JP2008027535A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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達巳 伊藤
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真人 安藤
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浩二 芦崎
Takahiro Toyoda
高博 豊田
Minoru Takeda
実 武田
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Abstract

【課題】印刷ヘッドに設けた吐出ノズルからインク滴を吐出させ、回転駆動されたディスク状記録媒体のレーベル面に可視情報を印刷する印刷装置では、高速で回転駆動された光ディスクにインク滴の吐出周波数を対応させることが困難であるという課題がある。また、光ディスクを所定の吐出周波数に対応した速さで回転駆動させると、スピンドルモータの回転が低速になり、その回転が安定しないため、良好な印刷品質が得られないという課題がある。
【解決手段】印刷ヘッド21から所定の吐出周波数でインク滴を吐出し、光ディスク101の1周目(図14A)では、周方向に所定の間隔をあけてインク滴を滴下して、2周目(図14B)で1周目に残された部分にインク滴を滴下するように制御するプリント制御部53を設けた。
【選択図】図14

Description

本発明は、CD−R(Compact Disc-Recordable)やDVD−RW(Digital Versatile Disc-Rewritable)等のディスク状記録媒体や半導体記憶媒体その他の印刷対象物を回転させ、回転する印刷対象物のレーベル面その他の印刷面にインク滴を吐出して文字、絵柄等の可視情報を印刷する印刷装置に関するものである。
従来の、この種の印刷装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、交換可能な光ディスクに印刷を施すことができる光ディスク装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された光ディスク装置は、「交換可能な光ディスクを用いて情報の記録あるいは再生の少なくともいずれかを行う情報記憶装置において、前記光ディスクに印刷を施す印字ヘッドと、前記印字ヘッドを前記光ディスクのラジアル方向に移動せしめる印字ヘッド駆動手段と、前記光ディスクを回転させる主軸モータと、前記印字ヘッド及び印字ヘッド駆動手段及び主軸モータを制御する制御手段を有し、前記制御手段により、前記印字ヘッドを前記光ディスク上で走査せしめ、前記光ディスクに印刷を施す事」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載の光ディスク装置によれば、「光ディスクにラベルを印刷する際、専用のラベルプリンタを別個に用意することなく、しかもディスクを前記光ディスク装置に挿入したままでラベルを印刷することができる(段落[0059]を参照)」等の効果が期待される。
特開平09−265760号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光ディスク装置においては、スピンドルモータによって高速で回転駆動された光ディスクのレーベル面に対して、インク滴を突出して可視情報を印刷する構成となっていた。そのため、インク滴の吐出周波数を、高速で回転駆動される光ディスクに対応した吐出周波数に設定することが困難であった。
この吐出周波数を設定可能な値にするには、吐出周波数に対応させてスピンドルモータの回転を低速にすることが考えられる。ところが、スピンドルモータの回転を低速にすると、スピンドルモータの回転が安定しないため、光ディスクを安定して回転駆動させることが難しく、良好な印刷品質が得られないという問題が生じる。
一般的に、インクジェット方式の印刷ヘッドの吐出周波数は、ヘッドの温度上昇、インクリフィル、メニスカス等の安定を考慮すると、バブルジェット(登録商標)型で10KHz程度とされている。例えば、印刷可能領域の最外周に滴下されるインク滴の中心から光ディスクの回転中心までの距離を60[mm]、最外周に滴下されるインク滴の間隔を600[dpi](42.3μm)とする。この場合、光ディスク(スピンドルモータ)の1分間当たりの回転数[rpm]は、以下のようにして算出される。
線速:42.3μm[m]×10×10[1/s]=0.423[m/s]
ディスクの回転数:0.423[m/s]/(120×10−3×π)×60[s]=67.3[rpm]
ところが、一般的な光ディスク装置で使用されているスピンドルモータは、100[rpm]以下で安定して回転させることが難しいため、良好な印刷品質が得られないという問題が生じる。
これは、光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に基準となる線速が、光ディスクの種類によってそれぞれ規定されていることに関連している。例えば、光ディスクの線速は、コンパクトディスク(CD)において1.2〜1.4[m/s]、DVDにおいて3.49[m/s]、Blu−rayDisc(ソニー株式会社の登録商標)において4.55[m/s]と規定されている。そのため、いずれの光ディスクにおいても記録及び/又は再生を行う際の回転数が200[rpm]以上となり、回転数を100[rpm]以下にするようなスピンドルモータの需要がなかった。
更に、近年の光ディスクドライブ技術の発展により、光ディスク装置は、基準となる線速に対して数倍から数十倍の速度(例えば、基準となる線速を1倍速として、2倍速〜8倍速〜24倍速など)で記録及び/又は再生が行われるようになっている。そのため、スピンドルモータには、より速い回転速度での動作が求められている。ところが、そのような速い回転速度に対応させると共に上述した67.3[rpm]のような遅い回転速度にも対応させたスピンドルモータを実現するには、技術面での難しさに加えて、製造コストの増加を招いてしまう。
