JP6177745B2 - バックル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動手段の駆動力によってバックルの移動が可能なバックル装置に関する。
モータ等の駆動手段とシートベルト装置のバックルとをワイヤ等の連結部材によって連結し、駆動手段の駆動力によってバックルを移動させるバックル装置がある(一例として下記特許文献1を参照)。この種のバックル装置では、連結部材のバックル側部分で捻れが生じるようにバックルが回動する等、バックルが駆動手段の駆動力による移動方向とは異なる方向へ移動する可能性があり、このような移動によってタングをバックルに係合させ難くなる。
特開2010−208497号公報
本発明は、上記事実を考慮して、駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向とは異なる方向へのバックルの移動を制限できるバックル装置を得ることが目的である。
請求項1に記載のバックル装置は、シートベルト装置のタングが係合されるバックルと、前記バックルに連結された連結部材と、前記連結部材が連結され、駆動力によって前記連結部材を介して前記バックルを所定方向へ移動させる駆動手段と、前記所定方向とは異なる方向への前記バックルの移動を制限する制限手段と、前記連結部材よりも剛性が低く設定されると共に長手方向基端部と長手方向先端部との間で変形可能とされ、長手方向基端部が前記駆動手段側に連結されると共に長手方向先端部が前記バックル側に連結され、前記駆動手段と前記バックルとの間における湾曲部位で前記連結部材よりも湾曲の曲率半径方向内側に設けられ、前記駆動手段の駆動力によって移動される筒状部材と、を備えている。
請求項1に記載のバックル装置では、駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向である所定方向とは異なる方向へのバックルの移動が制限手段によって制限されるため、タングをバックルに容易に係合させることができる。
また、本バックル装置によれば、駆動手段とバックルとの間における湾曲部位で、連結部材よりも剛性が低い筒状部材が連結部材よりも湾曲の曲率半径方向内側に設けられる。このため、連結部材が筒状部材よりも湾曲の曲率半径方向内側に設けられる構成に比べて連結部材が湾曲される際の抵抗を低減できる。
請求項2に記載のバックル装置は、請求項1に記載のバックル装置において、前記制限手段は、前記所定方向を軸方向とした軸周り方向への前記バックルの回動を制限する。
請求項2に記載のバックル装置では、駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向である所定方向を軸方向とする軸周り方向のバックルの回動が制限手段によって制限されるため、タングをバックルに容易に係合させることができる。
請求項3に記載のバックル装置は、請求項2に記載のバックル装置において、前記制限手段は、前記所定方向に対して直交する方向に切った断面形状が非円形とされ、前記バックルが直接又は間接的に係合されて前記所定方向へ前記バックルを案内すると共に前記所定方向とは異なる方向への前記バックルの移動を制限するガイド面を備えている。
請求項3に記載のバックル装置によれば、制限手段のガイド面にバックルが直接又は間接的に係合され、バックルは制限手段のガイド面に案内されて所定方向へ移動される。また、ガイド面は所定方向に対して直交する方向に切った断面形状が非円形とされており、ガイド面にバックルが直接又は間接的に係合されることによって所定方向とは異なる方向へのバックルの移動を制限できる。
請求項4に記載のバックル装置は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のバックル装置において、前記制限手段は、前記駆動手段と前記バックルとの間に設けられて、前記駆動手段と前記バックルとの間における前記所定方向を軸方向とする軸周り方向の剛性を補う剛性補助部材を備えている。
