JP2008026182A - 高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法 - Google Patents

高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高燃焼度化や使用環境の変化に対しても、良好な耐食性、耐水素吸収性及び強度特性を示し、かつデブリフレッティング、PCI並びに二次水素化に対しても健全性を示す高燃焼度用被覆管およびその製造方法を提供する。
【解決手段】約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度で使用される高燃焼度用燃料被覆管において、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、高燃焼度で使用される内側にライナ層を有する高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法に関する。
特に、長期間の使用や水素注入等の使用環境下において、良好な耐食性、耐水素吸収性、強度特性を示し、さらにデブリフレッティング、PCI(pellet cladding interaction)、二次水素化にも健全性を示すことができる高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法に関する。
ジルコニウム合金は原子炉用燃料構造部材として広く用いられている。
最も一般的に用いられてきたジルコニウム合金は、ジルカロイ−2(Sn:1.2〜1.7重量%、Fe:0.07〜0.20重量%、Cr:0.05〜0.15重量%、Ni:0.03〜0.08重量%、残部Zr)およびジルカロイ−4(Sn:1.2〜1.7重量%、Fe:0.18〜0.24重量%、Cr:0.07〜0.13重量%、残部Zr)である。
他にもZr−2.5%Nb、Zr−1%Nb合金なども原子炉に適用されている。
上記合金は主に、中性子経済性、強度および耐食性を考慮して開発された合金である。
(1) ノジュラー腐食
しかしながら、上記材料は、沸騰水型原子炉に使用した場合、原子炉運転中に表面にノジュラー腐食と呼ばれるレンズ状の局部腐食が発生することが問題となっていた。
ノジュラー腐食は照射の進行につれて成長し、腐食層が厚くなると剥離に至ることもある。
ノジュラー腐食の発生は構造材の減肉をもたらすのみならず、腐食層が剥離した場合は冷却材中の放射線濃度を高め、定検時の被曝量を増加させるおそれがある。
ノジュラー腐食を防止するため、α+β相あるいはβ相温度範囲に短時間加熱し急冷する熱処理方法(特公昭61−45699号、特公昭63−58223号)、および合金組成を変更する方法(特開昭60−43450号、特開昭62−228442号)が提案されている。
上記従来技術によれば、ノジュラー腐食の発生は抑制され、腐食形態を、腐食生成物である酸化被膜が均一に成長するという一様腐食にすることができる。また、上記従来技術によれば、形成される一様な酸化膜が非常にうすく高い保護性を持つ。
本発明が対象とする高燃焼度・長期間使用の使用環境ではない現在の実炉の運転条件下では、上記従来技術による材料は、耐ノジュラー腐食の機能を充分に果たすと云うことができる。
特開平10−260280公報には、全体に対するFeの含有率と、全体に対するNiの含有率との和を、0.25重量パーセント以上0.35重量パーセント以下とした燃料被覆管において、外周面の平均表面粗さを0.25μm以下とすることで、一様腐食発生への影響を緩和する技術が記載されている。
(2) 水素吸収特性
その一方、高燃焼度におけるジルカロイ部材の健全性を考慮する際、耐食性並んで重要な材料特性として水素吸収特性が挙げられる。
現在、原子力発電プラントの経済性向上のため燃料の高燃焼度化が段階的に進められているが、燃料集合体の原子炉内滞在時間が長期化すると、耐食性だけでなく水素吸収特性も問題となる。
これまでの知見から、冷却材との反応を通じてジルコニウム合金基材に吸収・蓄積される水素量がある一定レベルを超えると、ジルカロイ製構造部材が脆化する可能性があると指摘されている。
特開昭62−228442号に示されているように、ジルカロイ中のFe添加濃度を高めることにより水素吸収量が低減するという定性的な傾向が現在では一般的に知られている。
この知見に基づき、主に沸騰水型軽水炉で使用されるジルカロイ−2については、その仕様範囲内でFe濃度を高める等の成分調整が実施されており、その結果、現在の運転条件下では、耐食性および水素吸収特性の両面において優れた性能を示し、それぞれの燃料部材に求められる機能を果たしている。
しかしながら、近年、原子炉の炉水給水系への水素注入等の炉水環境の変化や、材料部材の薄肉化といった燃料設計仕様の変更等に伴い、腐食および水素吸収の観点からは構造材の使用条件がより厳しくなってきている。
このような状況下、原子炉燃料の信頼性向上並びに高性能化を図る上で、水素吸収量を低減する技術および材料の開発が強く求められている。
(3) デブリフレッティング
最近の報告によれば、米国で近年発生した燃料破損事例について、その主たる原因として、デブリフレッティング、異常腐食及びPCI(pellet cladding interaction)などが挙げられている(R.Yang,O.Ozer and H.S.Rosenbaum,An International Topical Meeting on Light−Water−Reactor−Fuel−Performance,April 10−13,2000)。
日本国内燃料の信頼性は諸外国に比べ高いレベルにあるとされているが、原子炉経済性および燃料の信頼性をさらに向上させる上で、これらの破損要因に対してさらに高い健全性を示す燃料が求められている。
構造上のデブリフレッティングに対する対策として、下部タイプレートを異物を捕捉する構造としたものや、下部タイプレートにデブリフィルターを設けたものが提案されている。
被覆管の改良によるデブリフレッティングに対する対策として、特開平6−230160号公報には、被覆管の下部外表面を、イオンビームによって他の部分より硬度を増加し、フレッティング磨耗を軽減する技術が提案されている。
また、燃料棒の下部端栓を長くすることで異物フレッティングが起こっても被覆管は磨耗しないようにしたものや、燃料棒下部の被覆管表面にあらかじめ酸化膜をつけて摩耗しにくくする方法が知られている。
(4) PCI
PCIに対する被覆管の改良としては、被覆管により柔らかい金属(主としてジルコニウム)を内張りにし、被覆管にかかる応力を低減する方法が知られている。従来からこの技術は一般に用いられている。この技術は、燃料が破損する可能性を低減する上で有用である。
