JP2008021876A - 非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタ - Google Patents
非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電極の体積当たりの静電容量が高く、かつ充電時の体積膨張の低い、非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】金属単体または該金属単体の化合物と石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで金属単体または金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活して非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料を得る。好ましくは、石炭系ピッチの一次キノリン不溶分が2質量%以下であり、金属単体がFe、Si、Co、CrまたはNiであり、金属単体の化合物がFe、Si、Co、CrまたはNiの化合物である。金属単体の化合物はフェライトであることがより好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】金属単体または該金属単体の化合物と石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで金属単体または金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活して非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料を得る。好ましくは、石炭系ピッチの一次キノリン不溶分が2質量%以下であり、金属単体がFe、Si、Co、CrまたはNiであり、金属単体の化合物がFe、Si、Co、CrまたはNiの化合物である。金属単体の化合物はフェライトであることがより好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタに関する。
蓄電デバイスの一種である電気二重層キャパシタは、導電材料からなる電極の界面にイオンを吸脱着させることで電気を充放電する。電極の活物質には、一般に、多孔質炭素材料が用いられる。多孔質炭素材料を用いた電気二重層キャパシタは、多孔質炭素材料と電解質イオンの間で化学反応を伴わないことから、高速充放電性に優れ、ICバックアップ電源用等で、商品化が進んでいる。近年、燃料電気自動車(FCV)用途等での使用も検討されており、さらなる高速充放電性や体積当りの静電容量向上、低コスト化に寄与する多孔質炭素材料が望まれている。
かかる要求を満たすべく、多孔質炭素材料の原料と、その賦活方法に関して、さまざまな提案がなされている。
多孔質炭素材料の原料については、石油系ピッチや石炭系ピッチ等の重質油やポリビニルアルコール等の樹脂を挙げることができる。前者の石油系ピッチや石炭系ピッチ等の重質油は、ポリビニルアルコール等の樹脂に比べて炭化歩留が高いため、コスト面で有利である。
賦活方法については、例えば、電気二重層キャパシタの電極の重量(質量)当たりの静電容量を高める手段として、炭素材料を高温の水蒸気と接触させて細孔を形成する、所謂水蒸気賦活法が広く用いられている。
しかしながら、水蒸気賦活法の場合、一般に、炭素材料の比表面積を増やすことで電極の重量当たりの静電容量を高めることが実現される反面、嵩密度が低下するために電極の体積当たりの静電容量が低下する。又、電極歩留が低下するという課題もある。
しかしながら、水蒸気賦活法の場合、一般に、炭素材料の比表面積を増やすことで電極の重量当たりの静電容量を高めることが実現される反面、嵩密度が低下するために電極の体積当たりの静電容量が低下する。又、電極歩留が低下するという課題もある。
これに対して、電極の体積当たりの静電容量を高める手段として、多孔質炭素材料をアルカリ賦活して微細孔径を有する多孔質化することも提案されている。
しかしながら、アルカリ賦活法の場合、一般に、得られる炭素材料は、充電時の体積膨張が大きく、極端な場合セルの破損に至るおそれがある。
しかしながら、アルカリ賦活法の場合、一般に、得られる炭素材料は、充電時の体積膨張が大きく、極端な場合セルの破損に至るおそれがある。
このような炭素材料を賦活処理して多孔質化する方法の一例として、例えばコールタール等の瀝青物を加熱処理して得た球状炭素粒子を表面賦活する方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法により得られる炭素材料は約1nm径の微細な細孔を持つため、電気二重層キャパシタの初期容量が高く、内部抵抗が低く、低温特性に優れるとされている
特開平02−252227号公報
