JP2008027505A - 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のものに比べて大きな外部磁場に対して軟磁性裏打ち層の磁壁形成の抑止を行いながら、裏打ち層のHkをさらに向上させ、かつ生産性を高めた垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と非磁性下地層と磁気記録層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記裏打ち層と前記下地層と磁気記録層と前記保護膜とが蒸着法により形成されてなり、前記裏打ち層が軟磁性裏打ち下層と非磁性金属層と軟磁性裏打ち上層の積層体であり、前記非磁性金属層が、金属層形成後に0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理されてなるものであることを特徴とする垂直磁気記録媒体およびその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関する。この磁気記録媒体は各種磁気記録装置への搭載用として有用である。
近年、磁気記録の高密度化を実現する技術の一つとして、従来の長手磁気記録方式に代えて、垂直磁気記録方式が注目されつつある。
垂直磁気記録媒体は硬質磁性材料からなる磁気記録層と、この磁気記録層への記録に用いられる、磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料を含有する裏打ち層から構成されている。このような構造の垂直磁気記録媒体において問題となるノイズのひとつであるスパイクノイズは、裏打ち層である軟磁性層に形成された磁壁によるものであることが知られている。
磁壁形成およびノイズ発生のメカニズムは以下の通りである。
基体上に軟磁性層を形成すると、軟磁性層の異方性が小さいために軟磁性層の内外周辺部において静磁エネルギーを減少させるために還流磁区が発生する。実用程度の軟磁性層の膜厚では磁壁はブロッホ型となっており、磁壁内でスピンは膜厚方向に回転していることから、磁壁上下端に垂直方向の磁極が現れることになり、これがノイズの原因となる。
そのため、垂直磁気記録媒体の低ノイズ化のためには、軟磁性層の内外周辺部における磁壁形成を阻止する必要がある。
この軟磁性裏打ち層の磁壁の制御については、例えば軟磁性裏打ち層間に非磁性金属を挟むことにより(例えば、特許文献1、2参照。)裏打ち軟磁性膜の主要部分を占める軟磁性膜の磁化方向を互いに180°異なる向きに向けるようにして反強磁性的に結合させ、しかも基板が円板状である場合には、磁化の方向を円板状基板の周方向に揃えることにより、ノイズの原因となる磁壁の発生を抑制することができる。
このように、軟磁性裏打ち層間に非磁性金属を挟んだ構造を有する裏打ち層において、軟磁性裏打ち層間に働く結合力(交換結合磁界)は、非磁性金属膜厚の増大に伴い振動的に減衰し、反強磁性的な結合をもたらす結合力が最大となる非磁性金属膜厚は使用する非磁性金属の電子構造や結晶配向に依存する。また、軟磁性裏打ち層の特性を評価するパラメータの1つである異方性磁界Hkは、軟磁性材料の飽和磁化Msや膜厚、裏打ち層間の結合力、即ち非磁性金属層の膜厚等により決定される。
高品質の垂直磁気記録媒体を提供する上で、ヘッドの書き込み磁界の軟磁性裏打ち層からの戻り磁界の影響により、書き込みを行った近隣の記録データが小さくなっていくという現象(隣接トラック消去)が大きな問題となっている。この隣接トラック消去を防止する手段の一つとして、軟磁性裏打ち層のHkを増大させることが効果的である。
特開平1−128226号公報 特開平7−85442号公報
軟磁性裏打ち層のHkの値は主に、前述した非磁性金属層の膜厚や、軟磁性材料のMs、膜厚等の値に応じて変化する。また、軟磁性裏打ち層のHkは、形成プロセスや層構成によっても変化し、例えば、構造面からHkを高める手法として、軟磁性裏打ち層の上層や下層に反強磁性薄膜を形成し、交換結合を利用して磁化をピン止めする方法が提案されているが、十分大きなHkを得るためには、製膜後に数分から数時間を要する熱処理をする必要があったり、また、軟磁性層と反強磁性層を何層にも積層する必要があったりするなど、複雑かつコスト高な方法を採用する必要があり、生産性において解決すべき問題点を多々残しているのが現状である。
本発明はこのような問題の存在に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来のものに比べて大きな外部磁場に対して軟磁性裏打ち層の磁壁形成の抑止を行いながら、軟磁性裏打ち層のHkをさらに向上させ、かつ生産性を高めた垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と非磁性下地層と磁気記録層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記裏打ち層と前記下地層と磁気記録層と前記保護膜とが蒸着法により形成されてなり、前記裏打ち層が軟磁性裏打ち下層と非磁性金属層と軟磁性裏打ち上層の積層体であり、前記非磁性金属層が、金属層形成後に0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理されてなるものであることを特徴とする。