請求項4に記載のバックル装置によれば、制限手段は剛性補助部材を備えており、この剛性補助部材が駆動手段とバックルとの間に設けられる。これによって、駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向である所定方向を軸方向とする軸周り方向の剛性が駆動手段とバックルとの間で補われる。このため、所定方向を軸方向とする軸周り方向のバックルの回動を制限でき、タングをバックルに容易に係合させることができる。
請求項5に記載のバックル装置は、請求項4に記載のバックル装置において、前記剛性補助部材は、前記筒状部材の内側で前記筒状部材の長手方向に並んで設けられて前記筒状部材の長手方向を軸方向とする軸周り方向の剛性を前記筒状部材に付与する複数のピースと、を備えている。
請求項5に記載のバックル装置によれば、剛性補助部材の筒状部材の内側に複数のピースが筒状部材の長手方向に並んで設けられる。これによって、筒状部材には長手方向を軸方向とする軸周り方向の剛性が付与され、バックル側では駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向である所定方向を軸方向とする軸周り方向の剛性が高くなる。
以上説明したように、本発明に係るバックル装置では、駆動手段の駆動力によるバックルの移動方向とは異なる方向へのバックルの移動を制限できる。
第1の実施の形態に係るバックル装置の正面断面図である。 バックルが駆動手段の駆動力によって移動された状態を示す図1に対応する正面図である。 図1の3−3線に沿った断面図である。 図1の4−4線に沿った断面図である。 第2の実施の形態に係るバックル装置の正面断面図である。
次に、本発明の各実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。なお、各図において矢印FRは本バックル装置10、70が適用された車両前側を示し、矢印INは車両幅方向内側を示し、矢印UPは車両上側を示す。
<第1の実施の形態の構成>
図1に示されるように、第1の実施の形態に係るバックル装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は車両のシート(図示省略)の車両幅方向内側に設けられており、ボルト等の締結手段によって車両の床部又はシートの骨格部材等の車体側に固定されている。フレーム12は、車両幅方向に対向した一対のガイド壁20、22を備えており、ガイド壁20、22の間には駆動ねじ24が設けられている。
駆動ねじ24の軸方向は車両前後方向に沿っている。駆動ねじ24の車両前側端部は、フレーム12の車両前側に設けられた駆動手段としてのモータアクチュエータ26に連結されており、駆動ねじ24はモータアクチュエータ26の駆動力によって回転される。モータアクチュエータ26は、モータドライバやECU等の制御手段(図示省略)に電気的に接続されている。この制御手段はシートのシートクッションに設けられた荷重センサ等の乗員検知手段や後述するバックル50に設けられてバックル50にタングが係合されたことを検出するバックルスイッチ等(何れも図示省略)に電気的に接続されており、モータアクチュエータ26は、乗員検知手段やバックルスイッチ等から出力される電気信号に基づいて制御される。
また、フレーム12の車両後側にはワイヤガイド28が設けられている。ワイヤガイド28は挿入部30を備えている。挿入部30は、車両幅方向の寸法がガイド壁20、22の間隔に略等しいブロック状に形成されており、フレーム12の車両後側端部からガイド壁20、22の間に挿入されている。これによって、ワイヤガイド28がフレーム12に連結されている。さらに、ワイヤガイド28の挿入部30には車両前側へ開口した軸受孔32が形成されている。軸受孔32には駆動ねじ24の車両後側端部から駆動ねじ24に対して同軸上に突出された軸部34が挿入されており、軸部34が回転自在に支持されている。
一方、ガイド壁20、22の間にはスライダ36が設けられている。スライダ36はブロック状に形成されており、スライダ36の車両幅方向側の面がガイド壁20、22に当接している。また、スライダ36には駆動ねじ24が貫通されるねじ孔が形成されており、駆動ねじ24が回転することによってスライダ36がガイド壁20、22に案内されて車両前後方向へスライドされる。
