JP2008024179A - 航空機用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐圧性及び耐久性に優れ、タイヤ重量を軽減した航空機用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも1枚のターンアッププライ4aと少なくとも1枚のダウンプライ4bからなるラジアルカーカス4を備えた航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ラジアルカーカス4に、式(I):σ ≧ −0.01×E + 1.2および式(II):σ ≧ 0.02[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすポリケトン繊維のコードを、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを50質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラックを30〜65質量部配合したゴム組成物で被覆してなるカーカスプライを一枚以上用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機用空気入りラジアルタイヤ、特に耐圧性及び耐久性を向上させつつ、タイヤ重量を軽減した航空機用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
航空機用空気入りラジアルタイヤは、10気圧を超える非常に高い規定内圧が公的規格により定められている上、タイヤへの高度な信頼性要求を満たすため、タイヤ強度メンバーは規定内圧の4倍もの耐圧性を有することが必要とされている。このため、タイヤのカーカスを、有機繊維からなるコードを含むカーカスプライを多数枚積層して構成することによって上記の耐圧性を満足させている。一方で、航空機メーカーからは厳しいタイヤ重量低減の要求が課せられており、タイヤ性能とタイヤ軽量化の両立がタイヤ設計上重要な課題となっている。また、航空機用空気入りラジアルタイヤはその負担する荷重が大きいため、使用状態でのタイヤの撓みが非常に大きく設定されている。すなわち、走行時のタイヤのカーカスの変形量が大きいため、カーカスが走行毎に繰り返される変形に耐え得るような素材、構造をカーカスに採用することが必須となっている。
従来の技術では、カーカスプライを構成するコードとして、耐疲労性および熱収縮性に優れる、ナイロンのような脂肪族ポリアミド繊維よりなるコードを使用していた。また、高い破断強力を有する芳香族ポリアミド繊維、すなわちアラミド繊維よりなるコードをカーカスプライに適用して、航空機用空気入りラジアルタイヤに求められる耐久性能を確保しつつ、カーカスプライの枚数を減らしてタイヤの重量を更に低減させることが検討された。更に、破断強力の高いコードとして、ポリケトン繊維からなるコードが知られており、該コードをカーカスプライに適用したタイヤが特開2004−306635号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2004−306635号公報
しかしながら、ナイロン繊維コードは、破断強力が比較的小さいため、該ナイロン繊維コードをカーカスプライに適用した場合、上記のような航空機用空気入りラジアルタイヤに求められる耐圧性をタイヤに付与するためには多数枚のカーカスプライをタイヤに配する必要があり、このことは、更なるタイヤ軽量化を目指す上での妨げとなっていた。
一方、アラミド繊維コードをカーカスプライに適用した場合においては、以下に記載する様々な問題が生じることが明らかになった。第一の問題は、タイヤ製造にかかわるものである。通常、ラジアルタイヤの成型において、カーカスプライは当初円筒状のドラム上に積層され、その後、該カーカスをトロイダル状に変形させるが、その際積層されたカーカスプライの内外層間にペリフェリの変化が生じる。このため、加硫工程において加熱する前の生タイヤの状態で特にタイヤ軸方向外側に位置するカーカスプライにたるみが生じる。従来のナイロン繊維コードをカーカスプライに適用した場合には、加硫時の加熱によりナイロン繊維コードに熱収縮が発生するため、上記のようなカーカスプライのたるみが是正され、製品タイヤにおいては問題のないカーカスプライの性状が得られるのだが、アラミド繊維コードをカーカスプライに適用した場合では、アラミド繊維コードの熱収縮性が極めて小さいため、製造時に生じるカーカスプライのたるみを加硫工程において除去することが難しく、目的とするカーカスの耐久性を達成することが困難であった。
第二の問題はカーカスプライのコードの疲労性にかかわるものである。アラミド繊維は圧縮方向の応力に対する耐疲労性が比較的小さいため、当該繊維よりなるコードをカーカスプライに適用したタイヤの耐久試験において、タイヤ回転中にカーカスへ繰り返しの歪みを負荷した際に、コード中のアラミド繊維が長手方向への圧縮応力を受けて、コードが疲労することによりカーカスプライの切断(CBU)が発生し、所期のタイヤの耐久性を満足することができなかった。
