒部34が弾性変形する。この筒部34の弾性変形によって筒部34内の外皮部20が弾性変形し、外皮部20の内部に設けられた電極線24又は電極線28が電極線26又は電極線30と接触して短絡する。この場合、電流は抵抗62を介さずに流れるため、電極線24〜30を含めて構成される電気回路を流れる電流の電流値が変化する。
この電流値の変化は電流検出素子66により検出され、電流値の変化を検出した電流検出素子66からはECU68に対して検出信号(電気信号)が出力される。この検出信号が入力されたECU68は、外皮部20が変形した、すなわち、異物の挟み込みが生じたと判定してドライバ72、86を操作し、バックドアモータ74及びクローザモータ84を正転駆動(すなわち、バックドアパネル78を上昇させる方向へ駆動)させる。これにより、バックドアパネル78による異物の挟み込みが解消される。
なお、このような異物の挟み込みを検出した場合のバックドアモータ74及びクローザモータ84の駆動量に関しては、特に限定するものではない。したがって、基本的にはリヤゲート80が全開するまでバックドアパネル78を上昇させるようにバックドアモータ74及びクローザモータ84を正転駆動させてもよい。また、例えば、バックドアパネル78が数センチメートル上昇する程度にバックドアモータ74及びクローザモータ84を正転駆動させた後に停止させる構成としてもよい。
但し、異物の挟み込みを検出した場合に、リヤゲート80が全開するまでバックドアパネル78を上昇させる構成に比べて、バックドアパネル78を数センチメートル上昇させる構成は、以下のようなメリットがあり好ましい。
すなわち、異物の挟み込みを検出した際に、リヤゲート80が全開するまでバックドアパネル78を上昇させる構成とした場合、異物の挟み込みが解消されてからもリヤゲート80を全開する位置までバックドアパネル78が回動する。したがって、再度バックドアパネル78でリヤゲート80を全閉しようとする場合には、最も上方へバックドアパネル78が回動するまで待たなくてはならない。しかも、最も上方に回動した位置から再びバックドアパネル78が回動するまでに時間を要する。したがって、このような構成では、再度リヤゲート80を全閉するために時間を要する。
当然、乗員等が適宜にバックドアスイッチ70を操作することで上昇途中のバックドアパネル78を停止させて再度下降させることも可能ではあるが、この場合、バックドアパネル78の上昇停止の操作を要することから操作が煩わしくなる。
これに対して、異物の挟み込みを検出した場合に、バックドアパネル78を数センチメートル上昇させれば基本的に異物の挟み込みが解消されて、異物を取り除くことが可能である。ここで、バックドアパネル78を数センチメートル上昇した状態でバックドアパネル78が停止していれば、この状態からリヤゲート80を全閉するために必要なバックドアパネル78の回動量はバックドアパネル78が最も上昇した状態に比べると少なくてよい。したがって、再度リヤゲート80を全閉する際にも短時間でリヤゲート80を全閉できる。
さらに、本実施の形態では、コーナ部104に倣って感圧センサ16が屈曲されて配置されている。このように感圧センサ16はコーナ部104に倣って屈曲されているが、この屈曲部分に対応した位置では、感圧センサ16の取付部40が切除されている。このため、取付部40や取付部40に埋設されている芯金50が感圧センサ16を屈曲させるにあたり障害になることがない。このため、本挟み込み検出装置10では、コーナ部104に倣って感圧センサ16を円滑で且つ容易に屈曲させることができる。
しかも、感圧センサ16の筒部34は、長手方向に所定間隔をあけて複数の凹部56が形成されている。このため、感圧センサ16を屈曲させる際の曲率中心側では、筒部34を屈曲させると凹部56の開口幅が小さくなるように筒部34が変形させられる。上記のように屈曲させるとその曲率中心側では筒部34が長手方向に沿って圧縮され、これによって凹部56とその両側では凹部56を含む筒部34の体積が小さくなるが、凹部56が狭くなることで体積変化を許容するので、凹部56の両側で筒部34の体積が大きく変化することがない。このため、筒部34が大きく変形して外皮部20を圧迫することがなく、上記のように感圧センサ16を屈曲させても、筒部34が異物を押圧していない状態では電極線24〜30が離間した状態で保つことができる。
