JPH07260967A - 軽水炉用燃料集合体及びその燃料被覆管の製造方法 - Google Patents

軽水炉用燃料集合体及びその燃料被覆管の製造方法

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JPH07260967A
JPH07260967A JP6048263A JP4826394A JPH07260967A JP H07260967 A JPH07260967 A JP H07260967A JP 6048263 A JP6048263 A JP 6048263A JP 4826394 A JP4826394 A JP 4826394A JP H07260967 A JPH07260967 A JP H07260967A
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water
tube
oxide
reactor
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Masatoshi Inagaki
正寿 稲垣
Yoshinori Furukawa
義徳 古川
Iwao Takase
磐雄 高瀬
Noburo Tsutsumi
信郎 堤
Kenichi Ito
賢一 伊東
Naoto Uetake
直人 植竹
Masayoshi Kondo
政義 近藤
Katsumi Osumi
克己 大角
Yamato Asakura
大和 朝倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放射性物質の付着抑制する燃料集合体及び炉水
を適正にして被覆管の破損を防止するプラント運転方法
を提供する。 【構成】本発明は、ウラン酸化物あるいはプルトニウム
酸化物あるいは両酸化物を外層のジルコニウム合金と内
層のジルコニウムとからなる被覆管に内包する燃料棒及
び水ロッドを格子状に配列するとともに、スペーサー及
びスペーサーバンドで束ねて形成し、前記被覆管のジル
コニウムからなる内面及びジルコニウム合金からなる外
面に予め黒色の酸化膜を形成した軽水炉用燃料集合体に
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽水炉で使用される燃料
集合体に係わり、特に燃料被覆管内側からの水素吸収の
抑制及び管外側への放射性クラッド付着の促進に好適な
燃料集合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、使用済燃料の排出量低減,発電コ
ストの低減等の環境及び経済的メリットが期待できる理
由から、軽水炉燃料の高燃焼度化、運転サイクルの長期
化への関心が高い。我国の原子力発電は使用済燃料の再
処理を前提としており、抽出されたプルトニウムの再利
用をも含めた高燃焼度化が促進されている。現在、燃料
集合体の平均燃焼度は約30GWd/tであるが、60
GWd/t級の高燃焼度燃料が実現すれば、前述したメ
リットはより高くなる。従来、上記高燃焼度化を実現す
るために、炉水に曝される被覆管外表面の耐食性改善、
ウラン燃料と接触すること(PCI:pellet cladding
interaction)により発生する応力腐食割れ防止,被覆管
内面の水素脆化防止,ウラン燃料の発熱量分布の平坦化
等の改善が実施されてきた。
【0003】高燃焼度燃料集合体を構成するジルコニウ
ム合金には、従来材より高い耐食性が要求される。ジル
コニウム合金として従来よりジルカロイ−2(Zry−2:
Zr−1.2〜1.7%Sn−0.07〜0.20%Fe−
0.05〜0.15%Cr−0.03〜0.08%Ni合
金)及びジルカロイ−4(Zry−2:Zr−1.2〜1.