解決しようとする問題点は、高速で回転駆動される光ディスクにインク滴の吐出周波数を対応させることが困難である、という点である。また、所定の吐出周波数に対応させて光ディスクを低速で回転駆動させるためにスピンドルモータを低速で回転させると、スピンドルモータの回転が安定しないことから、良好な印刷品質が得られない、という点である。
本発明の印刷装置は、着脱可能に装着されるディスク状記録媒体を回転駆動するディスク回転部と、ディスク回転部により回転駆動されるディスク状記録媒体の情報記録面に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、回転駆動されるディスク状記録媒体のレーベル面に対してインク滴を吐出して可視情報を印刷する印刷用ヘッドと、印刷用ヘッドに設けた吐出ノズルから吐出されるインク滴の吐出タイミングを制御するヘッド制御部と、を備えて構成されている。そして、ヘッド制御部は、印刷される可視情報の、ディスク状記録媒体の1周に相当する部分を、1周目で周方向に所定間隔をあけて複数箇所にインク滴を塗布し、2周目以降で1周目に残された部分にインク滴を塗布するように制御することを最も主要な特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、安定して回転駆動されたディスク状記録媒体のレーベル面に対して所定の吐出周波数によりインク滴を吐出させて印刷を行うことができる。
印刷ヘッドから所定の吐出周波数でインク滴を吐出し、ディスク状記録媒体の1周目では、周方向に所定の間隔をあけてインク滴を滴下して、2周目以降で1周目に残された部分にインク滴を滴下することにより、ディスク状記録媒体を安定して回転駆動させながら、所定の吐出周波数でインク滴を吐出して印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を簡単な構成によって実現した。
図1〜図15は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。図1は本発明の印刷装置の第1実施形態を示す平面図、図2は同じく正面図、図3は図1に示す印刷装置の信号の流れを示したブロック図、図4は制御部における動作の流れを示すフローチャート、図5は図1に示す印刷装置に供給される可視情報のイメージ図、図6は図5に示す可視情報に基づいて変換されたCYMKデータの説明図、図7は図5に示す可視情報に基づいて生成されるデータの説明図である。
図8は二軸直交座標データから極座標データへの変換の工程を説明する説明図、図9はドット密度補正の補正重みを説明する説明図、図10はインク吐出データを生成するまでの工程を説明する説明図、図11は誤差拡散法の演算過程を説明する説明図である。図12はインク吐出データの第1〜第3分割データを説明する説明図、図13はレーベル面の第1分割データのドットに対応した位置を説明する説明図、図14は第1分割データの1周目第1分割データと2周目第1分割データの説明図、図15は1周目第1分割データの第2の具体例を説明する説明図である。
図1及び図2は、本発明の印刷装置の第1実施形態を示す光ディスク装置1である。この光ディスク装置1は、印刷対象物の一具体例を示すCD−RやDVD−RW等の光ディスク101の情報記録面に対して、新たにデータ信号を記録(書込み)したり、予め記録されているデータ信号を再生(読出し)したりすることが可能であると共に、印刷面の一具体例を示す光ディスク101のレーベル面(主面)101aに、文字、絵柄等の可視情報を印刷できるようにしたものである。
図1〜図3に示すように、光ディスク装置1は、光ディスク101を搬送するトレイ2と、トレイ2により搬送された光ディスク101を回転駆動させるディスク回転部の一具体例を示すスピンドルモータ3と、このスピンドルモータ3により回転駆動された光ディスク101の情報記録面に情報の書き込み及び/又は読み出しを行う光ピックアップ16を有する記録及び/又は再生部5と、回転駆動された光ディスク101のレーベル面101aに文字や画像などの可視情報を印刷する印刷ヘッド21を有する印刷部6と、光ピックアップ16や印刷ヘッド21等を制御する制御部7等を備えて構成されている。
光ディスク装置1のトレイ2は、光ディスク101よりもやや大きな平面長方形の板状部材からなり、一方の平面である上面に、光ディスク101を収納するための円形の凹部からなるディスク収納部10が設けられている。また、トレイ2には、スピンドルモータ3等との接触を避けるための切欠き部11が設けられている。この切欠き部11は、トレイ2の一方の短辺からディスク収納部10の中央部に至るまで大きく形成されている。このトレイ21は、スピンドルモータ3のディスク装着部に装着されるディスク装着位置と、光ディスク101を載置して装置筐体から外に排出させるディスク排出位置とに選択的に搬送される。
スピンドルモータ3は、トレイ2がディスク装着位置に搬送されたとき、ディスク収納部10の略中央部に位置するように図示しないモータベースに配置されている。このスピンドルモータ3の回転軸の先端には、光ディスク101の中心孔101bに着脱可能に嵌合されるディスク嵌合部12aを有するターンテーブル12が設けられている。
このようなスピンドルモータ3は、トレイ2がディスク装着位置に搬送された際に、図示しない昇降機構によってモータベースを上昇させることにより、上方に移動される。そして、ターンテーブル12のディスク嵌合部12aが光ディスク101の中心孔101bに嵌合され、光ディスク101がディスク収納部10から所定距離だけ持ち上げられる。また、昇降機構を逆方向へ動作させてモータベースを下降させることにより、ターンテーブル12のディスク嵌合部12aが光ディスク101の中心孔101bから下方へ抜け出し、光ディスク101がディスク収納部10に載置される。
スピンドルモータ3の上方には、チャッキング部14が設けられている。このチャッキング部14は、スピンドルモータ3の昇降動作によって持ち上げられた光ディスク101を上から押えるものである。これにより、チャッキング部14とターンテーブル12とで光ディスク101を挟持して、光ディスク101がターンテーブル12からの抜け出すことを防止する。
記録及び/又は再生部5は、光ピックアップ16と、光ピックアップ16が搭載されるピックアップベース17と、ピックアップベース17を光ディスク101の半径方向へ案内する一対の第1のガイド軸18a,18b等を備えて構成されている。
