JP2008031158A - ハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法 - Google Patents

ハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的に有利なハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法を提供すること。
【解決手段】エーテル溶媒の存在下、水素化ホウ素金属を用いて式(1)
Figure 2008031158

(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、X〜Xはそれぞれ同一または相異なって、水素原子またはハロゲン原子を表す。)で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルを還元するハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法であって、さらに水素化ホウ素金属に対して、プロトン基準で0.2〜3モル倍の酸を用い、かつ、反応混合物が、均一な液相であるか、または、固相と均一な液相とからなる二相混合物であるか、いずれかの状態で還元を実施することを特徴とするハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法に関する。
ハロゲン置換ベンゼンジメタノールは、医農薬原料、中間体として重要な化合物である。特に2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールは、家庭用殺虫剤の中間体として有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
かかるハロゲン置換ベンゼンジメタノールの合成方法としては、例えば、水素化ホウ素化合物を用いて、対応するハロゲン置換テレフタル酸ジエステルを還元する方法(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)が知られているが、かかる反応はいずれも収率の点で、必ずしも満足できる方法とはいえなかった。
特許第2606892号公報 中国特許公開第1458137号公報 WO2005/035474号公報
このような状況の下、本発明者は、さらに工業的に有利なハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法を開発すべく鋭意検討したところ、ハロゲン置換テレフタル酸ジエステルに、水素化ホウ素金属と酸とを反応させることにより、収率よくハロゲン置換ベンゼンジメタノールが製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、エーテル溶媒の存在下、水素化ホウ素金属を用いて式(1)
Figure 2008031158
(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、X〜Xはそれぞれ同一または相異なって、水素原子またはハロゲン原子を表す。ただし、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子である。)
で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルを還元する式(2)
Figure 2008031158
(式中、X〜Xはそれぞれ上記と同じ意味を表す。)
で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法であって、さらに水素化ホウ素金属に対して、プロトン基準で0.2〜3モル倍の酸を用い、かつ、反応混合物が、固相と均一な溶相とからなる二相混合物または均一な溶液である状態で還元を実施することを特徴とする式(2)で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法を提供するものである。
本発明によれば、医農薬中間体等として重要なハロゲン置換ベンゼンジメタノールを収率よく製造することができる点において、工業的に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記式(1)で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(以下、ハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)と略記する。)において、式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、X〜Xはそれぞれ同一または相異なって、水素原子またはハロゲン原子を表す。ただし、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子である。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基上に有していてもよい置換基としては、フッ素原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、3−フェノキシベンジルオキシ基等の置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基等の置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等の置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
〜Xで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
かかるハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)としては、例えば2−フルオロテレフタル酸ジメチル、2−クロロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジフルオロテレフタル酸ジメチル、2,6−ジフルオロテレフタル酸ジメチル、2,3−ジフルオロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロテレフタル酸ジメチル、2,6−ジクロロテレフタル酸ジメチル、2,3−ジクロロテレフタル酸ジメチル、2,3,5−トリフルオロテレフタル酸ジメチル、2,3,5−トリクロロテレフタル酸ジメチル、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジエチル、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジ(n−プロピル)、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジイソプロピル、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジ(n−ブチル)、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジ(tert−ブチル)、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチル、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジエチル、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジ(n−プロピル)、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジイソプロピル、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジ(n−ブチル)、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジ(tert−ブチル)、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジ(n−ペンチル)、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジ(n−ヘキシル)、2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチル等が挙げられる。なかでも、式(1)におけるRおよびRが同一の、炭素数1〜6のアルキル基であるハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)が好ましい。
かかるハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)は、例えば、対応する酸ハライドとアルコール類とを反応させる(例えば、特公平4−66220号公報参照。)等の方法に準じて製造することができる。
水素化ホウ素金属としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素アルカリ金属塩、例えば水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素マグネシウム等の水素化ホウ素アルカリ土類金属塩などが挙げられる。入手性の点から好ましくは水素化ホウ素アルカリ金属塩が用いられ、なかでも水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
かかる水素化ホウ素金属は、市販のものを用いてもよいし、調製して用いてもよい。例えば、水素化ホウ素ナトリウムは、ホウ酸エステルと水素化ナトリウムとから容易に調製可能である。また、他の水素化ホウ素金属は、水素化ホウ素ナトリウムと対応する金属ハロゲン化物との反応により調製可能であり、例えば水素化ホウ素カルシウムは、水素化ホウ素ナトリウムと塩化カルシウムとの反応により得られる。水素化ホウ素金属を調製して用いる場合には、予め調製したものを反応系中に添加してもよいし、反応系内で調製し、そのまま使用してもよい。
水素化ホウ素金属の使用量は、通常はハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)に対して1モル倍以上であれば本発明の目的を達することができ、その上限は特にないが、経済性の点において、通常3.5モル倍以下である。好ましくは1〜2.5モル倍の範囲である。
