JP2004251871A - 沸騰水型軽水炉用燃料集合体 - Google Patents

沸騰水型軽水炉用燃料集合体 Download PDF

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Abstract

【課題】45GWd/tを超える高燃焼度燃料について、Ni基合金スペーサを使用してもシャドウ腐食の抑制が可能で水素吸収が少なく、信頼度の高い沸騰水型燃料集合体を得る。
【解決手段】45GWd/t以上の高燃焼度用燃料集合体であって、燃料被覆管内に予め定められた個数の燃料ペレットが充填密封された複数本の燃料棒と該燃料棒よりも太径の水管とを含む棒状要素を正方格子状に配列して複数のスペーサ部材により長手方向に間隔を開けた複数箇所で支持してなる沸騰水型軽水炉用燃料集合体において、燃料被覆管の組成が、Sn:1.2〜1.7wt%、Fe:0.25〜0.50wt%、Cr:0.05〜0.15wt%、Ni:0.05〜0.10wt%、残部Zrの組成を有する改良ジルコニウム合金からなり、スペーサ部材が主にNi基合金からなり、且つ、被覆管及びスペーサ部材の両方又は何れか一方の表面に表面予備酸化被膜処理によって形成された酸化被膜を備えたことを特徴とするもの。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は沸騰水型軽水炉用燃料集合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽水炉用燃料集合体として使用される部材において、沸騰水型軽水炉(BWR)では主にジルカロイ被覆管およびジルカロイスペーサが使用されている。しかし、軽水炉燃料の高燃焼度化が進み、45GWd/tを超える高燃焼度燃料では被覆管およびスペーサの水素吸収量の増大が問題となってきた。
【0003】
BWRにおいて45GWd/tを超える高燃焼度燃料では被覆管および部材の水素化が問題とされてきた。被覆管においては改良合金の開発が進められており、水素吸収に対して有効である。
【0004】
一方、スペーサ部材についても被覆管と同様の改良合金を使用して低減する対策が考えられるが、冷却材に接している外面からのみ水素が吸収される被覆管に対して、スペーサは板の両面が冷却材にさらされるため水素吸収量が高く、抜本的対策とはならない。そこで、スペーサ部材について水素吸収に関する問題のないNi基合金の採用が検討されている。
【0005】
これにより、Ni基合金スペーサの使用は従来のZr基合金スペーサーに比較して水素吸収の問題を解消するだけでなく、高強度であるためスペーサ材の肉厚を薄くすることが可能となり高燃焼度燃料の設計において限界出力特性の大幅な改善や集合体圧損の低減といった燃料性能の大幅な改善に寄与できる。更に、スペーサの特性及び軸方向の配置を最適化することにより、スペーサによる圧力損失を低減して核熱水力安定性を改善すると共に、沸騰遷移に対する熱的余裕を維持、改善して限界出力特性を維持、向上することができる。(特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平5−264768号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スペーサ部材にNi基合金を使用した場合、Ni基合金とジルカロイ被覆管との接触面又は対向面でシャドウ腐食と呼ばれる局所的に酸化膜が厚くなる現象が生じる。シャドウ腐食とは、被覆管と異種金属との距離が近い場合に発生する異常腐食であり、そのメカニズムとしては電気化学的なガルバニック腐食等が考えられている。
【0008】
シャドウ腐食は一様腐食と比較して数百μmに達する酸化膜を呈する場合があることから燃料破損につながる可能性があるため、Ni基合金をスペーサ部材として利用するための大きなデメリットとなっており、わが国におけるBWRにおいて高燃焼度燃料用スペーサとしてインコネルスペーサが使用されたことはない。
【0009】
本発明は、前記背景の基、45GWd/tを超える高燃焼度燃料について、Ni基合金スペーサを使用してもシャドウ腐食の抑制が可能で水素吸収が少なく、信頼度の高い沸騰水型燃料集合体を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、45GWd/t以上の高燃焼度用燃料集合体であって、燃料被覆管内に予め定められた個数の燃料ペレットが充填密封された複数本の燃料棒と該燃料棒よりも太径の水管とを含む棒状要素を正方格子状に配列して複数のスペーサ部材により長手方向に間隔を開けた複数箇所で支持してなる沸騰水型軽水炉用燃料集合体において、
前記燃料被覆管の組成が
Sn 1.2 〜1.7 wt%、
Fe 0.25〜0.50wt%、
Cr 0.05〜0.15wt%、
Ni 0.05〜0.10wt%、