また、特開2004−306635号公報(特許文献1)に記載されているタイヤにおいては、ポリケトン繊維の熱収縮性を考慮しておらず、アラミド繊維を使用した場合と同様な問題が生じるおそれがあった。加えて、該公報に記載のタイヤは、耐久性に依然として改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、耐圧性及び耐久性に優れ、タイヤ重量を軽減した航空機用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、高度な耐久性を確保する為には、カーカスプライにおけるコードとコーティングゴムとの組み合わせに注意を払う必要があり、更に検討した結果、カーカスの補強コードとして、特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維のコードを適用し、更に、該コードを被覆するコーティングゴムに、特定のゴム成分に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラックを配合してなるゴム組成物を適用することで、タイヤの耐圧性及び耐久性を向上させつつ、タイヤ重量を軽減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤは、一対のビードコアと、該ビードコア間にトロイダル状に延在し、タイヤ赤道面に対して70〜90°の範囲の角度で配向させた有機繊維コードをコーティングゴムで被覆した少なくとも2枚のカーカスプライよりなるラジアルカーカスとを備え、前記ラジアルカーカスが、前記一対のビードコア間にトロイダル状に延在する本体部と前記ビードコアの周囲でタイヤ幅方向の内側から外側へ巻き返した巻き返し部とを有する少なくとも1枚のターンアッププライと、該ターンアッププライを該巻き返し部も含め外包みして前記ビードコアの少なくとも直下に終端を有する少なくとも1枚のダウンプライとを備える航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記少なくとも2枚のカーカスプライのうち少なくとも1枚を構成する有機繊維コードが、下記式(I)および式(II):
σ ≧ −0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすポリケトン繊維のコードであり、
前記コーティングゴムに、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム50〜100質量%と合成ジエン系ゴム0〜50質量%とからなるゴム成分100質量部に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラック30〜65質量部を配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明において、「航空機用空気入りラジアルタイヤ」とは、高内圧状態で高速・高荷重で使用される機会の多い空気入りラジアルタイヤを指し、航空機用の他、リニアモーターカー用の空気入りラジアルタイヤ等を含むものとする。
なお、上記有機繊維コードの177℃における熱収縮応力σは、一般的なディップ処理を施した加硫前の補強コードの25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する応力であり、また、上記有機繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率Eは、JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線から算出した単位cN/dtexでの弾性率である。更に、ここでいう「HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラック」とは、ヨウ素吸着量(IA)及びジブチルフタレート吸油量(DBP)等で評価される比表面積(m2/g)がHAF(N330)カーボンブラックと同等或いはそれより大きいカーボンブラック、即ち、IAが50mg/g以上でDBPが60mL/100g以上のカーボンブラックを指し、ゴム組成物に配合した際に弾性率や破壊強度を向上させる効果がHAFカーボンと同等或いはそれより高いカーボンブラックのことを意味する。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記コーティングゴムに用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、更に下記一般式(III):
Figure 2008024179
[式中、Aは炭素数6〜18の2価の芳香族基、又は炭素数7〜24の2価のアルキル芳香族基を表し、xとyは夫々独立に0〜3の整数を表す]で表されるビスマレイミド化合物を1〜3質量部含有する。ここで、前記ビスマレイミド化合物としては、N,N’-1,2-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンビスマレイミド及びN,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記コーティングゴムに用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、更に下記一般式(IV):
Figure 2008024179
[式中、Bは炭素数2〜18の多価の非環式脂肪族基(該官能基は、その中に芳香族基を含んでいてもよい)、炭素数5〜20の多価の環式脂肪族基、炭素数6〜18の多価の芳香族基、又は炭素数7〜24の多価のアルキル芳香族基を表し、該官能基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子の内少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよく;Xは水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、又はメルカプト基を表し;R1とR2は夫々独立に水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族環を表し、該置換基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子の内少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよく;zは1〜3の整数を表す]で表されるヒドラジド化合物を0.5〜2質量部含有する。