JP2008022987A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】打球した際のイメージと、実際の打球飛距離を一致し易くして、飛距離の向上が図れるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフクラブは、ボールを打球するフェース部7aを備え、容積が380cc以上、上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 以上、フェース部7aの高さHが48mm以上である中空構造のヘッド7を有する。そして、ヘッド7は、フェース部の中心位置(FC)のCT値をCTc、フェース部の中心位置の下側のCT値をCTuとしたとき、フェース部7aの中心位置から下側12mmの範囲において、CTu/CTc≦0.75の条件を満足する領域を備えたフェース部を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、詳細には、中空構造のヘッドを有するゴルフクラブに関する。
従来、中空構造のヘッドを装着したゴルフクラブでは、その飛距離を向上すべく、様々な工夫を施すようになっており、その一つとして、打球時にフェース部を撓ませることで飛距離を向上することが知られている。すなわち、打球時にフェース部が撓むことで、打球時にボールの潰れが抑制されるようになり、この結果、ボール変形によるエネルギーロスを少なくして、飛距離の向上が図れるというものである。
このため、最近では、ヘッドのフェース部の特性を図る指標として、キャラクタリスティックタイムという新たな数値(以下、CT値)が用いられるようになっている。このCT値は、USGA(米国ゴルフ協会)のペンデュラムテストに準拠して測定された値であり、その概略は、例えば、特許文献1に開示されているような測定装置を用いてフェース部の中心に試験片を衝突させ、接触時間を計測することで、フェース部の柔軟性を評価するものである。このCT値が高くなると、フェース部が撓み易くなって、上記した理由により飛距離の向上が図れるようになる。
このようなCT値に着目したゴルフクラブとして、例えば、特許文献2に開示されたものが知られている。この特許文献2には、ゴルファーごとのスイングフォームに適したゴルフクラブとするため、ヘッドの最高反発点(CT値が最も高い点)を、ヘッド打球面であるフェース部の中心からずらすことが開示されている。特に、「トップし易い」ゴルファーには、フェース部の中心より下側に最高反発点がくるようにヘッドを設計することで、飛距離の向上を図るようにしている。
また、最近のヘッド構造は、方向性の安定化を図るため、慣性モーメントの増大を図るべく、大型化する傾向になってきており、最大飛距離が得られると考えられるフェース部中心位置から外れた位置で打球しても、ある程度の飛距離が得られるように設計されている。
特開2004−249086号 特開2004−267438号
上記したように、ヘッドを大型化することは、それに伴って、打球位置によっては速度成分が異なる傾向が大きくなってしまう。すなわち、スイング支点(グリップ位置)を中心に考慮すると、ヘッドの上下方向(クラウン・ソール方向)では、必然的にスイング支点から遠い位置となる下側(ソール側)の方の速度成分が速くなってしまう。
また、最近の大型化されたヘッドのフェース面の形状等を考慮すると、断面側面視でロールが形成されており、上方(クラウン側)ほどボールに対して斜め衝突となり、下側(ソール側)ほどボールに対して正面衝突することから、衝突効率を考慮すると、下側の方が良くなる。具体的には、ヘッドのロフト角は、フェース部の中心位置における接線と、基準水平面と直交する垂線との間の角度によって定義されるが、上記したロールによって、フェース部の中心位置よりも下側では、ロフト角が少なくなり、上側では、ロフト角が大きくなっている。すなわち、ロフト角が少なくなったソール側ほど、ボールに対して正面衝突する傾向が高くなり、衝突効率の面からすると、反発性が良くなると考えられる。
したがって、上記したヘッドの上下方向における速度成分の相違(ソール側の速度成分が高くなる)と相俟って、フェース部の下側で打球したボールの初速は大きくなると考えられる。
