JP2008029048A - 整流子、電機子及び直流モータ - Google Patents

整流子、電機子及び直流モータ Download PDF

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Abstract

【課題】軸方向の小型化を図るとともにその製造が容易となる整流子を提供する。
【解決手段】整流子21は、板状の保持部24と、保持部24の一端に放射状に配置され該保持部24の板厚方向と直交する摺接面31aを有する複数のセグメント22と、同電位となるセグメント22同士を短絡する短絡部材とを備えている。短絡部材は、複数の外周側端末と、複数の内周側端末と、外周側端末と内周側端末とを全て同方向に周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する複数の連結部とを有する1つの平板状の短絡構成部材群から構成されている。そして、セグメント22は、該セグメント22における外周側の端部に外周側端末及び電機子コイルの径方向外側の端部19bが接続される外周側接続部33を有するとともに、セグメント22における内周側の端部に内周側端末及び電機子コイルの径方向内側の端部19aが接続される内周側接続部32を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、整流子、該整流子を備えた電機子、及び該電機子を備えた直流モータに関するものである。
従来、直流モータの軸方向の小型化を図るべく、整流子を軸方向に小型化した直流モータが知られている。例えば特許文献1に記載された直流モータの整流子は、電機子の回転軸に固定される絶縁性の保持部と、同保持部の外周面に周方向に固着された複数のセグメントと、同保持部の軸方向の一端に配置された短絡部材とから構成されている。短絡部材は、周方向にセグメントと同数だけ配置された外周側端末と、外周側端末の内側に周方向に外周側端末と同数だけ配置された内周側端末と、外周側端末と内周側端末とを周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する複数(外周側端末と同数)の連結部とが同一平面状に形成されてなる2つの短絡構成部材群から構成されている。これら2つの短絡構成部材群は、連結部が互いに逆向きとなるように積層され、積層された2つの短絡構成部材群においては、外周側端末同士及び内周側端末同士がそれぞれ積層方向に接触するとともに、連結部同士は積層方向に非接触となっている。そして、各外周側端末には、対応するセグメントがそれぞれ電気的に接続されるとともに、周方向に配置された複数の電機子コイルの端部が電気的に接続される。これにより、電機子コイルの端部は、外周側端末を介してセグメントに接続される。このように、特許文献1に記載の整流子は、軸方向に薄い平板状の短絡部材を備えることにより、短絡部材を有する整流子の軸方向の小型化を図っている。
また、特許文献2に記載の直流モータは、軸方向から給電用ブラシが摺接する平板状の短絡部材を備えることにより、該直流モータの軸方向の小型化が図られている。
特開2005−137193号公報 国際公開第2006/025444号パンフレット
ところで、直流モータの更なる軸方向の小型を図るために、特許文献1に記載の短絡部材を特許文献2に記載の直流モータに備えることが考えられる。しかしながら、例えば電機子コイルの一端が直流モータにおける径方向内側から引き出され他端が径方向外側から引き出される場合には、径方向内側から引き出された電機子コイルの端部は、該電機子コイル上を伝って外周側端末(即ちセグメントの外周側の端部)に接続されることになるため、電機子コイルの端部の取り回しが複雑になってしまう。
また、特許文献1に記載の短絡部材は、外周側端末同士及び内周側端末同士がそれぞれ積層方向に接触するように、且つ連結部同士が積層方向に非接触となるように2つの短絡構成部材群を積層して形成されることから、その構成が複雑であり、当該短絡部材の製造が煩雑になってしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、軸方向の小型化を図るとともにその製造が容易となる整流子、及び該整流子を備えた電機子並びに直流モータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、板状をなす保持部と、前記保持部の板厚方向の一端に放射状に配置され、給電用ブラシが摺接されると共に前記保持部の板厚方向と直交する摺接面を有する複数のセグメントと、周方向に前記セグメントと同数配置された外周側端末と、前記外周側端末の内側で周方向に前記外周側端末と同数配置された内周側端末と、前記外周側端末と同数設けられ前記外周側端末と前記内周側端末とを全て同方向に周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する連結部とを有する1つの平面状の短絡構成部材群から構成されるとともに、前記摺接面と平行に配置され、同電位となる前記セグメント同士を短絡する短絡部材と、を備え、前記セグメントは、該セグメントにおける外周側の端部に前記外周側端末及び電機子コイルの径方向外側の端部が接続される外周側接続部を有するとともに、該セグメントにおける内周側の端部に前記内周側端末及び電機子コイルの径方向内側の端部が接続される内周側接続部を有することを特徴とする整流子とした。
同構成によれば、短絡部材は、1つの短絡構成部材群から構成されるため、複数の短絡構成部材群を積層して形成される従来の短絡部材よりも、その厚さを薄くすることができる。また、複数のセグメントは保持部の板厚方向の一端に放射状に配置されるとともに、各セグメントの摺接面は保持部の板厚方向に直交するように形成されている。従って、同構成の整流子を該整流子の回転に伴って給電用ブラシに摺接されるセグメントが順次切り替わるよう配置するには、保持部の板厚方向と直流モータの回転軸の軸方向とを一致させて配置することになる。そして、この短絡部材は、摺接面と平行に配置されることから、該短絡部材の厚さ方向と保持部の板厚方向とが一致するため、短絡部材が厚さ方向に薄型化された分だけ、整流子を軸方向に小型化することができる。また、短絡部材は、1つの平面状の短絡構成部材群から構成されるため、複数の短絡構成部材群を積層して形成される従来の短絡部材よりも容易に形成することができる。