7%Sn−0.18〜0.24%Fe−0.05〜0.15
%Cr合金)が使用されている。これら合金の耐食性を
改善する方法として、特公昭63−31543 号,特公昭63−
31544号,特公昭63−58223号に開示されているα+β相
あるいはβ相温度範囲から急冷する熱処理がある。ま
た、耐PCI特性を改善する技術としてジルコニウムラ
イナー層を被覆管内面に設けることが考案された(特開
昭51−69795号)。被覆管内面の水素脆化防止技術とし
て特開昭63−179286号等に開示されているようにジルコ
ニウムライナー層を酸化処理する技術が知られている。
このように、炉水と接する被覆管外表面の耐食性,ウラ
ンペレットと接触する内表面のPCI特性及び耐水素吸
収特性の改善がはかられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、炉水中にはCo
60,Co58等がイオン及びクラッドの形態で含まれてお
り、これら放射性物質が配管に付着すると作業者の被爆
線量が増加する。従来、燃料被覆管外表面は炉水と反応
してノジュラー腐食とよばれる多数の割れを含む酸化物
が形成されていた。しかし、上述したように燃料被覆管
の耐食性が大幅に改善され、比較的平滑で割れの無い酸
化物で覆われた表面となった。その結果、Co60,Co
58等の放射性イオン及びクラッドが燃料表面に付着しに
くく、且つ一旦付着したとしても容易に燃料被覆管表面
から離脱するために炉水中の放射能が上昇する傾向が認
められるようになった。
【0005】本発明の第一の目的は高耐食性被覆管を用
いた燃料集合体を装荷した軽水炉においても炉水中の放
射能を従来と同程度のレベルに維持する燃料集合体とそ
の製造法を提供する。
【0006】第2の問題は、管内面の水素脆化である。
燃料被覆管が健全な状態で使用されている限り400pp
m を越えて水素が侵入することはなく、水素脆化は問題
とならない。しかし、何らかの原因で燃料被覆管の一部
が破損し、一次冷却水が侵入した場合には管内面から容
易に水素が侵入し、一次破損個所とは異なる位置で二次
破損に至る。管内面が純Zrでライニングされた燃料被
覆管(Zrでライナー管)では特に容易に水素化する。
燃料被覆管表面へのCo付着速度を高める一つの手法と
して、現在、炉水のpHを弱アルカリ(pH>7)に制
御する方法が検討されている。しかし、pHを高めると
燃料被覆管の耐食性は低下する。この耐食性低下とデブ
リ(debris)による燃料の摩耗等の他の要因が重畳する
と燃料破損にいたる可能性がある。本発明の第二の目的
は炉水pHを適正化し燃料被覆管の耐食性に影響を及ぼ
さない範囲を設定し、且つたとえ燃料一次破損が発生し
ても二次破損に至らないプラントの運転方法を提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的は図
1に示す製造プロセスにより燃料被覆管表面に予め鉄酸
化物あるいはジルコニウム酸化物を固着させておくこと
により解決される。このための手段として、(1)被覆