ところで、ゴルフクラブで打球する際、ゴルファーは、打球直後のボール速度によってボールの飛距離を感覚的に把握することが可能である。例えば、練習場や、ゴルフコースの打ち上げ、打ち下ろし等においては、実際の飛距離は判断し難いものの、打球時におけるボール初速によって、ある程度、飛距離を判断することが可能である。このため、上記したように、フェース部の下側で打球したボールの初速が大きくなってしまうと、ゴルファーは、そのクラブによる最大飛距離が得られるヒッティングポイントとしての打球である、と錯覚する傾向となってしまう。
しかしながら、上記したように、最近の大型化したヘッド形状では、フェース部の中央部分が、そのクラブの最大飛距離を得やすい構造となっており、特に、重心との関係等を考慮すると、フェース部の中心よりやや上方での打球が、最大飛距離が出易い構造となっている。このため、ボールの初速から、フェース部の下側が最適なヒッティングポイントとしての打球である、と錯覚するゴルファーにとっては、そのクラブの性能を最大限生かしていないこととなり、飛距離の出ないクラブと認識してしまい、飛距離の向上が図れなくなってしまう。
また、上記した特許文献2に開示されているように、フェース部の中心より下側に最高反発点がくるようにヘッドを設計することで、打球時における速度を大きくすることも可能と考えられるが、ヘッド形状を考慮した場合、フェース部の中心より下側の打球では、飛距離の向上に限界が生じてしまう。すなわち、フェース部の中心よりも下側で打球することは、そのフェース面のロール形状による打出角度の低下、及び打球時に重心を中心としたヘッドの上下方向のぶれによって生じるギヤ効果により、バックスピン量が大きく成りすぎてしまい、トータルで考慮すると、飛距離の向上には限界が生じてしまう。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、打球した際のイメージと、実際の打球飛距離を一致し易くして、飛距離の向上が図れるゴルフクラブを提供することを目的とする。
本発明者は、ヘッド構造が大型化することで生じる特有の問題、すなわち、フェース部の中心位置よりも下側で打球した際、フェース部のロール形状による衝突効率の向上、及び上下方向における慣性モーメントが向上している等の理由によって、打球時の初速が高くなることで「芯で打球した」とゴルファーに錯覚を与えてしまう、という特有の問題に着目し本発明を着想するに至ったのである。
ところで、上記した従来技術に紹介されているように、フェース部におけるCT値は、例えば、肉厚、材質等によるフェース構造によって、部位毎に変化させることが可能となっている。一般的に、CT値を高めることは、打球時にボールとフェース部の接触時間が長くなって、ボールのつぶれが抑制できることから、ボールの速度は速くなると考えらており、CT値とボール速度との間には、CT値が高くなると、ボールの速度も高くなるという因果関係が認められる。
しかしながら、逆に、CT値が余り高くなり過ぎると、ボールがつぶれて元に戻る時間よりもフェース部が撓んで元に戻る時間の方が長くなってしまい、ボール速度は低下すると考えられる。実際には、ボールの材質などにもよるが、CT値については、概ね、400×10-6(秒)程度までは、CT値を高めるとボール速度の向上が図れると推測される(ただし、フェース部に用いられる一般的な材料を考慮すると、CT値を400×10-6(秒)程度まで高めるのは現実的ではなく、よって、従来のフェース部に用いられる材料を考慮すると、CT値を高めることでボールの初速は向上すると考えられる)。
従来の大型化したヘッド構造では、CT値に関し、フェース部中心位置を高めることは勿論、上記した特許文献2にも開示されているように、フェース部中心位置の周囲のCT値も高めることで、中心位置を外してもボールの速度が低下しないように設計されていたが、このようなヘッド構造では、ソール側で打球しても、ボール速度が低下しないことから、上記したような錯覚が生じるのである。
そこで、本発明に係るゴルフクラブは、上述した目的を達成するために、ボールを打球するフェース部を備え、容積が380cc以上、上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 以上、フェース部の高さが48mm以上である中空構造のヘッドを有しており、そのヘッドは、前記フェース部の中心位置のCT値をCTc、フェース部の中心位置の下側のCT値をCTuとしたとき、フェース部の中心位置から下側12mmの範囲において、CTu/CTc≦0.75の条件を満足する領域を備えたフェース部を有することを特徴とする。