一方、何らかの原因により燃料被覆管が破損孔が生じると(一次破損)、破損孔から冷却水が燃料棒内に浸入し、内張りされた金属と反応して水素が発生し、発生した水素に起因する二次水素化を生じることが知られている。
水素化により被覆管の延性が小さくなった箇所ではクラックが進展しやすくなる。
ジルコニウムライナ被覆管の二次水素化を抑制する対策として、ライナの表面に20μm以下の薄いジルカロイの層をつけた3層構造の被覆管、Sn合金ライナ被覆管、ライナ層の表面に酸化膜を形成した被覆管、ライナ中のFeの含有量を増やした被覆管などが知られている。
特公昭55−33037号公報には、ジルコニウム合金管およびその内表面に冶金学的に結合されかつ不純物含有率が1000重量ppm未満で、酸素濃度200重量ppm未満のジルコニウム層からなる複合被覆管が記載されている。
特開平4−54491号公報には、燃料被覆管が厚さ5〜10μmの耐食性に優れたジルコニウム合金からなる内表面、純ジルコニウムからなる中間層及び耐水腐食性に優れたジルコニウム合金からなる外表面層で構成された三重構造からなる被覆管が記載されている。
特公平3−71078号公報には、その従来技術として、Zr基合金製の被覆管はその内面が0.1〜1.0重量%のSnを含有するジルコニウムの層で内張りされており、前記層中のジルコニウム内に存在する他の物質の合計が0.5重量%以下である原子炉用燃料棒が記載されている。
特公平3−73832号公報には、被覆管内表面のライナ層がZr−Sn合金であって、同ライナ中の酸素を500重量ppm以下とした技術が記載されている。
実開昭53−25693号および特開昭63−179286号公報には、被覆管の最内表面のライナ層に酸化皮膜を形成する技術が記載されている。
特開昭63−179286号公報には、1200重量ppm以下の酸素を含むジルコニウムからなる内側管状部材の内表面に0.2μm以上の酸化膜を形成することを特徴とする核燃料用被覆管の製造技術が記載されている。
特開平4−190191号公報には、ジルカロイ合金管の内側に純ジルコニウムを内張りしたジルコニウムライナ被覆管において、Fe、Cr、Niを含む電解液中に前記被覆管を浸漬し、交流電流で前記被覆管の内表面に1〜5μmの酸化膜を形成することを特徴とする核燃料被覆管製造方法が記載されている。
特開平7−248391号公報には、ジルコニウムライナ内表面に酸化膜を設ける方法として水蒸気発生器と水蒸気攪拌装置とを備えた大気圧の容器内で酸化処理する技術が記載されている。
特開平10−239473号公報には、ジルコニウム合金管に冶金学的に結合したジルコニウムライナ層が0.05重量%以上1重量%以下のFe、Ni、Co、Rh、Pdのいずれか一つ以上の添加物を含み、かつ当該ライナ層の内表面に酸化膜層を形成することを特徴とする技術が記載されている。
特開2001−66390号公報には、内側金属障壁が約850〜2500ppmの範囲内のFeと残部のジルコニウムおよび不可逆不純物とからなる組成を有することを特徴とする燃料要素が記載されている。
特公昭61−45699号 特公昭63−58223号 特開昭60−43450号 特開昭62−228442号 特開平10−260280公報 特開平6−230160号公報 特公昭55−33037号公報 特開平4−54491号公報 特公平3−71078号公報 特公平3−73832号公報 実開昭53−25693号 特開昭63−179286号 特開平4−190191号公報 特開平7−248391号公報 特開平10−239473号公報 特開2001−66390号公報
以上の従来技術の一部は、燃料集合体平均燃焼度約45GWd/tまでの高燃焼度用燃料被覆管に適用されており、それぞれの目的においては機能を果たしている。
しかしながら、近い将来、燃料集合体の使用環境は、燃料集合体平均燃焼度約45GWd/t以上の高燃焼度で長期間にわたって使用されること、あるいは、プラント経年化対策技術に伴って水素注入等を行う可能性があること等、使用環境の変化が予想される。
かかる使用環境においては、上記従来技術では、良好な耐食性、耐水素吸収性、強度特性を示し、かつ、デブリフレッティング、PCI、二次水素化にも健全性を示すことができず、新しい構成の高燃焼度用被覆管の開発が急がれる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記のようなさらなる高燃焼度化や使用環境の変化に対しても、良好な耐食性、耐水素吸収性及び強度特性を示し、かつデブリフレッティング、PCI並びに二次水素化に対しても健全性を示す高燃焼度用被覆管およびその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、燃焼度が約45GWd/t以上の高燃焼度化が求められた場合に、より経済性、健全性に優れた材料を検討した結果、ライナ型高燃焼度用燃料被覆管のジルコニウム合金製被覆管基材の組成とジルコニウム製ライナ層の組成の特定の組み合わせによって従来技術では得ることのできない特有の効果が生じ、良好な耐食性、耐水素吸収性、強度特性を示し、かつ、デブリフレッティング、PCI、二次水素化にも健全性の向上を示すことができる高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法を新規に見出したものである。
本発明による高燃焼度用燃料被覆管は、
約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度で使用される高燃焼度用燃料被覆管において、
Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させたことを特徴とする。
前記ジルコニウム合金製被覆管基材中に析出する金属間化合物の平均直径が0.05〜0.20μmであるようにすることができる。
前記ジルコニウム製ライナ層に含まれるFeが1000重量ppm以上でかつ1500重量ppm以下であるようにすることができる。
前記ジルコニウム合金製被覆管基材の外表面の表面粗さが0.2μmRa以下であるようにすることができる。
前記ジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の表面に酸化膜が形成されているようにすることができる。
前記ジルコニウム合金製被覆管基材の表面に形成される前記酸化膜の厚さが0.5μm以上であるようにすることができる。
前記ジルコニウム製ライナ層に含まれるFeが1000重量ppm以上でかつ1500重量ppm以下であるようにすることができる。
本発明による高燃焼度燃料被覆管の製造方法は、