しかしながら、上記特許文献1のものを含め、原料として石油系ピッチや石炭系ピッチ等の重質油を用いた従来の多孔質炭素材料は、いずれも、電極の体積当たりの静電容量が必ずしも充分に高いものではなく、また、特に、充電時の体積膨張が高いという欠点が解消されていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、電極の体積当たりの静電容量が高く、かつ充電時の体積膨張の低い、非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、金属単体または該金属単体の化合物と石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで該金属単体または該金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活することを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、前記石炭系ピッチの一次キノリン不溶分が2質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、前記金属単体がFe、Si、Co、CrまたはNiであり、前記金属単体の化合物がFe、Si、Co、CrまたはNiの化合物であることを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、前記金属単体の化合物がフェライトであることを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、混合する前記金属単体または該金属単体の化合物の金属元素換算質量と石炭系ピッチまたは石油系ピッチの質量の比が95:5〜5:95であることを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料は、上記の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法により製造されることを特徴とする。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタは、上記の多孔性炭素材料を電極活物質に用いることを特徴とする。
本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、金属単体(金属)または該金属単体(金属)の化合物と石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで金属単体(金属)または該金属単体(金属)の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活するため、得られる多孔質炭素材料を非水系電気二重層キャパシタに用いるときに、電極体積当たりの静電容量が高く、かつ、充電時の体積膨張が低い。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
まず、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法は、(1)金属単体(金属)または該金属単体(金属)の化合物と(2)石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで金属単体または金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活するものである。
金属単体は、酸、アルカリ等の溶剤に可溶であれば、特に限定するものではなく、例えばFe、Si、Co、CrまたはNiを好適に用いることができる。また、金属単体の化合物についても、溶剤に可溶であれば、特に限定するものではなく、例えばFe、Si、Co、CrまたはNiの化合物を好適に用いることができる。金属化合物は、金属錯体を含む。また、金属化合物のなかでもフェライトをより好適に用いることができる。
石炭系ピッチは、石炭を乾留する際に生成するコールタールから分離される高沸点タール油およびタールピッチ(コールタールピッチ)等を挙げることができ、好ましくはタールピッチである。タールピッチは、軟化点70℃以下の軟ピッチ、軟化点70〜85℃程度の中ピッチおよび軟化点85℃以上の高ピッチがあり、いずれも使用可能であるが、歩留の点で高ピッチを使用することが有利である。また、タールピッチ、コールタールまたは高沸点タール油の2または3種類を混合したものでもよい。
石油系ピッチは、原油の常圧または減圧残渣などの重質油成分や、軽沸点の油類を改質し、重質したものを使用することができる。
上記の石炭系ピッチおよび石油系ピッチは適宜混合して用いてもよい。
石油系ピッチは、原油の常圧または減圧残渣などの重質油成分や、軽沸点の油類を改質し、重質したものを使用することができる。
上記の石炭系ピッチおよび石油系ピッチは適宜混合して用いてもよい。
得られる多孔質炭素材料の不純物が問題になる場合は、一般に一次QIと言われるキノリン不溶分を除去した原料を処理して得たピッチを用いることが好ましい。すなわち、ピッチ中の一次キノリン不溶分(QI)は、2質量%以下であることが好ましく、さらに0.1質量%以下であることがより好ましい。