管を製造した後高温水蒸気,高温水あるいは大気中で鉄
酸化物あるいはジルコニウム酸化物を固着させる方法、
ビレットを製造する段階で外表面に鉄基合金薄肉外筒管
を嵌合し、鉄基合金で覆われた被覆管を製造し、最終工
程でZr系に対しては黒色の皮膜を形成させる酸化処理
する方法である。燃料集合体は8×8,9×9,10×
10の格子状に燃料棒を配列したものが好ましい。
【0008】本発明の第二の目的は純ジルコニウムライ
ナー層の内表面にジルコニウム酸化物を形成しておくこ
と、及び炉水のpHを7〜8.5 の範囲に調整すること
により解決される。ジルコニウム酸化物の形成は、図1
の最終酸化処理工程においてなされる。炉水のpHの調
整には、NaOHあるいはKOHが使用できる。KOHで
pHを調整し、水素を炉水中への水素の注入を併用する
ことが好ましい。
【0009】以上の第一及び第二の手段によって、炉水
放射性の低減並びに被覆管の二次破損の防止を達成でき
る。
【0010】
【作用】第一の目的を達成する手段である燃料被覆管表
面に予め固着した鉄酸化物あるいはジルコニウム酸化物
の作用及び炉水のpHの影響について記述する。図2は
燃料表面へのCoの付着機構を示す。図2(b)は図2
(a)の拡大図である。炉水中では鉄酸化物を主成分と
する鉄クラッドが大部分である。この鉄クラッドがまず
燃料被覆管表面に付着する。被覆管表面で沸騰がある
(沸騰水型軽水炉,BWR)場合、気泡内部の被覆管表
面では水が濃縮され高濃度の鉄クラッドが液膜中に含ま
れる。さらに気泡が成長すると乾燥面が出現し、鉄酸化
物が乾固する。この蒸発乾固した鉄クラッドは、ジルコ
ニウム酸化物上ではより強固に付着する。Coは大部分
イオンとして炉水中に溶けている。しかし、気泡内部の
液膜内では鉄クラッドの場合と同様に濃縮し、ついには
蒸発乾固する。蒸発乾固したCoは被覆管表面で高エネ
ルギーの中性子照射をうけて放射化する。しかし、気泡
が消滅し再び炉水に覆われると炉水中に溶出し放射化し
たCoイオンが炉水の放射能を高める。従って、炉水放
射能の低減には蒸発乾固したCoを被覆管表面に固着さ
せておく必要がある。また、炉水のpHが低い(酸性:
pH<7)と蒸発乾固したCoは再溶解しやすい。炉水
のアルカリ化(pH>7)はCoの再溶解低減に有効で
あるが、pH>9では被覆管材料の耐食性を低下させ
る。
【0011】被覆管表面に付着したCoを強固に固着さ
せておくには、CoFe24の化学形態の酸化物とする
のが有効である。この酸化物(スピネル酸化物)は高温
水中で極めて安定であり、蒸発乾固した後、再び炉水に
接しても再溶解しない。上記スピネル酸化物は鉄酸化物
を核として成長し、鉄酸化物は被覆管表面がジルコニウ
ム酸化物で覆われている方が付着しやすい。
【0012】即ち、速やかに被覆管表面にCoを固着さ
せ、炉水中に再び溶解させないためには、1)被覆管表
面が予めジルコニウム酸化物で覆われている、2)鉄酸
化物が予め被覆管表面に形成されている、3)炉水のp
Hを7〜8.5 に維持する、ことが重要である。
【0013】外層のジルコニウム合金は重量でSn0.