本反応では酸として、通常、鉱酸、カルボン酸、スルホン酸等の酸が用いられる。鉱酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられ、好ましくは塩酸、硫酸が用いられる。カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、シュウ酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸等の芳香族カルボン酸;などが挙げられる。スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸;などが挙げられる。これらの酸は、通常、市販のものを用いることができ、そのまま用いてもよいし、水または後述する反応溶媒と混合して用いてもよい。鉱酸は、水溶液として用いることが好ましい。鉱酸の水溶液の濃度は、通常10重量%以上であり、その上限は特にないが、好ましくは20〜90重量%である。
酸の使用量は、水素化ホウ素金属に対して、プロトン基準で、通常0.2〜3モル倍、好ましくは0.2〜2.5モル倍の範囲である。
本反応は、エーテル溶媒の存在下で実施される。かかるエーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられ、なかでもテトラヒドロフランがより好ましい。エーテル溶媒の使用量は、還元中の反応混合物において、液相が均一になる量であれば特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的にはハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)に対して100重量倍以下である。
また、エーテル溶媒以外に、反応を阻害しない有機溶媒を同時に用いてもよい。かかる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;などが挙げられる。その使用量は、還元中の反応混合物において、液相が均一になる量であれば特に制限されない。
本発明において、液相が均一であるとは、液相が2層以上に分離していない状態であることを表す。したがって、固相と均一な液相とからなる二相混合物とは、固相と液相とからなる混合物であって、その液相部分が2層以上に分離していない状態である混合物をいう。
反応温度は、通常、−20〜120℃、好ましくは10〜70℃の範囲である。
本反応は、通常、ハロゲン置換テレフタル酸ジエステル(1)と水素化ホウ素金属とエーテル溶媒を含む混合物中に、酸を加えることにより実施される。なかでも、反応温度条件下で上記混合物中に酸を徐々に加えていく態様が好ましい。
本反応は、通常、常圧条件下で実施されるが、加圧条件下に実施してもよい。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後は通常、反応液に、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸の希薄水溶液または水を加えた後、必要に応じて、中和、抽出、濃縮等の処理を施すことにより、上記式(2)で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノール(以下、ハロゲン置換ベンゼンジメタノール(2)と略記する。)を単離することができる。得られたハロゲン置換ベンゼンジメタノール(2)は、例えば晶析、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
かくして得られるハロゲン置換ベンゼンジメタノール(2)としては、例えば2−フルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2−クロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,5−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,6−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5−トリフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5−トリクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール、2,3,5,6−テトラクロロベンゼンジメタノール、2,3,5−トリフルオロ−6−クロロベンゼンジメタノール等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム9.4g、テトラヒドロフラン100gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル28.5gをテトラヒドロフラン100gに溶解させた液を加えた。この混合液を60℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、35重量%塩酸水26gを5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸120gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン100gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを26.0g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は80%であった。収率92%。
実施例2
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム4.6g、テトラヒドロフラン50gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル14.7gをテトラヒドロフラン50gに溶解させた液を加えた。この混合液を60℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、45重量%硫酸水13gを5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に水50gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを12.4g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は85.7%であった。収率92%。
実施例3
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.6g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.1gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を室温で攪拌しながら、35重量%塩酸水4.4gとテトラヒドロフラン6gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した。フラスコ内温度は、25〜30℃の範囲であった。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水20gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを4.4g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は85.4%であった。収率93%。
実施例4
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.7g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.3gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、35重量%塩酸水10.2gとテトラヒドロフラン10gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを4.3g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は89%であった。収率91%。
実施例5
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.7g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.3gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、酢酸3gとテトラヒドロフラン10gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水30gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを4.1g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は94%であった。収率92%。
実施例6
還流冷却管を付した50mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム310mg、テトラヒドロフラン7gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル840mgを加えた。この混合液を60℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、35重量%塩酸200mgとテトラヒドロフラン3gの混合液を30分かけて滴下し、1時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸4gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層を液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は87%であった。
実施例7
