JP2008135587A - 電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法および電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電極単位体積当たりの静電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができる電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法および電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークスを有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を電極活物質に用いる。有機溶剤は、好ましくは、トルエンと同等以上のコークス溶解力を有する溶剤である。電気二重層キャパシタは、上記の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内の電極活物質を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークスを有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を電極活物質に用いる。有機溶剤は、好ましくは、トルエンと同等以上のコークス溶解力を有する溶剤である。電気二重層キャパシタは、上記の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内の電極活物質を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法および電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、蓄電デバイスの一種であり、導電材料からなる電極の界面にイオンを吸脱着させることで電気を充放電する。イオンは電極界面に吸着することから、導電材料として高比表面積の活性炭等の多孔質炭素材料が主に使用されている。
電気二重層キャパシタは、これまで、小型電子部品用永久電源として商品化されてきたが、近年、ハイブリッド自動車(HEV)用電源としても使用が検討されており、HEV用途では、低価格化と高性能化、特に単位体積当たりの高容量化が望まれている。
電気二重層キャパシタは、これまで、小型電子部品用永久電源として商品化されてきたが、近年、ハイブリッド自動車(HEV)用電源としても使用が検討されており、HEV用途では、低価格化と高性能化、特に単位体積当たりの高容量化が望まれている。
かかる高性能化要求に対し、電気二重層キャパシタの電極活物質として使用される多孔質炭素材料に関してさまざまな提案がなされており、なかでも、炭素材料を賦活したものを電極活物質として用いる技術が数多く提案されてきた。
例えば、椰子殻炭等を水蒸気存在下1000℃程度に加熱し、水成ガス化を用いて賦活する所謂水蒸気賦活法が提案されている。しかしながら、この方法は一般に多孔質炭素材料の歩留が低い。又、比表面積を高めると、水蒸気賦活炭の嵩密度が低下し、体積当たりの高容量化が困難になる。
また、アルカリ金属水酸化物を酸化剤に用いるアルカリ賦活法が知られているこの方法で、例えば3000〜4500m2/g程度の高い比表面積を持つ活性炭が得られるが、この方法は、副生アルカリ金属が高反応性を持つことによる反応器の腐食や安全性の点で工業生産上の課題がある。
これに対して、特定の処理を施した炭素材料を用いて賦活処理する技術も開示されている。
例えば、熱処理前のピッチ類に2〜3環の軽沸点油を添加剤として混合・成形した後、ピッチ成形体を得、ついで、添加剤を選択的に溶解する溶剤で軽沸点油のみを抽出除去した後、酸化剤を用いて不融化し、得られる不融性の多孔性のピッチ成形体に炭化・賦活処理を施す方法が開示されている(特許文献2)。
この方法によれば、不融化した多孔性のピッチ系前駆体(ピッチ成形体)において、ピッチ中の成分の多様化が促進され、微細孔表面に難黒鉛化性炭素前駆体層が優先的に存在し、炭素化、ならびに賦活過程において、これら難黒鉛化性炭素前駆体層が優先的に消失して、比較的低い賦活処理レベルでより黒鉛リッチの微細構造が形成され、この黒鉛リッチの微細構造、比較的低い電気抵抗を有し比較的高い密度の電気二重層キャパシタ材料として有効に機能するものと推定されている。
しかしながら、上記の製造方法により得られる炭素材は、溶剤を用いた抽出処理によって、ピッチは殆ど溶解せず、添加剤のみを抽出することで、元来非多孔質であるピッチ成形体を多孔質化し、さらに、炭化・賦活処理によってより多孔質化するものであるため、前記した他の賦活処理技術の場合と同様に、炭素材の嵩密度が低下し、体積当たりの高容量化が困難になるものと考えられる。
特開平02−252227号公報
特開平11−214270号公報
例えば、熱処理前のピッチ類に2〜3環の軽沸点油を添加剤として混合・成形した後、ピッチ成形体を得、ついで、添加剤を選択的に溶解する溶剤で軽沸点油のみを抽出除去した後、酸化剤を用いて不融化し、得られる不融性の多孔性のピッチ成形体に炭化・賦活処理を施す方法が開示されている(特許文献2)。