上記したヘッド構造を備えたゴルフクラブによれば、フェース部の中心位置におけるCT値(CTc)よりも、その下側のCT値(CTu)が所定の比率で低くなるように設定されていることから、フェース部中心位置よりも下側で打球した際の速度が抑制されるようになり、フェース部中心位置よりも下側に芯がある、というような錯誤をゴルファーに与えることがなくなる。すなわち、打球した際のイメージと実際の打球飛距離が一致する傾向となり、ゴルファーに対して「飛ばないクラブである」といった誤解を生じさせることはない。
なお、上記した構成の中空構造のヘッドにおいて、「CT値」とは、USGA(米国ゴルフ協会)のペンデュラムテストに準拠して測定された値である。また、ヘッドの大きさについては、大型化することで生じる上述した特有の問題が、容積が380cc以上、及び上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 以上になった場合、顕著になる傾向にあるため、本発明では、そのような大きさのヘッドを対象としている。
また、フェース部の高さについては、現在におけるボールの打球痕の大きさが、ヘッドスピード40m/sであった場合、ソフト系で直径24mm程度、ハード系で直径21mm程度であることに基づく。すなわち、通常のゴルファーであれば、打球痕は最大24mm程度に収まることを考慮し、フェース部の中心位置から上下にボール半個分ずれて打球しても「芯で捕らえた」と錯覚しがちなヘッドを対象としている。具体的には、フェース部の高さが48mm未満になると、フェース部の中心位置から上下にボール半個分ずれて打球すると、クラウン部又はソール部の境界の影響を受けてスピン量が異常になることから、フェース部の高さについては、48mm以上を対象としている。なお、ロフト角については、ロール形状による衝突効率の問題が顕在化される範囲、具体的には、7°〜15°程度のものが該当する。
そして、上記した構成において、CTu/CTc≦0.75の条件としたのは、容積が380cc以上、上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 以上、フェース部の高さが48mm以上である中空構造のヘッドにおいて、フェース部の中心位置で打球したときのボール速度を100%とした場合、その下方で打球したときのボール速度がほぼ確実に100%未満になる、という結果が得られたことによる。
上記したようなヘッド構造では、更に、フェース部の中心位置上側のCT値をCTtとしたとき、フェース部の中心位置から上側12mmの範囲において、CTt/CTc≧1.04の条件を満足する領域を備えていることが好ましい。
すなわち、フェース部の中心位置から上側で打球すると、ロールの影響によってロフト角が大きくなっているため、通常は、ボールとの衝突効率が低下し、これに伴ってボール速度も低下する傾向となる。このため、フェース部の中心位置から上側の領域のCT値を中心位置のCT値よりも高めることで、上側打球の速度低下を抑制して飛距離の向上が図れるようになる。
本発明によれば、打球した際のイメージと、実際の打球飛距離が一致し易くなるため、ゴルファーは、最も良好な打球イメージが得られる部分で打球するようになり、これにより飛距離の向上が図れるゴルフクラブが得られるようになる。
以下、本発明に係るゴルフクラブの実施形態について説明する。
図1から図4は、本発明に係るゴルフクラブの第1の実施形態を示す図であり、図1はゴルフクラブの正面図、図2はヘッドの正面図、図3は図2のA−A線に沿った断面図、そして、図4は図2のB−B線に沿った断面図である。
本実施形態に係るゴルフクラブ1は、金属やFRPで構成されたシャフト5の先端に、基準水平面Pに対して規定のライ角α、及びロフト角βに設定されたヘッド7を止着して構成されている。この場合、ヘッド7を構成するヘッド本体7Aは、打球面を有するフェース部7aと、フェース部7aの上縁から後方に延出するクラウン部7bと、フェース部7aの下縁から後方に延出するソール部7cとを備えており、更に、前記フェース部のトウ側縁からバック側を経由し、フェース部のヒール側縁にかけて延在し、前記クラウン部7b及びソール部7cの縁部を繋ぐサイド部7dとを備えた中空構造に形成されている。なお、図面において、そのようなサイド部7dを構成するトウ部、バック部及びヒール部を、夫々符号7e,7f,7gで示す。
