以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明のタッチセンサユニットを備えたテールゲートの正面図を、図2は図1の車両の後方側を側方から見た側面図を、図3はタッチセンサユニットの基端側を示す斜視図を、図4はタッチセンサユニットの先端側を示す斜視図を、図5(a)は図4のA−A線に沿う断面図、(b)は図4のB−B線に沿う断面図、(c)は図4のC−C線に沿う断面図を、図6はタッチセンサユニットの先端側(モールド樹脂無し)を上方(センサ部側)から見た斜視図を、図7はタッチセンサユニットの先端側(モールド樹脂無し)を下方(底面側)から見た斜視図を、図8(a),(b)はセパレータの詳細を説明する斜視図を、図9は絶縁チューブへのセパレータの装着手順を示す斜視図を、図10は絶縁チューブの周方向へのセパレータの位置決め手順を示す図をそれぞれ示している。
図1および図2に示す車両10は、所謂ハッチバックタイプの車両であり、当該車両10の後方側には、大きな荷物を車室内に出し入れし得る開口部11が形成されている。開口部11は、車両10の天井部の後方側に設けられたヒンジ(図示せず)を中心に回動されるテールゲート(開閉体)12により、図2の実線矢印および破線矢印に示すように開閉される。
また、本実施の形態に係る車両10には、パワーテールゲート装置13が搭載されている。パワーテールゲート装置13は、テールゲート12を開閉させる減速機付きのアクチュエータ13aと、操作スイッチ(図示せず)の操作信号に基づいてアクチュエータ13aを制御するコントローラ13bと、障害物BLの接触を検出する一対のタッチセンサユニット20と、を備えている。
図1に示すように、タッチセンサユニット20は、被固定部としてのテールゲート12の車幅方向両側(図中左右側)にそれぞれ設けられている。より具体的には、一対のタッチセンサユニット20は、テールゲート12の車幅方向両側のドア枠の形状に沿わせて配置されている。これにより、開口部11とテールゲート12との間において、障害物BLがタッチセンサユニット20に接触すると、当該タッチセンサユニット20は直ぐに弾性変形される。
そして、各タッチセンサユニット20は、それぞれコントローラ13bに電気的に接続されており、各タッチセンサユニット20の弾性変形時に発生する検出信号は、コントローラ13bに入力されるようになっている。コントローラ13bは、各タッチセンサユニット20からの検出信号の入力に基づいて、操作スイッチの操作に依らず閉駆動されているテールゲート12を開駆動させるか、または閉駆動されているテールゲート12をその場で停止させる。これにより、障害物BLの挟み込みが未然に防止される。
ここで、タッチセンサユニット20は、図4に示すように、一対の電極32a,32bが設けられ、その先端側(図中右側)には抵抗Rが電気的に接続されている。これにより、タッチセンサユニット20が弾性変形されていない状態では、一対の電極32a,32bは互いに接触しておらず、コントローラ13bには、抵抗Rの抵抗値が入力される。つまり、コントローラ13bは、抵抗Rの抵抗値が入力されている場合には、障害物BLの挟み込みが無いと判断して、テールゲート12の閉駆動を継続して実行する。
これに対し、タッチセンサユニット20に障害物BLが接触して、タッチセンサユニット20が弾性変形されると、一対の電極32a,32bが互いに接触して短絡される。すると、コントローラ13bには、抵抗Rを介さない抵抗値(無限大)が入力されるようになる。これにより、コントローラ13bは抵抗値の変化を検出して、当該抵抗値の変化をトリガにテールゲート12を開駆動させるか、またはテールゲート12をその場で停止させる制御を実行する。
図3ないし図7に示すように、タッチセンサユニット20は、センサ本体30と、当該センサ本体30を保持するセンサホルダ40と、を備えている。また、図3に示すように、タッチセンサユニット20の基端側には配線21が設けられ、当該配線21の先端部分には、コントローラ13bのメス型コネクタ(図示せず)に装着されるオス型コネクタ21aが設けられている。さらに、配線21の長手方向に沿う略中間部分には、テールゲート12に設けた固定穴(図示せず)に固定されるゴム製のグロメット21bが設けられている。これにより、車室外に配置されるセンサホルダ40側と、車室内に配置されるオス型コネクタ21a側との間がシール(密封)されるようになっている。