内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有し、前記ジルコニウム合金製被覆管基材は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなり、前記ジルコニウム製ライナ層は、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなる、高燃焼度用燃料被覆管の製造方法において、
前記高燃焼度用燃料被覆管を900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理を行う工程と、
前記熱処理の工程の後に、α相における熱間および/または冷間塑性加工処理と焼鈍処理とを行う工程と、を有し、
前記α相における熱間および/または冷間塑性加工処理と焼鈍処理は、下記式により、前記ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径Dが0.05〜0.20μmとなるように管理することを特徴とする。
=[D +2.19×10×Σt 0.74×exp(−17100/T)]1/3
ここで、D:900℃以上の温度に加熱し冷却したのちの金属間化合物の平均直径。
:α相でのi番目の焼鈍における保持時間。
:α相でのi番目の焼鈍温度。
また、本発明による高燃焼度燃料被覆管の製造方法は、
内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有し、前記ジルコニウム合金製被覆管基材は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなり、前記ジルコニウム製ライナ層は、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなる、高燃焼度用燃料被覆管の製造方法において、
前記ジルコニウム合金製被覆管基材と前記ジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させた後に、熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理を加える工程と、
前記熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理を加える工程の後に、空気中、水蒸気中または水中で加熱処理を行い、前記ジルコニウム合金製被覆管基材と前記ジルコニウム製ライナ層の表面に酸化膜を形成させる工程と、を有することを特徴とする。
本願発明は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させたことにより、燃料集合体平均燃焼度約45GWd/t以上の高燃焼度で長期間使用され、あるいは、水素注入等といったプラント経年化対策技術に伴う使用環境のもとで、良好な耐食性、耐水素吸収性、強度特性を示すことができ、かつ、デブリフレッティング、PCI、二次水素化に対しても健全性の向上を示すことができる。
また、本発明の高燃焼度燃料被覆管におけるジルコニウム合金被覆管基材の製造方法は、スペーサー、ウォータロッド、チャンネルボックスなどの部材についても適用可能であり、燃料集合体全体としての耐食性、耐水素吸収性の向上、強度特性の確保が可能である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
本発明の高燃焼度用燃料被覆管を実際の原子炉用材料に適用した例を以下に説明する。
図1は、沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体の斜視図、図2は沸騰水型原子炉の模式図を示す。
BWR商用炉で照射された燃料においては、燃焼度約45GWd/t以上で被覆管中の水素濃度が増加する現象が見られており(NUPEC高燃焼度燃料安全試験 BWR高燃焼度燃料照射試験 総合評価報告書、平成14年3月)、集合体平均としても燃焼度約45GWd/t以上では、水素濃度を低減できる燃料被覆管の使用が求められる。
図2において、原子炉では炉心1内において燃料要素2で発生した熱エネルギーで水3を蒸気4に変え、その蒸気4でタービン5を回して発電する。使用された蒸気は復水器6で水3に戻され再び循環して蒸気4となる。
図2中の燃料要素2は図1に示す燃料集合体を一つの単位としてこれを多数配置することにより構成される。
燃料集合体7は、一般に、チャンネルボックス8内に所定数の燃料棒9とウォータロッド10などの棒状要素を正方配列し、それらの上下端を端栓を介して上部タイプレート11及び下部タイプレート12にそれぞれ装着し、中間高さ位置の複数箇所にスペーサー13を所定間隔で配置する構成になっている。
図1中、チャンネルボックス8、ウォータロッド10、燃料棒9およびスペーサー13は水と直接接している。
燃料棒9はその内部に核燃料ペレットが収納されており、燃料棒被覆管の健全性は燃料棒の健全性、燃料集合体ひいては原子炉の健全性にとって重要である。
現在、燃料棒被覆管にはジルカロイ−2あるいはジルカロイ−4などが使用されており、高燃焼度においては高耐食性、水素吸収量の低減が要求されている。
さらに、さらなる高燃焼度化にともなう長期使用あるいは水素注入等といったプラント経年化対策技術に伴う使用環境の変化が予想される現状のもと、良好な耐食性、耐水素吸収性、強度特性を示し、かつ、デブリフレッティング、PCI、二次水素化にも健全性を示すことのできる本発明の高燃焼度用燃料被覆管を燃料棒9に適用した。
また、本発明の高燃焼度用燃料被覆管に用いられるジルコニウム合金製被覆管基材は、チャンネルボックス8、ウォータロッド10、スペーサー13などの部材に対しても適用可能であり、これらの部材に本発明の高燃焼度用燃料被覆管に用いられるジルコニウム合金製被覆管基材を適用することで、部材の耐食性、耐水素吸収性などが向上し、燃料集合体の健全性がさらに向上する。
本願発明による高燃焼度用燃料被覆管は、内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有している。
ジルコニウム合金被覆管基材に添加する合金元素の濃度において、Sn濃度は強度、耐食性、加工性の観点から1.2〜1.7重量%(wt%)が好適である。
Fe濃度は耐食性、耐水素吸収性、加工性、中性子吸収断面積の観点から0.20〜0.35wt%が好適である。さらには0.20〜0.30wt%が好適であり、さらに好ましくは0.25〜0.30wt%である。
Ni濃度は耐食性、耐水素吸収性の観点から0.03〜0.08wt%が好適である。Cr濃度は耐食性、耐水素吸収性、加工性の観点から0.05〜0.20wt%が好適である。さらには0.05〜0.15wt%が好適であり、さらに好ましくは0.10〜0.15wt%である。