5 〜3%(好ましくは1〜2%),Fe0.1〜0.3
5%(好ましくは0.2〜0.3%),Ni0.02〜0.
15%又はこれらにCr0.2% 以下含有する合金、内
層のジルコニウムは不純物の少ない純Zrからなるもの
が好ましい。
【0014】第二の目的を達成する手段である管内面の
予備酸化膜の作用について以下に記述する。表1は40
0℃における水素の拡散係数を示すものである。表に示
すように酸化膜中の水素拡散係数は金属ジルコニウム中
より約9桁低い。
【0015】
【表1】
【0016】このことからも、管内面酸化膜の水素拡散
抑制効果は明らかである。さらにZrO2 酸化膜のZr
格子位置に鉄(Fe)原子が置換するとZrO2 の格子
間隔が小さくなり、水素分子の拡散を抑制する効果があ
る。さらに、ZrO2 の格子間隔の減少によりZrO2
の電気抵抗が上昇し(バンドギャップエネルギーが高く
なり)、管内面の耐食性が向上する。このような耐食性
が高い黒色の酸化膜が形成され正方結晶の結晶構造を有
するZrO2 となる。同様な効果はニッケルあるいはク
ロムを含有するZrライナー層においても得られる。鉄
濃度が300ppm 以下の純Zrライナー層を設けた被覆
管を高温の水蒸気中で予備酸化処理すると白色化しポー
ラス酸化物となる。このような酸化物は水素が容易に透
過し、水素透過バリヤ層として好ましくない。また、4
00℃の水蒸気中で水蒸気圧力を10気圧以上に高める
と酸化膜が白色化し効果が得られない。さらに、予備酸
化膜厚さが5μmを超えると酸化膜に割れが発生し、水
素透過バリヤとしての効果が減少する。予備酸化膜厚さ
が0.5μm 以下でも水素透過バリヤとしての効果が減
少する。以上のことから、管内面を予備酸化すると耐食
性向上及び水素吸収防止の効果が明らかであり、予備酸
化膜の形成において、1)Zrライナー層の鉄濃度を3
00ppm 以上とし、2)水蒸気の圧力を10気圧以下と
するのが好ましいことが分かる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)図3は外層材にジルカロイ2合金、内層材
に純Zrからなる被覆管の内表面及び外表面を400
℃,1気圧の水蒸気雰囲気で予め酸化処理し黒色の酸化
皮膜を形成した燃料被覆管を使用した燃料集合体を装荷
して運転を開始するBWRプラントの構成を模式的に示
したものである。本実施例の被覆管は図1の製法によっ
て得られる。本実施例では熱間加工後1000℃で加熱
後急冷する溶体化処理を行い、3回の冷間塑性加工と焼
鈍とをくり返した後酸化処理したものである。タービン
1を出た水蒸気は復水器2で水に戻され、これを出た復
水は復水ポンプ3により復水フィルター4を通り復水脱
塩器5により不純物を除去する。浄化された水は給水ポ
ンプ6,低圧給水加熱器7,昇圧ポンプ8,高圧給水加
熱器9を通って原子炉圧力容器10に導かれる。この
為、炉水中には主として高圧給水加熱器9及び原子炉圧
力容器10で生成した腐食生成物であるFeクラッド及
びNi,Co等の金属イオンが含まれている。これらの
一部は原子炉再循環ポンプ11の上流から分岐した原子
炉浄化系12で除去されるが、その割合は少なく殆ど炉
水中及び燃料棒表面に付着して存在することになる。
【0018】運転を開始すると原子炉の出力が上昇し、
燃料表面で沸騰が生じるようになる。この時期にFe注
入装置14を運転し注入バルブ15を開いてFeクラッ
ドを注入する。また、同時期に原子炉浄化系12からK
OH(pH調整剤)をリークさせてpHを7〜8に調整
する。本実施例によると、炉水中のCoは燃料棒表面に
強固に付着し、炉水放射能の上昇を抑制可能となる。
【0019】(実施例2)本実施例は実施例1において
炉水を調整したものである。図4はNaOH濃度を調整
することによりpHを変化させた288℃高温水環境下
にジルカロイ2被覆管を保持し、形成された外表面酸化
膜の電気抵抗の及ぼすpHの影響を示す。図5は各種不
純物によりpH:14一定とした288℃高温水環境下
にジルカロイ2被覆管を保持し、形成された外表面酸化
膜の電気抵抗の及ぼす不純物の影響を示す。耐食性は電
気抵抗が高いほど高い。図3からpHは7〜8.5 に維
持することが好ましく、pHの調整にはKOHあるいは
アンモニアが好ましいことが分かる。図6はpHが異な
る環境下で形成された酸化膜中のNaの分布を示す。電
気抵抗低下は酸化膜中にNaが取り込まれた結果であ
り、取り込み量はpHが高いほど多いことが分かる。よ
って、pHは7〜8.5 の範囲であれば、NaOHを使用し
てもよい。
【0020】被覆管表面に付着したCoを強固に固着さ
せておくには、CoFe24の化学形態の酸化物とする
のが有効である。この酸化物(スピネル酸化物)は高温
水中で極めて安定であり、蒸発乾固した後、再び炉水に
接しても再溶解しない。上記スピネル酸化物は鉄酸化物
を核として成長し、表2のCo付着に及ぼす予備酸化と
pHの影響に示すように鉄酸化物は被覆管表面がジルコ
ニウム酸化物で覆われている方が付着速度が大きい(付
着しやすい)。
【0021】
【表2】
【0022】スピネル酸化物形成に及ぼす鉄酸化物コー
ティングの影響を検討した。鉄酸化物を予めコーティン
グしておいた被覆管表面には図7に示すように高温水中
でNiFe24(スピネル)酸化物が形成さるのに対
し、コーティングしない場合には図8に示すようにNi
O酸化物が形成されるのみである。NiとCoは極めて
酸化挙動が類似しており、スピネル形成への鉄酸化物コ
ーティングの効果が明瞭である。即ち、この実施例2か
ら速やかに被覆管表面にCoを固着させ、炉水中に再び
溶解させないためには、 1)被覆管表面が予めジルコニウム酸化物で覆われてい
る、 2)鉄酸化物が予め被覆管表面に形成されている、 3)炉水のpHを7〜8.5 に維持する、ことが重要で
あることがわかる。
【0023】本発明のFe酸化物コーティングしたもの
の酸化物は角形の酸化物が形成され、一辺の長さが2.