また、図1及び図3に示されるように、バックル装置10は、連結部材としての一対のワイヤロープ38を備えている。これらワイヤロープ38は長尺状に形成されており、図3に示されるように、車両幅方向に並んで設けられている。図1に示されるように、ワイヤロープ38の長手方向中間部よりも基端側では、ワイヤロープ38の長手方向が車両前後方向に沿っており、更に、ワイヤロープ38の長手方向基端部は、駆動ねじ24よりも車両下側でスライダ36に連結されている。このため、スライダ36が車両前後方向へスライドすると、ワイヤロープ38がその長手方向へ移動される。
一方、ワイヤガイド28にはワイヤガイド溝40が形成されている。ワイヤガイド溝40はワイヤガイド28の車両幅方向外側面で開口しており、ワイヤガイド28の車両幅方向外側に設けられた板状のカバー部材(図示省略)によって閉じられている。また、ワイヤガイド溝40の長手方向一端はワイヤガイド28の挿入部30の車両前側端面で開口されている。さらに、ワイヤガイド溝40は長手方向中間部で車両幅方向を軸方向とする軸周り方向に湾曲されており、ワイヤガイド溝40の長手方向他端はワイヤガイド28の車両上側面で開口されている。ワイヤガイド溝40にはワイヤロープ38が貫通されており、ワイヤロープ38の長手方向中間部よりも先端側はワイヤガイド溝40の長手方向他端から車両前上側(図1の矢印A方向)へ延びている。
また、ワイヤガイド28の車両上側には、制限手段としてのバックルガイド42が設けられている。バックルガイド42の長手方向は車両前後方向に対して車両上下方向へ傾斜した方向(図1の矢印A方向及びその反対の矢印B方向)とされている。バックルガイド42の車両後下側の端部は、ワイヤガイド28に直接又は他の部材を介して間接的に固定されており、これによって、バックルガイド42は、ワイヤガイド28及びフレーム12を介して車体側に固定されている。図4に示されるように、バックルガイド42を、その長手方向に対して直交する向きに切った断面形状は、外側面及び内側面が矩形の筒状とされており、バックルガイド42の外側面はガイド面42Aとされている。バックルガイド42の内側には、ワイヤガイド28のワイヤガイド溝40の長手方向他端から延びたワイヤロープ38が入っている。
また、バックル装置10は、バックル50を備えている。バックル50は、バックルボデー52を備えている。バックルボデー52は、長手方向がバックルガイド42の長手方向と略同方向とされた底板の幅方向両端部から車両幅方向内側へ縦壁が延出されたU字形状に形成されており、その内側にはラッチが設けられている。バックルボデー52の車両前上側からバックルボデー52の両縦壁の間にシートベルト装置のタング(図示省略)が挿入されると、タングに形成された孔部にラッチが入り、これによって、タングがバックル50に係合される。
一方、バックルボデー52の車両後下側端部からはワイヤ固定部54が車両後下側(図1の矢印B方向)へ延出されており、ワイヤロープ38の長手方向先端部がワイヤ固定部54に固定されている。このため、ワイヤロープ38がその長手方向先端側へ移動されると、バックルボデー52が車両前上側(図1の矢印A方向)へ移動され、ワイヤロープ38がその長手方向基端側へ移動されると、バックルボデー52が車両後下側(図1の矢印B方向)へ移動される。
また、バックル50はバックルカバー56を備えている。バックルカバー56の長手方向はバックルガイド42の長手方向に沿っており、図4に示されるように、バックルカバー56を、その長手方向に対して直交する向きに切った断面形状は、外側面及び内側面が矩形の筒状とされている。バックルカバー56の長手方向中間部よりも車両前上側では、バックルカバー56の内側にバックルボデー52が配置され、バックルカバー56はバックルボデー52に一体に連結されている。
一方、バックルカバー56の車両後下側端部からはバックルガイド42が挿入されている。さらに、バックルカバー56には複数のガイドリブ58が設けられている。図4に示されるように、ガイドリブ58は、断面矩形とされたバックルカバー56の内側の四つの各面からバックルカバー56の内側へ突出されており、これらのガイドリブ58の先端はバックルガイド42のガイド面(外側面)42Aへ当接している。これによって、バックルカバー56はバックルガイド42に案内されてバックルガイド42の長手方向(すなわち、図1の矢印A方向及び矢印B方向)へスライドできる。
<第1の実施の形態の作用、効果>
