JP2008024573A - コンクリート製品の製造方法およびコンクリート製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性が高く、作業環境が良好で、スラッジの発生もなく、且つ製品の表面美観に優れ、しかも合成樹脂管が内周面に設けられたコンクリート管等のコンクリート製品に固有の遠心成形法や振圧成形法の問題点も解決することのできるコンクリート製品の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】内周面に合成樹脂が具備されたコンクリート製品の製造方法であって、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームと、膨張材とを添加して水/結合材比が30%以下のコンクリートを調製し、コンクリート打設後に取り外すことなくコンクリート製品の内面側を構成させる合成樹脂からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠との間に、前記調製されたコンクリートを打設し、前記内側の枠及び外側の型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート製品の製造方法およびコンクリート製品、特に防食機能を具備させるために、内周面に合成樹脂管が設けられたコンクリート管のようなコンクリート製品の製造方法およびコンクリート製品であって、従来の遠心成形や振圧成形を要しないコンクリート製品の製造方法とその製造方法により得られるコンクリート製品に関する。
一般に、コンクリート製品を製造する場合には、型枠内にコンクリートを打設するという基本的な工程が含まれるが、コンクリート製品の種類によっては、それに応じた種々の方法が採用されている。たとえば、コンクリート管の製造方法としては、従来では、型枠内に打設したコンクリートを、高速回転によって生じる大きな遠心力を利用して締め固める方法(遠心成形法ともいう)や、コンクリートを充填する際に型枠に強力な振動を加えることによって締め固める方法(振圧成形法ともいう)などが知られている。
しかしながら、前記遠心成形法においては、一回の遠心成形に約1時間を要し、一般的に使用されている三連式の遠心成形装置を用いた場合でも、一時間当たり3本しか製造できないという生産性の低さの問題を有している。また、遠心成形装置によって生じる騒音は極めて大きく、作業環境が著しく悪いという問題もある。さらに、遠心成形によって管の周面から余剰水、セメントの微粒子および骨材中の泥分等が混ざったノロと称されるスラッジが多量に発生し、該ノロの処理に費用がかかるという問題もある。
一方、振圧成形法においては、水セメント比の小さい固練りのコンクリートを使用することができるため、型枠からの即時脱型が可能であり、前記遠心成形法と比べて生産性が高く、スラッジの発生もないという利点がある。
しかしながら、成形後の型崩れや変形、ダレ等を起こさないようにセメントペースト量を少なくし、また、水セメント比の小さい固練りのコンクリートを使用しているため、強力な振動下においても充填不足を招きやすく、その結果として振圧成形法によって得られるコンクリート管の表面には、角欠けや豆板等の空隙が生じ易いという問題を有している。
ところで、上記のようなコンクリート管の内周面には、防食機能を具備させるために合成樹脂管が設けられることがあるが、そのような合成樹脂管が内周面に設けられたコンクリート管の製造方法には、また別の製造工程が必要となる。しかし、このように合成樹脂管が内周面に設けられたコンクリート管の製造方法としても、基本的には上記のような遠心成形法や振圧成形法が採用されており、上述のような問題点が同様に生じることとなる。
また合成樹脂管が内周面に設けられたことによる固有の問題点も生じることとなる。すなわち遠心成形法の場合には、上述のように遠心力を利用して締め固めることでコンクリート管を成形した後、そのコンクリート管の内面側に合成樹脂管が取り付けられることとなるが、後付けで合成樹脂管が内管として取り付けられるので、手間がかかるという問題がある。
また後付けではなく、内型枠として合成樹脂管を予め設置して遠心成形を行った場合には、高速回転による型枠のずれや歪みの危険性が生じる。しかも、遠心成形によりコンクリートは外型枠側へ締まるため、内型枠とコンクリートの間に隙間が生じる可能性が高い。その結果、合成樹脂管とコンクリートを一体に保つことができず、内管としての合成樹脂管の機能を果たすことができないという問題が生じることとなる。
一方、合成樹脂管が内周面に設けられたコンクリート管の製造方法であって、振圧成形法を採用したものとして、下記特許文献1のような技術がある。この当該特許文献1には、コンクリート管の内面となるように合成樹脂管を長手方向に立設して内型枠を形成するとともに、その合成樹脂管の外周面に接着剤を塗布し、さらに、内型枠の外側に所定間隔で内型枠と平行に外型枠を立設し、その後、内型枠と外型枠の間にコンクリートを打設する方法が開示されている。
