JP2008023262A - 発光装置、レーザディスプレイ、内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源1と、光源1からの光を伝播する光ファイバ2と、を備えた発光装置において、光源1は、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有し、光ファイバ2は、光源1からの光により励起し発光する、2種以上の希土類元素がドープされ、且つ、希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する光ファイバ2である、ことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
"住田光学ガラス・・ニュース"、[online]、平成18年5月1日、インターネット〈URL:http://www.sumita-opt.co.jp/ja/press.htm〉
そこで、本発明は、色調範囲が広げることが可能な発光装置、レーザディスプレイ、内視鏡を提供することを目的とする。
本発明においては、希土類元素がドープされた導光部材が、希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する。したがって、導光部材から出射される光の波長スペクトルにピークが生じ難くなり、発光ピークとなる波長以外の波長を有する光の出力が小さくなることが防止される。よって、本発明によれば、導光部材から出射される各波長域の光出力について均等化が図られるため、色調範囲を広げることが可能となる。
Prは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、本発明によれば、この470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。
また、Hoは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、本発明によれば、この610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、本発明によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光とが導光部材から出射され、導光部材から出射される色調範囲を広げることが可能となる。
また、Erは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、本発明によれば、この500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、本発明によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、が導光部材から出射され、色調範囲を広げることが可能となる。
さらに、Tmは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、本発明によれば、この450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、本発明によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、が導光部材から出射され、色調範囲を広げることが可能となる。
希土類元素がドープされた導光部材が、希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する場合は、希土類元素からの光の出力が小さくなってしまうという問題がある。しかしながら、希土類元素のドープされる量が900ppm〜30000ppmであれば、希土類元素が導光部材中で励起される確率が上昇するため、希土類元素からの光の出力を大きくすることが可能となる。
本発明においては、前記フッ化物ガラス系の導光部材における出射端側の部位または前記フッ化物ガラス系の導光部材の出射端に、特定波長の光のみを通過させるフィルタが設けられていることが好ましい。
このようにすれば、導光部材から出射する光の波長を変化させることが可能となるため、色調範囲を環境に応じて調整することが可能となる。
このようにすれば、導光部材にフィルタを設けなくても、導光部材から出射する光の波長を変化させることが可能となるため、導光部材にフィルタを設けることが困難である場合でも、色調範囲を環境に応じて調整することが可能となる。
このようにすれば、入射端側でより多くの希土類元素が励起されるため、出射端側で希土類元素を励起する必要性が低減し、フッ化物ガラス系の導光部材の長さを短くすることが可能となる。
図1に示すように、この発光装置は、光源1と、光源1からの光を伝播する光ファイバ2と、を備えている。光源1は、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有し、光ファイバ2は、光源1からの光により励起し発光する、2種以上の希土類元素がドープされ、且つ、希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する光ファイバである。光ファイバ2としてフッ化物ガラス系の光ファイバを用いる。
実施の形態に係る発光装置においては、上記したように、希土類元素がドープされたフッ化物ガラス系の光ファイバ2が、希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する。したがって、光ファイバ2から出射される光の波長スペクトルにピークが生じ難くなり、ピーク以外の波長を有する光の出力が小さくなることが防止される。よって、実施の形態に係る発光装置によれば、光ファイバ2から出射される各波長域の光出力について均等化が図られるため、色調範囲を広げることが可能となる。
なお、光ファイバ2については、断面の中心部(コア)の屈折率を周辺部(クラッド)より高くして、シングルクラッドファイバやダブルクラッドファイバやトリプルクラッドファイバなどとすると、光の減衰量が小さくなる。このようにすると、光源1からの励起光や励起された蛍光物質から発せられる光とが、光ファイバ2において、希土類元素がドープされたコアのみならずクラッドをも伝播するようになるため、希土類元素がドープされたコアのみを伝播する場合と比較して、発熱や励起などによるエネルギー損失が比較的抑えられるからである。
光源1は、半導体発光素子やランプ、電子ビーム、プラズマ、ELなどをエネルギー源とするものでも使用できる。特に限定されないが、小型で発光強度が高いため、発光素子を用いることが好ましい。発光素子としては、発光ダイオード素子(LED)やレーザダイオード素子(LD)などを用いることができる。
導光部材として、光ファイバを利用することが好ましいが、導光板なども利用することができる。光ファイバは高密度に希土類元素がドープされているため、光源1からの光を有効に利用することができるからである。
<光ファイバ2>
光ファイバ2にドープされる、2種以上の希土類元素は、特に限定されないが、Pr及びHo、または、Pr及びEr、Pr及びTm、Er及びHoであることが好ましい。