光ピックアップ5は、光検出器と、対物レンズと、この対物レンズを光ディスク101の情報記録面に臨ませる二軸アクチュエータ等を有している。光ピックアップ5の光検出器は、光ビームを出射する光源となる半導体レーザと、戻りの光ビームを受光する受光素子等から構成されている。この光ピックアップ5は、半導体レーザから光ビームを出射し、その光ビームを対物レンズにより集光して光ディスク101の情報記録面に照射すると共に、その情報記録面で反射された戻りの光ビームを光検出器で受光する。これにより、光ディスク101の情報記録面に対する情報信号の書き込み又は読み出しを行うことができる。
この光ピックアップ5は、ピックアップベース17に搭載されていて、ピックアップベース17と一体的に移動される。ピックアップベース17には、光ディスク101の半径方向であって、本実施の形態ではトレイ2の移動方向と平行に配置された2本のガイド軸18a,18bが摺動可能に挿通されている。更に、ピックアップベース17は、図示しないピックアップモータを有するピックアップ移動機構により、2本のガイド軸18a,18bに沿って移動可能とされている。このピックアップベース17の移動時に、光ディスク101の情報記録面に対する光ピックアップ5による情報信号の記録及び/又は再生作業が実行される。
ピックアップベース17を移動させるピックアップ移動機構としては、例えば、送りネジ機構を適用することができる。しかしながら、ピックアップ移動機構としては、送りネジ機構を適用することに限定されるものではなく、例えば、ラック・オピニオン機構、ベルト送り機構、ワイヤ送り機構その他の機構を適用することもできるものである。
印刷部6は、印刷ヘッド21と、一対の第2のガイド軸22a,22bと、インクカートリッジ23と、ヘッドキャップ24と、吸引ポンプ25と、廃インク吸収部26と、ブレード27等を備えて構成されている。
印刷ヘッド21は、光ディスク101のレーベル面101aに対向される。この印刷ヘッド21のレーベル面101aに対向される面には、インク滴が吐出される複数の吐出ノズル31が設けられている。これら複数の吐出ノズル31は、印刷ヘッド21が移動する方向へ並ぶ4つの列に配列されていて、列毎に所定の色のインク滴を吐出するように設定されている。本実施の形態では、図1において上から順にシアン(C)用の吐出ノズル31a、マゼンタ(M)用の吐出ノズル31b、イエロー(Y)用の吐出ノズル31c、ブラック(K)用の吐出ノズル31dとされている。また、印刷ヘッド21は、各吐出ノズル31a〜31dの増粘インク、気泡および異物などを排出するために、印刷前や印刷後にインクをダミー吐出するようになっている。
印刷ヘッド21には、互いに平行とされた2本の第2のガイド軸22a,22bが摺動可能に挿通されている。そして、印刷ヘッド21は、ヘッド駆動モータ32(図3を参照)を有するヘッド移動機構により、2本の第2のガイド軸22a,22bに沿って移動可能とされている。2本の第2のガイド軸22a,22bの軸方向の一端は、トレイ2が移動する方向と交差する方向に延在されたガイド軸支持部材33にそれぞれ固定されていて、他端は、トレイ2が移動する方向と反対側に延在されている。また、印刷ヘッド21は、非印刷時には光ディスク101の半径方向外側の待機位置に退避するように構成されている。
インクカートリッジ23は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インクに対応してシアン(C)用のインクカートリッジ23a、マゼンタ(M)用のインクカートリッジ223b、イエロー(Y)用のインクカートリッジ23c、ブラック(K)用のインクカートリッジ23dが設けられている。これらインクカートリッジ23a〜23dは、印刷ヘッド21の吐出ノズル31a〜31dにそれぞれインクを供給する。
インクカートリッジ23a〜23dは、それぞれ中空の容器を有しており、その容器内に内蔵された多孔質体の毛細管力によってインクを蓄えている。これらインクカートリッジ23a〜23dの開口部は、それぞれ連結部35a〜35dに着脱可能に連結されており、それら連結部35a〜35dを介して印刷ヘッド21の各吐出ノズル31a〜31dに連通されている。そのため、容器内のインクが無くなった際には、そのインクカートリッジを連結部から取り外して、新しいインクカートリッジと容易に交換することができる。
ヘッドキャップ24は、印刷ヘッド21の待機位置に設けられていて、待機位置に移動した印刷ヘッド21の複数の吐出ノズル31を設けた面に装着される。これにより、印刷ヘッド21が含有するインクの乾燥や、各突出ノズル31a〜31dに塵や埃等が付着することを防止している。また、ヘッドキャップ24は、多孔質層を備えていて、印刷ヘッド21が各吐出ノズル31a〜31dからダミー吐出したインクを一時的に保持する。その際、ヘッドキャップ24の内部は、図示しない弁機構により大気圧と等しくなるように調節される。
吸引ポンプ25は、チューブ36を介してヘッドキャップ24と接続されている。この吸引ポンプ25は、印刷ヘッド21にヘッドキャップ24が装着されているときに、そのヘッドキャップ24の内部空間に負圧を与える。これにより、印刷ヘッド21の各突出ノズル31a〜31d内のインクや、印刷ヘッド21によりダミー吐出されてヘッドキャップ24に一時的に保持されたインクが吸引される。また、廃インク吸収部26は、チューブ37を介して吸引ポンプ25に接続されており、吸引ポンプ25により吸引されたインクを収容する。
ブレード27は、印刷ヘッド21の待機位置と印刷位置との間に配置されている。このブレード27は、印刷ヘッド21が待機位置と印刷位置との間を移動する際に、各吐出ノズル31a〜31dの先端面に接触して、それら先端面に付着した塵や埃等のゴミやインクなどを払拭する。なお、ブレード27を上下に移動させる移動機構を設けることにより、印刷ヘッド21の各吐出ノズル31a〜31dを払拭するか否かを選択可能に構成することもできる。
図3は、光ディスク装置1の信号の流れを示したブロック図である。光ディスク装置1は、制御部7と、インターフェース部41と、記録制御回路42と、トレイ駆動回路43と、モータ駆動回路44と、信号処理部45と、インク吐出駆動回路46と、機構部駆動回路47等を有している。