図5ないし図7に示すように、センサ本体30は、可撓性を有する絶縁ゴム材等よりなる絶縁チューブ31を備えている。絶縁チューブ31は、本発明における管状絶縁体を構成しており、外力の負荷により弾性変形するようになっている。そして、絶縁チューブ31の径方向内側(内部)には、一対の電極32a,32bが螺旋状に固定されている。
これらの電極32a,32bは、可撓性を有する導電ゴム等よりなる導電チューブ33を備えており、その内部には複数の銅線を束ねてなる導電線34が設けられている。そして、図5に示すように、絶縁チューブ31の内径寸法は、各電極32a,32bの直径寸法の略3倍となっている。すなわち、絶縁チューブ31の軸心を中心に互いに対向する各電極32a,32bの間には、各電極32a,32bが略1本入る程度の隙間が形成されている。
このように、絶縁チューブ31の径方向内側には、各電極32a,32bが、絶縁チューブ31の周方向に180度間隔で配置されるとともに、絶縁チューブ31の長手方向に螺旋状に固定され、さらに絶縁チューブ31の軸心を中心として互いに対向する各電極32a,32bの間には、各電極32a,32bが略1本入る程度の隙間が形成されている。これにより、センサ本体30の周方向に沿うどの位置に障害物BL(図1参照)が接触して、絶縁チューブ31が弾性変形されたとしても、略同じ条件(押圧力)のもとで、各電極32a,32bは互いに接触して短絡するようになっている。
図4ないし図7に示すように、センサホルダ40は、可撓性を有する絶縁ゴム材等によって所定形状に形成され、テールゲート12に固定される土台部41と、センサ本体30を保持するセンサ部42とを備えている。土台部41は、センサホルダ40の長手方向と交差する方向(短手方向)に沿う断面形状が、略台形形状に形成され、土台部41の底面41aには、センサホルダ40をテールゲート12に固定するための両面テープ(図示せず)が貼付される。
土台部41の底面41a側とは反対側(図中上側)には、センサホルダ40の短手方向に沿う断面形状が略半円形状に形成されたセンサ部42が一体に設けられている。そして、図5の左右方向に沿うセンサ部42の幅寸法は、土台部41の幅寸法よりも小さい幅寸法となっている。また、センサ部42の肉厚は、センサホルダ40のその他の部分に比して最も薄肉とされ、容易に弾性変形可能となっている。これにより、センサ部42の内側に保持されたセンサ本体30の十分な検出性能が確保される。ここで、土台部41とセンサ部42とは、互いに滑らかに連結されるように、一対のテーパ面TPを介して連結されている。よって、土台部41とセンサ部42との間に、応力が集中する角部が形成されないので、センサホルダ40の寿命を延ばすことができる。
このように、センサホルダ40は、センサ本体30(絶縁チューブ31)の長手方向と交差する方向の断面形状が非円形とされ、これによりセンサ部42を弾性変形し易くしつつ、かつ土台部41の剛性を十分なものとして、両面テープによるテールゲート12への固定強度を確保している。
図4,図6および図7に示すように、タッチセンサユニット20の先端側には、セパレータ50と、抵抗(部品)Rと、一対のかしめ部材(部品)SWと、が設けられている。そして、これらのセパレータ50,抵抗Rおよび一対のかしめ部材SWは、図示のようなセンサホルダ40に対する正規の位置に位置決めされた状態のもとで、モールド樹脂60(図4参照)の内部にインサート成形により埋設されている。
ここで、図6および図7に示すように、絶縁チューブ31(導電チューブ33)の端部からは、一対の電極32a,32bに対応した導電線34が突出されている。これらの外部に露出された導電線34の部分は、それぞれ各電極32a,32bに対応した露出部34a,34bとされ、一対の露出部34a,34bには、かしめ部材SWを介して抵抗Rの両端部が電気的に接続されている。つまり、一対の露出部34a,34bは、一対の電極32a,32bの端部にそれぞれ設けられ、本発明における部品接続線を構成している。各露出部34a,34bにおいても、モールド樹脂60の内部にインサート成形により埋設されている。
