JP2008028723A - 無線タグ読取書込み装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】密集した無線タグであっても安定して読取及び又は書込みを行う無線タグ読取書込み装置を提供する。
【解決手段】アンテナに対し無線タグの方向とは反対側に位置し、アンテナが送受信する電波を反射し、無線タグとの距離が異なる1段以上の段差を設けたリフレクタとを備える。リフレクタの段差の数を増やすほど、無線タグを安定して読書きできる周波数帯域が広がる。多数密集した無線タグを読み書きするために、アンテナとリフレクタを可動にする可動機構をさらに設けてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】アンテナに対し無線タグの方向とは反対側に位置し、アンテナが送受信する電波を反射し、無線タグとの距離が異なる1段以上の段差を設けたリフレクタとを備える。リフレクタの段差の数を増やすほど、無線タグを安定して読書きできる周波数帯域が広がる。多数密集した無線タグを読み書きするために、アンテナとリフレクタを可動にする可動機構をさらに設けてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線タグの読取書込み装置に係り、特に無線タグが密集していても安定して無線タグの読取及び又は書込みを行う無線タグの読取書込み装置に関する。
従来の無線タグ読取書込み装置は、無線タグとの距離が変動したり、または無線タグが多数密集したりした場合には、アンテナの特性値であるリターンロスが、無線タグの読み書きに必要な周波数において高い値となり、無線タグの読み書きができないことがあるという問題点があった。
このような場合の対処として、アンテナを移動させるということが考えられる。しかし、無線タグ読取書込み装置にアンテナ可動装置などを設けなければならず、無線タグ読取書込み装置の製造コストを押し上げるという問題があった。
また、無線タグが貼付された物品が無線タグ読取書込み装置からの距離が変わったり、アンテナからの直接波とアンテナの反射板からの反射波の位相が180度ずれる位置に無線タグが位置したりすると、電波の打ち消し合いが起こり無線タグと情報の読み書きができなくなるという問題点があった。
特許文献1には、電波反射板と無線タグリーダライタとを対向して配置し、無線タグを反射板に配置することが記載されている。この特許文献は無線タグと反射板との距離が、無線タグと反射板間での等価電気波長をλgとし、nを整数とすると、(λg/4±λg/8)又は(λg/4(2n+1)±λg/8)にて表されることを開示している。
特開2004−250185号公報
しかし、特許文献1の技術においても、無線タグの位置が変わったりすると、アンテナからの直接波と反射板からの反射波の位相が180度ずれる位置があり、この位置に無線タグがある場合には電波の打ち消し合いが起こり無線タグに情報の読み書きができなくなるという問題点があった。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、無線タグが密集しても、また無線タグの位置が変化しても安定して無線タグの読取及び又は書込みを行う無線タグ読取書込み装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1の無線タグ読取書込み装置は、密集した無線タグから情報を読み込み及び又は情報を書き込むための電波を送受信するアンテナと、アンテナを挟み無線タグと対向する側に配設され、アンテナが送受信する電波を反射し、無線タグとの距離が異なる1段以上の段差が形成されたリフレクタと、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の無線タグ読取書込み装置は、密集した無線タグから情報を読み込み及び又は情報を書き込むための電波を送受信するアンテナと、アンテナを挟み無線タグと対向する側に配設され、アンテナが送受信する電波を反射し、無線タグとの距離が異なる1段以上の段差が形成されたリフレクタと、アンテナ及びリフレクタを可動させる可動機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の無線タグ読取書込み装置によれば、アンテナが送受信する電波を反射させる1段以上の段差を設けたリフレクタを備えるため、無線タグの位置が無線タグ読取書込み装置のアンテナに対し接近する方向又は離れる方向に変化しても、また無線タグが密集しても安定して無線タグの読取及び又は書込みを行うことが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明において無線タグ読取書込み装置は無線タグから情報を読み込む装置又は無線タグに情報を書き込む装置、又は情報の読み込みと書き込みを両方行う装置を含むものとする。
また、無線タグは無線通信可能な記憶媒体を意味し、通常アンテナとICチップを有する。無線タグはさらに計算機能を持っていてもよく、望ましくは携帯可能な大きさであるが、微小なものであってもよい。無線タグはRFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれることもある。
<実施形態1>
図1(a)は本発明の第1の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。実施形態1の無線タグ読取書込み装置は、電波を無指向的に放射するアンテナ103と、電波を反射するベースリフレクタ104と、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104とは異なり、電波を反射する第一段差リフレクタ105と、を備える。なお、ベースリフレクタ104と第一段差リフレクタ105は一体に形成されていても別体であってもよい。また、使用するアンテナは特に限定されることはないが、中でもダイポールアンテナを用いることが好適である。物品101には無線タグ102が貼付されている。矢印は電波の進行方向を表す。