インターフェース部41は、パーソナルコンピュータやDVDレコーダ等の外部装置と光ディスク装置1とを電気的に接続する接続部である。このインターフェース部41は、外部装置から供給された信号を制御部7に出力する。この信号としては、例えば、光ディスク101の情報記録面に記録する情報に対応した記録データ信号や、光ディスク101のレーベル面101aに印刷する可視情報に対応した画像データ信号を挙げることができる。また、インターフェース部41は、光ディスク装置1が光ディスク101の情報記録面から読み出した再生データ信号を外部装置に出力する。
制御部7は、中央制御部51と、ドライブ制御部52と、ヘッド制御部の一具体例を示すプリント制御部53を有している。中央制御部51は、ドライブ制御部52及びプリント制御部53の制御をする部分である。この中央制御部51は、インターフェース部41から供給された記録データ信号をドライブ制御部52へ出力する。また、中央制御部51は、インターフェース部41から供給される画像データ信号や、ドライブ制御部52から供給される回転角信号をプリント制御部53に出力する。
ドライブ制御部52は、スピンドルモータ3及びピックアップ駆動モータ(図示しない)の回転を制御したり、光ピックアップ16による記録データ信号の記録や再生データ信号の再生を制御したりする。このドライブ制御部52は、スピンドルモータ3と、ピックアップ駆動モータと、トレイ駆動モータの回転を制御する制御信号をモータ駆動回路44に出力する。
また、ドライブ制御部52は、光ピックアップ16から照射される光ビームが光ディスク101のトラックを追跡するようにトラックサーボ及びフォーカスサーボを制御する制御信号を光ピックアップ16に出力する。更に、ドライブ制御部52は、信号処理部45から供給される回転角信号を中央制御部51に出力する。
記録制御回路42は、ドライブ制御部52から供給される再生データ信号にエンコード処理や、変調等を行い、処理した再生データ信号をドライブ制御部52に出力する。また、トレイ駆動回路43は、ドライブ制御部52から供給される制御信号に基づいてトレイ駆動モータを駆動させる。これにより、ディスクトレイ2が装置筐体の内外に亘って搬送される。
モータ駆動回路44は、ドライブ制御部52から供給される制御信号に基づいてスピンドルモータ3を駆動させる。これにより、スピンドルモータ3のターンテーブル12に装着された光ディスク101が回転駆動される。また、モータ駆動回路44は、ドライブ制御部52からの制御信号に基づいてピックアップ駆動モータを駆動させる。これにより、光ピックアップ16がピックアップベース17と一体に、光ディスク101の半径方向へ移動される。
信号処理部45は、光ピックアップ5から供給されるRF(Radio Frequency)信号の復調及び誤り検出等を行い、再生データ信号を生成する。また、信号処理部45は、RF信号に基づいて光ディスク101の回転角を示す回転角信号を検出する。これら再生データ信号及び回転角信号は、ドライブ制御部52に出力される。
プリント制御部53は、印刷ヘッド21及びヘッド駆動モータ32等を有する印刷部6を制御して光ディスク101のレーベル面101aに対する印刷を実行させる。このプリント制御部53は、中央制御部51から供給された画像データ信号によって得た画像データに基づいてインク吐出データを生成する。このインク吐出データの生成については、後に詳細に説明する。そして、プリント制御部53は、生成したインク吐出データと、中央制御部51から供給される回転角信号に基づいて印刷部6を制御する制御信号を生成し、インク吐出駆動回路46と、機構部駆動回路47に出力する。
インク吐出駆動回路46は、プリント制御部53から供給された制御信号に基づいて印刷ヘッド21を駆動させる。これにより、印刷ヘッド21の各吐出ノズル31からインク滴が吐出され、回転駆動された光ディスク101のレーベル面101aに滴下される。また、機構部駆動回路47は、プリント制御部53から供給された制御信号に基づいてヘッドキャップ23と、吸引ポンプ24と、ブレード28と、ヘッド駆動モータ32とを駆動させる。このヘッド駆動モータ32が駆動することにより、印刷ヘッド21が光ディスク101の半径方向へ移動される。
図5は、外部装置から供給される可視情報のイメージ図である。図5に示す可視情報は、外部装置において、R(赤),G(緑),B(青)の各色の明るさを表す階調値が二軸直交(X−Y)座標で表現された画像データとして扱われている。そのため、可視情報は、上述したような画像データとして制御部7の中央制御部51に供給され、その後、プリント制御部53に入力される。
図4は、プリント制御部53が、画像データに基づいてインク吐出データを生成する過程を示すフローチャートである。インク吐出データを生成するには、まず、ステップS1において、R(赤),G(緑),B(青)の各色の階調値で表現された画像データを、C(シアン),Y(イエロー),M(マゼンタ),K(ブラック)の各色のドット(画素)分布により表現されるCYMKデータに変換する。このCYMKデータを表現する各ドットは、画像データに基づいたそれぞれの階調値を有しており、その階調値は、本実施の形態では、0〜255(8bit)とされている。
また、CYMKデータは、図6(A)に示すC(シアン)のドット分布により表現されるシアンデータと、図6(B)に示すM(マゼンタ)のドット分布により表現されるマゼンタデータと、図6(C)に示すY(イエロー)のドット分布により表現されるイエローデータと、図6(D)に示すK(ブラック)のドット分布により表現されるブラックデータに分割される。そして、各データが、それぞれ次のステップに移行されるが、本実施の形態では、例としてシアンデータを挙げて説明する。
次に、ステップS2において、二軸直交座標で表されたシアンデータ(マゼンタデータ、イエローデータ、ブラックデータも同様)を極(r−θ)座標データに変換する。その際、ニアレストネイバー法、バイリニア法、ハイキュービック法等の一般的な方法で解像度を変換し、光ディスク101のレーベル面101aの大きさに見合った極座標データにする。この極座標データのイメージを図7(A)に示す。図7(A)は、極座標データにおいて、θ置が同一のドットを幅方向に並べると共に、半径値が同一のドットを長手方向に並べて表したものである。