更に、この整流子を備えた直流モータにおいては、各電機子コイルの端部を、セグメントの外周側の端部に設けられた外周側接続部、若しくは、セグメントの内周側の端部に設けられた内周側接続部に接続することができる。従って、電機子コイルにおいて径方向外側から引き出された端部をセグメントの内周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの内周側の端部まで取り回す必要が無い。同様に、電機子コイルにおいて径方向内側から引き出された端部をセグメントの外周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの外周側の端部まで取り回す必要が無い。その結果、本発明の整流子を備えた直流モータにおいて、電機子コイルの端部の長さを短くすることができる。また、電機子コイルと整流子との間に電機子コイルの端部を取り回すための空間を確保しなくてもよいため、本発明の整流子を備えた電機子の軸方向の小型化を図ることができる。
なお、「平面状」とは、例えば平板状のように平らに形成されていることを意味する。そして、従って、「平面状の短絡構成部材群」とは、複数の外周側端末、複数の内周側端末及び複数の連結部にて構成される短絡構成部材群が、全体で平らに形成されていることを意味する。また、「平面状」には、全ての部位が完全に平坦な形状のみでなく、外周側端末、内周側端末及び連結部のうち少なくとも1つの部位が若干の凹凸形状を有していたり、若干屈曲されていたり、若干湾曲形状をなしていたりするものも含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の整流子と、放射状に延びる複数のティースを有する電機子コアと、各前記ティースに集中巻にて巻回され、その一端部が径方向外側から引き出されるとともにその他端部が径方向内側から引き出された複数の前記電機子コイルと、を備え、前記電機子コイルの径方向外側の一端部が前記外周側接続部に接続されるとともに、前記電機子コイルの径方向内側の他端部が前記内周側接続部に接続されたことを特徴とする電機子とした。
同構成によれば、電機子コイルの径方向外側の一端部が外周側接続部に接続されるとともに、電機子コイルの径方向外側の他端部が内周側接続部に接続される。従って、電機子コイルの径方向外側の一端部をセグメントの内周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該一端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの内周側の端部まで取り回す必要が無い。同様に、電機子コイルの径方向内側の他端部をセグメントの外周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該他端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの外周側の端部まで取り回す必要が無い。その結果、電機子コイルの一端部及び他端部の長さを短くすることができる。また、電機子コイルと整流子との間に電機子コイルの一端部若しくは他端部を取り回すための空間を確保しなくてもよいため、電機子の軸方向の小型化を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電機子と、周方向に異極となる複数の磁極を有し前記電機子と径方向に対向するマグネットと、を備えたことを特徴とする直流モータとした。
同構成によれば、直流モータは、請求項3に記載の電機子を備えることから、各電機子コイルの端部を、セグメントの外周側の端部に設けられた外周側接続部、若しくは、セグメントの内周側の端部に設けられた内周側接続部に接続することができる。従って、電機子コイルにおいて径方向外側から引き出された一端部をセグメントの内周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該一端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの内周側の端部まで取り回す必要が無い。同様に、電機子コイルにおいて径方向内側から引き出された他端部をセグメントの外周側の端部に接続しなくてもよいため、電機子コイルの当該他端部を、該電機子コイル上を伝わせてセグメントの外周側の端部まで取り回す必要が無い。その結果、電機子コイルの一端部及び他端部の長さを短くすることができる。そして、電機子コイルと整流子との間に電機子コイルの一端部若しくは他端部を取り回すための空間を確保しなくてもよいため、直流モータの軸方向の小型化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の直流モータにおいて、円筒状の部位を有するモータハウジング、及び前記円筒状の部位の内周面に固定された前記マグネットを有する固定子を備え、前記電機子は、前記固定子の内側に配置され、前記電機子コア及び前記整流子が固定される回転軸を有することをその要旨としている。
同構成によれば、固定子の内側に電機子が配置される直流モータにおいて、軸方向の小型化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の直流モータにおいて、前記マグネットを有する固定子を備え、前記電機子は、前記固定子の外側に配置され、内周面に前記電機子コア及び前記整流子が固定されるモータハウジングと、前記モータハウジングと一体回転する回転軸とを有することをその要旨としている。
同構成によれば、固定子の外側に電機子が配置される直流モータにおいて、軸方向の小型化を図ることができる。
本発明によれば、軸方向の小型化を図るとともにその製造が容易となる整流子、及び該整流子を備えた電機子並びに直流モータを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本第1実施形態の直流モータM1の断面図である。図1に示すように、直流モータM1を構成する有低円筒状のモータハウジング1の内周面には、円筒状のマグネット2が固着されるとともに、同モータハウジング1の上底部中央には、軸受3aが固定されている。そして、本実施形態の直流モータM1においては、モータハウジング1及びマグネット2が固定子を構成している。なお、マグネット2は、周方向に異極となる6個の磁極を有するとともに、その径方向の厚さは、モータハウジング1の厚さと略等しく形成されている。そして、このモータハウジング1の開口部は、略円板状のエンドフレーム4にて閉塞されるとともに、該エンドフレーム4の中央には、前記軸受と対をなす軸受3bが固定されている。
前記エンドフレーム4におけるモータハウジング1側の面には、合成樹脂製のブラシホルダ5が固定されている。同ブラシホルダ5は、エンドフレーム4に固定される円板状の固定板5aと、該固定板5a上からモータハウジング1の上底部側に向かって延びる2つの四角筒状のブラシ保持部5b,5cとから構成されている。2つのブラシ保持部5b,5cは、固定板5aの中央から変位した位置で互いに対称となる位置に配置されるとともに、2つのブラシ保持部5b,5cの互いに対向する内側の側壁には、直流モータM1の縦方向に延びる挿入溝5d,5eがそれぞれ形成されている。