一方、感圧センサ16を屈曲させる際の曲率中心とは反対側では、筒部34を屈曲させると凹部56の開口幅が小さくなるように筒部34が変形させられる。上記のように屈曲させるとその曲率中心とは反対側では筒部34が長手方向に沿って引っ張られ、これによって凹部56とその両側では凹部56を含む筒部34の体積が大きくなるが、凹部56が広がることで体積変化を許容するので、凹部56の両側で筒部34の体積が大きく変化することがない。このため、筒部34を容易に屈曲させることができる。
このように、本実施の形態では、コーナ部104に倣って感圧センサ16を容易に屈曲させることができ、しかも、感圧センサ16を屈曲させても感圧センサ16の性能を維持できるので、コーナ部104においても異物の挟み込みを確実に検出できる。
<その他の実施の形態>
次に、上述した感圧センサ16の変形例をその他の実施の形態として説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態における感圧センサ16を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第2、第3の実施の形態>
図8には本発明の第2の実施の形態に係る挟み込み検出装置120に用いられる感圧センサ122の構成が図3の(C)に対応した断面図により示されている。この図に示されるように、感圧センサ122はコーナ部104に倣って屈曲させられる部分で屈曲の曲率中心側に位置する取付脚部44と、この取付脚部44に埋設されている芯金脚部54のみが切除されている。
また、図9には本発明の第3の実施の形態に係る挟み込み検出装置130に用いられる感圧センサ132の構成が図3の(C)に対応した断面図により示されている。この図に示されるように、感圧センサ132はコーナ部104に倣って屈曲させられる部分で両側の取付脚部44と、取付脚部44に埋設されている芯金脚部54のみが切除され、取付基部42と取付基部42に埋設されている芯金基部52は残されている。
以上の感圧センサ122、132では、取付基部42が残されていることから筒部34に異物からの押圧力が作用した際に、芯金基部52が埋設された取付基部42と、取付基部42に突き当たっている支持部102とで筒部34が全体的に支持ブラケット98の側(すなわち、異物との当接部位とは反対側)へ変位することが効果的に規制される。このため、異物からの押圧力を受けた筒部34は確実に弾性変形して外皮部20を弾性変形させ、この結果、異物の挟み込みを確実に検出できる。
<第4の実施の形態>
図10には本発明の第4の実施の形態に係る挟み込み検出装置140に用いられる感圧センサ142の構成が図3の(C)に対応した断面図により示されている。この図に示されるように、支持部102の先端側は支持部102の厚さ方向一方の側へ向けて屈曲されており、これにより、支持部102の先端からの延出寸法が支持部102の厚さ寸法よりも充分に大きな変位抑制部としての当接片144が形成されている。この当接片144の厚さ方向一方の面は、取付部40が切除されたプロテクタ32の筒部34に当接している。
ここで、当接片144の幅寸法は支持部102の厚さ寸法よりも大きいため、支持部102の先端が筒部34に当接した前記第1の実施の形態よりも当接片144と筒部34との接触面積の方が大きい。これにより、前記第1の実施の形態よりもバランスよく筒部34を支持できる。
しかも、筒部34の異物との当接部位とは概ね反対側から当接片144が筒部34に接触するため、筒部34が異物からの押圧力で全体的に支持ブラケット98の側(すなわち、異物との当接部位とは反対側)へ変位することが効果的に規制される。このため、異物からの押圧力を受けた筒部34は確実に弾性変形して外皮部20を弾性変形させ、この結果、異物の挟み込みを確実に検出できる。
<第5の実施の形態>
図11には本発明の第5の実施の形態に係る挟み込み検出装置150に用いられる感圧センサ152の構成が図3の(C)に対応した断面図により示されている。この図に示されるように、支持部102の先端側は支持部102の厚さ方向一方の側へ向けて屈曲され、更に、この屈曲部分を支持部102の厚さ方向他方の側へ向けて略U字状に屈曲することで支持部102の先端側に変位抑制部としての当接片154が形成されている。このようにして形成された当接片154は、支持部102の厚さ方向一方の側で当接片144が筒部34に接触していた前記第3の実施の形態とは異なり、支持部102の厚さ方向両側で当接片154が筒部34に接触するため、前記第3の実施の形態よりも更にバランスよく筒部34を支持できる。