ここで、図8(A)〜図8(C)を参照して、極座標データへの変換について説明する。まず、図8(A)に示すように、例えば、「ABCDEFGH」の文字列からなる可視情報がインターフェース部41及び中央制御部51を介し、画像データとしてプリント制御部53に入力されたとする。画像データが入力されると、プリント制御部53は、図8(B)に示すように、文字列「ABCDEFGH」をX−Y座標系のデータとして図示しないメモリに記憶する。
そして、図8(C)に示すように、X−Y座標系で表現されたデータを構成するドット(画素)毎に、光ディスク101の回転中心からの半径(r)と、回転角の原点を基準とした角度(θ)を計算する。これにより、可視情報を二軸直交(X−Y)座標データから極(r−θ)座標データに変換することができる。なお、この変換の計算には、最近傍法や線形補間法等の一般的な方法を用いることができる。
次に、ステップS3において、極座標データに対してドット密度補正を行い、ドット補正データを算出する。このドット密度補正とは、極座標データの各ドットの階調値に対して、補正重みを重み付けする演算である。即ち、ドット密度補正は、極座標データの内周側に至るに伴ってドットの階調値を小さくする演算である。このドット密度補正により算出したドット補正データのイメージを図7(B)に示す。図7(B)に示すように、ドット補正データは、図7(A)に示す極座標データに比べ、内周側(幅方向の下側)に至るに伴って明るく(薄く)なっている。
このドット密度補正の補正重みは、重み付けの対象となるドットを中心とした単位面積あたりのドット数と、極座標データの最外周に位置するドットを中心とした単位面積あたりのドット数との比により算出される。本実施の形態では、重み付けの対象となるドットの半径値と、極座標データの最外周に位置するドットの半径値との比により近似的に算出している。即ち、図9に示すように、重み付けの対象となるドットdiの半径値をriとして、極座標データの最外周のドットdの半径値をrとすると、ドットdiに対する補正重みW(di)は、次式
W(di)=ri/r
により算出される。
例えば、ドットdiの半径値を30mm、ドットdの半径値を60mmとすると、ドットdiに対する補正重みW(di)は、0.5となる。
上述したように、各ドットに対する補正重みWを近似的に算出すると、同じ半径値のドットに対する補正重みを同一にすることができ、メモリに記憶させる補正重みの数を少なくすることができる。その結果、メモリの容量を小さくすることができると共に、メモリが消費する電力を少なくすることができる。
次に、ステップS4において、ドット補正データを誤差拡散法により2値化し、インク吐出データを生成する。なお、誤差拡散法としては、Floyd&Steinberg型や、Jarvis,Judice&Ninke型を挙げることができる。このインク吐出データは、光ディスク101のレーベル面101aにおいて各ドットが対応する位置にインク滴を滴下するか否かを表すデータである。本実施の形態では、ドット補正データの各ドットの階調値は、0〜255(8bit)で表されており、誤差拡散法により2値化したインク吐出データの各ドットの階調値は、0と255(1bit)で表される。そして、階調値が255である各ドットに対応するレーベル面101a上の位置にはインク滴が滴下され、階調値が0である各ドットに対応する位置にはインク滴が滴下されない。
図7Cは、インク吐出データのイメージを示すものである。図7Cに示すインク吐出データは、インク滴を滴下する位置のドットが表されている。このインク吐出データは、ステップS3においてドット密度補正を行った後、誤差拡散法により2値化して生成することにより、レーベル面101aの内周に至るにつれて吐出するインク滴の数を減らすことができる。
上述したようにして実行されるインク吐出データの生成を、図10及び図11を参照して具体的な数値を用いて説明する。図10(A)は、極座標データの最外周に位置する、半径値r=60mmのドットA1〜A4と、これらのドットA1〜A4より1つ内周側に位置する、半径値rN−1=約60mmのドットA5〜A8を示すものである。これらのドットA1〜A8の階調値は、それぞれ255となっている。
このような極座標データからインク吐出データを生成するには、まず、極座標データの各ドットA1〜A8にそれぞれ補正重みWを重み付けしてドット補正データを算出する。この際、各ドットA1〜A4に対する補正重みWは、
=r/r
=60
により算出され、補正重みWは1.0となる。
また、各ドットA5〜A8に対する補正重みWN−1は、
N−1=rN-1/r
N-1=約60
=60
により算出され、補正重みWN−1は約1.0となる。
その結果、図10(B)に示すように、ドット補正データのドットB1〜B8の階調値は、それぞれ255となる。
次に、ドット補正データのドットB1〜B8に対してFloyd&Steinberg型の誤差拡散法(閾値=128)を行って2値化し、図10(C)に示すようなインク吐出データを生成する。誤差拡散法の演算については、後で図11を参照して詳しく説明する。図10(C)に示すように、生成したインク吐出データの各ドットC1〜C8の階調値は、全て255となる。その結果、光ディスク101のレーベル面101aにおいて、インク吐出データのドットC1〜C8に対応した位置にインク滴が滴下される。
図10(D)は、極座標データの半径値ri=30mmのドットD1〜D4と、これらのドットD1〜D4より1つ内周側に位置する、半径値ri=約30mmのドットD5〜D8を示すものである。これらのドットD1〜D8の階調値は、それぞれ255となっている。
このような極座標データからインク吐出データを生成するには、まず、極座標データの各ドットD1〜D8にそれぞれ補正重みを重み付けしてドット補正データを算出する。この際、各ドットD1〜D4に対する補正重みWiは、
i=ri/r
i=30
=60
により算出され、補正重みWiは0.5となる。
また、各ドットD5〜D8に対する補正重みWi−1は、
i−1=ri−1/r
i−1=約30
=60
により算出され、補正重みWi−1は約0.5となる。
その結果、図10(E)に示すように、ドット補正データのドットE1〜E8の階調値は、それぞれ127(小数点以下を切り捨てる)となる。
次に、図10(E)に示すドット補正データのドットE1〜E8に対してFloyd&Steinberg型の誤差拡散法(閾値=128)を行って2値化し、図10(F)に示すようなインク吐出データを生成する。この誤差拡散法の演算について、図11を参照して詳しく説明する。