本バックル装置10では、乗員がシートに着座すると、シートのシートクッション等に設けられた荷重センサ等の乗員検出手段から制御手段へ出力される電気信号のレベルが切替わる。これによってモータアクチュエータ26が駆動されて、駆動ねじ24が回転されると、スライダ36がフレーム12のガイド壁20、22に案内されて車両後側へスライドされる。これによって、ワイヤロープ38が長手方向先端側へ移動されると、バックルボデー52がワイヤロープ38によって押圧される。これによって、図2に示されるように、バックルボデー52と一体のバックルカバー56は、バックルガイド42に案内されて車両前上側へスライドされる。このように、バックル50が上昇されることによって、乗員はタングをバックル50へ容易に係合させることができ、ウェビングを容易に装着できる。
一方、タングがバックル50に係合されると、バックル50のバックルスイッチから制御手段へ出力される電気信号のレベルが切替わる。これによってモータアクチュエータ26が駆動されて、駆動ねじ24が回転されると、スライダ36がフレーム12のガイド壁20、22に案内されて車両前側へスライドされる。これによって、ワイヤロープ38が長手方向基端側へ移動されると、バックルカバー56がバックルボデー52を介してワイヤロープ38に引張られる。これによって、バックル50が車両後下側へスライドされる。
ここで、バックルガイド42の断面形状は矩形(すなわち、非円形)とされており、バックルカバー56の内側面から突出された各ガイドリブ58は、バックルガイド42の矩形のガイド面(外側面)42Aへ当接されている。しかも、バックルガイド42は、ワイヤガイド28及びフレーム12を介して車体側へ固定されている。
このため、バックルカバー56のバックルガイド42に対するバックルガイド42の長手方向(図1の矢印A方向及び矢印B方向)を軸方向とする軸周り方向の回動(図4の矢印C又は矢印D方向への移動)が制限される。さらに、各ガイドリブ58が、バックルガイド42の矩形のガイド面(外側面)42Aへ当接されていることによって、バックルカバー56のバックルガイド42に対する車両前後方向及び車両幅方向の移動が制限される。これによって、バックル50の上昇状態で乗員はバックル50にタングを容易に係合させることができる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
図5に示されるように、第2の実施の形態に係るバックル装置70では、フレーム12の一対のガイド壁20、22が車両前後方向に対向しており、フレーム12の車両幅方向室内側にモータアクチュエータ26(図5では図示省略)が設けられ、ガイド壁20、22の間に設けられる駆動ねじ24の軸方向は車両幅方向に沿っている。このため、モータアクチュエータ26の駆動力によって駆動ねじ24が回転されると、ガイド壁20、22の間に設けられたスライダ36は車両幅方向へスライドされる。
また、スライダ36に長手方向基端部が連結されたワイヤロープ38は、長手方向中間部よりも基端側で長手方向が車両幅方向に沿っている。さらに、フレーム12のモータアクチュエータ26とは反対側に設けられたワイヤガイド28のワイヤガイド溝40は、車両前後方向を軸方向とする軸周り方向に湾曲されており、ワイヤロープ38におけるワイヤガイド溝40よりも長手方向先端側は車両上側へ延びている。
さらに、本バックル装置70は、バックル50に代わるバックル72を備えている。バックル72は基本的に前記第1の実施の形態におけるバックル50と同じ構成であるが、バックル72はバックルカバー56に代わるバックルカバー74を備えている。バックルカバー74には、ガイドリブ58が形成されておらず、バックルカバー74の内側面がバックルガイド42のガイド面(外側面)42Aに当接されている。これによって、バックルカバー74がバックルガイド42に案内されて移動できる。
また、本バックル装置70は、バックルガイド42と共に制限手段を構成する剛性補助部材80を備えている。剛性補助部材80は、筒状部材としてのチューブ82を備えている。チューブ82は、ワイヤロープ38よりも剛性が低い合成樹脂材によって長尺の筒形状に形成されており、チューブ82をその長手方向に対して直交する方向に切った断面形状は、長手方向が車両前後方向に沿った矩形状とされている。チューブ82の長手方向基端部は、駆動ねじ24の車両上側でスライダ36に連結されている。