また、Fe、Ni、Cr濃度の合計は耐ノジュラー腐食性、耐一様腐食性、耐水素吸収性の観点から、0.39wt%以上が好適である。
ジルコニウム製ライナ層のFe濃度は、400℃水蒸気中の腐食試験において、約1000ppmより低い場合では、Fe濃度の減少にともない腐食速度が増加するが、約1000ppm以上では腐食速度が飽和する(D.R.Lutz,S.B.Wisner,D.M.Farkas,R.B.Adamson,Topfuel’99,Avignon,1999)。このため、本発明の高燃焼度用燃料被覆管においては、二次水素化抑制のために約1000ppm以上であることが必要である。
一方、耐PCI性能の向上に必要なジルコニウム製ライナ層のFe濃度は、PCIを模擬した試験において、約1000ppm以上ではFe濃度の増加にともない破損する割合が高くなる(D.R.Lutz,S.B.Wisner,D.M.Farkas,R.B.Adamson,Topfuel’99,Avignon,1999)。このため、耐PCI性能としてはFe濃度は低いほうが望ましいが、前記PCI模擬試験における破損の割合はFe濃度1000ppmから1500ppmの間の増加は少なく、1500ppmから3000ppmの間で急増していることから、Fe濃度1500ppm以下であることが望ましい。
したがって、ジルコニウム製ライナ層の耐食性の向上による二次水素化の抑制と耐PCI性能の向上を兼ね備えた高燃焼度用燃料被覆管においては、ジルコニウム製ライナ層のFe濃度は1000〜1500ppmであることが好適である。
本願発明の高燃焼度用燃料被覆管と比較用の被覆管を腐食試験に供した。
表1は、ノジュラー腐食試験に供したジルコニウム合金製被覆管基材の金属間化合物の平均直径と合金組成である。
Figure 2008026182
ノジュラー腐食試験は410℃で約12MPaの水蒸気中で4時間加熱したのち、520℃で約12MPaの水蒸気中で16時間加熱して行った。
腐食試験後の被覆管のジルコニウム合金製被覆管基材側外表面を写真撮影し、外表面に占めるノジュラー酸化膜(外観で白色または灰色として観察される酸化膜)のカバー率を求めた。
図3は、表1に示した12種類((1)〜(12))の被覆管の上記腐食試験におけるノジュラー酸化膜のカバー率をプロットした図である。
図3で(1)〜(6)はジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成がZry−2の仕様範囲でジルコニウムライナ層のFe濃度が約1000ppm以上の被覆管である。図3の(7)〜(12)は、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成と、ジルコニウムライナ層のFe濃度が、ともに本発明の範囲にある被覆管である。
図3の実線および破線は、(1)〜(6)および(7)〜(12)のプロット点について、累乗近似で最小自乗法により求めたものである。
図3から観察されるように、(1)〜(6)および(7)〜(12)のいずれについても、金属間化合物の平均直径が大きくなるとノジュラー酸化膜が出現し、平均直径の増加にともないその割合が増加する傾向がある。
しかし、(1)〜(6)の被覆管については、ノジュラー酸化膜が発生する金属間化合物の平均直径は、(7)〜(12)より大きい。
特に、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成、ジルコニウムライナ層のFe濃度がともに本発明の範囲にある被覆管(1)〜(6)においては、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径が約0.20μm以下では、ノジュラー酸化膜の割合は小さいことが分かる。
このことから、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成、ジルコニウムライナ層のFe濃度がともに本発明の範囲にある被覆管において、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径の好適な範囲を約0.20μm以下とした。
また、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成、ジルコニウムライナ層のFe濃度がともに本発明の範囲にある被覆管において、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径が約0.18μm以下ではノジュラー酸化膜の発生はほとんど見られていないことから、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径のさらに好適な範囲は約0.18μm以下である。
図4および図5は、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成がZry−2の仕様範囲にある被覆管(図中Zry−2)とジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成が本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管(図中本発明、Sn濃度約1.5wt%、Fe濃度約0.25wt%、Cr濃度約0.1wt%、Ni濃度約0.05wt%)について、表面から約100μmの肉厚の腐食試験用試料を調製し、400℃で約10MPaの水蒸気中で50日間の一様腐食試験を行った際の水素吸収率および重量増加を示した図である。
試験後の外観は黒色を呈しており、横断面の金相観察においても一様な厚さの酸化膜であった。
図4において、破線および実線は、それぞれ、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成がZry−2の仕様範囲にある被覆管、およびジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成が本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管の水素吸収率を、金属間化合物の平均直径に対して線形近似で最小自乗法により求めたものである。
図4から明らかなように、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管の水素吸収率は、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成がZry−2の仕様範囲にある被覆管に比べ系統的に小さく、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管がZry−2に比べ水素吸収率を抑制する効果を有する。また、金属間化合物の平均直径が大きいほうが水素吸収率が小さくなることが示されている。