残部Zr
の組成を有する改良ジルコニウム合金からなり、
前記スペーサ部材が主にNi基合金からなり、且つ、
前記被覆管及びスペーサ部材の両方又は何れか一方の表面に表面予備酸化被膜処理によって形成された酸化被膜を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、請求項1に記載の表面予備酸化被膜処理が、大気圧の0.5倍〜2倍までの酸素分圧条件下で熱処理温度を525℃、熱処理時間を最大24hとした熱処理条件によって行われ、
形成された酸化被膜の厚さが、被覆管では1μm以上、スペーサ部材では10nm以上であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、請求項1又は2に記載のスペーサ部材の全部又は前記被覆管に接触するスプリング部が、Ni基合金からなり、
前記Ni基合金の組成が
Ni(+Co):70.00%以上、
Cr :14.00〜17.00%、
Fe : 5.00〜9.00%、
Ti : 2.25〜2.75%、
Al : 0.40〜1.00%、
Nb(+Ta): 0.70〜1.20%、
Mn : 0より大きく、1.00%以下、
Si : 0より大きく、0.50%以下、
S : 0より大きく、0.010%以下、
Cu : 0より大きく、0.50%以下、
C : 0より大きく、0.08%以下
又は
Ni(+Co):50.00〜55.00%、
Cr :17.00〜21.00%、
Ti :0.65〜1.15%、
Al :0.20〜0.80%、
Nb(+Ta):4.75〜5.50%、
Mn :0より大きく、0.35%以下、
Si :0より大きく、0.35%以下、
S :0より大きく、0.015%以下、
Cu :0より大きく、0.30%以下、
C :0より大きく、0.08%以下、
Co :0より大きく、1.00%以下、
P :0より大きく、0.015%以下、
B :0より大きく、0.006%以下、
実質的に残りの成分がFeであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、請求項1又は2に記載のスペーサ部材が、前記改良ジルコニウム合金からなるスペーサ本体とNi基合金からなる前記スプリングとを含むことを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、請求項1,2又は4の何れかに記載の改良ジルコニウム合金が焼鈍材であり、その焼鈍時の焼鈍パラメータΣAiが、2×10−18≦ΣAi≦5×10−17に制御されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載された発明に係る沸騰水型軽水炉用燃料集合体は、請求項1,2,4又は5の何れかに記載の燃料ペレットを装填した被覆管を密封するための端栓が、抵抗溶接により被覆管に溶接されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
ノジュラー腐食や一様腐食に関しては、被覆管に緻密な酸化被膜をつけることが腐食に対して有効な低減策であることが知られている。これは緻密な酸化被膜が電気化学的なものに起因する腐食に対し不動態として作用するためである。
【0017】
一方、原子炉の通常運転においても一様腐食等により酸化膜は形成されるが、このような酸化膜の構造は粗なものであり、このような酸化膜では防食効果を得ることができない。したがって合金表面に燃料被覆管の異常な腐食を防ぐのに十分な絶縁効果を有する緻密な酸化被膜を付けるためには、大気圧の0.5倍〜2倍までの酸素分圧条件下での酸化処理が有効である。
【0018】
しかしながら、従来使用されているジルカロイ−2(Zry−2;合金成分Sn:1.2〜1.7%、Fe:0.07〜0.20%、Cr:0.05〜0.15%、Ni:0.03〜0.08%、Zr:残部)被覆管に対し前記のような表面予備酸化処理を施しても酸化膜剥離などが生じるため、シャドウ腐食に対しては十分な効果を得ることができなかった。
【0019】
そこで、被覆管の合金成分を検討したところ、従来のZry−2に比較してFe濃度を0.25%以上好ましくは0.35%以上とし、Niの下限値を0.05%とした場合に、表面酸化処理を併せて用いることで酸化膜剥離を抑え、シャドウ腐食に対し大きな防食効果が得られることを見出して本発明に至った。
【0020】
本発明は、45GWd/t以上の高燃焼度用燃料集合体であって、燃料被覆管内に予め定められた個数の燃料ペレットが充填密封された複数本の燃料棒と該燃料棒よりも太径の水管とを含む棒状要素を正方格子状に配列して複数のスペーサ部材により長手方向に間隔を開けた複数箇所で支持してなる沸騰水型軽水炉用燃料集合体において、
前記燃料被覆管の組成が
Sn 1.2 〜1.7 wt%、