図11(A)は、Floyd&Steinberg型の誤差拡散法に用いる誤差拡散比率を示すものである。図11(E)は、図10(E)に示したドット補正データの階調値を現すものである。また、図11(F)は、図10(F)に示したインク吐出データの階調値を示すものである。更に、図11(Ea)〜図11(Eg)は、図11(E)に示すドット補正データから図11(F)に示すインク吐出データを生成する際の、Floyd&Steinberg型による誤差拡散法の演算過程を示すものである。
上述したようなドット補正データに対する誤差拡散法の演算は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、図11(E)に示すドット補正データのドットE1を計算点として、インク吐出データのドットF1の階調値を演算する。この演算は、計算点であるドットの階調値が閾値128よりも小さければF1の階調値を0にして、閾値128よりも大きければF1の階調値を255にする演算である。即ち、計算点であるドットE1の階調値127は閾値128よりも小さいため、図11(Ea)に示すように、ドットF1の階調値は0となる。
次に、図11(A)に示す誤差拡散比率に基づいて、図11(Ea)に示すドットEa2,Ea5,Ea6の階調値を演算する。この演算は、計算点であるドットE1の階調値127とドットF1の階調値0との差127(127−0)を、誤差拡散比率に基づいてドットE2,E5,E6の階調値に分配し、ドットEa2,Ea5,Ea6の階調値とする演算である。即ち、ドットEa2,Ea5,Ea6の階調値は、それぞれ次式により算出される。
Ea2=E2+(E1−F1)×7/16
Ea5=E5+(E1−F1)×5/16
Ea6=E6+(E1−F1)×1/16
(E1、E2、Ea2等の記号は、階調値を示す。)
例として、ドットEa2の階調値を計算すると
127+(127−0)×7/16=182
となる。
その結果、図11(Ea)に示すように、ドットEa2の階調値は182、ドットEa5の階調値は166、ドットEa6の階調値は134となる。また、誤差拡散比率に基づく分配がないドットEa3,Ea4,Ea7,Ea8の階調値は、ドットE3,E4,E7,E8の階調値が移行され、全て127となる。
次に、図11(Ea)に示すドットEa2を計算点として、インク吐出データのドットF2の階調値を演算する。計算点であるドットEa2の階調値182は閾値128よりも大きいため、図11(Eb)に示すように、ドットF2の階調値は255となる。
次に、計算点であるドットEa2の階調値182とドットF2の階調値255との差−73(182−255)を、誤差拡散比率に基づいてドットEa3,Ea5,Ea6,Ea7の階調値に分配し、図11(Eb)に示すドットEb3,Eb5,Eb6,Eb7の階調値を算出する。即ち、ドットEb3,Eb5,Eb6,Eb7の階調値は、それぞれ次式により算出される。
Eb3=Ea3+(Ea2−F2)×7/16
Eb5=Ea5+(Ea2−F2)×3/16
Eb6=Ea6+(Ea2−F2)×5/16
Eb7=Ea7+(Ea2−F2)×1/16
(Ea2、Eb3等の記号は、階調値を示す。)
例として、ドットEb3の階調値を計算すると
127+(188−255)×7/16=95
となる。
その結果、図11(Eb)に示すように、ドットEb3は階調値95、ドットEb5は階調値152、ドットEb6は階調値111、ドットEb7は階調値122となる。また、誤差拡散比率に基づく分配がないドットEb4,Eb8の階調値は、ドットEa4,Ea8の階調値が移行され、それぞれ127となる。
次に、ドットEb3を計算点として演算を行うことで、図11(Ec)に示すように、ドットF3の階調値0及びドットEc4の階調値168等が算出される。続いて、ドットEc4を計算点として演算を行うことで、図11(Ed)に示すように、ドットF4の階調値255及びドットEd5の階調値152等が算出される。次に、ドットEd5を計算点として演算を行うことで、図11(Ee)に示すように、ドットF5の階調値255及びドットEe6の階調値82等が算出される。
次に、ドットEe6を計算点として演算を行うことで、図11(Ef)に示すように、ドットF6の階調値0及びドットEf7の階調値169等が算出される。続いて、ドットEf7を計算点として演算を行うことで、図11(Eg)に示すように、ドットF7の階調値255及びドットEg8の階調値66等が算出される。そして、ドットEg8を計算点として演算を行うことで、図11(F)に示すように、ドットF8の階調値0が算出される。
これにより、プリント制御部53は、図11(E)及び図10(E)に示すドット補正データを2値化して、図11(F)及び図10(F)に示すインク吐出データを生成することができる。そして、このようなインク吐出データによって印刷を行うと、レーベル面101aの内周に至るにつれて、吐出するインク滴数を可視情報に対応させながら間引く(減らす)ことができ、レーベル面101aに印刷する可視情報の印刷濃度を略均等にすることができる。
プリント制御部53は、図4に示すように、ステップS5において、光ディスク101の半径方向に並ぶ吐出ノズル31の数に応じてインク吐出データを分割する。図12(A)〜図12(C)に示すように、本実施の形態では、インク吐出データを3つに分割している。即ち、図12(A)は印刷領域の外周に対応する第1分割データTのイメージを表し、図12(B)は印刷領域の中間に対応する第2分割データUのイメージを表し、図12(C)は印刷領域の内周に対応する第3分割データVのイメージを表している。なお、インク吐出データの分割数は、半径方向に並ぶ吐出ノズル31の数に応じて2以下に設定してもよく、また、4以上に設定してもよい。
図13は、光ディスク101のレーベル面101aにおいて、第1分割データTのドットに対応する位置を説明するものである。この第1分割データTは、プリント制御部53により、光ディスクの1周目でインク滴を吐出するか否かを表す1周目第1分割データT1と、光ディスクの2周目で1周目に残された部分にインク滴を吐出するか否かを表す2周目第1分割データT2とに分けられる。
図14(A)は、光ディスク101のレーベル面101aにおいて、1周目第1分割データT1のドットに対応する位置を説明するものである。この1周目第1分割データT1は、光ディスク101の半径方向に並ぶドットが周方向に1つ置きに配列された複数のドットd1によって構成されている。この1周目第1分割データT1により、プリント制御部は、光ディスク101が1周するうちに、周方向に所定間隔をあけて複数箇所にインク滴を滴下する制御を行う。