すなわち、高燃焼度用燃料被覆管の水素吸収率の低減には、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管を用いること、そして、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径を大きくすることが有効であることが分かる。
図5において、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管の重量増加は、ジルコニウム合金製被覆管基材の合金組成がZry−2の仕様範囲にある被覆管とほぼ同等かいくらか小さい範囲にあり、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管の一様腐食量はZry−2と同等かいくらか小さいことが示されている。
すなわち、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管はZry−2と同等以上の耐一様腐食性能を有することが分かる。
また、図5から、Zry−2の重量増加は金属間化合物の平均直径が約0.05μm以下でいくらか増加する傾向にあることが分かる。
このため、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管に、Zry−2の上記図5で示された結果を適用し、本発明の高燃焼度用燃料被覆管の合金組成仕様範囲にある被覆管について、一様腐食量の抑制に有効なジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径の範囲として、約0.05μm以上とした。
以上に示したように、ノジュラー腐食の抑制、水素吸収率の低減、一様腐食量の低減の観点から、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させた約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度で使用されるライナ型高燃焼度用核燃料被覆管において、ジルコニウム合金製被覆管基材中に析出する金属間化合物の平均直径を0.05〜0.20μmとした。
ジルコニウム合金製被覆管基材中に析出する金属間化合物の平均直径のさらに好適な範囲は、0.05〜0.18μmである。
本願発明の高燃焼度用燃料被覆管は例えば以下の方法で製造することができる。
ジルコニウム合金被覆管基材は、Zrスポンジに1.2〜1.7wt%のSn、0.20〜0.35wt%のFe、0.03〜0.08wt%のNi、0.05〜0.20wt%のCrを添加し、溶解、熱間鍛造、孔あけ加工したのち、約1000℃以上の温度で加熱し急冷却する。
なお、孔あけ加工は約1000℃以上の温度での加熱、急冷ののちでもよい。
ジルコニウムライナ層は、Zrスポンジに約1000ppm以上のFeを添加し、溶解、熱間鍛造し、約1000℃以上の温度で加熱し急冷し、孔あけ加工する。
ジルコニウム合金被覆管基材とジルコニウムライナ層を機械加工し合わせビレットとし、熱間押出しし、冷間圧延したのち焼鈍し、ジルコニウムライナ素管とする。
この素管に対し、冷間圧延、焼鈍を1回または複数回繰返し、外表面を研磨し、所定の直径と肉厚を有する被覆管を製造することができる。
なお、この製造工程の中で、約1000℃以上の温度での加熱、急冷ののち、最終焼鈍より前の工程において、約900℃以上の温度で加熱、急冷する熱処理を加えることも可能である。また、ジルコニウムライナ層は、孔あけ加工ののち熱間押出しすることも可能である。
約1000℃以上または約900℃以上の温度での最終の加熱、急冷ののちの熱間および/または冷間塑性加工と焼鈍処理において(焼鈍は約800℃以下)、所定の温度と加熱時間を選ぶことで、ジルコニウム合金被覆管基材中の金属間化合物の平均直径が0.05〜0.20μmである高燃焼度用燃料被覆管が得られる。
また、ジルコニウム合金被覆管基材とジルコニウムライナ層を機械加工し合わせビレットとする前の工程において、ジルコニウムライナ層の耐PCI性能向上の点から、ジルコニウムライナ層を焼鈍するする工程を追加することも可能である。また、900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理以降に行う、α相における熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理における入熱量が大きい場合、ジルコニウム製ライナ層におけるFe濃度が低い場合には結晶粒径が大きくなりライナ層として好適な機械特性を示さなくなる恐れがあるが、Feを約1000ppm以上含む本発明の場合には、入熱量が大きい場合においても、ジルコニウム製ライナ層としての好適な機械特性に対応した結晶粒径を得ることができる。
本発明の高燃焼度用燃料被覆管において、ジルコニウム合金被覆管基材部の外表面は直接、炉水に接することから、外表面近傍の領域、すなわち被覆管肉厚の1/3から外表面側の領域、さらに好ましくは被覆管肉厚の1/5から外表面側の領域、またさらに好ましくは被覆管肉厚の1/10から外表面側の領域もしくは外表面から肉厚深さで約50μmの範囲の領域におけるジルコニウム合金被覆管基材部中の金属間化合物の平均直径は0.05〜0.18μmであることがさらに好ましい。
なお、本願発明の合金組成仕様範囲にあるジルコニウム合金製被覆管基材のみでは、高燃焼度における水素吸収量の低減、ノジュラー腐食の抑制、一様腐食量の低減に有効であるが、約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度において、また、特異な水質下においては、耐PCI性能の観点から健全性を維持するには十分でない。また、ジルカロイ−2あるいはジルカロイ−4の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させただけでは、耐PCI性能を維持することができるが、燃料集合体の健全性を保持するには必ずしも十分ではない。これに対して、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させた被覆管とすることにより、約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度で使用され、あるいは特異な水質下で、耐PCI性能、二次水素化の抑制効果を維持し、一様腐食量を低減でき、かつ、ノジュラー腐食の抑制にも有効な、健全性を向上させた高燃焼度用燃料被覆管を提供することができるのである。
