JP2008030560A - ハイブリッド車両のモータ回転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目標モータ回転数tNmをモデルマッチング項MM2に通過させてモデルマッチング後の目標モータ回転数tNmから、実モータ回転数Nmを差し引いてモータ回転偏差を求め、この偏差をモデルマッチング項MM1に通過させて、モータ回転偏差をなくすモータトルク補正量ΔTmを求める。位相補償器INVは、モータ回転数Nm対応のモータトルクを求め、ローパスフィルタLPFは、制御対象へのモータトルク補正量ΔTm’に対しフィルタ処理を施し、両者間のモータトルク偏差を求め、この偏差だけ、モデルマッチング項MM1からのモータトルク補正量ΔTmを差し引いて、制御対象へのモータトルク補正量ΔTm’となす。ΔTm’に、入力変数X=第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslipおよびフリクションFを足し込んで制御対象に向かわせ、この時、LPFおよびINVよりなる外乱オブザーバを初期化する。
【選択図】図5
Description
モータ/ジェネレータの回転数制御を、モータ/ジェネレータおよび車輪駆動系間におけるクラッチのスリップ締結状態のもとでも好適な応答で行わせるためのモータ回転制御装置に関するものである。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
しかし、前者のフィードフォワード制御によるモータ/ジェネレータの回転制御においては、第2クラッチのスリップ状態でその伝達トルク分のロスにより制御対象に入るトルクが変動してしまい、結果としてモータ/ジェネレータの回転数を指令値に一致させることができない。
従って、第2クラッチがスリップ状態と非スリップ状態との間で状態変化する過渡時において、上記の大きな蓄積補償分が放出され終わるまでモータ/ジェネレータの回転数を指令値になし得ず、モータ/ジェネレータの回転制御応答性が悪いという問題を生ずる。
モータ/ジェネレータの回転数を回転数指令値に一致させるための目標モータ/ジェネレータトルクの決定に際し、車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時伝達トルクを用いて、これら車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時伝達トルクをフィードバックループで補償する必要がないようにし、
これにより、第2クラッチのスリップ時伝達トルク変化分に対応した補償量がフィードバックループに蓄積されて、第2クラッチの状態変化時にモータ/ジェネレータの回転制御応答性が悪くなるという問題を解消し得るようにしたハイブリッド車両のモータ回転制御装置を提案することを目的とする。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第2クラッチを介在させ、
第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能なものである。
前記第1および第2クラッチの締結状態に応じ、車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時における伝達トルクを用いて、前記モータ/ジェネレータの回転数を回転数指令値に一致させるための目標モータ/ジェネレータトルクを決定するよう構成したことを特徴とするものである。
モータ/ジェネレータの回転数を回転数指令値に一致させるための目標モータ/ジェネレータトルクの決定に際し、車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時伝達トルクを用いるため、
これら車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時伝達トルクをフィードバックループで補償する必要がない。
図1(a)は、本発明のモータ回転制御装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1(a)に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
この状態では、第1クラッチ6の締結により始動されたエンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の摩擦要素または後退変速段選択用の摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号とを入力する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
モータ/ジェネレータコントローラ22は、モータ/ジェネレータ5をトルク制御する時、そのトルクTmが目標モータ/ジェネレータトルクtTmとなるよう、また、モータ/ジェネレータ5を回転数制御する時、その回転数Nmが目標モータ/ジェネレータ回転数tNmとなるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
Gp(s)=1/(J・s+C)・・・(1)
で表される。
図1(a)に代表的に示すごとく、図1〜3に示したハイブリッド車両用パワートレーンの第1クラッチ6よりもエンジン側におけるエンジンイナーシャ項をJ1およびエンジン粘性項をC1とし、
第1クラッチ6および第2クラッチ7間におけるモータイナーシャ項をJ2およびモータ粘性項をC2とし、
第2クラッチ7よりも駆動車輪側における車両イナーシャ項をJ3および車両粘性項をC3とすると、
制御対象イナーシャ項Jおよび制御対象粘性項Cはそれぞれ、第1クラッチ6および第2クラッチ7の状態の組み合わせ(クラッチ状態)に応じて図1(b)に示すごときものとなる。
なお、イナーシャ項J1,J2,J3および粘性項C1,C2,C3はそれぞれ、実験により予め求めておくことができる。
第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7が解放したクラッチ状態(2)においては、制御対象イナーシャ項JはJ1+J2となり、制御対象粘性項CはC1+C2となる。
第1クラッチ6が解放し、第2クラッチ7が締結したクラッチ状態(3)においては、制御対象イナーシャ項JはJ2+J3となり、制御対象粘性項CはC2+C3となる。
第1クラッチ6および第2クラッチ7が共に締結したクラッチ状態(4)においては、制御対象イナーシャ項JはJ1+J2+J3となり、制御対象粘性項CはC1+C2+C3となる。
第1クラッチ6が解放し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(5)においては、制御対象イナーシャ項JはJ2となり、制御対象粘性項CはC2となる。