前記固定板5aの中央部には、2つの板ばね6,7の基端が固定されている。板ばね6,7は、固定板5aの中央部から対称状にそれぞれブラシ保持部5b,5cに向かって延びるとともに、先端に向かうに連れて徐々に固定板5aから遠ざかるように形成されている。そして、板ばね6,7は、前記挿入溝5d,5eからそれぞれブラシ保持部5b,5c内に挿入され、その先端はブラシ保持部5b,5c内に配置されている。
図1における左側のブラシ保持部5bには、略直方体状の陽極側ブラシ8が挿入されるとともに、図1における右側のブラシ保持部5cには、陽極側ブラシ8と同様の形状をなす陰極側ブラシ9が挿入されている。陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9の固定板5a側の下端には、前記板ばね6,7の先端がそれぞれ当接しており、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9は、前記板ばね6,7によってそれぞれブラシ保持部5b,5cの開口部側(上方)に付勢されている。なお、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9は、外部の電源装置(図示略)に接続されている。
前記モータハウジング1及び前記エンドフレーム4にて囲まれた空間内には、電機子11が回転可能に収容されている。電機子11を構成する回転軸12は、一対の前記軸受3a,3bによって回転可能に支持されるとともに、該回転軸12のエンドフレーム4側の端部は、前記固定板5a及びエンドフレーム4の中央部からモータハウジング1の外部に突出している。この回転軸12におけるモータハウジング1の上底部寄りの位置には、電機子コアとしてのコア13が固定されている。図2に示すように、コア13は、回転軸12の径方向に沿って放射状に延びる8つのティース14a〜14hを有しており、これら8つのティース14a〜14h間の空間がスロット15a〜15h(図7参照)となっている。このコア13には、該コア13の内周面及び外周面(ティース14a〜14hの先端面)を除く部分を覆うインシュレータ16が軸方向の両側から装着されている。このインシュレータ16は、絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されている。
各ティース14a〜14hには、インシュレータ16の上から、各ティース14a〜14hの周方向の両側のスロット15a〜15h(図7参照)を通るように導線17が集中巻にて巻回されている。これにより、導線17によって、電機子コイルとしてのコイル18a〜18hが構成されている。そして、コア13と各コイル18a〜18hとは、インシュレータ16によって絶縁されている。また、各コイル18a〜18hは、各ティース14a〜14hの径方向内側の基端部から径方向外側の先端部に向かって巻回されており、その一端部19aは径方向外側から引き出されるとともに、他端部19bは径方向内側から引き出されている。
なお、インシュレータ16において、軸方向の各ティース14a〜14hの両端部を覆う部位の径方向外側の端部には、各コイル18a〜18hの径方向外側へのはみ出しを防止すべく軸方向に沿って延びるはみ出し防止壁16aが立設されている。そして、図3(a)に示すように、はみ出し防止壁16aの径方向内側の面には、該面の中央部で径方向内側に突出する第1の保持凸部16bが設けられている。更に、第1の保持凸部16bの周方向の両側には、該第1の保持凸部16bとの間に間隔を空けた位置に、径方向内側に突出する第2及び第3の保持凸部16c,16dが設けられている。この第1の保持凸部16bは変形円柱状をなすとともに、第2及び第3の保持凸部16c,16dは円柱状をなしている。また、第1の保持凸部16bと第2の保持凸部16cとの間の間隔は、前記導線17の直径と等しいか同導線17の直径よりもやや狭くなっている。同様に、第1の保持凸部16bと第3の保持凸部16dとの間の間隔は、前記導線17の直径と等しいか同導線17の直径よりもやや狭くなっている。
そして、図3(a)及び図3(b)に示すように、各コイル18a〜18hの径方向外側から引き出される一端部19aは、第1の保持凸部16bと第2の保持凸部16cとの間を通って軸方向に引き出されている。これにより、各コイル18a〜18hの径方向外側の一端部19aは、第1の保持凸部16b及び第2の保持凸部16cによって周方向から挟持され、軸方向に沿った状態に保たれる。
図1に示すように、前記回転軸12において、前記コア13と前記ブラシホルダ5との間となる位置には、整流子21が固定されている。図4は整流子21の軸方向断面図であり、図5は整流子21の底面図である。図4及び図5に示すように、整流子21は、周方向に配置された24個のセグメント22と、同電位となるセグメント22同士を短絡するための短絡部材23(図5においては図示略)と、セグメント22及び短絡部材23を保持する保持部24とから構成されている。
図5に示すように、24個のセグメント22は、周方向に隣り合うセグメント22間に間隔を空けて、放射状に、且つ周方向に等角度間隔に配置されている。24個のセグメント22は、軸方向(図5における紙面垂直方向)から見ると、径方向内側の中心側の端部から外周側に向かうに連れて徐々にその周方向の幅が広くなる略扇形状をなすとともに、隣り合うセグメント22間の間隔の幅が径方向に一定となっている。
各セグメント22は、軸方向から見た形状が略扇形状をなす板状のセグメント本体31を有するとともに、図4に示すように、該セグメント本体31の図4における下面は、平坦な摺接面31aとなっている。また、図6(b)に示すように、セグメント本体31の内周側の端部には、内周側接続部32が設けられている。この内周側接続部32は、セグメント本体31の内周側の端部から径方向内側に延設された内周側コイル接続部32aと、該内周側コイル接続部32aの先端から径方向内側に延設された内周側端末接続部32bとから構成されている。内周側コイル接続部32aは、その基端から先端に向かうに連れて徐々に摺接面31aから遠ざかるように該摺接面31aに対して傾斜している。また、内周側端末接続部32bは、内周側コイル接続部32aの先端から摺接面31aと平行に延びるとともに、軸方向(摺接面31aと直交する方向に同じ)から見た形状が、径方向内側に向かうに連れて徐々に幅が狭くなる略台形状をなしている。そして、図4に示すように、内周側端末接続部32bの上面は、摺接面31aと平行な内周側接続面32cとなっている。なお、内周側接続部32の図4における上下方向(軸方向に同じ)の厚さは、セグメント本体31の軸方向の厚さよりも薄い。そして、24個のセグメント22は、24個の摺接面31aが同一平面内に配置されるとともに、24個の内周側接続面32cが同一平面内に配置されるように、放射状に配置されている。また、放射状に配置された24個のセグメント22において、内周側端末接続部32bの先端を通る円の直径は、前記回転軸12の外径よりも大きい。