また、抵抗Rの両端部には、長尺接続部C1と短尺接続部C2とが設けられている。そして、長尺接続部C1を短尺接続部C2に対して180度折り返すことで、長尺接続部C1および短尺接続部C2を、一対の露出部34a,34bに一対のかしめ部材SWを介して、それぞれ電気的に接続している。このように、一対の電極32a,32bの端部は、抵抗Rを介して互いに電気的に接続されている。
さらに、抵抗Rの両端部に長さの異なる長尺接続部C1および短尺接続部C2を設けることで、抵抗Rを、セパレータ50を中心としてその片側(図6中上側)に配置できるようにしている。これにより、タッチセンサユニット20の先端部分が大型化するのを抑えている。ここで、一対のかしめ部材SWは、電工ペンチ等のかしめ治具(図示せず)によりかしめられるもので、これにより抵抗Rは一対の露出部34a,34bの双方に強固に電気的に接続される。また、一対のかしめ部材SWは、セパレータ50を中心としてその両側に対称となるようにそれぞれ配置されている。
なお、図6,図7,図9および図10においては、その詳細構造を分かり易くするために、電気を通す導電部材や電子部品等に網掛けを施している。
図6ないし図8に示すように、セパレータ50は、プラスチック等の絶縁材料により所定形状に形成され、セパレータ本体51および抵抗配置部52を備えている。セパレータ本体51は、本発明における絶縁部材を構成しており、一対の露出部34a,34bの間に設けられ、各露出部34a,34bが短絡(ショート)するのを防止している。
セパレータ本体51は、第1面51aおよび第2面51bを備えた肉厚の平板状に形成されている。セパレータ本体51の第1面51a側には、一方の電極32aに対応した露出部34aと、抵抗Rの長尺接続部C1と、これらを電気的に接続する一方のかしめ部材SWが配置されている。これに対し、セパレータ本体51の第2面51b側には、他方の電極32bに対応した露出部34bと、抵抗Rの短尺接続部C2と、これらを電気的に接続する他方のかしめ部材SWが配置されている。
抵抗配置部52は、セパレータ本体51の位置を基準として、セパレータ50の長手方向に沿う絶縁チューブ31側とは反対側に設けられ、薄肉の平板状に形成されている。より具体的には、抵抗配置部52の肉厚寸法は、セパレータ本体51の肉厚寸法の略半分(略1/2)となっている。これにより、抵抗配置部52の片側に抵抗Rを配置した状態のもとで、タッチセンサユニット20の先端部分が大型化するのを抑えている。なお、抵抗配置部52の第1面52a側に抵抗Rの長尺接続部C1が配置され、抵抗配置部52の第2面52b側に抵抗Rが配置されている。
また、抵抗配置部52のセパレータ本体51側とは反対側には、タッチセンサユニット20を組み立てる際に、抵抗Rの長尺接続部C1を支持可能な鍔部53が一体に設けられている。さらに、鍔部53と抵抗配置部52との間には、抵抗配置部52から鍔部53に向けて滑り台状に傾斜された傾斜部54が設けられている。傾斜部54には、タッチセンサユニット20を組み立てる際に、抵抗Rの長尺接続部C1が摺接可能となっている。
このように、鍔部53および傾斜部54は、タッチセンサユニット20の組み立て時において、抵抗Rが予め組み付けられたタッチセンサユニット20の端部(先端側)に、セパレータ50を容易に装着できるようにする機能を備えている。よって、タッチセンサユニット20の先端側の組み立て作業(端末処理作業)を、正確かつ容易に行うことができる。このセパレータ50のタッチセンサユニット20の先端側への装着手順については、後で詳述する。
図8に示すように、セパレータ本体51の位置を基準として、セパレータ50の長手方向に沿う絶縁チューブ31側には、差し込み突起(突起部)55が一体に設けられている。差し込み突起55は、中実の円柱形状に形成され、その先端部分は先細り形状となっている。これにより、タッチセンサユニット20の組み立て時において、一対の電極32a,32bを形成する導電チューブ33(図6および図7参照)の間に、容易に差し込み突起55を差し込めるようになっている。ここで、差し込み突起55の直径寸法は、一対の電極32a,32bの直径寸法よりも若干大きい直径寸法に設定されている。これにより、差し込み突起55は、一対の電極32a,32bの間に、所定の押圧力で差し込まれて、容易には抜けないようになっている。