特開2001−260124号公報
しかし、振圧成形法では上述のように型枠に振動を与えるので、内型枠である合成樹脂管がずれないように、固定具等を取り付けることが必要となり、そのような
固定具等の取り付け、取り外しの作業が必要となって、手間がかかることになる。
また、上記特許文献1に開示された方法においては、コンクリート管との接着のために、合成樹脂管の外周面に特殊な接着剤を塗布しており、このような接着剤の塗布工程が必要となることも製造工程を煩雑化する結果となる。
さらに、特許文献1に開示された方法では、汎用のコンクリートを打設することしか想定していないが、特許文献1に開示されたような汎用のコンクリートは自己充填性に乏しいものであり、このような自己充填性に乏しいコンクリートを用いて
振圧成形法を行う場合、上述のような角欠けや豆板等の空隙が生じるという振圧成形法の問題が生じ、コンクリート管に必要な強度が得られない場合がある。
本発明は、上述のような従来の遠心成形法や振圧成形法によって生じていた問題点を解決するためになされたもので、生産性が高く、作業環境が良好で、スラッジの発生もなく、且つ製品の表面美観に優れ、しかも合成樹脂管が内周面に設けられたコンクリート管等のコンクリート製品に固有の遠心成形法や振圧成形法の問題点も解決することのできるコンクリート製品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するためにコンクリート製品の製造方法およびコンクリート製品としてなされたもので、コンクリート製品の製造方法に係る請求項1記載の発明は、内周面に合成樹脂が具備されたコンクリート製品の製造方法であって、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームと、膨張材とを添加して水/結合材比が30%以下のコンクリートを調製し、コンクリート打設後に取り外すことなくコンクリート製品の内面側を構成させる合成樹脂からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠との間に、前記調製されたコンクリートを打設し、前記内側の枠及び外側の型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート製品の製造方法において、前記シリカフュームと膨張材の合計量に対し、シリカフュームが60〜70重量%、膨張材が30〜40重量%とすることを特徴とする。さらに請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコンクリート製品の製造方法において、前記シリカフュームが、比表面積10m2/g以下であり、且つ平均粒径0.5〜1.5μmであることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法において、前記シリカフュームのpHが2.5〜6.5であることを特徴とする。さらにコンクリート製品に係る請求項5記載の方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明は、上述のように、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームと、膨張材とを添加して水/結合材比が30%以下のコンクリートを調製し、コンクリート打設後に取り外すことなくコンクリート製品の内面側を構成させる合成樹脂からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠との間に、前記調製されたコンクリートを打設し、前記内側の枠及び外側の型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形する方法であるため、自己充填性に優れたコンクリートを用いた製造方法を提供することが可能となり、上記従来の種々の問題点が解消されることとなる。
すなわち、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームは、主としてジルコニアの製造工程において副生するシリカフュームとして得られ、従来の一般的なシリカフュームと比較して平均粒径が大きく、pHの小さいものである。よって、本発明におけるシリカフュームは、その殆どの粒子が一次粒子の状態で存在し、凝集しにくいという特性を有するとともに、コンクリートの凝結遅延作用が適度に発揮され、流動性が低下しにくいという効果を有している。
このようなシリカフュームを膨張材と併用することにより、材料分離を起こさず、しかも自己充填が可能な高流動性のコンクリートとなる。そして、該コンクリートを水/結合材比30%以下で調製し、内側の枠と外側の型枠との間に打設し、該内側の枠と外側の型枠を静置させたままコンクリートを成形することにより、遠心成形や振動成形等の従来の製造方法と同等か、又はそれ以上の強度および美観を有するコンクリート製品を製造することが可能となる。