この方法によれば、不融化した多孔性のピッチ系前駆体(ピッチ成形体)において、ピッチ中の成分の多様化が促進され、微細孔表面に難黒鉛化性炭素前駆体層が優先的に存在し、炭素化、ならびに賦活過程において、これら難黒鉛化性炭素前駆体層が優先的に消失して、比較的低い賦活処理レベルでより黒鉛リッチの微細構造が形成され、この黒鉛リッチの微細構造、比較的低い電気抵抗を有し比較的高い密度の電気二重層キャパシタ材料として有効に機能するものと推定されている。
しかしながら、上記の製造方法により得られる炭素材は、溶剤を用いた抽出処理によって、ピッチは殆ど溶解せず、添加剤のみを抽出することで、元来非多孔質であるピッチ成形体を多孔質化し、さらに、炭化・賦活処理によってより多孔質化するものであるため、前記した他の賦活処理技術の場合と同様に、炭素材の嵩密度が低下し、体積当たりの高容量化が困難になるものと考えられる。
上記のように、従来の賦活処理を伴う電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、特許文献2のものを含め、電極単位体積当たりの高容量化を得ることが困難であると考えられる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、安価で且つ電極単位体積当たりの静電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができる電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法および電気二重層キャパシタ用電極活物質を提供することを目的とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークス炭素前駆体を有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を電極活物質に用いることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、好ましくは、前記コークスが、石炭系重質油または石油系重質油をディレードコーカーで熱処理して得られる揮発分10%以上の生コークスであることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、好ましくは、前記有機溶剤が、トルエンまたはトルエンと同等以上の前記コークス溶解力を有する溶剤であることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、好ましくは、前記有機溶剤が、少なくともテトラヒドロフラン、ピリジンまたはキノリンを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、好ましくは、前記有機溶剤が、少なくともテトラヒドロフラン、ピリジンまたはキノリンを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタは、上記の電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内にある電気二重層キャパシタ用電極活物質を用いることを特徴とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法は、石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークスを有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を電極活物質に用いるため、電極単位体積当たりの静電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができる。また、このとき、従来技術のような賦活処理を必要としない。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタは、上記の電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内にある電気二重層キャパシタ用電極活物質を用いるため、上記本発明に係る電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法の効果を好適に発揮することができる。
*追記しました。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタは、上記の電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内にある電気二重層キャパシタ用電極活物質を用いるため、上記本発明に係る電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法の効果を好適に発揮することができる。
*追記しました。
本発明の実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、以下に説明する。