また、図14(B)は、光ディスク101のレーベル面101aにおいて、2周目第1分割データT2のドットに対応する位置を説明するものである。図14(B)に示すように、2周目第1分割データT2は、光ディスク101の半径方向に並ぶドット列が、1周目第1分割データT1のドット列間に配列された複数のドットd2によって構成されている。この2周目第1分割データT2により、プリント制御部は、光ディスク101がもう1周(2周目)するうちに、1周目に残された部分にインク滴を滴下する制御を行う。
図示しないが、第2分割データUは、第1分割データTと同様に、1周目第2分割データU1と2周目第2分割データU2に分けられ、第3分割データVは、1周目第3分割データV1と2周目第3分割データV2に分けられる。
上述したような第1〜第3分割データT,U,Vによる可視情報の印刷は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、印刷ヘッド21を第1分割データTに対応する位置に移動させる。その後、光ディスク101が1周するうちに、1周目第1分割データT1によるインク滴の吐出を実行させる。これにより、図14(A)に示す1周目第1分割データT1の複数のドットd1に対応した位置の印刷が完了する。
続いて、光ディスク101がもう1周(2周目)するうちに、2周目第1分割データT2によるインク滴の吐出を実行させる。これにより、図14(B)に示す2周目第1分割データT2の複数のドットd2に対応した位置の印刷が完了する。その結果、図13に示すように、第1分割データTの全てのドットに対応した位置の印刷が完了する。
なお、1周目第1分割データT1によって滴下される最後のインク滴の位置と、2周目第1分割データT2によって滴下される最初のインク滴の位置が近い場合、所定の吐出周波数ではインク滴の吐出が間に合わないことがある。その場合は、2周目第1分割データT2によって滴下される最初のインク滴の位置をずらしたり、1周のインターバルをおいたりしてもよい。
次に、印刷ヘッド21を第2分割データUに対応する位置に移動させる。その後、光ディスク101が1周するうちに、1周目第2分割データU1によるインク滴の吐出を実行させ、光ディスク101がもう1周(2周目)するうちに、2周目第2分割データU2によるインク滴の吐出を実行させる。これにより、第2分割データUの全てのドットに対応した位置の印刷が完了する。
続いて、印刷ヘッド21を第3分割データVに対応する位置に移動させる。その後、光ディスク101が1周するうちに、1周目第3分割データV1によるインク滴の吐出を実行させ、光ディスク101がもう1周(2周目)するうちに、2周目第3分割データV2によるインク滴の吐出を実行させる。これにより、第3分割データVの全てのドットに対応した位置の印刷が完了し、その結果、光ディスク101のレーベル面101aに可視情報を印刷することができる。
例えば、図13に示すように、第1分割データTにより印刷可能領域の最外周に滴下されるインク滴の中心から光ディスク101の回転中心Oまでの距離rを60[mm]とする。また、第1分割データTの全てのドットに対応する位置にインク滴が滴下される場合の最外周に並ぶインク滴の間隔L1を600[dpi](42.3μm)とする。そして、印刷ヘッド21から吐出されるインク滴の吐出周波数を10KHzとする。
図14(A)に示すように、1周目第1分割データT1の最外周に並ぶドットの間隔は、第1分割データTの最外周に並ぶドットの1つ置きの間隔である(2周目第1分割データT2も同様)。そのため、1周目第1分割データT1により印刷可能領域の最外周に滴下されるインク滴の間隔L2は、1200[dpi](84.6μm)となる。したがって光ディスク101の1分間当たりの回転数[rpm]は、以下のようにして算出される。
線速:84.6μm[m]×10×10[1/s]=0.846[m/s]
ディスクの回転数:0.846[m/s]/(120×10−3×π)×60[s]=134.6[rpm]
このように、第1分割データTを、1周目第1分割データT1と2周目第1分割データT2に分けることにより、光ディスク101の1分間当たりの回転数を134.6[rpm]にすることができる。即ち、スピンドルモータ3の1分間当たりの回転数を100[rpm]よりも大きくすることができる。その結果、スピンドルモータ3を安定して回転させることができ、良好な印刷品質を得ることができる。
本実施の形態では、各分割データT,U,Vを、それぞれ1周目の分割データと、2周目の分割データとの2つのデータに分ける構成としたが、これに限定されるものではない。即ち、各分割データT,U,Vは、光ディスクの1周目にインク滴を吐出するか否かを表す1周目のデータと、光ディスクの2周目以降に1周目で残された部分にインク滴を吐出するか否かを表す2周目以降の複数のデータとに分けることができるものである。その際、分けた後の各データ(例えば、本実施の形態の1周目第1分割データT1及び2周目第1分割データT2)は、分ける前のデータ(例えば、本実施の形態の第1分割データT)で周方向に並ぶ複数ドットの少なくとも1つ置きのドットにより構成する。
図15は、1周目第1分割データの第2の具体例を示す1周目第1分割データTa1を説明するものである。図15に示すように、1周目第1分割データTa1は、光ディスク101の周方向に1つ置きであると共に半径方向にも1つ置きに配列されて全体で千鳥状を形成するような複数のドットda1により構成されている。この1周目第1分割データTa1により、プリント制御部53は、印刷ヘッド21の複数の吐出ノズル31からインク滴を吐出させる吐出タイミングを異ならせるように制御する。
また、1周目第1分割データTa1の周方向に並ぶドットの間隔は、1周目第1分割データT1と同様に、第1分割データTの周方向に並ぶドットの1つ置きの間隔となる。そのため、1周目第1分割データT1と同様に、スピンドルモータ3の1分間当たりの回転数を100[rpm]よりも大きくすることができる。その結果、スピンドルモータ3を安定して回転させることができ、良好な印刷品質が得ることができる。