チューブ82に対応してワイヤガイド28にはチューブガイド溝84が形成されている。チューブガイド溝84はワイヤガイド28の車両前側面で開口しており、ワイヤガイド28の車両前側に設けられた板状のカバー部材(図示省略)によってワイヤガイド溝40と共に閉じられている。また、チューブガイド溝84の長手方向一端はワイヤガイド28の挿入部30の車両前側端面で開口されている。さらに、チューブガイド溝84はワイヤガイド溝40の湾曲の曲率半径方向内側で車両前後方向を軸方向とする軸周り方向に湾曲されており、チューブガイド溝84の長手方向他端はワイヤガイド28の車両上側面で開口されている。
チューブガイド溝84にはチューブ82が貫通されており、チューブ82の長手方向中間部よりも先端側はチューブガイド溝84の長手方向他端から車両上側へ延び、チューブ82の長手方向先端部は、バックル50のバックルボデー52(図5では図示省略)に連結されている。このため、バックルカバー74がバックルガイド42に案内されて移動されると、チューブ82がバックル50と共に移動される。
また、チューブ82の内側には複数のピース86が設けられている。ピース86は、軸方向が車両前後方向に沿った円柱形状又は円筒形状(本実施の形態では円柱形状)とされており、各ピース86は、チューブ82の長手方向両端間でチューブ82の長手方向に並んで設けられている。これによって、チューブ82は車両幅方向の剛性に比べて長手方向を軸方向とする軸周り方向及び車両前後方向の剛性が高くなっている。
このため、本バックル装置70では、バックルカバー74のバックルガイド42に対するバックルガイド42の長手方向を軸方向とする軸周り方向の回動及びバックルカバー74のバックルガイド42に対する車両前後方向の移動が更に効果的に制限される。これによって、乗員はバックル50にタングを容易に係合させることができる。
さらに、本実施の形態では、剛性補助部材80によってバックルカバー56の回動を制限できるため、バックルカバー74及びバックルガイド42の剛性を低く設定しても、バックルカバー56の回動を制限できる。ここで、剛性補助部材80のピース86は、軸方向が車両前後方向に沿った円柱形状又は円筒形状であるため、チューブ82の長手方向先端側での車両幅方向の剛性は、チューブ82の長手方向を軸方向とする軸周り方向及び車両前後方向の剛性に比べて高くならない。したがって、バックルカバー74及びバックルガイド42の剛性が低く設定されることによってバックルカバー74は車両幅方向へ移動できる。これによって、乗員の身体にウェビングが装着された状態で、ウェビングの張力等によってバックルカバー74を車両幅方向外側、すなわち、乗員の身体側へ移動され、この結果、ウェビングを乗員の身体に更にフィットさせることができる。
また、本実施の形態では、ワイヤガイド28に形成されたチューブガイド溝84はワイヤガイド溝40の湾曲の曲率半径方向内側で車両前後方向を軸方向とする軸周り方向に湾曲されている。このため、ワイヤガイド28内においてチューブ82は、ワイヤロープ38よりも湾曲の曲率半径方向内側に配置される。ここで、チューブ82の剛性はワイヤロープ38の剛性よりも低い。このため、チューブ82がワイヤロープ38よりも湾曲の曲率半径方向外側に配置される構成に比べてワイヤロープ38の変形(湾曲)の抵抗を小さくでき、ワイヤロープ38を円滑に移動させることができる。
なお、本実施の形態では、剛性補助部材80をチューブ82と複数のピース86とによって構成した。しかしながら、例えば、長手方向基端部がスライダ36に連結されると共に長手方向先端部がバックルボデー52に連結され、幅方向が車両前後方向に沿い、幅方向を軸方向とする軸周り方向に変形可能な金属平板を剛性補助部材としてもよく、剛性補助部材は、上記の構成に特に限定されることなく広く適用できる。
また、本実施の形態では、チューブ82は、ワイヤロープ38よりも湾曲の曲率半径方向内側に配置される構成であったが、チューブ82は、ワイヤロープ38よりも湾曲の曲率半径方向外側に配置されてもよく、また、湾曲の曲率の軸方向にワイヤロープ38と並んで配置されてもよい。すなわち、ワイヤロープ38に対するチューブ82の配置位置に関しては特に限定されることなく広く適用できる。