図6(b)に示すように、セグメント本体31の外周側の端部には、外周側接続部33がセグメント本体31と一体に設けられている。この外周側接続部33は、セグメント本体31の外周側の端面において該端面の周方向の中央部から周方向に変位した位置に突出形成された外周側コイル接続部33aと、該外周側コイル接続部33aと周方向に隣り合う位置に突出形成された外周側端末接続部33bとから構成されている。外周側コイル接続部33aは、セグメント本体31の外周側の端部から該セグメント本体31と同じ厚さで径方向外側に突出している。そして、24個のセグメント本体31のうち、周方向に2つ置きのセグメント本体31に設けられた外周側コイル接続部33aの径方向外側の先端には、セグメント本体31の厚さ方向に沿って延びる接続溝33dが形成されている。図3(b)に示すように、接続溝33dにおける周方向の幅は、前記導線17の直径と略等しく形成されるとともに、該接続溝33dの深さ(径方向の幅)は、導線17の直径よりもやや深く形成されている。
図4及び図6(b)に示すように、前記外周側端末接続部33bは、その厚さがセグメント本体31よりも薄く形成されるとともに、その基端から先端に向かうに連れて前記摺接面31aから遠ざかるように同摺接面31aに対して傾斜している。そして、外周側端末接続部33bの径方向内側の面である外周側接続面33cと、セグメント本体31における摺接面31aと平行な上面31bとは、鈍角をなしている。
図4及び図6(a)に示すように、前記短絡部材23は、1つの平板状の短絡構成部材群41から構成されている。短絡構成部材群41は、各セグメント22の前記外周側端末接続部33bに接続される24個の外周側端末42と、外周側端末42の内側で前記内周側端末接続部32b上に載置される24個の内周側端末43と、外周側端末42と内周側端末43とを所定角度ずらして接続する24個の連結部44から構成されている。
図4に示すように、外周側端末42は、前記セグメント22の摺接面31aと平行に延びる板状をなしており、その径方向外側の端部には、前記外周側接続面33cと平行に延びる板状の接続片45が一体に形成されている。一方、内周側端末43は、前記内周側接続面32cと同様の台形状の板状をなすとともに、摺接面31aと平行、即ち内周側端末接続部32bの内周側接続面32cと平行に配置されている。
図6(a)に示すように、24個全ての前記連結部44は、外周側端末42と内周側端末43とを120°ずらして接続するように、即ち、120°離れた位置にある外周側端末42と内周側端末43とを接続するように延びている。詳しくは、連結部44は、インボリュート曲線に沿った湾曲形状をなすとともに、図6(a)においては(図4における上方から見た場合に同じ)、各外周側端末42から、時計方向に120°離れた位置に配置された内周側端末43まで延びている。更に、周方向に隣り合う連結部44同士は、互いに非接触となるように間隔を空けて配置されている。また、短絡構成部材群41の板厚は、セグメント本体31の板厚(軸方向に沿った厚さ)よりも薄く形成されている。
上記のような短絡部材23は、導電性の板材(例えば銅板)をパンチ(図示略)にて打ち抜いた後に、接続片45となる部位を屈曲して形成される。そして、短絡部材23は、図4及び図6(a)(b)に示すように、周方向に配置された24個のセグメント22に対し、各内周側端末43を各内周側端末接続部32bの内周側接続面32cにそれぞれ当接させるとともに、各外周側端末42を各外周側端末接続部33bの外周側接続面33cにそれぞれ当接させて配置されている。そして、短絡部材23が24個のセグメント22に対して配置された状態では、接続片45を除く短絡部材23におけるセグメント22側の面(図4における下側の面)が、内周側接続面32cと同一平面内に配置される。そのため、短絡部材23は、摺接面31aに対して平行に配置されるとともに、板厚方向(軸方向に同じ)に互いに対向するセグメント本体31の前記上面31bと連結部44とが、間隔を空けて配置されることになり、互いに非接触とされる。そして、互いに接触する接続片45と外周側端末接続部33b、及び内周側端末43と内周側端末接続部32bは、それぞれ溶接により接合されている。これにより、接続片45を介して外周側端末42と外周側端末接続部33bとが電気的に接続されるとともに内周側端末43と内周側端末接続部32bとが電気的に接続されている。そして、24個のセグメント22に対して短絡部材23が電気的に接続されると、周方向に120°間隔を空けて配置されたセグメント22同士が該短絡部材23によって短絡されて同電位とされる。
図4に示すように、略円盤状をなす前記保持部24は、絶縁性の樹脂材料よりなり、前記セグメント22の一部及び前記短絡部材23を埋設させることにより、セグメント22及び短絡部材23を一体化して保持している。詳しくは、保持部24の外径は、周方向に配置された24個のセグメント22の外周側コイル接続部33aの先端を通る円と略等しく形成されるとともに、マグネット2の内径よりも大きく且つモータハウジング1の内径よりも小さく形成されている(図1参照)。このため、接続片45を介して外周側端末42がセグメント22の外周側端末接続部33bに接続される短絡部材23の外径も、マグネット2の内径よりも大きく且つモータハウジング1の内径よりも小さく形成されることになる。そして、保持部24は、該保持部24の軸方向の一端面24a(図4における下端面)よりも各セグメント22の摺接面31aが軸方向に突出した位置に配置されるように、且つ24個の摺接面31aが保持部24の軸方向の一端面24aと平行な同一平面内に配置されるように、24個のセグメント22を保持している。
また、図5に示すように、保持部24を構成する樹脂材料は、周方向に隣り合うセグメント22間に介在されることにより、周方向に隣り合うセグメント22同士が短絡されることを防止している。更に、図4に示すように、保持部24は、短絡部材23の全体を該保持部24の内部に埋設した状態で当該短絡部材23を保持している。そして、保持部24を構成する樹脂材料は、板厚方向(軸方向に同じ)に互いに対向する前記セグメント本体31の前記上面31bと連結部44との間に介在され、連結部44とセグメント22とが短絡されることを防止している。
