JP2008029399A - 弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置調整の手間をかけることなく、球を発射する毎の、又、装置毎の球発射速度のばらつきを抑え、確実に球を発射することができる。
【解決手段】ステッピングモータのモータ軸に取り付けられた、反時計回りする発射カム13と、該発射カム13の外周のカム面に当接するカムころ17を備えたばね台29は、発射装置ベース板11に取り付けられている。又、発射カム13の中心から当接位置が最も離れた直後の、該発射カム13の回転位置を示す位置合わせ用表示マーク1が、発射装置ベース板11に付されている。該回転位置において発射カム13の回転速度が最大になるように、位置合わせ用表示マーク1を用いてステッピングモータの回転の位相を容易に調整できる。
【選択図】図12
【解決手段】ステッピングモータのモータ軸に取り付けられた、反時計回りする発射カム13と、該発射カム13の外周のカム面に当接するカムころ17を備えたばね台29は、発射装置ベース板11に取り付けられている。又、発射カム13の中心から当接位置が最も離れた直後の、該発射カム13の回転位置を示す位置合わせ用表示マーク1が、発射装置ベース板11に付されている。該回転位置において発射カム13の回転速度が最大になるように、位置合わせ用表示マーク1を用いてステッピングモータの回転の位相を容易に調整できる。
【選択図】図12
Description
本発明は、1−2相励磁方式のステッピングモータを駆動源とした発射カムの回転により、カムころを付したばね台を回動させてばね力を蓄えてゆき、この後、遊技杵を蓄えたばね力によって瞬時に回動させ、遊技球を弾球する弾球遊技機の発射装置に係り、特に、装置調整の手間をかけることなく、球を発射する毎の、又、装置毎の球発射速度のばらつきを抑え、確実に球を発射することができる弾球遊技機の発射装置、及び、これを備えた弾球遊技機に関する。
図1は、従来例の遊技球発射装置を備えた弾球遊技機の正面図である。図2は、遊技盤を含めた前面の全体に及ぶ扉部を開いた、該弾球遊技機の正面図である。
図1に示すように、弾球遊技機10の正面右下には、人の手が触れたことを検出するハンドル・タッチスイッチ20と、発射動作を一時的に停止させる操作をするための一時停止スイッチ21が設けられている。
又、図2に示す発射装置100は、遊技球を発射する機械的な機構部分である。更に、該弾球遊技機10は、該機構部分の他に、駆動源であるステッピングモータ101(発射モータ)と、払出制御基板88と、発射制御基板104とを備えている。前記払出制御基板88は、発射位置へ遊技球を払い出す際の制御を行い、発射杵で弾球可能な位置に遊技球を払い出した後、発射許可信号を発射制御基板104に出力する。
次に、発射装置100の機構ユニットについて説明する。
図3は、従来からの発射装置100の正面図であり、内部に機構部品を取付けた発射装置ベース板11を備えた発射装置100を、前述した弾球遊技機10に実装した状態において、正面側から見たものである。又、図4は、本従来例の発射装置100の背面図であり、図3の発射装置100の背面図である。
まず図3において、発射装置ベース板11には、遊技球26を遊技盤面に発射する発射杵14が、発射アーム軸23を回動軸として、図3において矢印A1やA2のように回動自在に支持されている。該発射杵14は、発射アーム軸23を介して後述するばね台29と一体となっている。
更に、該発射装置ベース板11には、発射杵を駆動するためのステッピングモータ101、遊技球26を弾球した後の衝撃を緩衝し停止させるための発射杵ストッパ24、弾球するために一時的に遊技球26を定位置に保持する発射レール27、及び、該発射レール27を取り付けるための発射レール取付台28がそれぞれ固定されている。
次に、図4において、発射装置100の背面には、ステッピングモータ101のモータ軸(シャフト)101aに固定され、該ステッピングモータ101により回転駆動される発射カム13と、前述のように発射アーム軸23を介して発射杵14と一体となるばね台29とが設けられている。該ばね台29には、図示されないねじりコイルばねが内蔵されている。