さらに、本実施の形態では、バックルガイド42及び剛性補助部材80の双方によってバックルカバー74の回動が制限される構成であったが、剛性補助部材80による剛性の補助だけでバックルの回動を制限する構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、バックルガイド42の断面形状を矩形状とし、バックルガイド42の外側面をガイド面42Aとした。しかしながら、制限手段のガイド面の構成がこのような構成に限定されるものではない。例えば、ガイド面の形状は、六角形や三角形等の多角形や楕円形等、非円形であればよいし、また、筒状に形成された制限手段の内周形状を非円形として、バックルカバーの車両下側部分を制限手段の内側に挿入してバックルカバーの回動を制限する構成としてもよい。
さらに、上記の各実施の形態では、バックルカバー56、74の回動がバックルガイド42によって直接制限される構成であった。しかしながら、バックルカバー56、74とは別にバックルガイド42に案内されるスライド部材を設けて、このスライド部材にバックルカバー56、74又はバックルボデー52が固定される構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、連結部材としてのワイヤロープ38を2本備える構成であったが、ワイヤロープ38は1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、上記の各実施の形態では、駆動ねじ24の車両下側で2本のワイヤロープ38が車両幅方向又は車両前後方向に並んで設けられる構成であった。しかしながら、例えば、2本のワイヤロープ38が車両上下方向に並んで設けられる構成であってもよいし、スライダ36において駆動ねじ24を挟むように2本のワイヤロープ38が設けられる構成であってもよい。
10 バックル装置
26 モータアクチュエータ(駆動手段)
38 ワイヤロープ(連結部材)
42 バックルガイド(制限手段)
42A ガイド面
50 バックル
70 バックル装置
72 バックル
80 剛性補助部材(制限手段)
82 チューブ(筒状部材)
86 ピース

Claims (5)

  1. シートベルト装置のタングが係合されるバックルと、
    前記バックルに連結された連結部材と、
    前記連結部材が連結され、駆動力によって前記連結部材を介して前記バックルを所定方向へ移動させる駆動手段と、
    前記所定方向とは異なる方向への前記バックルの移動を制限する制限手段と、
    前記連結部材よりも剛性が低く設定されると共に長手方向基端部と長手方向先端部との間で変形可能とされ、長手方向基端部が前記駆動手段側に連結されると共に長手方向先端部が前記バックル側に連結され、前記駆動手段と前記バックルとの間における湾曲部位で前記連結部材よりも湾曲の曲率半径方向内側に設けられ、前記駆動手段の駆動力によって移動される筒状部材と、
    を備えるバックル装置。
  2. 前記制限手段は、前記所定方向を軸方向とした軸周り方向への前記バックルの回動を制限する請求項1に記載のバックル装置。
  3. 前記制限手段は、前記所定方向に対して直交する方向に切った断面形状が非円形とされ、前記バックルが直接又は間接的に係合されて前記所定方向へ前記バックルを案内すると共に前記所定方向とは異なる方向への前記バックルの移動を制限するガイド面を備える請求項1又は請求項2に記載のバックル装置。
  4. 前記制限手段は、前記駆動手段と前記バックルとの間に設けられて、前記駆動手段と前記バックルとの間における前記所定方向を軸方向とする軸周り方向の剛性を補う剛性補助部材を備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載のバックル装置。
  5. 前記剛性補助部材は、
    記筒状部材の内側で前記筒状部材の長手方向に並んで設けられて前記筒状部材の長手方向を軸方向とする軸周り方向の剛性を前記筒状部材に付与する複数のピースと、
    を備える請求項4に記載のバックル装置。
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