上述したように、本発明では、フェース部7aにおける中心位置(FC)のCT値をCTc、フェース部7aの中心位置(FC)の下側のCT値をCTuとしたとき、フェース部の中心位置(FC)から下側12mmの範囲において、CTu/CTc≦0.75の条件を満足する領域を備えるように構成される。すなわち、このような条件は、例えば、フェース部7aの中心位置の下側領域を、中心位置よりも撓みにくく構成することで実現することが可能であり、本実施形態においては、後述するように、フェース部7aの裏側のソール側に所定形状のリブ10を設けることで、フェース部7aの下側の比強度及び比剛性を向上し、下側領域を撓みにくく、かつ上側領域を部分的に変形できるように構成している。
このようなフェース部7aの構造によって、打球時に、フェース部全体が撓むことがなく、下側領域が撓みにくくなって、フェース部7aの下側のCT値を中心位置(FC)と比較して小さくすることが可能となり、上記したCTu/CTc≦0.75という条件を満たすことが可能になる。
以下、具体的な構成について説明する。
前記フェース部7aには、実際に打球が成されるフェース部材8が設けられる。このフェース部材8は、後述するようにカップ状に形成されており、前記クラウン部7b、及びサイド部7dの前方側の一部を構成するようになっている。
前記ヘッド本体7Aは、フェース部7aに設けられるフェース部材8以外については、例えば、チタン合金(Ti-6Al-4V,Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al)、アルミ系合金、或いは、マグネシウム合金等を鋳造することで一体形成することが好ましく、その前面側に、フェース部7aの打球面を構成するカップ型に形成されたフェース部材8が溶着、ろう付け、接着等によって止着される開口7Bが形成されている。もちろん、前記ヘッド本体7Aは、それを構成する各部材(フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部;外殻部材)を個別に形成しておき、夫々を溶着、接着等によって固定しても良い。
前記ヘッド本体7Aは、フェース部7aの一部、具体的には、ソール部7cから上方に向けてフェース部の下側略1/3程度までを一体形成している。すなわち、ヘッド本体7Aのソール部7cの前端部は、上方に向けて屈曲されてフェース部の下側略1/3を形成しており、その上端は、更にヘッド本体の中心に向けて屈曲され、CT値を、フェース部中心位置と比較して低くするための手段を構成するリブ10の一部である水平リブ(横リブ)10aを形成している。
前記水平リブ10aの内側延出部の先端には、接合部となる突部10dが上方に向けて突出形成されている。この突部10dが形成される位置は、ヘッド本体7Aのクラウン部7bやサイド部7dにおける前方側開口と同一面となるように設定されており、これにより、フェース部材8を取着するための開口7Bを形成している。このため、フェース部材8は、いわゆるカップ型に形成されており、屈曲された端面が接合面として開口7Bに面接するように止着される。
前記フェース部7aに設けられるフェース部材8は、例えば、チタン合金(Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al,Ti-6Al-4V,SP700,Ti-15V-6Cr-4Al,Ti-15Mo-5Zr-3Al,Ti-30Nb-10Ta-5Zr等を、所定のカップ型形状となるように、プレス加工、或いは鍛造等することで一体形成することが好ましく、そのように形成されたフェース部材8は、開口7Bの端面に、接着、溶着、Brazing(ろう付け)等によって止着される。もちろん、前記フェース部7aについては、別部材となるフェース部材8を止着するのではなく、前記ヘッド本体7Aと共に一体形成されていても良いし、フェース部全体を構成する別体のフェース部材8の裏面にリブを形成しても良い。
また、ヘッド本体7A内には、前記シャフト5の先端を止着するシャフト止着部12が一体形成されている。この場合、シャフト5は、クラウン部7bに形成される開口孔を介してシャフト先端部を差し込むことでシャフト止着部12に止着される。
上記したフェース部の下方領域において、CT値を低くするための手段であるリブ10は、更に、水平リブ10aの下側のフェース部7a裏面に、複数の垂直リブ(縦リブ)10bを備えている。この垂直リブ10bは、フェース部の一部を構成しているヘッド本体7Aに一体形成されており、前記水平リブ10aと一体化するように、所定間隔をおいて3箇所形成されている。また、図4に示すように、シャフト止着部12と水平リブ10aを接合(一体成形が好ましい)することで、リブの高さ、幅や本数を減らすことができ、軽量化を図ることが可能となる。