ばね台29及び前述の発射杵14と、後述する図示されないハンドル従動ギアとの間には、上記のねじりコイルばねが介在し、該ねじりコイルばねによりこれらの間において弾性力が作用している。該弾性力により、発射アーム軸23を回動軸とし、発射杵14は遊技球26を図3において右側から左側へ弾球するように、つまり該発射アーム軸23において該図中時計回りに、常に一定方向で付勢されている。
発射カム13の外周面(カム面)に、ばね台29に固定されたカムころ軸に回動自在に支持されたカムころ17が、ねじりコイルばね(図示なし)の弾性力による押し付け力により、当接するようになっている。
ここで、発射カム13のカム形状において、カムころ17が当接している位置が発射カム13の中心から離れる程カムころ17が上昇し、該中心に近づく程下降すると呼ぶものとする。発射カム13が回転し、該発射カム13のカム形状に沿ってカムころ17が上昇すると、発射杵14が弾球動作を行うための瞬発力となる弾性力が、ねじりコイルばねにおいて蓄えられていく。
発射カム13が図4において矢印B1の方向、即ち反時計回りに回転すると、該発射カム13のカム面の形状に従ってカムころ17が矢印B2の方向に移動し、ねじりコイルばね(図示なし)の付勢に抗して、該カムころ17が最大上昇位置まで、ばね台29は図4において時計回りに回動される。
図5は、この最大上昇位置における発射装置100の背面から見た斜視図である。又、図6は、該最大上昇位置から更に発射カム13が回転した位置における発射装置100の背面から見た斜視図である。
図5のような最大上昇位置の後、発射カム13が更に回転すると、カム形状は最大上昇位置の後は急速に最下降位置になり、図6のようになる。
従って、最大上昇位置の後の該回転により、弾性力の更なる蓄積が無くなるだけでなく、発射杵が弾球動作をできるよう、拘束が解除されることになる。最大上昇位置の終端の直後、更に発射カム13が回転すると、図4において矢印B3の方向に、弾性力により一気にばね台29は回転し、又、発射杵14が該弾性力を十分に活用して遊技球を弾球する。この弾性力は、カムころ17の上昇に伴って蓄えられた上述の弾性力である。なお、遊技球26の弾球の後、発射杵14の弾球動作、又、矢印B3の方向へのばね台29の回転は、発射杵14が発射杵ストッパ24に突き当たって停止する。
なお、前述のように、ねじりコイルばねは、発射杵14と一体のばね台29と、ハンドル従動ギアとの間に介在している。そして、図示されないハンドルを遊技者が回転操作することで、該ハンドル従動ギアを回転することができる。該ハンドル従動ギアが回転すると、ねじりコイルばねのねじり量が加減されるので、発射力を調整し遊技球26の発射速度を調整を行うことができる。
図7は、発射制御基板104を中心とした制御構成を示すブロック図である。図8は、発射制御基板104及びステッピングモータ101の外見を示す構成図である。
図7において、まず主基板30は、弾球遊技機の全体的な制御を行う。払出制御基板88は、内蔵する払出制御回路34により、主基板30から入力される信号などに基づいて弾球遊技機の諸状態を判断し、発射許可信号を発射制御基板104へ出力する。又、電源基板32は、弾球遊技機の外部設備から交流電源の供給を受け、これら主基板30、払出制御基板88、発射制御基板104などへ直流電源を供給する。なお、この図7において、図中の太線の矢印は、電源基板32や補助電源回路50から該当部への電源供給を示す。
発射制御基板104は、基準信号発生回路44と、駆動ON/OFF回路42と、励磁信号発生回路46と、駆動回路48とを有している。又、該発射制御基板104は、図8のように通常は所定のケース104aに内蔵され、例えば図示されるIC1〜IC6などを用いて構成され、ステッピングモータ101から引き出されているケーブル先端のコネクタ101bが接続される。該ケーブルを流れる励磁電流によって、ステッピングモータ101のモータ軸101aが回転することになる。
遊技機に関連した諸法規によって、遊技球の連続発射の速度には制限がある。基準信号発生回路44は、該制限となる連続発射の速度を内部において設定する。駆動ON/OFF回路42は、払出制御基板88からの前述の発射許可信号により発射許可が入力され、ハンドル・タッチスイッチ20から人手接触が検出され、一時停止スイッチ21から発射動作一時的停止の操作がない旨入力されると、励磁信号発生回路46へと発射信号を出力する。
本従来例では、ステッピングモータ101は、パルスモータなどと称するモータを用いている。