Fe 0.25〜0.50wt%、
Cr 0.05〜0.15wt%、
Ni 0.05〜0.10wt%、
残部Zr
の組成を有する改良ジルコニウム合金からなり、
前記スペーサ部材が主にNi基合金からなり、且つ、
前記被覆管及びスペーサの両方又は何れか一方に表面予備酸化被膜処理が施されたものである。
【0021】
これにより、45GWd/tを超える高燃焼度燃料について、Ni基合金スペーサを使用してもシャドウ腐食の抑制が可能で水素吸収が少なく、信頼度の高い沸騰水型燃料集合体を得ることができる。
【0022】
本発明の表面予備酸化被膜処理によって形成された酸化被膜が、大気圧の0.5倍〜2倍までの酸素分圧条件下で熱処理温度を最大525℃、熱処理時間を最大24hとした熱処理条件によって形成され、形成された酸化被膜の厚さが、被覆管では1μm以上、スペーサ部材では10nm以上であるものである。これにより、製造工程において得られた材料特性を変化させずにシャドウ腐食の抑制に十分な酸化被膜を形成することができる。
【0023】
Fe濃度を高めたZr基合金は一様腐食に対する耐腐食効果があることが知られており、一様腐食の場合Fe濃度が0.2%以上添加されると耐腐食効果があらわれるが、Fe濃度を0.25%以上とすることではじめてシャドウ腐食抑制効果があらわれる。図1はシャドウ腐食部の酸化膜厚に対するFe濃度依存性を示した線図である。図1から0.35%以上で最も大きいシャドウ腐食耐性が得られ、それ以上の濃度ではFe濃度による耐腐食効果に変化はみられないことがわかる。
【0024】
従って、Zr基合金の被覆管での材料特性や金属間化合物などの影響を考慮するとシャドウ腐食抑制に対するFe濃度は0.25〜0.50%の範囲が有効であり、最適値は0.35%〜0.50%であることがわかった。従来のZr基合金、例えばZry−2は重量比でSn:1.2〜1.7%、Fe:0.07〜0.20%、Cr:0.05〜0.15%、Ni:0.03〜0.08%および残部Zrで調製されているが、本発明における高Fe含有のZr基合金の成分はSn1.2〜1.7wt%、Fe0.25〜0.50wt%、Cr0.05〜0.15wt%、Ni0.05〜0.10wt%、残部をZrから構成される。また、先に述べたようにFe濃度を高めたZr基合金は一様腐食に対する耐腐食効果があることが知られ、長期サイクルにおける水素吸収量を低減できるため高燃焼度用燃料としても適用することができる。
【0025】
一方、被覆管のみならずNi基合金スペーサに対しても前記の表面予備酸化処理を施すことでよりシャドウ腐食を低減できることがわかった。
【0026】
図2は表面予備酸化処理の防食効果を示す説明図であり、a図は被覆管とスペーサとの関係を示す説明図であり、b図は酸化膜厚さの経時変化を示す線図である。表面予備酸化処理による防食効果を調べるために次のような実験を行った。
被覆管21とスペーサ22とをa図に示すような位置に配置し、BWR環境下においてシャドウ腐食模擬試験を実施した。被覆管には現行のZry−2と、現行のZry−2組成のうちFeを0.35%にした改良ジルコニウム合金としての高FeZry−2を、またスペーサ部材には炉心構造材として使用されているNi基合金であるインコネルを用意し、それぞれ表面予備酸化処理を施した。
【0027】
図2のb図に示すように従来のZry−2被覆管の場合、試験開始初期では酸化被膜による防食効果が現れているが、酸化膜剥離が生じると酸化膜が急激に成長しているのが分かる(シャドウ腐食)。一方、本発明における高FeZry−2被覆管の場合、Zry−2と比較して一様な腐食量も低く、酸化膜剥離が生じないため著しい腐食は認められず、従来の軽水炉燃料集合体よりもシャドウ腐食耐性に優れていることがわかった。
【0028】
ところで、Zr合金被覆管の製作工程における熱処理条件と耐食性には図3のような関係が知られており、
ΣAi=Σti × exp(−40000/Ti)
(但し、Tiは焼鈍温度K、tiは焼鈍時間hを示す)で定義される累積焼鈍パラメータΣAiを1×10−19 ≦ΣAi≦2×10−18 に制御することにより高燃焼度での耐食性を高め、水素吸収の加速を抑制できることが知られているが、さらにシャドウ腐食の感受性を考慮すると、高FeZry−2では2×10−18 ≦ΣAi≦5×10−17 が最適値であることがわかった。
【0029】
ここで、表面予備酸化処理における熱処理は累積焼鈍パラメータΣAiに対して十分小さいため無視できる。この熱処理条件はシャドウ腐食抑制の観点から、表面予備酸化処理を施さない場合においてもZr基合金をベースとし、Ni基合金のスプリングを組み合わせたスペーサに対しても適用可能である。
【0030】
また、一般に燃料集合体に使用されるNi基合金は構造材として十分な強度を持つために以下の組成からなるものが使用されている。
【0031】
Ni(+Co):70.00%以上、