また、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基体上に蒸着法により軟磁性裏打ち下層、非磁性金属層をこの順に形成し、形成された非磁性金属層の表面を0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理した後、その上に蒸着法により軟磁性裏打ち上層を形成する軟磁性裏打ち層形成工程と、形成された軟磁性裏打ち層の上に蒸着法により非磁性下地層を形成する非磁性下地層形成工程と、形成された非磁性下地層の上に蒸着法により磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程と、形成された磁気記録層の上に蒸着法により保護膜を形成する保護膜形成工程を有することを特徴とする。
本発明によれば特別な層構成を必要とすることなく、記録再生特性の更なる向上の達成に効果的な軟磁性裏打ち層のHkの高い垂直磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、コストの増大を伴うことなく高性能の垂直磁気記録媒体を製造でき、かつ大量生産に適した優れた製造方法である。
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
図1は本発明の垂直磁気記録媒体の1実施態様を示す断面模式図である。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1上に少なくとも軟磁性裏打ち層9と非磁性下地層5と磁気記録層6と保護膜7とが順次積層された構造を有しており、図1に示す例では、保護膜7の上に液体潤滑層8が設けられている。軟磁性裏打ち層9は軟磁性裏打ち下層2と非磁性金属層3と軟磁性裏打ち上層4の積層体であり、この非磁性金属層3は、金属層形成後に窒素含有ガスで表面暴露処理されてなる。
本発明において用いられる非磁性基体1としては、通常の磁気記録媒体で用いられる基体であればいずれも用いることができ、具体例としては、NiPメッキを施したアルミニウム合金、強化ガラス、結晶化ガラスなどを挙げることができる。
本発明で用いられる非磁性下地層5は磁気記録層6の結晶配向性や結晶粒径を制御するために設けられるものであり、RuあるいはRu含有合金を非磁性下地層用金属として用いることができる。
本発明において用いられる磁気記録層6としては、少なくともCoとCrを含む合金の強磁性材料が好ましく用いられる。この合金としては、その六方最密充填構造のc軸が膜面に垂直方向に配向していることが好ましい。
保護膜7は必要な機械的強度、耐熱性、耐酸化性、耐腐食性等を備えたものであればよく、従来より使用されている材料であれば特に材料組成を限定するものではないが、例えば、カーボンを主体とした薄膜が好適に用いられる。液体潤滑層8としては、例えば、パーフルオロポリエーテル形の潤滑剤が好ましく用いられる。
前記軟磁性裏打ち層9の構成要素のひとつである軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4としては、NiFe系合金、センダスト(FeSiAl)合金、飽和磁束密度の大きなFeCo合金等の結晶質合金や、非晶質のCo合金、例えばCoZrNb、CoTaZrなどを用いることができる。この軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、生産性との兼ね合いも考慮して、いずれも10〜500nmであることが好ましい。
軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の磁化容易軸は、基板面と平行で互いに180°異なる向きに結合している必要がある。その理由は、非磁性金属層3を間に挟んだ軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4同士の磁化が反平行に反強磁性的に結合している場合、その結合強度以下の外部磁界を印加しても磁化の向きは変化しない。即ち、軟磁性層中に磁壁を生じず、スパイクノイズの発生を抑制できるからである。
非磁性金属層3としては、Cu,Ru,Rh,Pd,Reのいずれかの金属又はその合金を主体とする材料を用いることができる。この非磁性金属層3の膜厚は、軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の磁化容易軸が基板面と平行で互いに180°異なる方向を向き、かつ、強い結合強度が得られるように適切に選ぶ必要があるが、外部磁場に対する高度の耐性を得るためには、その膜厚を0.1〜5nmとすることが好ましい。その理由は以下の通りである。
非磁性金属層3の膜厚を0nmから次第に厚くしていくと、軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の磁化容易軸が基板と平行で互いに同じ方向を向く結合(強磁性的な結合)と基板面と平行で互いに180°異なる方向を向く結合(反強磁性的な結合)が交互に現れる。例えば、非磁性金属層4としてRuを用いた場合、Ru膜厚が0〜0.3nmの範囲では軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4は強磁性的に結合し、0.3〜1.2nmでは反強磁性的に結合する。さらに膜厚を増加させると、1.2〜1.8nmでは強磁性的に結合し、1.8〜3.0nmでは反強磁性的に結合する。