ここで、一次QIとは、原料油等にもともと含まれる固形分等の不純物をいい、原料油を熱処理してピッチ化するときに重合反応により生成する、一般的に二次QIと言われるキノリン不溶分と区別される。なお、本発明においてピッチ中に二次QIを含むことは特に問題ない。原料油の段階でQIを測定することにより得られる一次QI量は、QI除去処理を施さない限りそのままピッチに引き継がれる。
ピッチの原料であるコールタール等から一次QIを除去するには、ろ過、遠心分離、溶剤分離等の公知の方法を用いることができる。
ここで、一次QIとは、原料油等にもともと含まれる固形分等の不純物をいい、原料油を熱処理してピッチ化するときに重合反応により生成する、一般的に二次QIと言われるキノリン不溶分と区別される。なお、本発明においてピッチ中に二次QIを含むことは特に問題ない。原料油の段階でQIを測定することにより得られる一次QI量は、QI除去処理を施さない限りそのままピッチに引き継がれる。
ピッチの原料であるコールタール等から一次QIを除去するには、ろ過、遠心分離、溶剤分離等の公知の方法を用いることができる。
混合する金属単体または金属単体の化合物の金属元素換算質量と石炭系ピッチの質量の比は、特に限定するものではないが、95:5〜5:95であると好ましい。
本発明は、水系の電解液を用いる電気二重層キャパシタに適用することを排除するものではないが、本発明の効果を好適に奏する観点からは、有機溶媒等の非水系電解液を用いる電気二重層キャパシタに適用することが最も好ましい。
以下、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法について、詳細に説明する。
金属単体または金属単体の化合物と石炭系ピッチ等を混合する混合工程は、公知の装置を用いて行うことができ、石炭系ピッチ等の中に金属単体または金属単体の化合物を均等に分散できるものであれば良い。例えば、両者をボールミルで粉砕混合してもよく、あるいはまた、金属化合物を溶剤に溶かしたものを微粉化したピッチに含浸させ、溶剤を乾燥除去させてもよい。
金属単体または金属単体の化合物と石炭系ピッチ等を混合する混合工程は、公知の装置を用いて行うことができ、石炭系ピッチ等の中に金属単体または金属単体の化合物を均等に分散できるものであれば良い。例えば、両者をボールミルで粉砕混合してもよく、あるいはまた、金属化合物を溶剤に溶かしたものを微粉化したピッチに含浸させ、溶剤を乾燥除去させてもよい。
上記の混合物を炭化する炭化工程は、公知の装置を用いることができ、均一に混合した混合物を、不活性雰囲気下で所定温度に加熱できれば良く、例えば耐熱性ルツボに上記混合物を装入してもよく、またバッチ式または連続式炭化炉に装入しても良い。発生する揮発分を系外に排出するための排気装置を設置することが好ましい。炭化温度は、用途・組み合わせる賦活条件によるが、例えば600℃〜900℃に設定するのが良い。
工業的には、ピッチコークスの製造で用いられるディレードコーカーを用いるのが好ましい方法のひとつである。この場合、ディレードコーカーで、所謂「生コークス」の状態に熱処理した後、公知の方法で同じく600〜900℃程度に炭化すればよい。
工業的には、ピッチコークスの製造で用いられるディレードコーカーを用いるのが好ましい方法のひとつである。この場合、ディレードコーカーで、所謂「生コークス」の状態に熱処理した後、公知の方法で同じく600〜900℃程度に炭化すればよい。
金属単体または金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄する洗浄工程、言い換えれば、炭化物中に残存する無機成分の除去工程は、公知の装置が使用できる。金属単体や金属単体の化合物は希釈した無機酸アルカリで炭化物を洗浄して除去すれば良い。希釈した無機酸の水溶液または有機酸を入れた槽に炭化物を装入し、攪拌することで、酸化カルシウムや酸化マグネシウムを除去できる。その後、純水等で無機酸等を洗浄除去すれば良い。金属単体または金属単体の化合物の除去効率を上げるため、予め炭化物を公知の粉砕機で粉砕しておくのは好ましい方法のひとつである。
得られた多孔質炭素材料は、電気二重層キャパシタの個別の要求特性に適合するよう、必要なら再度分級・粉砕・粒度調整を行う。
このものをさらに賦活処理する。賦活方法は、公知の方法が適用でき、再現性のある賦活方法であれば、方式は制限されない。アルカリ賦活法、電界賦活法は好ましい実施形態のひとつである。また、ガス賦活等の賦活方法を適宜組み合わせてもよい。より好ましくは、アルカリ賦活法を用いる。アルカリ賦活では、公知の方法が使用でき、例えば賦活試薬として水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。これらを混合して用いても良い。