Cr :14.00〜17.00%、
Fe : 5.00〜9.00%、
Ti : 2.25〜2.75%、
Al : 0.40〜1.00%、
Nb(+Ta): 0.70〜1.20%、
Mn : 0より大きく、1.00%以下、
Si : 0より大きく、0.50%以下、
S : 0より大きく、0.010%以下、
Cu : 0より大きく、0.50%以下、
C : 0より大きく、0.08%以下
の成分をもつNi基合金、又は
Ni(+Co):50.00〜55.00%、
Cr :17.00〜21.00%、
Ti :0.65〜1.15%、
Al :0.20〜0.80%、
Nb(+Ta):4.75〜5.50%、
Mn :0より大きく、0.35%以下、
Si :0より大きく、0.35%以下、
S :0より大きく、0.015%以下、
Cu :0より大きく、0.30%以下、
C :0より大きく、0.08%以下、
Co :0より大きく、1.00%以下、
P :0より大きく、0.015%以下、
B :0より大きく、0.006%以下、
実質的に残りの成分がFe
【0032】
本発明における燃料集合体は、前記高FeZry−2被覆管と、Ni基合金を本体を含む全部又はスプリングのみに使用したスペーサとに対し表面予備酸化処理を施したものにより構成される。
【0033】
また、被覆管に対し表面予備酸化処理を施した場合、被覆管内に燃料ペレットを密封するための端栓の溶接が困難になる。従来、端栓の溶接はアーク溶接により行なっていたが、被覆管に酸化被膜が形成されている状態では酸化被膜が不動態として作用するためアーク溶接は難しく、溶接部外表面の酸化被膜を取り除く必要がある。これに対しアーク溶接に代わって抵抗溶接により端栓を密封する方法が有効である。抵抗溶接では管端面部のみの酸化被膜を除去するのみで十分に密封できるため、工程が短縮でき合理的である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の沸騰水型軽水炉用燃料集合体の実施例を図4に示す。図4において、被覆管41は、合金成分がSn1.2〜1.7wt%、Fe0.25〜0.50wt%、Cr0.05〜0.15wt%、Ni0.05〜0.10wt%、残部Zrの改良ジルコニウム合金からなっており、高燃焼度における耐水素吸収性に優れている。被覆管41内には核燃料ペレットが充填され、両端開口部を上部および下部の各端栓で抵抗溶接により密封溶接した構造となっている。
【0035】
また、スペーサ42は、水素吸収の問題のないNi基合金であり、合金成分としてNi(+Co):70.00%以上、Cr:14.00〜17.00%、Fe:5.00〜9.00%、Ti:2.25〜2.75%、Al:0.40〜1.00%、Nb(+Ta):0.70〜1.20%、Mn:1.00%以下、Si:0.50%以下、S:0.010%以下、Cu:0.50%以下、C:0.08%以下の成分をもつNi基合金、あるいはNi(+Co):50.00〜55.00%以上、Cr:17.00〜21.00%、Ti:0.65〜1.15%、Al:0.20〜0.80%、Nb(+Ta):4.75〜5.50%、Mn:0.35%以下、Si:0.35%以下、S:0.015%以下、Cu:0.30%以下、C:0.08%以下、Co:1.00%以下、P:0.015%以下、B:0.006%以下、実質的に残りの成分がFeより成っている。
【0036】
また、被覆管41およびスペーサ42の表面には酸化被膜43が被覆されている。この酸化被膜43の構造は緻密であり、不動態として作用しシャドウ腐食の抑制効果がある。この酸化被膜43は被覆管41およびスペーサ42製造時において大気の0.5倍〜2倍の酸素分圧条件下で熱処理を施すことにより形成され、その厚さは被覆管で1μm以上、スペーサにおいては10nm以上で十分なシャドウ腐食抑制効果が得られる。
【0037】
a図は被覆管のみに表面予備酸化処理を施した場合の使用例であり、また、b図はスペーサのみに表面予備酸化処理を施した場合の使用例である。c図は被覆管およびスペーサに対して表面予備酸化処理を施し、使用した場合の例である。a図、b図に示すように、単体で用いてもシャドウ腐食抑制効果があり、c図のように併用した場合にもっとも大きいシャドウ腐食抑制効果が得られる。
【0038】
以上の実施例により、ジルコニウム合金被覆管およびNi基合金スペーサの使用において問題となるシャドウ腐食を抑制することで45Gwd/t以上の高燃焼度においても被覆管の水素吸収を抑制し、またスペーサの水素吸収の問題を回避することができる信頼性の高い沸騰水型軽水炉用燃料集合体を提供することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、ジルコニウム合金を成分とした被覆管およびNi基合金スペーサーに対し、表面予備酸化処理を施すことによって大幅にシャドウ腐食を抑制し、高燃焼サイクルにおいても水素吸収量が少ない燃料集合体を提供することができる。また、Ni基合金がスペーサ部材として使用可能となることでスペーサ部の水素吸収を回避できるだけでなく、薄肉で圧力損失の少ない信頼性に優れた燃料集合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャドウ腐食部の酸化膜厚に対するFe濃度依存性を示した線図である。