そして、セパレータ50は、タッチセンサユニット20の組み立て時において、差し込み突起55を一対の電極32a,32bの間に差し込むことにより、抵抗Rや一対のかしめ部材SW、つまりこれらの「部品」の位置を、図6および図7に示す状態に保持可能となっている。ここで、差し込み突起55の長さ寸法は任意であり、例えば、図8に示す差し込み突起55の略半分の長さにすることもできる。具体的には、抜け強度をより高めたい場合には、差し込み突起を長くすれば良い。一方、タッチセンサユニット20の長手方向に沿う検出領域を広げたい場合には、差し込み突起を短くすれば良い。
図8に示すように、セパレータ50の長手方向に沿うセパレータ本体51と絶縁チューブ31(差し込み突起55)との間には、首部56が一体に設けられている。つまり、首部56のセパレータ本体51側とは反対側に、差し込み突起55が設けられている。首部56は中実の円柱形状に形成され、その軸方向に沿う長さ寸法は、差し込み突起55の長さ寸法の略1/5の長さ寸法となっている。また、首部56の直径寸法は、差し込み突起55の直径寸法よりも大きい直径寸法とされ、首部56と差し込み突起55との間の段差部分には、差し込み突起55の軸方向に向けられた環状面57が設けられている。より具体的には、環状面57は、首部56のセパレータ本体51側とは反対側に設けられ、本発明における突き当て部を構成している。
そして、環状面57は、タッチセンサユニット20の先端側にセパレータ50を装着する際に、一対の電極32a,32bを形成する導電チューブ33の端部に突き当てられるようになっている。これにより、差し込み突起55の一対の電極32a,32b間への差し込み量が規制されて、センサ本体30およびセンサホルダ40に対するセパレータ50の位置決めがなされる。
また、図6および図7に示すように、環状面57を導電チューブ33の端部に突き当てた状態のもとで、首部56の周囲には、一対の電極32a,32bの端部に設けられた露出部34a,34bが、所定の弛みを持って配置されている。これにより、環状面57を導電チューブ33の端部に突き当てた状態のもとで、センサ本体30およびセンサホルダ40に対して、セパレータ50を相対回転させることができる。
ここで、図4に示すように、絶縁チューブ31の内部には、一対の電極32a,32bが螺旋状に設けられている。したがって、絶縁チューブ31の切断位置(A−A断面,B−B断面,C−C断面)によっては、図5(a),(b),(c)に示すように、絶縁チューブ31の周方向に沿う一対の電極32a,32bの配置箇所が異なることになる。すなわち、これらの電極32a,32bの配置箇所の相違は、タッチセンサユニット20を組み立てる際の「ばらつき」となる。
そこで、当該ばらつきを吸収すべく、本実施の形態では、首部56の周囲に露出部34a,34bを弛みを持たせて配置している。これにより、環状面57を導電チューブ33の端部に突き当てた状態のもとで、センサ本体30およびセンサホルダ40に対してセパレータ50を相対回転させることができる。よって、図5(a),(b),(c)に示すように、絶縁チューブ31に対する一対の電極32a,32bの配置箇所が異なったとしても、センサ本体30およびセンサホルダ40に対してセパレータ50を相対回転させることで、図6および図7に示すようなセパレータ50(抵抗Rやかしめ部材SW等)の配置関係に調整することができる。
ここで、本実施の形態では、首部56と差し込み突起55との間の段差部分の環状面57を突き当て部として、当該環状面57を導電チューブ33の端部に突き当てるようにしたが、以下のように構成しても良い。例えば、首部56と差し込み突起55との間の段差部分に、部分的に径方向外側に大きく突出する突起を設け、当該突起を突き当て部として、絶縁チューブ31の端部に突き当てるようにしても良い。
次に、以上のように形成したタッチセンサユニット20の先端側の組み立て手順(製造方法)について、図面を用いて詳細に説明する。
図9に示すように、センサ本体30が組み込まれたセンサホルダ40を準備するとともに、一対の電極32a,32bの端部に、それぞれ露出部34a,34bを形成しておく。また、1個の抵抗Rと、2個のかしめ部材SWと、1個のセパレータ50を準備するとともに、電工ペンチ等のかしめ治具を準備する。次いで、抵抗Rの長尺接続部C1を、180度折り返すように屈曲させることで、抵抗Rの長尺接続部C1を略U字形状にしておく。