ここで、前記ヒドラジド化合物としては、3-ヒドロキシ-N’-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)が好ましい。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ポリケトン繊維のコードは、177℃における熱収縮応力σが0.4cN/dtex以上かつ1.5cN/dtex未満であることが好ましい。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記ポリケトン繊維の原料のポリケトンが、下記一般式(V):
Figure 2008024179
[式中、Dは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になる。ここで、前記式(V)中のDとしては、エチレンが好ましい。
本発明によれば、特定のカーカス構造を有し、該カーカスに、特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維のコードを、特定のゴム成分に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラックを配合したゴム組成物からなるコーティングゴムで被覆したカーカスプライを少なくとも1枚用いた、耐圧性及び耐久性に優れ、タイヤ重量を軽減した航空機用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの一例を示す幅方向断面図であり、リムに装着した状態で示す。図中、1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を、3は各サイドウォール部2の内周側に連続させて設けたビード部をそれぞれ示す。また、図中、4は両ビード部3間にトロイダル状に延在させて設けた少なくとも2枚、図では3枚のカーカスプライからなり、上記の各部1、2、3を補強するラジアルカーカスを示し、5は上記ラジアルカーカス4のクラウン部外周上に配設され、複数枚、図では4枚のベルト層からなるベルトを示す。なお、図示例のタイヤにおいて、ラジアルカーカス4を構成するカーカスプライは、タイヤ赤道面に対して70〜90°の範囲の角度で配向させた有機繊維コードをコーティングゴムで被覆してなる。また、図示はしないが、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいては、ベルト5とトレッド部1との間にベルト保護層を設けてもよい。ラジアルカーカス4以外の部分について、その詳細な構造は一般の航空機用空気入りラジアルタイヤの構造に準ずる。
更に、ラジアルカーカス4は、図示例のタイヤにおいて、ビード部3内に埋設したビードコア6間にトロイダル状に延在する本体部と、ビードコア6の周囲でタイヤ幅方向の内側から外側へ巻き返した巻き返し部とを有する少なくとも1枚、図示例では2枚のターンアッププライ4aと、該ターンアッププライ4aを該巻き返し部も含め外包みして、前記ビードコア6の少なくとも直下に終端を有する少なくとも1枚、図示例では1枚のダウンプライ4bとを備える、いわゆるアップ・ダウン構造を有する。このようなアップ・ダウン構造とすることにより、高い内圧がタイヤに付加された状態においてもターンアッププライがビードコアから引き抜けるのを効果的に防止することができ、その結果、航空機用空気入りラジアルタイヤに求められる耐圧性を確保することができる。また、走行中に生じるビード部の変形に伴い、ビード部に位置するターンアッププライの巻き返し部の端部とその近傍に大きな歪みが生じ、その結果、該端部近傍にてセパレーションが発生し、ビード部の破壊につながるおそれがあるが、前記ダウンプライの適用により該端部に対する保護効果が得られ、その結果、該端部でのセパレーションを防ぎ、ビード部の耐久性を大幅に向上させることができる。
なお、本発明においては、カーカスプライの枚数を少なくとも2枚とし、そのうち、ターンアッププライ及びダウンプライの枚数を少なくとも1枚とすればよく、カーカスプライの枚数、ターンアッププライの枚数及びダウンプライの枚数は特に制限されるものではないが、タイヤサイズに応じて、規定の耐圧性を確保できるようにカーカスプライの枚数を調整することができる。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいては、上記少なくとも2枚のカーカスプライのうち少なくとも1枚を構成する有機繊維コードが、下記式(I)および式(II):
σ ≧ −0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすポリケトン繊維のコードであることを要する。
上記式(I)及び式(II)を満たすポリケトン繊維コードは高い破断強力を有するため、該コードをカーカスプライに適用した場合、航空機用空気入りラジアルタイヤに要求される耐圧性を満足した上で、従来のナイロン繊維コードをカーカスプライに適用した場合よりもカーカスプライの枚数を減らすことが可能であり、タイヤ重量の大幅な低減を達成することができる。同時に、該ポリケトン繊維コードは、温度の上昇に伴って熱収縮して大きな熱収縮応力および弾性力を発揮し、温度の低下に伴って伸張変形する可逆性を有し、優れた熱収縮性と圧縮方向の応力に対する耐疲労性とを有しているので、アラミド繊維よりなるコードをカーカスプライに適用した場合において見られた、タイヤ製造時に生じるカーカスプライのたるみ、又は走行中におけるコード疲労によるカーカスプライの切断の発生を防ぎ、さらに、従来のナイロン繊維コードを適用したタイヤと同等、又は当該タイヤより優れたタイヤ耐久性を確保することができる。