本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法は、電極活物質として石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークスを有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を用いるものである。
上記コークスは、好ましくは、(1)石炭系重質油、(2)石油系重質油および(3)樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質を熱処理して得られるいわゆる生コークスであってもよく、また、これらの生コークスをさらに熱処理して得られるコークスであってもよい。
これらのコークス(以下、これを炭素前駆体ということがある。)のなかで、石炭系重質油および石油系重質油は、工業的な入手のし易さと価格の点でより好ましい。
また、これらの重質油等をさらに、連続式あるいはバッチ式の適宜の方法により熱処理して重縮合化することにより、抽出残分に富む電極活物質材料を得ることができる。例えば、石炭系重質油または石油系重質油をディレードコーカーでバッチ式に熱処理して得られる揮発分10%以上の生コークスは、好ましいもののひとつである。なお、このとき、揮発分が10%程度以上の生コークスを調製するためには例えば比較的低温での熱処理を行えばよい。
なお、重質油やタール油は、所謂一次QI(キノリン不溶分)と呼ばれる成分を含む場合がある。この一次QIは、不純物を含むときがあるため、高純度の電極活物質を得る観点からは、例えば炭素前駆体から、一次QIを予め除去したのち、熱処理を行って生成する二次QIのみ熱処理物から回収して用いてもよい。
また、適宜、蒸留等により、軽沸点成分を取り除き、溶剤不溶分を含む炭素質を濃縮してもよい。なお、光学的異方性組織、所謂メソフェース球晶を形成する必要はない。
これらのコークス(以下、これを炭素前駆体ということがある。)のなかで、石炭系重質油および石油系重質油は、工業的な入手のし易さと価格の点でより好ましい。
また、これらの重質油等をさらに、連続式あるいはバッチ式の適宜の方法により熱処理して重縮合化することにより、抽出残分に富む電極活物質材料を得ることができる。例えば、石炭系重質油または石油系重質油をディレードコーカーでバッチ式に熱処理して得られる揮発分10%以上の生コークスは、好ましいもののひとつである。なお、このとき、揮発分が10%程度以上の生コークスを調製するためには例えば比較的低温での熱処理を行えばよい。
なお、重質油やタール油は、所謂一次QI(キノリン不溶分)と呼ばれる成分を含む場合がある。この一次QIは、不純物を含むときがあるため、高純度の電極活物質を得る観点からは、例えば炭素前駆体から、一次QIを予め除去したのち、熱処理を行って生成する二次QIのみ熱処理物から回収して用いてもよい。
また、適宜、蒸留等により、軽沸点成分を取り除き、溶剤不溶分を含む炭素質を濃縮してもよい。なお、光学的異方性組織、所謂メソフェース球晶を形成する必要はない。
有機溶剤は、その種類を特に限定するものではないが、電極用活物質を用いて非水系電気二重層キャパシタを構成したとき、電極用活物質から電解液への油分の溶出を避ける必要があることから、トルエンまたはトルエンと同等以上の、重質油等の炭素前駆体溶解力を有する溶剤を用いることが好ましい。このようなトルエンと同等以上の炭素前駆体溶解力を有する有機溶剤として、窒素含有複素環化合物であるキノリン、ピリジン、テトラハイドロフラン(THF)等を挙げることができる。また、タール軽油成分である洗浄油(概略沸点220〜300℃の分留成分)を用いてもよい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、また、混合して用いてもよい。
ここで、抽出残分となる例えばトルエン不溶分(以下TI)とは、JIS K 2425で定義されるものとする。キノリン不溶分(以下QI)その他溶剤不溶分についても、上記JISK 2425の分析法に準じるものとする。
ここで、抽出残分となる例えばトルエン不溶分(以下TI)とは、JIS K 2425で定義されるものとする。キノリン不溶分(以下QI)その他溶剤不溶分についても、上記JISK 2425の分析法に準じるものとする。
有機溶剤を使って炭素前駆体を抽出処理するには、適宜の方法を用いることができ、例えば、ソックスレー抽出法を用いることができる。
また、有機溶剤を使って炭素前駆体を抽出処理するに際し、予め、適宜の方法で粉砕した炭素前駆体を用いてもよい。
また、有機溶剤を使って炭素前駆体を抽出処理するに際し、加熱して抽出温度を高くすると、溶解速度や溶解力を上げるうえで好ましい。
また、抽出処理を多段階で行ってもよく、例えば、トルエンで抽出した後、さらに、溶解力の強い例えばキノリン等で抽出してもよい。
また、有機溶剤を使って炭素前駆体を抽出処理するに際し、予め、適宜の方法で粉砕した炭素前駆体を用いてもよい。
また、有機溶剤を使って炭素前駆体を抽出処理するに際し、加熱して抽出温度を高くすると、溶解速度や溶解力を上げるうえで好ましい。
また、抽出処理を多段階で行ってもよく、例えば、トルエンで抽出した後、さらに、溶解力の強い例えばキノリン等で抽出してもよい。