以上説明したように、本発明の印刷装置によれば、ヘッド制御部が回転駆動されるディスク状記録媒体の1周目で周方向に所定間隔をあけて複数箇所にインク滴を塗布し、2周目以降で1周目に残された部分にインク滴を塗布するように制御するため、ディスク状記録媒体を安定して回転駆動させながら、所定の吐出周波数でインク滴を吐出して印刷を行うことができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施の例では、DVD−RWを記録媒体として用いた例について説明したが、光磁気ディスクや磁気ディスク等を用いた他の記録方式の記録媒体を使用した印刷装置に適用できるものである。更に、本発明に係る印刷装置としては、前述したディスク記録再生装置に限定されるものではなく、この種の印刷装置を用いることができるディスクドライブ装置、撮像装置、パーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤ、カーナビゲーションその他各種の電子機器に適用できるものである。
本発明の印刷装置の第1実施形態を示す光ディスク装置の平面図である。 本発明の印刷装置の第1実施形態を示す光ディスク装置の正面図である。 本発明の印刷装置の第1実施形態を示す光ディスク装置の信号の流れを示したブロック図である。 本発明の印刷装置の制御部における動作の流れを示すものであり、可視情報に基づいてインク吐出データを生成する工程を説明するフローチャートである。 本発明の印刷装置に供給される可視情報のイメージ図である。 図5に示す可視情報に基づいて変換された、C(シアン),Y(イエロー),M(マゼンタ),K(ブラック)の各色により表現されるCYMKデータを説明するもので、図6(A)はシアンデータの説明図、図6(B)はマゼンタデータの説明図、図6(C)はイエローデータの説明図、図6(D)はブラックデータの説明図である。 本発明の印刷装置の制御部により生成されるデータを説明するもので、図7(A)は極座標データの説明図、図7(B)はドット補正データの説明図、図7(C)はインク吐出データの説明図である。 本発明の印刷装置に係る二軸直交座標データから極座標データへの変換の工程を説明する説明図である。 本発明の印刷装置に係る補正重みの近似的な算出について説明する説明図である。 本発明の印刷装置の第1実施形態において、極座標データからインク吐出データを生成するまでの工程を説明する説明図である。 本発明の印刷装置の第1実施形態において、ドット補正データからインク吐出データを生成する際の誤差拡散法の演算過程を説明する説明図である。 本発明の印刷装置に係るインク吐出データの分割を説明するものであり、図12(A)は第1分割データの説明図、図12(B)は第2分割データの説明図、図12(3)は第3分割データの説明図である。 光ディスクのレーベル面において、第1分割データのドットに対応した位置を説明する説明図である。 図12に示す第1分割データの1周目第1分割データと2周目第1分割データを説明するものであり、図14(A)は光ディスクのレーベル面において、1周目第1分割データのドットに対応する位置を説明する説明図、図14(B)は光ディスクのレーベル面において、2周目第1分割データのドットに対応する位置を説明する説明図である。 1周目第1分割データの第2の具体例を説明する説明図である。
符号の説明
1…光ディスク装置(印刷装置)、 2…トレイ、 3…スピンドルモータ(回転駆動部)、 6…印刷部、 7…制御部、 16…光ピックアップ、 21…印刷ヘッド、 23…インクカートリッジ、 31…吐出ノズル、 32…ヘッド駆動モータ、 41…インターフェース部、 51…中央制御部、 52…ドライブ制御部、 53…プリント制御部

Claims (5)

  1. 着脱可能に装着されるディスク状記録媒体を回転駆動するディスク回転部と、
    前記ディスク回転部により回転駆動される前記ディスク状記録媒体の情報記録面に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、
    前記回転駆動される前記ディスク状記録媒体のレーベル面に対してインク滴を吐出して可視情報を印刷する印刷用ヘッドと、
    前記印刷用ヘッドに設けた吐出ノズルから吐出されるインク滴の吐出タイミングを制御するヘッド制御部と、を備え、
    前記ヘッド制御部は、印刷される前記可視情報の、前記ディスク状記録媒体の1周に相当する部分を、1周目で周方向に所定間隔をあけて複数箇所にインク滴を塗布し、2周目以降で1周目に残された部分にインク滴を塗布するように制御することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷用ヘッドは、前記ディスク状記録媒体の半径方向に並べられた複数の吐出ノズルを有し、
    前記ヘッド制御部は、前記複数の吐出ノズルからインク滴を吐出させる吐出タイミングを一致させるように制御することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記印刷用ヘッドは、前記ディスク状記録媒体の半径方向に並べられた複数の吐出ノズルを有し、
    前記ヘッド制御部は、前記ディスク状記録媒体の1周目において、前記複数の吐出ノズルからインク滴を吐出させる吐出タイミングを異ならせるように制御することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  4. 前記印刷用ヘッドは、前記ディスク状記録媒体の半径方向に並べられた複数の吐出ノズルを有し、
    前記ヘッド制御部は、前記ディスク状記録媒体の半径方向の距離に応じて吐出するインク滴を間引くように制御することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  5. ディスク回転部により回転駆動されるディスク状記録媒体のレーベル面に印刷用ヘッドからインク滴を吐出させて可視情報の印刷を行う印刷方法であって、
    印刷される前記可視情報の、前記ディスク状記録媒体の1周に相当する部分を、1周目で所定間隔をあけて複数箇所にインク滴を塗布する第1吐出工程と、
    2周目以降で1周目に残された部分にインク滴を塗布する第2吐出工程と、を設けたことを特徴とする印刷方法。
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