図1(a)は本発明の第1の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。実施形態1の無線タグ読取書込み装置は、電波を無指向的に放射するアンテナ103と、電波を反射するベースリフレクタ104と、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104とは異なり、電波を反射する第一段差リフレクタ105と、を備える。なお、ベースリフレクタ104と第一段差リフレクタ105は一体に形成されていても別体であってもよい。また、使用するアンテナは特に限定されることはないが、中でもダイポールアンテナを用いることが好適である。物品101には無線タグ102が貼付されている。矢印は電波の進行方向を表す。
ここで、第一段差リフレクタ105のアンテナ方向の厚さは、送信電波の波長をλとし、nを整数とするとnλ/2以外としている。この理由は、第一段差リフレクタ105のアンテナ方向の厚みnλ/2であると、ベースリフレクタ104に反射した電波と第一段差リフレクタに反射した電波が打ち消しあい、無線タグを読み書きできない場合があるからである。またベースリフレクタ104と第一段差リフレクタ105の材質は金属であればよい。また、ベースリフレクタ104又は第一段差リフレクタ105の表面は平面状に図示してあるが、波板でもよい。
図1(b)は無線タグ110と本実施形態の無線タグ読取書込み装置120の構成を示す概略図である。無線タグ110はメモリ111と、メモリ112へのデータの読み書きを行う制御部112と、受信した変調電波の整流と安定化を行うことにより電源を供給する電源生成部115と、制御部から送出されたデータを変調して無線タグアンテナ116に送出する変調部113と、受信した変調電波を復調して制御部112へ送出する復調部114とを備える。
無線タグ読取書込み装置120はアンテナ121と、制御部から送出されたデータを変調する変調部122と、変調された信号を増幅してアンテナ121に送出する送信アンプ123と、受信した変調電波を増幅する受信アンプ124と、受信した変調信号を復調する復調部125と、無線タグとの通信及び接続するハードウエアを制御するCPU127及びデータを格納するROM128及びRAM129を備える制御部126と、例えばパソコン等の上位装置に接続し、データの授受を行うインターフェース130とを備える。
本実施形態が安定して無線タグの読取及び又は書込みを行うことができるメカニズムは以下の通りである。アンテナ103から放射された電波とこの電波がベースリフレクタ104に反射した電波の位相が180°ずれていた場合、これらの電波は打ち消しあうが、第一段差リフレクタ105に反射した電波の位相はいずれの電波とも位相が180°ずれないため無線タグ102に到達し、読み書きをすることができる。
これに対し、アンテナ103から放射された電波とこの電波が第一段差リフレクタ105に反射した電波の位相が180°ずれていた場合、これらの電波は打ち消しあうが、ベースリフレクタ104に反射した電波の位相はいずれの電波とも位相が180°ずれないため無線タグ102に到達し、読み書きをすることができる。
ところで、ベースリフレクタ104に反射した電波と第一段差リフレクタ105に反射した電波は、前述のように第一段差リフレクタ105のアンテナ方向の厚みがnλ/2以外であるため、打ち消しあうことはない。
図2は本発明の第1の実施形態の無線タグ読取書込み装置の使用例の斜視図である。無線タグが貼付された書類を多数ファイルしたバインダー201を筐体202の上に載せ、無線タグを読み書きする。本実施形態の無線タグ読取書込み装置は、筐体202の内部にアンテナ103を上向きに格納されている。
図3(a)ないし(c)はアンテナのリターンロスを周波数ごとにプロットしたグラフである。縦軸301はリターンロス(単位:−dB)を、横軸302は周波数(単位:MHz)を示す。図3(a)において、符号303は無線タグ読み書きに必要な周波数を表す。符号304は無線タグ読み書きに許容できるリターンロス値を表している。交点305では許容限界よりも実際のリターンロス値が下回っているため、この状態においては安定して無線タグを読み書きすることができる。
図3(b)は無線タグがアンテナ103から離れる方向に移動した場合又は無線タグが多数密集した場合を表す。リターンロス値をプロットしたグラフ306は図3(a)のグラフ301より高周波数よりにシフトしている。この状態では、無線タグの読み書きに必要な周波数303におけるリターンロスの値307が無線タグの読み書きに必要なリターンロスの許容値304よりも大きいため、無線タグを読み書きすることができない。
図3(c)は上記(b)の状態において第一段差リフレクタ105を設けた場合を表す。リターンロス値をプロットしたグラフ308はリターンロスの許容限界値304よりも小さな値を示す周波数帯域が広がっていることを示している。また、グラフ308は無線タグ読み書きに必要な周波数303において無線タグの読み書きに必要なリターンロスの許容値よりも小さくなっており、このため密集した無線タグであっても安定して読み書きすることができる。
以上のように、本実施形態の無線タグ読取書込み装置によれば、アンテナが送受信する電波を反射する1段の段差を設けた第一段差リフレクタを備えたことにより、アンテナが使用できる周波数帯域が広がり無線タグ読取書込み装置のアンテナに対し接近する方向又は離れる方向に変化しても安定して無線タグの読取及び又は書込みを行うことが可能となる。
<実施形態2>
図4は本発明の第2の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。本実施形態の無線タグ読取書込み装置は、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104とは異なり、電波を反射する第一段差リフレクタ401と、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104及び第一段差リフレクタ401とは異なり、電波を反射する第二段差リフレクタ402と、を備えることを特徴とし、他の構成及びメカニズムは実施形態1と同様である。なお、ベースリフレクタ104と第一段差リフレクタと第二段差リフレクタとは一体に形成されていても別体であってもよい。