【図2】表面予備酸化処理の防食効果を示す説明図であり、a図は被覆管とスペーサとの関係を示す説明図であり、b図は酸化膜厚さの経時変化を示す線図である。
【図3】Zr合金被覆管の製作工程における熱処理条件と耐食性との関係を示す線図である。
【図4】本発明の沸騰水型軽水炉用燃料集合体の一実施例を示す説明図である。

Claims (6)

  1. 45GWd/t以上の高燃焼度用燃料集合体であって、燃料被覆管内に予め定められた個数の燃料ペレットが充填密封された複数本の燃料棒と該燃料棒よりも太径の水管とを含む棒状要素を正方格子状に配列して複数のスペーサ部材により長手方向に間隔を開けた複数箇所で支持してなる沸騰水型軽水炉用燃料集合体において、
    前記燃料被覆管の組成が
    Sn 1.2 〜1.7 wt%、
    Fe 0.25〜0.50wt%、
    Cr 0.05〜0.15wt%、
    Ni 0.05〜0.10wt%、
    残部Zr
    の組成を有する改良ジルコニウム合金からなり、
    前記スペーサ部材が主にNi基合金からなり、且つ、
    前記被覆管及びスペーサ部材の両方又は何れか一方の表面に表面予備酸化被膜処理によって形成された酸化被膜を備えたことを特徴とする沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
  2. 前記表面予備酸化被膜処理が、大気圧の0.5倍〜2倍までの酸素分圧条件下で熱処理温度を525℃、熱処理時間を最大24hとした熱処理条件によって行われ、
    形成された酸化被膜の厚さが、被覆管では1μm以上、スペーサ部材では10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
  3. 前記スペーサ部材の全部又は前記被覆管に接触するスプリング部が、Ni基合金からなり、
    前記Ni基合金の組成が
    Ni(+Co):70.00%以上、
    Cr :14.00〜17.00%、
    Fe : 5.00〜9.00%、
    Ti : 2.25〜2.75%、
    Al : 0.40〜1.00%、
    Nb(+Ta): 0.70〜1.20%、
    Mn : 0より大きく、1.00%以下、
    Si : 0より大きく、0.50%以下、
    S : 0より大きく、0.010%以下、
    Cu : 0より大きく、0.50%以下、
    C : 0より大きく、0.08%以下
    又は
    Ni(+Co):50.00〜55.00%
    Cr :17.00〜21.00%、
    Ti :0.65〜1.15%、
    Al :0.20〜0.80%、
    Nb(+Ta):4.75〜5.50%、
    Mn :0より大きく、0.35%以下、
    Si :0より大きく、0.35%以下、
    S :0より大きく、0.015%以下、
    Cu :0より大きく、0.30%以下、
    C :0より大きく、0.08%以下、
    Co :0より大きく、1.00%以下、
    P :0より大きく、0.015%以下、
    B :0より大きく、0.006%以下、
    実質的に残りの成分がFeであることを特徴とする請求項1又は2に記載の沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
  4. 前記スペーサ部材が、前記改良ジルコニウム合金からなるスペーサ本体とNi基合金からなる前記スプリングとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
  5. 前記改良ジルコニウム合金が焼鈍材であり、その焼鈍時の焼鈍パラメータΣAiが、2×10−18≦ΣAi≦5×10−17に制御されていることを特徴とする請求項1,2又は4の何れか1項に記載の沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
  6. 前記燃料ペレットを装填した被覆管を密封するための端栓が、抵抗溶接により被覆管に溶接されていることを特徴とする請求項1,2,4又は5の何れか1項に記載の沸騰水型軽水炉用燃料集合体。
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