励磁信号発生回路46は、駆動ON/OFF回路42から前述の発射信号を入力すると、基準信号発生回路44において設定されている連続発射速度に応じた回転速度で、ステッピングモータ101が回転するように、該ステッピングモータ101の励磁を制御する信号を、駆動回路48に出力する。
駆動回路48は、該励磁制御信号に従って、該ステッピングモータ101の励磁電流を制御する。該励磁電流によって、コネクタ101bにより駆動回路48に接続されているステッピングモータ101は一定回転速度にて回転し、前述のように発射杵14によって遊技球が次々に弾発され、規定の連続発射速度にて遊技球が発射される。
以上のようにして、弾球遊技機の発射装置100は、ハンドル・タッチスイッチ20から人手接触が検出され、且つ、一時停止スイッチ21から発射動作一時的停止の操作がない場合に、ステッピングモータ101を回転させて、球を弾球し発射する。又、発射中、一時停止スイッチ21から発射動作一時的停止の操作が入力されると、ステッピングモータ101の回転が停止し、球の発射も停止する。
なお、特許文献1では、発射杵を駆動するカムに回転力を与えるステッピングモータの起動時において、起動トルクを十分に確保するため、低速モードとするようにしている。
特許文献2では、パチンコ遊技機の遊技球発射装置において、復元力によって弾球するためのスプリングに抗して発射カムを駆動する区間では、ステッピングモータを低速回転で駆動し、他の区間では高速回転で駆動するようにしている。これによって、ステッピングモータの小型化、軽量化を図るようにしている。
特許文献3では、発射カムを駆動するステッピングモータを低回転トルクで回転しつつ逆回転させて、発射カムをカム原点位置まで戻して停止するようにしている。カム原点位置で停止することで、遊技開始時における複数球を防止するようにしている。
さて、従来の発射装置100では、その駆動用に永久磁石を使用したPM(phase modulation)型ステッピングモータを採用している。これは、コストが安価であることと、発射装置100に要求される速度の安定性に対して充分であり、高分解能を有する高価なハイブリッド型のステッピングモータを採用する必要性がないからである。
ところが、DC(Direct Current)モータとは違い、ステッピングモータという呼び名からも分かる通り、ステッピングモータの回転運動は、連続でなく、細かい多数の回転位置で回転及び停止を短い時間で繰り返す間欠運動により実現している。
図9は、一例としてステッピングモータ101に、1回転48パルスの分解能を有するPM型ステッピングモータを用いた場合の発射装置100の要部の背面図である。
一例として、図9では、1回転48パルスの分解能のPM型ステッピングモータを用い、図9の現在の発射カム13の回転停止位置をS1とする。又、該発射カム13が反時計回り、即ち図中の矢印方向に回転するものとする。
以上のような場合、ステッピングモータは、1パルス毎に(1/48)回転の角度ずつ回転する。上記の回転方向において、1回転における48個の停止位置を順にS1〜S48とすれば、ステッピングモータは、1パルス毎に、S1→S2、S2→S3、S3→S4、S4→S5……S45→S46、S46→S47、S47→S48という回転動作をして、48パルス目で1回転することになる。
ここで、特に発射装置100で使用されている予め決められた速度即ち低速域では、このような各回転位置の各ステップ動作において、振動を伴ったダンピング運動が顕著になってしまう。ステッピングモータを特に低速域で使用した場合、各ステップにおける停止は、完全な停止ではなく、その位置を中心として正逆の運動を1回以上繰り返すダンピング動作となり、回転中は各ステップでこれを繰り返す。
図10は、図9のカムころ17周辺の拡大図である。
上述のダンピング動作は、図10において、矢印を含む一連の曲線で示される。図中の1つの矢印が、ステッピングモータ101において、1パルス毎の動作に相当する。
該曲線のように、例えば1パルスでS1→S2と回転する場合、S1の位置における停止状態から回転が開始し、S2の位置に到達すると、直ちに完全な停止状態になるのではない。即ち、S2の位置を一旦通り過ぎてから、今度は逆回転してS2の位置に向かいつつも、直前の通り過ぎより少なくS2の位置を通り過ぎというように、振幅を縮小しつつ停止位置を中心として少なくとも1回の往復動作をしてから、該停止位置で完全に停止するというものである。