このように、本発明に係るコンクリート製品の製造方法によれば、特別な装置を必要としないために生産性が高く且つ作業環境が良好であり、また、遠心成形時のノロのようなスラッジの発生もなく、しかも、コンクリートの自己充填によって製品の表面美観に優れるコンクリート製品を製造することが可能となる。さらに本発明の製造方法によると、コンクリートが初期の段階で膨張し、合成樹脂管に圧力がかかり、合成樹脂管とコンクリート管のズレが生じないため、接着剤の塗布等によるズレ防止対策を必要としない。また、本発明に係るコンクリート製品は、表面美観に優れるとともに、製造コストの安価なものとなる。
本発明に係るコンクリート製品の製造方法は、上述のように、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームと、膨張材とを添加して水/結合材比が30%以下のコンクリートを調製し、合成樹脂管からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠との間に、前記調製されたコンクリートを打設し、前記型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形する方法である。
本発明において用いるシリカフュームは、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するものであればよく、製法や原料物質等については特に限定されるものではないが、主に、ジルコニアの製造工程に於いて副生するものを使用しうる。また、前記シリカフュームは、JIS A 6207「コンクリート用シリカフューム」に規定された品質を満足する必要はない。
ここで、前記シリカフュームの主成分である二酸化ケイ素の量は、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。また、前記シリカフュームの一成分である酸化ジルコニウムの含有量は、好ましくは、1〜10重量%であり、より好ましくは3〜5重量%である。
また、該シリカフュームは、好ましくは、比表面積が10m2/g以下、より好ましくは9m2/g以下である。従来、セメント用混和材として一般的に使用されているシリカフュームは、比表面積が15m2/g以上のものであるのに対し、本発明で用いるシリカフュームは、上記のような比較的小さい比表面積を有するものである。
また、前記シリカフュームは、好ましくは、平均粒径が0.5〜1.5μmであり、より好ましくは、0.8〜1.2μmである。シリカフュームの平均粒径が上記のような範囲であれば、シリカフュームの凝集が抑制されてコンクリート中への分散性が良好となり、膨張材との併用においても所定の流動性を発揮し易いという効果があり、しかも従来のシリカフュームと同様、マイクロフィラー効果とポゾラン反応によって緻密で強度の高いコンクリートを製造することが可能となる。
尚、シリカフュームの平均粒径は、セメント協会「標準試験方法(CAJS K−03−1982/エア・ジェット式ふるい装置による粉末度試験方法)」に基づいて測定したものである。
また、前記シリカフュームは、好ましくは、pHが2.5〜6.5であり、より好ましくは4.0〜5.0である。シリカフュームのpHが上記のような範囲であれば、コンクリートの凝結遅延作用が適度に発揮されるため、フローロスが少なくなり、施工時における作業性が改善されるとともに、より一層緻密で高強度のコンクリートを製造できるという効果がある。尚、シリカフュームのpHは、JIS Z 8802−1986「pH測定法」に基づいて測定されるものである。
一方、本発明において用いる膨張材の種類は特に限定されず、従来公知の膨張材を使用することができるが、中でも、JIS A 6202「コンクリート用膨張材」に規定される品質の膨張材を好適に使用することができる。具体的には、該膨張材として、カルシウムサルフォアルミネート系、生石灰系の膨張材のうち、何れか1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
本発明のコンクリート製品の製造方法においては、シリカフュームと膨張材の合計量に対し、シリカフュームを60〜70重量%、膨張材を30〜40重量%とすることが好ましく、シリカフュームを60〜65重量%、膨張材を30〜35重量%とすることがより好ましい。
また、本発明に係るコンクリート製品の製造方法では、上記のようなシリカフューム及び膨張材を、結合材の概ね30重量%を上限として、置換して用いることができる。従って、単位結合材量(B)が900kg/m3である場合、単位混和材量は、概ね270kg/m3が上限となる。