この強磁性的な結合をする膜厚範囲、反強磁性的結合をする膜厚範囲は用いる金属により異なり、したがって、反強磁性的結合を示す膜厚は種々の金属を用いた場合を考慮すると、0.1nm以上であることが好ましい。
軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の結合強度は非磁性金属層3の膜厚が増加するに従い減少する。結合強度が強いほど外部磁場に対する耐性が強くなることから、非磁性金属層3に用いる金属の種類により異なるが、ハードディスクドライブ中の浮揚磁場に対して十分な耐性を確保するためには非磁性金属層3の膜厚は5nm以下であることが好ましい。
この非磁性金属層3は、0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理されてなる。表面が0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理されてなる非磁性金属層を軟磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の間に有する軟磁性裏打ち層9は、この表面処理をされていない非磁性金属層を磁性裏打ち下層2および軟磁性裏打ち上層4の間に有する軟磁性裏打ち層の異方性磁界Hkの値と比較して、200Oeから300Oe程度のHkの向上が見られる。窒素含有ガス中の窒素濃度が0.1at%未満では上述のHk向上効果が不十分となる。窒素含有ガスが100at%窒素でないときの窒素以外のガス成分としては、Arなどの不活性ガスを挙げることができる。この窒素含有ガスは窒素と不活性ガス以外に、2at%未満であれば酸素を含んでいても窒素によるHk向上効果をさほど損なうことがないので酸素を含んでいてもよい。
窒素含有ガスによる表面暴露処理の処理時間は0.1〜10秒であることが好ましい。上記下限以下では表面暴露処理効果が不十分となり、上記上限を超えても処理効果の更なる向上はなく、使用するガスがコスト高の原因ともなる。
前記裏打ち層と前記下地層と磁気記録層と前記保護膜とが蒸着法により形成されている。蒸着法としては物理的蒸着法、化学的蒸着法(CVD法)を挙げることができ、物理的蒸着法としてはスパッタ法、真空蒸着法を挙げることができる。即ち、前記蒸着法としては、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法を挙げることができる。スパッタ法としては、DC(直流)マグネトロンスパッタ法、RF(高周波)マグネトロンスパッタ法を挙げることができる。
複数の層を蒸着法で形成する場合、すべての層を同一の蒸着法で形成してもよく、形成する層によって異なる蒸着法を選んでもよい。即ち、蒸着法としてスパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかもしくはこれらの2以上の組み合わせを採用することができる。
次に、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、まず、非磁性基体1上に蒸着法により軟磁性裏打ち下層2、非磁性金属層3をこの順に形成し、形成された非磁性金属層3の表面を0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理した後、その上に蒸着法により軟磁性裏打ち上層4を形成する軟磁性裏打ち層5形成工程を有する。非磁性基体1、軟磁性裏打ち下層2、非磁性金属層3、軟磁性裏打ち上層5を構成する素材は垂直磁気記録媒体の説明の項で述べたものが用いられる。
本製造方法において、前記裏打ち層下層の膜厚が10〜500nmであり、前記非磁性金属層の膜厚が0.1〜5nmであり、前記軟磁性裏打ち上層の膜厚が10〜500nmであることが好ましい。その理由は垂直磁気記録媒体の説明の項で述べたとおりである。
さらに、本発明の製造方法は、こうして形成された軟磁性裏打ち層9の上に蒸着法により非磁性下地層5を形成する非磁性下地層形成工程を有する。非磁性下地層5を構成する素材は垂直磁気記録媒体の説明の項で述べたものが用いられる。
さらに、本発明の製造方法は、こうして形成された非磁性下地層5の上に蒸着法により磁気記録層6を形成する磁気記録層形成工程を有する。磁気記録層6を形成する素材は垂直磁気記録媒体の説明の項で述べたものが用いられる。
さらに、本発明の製造方法は、こうして形成された磁気記録層6の上に蒸着法により保護膜7を形成する保護層形成工程を有する。
本発明の製造方法で用いられる蒸着法は垂直磁気記録媒体の説明の項で述べたと同様である。
本発明の製造方法においては、こうして形成された保護膜7の上に液体潤滑剤層8を設ける液体潤滑剤層形成工程を有してもよい。潤滑剤としては前述のものを用いることができ、液体潤滑剤層形成には、例えば、ディップコート法、スピンコート法を採用することができる。