第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(6)においては、制御対象イナーシャ項JはJ1+J2となり、制御対象粘性項CはC1+C2となる。
図1(b)から明らかなように、第1クラッチ6が解放し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(5)での制御対象イナーシャ項J=J2および制御対象粘性項C=C2はそれぞれ、第1クラッチ6および第2クラッチ7が共に解放したクラッチ状態(1)swの制御対象イナーシャ項J=J2および制御対象粘性項C=C2と同じであり、また、
第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(6)での制御対象イナーシャ項J=J1+J2および制御対象粘性項C=C1+C2はそれぞれ、第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7が解放したクラッチ状態(2)での制御対象イナーシャ項J=J1+J2および制御対象粘性項C=C1+C2と同じであることから、
これら制御対象イナーシャ項Jおよび制御対象粘性項Cを用いた前記(1)式で表される制御対象(車両)モデルGp(s)は、第2クラッチ7がスリップ状態である時、第2クラッチ7が解放状態である時と同じである。
アクセル操作にともなう第2クラッチスリップ時伝達トルクの変化分に対応した補償量がフィードバックループ(積分器)に蓄積され、
第2クラッチ7がスリップ状態と非スリップ状態との間で状態変化する過渡時において、上記の蓄積補償分が放出され終わるまでモータ/ジェネレータ5の回転数Nmを指令値tNmになし得ず、モータ/ジェネレータ5の回転制御応答性が悪くなるという問題を生ずる。
つまり、図5に示すモータ/ジェネレータ5の回転数制御ブロックは、
外乱抑制応答時定数τhを用いた伝達関数H(s)=1/(1+τh・s)のローパスフィルタLPFと、
このローパスフィルタLPFおよび上記制御対象モデルの逆系{1/Gp(s)}の組み合わせになる位相補償器INVと、
指令値追従応答時定数τmを用いた伝達関数K1=(J・τm・C)/τmのモデルマッチング項MM1と、
モデルマッチング項MM1の伝達関数K1および制御対象粘性項Cを用いた伝達関数K2=(C+K1)/K1のモデルマッチング項MM2とを具える。
そして、このモータ/ジェネレータ回転数偏差をモデルマッチング項MM1に通過させて、モータ/ジェネレータ回転数偏差をなくすためのモータ/ジェネレータトルク補正量ΔTmを求める。
位相補償器INVからのモータ/ジェネレータトルクと、ローパスフィルタLPFからのフィルタ処理後モータ/ジェネレータトルク補正量ΔTm’との間におけるモータ/ジェネレータトルク偏差を求め、
このモータ/ジェネレータトルク偏差だけ、モデルマッチング項MM1からのモータ/ジェネレータトルク補正量ΔTmを差し引いて、制御対象へのモータ/ジェネレータトルク補正量ΔTm’となす。
第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslipは、第2クラッチ7がスリップ状態の時における伝達トルクで、
フリクションFは、第1クラッチ6および第2クラッチ7の状態に応じ、図1(b)に示すごとくになる。
第1クラッチ6および第2クラッチ7間におけるモータフリクションをF2とし、
第2クラッチ7よりも駆動車輪側における車両フリクションをF3とすると、図1(b)に示すごとく、
第1クラッチ6および第2クラッチ7が共に解放したクラッチ状態(1)においては、フリクションFはF2となり、
第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7が解放したクラッチ状態(2)においては、フリクションFはF1+F2となり、
第1クラッチ6が解放し、第2クラッチ7が締結したクラッチ状態(3)においては、フリクションFはF2+F3となり、
第1クラッチ6および第2クラッチ7が共に締結したクラッチ状態(4)においては、フリクションFはF1+F2+F3となり、
第1クラッチ6が解放し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(5)においては、フリクションFはF2となり、
第1クラッチ6が締結し、第2クラッチ7がスリップしているクラッチ状態(6)においては、フリクションFはF1+F2となる。
なお、フリクションF1,F2,F3はそれぞれ、実験により予め求めておくことができる。
第1クラッチ6の動作モードが解放である場合、ステップS2およびステップS3において、第2クラッチ7の動作モードが締結、スリップ、解放の何れであるをチェックする。
第1クラッチ6が解放モードで、第2クラッチ7が締結モードである場合、つまり図1(b)のクラッチ状態(3)である場合は、ステップS4において、当該クラッチ状態に符合する入力変数X=F2+F3(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J2+J3、制御対象粘性項C=C2+C3であるか否かにより、クラッチ状態(3)が継続されているのか、クラッチ状態(3)への切り替え時であるのかをチェックする。
クラッチ状態(3)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS4でクラッチ状態(3)への切り替え時と判定される場合は、ステップS5において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(3)への切り替えに符合するよう入力変数X=F2+F3(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J2+J3、制御対象粘性項C=C2+C3に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
クラッチ状態(5)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS6でクラッチ状態(5)への切り替え時と判定される場合は、ステップS7において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(5)への切り替えに符合するよう入力変数X=F2+Tcslip、制御対象イナーシャ項J=J2、制御対象粘性項C=C2に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