その後、一方のかしめ部材SWをかしめ治具でかしめることにより、露出部34aの先端寄りの部分に、長尺接続部C1の先端寄りの部分を電気的に接続する。引き続き、他方のかしめ部材SWをかしめ治具でかしめることにより、露出部34bの先端寄りの部分に、短尺接続部C2の先端寄りの部分を電気的に接続する。これにより、図9に示すように、一対の電極32a,32bに対する抵抗Rの固定が完了する。すると、図9に示すように、略U字形状に形成された長尺接続部C1の内側に、セパレータ50が入り得る空間S1が形成される。
次いで、図9の破線矢印(1)に示すように、抵抗Rをセンサホルダ40の土台部41側に押圧して、絶縁チューブ31の先端側の延長線上にかしめ部材SW等の部品が配置されないようにする。その後、破線矢印(2)に示すように、セパレータ50の差し込み突起55の先端部分を、絶縁チューブ31の中心部分に臨ませる。次いで、その状態のもとで、差し込み突起55の先端部分を一対の電極32a,32bの間に差し込んでいく。
その後、破線矢印(3)に示すように、抵抗Rを図9に示す基準状態に戻す。ここで、セパレータ本体51の第1面51a側に、露出部34a,長尺接続部C1および一方のかしめ部材SWが配置されるようにし、かつセパレータ本体51の第2面51b側に、露出部34b,短尺接続部C2および他方のかしめ部材SWが配置されるようにする。これにより、抵抗配置部52の第1面52a側に抵抗Rの長尺接続部C1が配置され、抵抗配置部52の第2面52b側(図7参照)に抵抗Rが配置される。
ここで、抵抗配置部52の第1面52a側に抵抗Rの長尺接続部C1が配置され、抵抗配置部52の第2面52b側に抵抗Rが配置される過程において、抵抗Rの長尺接続部C1が傾斜部54(図7参照)を摺接するとともに、その後、抵抗Rの長尺接続部C1は鍔部53(図7参照)に支持される。よって、タッチセンサユニット20の先端側に、正確かつ容易にセパレータ50を装着することができる。
次いで、さらに差し込み突起55を一対の電極32a,32bの間に差し込むことで、一対の電極32a,32bを形成する導電チューブ33のそれぞれの端部に、環状面57を突き当てる。これにより、差し込み突起55の一対の電極32a,32bの間への差し込み作業が終了し、センサ本体30およびセンサホルダ40の長手方向に対するセパレータ50の位置決めが完了する。
その後、図10の破線矢印(4)に示すように、センサ本体30およびセンサホルダ40に対してセパレータ50を相対回転させる。具体的には、絶縁チューブ31の軸心を中心に、セパレータ50を絶縁チューブ31に対して相対回転させる。これにより、センサ本体30およびセンサホルダ40の周方向に対するセパレータ50(抵抗Rおよび各かしめ部材SW)の位置を、正規の位置に調整する。ここで言う正規の位置とは、図10に示す長尺接続部C1の延在方向を示す一点鎖線L1と、底面41aの延在方向を示す一点鎖線L2とが、互いに平行となる位置のことである。すなわち、図10に示す状態から、セパレータ50を時計回り方向に若干(約10度)相対回転させることで、セパレータ50の位置が、センサ本体30およびセンサホルダ40の周方向に対して正規の位置に位置決めされる。
ここで、図6および図7に示すように、首部56の周囲には、一対の露出部34a,34bが所定の弛みを持って配置されているので、センサ本体30およびセンサホルダ40に対してセパレータ50を相対回転させても、かしめ部材SWによるかしめ固定が外れるようなことは無い。また、図7に示すように、センサ本体30およびセンサホルダ40に対してセパレータ50を正規の位置に位置決めした状態のもとで、長尺接続部C1と傾斜部54との間にはある程度の隙間S2が形成されているので、これによっても、センサ本体30およびセンサホルダ40に対するセパレータ50の相対回転が、十分に許容されるようにしている。