以下に、本発明の垂直磁気記録媒体およびその製造方法を実験例によりさらに説明する。
[実験例1]
非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(HOYA社製、N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後にスパッタ装置内に導入し、Co85Zr10Nb5ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタ法によりCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち下層2を110nm成膜し、引き続きRuターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタ法によりRu非磁性金属層3を0.8nm成膜した。
次に、10at%窒素ガスを含有するArガス(Ar−10%Nガス)を用い、10mTorrの雰囲気下でRu非磁性金属層3の表面を3秒間窒素暴露処理した。そして再び、Co85Zr10Nb5ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタ法によりCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち上層2を90nm製膜した。次にカーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜7をDCマグネトロンスパッタ法で10nm成膜した後、スパッタ装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる2nm厚の液体潤滑層8をディップコート法により形成し、非磁性下地層と磁気記録層を有さない円板状の垂直磁気記録媒体の部分モデル体を作製した。
なお、非磁性金属層の膜厚は、軟磁性裏打ち層のHkの値が最大となる膜厚を選択し、窒素暴露プロセスの有無によるHkの増減を検証するために、比較実験例も含めて各実験例における非磁性金属層の膜厚を同じにした。
得られた媒体の、磁化困難軸方向(半径方向)におけるヒステリシスループを振動試料磁力計(VSM)により測定した結果を図3に示す。軟磁性裏打ち層のHk値は、これら困難軸方向のヒステリシスループにおいて、磁化が飽和した際の印加磁場の値(Oe)として求められる。実験例1の垂直磁気記録媒体のHkの値は754Oeと求められた。
[実験例2]
窒素暴露プロセスにおいてAr−0.1%Nガスを用いて10秒間暴露した以外は実験例1と同様にして、非磁性下地層と磁気記録層を有さない円板状の垂直磁気記録媒体の部分モデル体を作製した。得られた媒体を用いて実験例1と同様にしてHk値を求めた。その結果を実験例1の結果とともに表1に示す。
[実験例3]
窒素暴露プロセスにおいて100%Nガスを用いた以外は実験例1と同様にして、非磁性下地層と磁気記録層を有さない円板状の垂直磁気記録媒体の部分モデル体を作製した。得られた媒体を用いて実験例1と同様にしてHk値を求めた。その結果を実験例1の結果とともに表1に示す。
[実験例4]
窒素暴露プロセスにおいて、酸素を加えたAr−10%N−2%Oガスを用いた以外は実験例1と同様にして、非磁性下地層と磁気記録層を有さない円板状の垂直磁気記録媒体の部分モデル体を作製した。得られた媒体を用いて実験例1と同様にしてHk値を求めた。その結果を実験例1の結果とともに表1に示す。
[比較実験例1]
窒素暴露プロセスを行わない以外は実験例1と同様にして、非磁性下地層と磁気記録層を有さない円板状の垂直磁気記録媒体の部分モデル体を作製した。
得られた媒体の、磁化困難軸方向(半径方向)におけるヒステリシスループを振動試料磁力計(VSM)により測定した結果を図2に示す。比較実験例1の垂直磁気記録媒体のHkの値は398Oeと求められた。
[実施例1]
実験例1と同様にして化学強化ガラス基板(HOYA社製、N−5ガラス基板)からなる非磁性基体1の上にCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち下層2とRu非磁性金属層3を積層し、Ru非磁性金属層3の表面を窒素暴露処理した後、CoZrNb非晶質軟磁性裏打ち上層2を成膜した。こうして得られた軟磁性裏打ち層9の上にスパッタ装置内で、DCマグネトロンスパッタ法により非磁性下地層5としてTaを6nm成膜し、さらにその上に磁気記録層6としてCo77Cr9Pt10SiO4を20nm成膜し、この磁気記録層6の上に実験例1と同様にしてカーボンからなる保護膜7を形成した後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑層8を形成し、円板状の垂直磁気記録媒体を得た。得られた垂直磁気記録媒体のSN比を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1]
実験例1と同様にする代わりに実験例2〜4、比較実験例1と同様にする以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1の垂直磁気記録媒体を得た。得られたこれらの垂直磁気記録媒体のSN比を表1に示す。