更に、図5に示すように、保持部24の外周面には、外周側コイル接続部33aの周方向位置に対応する位置に、軸方向に沿って延びる24個の案内溝24bが形成されるとともに、該案内溝24bの周方向の幅は、外周側コイル接続部33aの周方向の幅よりも若干広く形成されている。そして、この案内溝24bが形成されることにより、外周側コイル接続部33aは、案内溝24bの底面24cから径方向外側に突出し、接続溝33dが保持部24と軸方向に重ならないようになっている。
また更に、保持部24の径方向中央部には、その直径が前記回転軸12の外径と等しいか若干小さく形成された嵌入孔24dが軸方向に沿って貫通して形勢されている。そして、図4に示すように、この嵌入孔24dの軸方向の他端側(図4における上端側)の開口周縁には、嵌入孔24dを延長するように軸方向に突出した円筒状のボス部24eが一体に形成されている。ボス部24eの内径は、嵌入孔24dの直径と等しく形成されるとともに、ボス部24eの外径は、前記内周側端末接続部32bの先端を通る円よりも小さく形成されている。
また更に、図4及び図5に示すように、保持部24において、ボス部24eの周囲には、軸方向に貫通した8個の挿通孔24fが形成されている。8個の挿通孔24fは、軸方向から見ると、接続溝33dを有するセグメント22の隣(図5においては左隣)に配置されたセグメント22の内周側端末接続部32bの先端とボス部24eの外周面との間に形成されるとともに、周方向に等角度間隔に形成されている。そして、各挿通孔24fの直径は前記導線17の直径よりも若干大きく形成されている。
上記のように構成された整流子21は、図1及び図2に示すように、セグメント22(摺接面31a)がコア13と逆方向を向くようにして、嵌入孔24d及びボス部24eに回転軸12が圧入されることにより、回転軸12に対して一体回転可能に固定されている。回転軸12に固定された整流子21においては、保持部24の板厚方向と回転軸12の軸方向とが一致している。また、回転軸12に固定された整流子21においては、接続溝33dを有する8個のセグメント22は、その周方向の位置が、各コイル18a〜18hの径方向外側の一端部19aが引き出される位置と一致している。同時に、8個の挿通孔24fは、各コイル18a〜18hの径方向内側の他端部19bが引き出される位置付近に配置される。
そして、図5に示すように、径方向外側から引き出されるコイル18a〜18hの一端部19aは、保持部24の外周面に形成された案内溝24bを通って、それぞれ対応するセグメント22の外周側コイル接続部33aに形成された接続溝33d内に案内される。この状態で、径方向外側から溶接が施され、コイル18a〜18hの径方向外側の一端部19aと対応する外周側コイル接続部33aとが電気的に接続される。
一方、径方向内側から引き出されるコイル18a〜18hの他端部19bは、対応する挿通孔24fに保持部24側からセグメント22側に向かって挿通され、各挿通孔24fと径方向に並ぶ内周側コイル接続部32aに溶接により電気的に接続される。例えば、図2に示すように、コイル18aの他端部19bは、コイル18aの一端部19aが接続されたセグメント22の隣(図2において左隣)に配置されたセグメント22と径方向に並ぶ挿通孔24fに挿通され、コイル18aの一端部19aが接続されたセグメント22の隣(図2において左隣)に配置されたセグメント22の内周側コイル接続部32aに接続される。コイル18b〜18hの他端部19bについてもコイル18aの他端部19bと同様に対応する内周側コイル接続部32aにそれぞれ接続される。
そして、図7に示すように、各コイル18a〜18hの一端部19aと他端部19bとは、周方向に隣り合って対をなす2つのセグメント22にそれぞれ接続される。なお、図7においては、ティース14aとティース14hとの間に配置されたセグメント22から順に(図2においては時計方向周り)にセグメント番号「1」〜「24」を付している。例えば、周方向に隣り合って対をなす2つのセグメント番号「2」,「3」のセグメント22には、コイル18aの一端と他端とがそれぞれ接続されている。そして、セグメント番号「4」のセグメント22には何れのコイル18a〜18hの端部も接続されず、周方向に隣り合って対をなすセグメント番号「5」,「6」のセグメント22にコイル18bの一端と他端とがそれぞれ接続されている。同様に、セグメント番号「4」のセグメント22から2つ置きのセグメント番号「7」,「10」,「13」,「16」,「19」,「22」,「1」のセグメント22には、何れのコイル18a〜18hの端部も接続されていない。そして、セグメント番号「8」,「9」のセグメント22にコイル18cの一端と他端とがそれぞれ接続されるとともに、セグメント番号「11」,「12」のセグメント22にコイル18dの一端と他端とがそれぞれ接続され、更に、セグメント番号「14」,「15」のセグメント22にコイル18eの一端と他端とがそれぞれ接続されている。また、セグメント番号「17」,「18」のセグメント22にコイル18fの一端と他端とがそれぞれ接続されるとともに、セグメント番号「20」,「21」のセグメント22にコイル18gの一端と他端とがそれぞれ接続され、更に、セグメント番号「23」,「24」のセグメント22にコイル18hの一端と他端とがそれぞれ接続されている。
そして、図1に示すように、電機子11がモータハウジング1内に配置された状態では、各セグメント22の摺接面31aには、軸方向から陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9の先端が摺接される。また、同状態では、整流子21は、マグネット2の図1における下端面よりもモータハウジング1の開口部側に配置されており、マグネット2の下端面と軸方向に対向する。
上記のように構成された本実施形態の直流モータM1では、外部の電源装置から陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9を介してコイル18a〜18hに選択的に電流が供給されると、コイル18a〜18hにて発生される回転磁界に応じて電機子11が回転する。電機子11が回転すると整流子21が回転することから、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9に摺接するセグメント22が切り替わり、順次コイル18a〜18hの整流が行われる。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用・効果を有する。