還流冷却管を付した100mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.6g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.1gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃で攪拌しながら、98重量%硫酸2.1gとテトラヒドロフラン10gの混合液を6時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した。フラスコ内温度は、50〜55℃の範囲であった。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水20gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを3.8g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は82.0%であった。収率77%。
比較例1
200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム310mg、テトラヒドロフラン5gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル1.0gをテトラヒドロフラン5gに溶解させた液を加え、この混合液を65℃に昇温した。同温度で6時間保温・攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に10重量%塩酸10gを25〜30℃で30分間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌した後に、酢酸エチル20gを用いて2回抽出した。有機層を合一し、水10gで洗浄して、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを含む溶液を得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は57%であった。
比較例2
還流冷却管を付した100mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.6g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.1gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃で攪拌しながら、5重量%塩酸30gを5時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物は2層に分離した液相であった。さらに同温度で、2時間保温・攪拌した。この反応混合物を静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水20gで2回洗浄後、溶媒を留去して淡黄色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを3.9g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は47.0%であった。収率45%。
比較例3
還流冷却管を付した200mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム1.7g、テトラヒドロフラン30gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル5.3gをテトラヒドロフラン20gに溶解させた液を加えた。この混合液を室温で攪拌しながら、水2.8gとテトラヒドロフラン6gの混合液を5時間かけて滴下し、2時間保温・攪拌した。フラスコ内温度は、25〜30℃の範囲であった。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に20重量%塩酸30gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン50gを加え、水20gで2回洗浄後、溶媒を留去して白色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを2.8g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は78.0%であった。収率52%。
比較例4
還流冷却管を付した100mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム0.81g、テトラヒドロフラン15gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル2.6gをテトラヒドロフラン10gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃で攪拌しながら、35重量%塩酸200mgとテトラヒドロフラン5gの混合液を5時間かけて滴下した。さらに同温度で、2時間保温・攪拌した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応混合物に5重量%塩酸15gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン20gを加え、水10gで2回洗浄後、溶媒を留去して黄かっ色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを1.9g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は53%であった。収率49%。
比較例5
還流冷却管を付した100mlフラスコに、室温で水素化ホウ素ナトリウム0.81g、テトラヒドロフラン15gを仕込んだのち、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル2.6gをテトラヒドロフラン10gに溶解させた液を加えた。この混合液を50℃で攪拌しながら、86重量%硫酸4gとテトラヒドロフラン10gの混合液を5時間かけて滴下した。さらに同温度で、2時間保温・攪拌した。反応混合物の液相は、均一であった。この反応液に水20gを加えて攪拌、静置すると、2層に分離したので、分液して上層の有機層を得た。有機層にトルエン20gを加え、水10gで2回洗浄後、溶媒を留去して黄かっ色結晶として2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールを1.9g得た。液体クロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの純度は51%であった。収率47%。

Claims (11)

  1. エーテル溶媒の存在下、水素化ホウ素金属を用いて式(1)
    Figure 2008031158
    (式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、X〜Xはそれぞれ同一または相異なって、水素原子またはハロゲン原子を表す。ただし、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子である。)
    で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルを還元する式(2)
    Figure 2008031158
    (式中、X〜Xはそれぞれ上記と同じ意味を表す。)
    で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法であって、さらに水素化ホウ素金属に対して、プロトン基準で0.2〜3モル倍の酸を用い、かつ、反応混合物が、均一な液相であるか、または、固相と均一な液相とからなる二相混合物であるか、いずれかの状態で還元を実施することを特徴とする式(2)で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  2. 〜Xが全てフッ素原子である請求項1に記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  3. およびRが同一の、炭素数1〜6のアルキル基である請求項1または2に記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  4. 式(1)で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルと水素化ホウ素金属とを含む混合物中に、酸を加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  5. 水素化ホウ素金属の使用量が、式(1)で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルに対して1〜2.5モル倍である請求項1〜4のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  6. 水素化ホウ素金属が、水素化ホウ素アルカリ金属塩である請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  7. 水素化ホウ素アルカリ金属塩が、水素化ホウ素ナトリウムである請求項6に記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  8. 酸が、鉱酸、カルボン酸またはスルホン酸である請求項1〜7のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  9. 酸が、鉱酸である請求項1〜7のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  10. 鉱酸が、水溶液である請求項9に記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
  11. エーテル溶媒が、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルである請求項1〜10のいずれかに記載のハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法。
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