Figure 2008027505
実験例1と比較実験例の比較から、窒素暴露プロセスを行うことにより約1.9倍のHk向上効果が得られていることがわかる。即ち、複雑かつコスト高な方法を用いることなく、単に窒素暴露処理という簡便な方法でHkを高めることができることがわかった。
また、表1から、非磁性金属表面を暴露する暴露処理ガス中の窒素濃度が増加するにつれて軟磁性裏打ち層のHkが向上していることがわかる。例えば、100%窒素ガスで暴露処理した実験例3の垂直磁気記録媒体のHkは791Oeとなり、比較実験例のそれの約2倍であり、表1中で最も高い値を示している。なお、窒素含有ガスの暴露処理時間は0.1〜10秒の間でHkの差異は認められなかった。
また、実験例4から、暴露処理用の窒素含有ガス中に酸素が含有されていても窒素によるHk向上効果を示すことができることがわかった。
また、実施例1〜4、比較例1から、軟磁性裏打ち層のHkの値が大きいほど良好なSN比が得られることが認められる。例えば、窒素暴露なしの比較例1に比べ、100%窒素ガスを用いた実施例3では、約1.0dBのSN比の改善が見られる。
本発明によれば、特別な層構成を必要とすることなく、非磁性金属層の表面を窒素ガスで暴露するという簡単なプロセスでHkの増大を図ることができるので、コストの増大もほとんどなく、かつ大量生産にも適しており、垂直磁気記録媒体のSN比向上手段として有用である。
本発明の垂直磁気記録媒体の1実施態様を示す断面模式図である。 比較実験例1で得られた垂直磁気記録媒体の部分モデル体のヒステリシスループを示す図である。 実験例1で得られた垂直磁気記録媒体の部分モデル体のヒステリシスループを示す図である。
符号の説明
1:非磁性基体
2:軟磁性裏打ち下層
3:非磁性金属層
4:軟磁性裏打ち上層
5:非磁性下地層
6:磁気記録層
7:保護膜
8:液体潤滑層
9:軟磁性裏打ち層

Claims (8)

  1. 非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と非磁性下地層と磁気記録層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記裏打ち層と前記下地層と磁気記録層と前記保護膜とが蒸着法により形成されてなり、前記裏打ち層が軟磁性裏打ち下層と非磁性金属層と軟磁性裏打ち上層の積層体であり、前記非磁性金属層が、金属層形成後に0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理されてなるものであることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記蒸着法が、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれか1つもしくはそれらの2以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記軟磁性裏打ち層下層の膜厚が10〜500nmであり、前記非磁性金属層の膜厚が0.1〜5nmであり、前記軟磁性裏打ち上層の膜厚が10〜500nmであることを特徴とする請求項1または2記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性金属層が、Cu,Ru,Rh,Pd,Reのいずれかの金属又はその合金を主体とする材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 非磁性基体上に蒸着法により軟磁性裏打ち下層、非磁性金属層をこの順に形成し、形成された非磁性金属層の表面を0.1〜100at%の窒素を含む窒素含有ガスで表面暴露処理した後、その上に蒸着法により軟磁性裏打ち上層を形成する軟磁性裏打ち層形成工程と、形成された軟磁性裏打ち層の上に蒸着法により非磁性下地層を形成する非磁性下地層形成工程と、形成された非磁性下地層の上に蒸着法により磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程と、形成された磁気記録層の上に蒸着法により保護膜を形成する保護膜形成工程を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記蒸着法が、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれか1つもしくはそれらの2以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記軟磁性裏打ち層下層の膜厚が10〜500nmであり、前記非磁性金属層の膜厚が0.1〜5nmであり、前記軟磁性裏打ち上層の膜厚が10〜500nmであることを特徴とする請求項5または6記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記非磁性金属層が、Cu,Ru,Rh,Pd,Reのいずれかの金属又はその合金を主体とする材料からなることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
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