このようなリブ10(水平リブ10a及び垂直リブ10b)は、フェース部7aの内面からヘッド中心側に向けて突出する部材であり、打球面を有するフェース部の特定の領域(下側領域)の比剛性、比強度を向上させる機能を有する。この場合、リブ10は、内面に対する突出量(リブ高さ)が大きくなりすぎると、重量増加が大きくなり過ぎて設計自由度が少なくなり、また、突出量が小さくなりすぎると、比剛性、比強度を十分向上させることができなくなるため、その内面に対する突出量(リブ10aの高さh1,リブ10bの高さh2)は、1.0mm〜13.0mmの範囲に設定しておくことが好ましい。また、その幅(肉厚)についても、同様の理由から1.0mm〜5.0mmの範囲に設定しておくことが好ましい。また、水平リブ10aと垂直リブ10bのリブ断面積の関係は、水平リブの断面積を垂直リブの断面積より大きくした方が、意図するCT値の関係を達成するのにより好ましい。すなわち、これにより上下方向のCT値調整が効率良く行えるようになる。
また、前記したフェース部材8の肉厚については、リブ10が形成されている領域のCT値との間の関係で決定されるが、全体が厚くなりすぎると、重量増加が大きくなり過ぎて設計自由度が小さくなるため、1.1mm〜3.2mmの範囲に設定しておくことが好ましい。なお、本実施形態では、フェース部7aの中心位置(FC)におけるCT値が高くなるように、カップ型のフェース部材8は、その中心領域の肉厚t1を比較的厚肉とし、その上端領域における肉厚t2及び下端領域における肉厚t3、並びにクラウン部と一体化される領域の肉厚t4を、肉厚t1より薄肉厚として、中心領域が撓み易い構造としている。特に好ましい範囲は、それぞれt1が2.2〜2.8mm、t2が1.8〜2.5mm、t3が1.8〜2.5mm、t4が1.1〜2.0mmである。
上記したようなCT値を低くするための手段であるリブ10が設けられる位置は、フェース部7aの中心位置(FC)よりも下方に設定される。この場合、好ましいのは、フェース部の中心位置(FC)と点P4の中間高さより上方の範囲に水平リブ10aを設けるのが良い。これにより、フェース部の下側で広く補強でき、効率良くCT値を調整することができる。
ここで、フェース部の中心位置(FC)の定義、及びフェース部の高さHの定義について説明する。
フェース部7aの中心位置(FC)は、打球面を構成するトウ・ヒール方向の最大幅L(ヒール側フェース境界点P1、トウ側フェース境界点P2)の中間垂線を取り、その中間垂線上におけるクラウン側フェース境界点P3と、ソール側フェース境界点P4との間の中点(中心)によって定義される。なお、前記フェース境界点P1〜P4は、通常、エッジ部や仕上げ(サテン仕上げや鏡面仕上げ、ブラスト仕上げ、塗装仕上げ等)の変化で定義されるが、そのような基準で判断できないようなR曲面で連続している場合は、まず、ヘッドを正面視した状態において、打球面を構成している部分の内、最も幅広と考えられる部分に水平線を引き、その水平線上において、ヒール側及びトウ側でR30より小さくなる位置を定めて夫々、境界点P1,P2を特定する。そして、特定された境界点P1,P2を最大幅Lとして、境界点P1,P2の中間垂線を引き、その中間垂線上で、クラウン側及びソール側で、R10より小さくなる位置を定めて夫々境界点P3,P4を特定する。そして、この中間垂線上における境界点P3,P4の中間点がフェース部7aの中心位置(FC)とされる。
なお、上記したように特定されるフェース部7aの中心位置(FC)は、その位置における接線L1と基準水平面Pに対する垂線との交差角がロフト角βとなり、接線L1と平行な直線上における前記境界点P3,P4間の距離が、フェース部の高さHとなる。
上記したように、フェース部の裏面のソール側にリブ10を形成することで、フェース部7aの中心位置(FC)から下側のCT値を効果的に低下させて、フェース部の中心位置から下側12mmの範囲において、CTu/CTc≦0.75の条件を満足することが可能となる。具体的に、上記したようなリブ10をフェース部7aの裏面に形成したヘッドを装着したゴルフクラブによって得られた試験結果について説明する。