しかも、筒部34の異物との当接部位とは概ね反対側から当接片154が筒部34に接触するため、筒部34が異物からの押圧力で全体的に支持ブラケット98の側(すなわち、異物との当接部位とは反対側)へ変位することが効果的に規制される。このため、異物からの押圧力を受けた筒部34は確実に弾性変形して外皮部20を弾性変形させ、この結果、異物の挟み込みを確実に検出できる。
<第6の実施の形態>
図12には本発明の第6の実施の形態に係る挟み込み検出装置160に用いられる感圧センサ162の構成が図3の(C)に対応した断面図により示されている。この図に示されるように、挟み込み検出装置160は変位抑制部としての当接ピース164を備えている。当接ピース164はピース基部166を備えている。ピース基部166は平面視でコーナ部104の屈曲又は湾曲に倣って厚さ方向を軸方向とする軸周りに屈曲又は湾曲した平板状に形成されている。
このピース基部166の幅方向両端部からはピース脚部168が延出されており、当接ピース164は全体的に断面凹形状に形成されている。両ピース脚部168の間は嵌合溝170とされている。嵌合溝170は内幅寸法が支持部102の厚さ寸法に略等しく、当接ピース164の長手方向一端及び他端の各近傍では、支持部102が嵌合溝170の内側に入り込める。また、上記のピース基部166は厚さ寸法が切除された取付部40の取付基部42の厚さ寸法に略等しく設定されている。
さらに、本実施の形態では、コーナ部104では支持ブラケット98が設けられておらず、コーナ部104を境とした一方の側のヘム部96と他方の側のヘム部96の各々に沿って直線的な支持ブラケット98が設けられている。当接ピース164は両方の支持ブラケット98の支持部102を跨ぐように装着される。この状態で感圧センサ162を両支持ブラケット98に装着すると、コーナ部104に対応して取付部40が切除された部分では、コーナ部104に倣って筒部34が屈曲又は湾曲しつつピース基部166に接触する。このように、筒部34がピース基部166に接触することで筒部34がバランスよく支持される。
しかも、筒部34の異物との当接部位とは概ね反対側からピース脚部168が筒部34に接触するため、筒部34が異物からの押圧力で全体的に支持ブラケット98の側(すなわち、異物との当接部位とは反対側)へ変位することが効果的に規制される。このため、異物からの押圧力を受けた筒部34は確実に弾性変形して外皮部20を弾性変形させ、この結果、異物の挟み込みを確実に検出できる。
<第7の実施の形態>
図13には本発明の第7の実施の形態に係る挟み込み検出装置180に用いられる感圧センサ182のプロテクタ32構成が平面断面図により示されている。この図に示されるように、挟み込み検出装置180の感圧センサ182では、筒部34に凹部56が形成されておらず、代わりに、体積変化許容部を構成する凹部184が筒部34に形成されている。凹部184は筒部34の軸心を中心とする環状で筒部34の内周部にて開口するように形成されている。また、凹部184は筒部34の長手方向に沿って所定間隔毎に断続的に形成されている。
このような凹部184が形成された感圧センサ182を屈曲させる際の曲率中心側では、筒部34を屈曲させると凹部184の開口幅が小さくなるように筒部34が変形させられる。上記のように屈曲させるとその曲率中心側では筒部34が長手方向に沿って圧縮され、これによって凹部184とその両側では凹部184を含む筒部34の体積が小さくなるが、凹部184が狭くなることで体積変化を許容するので、凹部184の両側で筒部34の体積が大きく変化することがない。このため、筒部34が大きく変形して外皮部20を圧迫することがなく、上記のように感圧センサ16を屈曲させても、筒部34が異物を押圧していない状態では電極線24〜30が離間した状態で保つことができる。
一方、感圧センサ16を屈曲させる際の曲率中心とは反対側では、筒部34を屈曲させると凹部184の開口幅が小さくなるように筒部34が変形させられる。上記のように屈曲させるとその曲率中心とは反対側では筒部34が長手方向に沿って引っ張られ、これによって凹部184とその両側では凹部184を含む筒部34の体積が大きくなるが、凹部184が広がることで体積変化を許容するので、凹部184の両側で筒部34の体積が大きく変化することがない。このため、筒部34を容易に屈曲させることができる。