セパレータ50をセンサ本体30およびセンサホルダ40の周方向に対する正規の位置に位置決めした後は、タッチセンサユニット20の先端側を、図示しない上下金型の内部にセットする。そして、この状態のもとで上下金型により形成されたキャビティ(図示せず)に、溶融した樹脂材料を所定圧で封入し、図4に示すようなモールド樹脂60を形成(インサート成形)する。これにより、モールド樹脂60の内部に、セパレータ50,抵抗R,一対のかしめ部材SWが埋設されて、セパレータ50が絶縁チューブ31に固定され、タッチセンサユニット20の先端側の組み立てが完了する。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、一対の露出部34a,34bの間に、これらの露出部34a,34bが短絡するのを防止するセパレータ本体51が設けられ、セパレータ本体51と絶縁チューブ31との間に、周囲に一対の露出部34a,34bが弛みを持って配置された首部56が設けられるので、タッチセンサユニット20の組み立て時において、絶縁チューブ31の軸心を中心に、セパレータ本体51を絶縁チューブ31に対して相対回転させることができる。
したがって、一対の電極32a,32bが螺旋状に設けられた絶縁チューブ31の切断位置がどこであっても、タッチセンサユニット20の端部に設けられる抵抗Rや一対のかしめ部材SWの向きを一定にして、製品毎のばらつきを無くすことができる。よって、タッチセンサユニット20のテールゲート12への固定作業を簡素化して、歩留まりの向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、首部56のセパレータ本体51側とは反対側に差し込み突起55が設けられ、この差し込み突起55が一対の電極32a,32bの間に設けられているので、絶縁チューブ31に対してセパレータ50を正規の位置に容易に位置決めすることができる。よって、タッチセンサユニット20の組み立て作業性を向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、首部56のセパレータ本体51側とは反対側に環状面57が設けられ、当該環状面57が一対の導電チューブ33の端部に突き当てられているので、差し込み突起55の一対の電極32a,32b間への差し込み量を規制することができ、センサ本体30およびセンサホルダ40に対するセパレータ50の位置決めを精度良く行うことができる。
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11は実施の形態2のセパレータを示す斜視図を、図12は実施の形態2のタッチセンサユニットの先端側を下方(底面側)から見た斜視図をそれぞれ示している。
図11および図12に示すように、実施の形態2では、実施の形態1に比して、セパレータ70の形状のみが異なっている。実施の形態2のセパレータ70は、プラスチック等の絶縁材料により所定形状に形成され、セパレータ本体51と、抵抗収容部71と、一対のかしめ部材収容部72と、を備えている。換言すれば、実施の形態2のセパレータ本体51は、抵抗収容部71および一対のかしめ部材収容部72を備えている。また、首部56のセパレータ本体51側とは反対側には、実施の形態1の差し込み突起55(図8参照)よりも短い差し込み突起(突起部)73が一体に設けられている。ここで、抵抗収容部71およびかしめ部材収容部72は、本発明における部品固定部を構成している。
より具体的には、セパレータ70は被覆部74を備えており、当該被覆部74は、セパレータ本体51の周囲を被覆するように配置されている。被覆部74の長手方向と交差する方向の断面形状は略円弧形状に形成されている。また、被覆部74の絶縁チューブ31側(図中左側)は開口されており、被覆部74の絶縁チューブ31側とは反対側(図中右側)には底壁部74aが設けられている。これにより、セパレータ本体51,抵抗収容部71,一対のかしめ部材収容部72のそれぞれは、被覆部74の内部に配置されている。
そして、図12に示すように、タッチセンサユニット80の先端側を組み立てるには、抵抗Rを抵抗収容部71に軽く押し込んで固定するとともに、一対のかしめ部材SWを一対のかしめ部材収容部72に軽く押し込んで固定する。その後、当該状態のもとでインサート成形を行い、図12の網掛け部分に示すように、モールド樹脂75を形成する。これにより、セパレータ70が絶縁チューブ31に固定され、タッチセンサユニット80の先端側の組み立てが完了する。
ここで、環状面57を導電チューブ33の端部に突き当てた状態、すなわち、セパレータ70をセンサ本体30およびセンサホルダ40に対して正規の位置に位置決めした状態のもとで、セパレータ70と、センサ本体30およびセンサホルダ40との間には、ある程度の大きな隙間Sが形成されるようにしている。これにより、インサート成形を行う際に、セパレータ70と、センサ本体30およびセンサホルダ40との間に、溶融した樹脂材料を満遍なく行き渡らせて、モールド樹脂75の成形精度を向上させている。