式(I)及び式(II)におけるσおよびEは、ポリケトンの種類によっても変わるが、同じポリケトンを使用する場合でも、コード作成時の撚り数やディップ処理条件を変えることによりσおよびEの値を変えることができる。なお、本発明をより実効あるものとする上で、上記熱収縮応力σは0.4cN/dtex以上かつ1.5cN/dtex未満とするのが好ましい。ここで、熱収縮応力σを1.5cN/dtex以上とすると、加硫時の収縮力が大きくなりすぎ、結果的にタイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の悪化やユニフォーミティーの悪化を招くおそれがある。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも1枚のカーカスプライを構成する有機繊維コードは、上記式(I)及び式(II)を満たすポリケトン繊維のコードからなり、該ポリケトン繊維の原料のポリケトンとしては、上記一般式(V)で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンが好ましい。また、該ポリケトンの中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン繊維の原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(V)において、Dを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6-クロロヘキセン,N-ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 2008024179
[式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である]で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8dL/gの範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n-ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、該未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。該熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
また、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいては、上記有機繊維コードを、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム50〜100質量%と合成ジエン系ゴム0〜50質量%とからなるゴム成分100質量部に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラック30〜65質量部を配合したゴム組成物からなるコーティングゴムで被覆したカーカスプライを用いることを特徴とする。
本発明のカーカスプライコーティングゴムに用いるゴム成分としては、低発熱性と破壊特性と耐亀裂成長性とを高いレベルで兼ね備え、且つ熱老化後にも良好な耐リバージョン性を保持する為に、50質量%以上の天然ゴム(NR)及び/又は合成イソプレンゴム(IR)を配合することを要し、60質量部以上の天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを配合することが好ましく、更に70質量部以上の天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを配合することがより好ましい。一方、上記ゴム成分においては、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを配合した残部に、合成イソプレンゴム以外の合成ジエン系ゴムを用いることができる。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、特に限定されるものではないが、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が好ましい。
上記コーティングゴムを形成するゴム組成物においては、上記ゴム成分100質量部に対して、補強性がHAF(N330)以上のカーボンブラックを30〜65質量部の割合で配合することを要する。補強性がHAF(N330)未満のカーボンブラックを使用すると、高破壊強度と低発熱特性を両立させて獲得することが困難になる。また、上記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、機械的強度や耐磨耗性等が不十分であり、一方、該配合量が65質量部を超えると、発熱特性が悪くなる。ここで、N330以上のカーボンブラックとしては、N330、N335、N339、N343、N347、N351、N356、N358、N375、N234、N231、N220、N134、N121、N110、N326、N315、N219グレードのもの等が好ましく、これらの中でもN330、N335、N339、N343、N347グレードのもの等が特に好ましい。