このように、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様に、コーナ部104に倣って感圧センサ16を容易に屈曲させることができ、しかも、感圧センサ16を屈曲させても感圧センサ16の性能を維持できるので、コーナ部104においても異物の挟み込みを確実に検出できる。
なお、本実施の形態では、筒部34に凹部56を形成せずに凹部184を形成した構成であったが、凹部56と凹部184との双方を筒部34に形成する構成としてもよい。また、凹部56と凹部184との双方を筒部34に形成するにあたり、筒部34の長手方向に沿った凹部56の形成ピッチ(隣り合う凹部56の間隔)と、筒部34の長手方向に沿った凹部184の形成ピッチ(隣り合う凹部184の間隔)を同じに設定してもよいし、異ならせてもよい。さらに、凹部56と凹部184とで形成ピッチを同じにした場合、凹部56と凹部184とで位相を同じに設定してもよいし、位相を異ならせてもよい。ちなみに、凹部56と凹部184とで位相をずらすことで、筒部34を蛇腹形状に形成する構成としてもよい。
<第8の実施の形態>
図14には本発明の第8の実施の形態に係る挟み込み検出装置190に用いられる感圧センサ192の構成が断面図により示されている。この図に示されるように、感圧センサ182のコーナ部104に倣った筒部34の屈曲範囲には、一対の凹部194が形成されている。一対の凹部194の一方はコーナ部104に倣った筒部34の屈曲の曲率中心側で開口するように筒部34の屈曲範囲に連続して形成されている。これに対して、他方の凹部194はコーナ部104に倣った筒部34の屈曲の曲率中心とは反対側で開口するように筒部34の屈曲範囲に連続して形成されている。これらの凹部194には体積変化許容部としてのスポンジゴム196が埋設されている。スポンジゴム196は弾性部36と同じか弾性部36よりも更に柔軟な発泡体により形成されている。
このようなスポンジゴム196が設けられた感圧センサ192を屈曲させる際の曲率中心側では、筒部34を屈曲させるとスポンジゴム196が圧縮されるが、スポンジゴム196は柔軟な発泡体により形成されているため、圧縮されることによる体積変化がソリッド部38等のソリッドゴムよりも許容される。したがって、変形したスポンジゴム196は外皮部20を圧迫することがなく、上記のように感圧センサ192を屈曲させても、筒部34が異物を押圧していない状態では電極線24〜30が離間した状態で保つことができる。
一方、感圧センサ192を屈曲させる際の曲率中心とは反対側では、筒部34を屈曲させるとスポンジゴム196が引っ張られるが、スポンジゴム196は柔軟な発泡体により形成されているため、引っ張られることによる体積変化がソリッド部38等のソリッドゴムよりも許容される。したがって、感圧センサ192の屈曲させるにあたり、スポンジゴム196が容易に変形するため、筒部34を容易に屈曲させることができる。
このように、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様に、コーナ部104に倣って感圧センサ16を容易に屈曲させることができ、しかも、感圧センサ16を屈曲させても感圧センサ16の性能を維持できるので、コーナ部104においても異物の挟み込みを確実に検出できる。
なお、上記の各実施の形態は、本発明を車両の自動バックドア装置12に適用した構成であったが、本発明はこのような自動バックドア装置12の他、車両であれば、自動スライドドア装置、サンルーフ装置、ムーンルーフ装置等への適用が可能である。
10・・・挟み込み検出装置、16・・・感圧センサ、24、26、28、30・・・電極線(電極)、32・・・プロテクタ、34・・・筒部(センサ保持部)、40・・・取付部、56・・・凹部(体積変化許容部)、78・・・バックドアパネル(可動部)、120・・・挟み込み検出装置、122・・・感圧センサ、130・・・挟み込み検出装置、132・・・感圧センサ、140・・・挟み込み検出装置、142・・・感圧センサ、150・・・挟み込み検出装置、152・・・感圧センサ、160・・・挟み込み検出装置、162・・・感圧センサ、180・・・挟み込み検出装置、182・・・感圧センサ、184・・・凹部(体積変化許容部)、190・・・挟み込み検出装置、192・・・感圧センサ、196・・・スポンジゴム(体積変化許容部)
Claims (10)
- 可動部が所定部位に接近移動した際の前記可動部と前記所定部位とによる異物の挟み込みを検出する挟み込み検出装置であって、