さらに、本発明のコンクリート製品の製造方法においては、他の成分として、従来のフェロシリコン起源のシリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末等を適宜配合することも可能である。
また、本発明において用いるセメントとしては、特に限定されるものではなく、セメントとしては、普通、早強、超早強、白色、耐流酸塩、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメント、該ポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ等を混合してなる混合セメント、ジェットセメント、アルミナセメントなどの特殊セメントを挙げることができる。
また、コンクリートを調製する際の水の量は、水/結合材比が30%以下となる量が好ましく、10〜20%となる量がより好ましい。斯かる範囲の水/結合材比とすることにより、型枠への充填時においては優れた自己充填性を維持しつつ、充填した後には短時間での脱型が可能となり、しかも製造されたコンクリート製品は圧縮強度及び外圧強度の高いものとなる。
特に、水/結合材比を10〜20%として高強度のコンクリート管を製造することにより、製造されたコンクリート管は、推進管工法を採用して地中に敷設することが可能なものとなる。
さらに、コンクリートを調製する際には、各種混和剤を添加してもよい。該混和剤としては、高性能AE減水剤等を挙げることができる。コンクリートを調製するに際しては、上記のような各種材料を、従来公知の各種コンクリートミキサを用いて混練りする。
調製されたコンクリートの自己充填性としては、例えば、スランプフローにより測定した場合、65cm以上であるものが好ましく、68cm以上であるものがより好ましい。スランプフローが68cm以上である場合には、自己充填性が極めて良好となり、振動等を加えなくとも表面美観の良好なコンクリート製品を製造することが可能となる。
そして、コンクリート管等の所望形状のコンクリート製品を製造する場合には、
合成樹脂管からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠とを予め設置し、その内側の枠と外側の型枠との間に、上記のようにして調製したコンクリートを打設し、該型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形し、成形されたコンクリートを型枠から脱型し、さらに脱型されたコンクリートを養生することにより、所定形状のコンクリート製品を得ることができる。
ここで、合成樹脂管を構成する合成樹脂としては、たとえば熱可塑性樹脂である、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のものを使用することができる。
前記コンクリートは、上述の如く自己充填性が高いものであるため、該コンクリートを型枠に充填する際には、遠心成形や強力な振動を加える必要がない。但し、コンクリート表面に角欠けや豆板、す等が生じるのを確実に防止する観点から、材料分離が生じない範囲で振動を加えても良い。
一方、コンクリートの充填に使用する型枠は、該コンクリートを、目的とするコンクリート製品の形状に成形しうるものであれば特に限定されず、任意の構成のものを使用することができる。従って、コンクリート製品の種類も上記コンクリート管に限定されるものではなく、種々の製品に使用することが可能である。これに伴い、コンクリート製品の内面側に具備される合成樹脂の形態も、上記実施形態のようなコンクリート管のようなものに限定されるものではなく、コンクリート製品の種類に応じて内面側に具備される合成樹脂の形態も任意に変更することが可能である。
本発明において用いるコンクリートは上述の如く自己充填性が高く、充填に際して遠心成形や強力な振動を加える必要がないものであるため、型枠についても、遠心成形や強力な振動に耐えるような高い剛性のものを使用する必要はない。また、型枠内に予め鉄筋を配しておくことにより、鉄筋コンクリート管等の鉄筋入りのコンクリート製品として成形することも可能である。型枠内に自己充填されたコンクリートは、具体的には、少なくとも24時間で脱型することが可能な強度を有するものとなる。また、脱型後のコンクリート製品は、20℃の水中で養生することが好ましい。
このように、本発明に係るコンクリート製品の製造方法によれば、従来の製造方法で使用していたような高剛性の型枠を使用する必要がないため、型枠を補強する鋼材を省くことができるとともに型枠を薄肉化することができ、型枠等の制作費を大幅に削減することができる。また、本発明に係るコンクリート製品の製造方法によれば、成形時に大きな騒音が発生しないために作業環境が良好となり、スラッジも発生しないためにその処理費用が必要となることもない。さらに、遠心成形装置や振動成形装置のような大型の装置を必要としないため、設備投資に要する費用が従来よりも安価になるという利点もある。