図4は本発明の第2の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。本実施形態の無線タグ読取書込み装置は、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104とは異なり、電波を反射する第一段差リフレクタ401と、無線タグ102との距離がベースリフレクタ104及び第一段差リフレクタ401とは異なり、電波を反射する第二段差リフレクタ402と、を備えることを特徴とし、他の構成及びメカニズムは実施形態1と同様である。なお、ベースリフレクタ104と第一段差リフレクタと第二段差リフレクタとは一体に形成されていても別体であってもよい。
実施形態2においては無線タグ102までの距離が異なる2段のリフレクタをベースリフレクタ104に加えて設けたため、アンテナが使用できる周波数帯域がさらに広がる。また、本実施形態においては無線タグ102までの距離が異なるリフレクタをさらに追加してもよく、これによりアンテナが使用できる周波数帯域はさらに広がる。
<実施形態3>
図5は本発明の第3の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。本実施形態の無線タグ読取書込み装置は、ワイアを駆動させることによりアンテナ103とリフレクタを横方向に移動させる可動機構501と、図示しないワイアを駆動させるモータと、リフレクタを支持するレールとをさらに備えることを特徴とし、他の構成及びメカニズムは実施形態1と同様である。
図5は本発明の第3の実施形態の無線タグ読取書込み装置を模式的に表した図である。本実施形態の無線タグ読取書込み装置は、ワイアを駆動させることによりアンテナ103とリフレクタを横方向に移動させる可動機構501と、図示しないワイアを駆動させるモータと、リフレクタを支持するレールとをさらに備えることを特徴とし、他の構成及びメカニズムは実施形態1と同様である。
可動機構501は無線タグの読み書きを行うときに駆動する。可動機構501が駆動することにより、アンテナ103及びリフレクタは矢印502の方向に移動する。本実施形態においてはアンテナ及びリフレクタが矢印502の方向、すなわちアンテナの長軸方向に平行な方向に移動するように構成したが、矢印502と水平方向に垂直に移動するように構成しても、鉛直方向に移動するように構成してもよい。
以上のように、本実施形態の無線タグ読取書込み装置によれば、アンテナ及びリフレクタの可動機構をさらに設けたため、図5に示したように無線タグが貼付された多数の書類に対して1回の操作により無線タグを読み書きすることが可能となる。
なお、本発明はその技術思想の範囲内において種々変形して実施できる。
101:書類、
102:無線タグ、
103:アンテナ、
104:ベースリフレクタ、
105:第一段差リフレクタ、
402:第二段差リフレクタ。
102:無線タグ、
103:アンテナ、
104:ベースリフレクタ、
105:第一段差リフレクタ、
402:第二段差リフレクタ。
Claims (7)
- 密集した無線タグから情報を読み込み及び又は情報を書き込むための電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナを挟み無線タグと対向する側に配設され、前記アンテナが送受信する電波を反射し、前記無線タグとの距離が異なる1段以上の段差が形成されたリフレクタと、
を備えることを特徴とする無線タグ読取書込み装置。 - 密集した無線タグから情報を読み込み及び又は情報を書き込むための電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナを挟み無線タグと対向する側に配設され、前記アンテナが送受信する電波を反射し、前記無線タグとの距離が異なる1段以上の段差が形成されたリフレクタと、
前記アンテナ及び前記リフレクタを可動させる可動機構と、
を備えることを特徴とする無線タグ読取書込み装置。 - 前記アンテナがダイポールアンテナであることを特徴とする請求項1または2に記載の無線タグ読取書込み装置。
- 前記リフレクタの材質が金属であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線タグ読取書込み装置。
- 前記アンテナ及び前記リフレクタが前記アンテナの長軸方向に平行な方向又は垂直な方向に可動させる可動機構を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の無線タグ読取書込み装置。
- 前記アンテナ及び前記リフレクタが鉛直方向に可動させる可動機構を備えることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の無線タグ読取書込み装置。
- 前記リフレクタの段差がベースリフレクタに一体形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線タグ読取書込み装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8388893B2 (en) | 2007-12-20 | 2013-03-05 | National University Corporation Toyohashi University Of Technology | Combined detector |
CN104749557A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-07-01 | 无锡清华信息科学与技术国家实验室物联网技术中心 | 一种射频标签定位方法及系统 |
CN112350067A (zh) * | 2020-09-29 | 2021-02-09 | 北京理工大学 | 一种基于频率步进的超大反射阵宽角扫描天线 |
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2006
- 2006-07-21 JP JP2006199507A patent/JP2008028723A/ja active Pending
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