上記コーティングゴムを形成するゴム組成物においては、耐熱性や耐熱老化性及び動的貯蔵弾性率(E)等を向上させる観点から、上記ゴム成分100質量部に対して、上記一般式(III)で表されるビスマレイミド化合物を1〜3質量部の割合で配合することが好ましい。上記一般式(III)で表されるビスマレイミド化合物において、x又はyが4以上になると、分子量が大きくなり過ぎて、配合量の割には目的とする耐熱老化性や動的貯蔵弾性率等の向上効果が得られないため不都合である。また、上記一般式(III)で表されるビスマレイミド化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部未満であると、耐熱老化性や動的貯蔵弾性率等の向上効果が不十分であり、一方、該配合量が3質量部を超えると、破壊物性及び耐屈曲疲労性が低下する。
上記ビスマレイミド化合物として、具体的には、N,N’-1,2-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン等が挙げられ、これらの中でも、N,N’-1,2-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド等が好適に挙げられる。これらビスマレイミド化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記コーティングゴムを形成するゴム組成物においては、発熱を抑制し加硫戻り等に起因する耐熱老化性等を改善する観点から、上記ゴム成分100質量部に対して、上記一般式(IV)で表されるヒドラジド化合物を0.5〜2質量部の割合で配合することが好ましい。上記ヒドラジド化合物は、耐リバージョン性に優れ、ゴム成分として特に天然ゴムを含むゴム組成物に好適であり、高温加硫条件下でもその性能の低下が少ない。また、上記ヒドラジド化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部未満であると、ゴム組成物の加硫戻り及び耐熱老化性の改善効果が十分でなく、一方、該含有量が2質量部を超えると、ゴム組成物の低発熱性が悪化してしまう。
上記ヒドラジド化合物として、具体的には、1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド(BMH),3-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,2-ジフェニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド等のナフトエ酸ヒドラジド類;N'-(1-メチルエチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-サリチル酸ヒドラジド等のサリチル酸ヒドラジド類等が好適に挙げられ、これらの中でも、3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)が特に好ましい。
上記コーティングゴムを形成するゴム組成物には、上述のゴム成分、カーボンブラック、ビスマレイミド化合物、ヒドラジド化合物の他、シリカ等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、シランカップリング剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、カーボンブラックと共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤは、ラジアルカーカス4に、上述の有機繊維コードを上述のゴム組成物で被覆してなるカーカスプライを少なくとも1枚用い、常法により製造することができる。なお、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1〜2に示すようなナイロン繊維コード、アラミド繊維コード及びポリケトン繊維コードを、表1〜2に示す配合処方のゴム組成物で被覆してカーカスプライに適用し、表1〜2に示すようなカーカス構造を有する以外は図1に示す構造のサイズ46x17R20 30PRの実施例1〜4、比較例1〜7、従来例の航空機用空気入りラジアルタイヤを試作し、各タイヤのカーカスプライの性状を解剖検査にて評価し、カーカスプライのコードのたるみがないものを良とし、たるみがあるものを不良とした。また、得られた各タイヤの重量は、従来例のタイヤの重量を100として指数表示した。数値が小さいほどタイヤが軽いことを示す。さらに、各タイヤの安全率及びビード部耐久性を下記の方法により評価した。これらの結果を表3に示す。
(1) 安全率
リムサイズ46×16のリムに組み付けた各試験タイヤ内を水で満たし、タイヤ内圧を上昇させたとき、タイヤが破壊する圧力と、TRAで定められた規定内圧1530kPaとの比(タイヤが破壊する圧力/TRAで定められた規定内圧)を安全率(倍)とした。数値が大きいほどタイヤの耐圧性が良好であることを示す。なお、米国連邦航空局(FAA)の定めるTSOでは、航空機用タイヤについては安全率が4倍以上であることが規定されている。
(2) ビード部耐久性
各試験タイヤを、リムサイズ46×16のリムに装着し、ドラム試験機上に取り付け、内圧1530kPa、荷重20870kgの条件下で、Taxi試験(時速64kmにて10分間走行後、タイヤ停止状態にて110分間冷却)を繰り返し実施した際に、ビード部が故障するまでの試験回数をビード部耐久性の指標とし、従来例の値を100として指数表示した。数値が大きいほど、ビード部耐久性が良好であることを示す。
Figure 2008024179
Figure 2008024179
*1 JSR(株)製,「BR01」.
*2 N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド.