このものをさらに賦活処理する。賦活方法は、公知の方法が適用でき、再現性のある賦活方法であれば、方式は制限されない。アルカリ賦活法、電界賦活法は好ましい実施形態のひとつである。また、ガス賦活等の賦活方法を適宜組み合わせてもよい。より好ましくは、アルカリ賦活法を用いる。アルカリ賦活では、公知の方法が使用でき、例えば賦活試薬として水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。これらを混合して用いても良い。
また、本発明に係る非水系電気二重層キャパシタは、上記の製造法によって得られる多孔質炭素材料を電極活物質に用いるものである。非水系電気二重層キャパシタ(以下、単に電気二重層キャパシタということがある。)の製造方法は、公知の製造法が採用でき、特に限定されない。
電気二重層キャパシタセルの組み立て方法については、公知の方法が適用できる。電極形成法についても限定されず、シート電極法、スラリー電極法のいずれも使用可能である。
このとき、炭素材料は、電気二重層キャパシタの設計に応じて、原料を電極の厚み以下の粒度に粉砕する。多孔質炭素材料の粉砕後粒度は、例えば数〜数十μmの範囲とする。粉砕方法は公知の方法が採用できる。
電気二重層キャパシタは、主として多孔質炭素材料からなる一対の正負電極の間にセパレータを挟んだ素子を電解質液とともにケースに収容するとともに、電極に集電体を設けた構造とすることができる。なお、例えばハイブリッドキャパシタの場合、負極を多孔質炭素材料以外の他の材料で形成してもよい。
電極構成としては、結合材を含むことが好ましく、特に多孔質炭素材料、導電性助剤および結合材からなる電極構成とすることが好ましい。
導電性助剤としては、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、天然/人造黒鉛等を用いることができる。
結合材としては、特に制限がないが、シート電極法では例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結合材、スラリー電極法では例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)、PVA等が使用できる。
スラリー電極法における溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、トルエン等またはその混合溶媒を使用することができる。
導電性助剤としては、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、天然/人造黒鉛等を用いることができる。
結合材としては、特に制限がないが、シート電極法では例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結合材、スラリー電極法では例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)、PVA等が使用できる。
スラリー電極法における溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、トルエン等またはその混合溶媒を使用することができる。
電極中の上記各成分の構成比については、特に制限はないが、多孔質炭素材料として50〜95質量%、導電性助剤として1〜25質量%、結合材として1〜25質量%の範囲で選択するのがよい。
集電体については特に制限はなく、公知の例えば、表面エッチングしたアルミ箔、ステンレス箔などが適用できる。
非水系電解質液に含まれる電解質は、特に限定するものではなく、公知の例えば(C2H5)4NBF4、CH3(C2H5)3NBF4等が使用できる。イミダゾリウム誘導体の塩(EMI)や、ジエチル−メチル−(2−メトキシエチルアンモニウム(DEME)等のイオン性液体を用いても良い。
非水系電解質液は特に制限なく、例えばプロピレンカーボネート(PC)は適当なもののひとつである。電解質液は、上記の電解質入り市販品を使用することができる。キャパシタ内に貯蔵できるエネルギーは充電電圧の2乗と静電容量の1乗に比例することから、分解電圧の高いものを用いることが好ましい。必要なら、脱水剤や、副反応で生成すると考えられるガスの捕集剤を加えてもよい。
セパレータは、製造プロセス、用途から求まる耐薬品性、耐熱性等の要件を満たせば特に限定されない。例えばポリエチレン多孔膜、ポリプロピレン製不織布、ガラス繊維性不織布、セルロース性特殊紙等の公知の材料が使用可能である。
電気二重層キャパシタのセル形状は、特に制限はなく、コイン型、角型、円筒型等のいずれの方式も採用できる。
以上説明した本発明に係る非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタによれば、得られる多孔質炭素材料を非水系電気二重層キャパシタに用いるときに、電極体積当たりの静電容量が高く、かつ、充電時の体積膨張が低い。
以下、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例−1
(多孔質炭素材の調製)