以上のように形成した実施の形態2のタッチセンサユニット80においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、抵抗Rや一対のかしめ部材SWを、セパレータ70の内部に予め固定することができるので、インサート成形をする際に、溶融した樹脂材料の圧力により、抵抗Rや一対のかしめ部材SWが上下金型のキャビティ内(図示せず)で移動したりすることを防止でき、ひいてはより歩留まりを向上させることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態2と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13は実施の形態3のセパレータを示す斜視図を、図14は実施の形態3のタッチセンサユニットの先端側を下方(底面側)から見た斜視図を、図15は図14のタッチセンサユニットのテールゲートへの固定構造を示す図2の破線円D部の拡大断面図をそれぞれ示している。
図13および図14に示すように、実施の形態3では、実施の形態2に比して、セパレータ本体51の長さを底面41aまで延びるように長くした点と、セパレータ90の被覆部74を底面41aまで延在させ、かつ底壁部74aに固定爪91を一体に設けた点と、が異なっている。換言すれば、実施の形態3のセパレータ本体51は、固定爪91を備えている。より具体的には、抵抗収容部71および一対のかしめ部材収容部72の深さが、実施の形態2のセパレータ70(図11参照)よりも深くなっている。また、固定爪91は、略L字形状に形成されており、固定爪91の先端部91aは、絶縁チューブ31側とは反対側に向けて突出されている。
図15に示すように、固定爪91の先端部91aは、テールゲート12に設けられた係合穴12aに引っ掛けられるようにして固定され、これにより、タッチセンサユニット100の先端側をより確実にテールゲート12に固定することができる。特に、タッチセンサユニット100の先端側においては、その長手方向中央部分に比して両面テープが剥がれ易いことが懸念される。したがって、固定爪91を設けることは、タッチセンサユニット100のテールゲート12への固定強度向上に有効である。
なお、タッチセンサユニット100の先端側の組み立て作業は、上述した実施の形態2と同様であり、図14に示すように、セパレータ90と、センサ本体30およびセンサホルダ40との間にも、上述した実施の形態2と同様の隙間Sが設けられている。したがって、モールド樹脂92(図中網掛け部分)の成形精度も十分に向上している。また、セパレータ90に設けられる抵抗収容部71および一対のかしめ部材収容部72の深さが、実施の形態2のセパレータ70よりも深いので、図14においては、抵抗Rや一対のかしめ部材SW(図12参照)が、被覆部74によって隠されている。
以上のように形成した実施の形態3のタッチセンサユニット100においても、上述した実施の形態2と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態3では、固定爪91の先端部91aをテールゲート12の係合穴12aに引っ掛けて固定するので、両面テープが多少劣化したとしても、タッチセンサユニット100の先端側の脱落をより確実に防止することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態では、絶縁チューブ31の内部に一対の電極32a,32bを螺旋状に固定したものを示したが、本発明はこれに限らず、電極の太さや必要とされる検出性能等に応じて、4本や6本等の電極を螺旋状に設けることもできる。
また、上記各実施の形態においては、タッチセンサユニット20,80,100を、車両10のテールゲート12に採用した場合を示したが、本発明はこれに限らず、車両のサンルーフや車両の側方にあるスライドドアにも採用することができる。さらには、車両に設けられる開閉体に限らず、建物の出入り口を開閉する自動ドア等にも採用することができる。
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。