5μm 以下のものが大部分形成されていた。
【0024】(実施例3)表3は本発明の燃料被覆管を
構成する外層(鉄基),中間層(ジルコニウム合金),
内層(純Zrライナー)の各ビレット(円筒状)の化学
組成(重量%)を示す。各ビレットの肉厚の比を外層か
ら順に2:87:10とし、嵌合した後、端面を真空中
で電子ビーム溶接して一体化した。この三重管を600
℃で熱間押出し加工し密着させた。この管を素管と記
す。ビレットから素管に加工する際の
【0025】
【表3】
【0026】断面積減少率は約60%であり、素管の外
径:64mm,厚さ:11mmとした。高周波誘導加熱コイ
ル中を通過させることにより加熱し、通過直後の位置で
外面に水を吹き付けることにより急冷した。最高加熱温
度は930℃とし、冷却速度は約200℃/sであっ
た。この熱処理素管に対し加工度(断面積減少率:70
〜90%)のピルガーミル圧延と約600℃,2時間の
焼なましとを交互に3回繰り返し、外径約13mm,厚さ
0.9mm の燃料被覆管に成形した。外表面及び内面を酸
洗し、表面を清浄にした。その後、400℃,2気圧の
水蒸気中で8時間オートクレーブ処理し、外表面及び内
面に黒色の酸化膜を形成させた。内面の酸化膜厚さは約
3μmであった。
【0027】温度400℃,圧力70気圧の純水素環境
下に酸化処理した管及び酸洗したままの管を50時間保
持し、吸収した水素量を分析した。その結果、酸化処理
した管では約100ppm 、酸洗したままの管では100
0ppm の水素を吸収していた。この結果から、酸化処理
による水素吸収低減効果が明らかである。
【0028】本実施例で、外層材としてC0.15%以
下,Mn0.5%以下の純鉄又はC0.04%以下,Si
1.00%以下,Mn2%以下,Ni12〜15%,C
r16〜18%,Mo2〜3%を含むオーステナイト鋼
が好ましく、中間層は前述のZr合金及び内層には前述
の純Zr、特にFe0.1% 以下であるのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、炉水中のCo濃度の低
減が可能となり、Coの配管付着量を大幅に低減出来る
ので、定期検査時の作業者が被爆する線量を低減するこ
とが可能となる。また、万一被覆管が破損しても水素脆
化による二次破損を防止でき、燃料の信頼性が大幅に向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆管の製造工程を示すブロック図。
【図2】燃料表面へのCo付着の機構を示す模式図。
【図3】原子力発電プラントの構成図。
【図4】pHと電気抵抗との関係を示す図。
【図5】不純物と電気抵抗との関係を示す図。
【図6】スパッタ時間とNaイオン濃度との関係を示す
図。
【図7】元素の強度を示す図。
【図8】元素の強度を示す図。
【符号の説明】
1…タービン、2…復水器、3…復水ポンプ、4…復水
フィルタ、5…復水脱塩器、6…給水ポンプ、7…低圧
給水加熱器、8…昇圧ポンプ、9…高圧給水加熱器、1
0…原子炉圧力容器、11…原子炉再循環ポンプ、12
…原子炉浄化系、13…Zrライナー燃料、14…電解
鉄注入装置、15…注入バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 3/20 C G (72)発明者 堤 信郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 伊東 賢一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 植竹 直人 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 近藤 政義 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 大角 克己 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 朝倉 大和 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウラン酸化物あるいはプルトニウム酸化物
    あるいは両酸化物を外層のジルコニウム合金と内層のジ
    ルコニウムとからなる被覆管に内包する燃料棒及び水ロ
    ッドを格子状に配列するとともに、スペーサー及びスペ
    ーサーバンドで束ねて形成した燃料集合体において、前
    記被覆管のジルコニウムからなる内面及びジルコニウム
    合金からなる外面に予め黒色の酸化膜を形成したことを
    特徴とする軽水炉用燃料集合体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ジルコニウム純ジ
    ルコニウムライナー層が設けてあり、このライナー層中
    に鉄,クロム,ニッケルのうち少なくとも一種類の元素
    が300ppm 以上含まれており、このライナー層内表面
    は酸化物が形成されていることを特徴とする軽水炉用燃
    料集合体。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、内表面
    に形成されている酸化物が立方晶または正方晶の結晶構
    造を有するジルコニヤを含んでいることを特徴とする軽
    水炉用燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記被
    覆管内外表面の酸化膜厚さが0.5〜3μmの範囲に調
    整されていることを特徴とする軽水炉用燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求項1において、該ジルコニウム合金被
    覆管外面酸化物層の上に鉄または鉄酸化物が予め形成さ
    れていることを特徴とする軽水炉用燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項1又は請求項5において前記燃料集
    合体を、炉水のpHが7以上となるように水酸化カリウ
    ムあるいは水酸化ナトリウム添加によって調整された炉
    水環境下で運転することを特徴とするプラントの運転方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1,請求項5又は請求項6におい