市販の石炭系ピッチ((株)シーケム製IP−86)を用いた。このもののQI値(JISK 2425準拠)は0.1%以下であった。金属化合物(金属単体の化合物)として、戸田工業(株)製のフェライト(B−III 紡錘状、長軸径100〜180nm)のものを用いた。
フェライトを乳鉢で粉砕した後、石炭系ピッチと、重量比で15:85で混合した。このものをSUS製反応器に充填し、一次炭化した。炭化条件は、昇温速度5度/分・保持温度470℃・保持時間20時間とした。ついでこの混合物をアルミナボードに取り、窒素ガス雰囲気下、700℃5時間二次炭化を行った。
回収した炭化物は、10重量%の濃度の塩酸水溶液中で3日間攪拌し、フェライト起因の鉄成分を溶出除去した。その後、純水で繰り返し洗浄した。
ついで、Ni製ルツボに、100〜150μm以下に粉砕した上記炭化物と水酸化カリウム(粒状:関東化学製特級試薬)試料を入れ、窒素雰囲気下、所定条件でアルカリ賦活処理した。賦活条件は、水酸化カリウム/炭素の重量比2.0、賦活温度は800℃1時間とした。反応終了後、純水でアルカリ金属分を除去し、乾燥し、目的の多孔質炭素材料を得た。このもののBET比表面積、電気化学特性を以下の条件で測定した。
(多孔質炭素材の調製)
市販の石炭系ピッチ((株)シーケム製IP−86)を用いた。このもののQI値(JISK 2425準拠)は0.1%以下であった。金属化合物(金属単体の化合物)として、戸田工業(株)製のフェライト(B−III 紡錘状、長軸径100〜180nm)のものを用いた。
フェライトを乳鉢で粉砕した後、石炭系ピッチと、重量比で15:85で混合した。このものをSUS製反応器に充填し、一次炭化した。炭化条件は、昇温速度5度/分・保持温度470℃・保持時間20時間とした。ついでこの混合物をアルミナボードに取り、窒素ガス雰囲気下、700℃5時間二次炭化を行った。
回収した炭化物は、10重量%の濃度の塩酸水溶液中で3日間攪拌し、フェライト起因の鉄成分を溶出除去した。その後、純水で繰り返し洗浄した。
ついで、Ni製ルツボに、100〜150μm以下に粉砕した上記炭化物と水酸化カリウム(粒状:関東化学製特級試薬)試料を入れ、窒素雰囲気下、所定条件でアルカリ賦活処理した。賦活条件は、水酸化カリウム/炭素の重量比2.0、賦活温度は800℃1時間とした。反応終了後、純水でアルカリ金属分を除去し、乾燥し、目的の多孔質炭素材料を得た。このもののBET比表面積、電気化学特性を以下の条件で測定した。
(比表面積ならびに平均細孔径の測定)
ユアサアイオニクス社製AUTOSORB I型装置によりBET比表面積を測定した。
ユアサアイオニクス社製AUTOSORB I型装置によりBET比表面積を測定した。
(シート電極の調製)
多孔質炭素材料は、予め乳鉢で20μ程度に微粉砕した。ついで、多孔質炭素材料:三井デュポンフルオロケミカル社製テフロン樹脂(テフロンは登録商標)PTFE6−J、ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製EC600JDを質量比8:1:1で混合・分散し、シート化して厚み100μmのシート電極を得た。シート電極は、直径16mmφの円盤状に打ち抜き、120℃で8時間減圧乾燥した。
多孔質炭素材料は、予め乳鉢で20μ程度に微粉砕した。ついで、多孔質炭素材料:三井デュポンフルオロケミカル社製テフロン樹脂(テフロンは登録商標)PTFE6−J、ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製EC600JDを質量比8:1:1で混合・分散し、シート化して厚み100μmのシート電極を得た。シート電極は、直径16mmφの円盤状に打ち抜き、120℃で8時間減圧乾燥した。
(テストセルの調製)
市販のガラス繊維製ろ紙をセパレータに用い、上記シート電極、セパレータで2極式のテストセルを組んだ。
電解質液は、富山薬品工業株式会社製の1モル/kgのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4NBF4)を含有するプロピレンカーボネート溶液を用いた。充放電試験に先立ち、シート電極には、電解質液を減圧下3時間含浸させた。
市販のガラス繊維製ろ紙をセパレータに用い、上記シート電極、セパレータで2極式のテストセルを組んだ。
電解質液は、富山薬品工業株式会社製の1モル/kgのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4NBF4)を含有するプロピレンカーボネート溶液を用いた。充放電試験に先立ち、シート電極には、電解質液を減圧下3時間含浸させた。
(電流密度ならびに静電容量の測定)
上記2極セルで、充放電装置としてTOYO SYSTEM製TOSCAT−3000K装置を用い、最大電圧として、2.5Vの電圧を印加し、100mA/gで5回充放電させ、5回目の放電工程の電流−電圧曲線の傾きから静電容量を測定した。
電流密度Iは、実充放電電流と、テストセルに装入された正負両シート電極の重量の和Wから、I=実充放電電流/Wで設定した。