又、このようなステッピングモータ101において、連続回転をした場合、前述のように1パルス周期の、間欠運動による回転速度変化が生じる。そして、各停止位置S1〜S48において一時的に回転速度が最小になり、この後に次の停止位置S1〜S48に回転が進むと、この次の停止位置S1〜S48の直前くらいの位置で回転速度が最大になる。
そして、ステッピングモータ101において、前述のような連続回転における間欠運動による回転速度変化や、回転停止時におけるダンピング運動を軽減するために、励磁方式として通常の2相励磁(フルステップ駆動)ではなく、1−2相励磁(ハーフステップ駆動)を採用することもできる。
この1−2相励磁では、ステッピングモータを回転させる際の各ステップは、2相励磁と1相励磁とを繰り返すことになる。2相励磁ではステッピングモータの励磁コイルの2組を励磁し、1相励磁では励磁コイルの1組を励磁する。例えば、前述の図9や図10において、S1が2相励磁であれば、次のS2は1相励磁となり、更に次のS3は2相励磁となり、このように励磁してステッピングモータ101を回転させることになる。
図11は、1−2相励磁において停止位置の相互での最大回転速度vのばらつきを示すグラフである。
上述の1−2相励磁では、回転速度変化やダンピング運動を軽減できるものの、各停止位置S1〜S48の相互において、最大回転速度vにばらつきが生じる。図11において、■プロットが1相励磁の場合、●プロットが2相励磁の場合の、それぞれの位置S1〜S48から回転開始した後の最大回転速度vが示される。
それぞれの位置S1〜S48においてばらつきがあるが、■プロットの1相励磁の場合は一点鎖線で示される最大回転速度v程度にばらつき、●プロットの2相励磁の場合は二点鎖線で示される最大回転速度v程度にばらつくというように、1相励磁と2相励磁とでは、最大回転速度vにおいて格差が生じてしまう。前述のように、2相励磁では2組の励磁コイルを励磁し、1相励磁では1組の励磁コイルを励磁するため、1相励磁に比べ2相励磁の時は、回転トルクが大になり、従って最大回転速度vも大になる。
ここで、発射カム13のカム形状において、カムころ17が当接している位置が発射カム13の中心から離れる程カムころ17が上昇し、該中心に近づく程下降すると呼ぶものとする。発射カム13が回転し、該発射カム13のカム形状に沿ってカムころ17が上昇すると、発射杵14が弾球動作を行うための瞬発力となる弾性力が、ねじりコイルばねにおいて蓄えられていく。
カム形状は、最大上昇位置の後は急速に最下降位置になっているので、最大上昇位置の後、弾性力の更なる蓄積がなくなるだけでなく、発射杵14が弾球動作をできるよう、拘束が解除されることになる。最大上昇位置の終端の直後、速やかに発射カム13が回転していると、だるま落としの場合と同様にカムころ17は慣性で直ちには下降せず、カムころ17が発射カム13のカム形状の外周から離れてから、弾性力により一気に最下降位置に到り、又発射杵14が該弾性力を十分に活用して球を弾球する。この弾性力は、カムころ17の上昇に伴って蓄えられた上述の弾性力である。
この際、該発射カム13の回転が遅いと、最大上昇位置が通過後も、だるま落としのようにはならず、カムころ17が発射カム13のカム形状の外周からすぐには離れず、これが、発射杵14の弾球に影響を与え、蓄えられた弾性力は十分に活かされず、発射力が小さくなり発射速度が低下したり、発射力や発射速度がばらついたりする。
ここで、ステッピングモータの場合、前述のような間欠動作やダンピング動作の影響により、連続回転をしていても、ステップ動作に伴った特定の回転位置で速度低下が発生する。従って、発射カム13をステッピングモータで駆動した場合、最大上昇位置の終端の直後、速やかに発射カム13が回転すべき位置が、このような速度低下が発生する回転位置になると、上述のように、発射力が小さくなり発射速度が低下したり、発射力や発射速度がばらついたりする。又、発射装置100間で組付け状態が異なるため、同様に発射装置100個体間において、発射精度のばらつきを生じるという問題がある。
前述の2相励磁(フルステップ駆動)でも、1−2相励磁(ハーフステップ駆動)でも、各ステップにおける停止位置では回転速度が低下する。又、1−2相励磁であれば、1組の励磁コイルを励磁する1相励磁では、2組の励磁コイルを励磁する2相励磁に比較して回転速度が低下する。このような回転速度が低下する回転位置が、発射カム13に係る前述の最大上昇位置やその近傍となると、発射力が小さくなり発射速度が低下したり、発射力や発射速度がばらついたりすることになる。