(1)短絡部材23は、1つの短絡構成部材群41から構成されるため、複数の短絡構成部材群を積層して形成される従来の短絡部材よりも、その厚さを薄くすることができる。また、24個のセグメント22は保持部24の板厚方向の一端に放射状に配置されるとともに、各セグメント22の摺接面31aは保持部24の板厚方向に直交するように形成されている。従って、整流子21を該整流子21の回転に伴って陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9に摺接されるセグメント22が順次切り替わるように電機子11の回転軸12に対して固定するには、保持部24の板厚方向と回転軸12の軸方向とを一致させて固定することになる。そして、この短絡部材23は、摺接面31aと平行に配置されることから、該短絡部材23の厚さ方向と保持部24の板厚方向とが一致するため、短絡部材23が板厚方向に薄型化された分だけ、整流子21を軸方向に小型化することができる。
(2)短絡部材23は、1つの平板状の短絡構成部材群41から構成されるため、複数の短絡構成部材群を積層して形成される従来の短絡部材よりも簡易な構成となるとともに、容易に形成することができる。
(3)整流子21を備えた直流モータM1においては、各コイル18a〜18hの端部19a,19bを、セグメント22の外周側の端部に設けられた外周側コイル接続部33a、若しくはセグメント22の内周側の端部に設けられた内周側コイル接続部32aに接続することができる。従って、各コイル18a〜18hにおいて径方向外側から引き出された一端部19aをセグメント22の内周側の端部に接続しなくてもよいため、各コイル18a〜18hの当該一端部19aを、コイル18a〜18h上を伝わせてセグメント22の内周側の端部まで取り回す必要が無い。同様に、コイル18a〜18hにおいて径方向内側から引き出された他端部19bをセグメント22の外周側の端部に接続しなくてもよいため、コイル18a〜18hの当該他端部19bを、コイル18a〜18h上を伝わせてセグメント22の外周側の端部まで取り回す必要が無い。その結果、整流子21を備えた直流モータM1において、各コイル18a〜18hの一端部19a及び他端部19bの長さを短くすることができる。また、コイル18a〜18hと整流子21との間にコイル18a〜18hの一端部19a若しくは他端部19bを取り回すための空間を確保しなくてもよいため、整流子21を備えた電機子11の軸方向の小型化を図ることができ、ひいては固定子の内側に電機子11が配置される直流モータM1の軸方向の小型化を図ることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本第2実施形態の直流モータM2の概略構成を示す軸方向断面図であり、図9は、直流モータM2の概略構成を示す径方向断面図である。図8に示すように、直流モータM2は、固定子51と電機子52とから構成されている。
固定子51は、エンドフレーム4、及び該エンドフレーム4上に配置されるブラシホルダ5を備えている。そして、ブラシホルダ5の中央部には、円筒状の磁石固定部53が設けられるとともに、該磁石固定部53の外周面には、円筒状のマグネット54が固定されている。このマグネット54は、上記第1実施形態のマグネット2と同様に、周方向に異極となる6個の磁極を有する。また、磁石固定部53の内周面には、円筒状の軸受55が固定されている。
前記電機子52は、前記軸受55にて軸支される回転軸61を有し、該回転軸61の一端(図8における上側の端部)には、有底円筒状のモータハウジング62が一体回転可能に固定されている。このモータハウジング62の内周面には、電機子コアとしてのコア63が固定されている。図9に示すように、コア63は、モータハウジング62における円筒状の部位の内周面に圧入固定される円筒状の固定部63aと、該固定部63aの内周面から径方向内側に向かって放射状に延びる8個のティース64a〜64hとから構成されている。このコア63は、モータハウジング62の内周面に固定されることにより、前記マグネット54と径方向に対向するとともに、同コア63には、該コア13の外周面及び内周面(ティース64a〜64hの先端面)を除く部分を覆う絶縁性のインシュレータ65が軸方向の両側から装着されている。
各ティース64a〜64hには、インシュレータ65の上から、導線17が集中巻にて巻回され、これにより、導線17によって、電機子コイルとしてのコイル66a〜66hが構成されている。なお、各コイル66a〜66hは、各ティース64a〜64hの径方向外側の基端部から径方向内側の先端部に向かって巻回されており、図8に示すように、その一端部67aは径方向外側から引き出されるとともに、他端部67bは径方向内側から引き出されている。
また、モータハウジング62の内周面において前記コア63よりもモータハウジング62の開口部側となる位置には、整流子68が一体回転可能に固定されている。本第2実施形態の整流子68は、周方向に配置された24個のセグメント22(図8においては2つのみ図示)と、同電位となるセグメント22同士を短絡するための短絡部材23と、セグメント22及び短絡部材23を保持する円板状の保持部69とから構成されている。
24個の前記セグメント22のうち、周方向に2つ置きのセグメント22に設けられた外周側コイル接続部33aの径方向外側の先端には、上記第1実施形態と同様に、セグメント本体31の厚さ方向に沿って延びる接続溝33dが形成されている。
また、前記保持部69は、上記第1実施形態の保持部24とほぼ同じ形状をなしている。詳述すると、保持部69は、ボス部24eを備えないとともに、保持部24における嵌入孔24dに替えて回転軸61の外径よりも若干大きな直径を有する挿入孔69aを備えている。そして、ボス部24e及び挿入孔69a(嵌入孔24d)以外の部位については、保持部69と上記第1実施形態の保持部24とは同じ形状をなすとともに、その外径がモータハウジング62の内径と等しいか若干大きく形成されている。
このような整流子68は、セグメント22(摺接面31a)がコア63と逆方向を向くようにして、モータハウジング62内に圧入されることにより、保持部69の外周面とモータハウジング62の内周面とが接触した状態でモータハウジング62の内周面に固定されている。モータハウジング62に固定された整流子68においては、保持部69の板圧方向と回転軸61の軸方向とが一致している。また、モータハウジング62に固定された整流子68においては、上記第1実施形態と同様に、接続溝33dを有する8個のセグメント22は、その周方向の位置が、各コイル66a〜66hの径方向外側の一端部67aが引き出される位置と一致している。同時に、8個の挿通孔24fは、各コイル66a〜66hの他端部67bが引き出される位置付近に配置される。