    て、原子炉炉心への給水中の水素濃度を50〜400pp
    b の濃度に調整することを特徴とするプラントの運転方
    法。
  8. 【請求項8】ジルコニウム合金太径管からなるビレット
    内に純ジルコニウム内筒管を挿入し熱間押出し加工を施
    すことにより一体化し、次いで、830〜1100℃の
    範囲に加熱し急冷する熱処理後、冷間塑性加工及び50
    0〜700℃でのアニールを交互に繰り返すことにより
    細径薄肉の燃料被覆管を製造する方法において、燃料被
    覆管の内表面あるいは外表面のすくなくとも一方に黒色
    の酸化膜を形成する工程を挿入することを特徴とする燃
    料被覆管の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、酸化膜を形成する工程
    が最終アニール後であることを特徴とする燃料被覆管の
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8又は請求項9において、高温水
    蒸気中で酸化膜を形成し、水蒸気の温度及び圧力をそれ
    ぞれ400℃以下及び10気圧以下とすることを特徴と
    する燃料被覆管の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項8又は請求項9において、酸化膜
    を形成する前に被覆管外表面に鉄,クロム,ニッケルの
    うち少なくとも1種類の元素あるいはそれら元素の酸化
    物のコーティング層を設けることを特徴とする燃料被覆
    管の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、水中に鉄,クロム
    及びニッケルの少なくとも1種からなる元素又は酸化物
    の微粉末を懸濁させ、微粉末懸濁槽に浸漬後乾燥させコ
    ーティング層を設けることを特徴とする燃料被覆管の製
    造方法。
  13. 【請求項13】請求項11において、蒸着等の物理的手
    法によりコーティング層を設けることを特徴とする燃料
    被覆管の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項8又は請求項9において、循環高
    温水中で酸化膜を形成し、高温水の温度及び圧力をそれ
    ぞれ340℃以下及び150気圧以下とすることを特徴
    とする燃料被覆管の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14において、高温水中に鉄,ク
    ロム,ニッケルのうち少なくとも1種類の元素からなる
    微粉末あるいはそれら元素の酸化物を懸濁させることを
    特徴とする燃料被覆管の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項14において、前記高温水中で酸
    化膜を形成する前に予め被覆管外表面に鉄,クロム,ニ
    ッケルのうち少なくとも1種類の元素あるいはそれら元
    素の酸化物のコーティング層を設けることを特徴とする
    燃料被覆管の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、蒸着等の物理的手
    法によりコーティング層を設けることを特徴とする燃料
    被覆管の製造方法。
  18. 【請求項18】ジルコニウム合金太径管からなるビレッ
    ト内に純ジルコニウム内筒管を挿入し、さらに該ジルコ
    ニウム合金ビレットに鉄基合金外筒薄肉管を嵌合して一
    体化し、熱間押出し加工を施し、次いで830〜110
    0℃の範囲に加熱し急冷する熱処理後、冷間塑性加工及
    び500〜700℃でのアニールを交互に繰り返すこと
    により細径薄肉の燃料被覆管を製造することを特徴とす
    る燃料被覆管の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項18において、燃料被覆管最外層
    の鉄基合金層の厚さが20μm以下であることを特徴と
    する燃料被覆管の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項18において、鉄基合金外筒薄肉
    管が純鉄であることを特徴とする燃料被覆管の製造方
    法。
  21. 【請求項21】請求項18において、鉄基合金外筒薄肉
    管がSUS316L ステンレス鋼であることを特徴とする燃料
    被覆管の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項19において、該最外層の鉄基合
    金層の厚さを化学的エッチングあるいは機械的研磨,研
    削によって調整することを特徴とする燃料被覆管の製造
    方法。
  23. 【請求項23】請求項18〜22のいずれかにおいて、
    燃料被覆管の最終製造工程で内表面あるいは外表面のす
    くなくとも一方に酸化膜を形成することを特徴とする燃
    料被覆管の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項23において、高温水蒸気中で酸
    化膜を形成し、水蒸気の温度及び圧力をそれぞれ400
    ℃以下及び10気圧以下とすることを特徴とする燃料被
    覆管の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項23において、高温水中で酸化膜
    を形成し、高温水の温度及び圧力をそれぞれ340℃以
    下及び150気圧以下とすることを特徴とする燃料被覆
    管の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008026182A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 高燃焼度用燃料被覆管およびその製造方法
JP2008122309A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Nuclear Fuel Ind Ltd 沸騰水型原子炉用燃料被覆管およびその製造方法

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