しかしながら、このような位置合わせは困難である。発射装置100の組み付けにおいて、まず、カムころ17の回転位置と、発射杵14の回動位置との関係は、ばね台29を発射装置ベース板11に取り付けた段階で定まる。次に、モータ軸101aと発射カム13との回転位置関係は、モータ単体に発射カム13を圧入する場合は、該圧入の段階で定まる。あるいは、予めモータを発射装置ベース板11に固定した上で、モータ軸101aに発射カム13をネジ固定する場合は、ねじ固定の段階で定まる。従って、モータ軸101aに固定された発射カム13と、ばね台29に付されたカムころ17との回転位置関係を合わせるのは、非常に困難であるばかりか、量産性が著しく悪くなってしまう。
なお、前述した特許文献1〜3は、本発明と目的が異なる。特許文献1及び特許文献2は、発射杵14を駆動するカムに回転力を与えるステッピングモータにおいて、起動トルクを十分に確保するためのものである。特許文献3は、発射カム13をカム原点位置まで戻して停止させることで、遊技開始時における複数球を防止するものである。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、装置調整の手間をかけることなく、球を発射する毎の、又、装置毎の球発射速度のばらつきを抑え、確実に球を発射することができる弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機を提供することを課題とする。
本発明は、1−2相励磁方式のステッピングモータを駆動源とした、モータ軸に一体固定された発射カムの回転により、カムころを付したばね台を回動させ、ばね台に内蔵固定されたねじりコイルばねの圧縮あるいは伸張によりばね力を蓄えてゆき、この後、カム最大上昇位置からカムころが外れて、ばね台と支点軸を介して一体固定されている遊技杵を、蓄えたばね力によって瞬時に回動させ、遊技球を弾球する弾球遊技機の発射装置において、ステッピングモータのモータ軸に固定された発射カム及びカムころの位相合わせを行う際に、モータ軸及び発射カムは、発射制御基板に対して、払出制御基板、ハンドル・タッチスイッチ及び一時停止スイッチの未接続状態では、発射制御基板の励磁信号発生回路のリセット時に、予め決められている1相又は2相励磁の状態に固定保持され、発射装置の機構を組み付ける基となる発射装置ベース板に、発射カムの位相合わせを行う位置合わせ用表示マークを施したことにより、前記課題を解決したものである。
本発明は、又、上記の発射装置を備えた遊技機を提供するものである。
上述のように、本発明によれば、装置調整の手間をかけることなく、球を発射する毎の、又、装置毎の球発射速度のばらつきを抑え、確実に球を発射することができる弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施形態は、前述した図1や図2で示される弾球遊技機において用いられる、図3〜図10で示した発射装置100において適用したものである。
発射カム13に係る最大上昇位置やその近傍において、該発射カム13の回転速度が速くなるようにすることで、発射力が小さくなって発射速度が低下してしまったり、発射力や発射速度がばらついてしまったりすることを防止することができる。
このためには、周期的に回転位置に応じて回転速度が変化するステッピングモータ101の回転速度が速くなる回転位置が、発射カム13に係る最大上昇位置となるように、ステッピングモータ101と、発射カム13と、カムころ17(ばね台29)との回転位置の相互関係を調整する必要がある。このように最大上昇位置となるようにする調整を、以下、位相合わせと呼ぶ。
本実施形態では、カムころ17が発射カム13の最大上昇位置の終端から外れる位置を、ステッピングモータ101の回転動作の各ステップにおける停止位置、例えば前述のS1〜S48それぞれの位置ではなく、該停止位置の間の中間位置(以下停止中間位置と呼ぶ)となるようにしている。例えば前述の図10においては、S1及びS2の間の中間位置であるaの位置や、S2及びS3の間の中間位置であるbの位置や、S3及びS4の間の中間位置であるcの位置などである。例えば、1回転48パルスの分解能のステッピングモータであれば、このような停止中間位置は、48個存在する。