静電容量は、電極活物質基準の静電容量C(単位:ファラッド)として次式で求めた。
C=実放電電流*(T2−T1)/(V1−V2)/0.8
V1:充電電圧の80%となる値(単位:V)
V2:充電電圧の40%となる値(単位:V)
T1:V1における時間(単位:sec)
T2:V2における時間(単位:sec)
実放電電流:単位A
体積あたりの静電容量Fは、Cを両極のシート電極の体積の和で割って求めた。なお、このときの電流密度は100(mA/g−電極シート)である。
上記2極セルで、充放電装置としてTOYO SYSTEM製TOSCAT−3000K装置を用い、最大電圧として、2.5Vの電圧を印加し、100mA/gで5回充放電させ、5回目の放電工程の電流−電圧曲線の傾きから静電容量を測定した。
電流密度Iは、実充放電電流と、テストセルに装入された正負両シート電極の重量の和Wから、I=実充放電電流/Wで設定した。
静電容量は、電極活物質基準の静電容量C(単位:ファラッド)として次式で求めた。
C=実放電電流*(T2−T1)/(V1−V2)/0.8
V1:充電電圧の80%となる値(単位:V)
V2:充電電圧の40%となる値(単位:V)
T1:V1における時間(単位:sec)
T2:V2における時間(単位:sec)
実放電電流:単位A
体積あたりの静電容量Fは、Cを両極のシート電極の体積の和で割って求めた。なお、このときの電流密度は100(mA/g−電極シート)である。
セル組み前の両極のシート電極の厚みの和(D1)を予め測定した後、上記条件でテストセルの充放電を行い、5回目の充電後に、充電状態のままテストセルを分解して両極の電極厚みの和(D2)を測定し、電極膨張率(単位%)を、100*(D2−D1)/D1の式から求めた。厚みの測定はマイクロメーターを使用した。
(充電時の膨張率と最大電圧との比)
電極の充電膨張率と充電時の最大電圧(本実施例では2.5V)から、充電時の膨張率と最大電圧との比(%/V)を求めた。
電極の充電膨張率と充電時の最大電圧(本実施例では2.5V)から、充電時の膨張率と最大電圧との比(%/V)を求めた。
比較例−1
実施例―1で、フェライトを添加しない以外は実施例―1に従い、多孔質炭素材料を得た。
実施例―1で、フェライトを添加しない以外は実施例―1に従い、多孔質炭素材料を得た。
比較例−2
実施例―1で、アルカリ賦活を行わない以外は実施例―1に従い、多孔質炭素材料を得た。
実施例―1で、アルカリ賦活を行わない以外は実施例―1に従い、多孔質炭素材料を得た。
実施例および比較例のBET比表面積、細孔分布、電気化学特性の結果をまとめて表1に示す。
Claims (7)
- 金属単体または該金属単体の化合物と石炭系ピッチまたは石油系ピッチを混合した後、炭化し、ついで該金属単体または該金属単体の化合物を溶解可能な溶剤で洗浄し、さらに、アルカリ賦活することを特徴とする非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法。
- 前記石炭系ピッチの一次キノリン不溶分が2質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法。
*別件と合わせました - 前記金属単体がFe、Si、Co、CrまたはNiであり、前記金属単体の化合物がFe、Si、Co、CrまたはNiの化合物であることを特徴とする請求項1記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法。
- 前記金属単体の化合物がフェライトであることを特徴とする請求項3記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法。
- 混合する前記金属単体または該金属単体の化合物の金属元素換算質量と石炭系ピッチまたは石油系ピッチの質量の比が95:5〜5:95であることを特徴とする請求項1記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料の製造方法により製造されることを特徴とする非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料。
- 請求項6記載の非水系電気二重層キャパシタ用多孔性炭素材料を電極活物質に用いることを特徴とする非水系電気二重層キャパシタ。
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JP2006193217A JP2008021876A (ja) | 2006-07-13 | 2006-07-13 | 非水系電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに非水系電気二重層キャパシタ |
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2006
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