抽出処理後の抽出残分を回収するには、適宜の分離方法を用いることができ、例えば、遠心分離、ろ過法などが使用できる。
得られる電極活物質は、熱処理による脱溶剤を行ってもよい。例えば、不活性雰囲気下、300〜400℃に加熱してもよく、さらにまた、酸等で洗浄し、重金属等の不純物を除去してもよい。
また、電極活物質は、用途に応じ、適宜の方法で粉砕・分級等を行い、粒度を調整してもよい。
また、電極活物質は、用途に応じ、適宜の方法で粉砕・分級等を行い、粒度を調整してもよい。
以上説明した本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法によれば、電極単位体積当たりの静電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができる。また、このとき、従来技術のような賦活処理を必要としない。
つぎに、本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタは、上記の電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内にある電気二重層キャパシタ用電極活物質である。
電極活物質は、BET比表面積が10m2/g以下であることがより好ましい。また、電極活物質は、TIが90質量%以上、好ましくは95質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、キノリンまたはピリジン不溶分が90質量%以上且つTIが99%以上である。
本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタは、特に非水系電気二重層キャパシタ用途に好適である。
電極活物質は、BET比表面積が10m2/g以下であることがより好ましい。また、電極活物質は、TIが90質量%以上、好ましくは95質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、キノリンまたはピリジン不溶分が90質量%以上且つTIが99%以上である。
本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタは、特に非水系電気二重層キャパシタ用途に好適である。
以下、本実施の形態例に係る電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法および電気二重層キャパシタの実施例を説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例−1)
(電極活物質の調製)
新日鐵化学株式会社製軟ピッチ(軟化点30℃)を、ディレードコーカーで最高温度450℃で熱処理し、揮発分18%の生コークスを得た。このものは図1に示すように光学異方性組織が連続したマトリックスを形成していた。
この生コークスを、全量32メッシュ以下に粉砕した後、20g取り、200gのキノリン中、90℃で6時間煮沸した。抽出操作後のキノリンをデカンタで除いた後、新たにキノリンを加えて、キノリンが殆ど着色しなくなるまで上記操作を繰り返した。
その後、残渣を回収し、アセトンで洗浄し、真空中で110℃6時間乾燥し、活物質−1を得た。活物質−1のトルエン不溶分を、JIS K−2425に準じて測定したところ、99%であった。
(BET比表面積の測定)
ユアサアイオニクス社製AUTOSORB I型装置により活物質−1のBET比表面積を測定した。比表面積は4m2/gであった。
(H/Cの測定)
LECO社の元素分析装置 CHN−2000を用いて活物質−1の炭素に対する水素の原子数比(H/C)を分析した。
H/Cの算出は、元素分析で得られた炭素の重量%WCと、水素の重量%WHから、次式で求めた。
H/C[−]=WC/WH×12
得られた活物質−1のH/Cは0.42であった。
(SEMによる形状の測定)
日立製作所製 S−4700型を用い、倍率500〜1000倍で活物質−1を観察した。図2に示すように不定形の形状が認められた。
(電極活物質の調製)
新日鐵化学株式会社製軟ピッチ(軟化点30℃)を、ディレードコーカーで最高温度450℃で熱処理し、揮発分18%の生コークスを得た。このものは図1に示すように光学異方性組織が連続したマトリックスを形成していた。
この生コークスを、全量32メッシュ以下に粉砕した後、20g取り、200gのキノリン中、90℃で6時間煮沸した。抽出操作後のキノリンをデカンタで除いた後、新たにキノリンを加えて、キノリンが殆ど着色しなくなるまで上記操作を繰り返した。
その後、残渣を回収し、アセトンで洗浄し、真空中で110℃6時間乾燥し、活物質−1を得た。活物質−1のトルエン不溶分を、JIS K−2425に準じて測定したところ、99%であった。
(BET比表面積の測定)
ユアサアイオニクス社製AUTOSORB I型装置により活物質−1のBET比表面積を測定した。比表面積は4m2/gであった。
(H/Cの測定)
LECO社の元素分析装置 CHN−2000を用いて活物質−1の炭素に対する水素の原子数比(H/C)を分析した。
H/Cの算出は、元素分析で得られた炭素の重量%WCと、水素の重量%WHから、次式で求めた。
H/C[−]=WC/WH×12