次に、被覆管の表面粗さについて説明する。
表面粗さの異なる2種類のZry−2被覆管(Zry−2(A)およびZry−2(B))について腐食試験を行った結果を、表2に示す。
Figure 2008026182
表2に示すように、いずれの種類の被覆管においても、表面粗さが小さいほうが耐食性が向上することが分かる。
したがって、耐食性を向上するためには表面粗さをできる限り小さくするほうが好ましいが、表面粗さをより小さくするためには複数の表面仕上げ工程を導入し順次表面粗さを小さくするか、より粒度の小さな砥石、研磨紙、研磨剤などを用いて、十分な時間をかけて表面粗さを小さくする必要があり、多大な時間と費用を生ぜしめるため実用的ではない。
このため、本発明の高燃焼度用燃料被覆管では製造可能な表面粗さの範囲として0.2μmRa以下とした。Raは算術平均粗さ(中心線平均粗さ)である。製造上、さらに好適な範囲は0.05〜0.2μmRaである。
次に、高燃焼度用燃料被覆管の表面に酸化膜を形成した場合について説明する。
図6は、本発明の高燃焼度用燃料被覆管において、デブリフレッティングによる燃料破損を抑制するため被覆管の外表面に酸化膜を、二次水素化による燃料破損を抑制するためジルコニウム製ライナ層の表面に酸化膜を形成させた例である。
図6において、符号14はジルコニウム合金製被覆管基材、符号15はジルコニウム製ライナ層、符号16,17は酸化膜を示している。
前述のように、ジルコニウム製ライナ層のFe濃度が約1000ppm以上では腐食速度が小さいため、本発明の高燃焼度用燃料被覆管は、ライナ層と被覆管外表面の双方に腐食特性が比較的近い良好な酸化膜を得ることができる。
被覆管外表面の酸化膜厚さを検討するため、外表面に酸化膜を形成した被覆管について、酸化膜を含む外表面の微小硬さを調べた。
図7は外表面に酸化膜を形成させた本発明の被覆管について、荷重200g、保持時間30秒で、室温において酸化膜が形成された被覆管外表面に圧痕を形成させ、微小硬さを調べた結果である。
点線は微小硬さを酸化膜厚さに対し最小自乗法で直線近似したものである。
被覆管はライナ層を除外したのちに、21日または105日の400℃の水蒸気中腐食により酸化膜を形成させた。酸化膜厚さは腐食前後の重量変化から求めた値であり、約2μm、約5μmの酸化膜が形成されている。
微小硬さとして、約2μm、約5μmの酸化膜が形成された被覆管に対し、それぞれ約260〜270Hv、約310〜320Hvの値が測定された。
酸化膜を形成させたジルコニウム合金被覆管基材の組成は、Sn濃度約1.5wt%、Fe濃度約0.25wt%、Cr濃度約0.1wt%、Ni濃度約0.05wt%、また、金属間化合物の平均直径約0.07〜0.1μmである。
通常、酸化物の硬さは金属より大きいことから、表面に酸化膜が形成されることで表面の硬さは大きくなる。
一方、被覆管強度は照射により増加するが、照射量に対して飽和傾向を示すこと、室温における被覆管強度と微小硬さには比例関係があることが知られている(三島良績ら、日本原子力学会誌、vol.29、90、1987)。
また。未照射のZry−2被覆管の室温における微小硬さは170〜180Hvで、第1サイクル照射後の微小硬さは約240Hvであることが示されている(三島良績ら、日本原子力学会誌、vol.29、90、1987)。
被覆管強度が比較的低い照射開始直後の照射量範囲では被覆管に対するデブリの影響がより大きく現れると考えられ、このことから酸化膜を形成した被覆管表面の微小硬さが大きいほうが、デブリフレッティングに対して抑制効果が大きい。
前例の場合、1サイクル照射以降で被覆管引張強度、すなわち硬さも照射量に対し飽和傾向にあることから、被覆管外表面の微小硬さが約240Hv以上となるような酸化膜厚さ範囲をデブリフレッティングの抑制により有効な範囲とした。すなわち図7において、微小硬さが約240Hv以上となる酸化膜厚さ約0.5μm以上がデブリフレッティングの抑制により好適な範囲とした。
すなわち、本発明の高燃焼度用燃料被覆管は表面に酸化膜が形成されていることで比較的強度の低い照射初期の表面硬さが大きくなり、デブリの影響が比較的大きい時期のデブリフレッティングに対する抑制効果を向上させることができるので、高燃焼度までの健全性を向上させることができる。
外表面に形成する酸化膜の厚さは約0.5μm以上がより好適であり、デブリフレッティングの抑制にさらに好適な範囲は約3μm以上である。
次に酸化膜の形成について説明する。
図8は、酸化膜形成処理における被覆管表面の酸化膜厚さと400℃空気中保持時間の関係を示している。
表3に示す本発明の高燃焼度用燃料被覆管を、400℃の空気中で加熱し、加熱後の重量増加から酸化膜厚さを求めた。
Figure 2008026182
重量増加から酸化膜厚さへの換算は、重量増加15mg/dm=酸化膜厚さ1μmとし、ジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の表面に形成された酸化膜厚さの平均値を求めている。
図8中のA、B、C、Dは、表3のNo.である。
酸化膜厚さを加熱時間(図8の横軸)に対して累乗近似し、最小自乗法で指数を求めると約1/3となり、酸化膜厚さが時間に対して飽和傾向を持つことが示される。この傾向は、A、B、C、Dのいずれについても同様であった。
このように酸化膜厚さ(重量増加)が時間の1/3乗則にしたがって増加する場合は、密着性、保護性の強い良好な酸化膜が形成されていることを示しており、本発明の高燃焼度用燃料被覆管のジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の双方の表面に形成された酸化膜は密着性、保護性の強い良好な酸化膜であることが示される。
このように、本発明の高燃焼度用燃料被覆管では、ジルコニウム製ライナ層の耐食性も優れているため、空気中あるいは水蒸気中でジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の双方の表面に同時に酸化膜を形成させた場合においても、ジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の双方の表面に密着性、保護性の強い良好な酸化膜を同時に形成することができる。なお、ジルコニウム合金製被覆管基材表面に形成された酸化膜は、シャドウ腐食の抑制にも有効である。また、ジルコニウム製ライナ層表面に形成された酸化膜は、耐水素吸収性の向上にも有効である。