図12は、本実施形態が適用された遊技機に用いられる発射装置100の背面図である。又、図13は、該図12において、発射カム13にカムころ17が当接する部分を中心とする拡大図である。
これらの図において、符号1は、本発明の位置合わせ用表示マークである。これらの図において、発射カム13及びカムころ17の回転位置は、前述した最大上昇位置の終端から外れる位置となっている。この時の発射カム13の位置を明示するために、発射装置ベース板11には、位置合わせ用表示マーク1が付されている。
発射カム13を、位置合わせ用表示マーク1で明示される回転位置に固定する。そうして、ステッピングモータ101のモータ軸の回転位置が、前述の停止中間位置となるようにしながら、これら発射カム13及びモータ軸を固定すればよい。これによって、前述した最大上昇位置の終端乃至その近傍において、発射カム13が最大回転速度となる。
該位置合わせ用表示マーク1については、発射装置ベース板11の材質にもよるが、板金であればプレス加工あるいは刻線で可能であり、ダイキヤスト等であれば予め形状を盛り込んでおくことで実現可能である。このようにして位置合わせ用表示マーク1を施した発射装置ベース板11を基準に、部品及びそれぞれの回転軸の位置について寸法公差を考慮して、ばね台29とカムころ17との位置関係を形成する。
実際の位相合わせにあたっては、手順としては、以下の第1〜第3段階に示すとおりである。
第1段階:ステッピングモータ101のモータ軸に、発射カム13を圧入あるいはネジ止め等の方法により固定する。
第2段階:発射制御基板104に、払出制御基板88、ハンドル・タッチスイッチ20及び一時停止スイッチ21を接続せずに、電源基板32のみを接続して、上記のステッピングモータ101を2相励磁にして、回転が停止した状態を保持する。
発射装置100の起動条件(遊技球26を発射する条件)は、払出制御基板88からの発射許可信号と、ハンドル・タッチスイッチ20による人の接触検知(但しハンドル・タッチスイッチ20未接続の場合は人の接触を検知した状態と同じ)と、一時停止スイッチ21が押されていない状態(但し一時停止スイッチ21が未接続の場合は一時停止スイッチ21が押されている状態と同じ)の、3つの条件が揃ったときである。
発射制御基板104に、払出制御基板88、ハンドル・タッチスイッチ20及び一時停止スイッチ21を接続した状態で、人がハンドル・タッチスイッチ20に触れていない状態(ハンドル・タッチスイッチ20が人の接触を検知していない状態)では、省エネルギのためにステッピングモータ101は無励磁状態である。本実施形態では、前述の発射制御基板104に、払出制御基板88、ハンドル・タッチスイッチ20、及び一時停止スイッチ21を接続せずに、電源基板32のみを接続した場合においては、ステッピングモータ101は励磁状態となり、予め決められた2相励磁にてモータ停止状態を保持する。
第3段階:上記の状態で、発射装置ベース板11の位置合わせ用表示マーク1に発射カム13の形状を合わせながら、ステッピングモータ101を発射装置ベース板11に固定する。
このような第1〜第3段階の手順により、ステッピングモータ101のモータ軸に固定された発射カム13と、カムころ17を付したばね台29との位相を合わせた場合、モータのステップ位置及び相励磁状態(1相励磁あるいは2相励磁)とカムころ17が発射カム13の最大上昇位置の終端から外れる位置との関係は、ダンピングの影響を受けず、且つカムころ17が発射カム13の最大上昇位置の終端から外れ、カムころ17を付したばね台29が下降を始める過程の相励磁の変化は、常に2相励磁に固定される。
結果として、発射装置100単体の組付け、組替え、及び複数の発射装置100間において発射距離のばらつきを抑えることが可能となる。
位相合わせの際、発射装置ベース板11にステッピングモータ101を取り付ける際に、ステッピングモータ101を励磁状態にする必要がある。本実施形態では、発射制御基板104は払出制御基板88などは接続せず、電源基板32のみ接続すれば、このような励磁状態にすることができる。従って、製造時のユニット組付工程で、発射装置100単独の組付・調整が可能であり、同様に市場おいても、組付・調整を行うための特別な治具あるいはモード設定等の必要がなく、容易に作業が行えるといったメリットがある。