下記の表1は、図2〜図4に示したヘッド構造において、ヘッド毎に各フェース部における肉厚t1〜t4、及びリブ10の高さ(水平リブの高さh1,垂直リブの高さh2)を変えることで、フェース部7aの中心位置(FC)の上下方向のCT値を、ヘッド毎に異なる設定としたものである。この表1において、各ヘッドのCT値は、フェース部7aの中心位置(FC)で測定すると共に、その上下方向のそれぞれ6mm,12mm位置で測定した。また、打球速度は、中心位置(FC)で打球した際の速度を100%として、それぞれの位置における速度を中心位置における打球速度に対する比率(パーセント)で算出した。
なお、各ヘッドは、容積が380cc、上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 フェース高さHが48mmに設定されており、同一構造のシャフトを装着して、ヘッドスピードを40m/sで同一構造のボールを試打用ロボットで打球した。
また、フェース部の中心位置(FC)におけるCT値をCTc、その下方位置におけるCT値をCTu、上方位置におけるCT値をCTtとし、夫々、中心位置(FC)から下上6mm,12mmの位置におけるCTu/CTc、及びCTt/CTcを測定した。
Figure 2008022987
上記した試打試験に見られるように、従来例のゴルフクラブでは、中心位置(FC)から下6mmの位置で打球したとき100.8%の速度となり、下12mmの位置で打球したとき100.0%となり、中心位置で打球したときと比較しても、速度低下はみられない。このため、実際のゴルファーが打球した際、そのような位置(芯を外した位置)で打球しても、中心位置で打球したのと同じかそれ以上の速度が得られてしまうため、「芯で打球した」と錯覚するようになる。
しかし、実際には、このような位置で打球すると、打ち上げ角度が低く、かつギヤ効果によるバックスピン量が多くなってしまい、思ったほどの飛距離が得られないという結果になってしまう。
これに対して、フェース部の構造を、中心位置(FC)から下側におけるCT値を従来例よりも下げて、実施例1から4に示すように、CTu/CTc≦0.75となる領域が存在するようにしたことで、中心位置(FC)から下側で打球した際の速度を100%未満にすることが可能となる。すなわち、実際のゴルファーが打球した際、そのような位置(芯を外した位置)で打球すると、中心位置での打球速度と比較して低下していることから、「芯を外して打球した」と感覚的に察知させることができ、しかも、上記のように打ち上げ角度が低くバックスピン量も多くなって、飛距離も低下することから、打球した際のイメージと実際の打球飛距離が一致するようになり、芯を外して打球したことを明確に察知させることが可能となる。
ところで、上記したように、CT値に関しては、その値を低く設定することで、ボール速度を遅くすることが可能になるが、あまり低く設定しすぎると(CTu/CTcの値を低く設定しすぎる)、芯を外して打球した(下側で打球した)際、飛距離が低下し過ぎてしまい、いわゆる大型ヘッドとしての特性が減少してしまい好ましくはない。すなわち、一般ゴルファーが大型ヘッドに要求する特性の一つとして、多少芯を外して打球しても、それなりの飛距離が得られる、という点が挙げられる。具体的には、打球速度が95%未満になってしまうと、そのような特性が享受できなくなると考えられ(実施例4、比較例1参照)、上記したCTu/CTcの値に関しては、0.48≦CTu/CTcに設定しておくことが好ましい。
一方、中心位置(FC)から上側での打球を考慮した場合、弾道効率(スピン量、打ち出し角の飛距離効率)が良いため、CT値を高くして(CTt/CTcを高くする)打球速度を向上することが好ましいが、あまり打球速度を高くして、中心位置との対比で100%を超えてしまうと(比較例1参照)、逆に、ゴルファーは、中心位置が把握できなくなる傾向となってしまう。このため、中心位置(FC)から上側での打球速度は100%に近く設定されていることが好ましく、更には、100%を超えない範囲に設定することが好ましい。具体的には、フェース部の中心位置上側のCT値をCTtとしたとき、フェース部の中心位置から上側12mmの範囲において、CTt/CTc≧1.04の条件を満足する領域を備えていることが好ましく(実施例3参照)、更には、CTt/CTc≦1.25の条件を満足する領域を備えていることが好ましい(実施例4参照)。
ヘッドのフェース部において、以上のような特性を有しているゴルフクラブによれば、フェース部の中心位置(FC)を外して打球した際、打球した際のボール速度から得られるイメージと、実際の打球飛距離が一致する傾向になるため、ゴルファーは、最も良好な打球イメージが得られる部分(最も飛距離が得られる部分であるフェース部の中心領域)で打球することを心掛けるようになり、これにより飛距離の向上が図れるようになる。