本発明の高燃焼度用燃料被覆管の製造法では、上記の例のように、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材と、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させ、熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理を加えた被覆管を、空気中、水蒸気中または水中で加熱処理を行うことで、ジルコニウム合金製被覆管基材とジルコニウム製ライナ層の表面に同時に密着性、保護性の強い良好な酸化膜を形成させることができる。
空気中、水蒸気中または水中での加熱処理は外面研磨などの仕上げ加工ののちに行うことのほか、燃料棒下部端栓を溶接したのちなどに行うこともできる。
加熱処理の温度、時間は、ジルコニウム合金製被覆管基材とジルコニウム製ライナ層の表面に形成させる酸化膜厚さに依存して決定することができる。密着性、保護性の強い良好な酸化膜を得るには、例えば300〜400℃の温度で加熱処理することが望ましいが、より短時間で所定厚さの酸化膜を得るためには400℃以上の温度で加熱処理することも可能である。ただし、加熱処理は、最終焼鈍温度よりは低い温度で行うことが望ましい。
次に、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径の管理について説明する。
内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有し、前記ジルコニウム合金製被覆管基材は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなり、前記ジルコニウム製ライナ層は、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなる、高燃焼度用燃料被覆管の製造方法において、900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理以降に行うα相における熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理において、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径を以下の原理により制御するようにした。
Zry−4の金属間化合物(Zr(Fe,Cr))の大きさと時間と温度の関係を調べた結果(J.P.GROS,J.F.WADIER,J.Nucl.Mater.,172,85,1990)では、金属間化合物の大きさ(直径)、Dは次式(二次累積焼鈍パラメータ)で与えられることが報告されている。
−D =[(k/T)exp(−Q/RT)]t ・・・(1)
:焼鈍前の金属間化合物の大きさ
T:焼鈍温度(K)
t:焼鈍時間(h)
k:係数(=1.11×10−11
Q/R:係数(=18700)
この報告では、焼鈍前の金属間化合物の大きさが0.12μmである場合について、650℃、700℃、750℃、780℃の温度で、5時間、15時間、30時間、50時間の焼鈍を行った後の金属間化合物の大きさを調べ、前述の式(1)を導出している。
これに対して、本願発明者らは、この報告で示されている金属間化合物の大きさを用いて、さらに詳細に時間と温度の関係を検討した結果、D−D はt0.74に比例しており、次式により金属間化合物の大きさを精度よく表すことができることを見出した。
−D =2.19×10×t0.74×exp(−17100/T)
・・・(2)
上式(2)は金属間化合物の体積変化を扱ったものであるから、Zr(Fe,Cr)のみならずZr(Fe,Ni)についても適用可能であると考えられるため、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径に対して適用する。
しかして、900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理以降に行う、α相における熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理において、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径Dは、下記式(3)で得ることができる。
=[D +2.19×10×Σt 0.74×exp(−17100/T)]1/3 ・・・(3)
:900℃以上の温度に加熱し冷却したのちの金属間化合物の平均直径。
:α相でのi番目の焼鈍における保持時間(h)。
:α相でのi番目の焼鈍温度(K)。
Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金被覆管基材、および、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を、約1000℃に加熱し急冷したのち、機械加工を施し、合わせビレットとした。合わせビレットを約600℃で数分、熱間押出しし、冷間圧延したのち、670℃または635℃で2.3時間の焼鈍を施した。続いて、冷間圧延を施し、621℃で1.3時間の焼鈍を行い、この冷間圧延、焼鈍のプロセスを2回繰り返した。さらに冷間圧延し、577℃で2.5時間焼鈍を行った。約1000℃に加熱し急冷したZry−2における金属間化合物の平均直径が0.02〜0.04μmであったことから、上記式(3)においてDとして0.03μmとし、Dを求めると、途中、670℃または635℃で2.3時間の焼鈍を施した被覆管について、それぞれ、0.10μmまたは0.09μmとなった。
一方、式(1)による金属間化合物の平均直径は、いずれも場合も約0.07μmとなった。
製造された被覆管のジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径を透過型電子顕微鏡で調べたところ、途中、670℃または635℃で2.3時間の焼鈍を施した被覆管について、それぞれ、0.10μmまたは0.09μmであり、上記式(3)はジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径Dを精度よく示しており、式(1)においては目的とする金属間化合物の平均直径を得ることは困難であることが判明した。
なお、ジルコニウム合金製被覆管基材の金属間化合物の平均直径は、外表面の任意の領域について透過型電子顕微鏡によりZr−Fe−Cr系およびZr−Fe−Ni系金属間化合物を観察し、金属間化合物を球形と近似した場合の平均直径とした。