*3 3-ヒドロキシ-N’-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド,大内新興化学工業(株)製,「ノクセラーNS」.
*6 ナイロン66
*7 ほぼ100%が式(V)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトン.
*8 式(V)で表される繰り返し単位からなり、Dが主としてエチレン基であるポリケトン
(プロピレン約6%含有).
Figure 2008024179
表3の結果から、実施例のタイヤは、(1)カーカスを構成するカーカスプライがターンアッププライ及びダウンプライからなり、また(2)該カーカスプライのうち少なくとも1枚を構成する有機繊維コードが上記式(I)及び式(II)を満たすポリケトン繊維のコードであって、更に(3)該コードのコーティングゴムとして、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを50質量%以上含有するゴム成分100質量部に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラックを30〜65質量部の割合で配合したゴム組成物を用いているため、従来例のタイヤよりもタイヤ重量が抑制されつつ、安全率及びビード部耐久性が同等以上であることが分かる。また、比較例のタイヤは、上記(1)〜(3)の条件の内何れかを満たしていないので、実施例のタイヤよりもビード部耐久性が大幅に劣っていることが分かる。
本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤの一例を示す幅方向断面図であり、リムに装着した状態で示す。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ラジアルカーカス
4a ターンアッププライ
4b ダウンプライ
5 ベルト
6 ビードコア

Claims (8)

  1. 一対のビードコアと、該ビードコア間にトロイダル状に延在し、タイヤ赤道面に対して70〜90°の範囲の角度で配向させた有機繊維コードをコーティングゴムで被覆した少なくとも2枚のカーカスプライよりなるラジアルカーカスとを備え、前記ラジアルカーカスが、前記一対のビードコア間にトロイダル状に延在する本体部と前記ビードコアの周囲でタイヤ幅方向の内側から外側へ巻き返した巻き返し部とを有する少なくとも1枚のターンアッププライと、該ターンアッププライを該巻き返し部も含め外包みして前記ビードコアの少なくとも直下に終端を有する少なくとも1枚のダウンプライとを備える航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記少なくとも2枚のカーカスプライのうち少なくとも1枚を構成する有機繊維コードが、下記式(I)および式(II):
    σ ≧ −0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
    σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
    [式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすポリケトン繊維のコードであり、
    前記コーティングゴムに、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム50〜100質量%と合成ジエン系ゴム0〜50質量%とからなるゴム成分100質量部に対し、HAF(N330)以上の高補強性カーボンブラック30〜65質量部を配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記コーティングゴムに用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、更に下記一般式(III):
    Figure 2008024179
    [式中、Aは炭素数6〜18の2価の芳香族基、又は炭素数7〜24の2価のアルキル芳香族基を表し、xとyは夫々独立に0〜3の整数を表す]で表されるビスマレイミド化合物を1〜3質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記コーティングゴムに用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、更に下記一般式(IV):
    Figure 2008024179
    [式中、Bは炭素数2〜18の多価の非環式脂肪族基(該官能基は、その中に芳香族基を含んでいてもよい)、炭素数5〜20の多価の環式脂肪族基、炭素数6〜18の多価の芳香族基、又は炭素数7〜24の多価のアルキル芳香族基を表し、該官能基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子の内少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよく;Xは水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、又はメルカプト基を表し;R1とR2は夫々独立に水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族環を表し、該置換基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子の内少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよく;zは1〜3の整数を表す]で表されるヒドラジド化合物を0.5〜2質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ポリケトン繊維のコードは、177℃における熱収縮応力σが0.4cN/dtex以上かつ1.5cN/dtex未満であることを特徴とする請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ポリケトン繊維の原料のポリケトンが、下記一般式(V):
    Figure 2008024179
    [式中、Dは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になることを特徴とする請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記式(V)中のDがエチレンであることを特徴とする請求項5に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記ビスマレイミド化合物が、N,N’-1,2-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンビスマレイミド及びN,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記ヒドラジド化合物が、3-ヒドロキシ-N’-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジドであることを特徴とする請求項3に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
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