なお、図14は、本実施形態の位置合わせ用表示マーク1の第1変形例を示す、発射カム13にカムころ17が当接する部分を中心とする拡大図である。図15は、該位置合わせ用表示マーク1の第2変形例を示す、上記当接部分を中心とする拡大図である。
本発明において、位置合わせ用表示マーク1は特に限定されるものではなく、発射カム13の回転位置を明示できるものであればよい。例えば、図14に示す第1変形例のように、位置合わせ用表示マーク1は直線の線分の形状であってもよい。あるいは、図15に示す第2変形例のように、該位置合わせ用表示マーク1は、点の形状であってもよい。
1…位置合わせ用表示マーク
10…弾球遊技機
11…発射装置ベース板
13…発射カム
14…発射杵
17…カムころ
20…ハンドル・タッチスイッチ
21…一時停止スイッチ
23…発射アーム軸
24…発射杵ストッパ
26…遊技球
27…発射レール
28…発射レールベース
29…ばね台
30…主基板
32…電源基板
34…払出制御回路
40…払出・発射制御基板
42…駆動ON/OFF回路
44…基準信号発生回路
46…励磁信号発生回路
48…駆動回路
88…払出制御基板
100…発射装置
101…ステッピングモータ
101a…モータ軸
101b…コネクタ
104…発射制御基板
10…弾球遊技機
11…発射装置ベース板
13…発射カム
14…発射杵
17…カムころ
20…ハンドル・タッチスイッチ
21…一時停止スイッチ
23…発射アーム軸
24…発射杵ストッパ
26…遊技球
27…発射レール
28…発射レールベース
29…ばね台
30…主基板
32…電源基板
34…払出制御回路
40…払出・発射制御基板
42…駆動ON/OFF回路
44…基準信号発生回路
46…励磁信号発生回路
48…駆動回路
88…払出制御基板
100…発射装置
101…ステッピングモータ
101a…モータ軸
101b…コネクタ
104…発射制御基板
Claims (2)
- 1−2相励磁方式のステッピングモータを駆動源とした、モータ軸に一体固定された発射カムの回転により、カムころを付したばね台を回動させ、ばね台に内蔵固定されたねじりコイルばねの圧縮あるいは伸張によりばね力を蓄えてゆき、この後、カム最大上昇位置からカムころが外れて、ばね台と支点軸を介して一体固定されている遊技杵を、蓄えたばね力によって瞬時に回動させ、遊技球を弾球する弾球遊技機の発射装置において、
ステッピングモータのモータ軸に固定された発射カム及びカムころの位相合わせを行う際に、モータ軸及び発射カムは、発射制御基板に対して、払出制御基板、ハンドル・タッチスイッチ及び一時停止スイッチの未接続状態では、発射制御基板の励磁信号発生回路のリセット時に、予め決められている1相又は2相励磁の状態に固定保持され、
発射装置の機構を組み付ける基となる発射装置ベース板に、発射カムの位相合わせを行う位置合わせ用表示マークを施したことを特徴とする弾球遊技機の発射装置。 - 請求項1に記載の発射装置を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006203480A JP2008029399A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006203480A JP2008029399A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008029399A true JP2008029399A (ja) | 2008-02-14 |
Family
ID=39119438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006203480A Pending JP2008029399A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 弾球遊技機の発射装置及び弾球遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008029399A (ja) |
-
2006
- 2006-07-26 JP JP2006203480A patent/JP2008029399A/ja active Pending
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