得られた活物質−1のH/Cは0.42であった。
(SEMによる形状の測定)
日立製作所製 S−4700型を用い、倍率500〜1000倍で活物質−1を観察した。図2に示すように不定形の形状が認められた。
(シート電極の調製)
活物質−1、三井デュポンフルオロケミカル社製テフロン樹脂PTFE6−J(テフロンは商標名)およびライオン製ケッチェンブラックEC600JD(ケッチェンブラックは商標名)を質量比8:1:1で混合・分散し、シート化して厚み100μmのシート電極を得た。シート電極は、直径16mmφの円盤状に打ち抜き、120℃で8時間減圧乾燥した。
活物質−1、三井デュポンフルオロケミカル社製テフロン樹脂PTFE6−J(テフロンは商標名)およびライオン製ケッチェンブラックEC600JD(ケッチェンブラックは商標名)を質量比8:1:1で混合・分散し、シート化して厚み100μmのシート電極を得た。シート電極は、直径16mmφの円盤状に打ち抜き、120℃で8時間減圧乾燥した。
(テストセルの調製)
市販のガラス繊維製ろ紙をセパレータに用い、上記シート電極、セパレータを用いて2極式のテストセルを組んだ。テストセルには、宝泉製HSフラットセルを用いた。
電解質液は、富山薬品工業株式会社製の1モル/kgのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4NBF4)を含有するプロピレンカーボネート溶液を用いた。シート電極は、充放電前に、電解質液を減圧下3時間含浸させた。
市販のガラス繊維製ろ紙をセパレータに用い、上記シート電極、セパレータを用いて2極式のテストセルを組んだ。テストセルには、宝泉製HSフラットセルを用いた。
電解質液は、富山薬品工業株式会社製の1モル/kgのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4NBF4)を含有するプロピレンカーボネート溶液を用いた。シート電極は、充放電前に、電解質液を減圧下3時間含浸させた。
(静電容量の測定)
上記2極セルで、充放電装置としてナガノ製充放電装置(BTS2004W)を用い、2.7Vの電圧を印加し、100mA/gで5回充放電させ、5回目の放電工程の電流−電圧曲線の傾きから静電容量を測定した。
上記2極セルで、充放電装置としてナガノ製充放電装置(BTS2004W)を用い、2.7Vの電圧を印加し、100mA/gで5回充放電させ、5回目の放電工程の電流−電圧曲線の傾きから静電容量を測定した。
(静電容量の算出)
テストセルに装入されたシート電極の重量W(g)とし、充放電電流IをI=100mA/g*Wと設定した。
次式で、静電容量C(単位:F)を求めた。
C=I*(T2−T1)/(V1−V2)
V1:充電電圧の80%となる値(単位:V)
V2:充電電圧の40%となる値(単位:V)
T1:V1における時間(単位:sec)
T2:V2における時間(単位:sec)
I:放電電流(単位:A)
得られた静電容量Cを正負極のシート電極体積(含浸工程前に測定する)の和で割って体積毎静電容量(単位体積当たり静電容量 単位:F/cc)算出した。これらの結果を表1に示す。以下の他の実施例等についても同様である。
テストセルに装入されたシート電極の重量W(g)とし、充放電電流IをI=100mA/g*Wと設定した。
次式で、静電容量C(単位:F)を求めた。
C=I*(T2−T1)/(V1−V2)
V1:充電電圧の80%となる値(単位:V)
V2:充電電圧の40%となる値(単位:V)
T1:V1における時間(単位:sec)
T2:V2における時間(単位:sec)
I:放電電流(単位:A)
得られた静電容量Cを正負極のシート電極体積(含浸工程前に測定する)の和で割って体積毎静電容量(単位体積当たり静電容量 単位:F/cc)算出した。これらの結果を表1に示す。以下の他の実施例等についても同様である。
(実施例−2)
有機溶媒としてトルエンを用い、沸点で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
有機溶媒としてトルエンを用い、沸点で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
(実施例−3)
実施例―1で、キノリン不溶分を、更に不活性雰囲気下、400℃で1時間加熱し、キノリンを完全に除去した後、静電容量を始めとする各特性を測定した。
実施例―1で、キノリン不溶分を、更に不活性雰囲気下、400℃で1時間加熱し、キノリンを完全に除去した後、静電容量を始めとする各特性を測定した。
(実施例−4)
有機溶媒としてピリジンを用い、ピリジンの還流温度で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
有機溶媒としてピリジンを用い、ピリジンの還流温度で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
(実施例−5)
有機溶媒としてTHFを用い、THFの還流温度で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
有機溶媒としてTHFを用い、THFの還流温度で抽出したほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