このように、内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、この被覆管基材の内側に前記ジルコニウム合金と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とからなる高燃焼度用ライナ型核燃料被覆管において、前記ジルコニウム合金製被覆管基材が、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、そのほか不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材であって、前記ジルコニウム製ライナ層が、Feを約1000重量ppm以上、そのほか不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層である高燃焼度用燃料被覆管において、900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理以降に行う、α相における熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理において、上記式(3)による熱処理を行うことにより、ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径Dが0.05〜0.20μmとなる高燃焼度用燃料被覆管を得ることができる。
沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体の斜視図。 沸騰水型原子炉の模式図。 外表面ノジュラー酸化膜カバー率と金属間化合物平均直径の関係を示したグラフ。 金属間化合物平均直径と水素吸収率の関係を示したグラフ。 金属間化合物平均直径と重量増加の関係を示したグラフ。 表面に酸化膜を形成させた本発明の被覆管の横断面。 被覆管外表面酸化膜厚さと微小硬さの関係を示したグラフ。 酸化膜形成処理における被覆管表面の酸化膜厚さと400℃空気中保持時間の関係を示したグラフ。
符号の説明
1 炉心
2 燃料要素
3 水
4 蒸気
5 タービン
6 復水器
7 燃料集合体
8 チャンネルボックス
9 燃料棒
10 ウォータロッド
11 上部タイプレート
12 下部タイプレート
13 スペーサー
14 ジルコニウム合金製被覆管基材
15 ジルコニウム製ライナ層
16 酸化膜
17 酸化膜

Claims (9)

  1. 約45GWd/t以上の燃料集合体平均燃焼度で使用される高燃焼度用燃料被覆管において、
    Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム合金製被覆管基材の内側に、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなるジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させたことを特徴とする高燃焼度用燃料被覆管。
  2. 前記ジルコニウム合金製被覆管基材中に析出する金属間化合物の平均直径が0.05〜0.20μmであることを特徴とする高燃焼度用燃料被覆管。
  3. 前記ジルコニウム製ライナ層に含まれるFeが1000重量ppm以上でかつ1500重量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高燃焼度用燃料被覆管。
  4. 前記ジルコニウム合金製被覆管基材の外表面の表面粗さが0.2μmRa以下であることを特徴とする請求項1に記載の高燃焼度用燃料被覆管。
  5. 前記ジルコニウム合金製被覆管基材およびジルコニウム製ライナ層の表面に酸化膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高燃焼度用燃料被覆管。
  6. 前記ジルコニウム合金製被覆管基材の表面に形成される前記酸化膜の厚さが0.5μm以上であることを特徴とする請求項5に記載の高燃焼度用燃料被覆管。
  7. 前記ジルコニウム製ライナ層に含まれるFeが1000重量ppm以上でかつ1500重量ppm以下であることを特徴とする請求項5に記載の高燃焼度用燃料被覆管。
  8. 内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有し、前記ジルコニウム合金製被覆管基材は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなり、前記ジルコニウム製ライナ層は、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなる、高燃焼度用燃料被覆管の製造方法において、
    前記高燃焼度用燃料被覆管を900℃以上の温度に加熱し冷却する熱処理を行う工程と、
    前記熱処理の工程の後に、α相における熱間および/または冷間塑性加工処理と焼鈍処理とを行う工程と、を有し、
    前記α相における熱間および/または冷間塑性加工処理と焼鈍処理は、下記式により、前記ジルコニウム合金製被覆管基材中の金属間化合物の平均直径Dが0.05〜0.20μmとなるように管理することを特徴とする高燃焼度燃料被覆管の製造方法。
    =[D +2.19×10×Σt 0.74×exp(−17100/T)]1/3
    ここで、D:900℃以上の温度に加熱し冷却したのちの金属間化合物の平均直径。
    :α相でのi番目の焼鈍における保持時間。
    :α相でのi番目の焼鈍温度。
  9. 内部に核燃料を収納するジルコニウム合金製被覆管基材と、前記ジルコニウム合金製被覆管基材の内側で前記ジルコニウム合金製被覆管基材と冶金学的に結合したジルコニウム製ライナ層とを有し、前記ジルコニウム合金製被覆管基材は、Snを1.2〜1.7重量%、Feを0.20〜0.35重量%、Niを0.03〜0.08重量%、Crを0.05〜0.20重量%、不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなり、前記ジルコニウム製ライナ層は、Feを約1000重量ppm以上と不可避不純物を含み、残部がジルコニウムからなる、高燃焼度用燃料被覆管の製造方法において、
    前記ジルコニウム合金製被覆管基材と前記ジルコニウム製ライナ層を冶金学的に結合させた後に、熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理を加える工程と、
    前記熱間および/または冷間塑性加工処理、焼鈍処理を加える工程の後に、空気中、水蒸気中または水中で加熱処理を行い、前記ジルコニウム合金製被覆管基材と前記ジルコニウム製ライナ層の表面に酸化膜を形成させる工程と、を有することを特徴とする高燃焼度燃料被覆管の製造方法。
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