そして、径方向外側から引き出されるコイル66a〜66hの一端部67aは、保持部69の外周面に形成された案内溝24bを通って、それぞれ対応するセグメント22の外周側コイル接続部33aに形成された接続溝33d内に案内される。そして、外周側コイル接続部33a及びコイル66a〜66hの一端部67aに対して溶接が施され、それぞれ対応する一端部67aと外周側コイル接続部33aとが電気的に接続される。
一方、径方向内側から引き出されるコイル66a〜66hの他端部67bは、対応する挿通孔24fに保持部69側からセグメント22側に向かって挿通され、各挿通孔24fと径方向に並ぶ内周側コイル接続部32aに溶接により電気的に接続される。例えば、コイル66hの他端部67bは、コイル66hの一端部67aが接続されたセグメント22の隣に配置されたセグメント22と径方向に並ぶ挿通孔24fに挿通され、コイル66hの一端部67aが接続されたセグメント22の隣に配置された前記セグメント22の内周側コイル接続部32aに接続される。コイル66a〜66gの他端部67bについてもコイル66hの他端部67bと同様に対応する内周側コイル接続部32aに接続される。
上記のように構成された直流モータM2では、外部の電源装置から陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9を介してコイル66a〜66hに選択的に電流が供給されると、コイル66a〜66hにて発生される回転磁界に応じて電機子52が回転する。電機子52が回転すると整流子68が回転することから、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9に摺接するセグメント22が切り替わり、順次コイル66a〜66hの整流が行われる。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(2)と同様の作用・効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)短絡部材23は、1つの短絡構成部材群41から構成されるため、複数の短絡構成部材群を積層して形成される従来の短絡部材よりも、その厚さを薄くすることができる。また、24個のセグメント22は保持部69の板厚方向の一端に放射状に配置されるとともに、各セグメント22の摺接面31aは保持部69の板厚方向に直交するように形成されている。従って、整流子68を該整流子68の回転に伴って陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9に摺接されるセグメント22が順次切り替わるようにモータハウジング62の内周面に対して固定するには、保持部69の板厚方向と回転軸61の軸方向とを一致させて固定することになる。そして、この短絡部材23は、摺接面31aと平行に配置されることから、該短絡部材23の厚さ方向と保持部24の板厚方向とが一致するため、短絡部材23が板厚方向に薄型化された分だけ、整流子68を軸方向に小型化することができる。
(2)整流子68を備えた直流モータM2においては、各コイル66a〜66hの端部67a,67bを、セグメント22の外周側の端部に設けられた外周側コイル接続部33a、若しくはセグメント22の内周側の端部に設けられた内周側コイル接続部32aに接続することができる。従って、各コイル66a〜66hにおいて径方向外側から引き出された一端部67aをセグメント22の内周側の端部に接続しなくてもよいため、各コイル66a〜66hの当該一端部67aを、コイル66a〜66h上を伝わせてセグメント22の内周側の端部まで取り回す必要が無い。同様に、コイル66a〜66hにおいて径方向内側から引き出された他端部67bをセグメント22の外周側の端部に接続しなくてもよいため、コイル66a〜66hの当該一他端部67bを、コイル66a〜66h上を伝わせてセグメント22の外周側の端部まで取り回す必要が無い。その結果、整流子68を備えた直流モータM2において、各コイル66a〜66hの一端部67a及び他端部67bの長さを短くすることができる。また、コイル66a〜66hと整流子68との間にコイル66a〜66hの一端部67a若しくは他端部67bを取り回すための空間を確保しなくてもよいため、整流子68を備えた電機子52の軸方向の小型化を図ることができ、ひいては固定子51の外周側に電機子52が配置された直流モータM2の軸方向の小型化を図ることができる。
(3)24個のセグメント22のうち、コイル66a〜66hの径方向外側の一端部67aが接続される8個のセグメント22の外周側コイル接続部33aには、接続溝33dが形成されている。また、保持部24の外周面には、外周側コイル接続部33aの周方向位置に対応する位置に、軸方向に沿って延びる24個の案内溝24bが形成されている。従って、有底円筒状のモータハウジング62の内周面に整流子68が固定される場合であっても、コイル66a〜66hの径方向外側の一端部67aは、保持部69側から案内溝24b内を通って接続溝33d内に容易に配置される。従って、有底円筒状のモータハウジング62の内周面に整流子68が固定される場合であっても、外周側コイル接続部33aに対してコイル66a〜66hの径方向外側の一端部67aを容易に接続することができる。
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態では、整流子68は、保持部69の外周面をモータハウジング62の内周面に接触させて固定されている。しかしながら、整流子68は、固定用の部品を介しモータハウジング62の内周面に固定されるものであってもよい。
・上記各実施形態では、マグネット2,54は、円筒状に形成され、周方向に異極となるように着磁されることにより6個の磁極を有している。しかしながら、マグネット2,54は、周方向に分割された6個の分割マグネットから構成されるものであってもよい。この場合、6個の分割マグネットは、周方向に異極となるように配置される。
・上記第2実施形態では、電機子52は、回転軸61を有するとともに、マグネット2,54に対して周方向に回転するように構成されているが、これに限らない。例えば、回転軸61に対して磁石固定部53及びブラシホルダ5を一体回転可能に固定したもの回転子とし、モータハウジング62、コア63、コイル66a〜66h及び整流子68を固定子としてもよい。