本発明は、上述したように、ヘッドのフェース部の中心位置(FC)、及びその上下方向における位置におけるCT値を所定の比率となるように設計することに特徴があり、CT値を高くしたり、低くするための具体的手段については、適宜、変形することが可能である。具体的には、例えば、フェース部の裏面にリブを形成するような構造では、リブの形状、高さ、肉厚、形成位置を変形することで、上記したCT値に関する比率条件を満足するように設計すれば良く、また、リブの形成方法を変えることで、更に、大型ヘッドとしての特性を向上することが可能となる。
例えば、図5(a)に示すリブ20は、1本の横リブ20aと4本の縦リブ20bを設けるに当たり、トウ側の打球面が広くなるように、横リブ20aをトウ側からヒール側に向けて上昇するように形成したものである。このような形状のリブによれば、トウ側でミスヒットした時には、打ち出し角を高くさせないで弾道を安定させることができる。なお、横リブ20aについては、図5(d)に示すように、屈曲させながら次第に上昇するように形成しても良い。
また、図5(b)に示すリブ30は、1本の横リブ30aと3本の縦リブ30bを設けるに当たり、トウ側及びヒール側の打球面が広くなるように、横リブ30aを中央領域が突出する湾曲形状に形成したものである。このような形状のリブによれば、トウ・ヒール側でミスヒットした時には、フェースの撓みを利用して打ち出し角を高くさせないで、弾道を安定させることができる。更に、トウ・ヒール側のCT値が高く保てるので、トウ・ヒール側でのミスショット時の飛距離低下が小さいというメリットがある。
また、縦リブを複数本設ける構成については、各縦リブが平行に形成されていなくても良い。例えば、図5(c)に示すように、複数の縦リブ40bを相互に傾斜させて横リブ40aに連結してリブ40を構成したり、図5(e)に示すように、複数の縦リブ50bを横リブ50aに対してジグザグになるようにしてリブ50を構成しても良い。或いは、図5(f)に示すリブ60のように、1本の水平方向に延出する横リブ60aに対して、その下方に格子状になるように、多数本の横リブ、及び縦リブを形成しても良い。この場合、格子によって形成される凹所の形状については、図に示すような多角形状の他、円形や楕円形等にしても良い。
以上のように、リブの形状を変形することで、フェース部7aの下方領域の比強度、比剛性を適宜変形することが可能である。そして、フェース下方でヒットしたときの打球感を調整することが可能となる。
或いは、上記したリブを形成する以外にも、フェース部の肉厚、材質等を変形したり、フェース部以外の構造、例えば、クラウン部やソール部の構成(肉厚、材質等)を変えることで、上記した比率条件を満足するように設計することも可能である。
本発明に係るゴルフクラブの第1の実施形態を示す図であり、ゴルフクラブの正面図。 ヘッドの正面図。 図2のA−A線に沿った断面図。 図2のB−B線に沿った断面図。 (a)〜(f)は、リブの形状の変形例を示す図。
符号の説明
1 ゴルフクラブ
5 シャフト
7 ヘッド
7A ヘッド本体
7a フェース部
7b クラウン部
8 フェース部材
10,20,30,40,50,60 リブ
G 重心
P 基準水平面

Claims (2)

  1. ボールを打球するフェース部を備え、容積が380cc以上、上下方向の慣性モーメントが2200g・cm2 以上、フェース部の高さが48mm以上である中空構造のヘッドを有するゴルフクラブであって、
    前記ヘッドは、前記フェース部の中心位置のCT値をCTc、フェース部の中心位置の下側のCT値をCTuとしたとき、フェース部の中心位置から下側12mmの範囲において、CTu/CTc≦0.75の条件を満足する領域を備えたフェース部を有することを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記フェース部の中心位置上側のCT値をCTtとしたとき、フェース部の中心位置から上側12mmの範囲において、
    CTt/CTc≧1.04の条件を満足する領域を備えたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
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