下記表1に示した材料を下記表2に示す配合で、容量55リットルの2軸強制練りミキサを用いて練り混ぜ、調製例1〜調製例3のコンクリートを調製した。
Figure 2008024573
Figure 2008024573
(実施例1)
合成樹脂管(外径114mm、管厚3.1mm、有効長300mm)を内枠として設置するとともに外側の型枠(外径200mm、管厚2.3mm、有効長300mm)を設置し、その合成樹脂管からなる内枠と、外側の型枠との間に、前記調製例1によって得られたコンクリートを打設した。打設に際しては、前記型枠を有効長方向が鉛直となるように載置し、前記内枠と外側の型枠との上方からコンクリートを100mm/secの速度で流し込む方法により行った。次いで、打設後24時間で脱型し、材齢14日となるまで標準養生(20℃、水中)を行うことにより、実施例1のコンクリート管を作製した。
(比較例1、2)
前記調製例2および3によって得られたコンクリート、即ち、シリカフュームや膨張材を用いず、高性能AE減水剤の量を増やすことによって自己充填可能としたコンクリートを使用することを除き、他は実施例1と同様にして、比較例1および比較例2のコンクリート管を作製した。
(フレッシュ性状の測定)
調製例1〜3のコンクリートに関し、該コンクリートを調製した際のフレッシュ性状として、JIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」に規定されたスランプフローを測定した。試験結果を表3に示す。
(圧縮強度試験)
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に規定された試験方法に基づき、実施例及び比較例のコンクリートについて、φ10×20cm供試体の材齢14日の圧縮強度を測定した。測定結果を下記表3に示す。
Figure 2008024573
(表面美観の評価)
実施例および比較例により得られたコンクリート管を目視により観察し、表面美観の評価を行った。評価結果を下記表4に示す。
Figure 2008024573
表3に示すように、実施例1で用いた調製例1のコンクリートは、スランプフローが大きく型枠内への自己充填性が極めて良好なものであった。また、比較例2で用いた調製例3のコンクリートは、調製例1のコンクリートよりもスランプフローは小さいが、型枠内への自己充填性は概ね良好であった。これに対し、比較例1で用いた調製例2のコンクリートは、スランプフローが小さく型枠内への自己充填性に劣るものであった。
さらに、表3及び表4に示すように、実施例1により作製されたコンクリート管は圧縮強度が極めて大きく、しかも表面美観の良好なものであることが確認された。これに対し、比較例1により作製されたコンクリート管は、実施例1と比較して圧縮強度が小さく、表面に豆板を有するものであった。また、比較例2により作製されたコンクリート管も、実施例1と比較して圧縮強度が小さく、表面に気泡を有するものであった。
本発明に係るコンクリート製品の製造方法は、従来、遠心成形によって製造されていた鉄筋又は無筋コンクリート管、マンホール、パイルなどの製品のみならず、ボックスカルバート、擁壁、水槽、側溝、RCセグメントなどの各種セメント2次製品の製造にも適用することが可能である。

Claims (5)

  1. 内面側に合成樹脂が具備されたコンクリート製品の製造方法であって、二酸化ケイ素を主成分とし且つ酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームと、膨張材とを添加して水/結合材比が30%以下のコンクリートを調製し、コンクリート打設後に取り外すことなくコンクリート製品の内面側を構成させる合成樹脂からなる内側の枠と、コンクリート打設後に取り外す外側の型枠との間に、前記調製されたコンクリートを打設し、前記内側の枠及び外側の型枠を静置させたまま前記コンクリートを成形することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  2. 前記シリカフュームと膨張材の合計量に対し、シリカフュームが60〜70重量%、膨張材が30〜40重量%とすることを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の製造方法。
  3. 前記シリカフュームが、比表面積10m2/g以下であり、且つ平均粒径0.5〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート製品の製造方法。
  4. 前記シリカフュームのpHが2.5〜6.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート製品の製造方法により製造されたことを特徴とするコンクリート製品。
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