前記可動部及び前記所定部位の少なくとも何れか一方に設定された前記異物の挟み込みの検出範囲に沿った長尺状に形成されて、長手方向に対して交差する方向からの圧力を検出すると共に、前記検出範囲において屈曲又は湾曲したコーナ部の曲率中心側を向いた部位に、長手方向に沿った変形に伴う体積変化を他の部位よりも許容する体積変化許容部が設けられた感圧センサを備える、
ことを特徴とする挟み込み検出装置。 - 前記感圧センサの長手方向に沿って所定間隔をあけて前記体積変化許容部を複数設定したことを特徴とする請求項1に記載の挟み込み検出装置。
- 前記感圧センサのうち、前記曲率中心とは反対側を向く部位に、前記体積変化許容部を設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の挟み込み検出装置。
- 前記感圧センサの長手方向を軸方向とする前記感圧センサの軸心に対して半径方向に沿った前記感圧センサの面で前記半径方向に向けて開口する凹部を含めて前記体積変化許容部を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の挟み込み検出装置。
- 前記体積変化許容部を、スポンジ状の発泡体により構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の挟み込み検出装置。
- 長手方向に対して交差する方向に沿った外側からの圧力を検出する長尺状のセンサ本体と、
前記センサ本体を被覆可能な長尺筒状に形成されると共に、長手方向に対して交差した外側からの圧力を内部に収容された前記センサ本体に伝達するセンサ保持部が形成されると共に、前記センサ保持部に一体的に形成され、前記検出範囲に設けられた支持ブラケットを保持することで前記検出範囲に取り付けられる取付部が形成されたプロテクタと、
を含めて前記感圧センサを構成し、前記センサ保持部の外周部及び内周部の少なくとも何れか一方に前記体積変化許容部を設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の挟み込み検出装置。 - 前記プロテクタを押し出し成形により形成すると共に、当該押し出し成形時に前記体積変化許容部を前記センサ保持部に形成することを特徴とする請求項6に記載の挟み込み検出装置。
- 前記感圧センサの長手方向を軸方向とする前記感圧センサの軸心周りに螺旋状に湾曲した複数の電極を含めて前記感圧センサを構成し、前記押圧力で前記複数の電極のうちの少なくとも2本が互いに接することで前記感圧センサに押圧力が作用したことを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の挟み込み検出装置。
- 車両の後端に形成された開口を開閉する方向に移動可能なドアパネルを前記可動部とし、前記感圧センサを前記ドアパネルの外周部に沿って設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の挟み込み検出装置。
- 長手方向に対して交差する方向に沿った外側からの圧力を検出する長尺状のセンサ本体と、
前記センサ本体を被覆可能な長尺筒状に形成されると共に、長手方向に対して交差した外側からの圧力を内部に収容された前記センサ本体に伝達するセンサ保持部が形成されると共に、前記センサ保持部に一体的に形成され、前記検出範囲に設けられた支持ブラケットを保持することで前記検出範囲に取り付けられる取付部が形成されたプロテクタと、
を含めて構成された感圧センサの製造方法であって、
前記プロテクタを押し出し成形により形成すると共に、前記長手方向に沿った変形に伴い前記センサ保持部に生ずる体積変化を、前記プロテクタの他の部分よりも許容する体積変化許容部を前記押し出し成形時に前記センサ保持部の所定部位に形成する、
ことを特徴とする感圧センサの製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104895439A (zh) * | 2015-05-18 | 2015-09-09 | 青岛立邦达电气有限公司 | 轨道门控制系统 |
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2006
- 2006-07-31 JP JP2006208858A patent/JP2008031792A/ja active Pending
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