・上記各実施形態では、短絡部材23は、平板状の短絡構成部材群41から構成されている。しかしながら、図10に示すような短絡部材81としてもよい。図10に示す整流子82は、放射状に延びる12個のセグメント83と、該セグメント83を保持する平板状の保持部84と、前記短絡部材81とから構成されている。各セグメント83は、その外周側の端部に径方向外側に突出した外周側接続部83aを有するとともに、その径方向内側の端部に径方向内側に突出した内周側接続部83bを有している。所定のセグメント83の外周側接続部83aには、電機子コイル(図示略)の径方向外側の端部が接続されるとともに、所定のセグメント83の内周側接続部83bには、電機子コイル(図示略)の径方向内側の端部が接続される。前記保持部84は、円環状をなし、12個のセグメント83において給電用ブラシが摺接される摺接面(図示略)が同一平面内に配置されるように、且つ12個のセグメント83が周方向に等角度間隔となるようにこれらセグメント83を保持している。そして、保持部84におけるセグメント83(摺接面)と逆側の面は、平坦な配置面84aとなっている。この配置面84a上に前記短絡部材81が配置されている。短絡部材81、即ち短絡構成部材群85は、周方向に配置された複数(図10においては12本)の短絡導線86から構成されている。各短絡導線86は、その径方向外側の一端が外周側接続部83aに電気的に接続されるとともに、その径方向内側の他端が、該短絡導線86の径方向外側の一端が接続されたセグメント83から反時計方向に120°離れた位置に配置されたセグメント83の内周側接続部83bに電気的に接続されている。これにより、各短絡導線86は、周方向に120°離れた位置にあるセグメント83同士を短絡している。このように構成された短絡部材81は、平坦な配置面84a上に配置されるとともに、12本の短絡導線86は、全て同方向に周方向に120°ずれた位置にある外周側接続部83a及び内周側接続部83bを接続することから、互いに重なり合わないため、配置面84aに応じた平面状に形成される。そして、短絡部材81は、整流子82の板厚方向(軸方向に同じ)の厚さが、短絡導線86の直径分の厚さとなる。従って、整流子82の軸方向の小型化を図ることができる。但し、この整流子82を直流モータに備える場合には、マグネットの磁極の数及び電機子コイルの数を適宜変更する。また、短絡導線86においては、その径方向外側の端部が外周側端末に該当するとともに、その径方向内側の端部が内周側端末に該当し、更に、当該短絡導線86において外周側接続部83aと内周側接続部83bとの間の部位が連結部に該当する。
・上記各実施形態では、直流モータM1,M2は、6つの磁極を有するとともに、8個のコイル18a〜18h,66a〜66hを有し、更に、24個のセグメント22を備えている。しかしながら、磁極の数、コイル(ティース)の数及びセグメントの数は、適宜変更してもよい。この場合、セグメントの数は、例えば、マグネットの磁極の数とコイル(ティース)の数との最小公倍数とする。
第1実施形態の直流モータの概略構成図。 第1実施形態の電機子の分解斜視図。 (a)は第1実施形態の電機子コアの部分拡大斜視図、(b)は第1実施形態の電機子の部分拡大斜視図。 第1実施形態の整流子の断面図。 第1実施形態の整流子の底面図。 (a)は短絡部材の斜視図、(b)はセグメントの斜視図。 直流モータの電気的構成を示す展開図。 第2実施形態の直流モータの概略構成を示す軸方向断面図。 第2実施形態の直流モータの概略構成を示す径方向断面図。 別の形態の整流子の平面図。
符号の説明
1,62…モータハウジング、2,54…マグネット、8…給電用ブラシとしての陽極側ブラシ、9…給電用ブラシとしての陰極側ブラシ、11,52…電機子、12,61…回転軸、13,63…電機子コアとしてのコア、14a〜14h,64a〜64h…ティース、18a〜18h,66a〜66h…電機子コイルとしてのコイル、19a,67a…電機子コイルの一端部、19b,67b…電機子コイルの他端部、21,68,82…整流子、22,83…セグメント、23,81…短絡部材、24,69,84…保持部、31a…摺接面、32,83b…内周側接続部、33,83a…外周側接続部、41,85…短絡構成部材群、42…外周側端末、43…内周側端末、44…連結部、51…固定子。

Claims (5)

  1. 板状をなす保持部と、
    前記保持部の板厚方向の一端に放射状に配置され、給電用ブラシが摺接されると共に前記保持部の板厚方向と直交する摺接面を有する複数のセグメントと、
    周方向に前記セグメントと同数配置された外周側端末と、前記外周側端末の内側で周方向に前記外周側端末と同数配置された内周側端末と、前記外周側端末と同数設けられ前記外周側端末と前記内周側端末とを全て同方向に周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する連結部とを有する1つの平面状の短絡構成部材群から構成されるとともに、前記摺接面と平行に配置され、同電位となる前記セグメント同士を短絡する短絡部材と、
    を備え、
    前記セグメントは、該セグメントにおける外周側の端部に前記外周側端末及び電機子コイルの径方向外側の端部が接続される外周側接続部を有するとともに、該セグメントにおける内周側の端部に前記内周側端末及び電機子コイルの径方向内側の端部が接続される内周側接続部を有することを特徴とする整流子。
  2. 請求項1に記載の整流子と、
    放射状に延びる複数のティースを有する電機子コアと、
    各前記ティースに集中巻にて巻回され、その一端部が径方向外側から引き出されるとともにその他端部が径方向内側から引き出された複数の前記電機子コイルと、
    を備え、
    前記電機子コイルの径方向外側の一端部が前記外周側接続部に接続されるとともに、前記電機子コイルの径方向内側の他端部が前記内周側接続部に接続されたことを特徴とする電機子。
  3. 請求項2に記載の電機子と、
    周方向に異極となる複数の磁極を有し前記電機子と径方向に対向するマグネットと、
    を備えたことを特徴とする直流モータ。
  4. 請求項3に記載の直流モータにおいて、
    円筒状の部位を有するモータハウジング、及び前記円筒状の部位の内周面に固定された前記マグネットを有する固定子を備え、
    前記電機子は、前記固定子の内側に配置され、前記電機子コア及び前記整流子が固定される回転軸を有することを特徴とする直流モータ。
  5. 請求項3に記載の直流モータにおいて、
    前記マグネットを有する固定子を備え、
    前記電機子は、前記固定子の外側に配置され、内周面に前記電機子コア及び前記整流子が固定されるモータハウジングと、前記モータハウジングと一体回転する回転軸とを有することを特徴とする直流モータ。
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