クラッチ状態(1)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS8でクラッチ状態(1)への切り替え時と判定される場合は、ステップS9において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(1)への切り替えに符合するよう入力変数X=F2(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J2、制御対象粘性項C=C2に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
第1クラッチ6が締結モードで、第2クラッチ7が締結モードである場合、つまり図1(b)のクラッチ状態(4)である場合は、ステップS12において、当該クラッチ状態に符合する入力変数X=F1+F2+F3(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J1+J2+J3、制御対象粘性項C=C1+C2+C3であるか否かにより、クラッチ状態(4)が継続されているのか、クラッチ状態(4)への切り替え時であるのかをチェックする。
クラッチ状態(4)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS12でクラッチ状態(4)への切り替え時と判定される場合は、ステップS13において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(4)への切り替えに符合するよう入力変数X=F1+F2+F3(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J1+J2+J3、制御対象粘性項C=C1+C2+C3に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
クラッチ状態(6)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS14でクラッチ状態(6)への切り替え時と判定される場合は、ステップS15において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(6)への切り替えに符合するよう入力変数X=F1+F2+Tcslip、制御対象イナーシャ項J=J1+J2、制御対象粘性項C=C1+C2に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
クラッチ状態(2)が継続されているのであれば、制御をそのまま終了して入力変数X、制御対象イナーシャ項J、および制御対象粘性項Cを今のままに保って、それぞれの切り替え(制御対象の切り替えを)を行わない。
しかし、ステップS16でクラッチ状態(2)への切り替え時と判定される場合は、ステップS17において、図5におけるローパスフィルタLPFおよび位相補償器INVで構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化すると共に、クラッチ状態(2)への切り替えに符合するよう入力変数X=F1+F2(第2クラッチスリップ時伝達トルクTcslip=0)、制御対象イナーシャ項J=J1+J2、制御対象粘性項C=C1+C2に切り替えて、図5のモータ/ジェネレータ回転制御に資する。
モータ/ジェネレータ5の回転数Nmを回転数指令値tNmに一致させるための目標モータ/ジェネレータトルクの決定に際し、車両モデルのフリクションF、および、第2クラッチ7のスリップ時伝達トルクTcslipを用いるため、
これら車両モデルのフリクションF、および、第2クラッチ7のスリップ時伝達トルクTcslipをフィードバックループで補償する必要がない。
これら車両モデルのフリクションF、および、第2クラッチ7のスリップ時伝達トルクTcslipを、目標モータ/ジェネレータトルクに加算するため、
そして、この際ローパスフィルタLPFおよび位相補償器INV(図5参照)で構成される外乱オブザーバ(積分器)を初期化するため、
上記の作用効果を確実に達成することができる。
本発明の上記した着想は、フィードフォワード制御により目標モータ/ジェネレータトルクを決定する場合においても同様に適用して、同様の作用効果を奏し得ること勿論である。
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
Claims (5)
- 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第2クラッチを介在させ、
第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能なハイブリッド車両において、
前記第1および第2クラッチの締結状態に応じ、車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時における伝達トルクを用いて、前記モータ/ジェネレータの回転数を回転数指令値に一致させるための目標モータ/ジェネレータトルクを決定するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ回転制御装置。 - 請求項1に記載のモータ回転制御装置において、
前記車両モデルのフリクション、および、第2クラッチのスリップ時における伝達トルクを、前記目標モータ/ジェネレータトルクに加算するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ回転制御装置。 - 前記目標モータ/ジェネレータトルクを、モータ/ジェネレータ回転数と回転数指令値との間における偏差に応じたフィードバック制御により決定するようにした、請求項1または2に記載のモータ回転制御装置において、
前記第2クラッチの締結状態およびスリップ状態間での切り替わり時に前記フィードバック制御の外乱オブザーバの値を初期化するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ回転制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ回転制御装置において、
前記第2クラッチのスリップ時伝達トルクを、車両運転状態に応じて決まる要求駆動力から推定するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ回転制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ回転制御装置において、
前記第2クラッチのスリップ時伝達トルクを、クラッチ作動油圧またはクラッチ作動油圧指令値から推定するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ回転制御装置。
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