(実施例−6)
新日鐵化学株式会社製軟ピッチ(軟化点30℃)に30倍のキノリンを加え、80℃に加温し、G4ガラスフィルター相当のろ過を行い、一次QIを除去した。キノリンを減圧除去して一次QIを除去した軟ピッチを得た。
このピッチを常圧、不活性ガス気流下、470℃24時間熱処理し、熱処理ピッチを得た。このものの揮発分は15%であった。
この炭素質を粉砕し、32メッシュの篩いで分級し、篩い下を分取した。
このものを、実施例―1と同様に抽出処理等し、測定、評価した。
新日鐵化学株式会社製軟ピッチ(軟化点30℃)に30倍のキノリンを加え、80℃に加温し、G4ガラスフィルター相当のろ過を行い、一次QIを除去した。キノリンを減圧除去して一次QIを除去した軟ピッチを得た。
このピッチを常圧、不活性ガス気流下、470℃24時間熱処理し、熱処理ピッチを得た。このものの揮発分は15%であった。
この炭素質を粉砕し、32メッシュの篩いで分級し、篩い下を分取した。
このものを、実施例―1と同様に抽出処理等し、測定、評価した。
(実施例−7)
実施例―6で、有機溶剤としてトルエンを用いたほかは実施例―2と同様に処理し、測定、評価した。
実施例―6で、有機溶剤としてトルエンを用いたほかは実施例―2と同様に処理し、測定、評価した。
(参考例−1)
溶剤洗浄を行わなかったほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
溶剤洗浄を行わなかったほかは実施例―1と同様に処理し、測定、評価した。
(参考例−2)
ディレードコーカーの処理温度を上げ、揮発分が7%になるよう調製した生コークスを用いたほかは実施例―1と同様に処理した炭素質を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
ディレードコーカーの処理温度を上げ、揮発分が7%になるよう調製した生コークスを用いたほかは実施例―1と同様に処理した炭素質を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
(参考例−3)
参考例―2の生コークスを用いた以外は実施例―1と同様に調製した溶剤不溶分を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
参考例―2の生コークスを用いた以外は実施例―1と同様に調製した溶剤不溶分を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
(参考例−4)
ディレードコーカーの処理温度を上げ、揮発分が9%になるよう調製した生コークスを用いた以外は実施例―1と同様に調製した溶剤不溶分を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
ディレードコーカーの処理温度を上げ、揮発分が9%になるよう調製した生コークスを用いた以外は実施例―1と同様に調製した溶剤不溶分を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
(参考例−5)
実施例―6で、溶剤洗浄を行わなかった以外は同様に処理した炭素質を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
実施例―6で、溶剤洗浄を行わなかった以外は同様に処理した炭素質を用いて、静電容量を始めとする各特性を測定した。
Claims (5)
- 石炭系重質油、石油系重質油および樹脂を熱処理して得られるタール油のうちから選ばれる1または2以上の物質由来のコークスを有機溶剤で抽出処理するときの抽出残分を電極活物質に用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法。
- 前記コークスが、石炭系重質油または石油系重質油をディレードコーカーで熱処理して得られる揮発分10%以上の生コークスであることを特徴とする請求項1項記載の電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法。
- 前記有機溶剤が、トルエンまたはトルエンと同等以上の前記コークス溶解力を有する溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法。
- 前記有機溶剤が、少なくともテトラヒドロフラン、ピリジンまたはキノリンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ用電極活物質の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ電極活物質の製造方法によって得られ、炭素に対する水素の原子比(H/C)が0.35〜0.46の範囲内にある電気二重層キャパシタ用電極活物質を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006321052A patent/JP2008135587A/ja not_active Withdrawn
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