Prは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、実施形態に係る発光装置によれば、この470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。
また、Hoは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、実施形態に係る発光装置によれば、この610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、実施形態に係る発光装置によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、610nm〜780nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光とが光ファイバ2から出射され、色調範囲を広げることが可能となる。
また、光ファイバ2にドープされる希土類元素をErとすることも好ましい。Erは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、実施形態に係る発光装置によれば、この500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、実施形態に係る発光装置によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と、470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、500nm〜570nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、が光ファイバ2から出射され、色調範囲を広げることが可能となる。
さらに、光ファイバ2にドープされる希土類元素をTmとすることも好ましい。Tmは、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光に励起されて、450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する光を発するが、実施の形態に係る発光装置によれば、この450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する光の半値幅が広げることが可能となる。したがって、実施の形態に係る発光装置によれば、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有する光と470nm〜560nm及び590nm〜740nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、450nm〜510nmの波長域に発光ピーク波長を有する半値幅が広げられた光と、が光ファイバ2から出射され、色調範囲を広げることが可能となる。
図2(a)、(b)に示す例では、フッ化物ガラス系の光ファイバ2における出射端側の部位(図2(a))にフィルタの一例であるグレーティング4を設け、また、フッ化物ガラス系の光ファイバ2の出射端(図2(b))にフィルタの一例である誘電体多層膜5を設けている。ここで、グレーティング4や誘電体多層膜5は、特定波長の光のみを通過させる。このようにすれば、光ファイバ2から出射する光の波長を変化させることが可能となるため、色調範囲を環境に応じて調整することが可能となる。
また、図2(c)に示す例では、フッ化物ガラス系の光ファイバ2からの光を伝播する光導波路3を備え、この光導波路3における部位にフィルタの一例であるグレーティング4を設けている。ここで、グレーティング4は、特定波長の光のみを通過させる。このようにすれば、光ファイバ2にグレーティング4や誘電体多層膜5を設けなくても、光ファイバ2から出射する光の波長を変化させることが可能となるため、光ファイバ2にグレーティング4や誘電体多層膜5を設けることが困難である場合でも、色調範囲を環境に応じて調整することが可能となる。ここで、光導波路3は、フッ化物ガラス系の光ファイバ2からの光を伝播するものであれば特に限定されず、たとえば、石英ガラス系の光ファイバや、プラスチック光ファイバや、導波路型光平面回路などで構成することができる。
なお、フィルタは、1つだけ設けることもできるし、複数設けることもできる。
励起光に青色や紫色の光を用いると、これらの光が光ファイバの出射端から強く出射されてしまうため、励起光に青色や紫色の光を用いる場合よりも、励起光に紫外線を用いる場合の方が、色調範囲が広がると考えられる。なお、グレーティングや誘電体多層膜を用いれば、光ファイバからの出射光を選択できるため、光ファイバからの出力される光の色調範囲を調整することが可能になると考えられる。また、励起光に紫外線を用いた場合には、グレーティングや誘電体多層膜を用いて紫外線をカットすることにより、光ファイバから人体などに紫外線が照射されることを防止することができる。
2 フッ化物ガラス系の光ファイバ
3 光導波路
4 グレーティング
5 誘電体多層膜
Claims (9)
- 光源と、前記光源からの光を伝播する導光部材と、を備えた発光装置において、
前記光源は、500nm未満の波長域に発光ピーク波長を有し、
前記導光部材は、前記光源からの光により励起し発光する、2種以上の希土類元素がドープされ、且つ、前記希土類元素からの光をレーザ発振させることなく出射する導光部材である、
ことを特徴とする発光装置。 - 前記希土類元素は、Pr及びHo、Pr及びEr、Pr及びTm、または、Er及びHoであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記希土類元素がドープされる量は、900ppm〜30000ppmであることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記導光部材は、フッ化物ガラス系の光ファイバであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記導光部材における出射端側の部位または前記導光部材の出射端に、特定波長の光のみを通過させるフィルタが設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記導光部材からの光を伝播する光導波路を備え、この光導波路における部位に特定波長の光のみを通過させるフィルタが設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記導光部材は、その入射端側における希土類元素のドープ量が、その出射端側の希土類元素のドープ量よりも大きい、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発光装置を具備することを特徴とするレーザディスプレイ。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発光装置を具備することを特徴とする内視鏡。
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